子どもを守るため、古いカーペットは買い替えを

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/05/26

 

 子どもがいる家庭に、もし古くなったカーペットがあるなら、そろそろ買い替えを検討する時期かもしれない。「Chemosphere」4月12日オンライン版に掲載された論文によると、古いカーペットは子どもがPFASと呼ばれる有害な化学物質に曝露する主要原因だという。

 PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)は、神経発達や免疫機能、ホルモン分泌への影響、および発がんなど、深刻な健康リスクとの関連が報告されている。かつてはカーペットの汚れ防止加工にPFASが用いられていたが、近年はほとんどのメーカーが使用を中止している。そのため現在、家庭や学校、託児施設などで使われている古いカーペットを交換すれば、子どものPFAS曝露を防ぐことができる。

 米インディアナ大学のMarta Venier氏によると、これまでのPFAS関連の研究は、環境中の粉塵を検体として用いてきたという。同氏らは今回、粉塵だけでなく、カーペットそのものも検体に加えた研究を行った。

 カリフォルニア州の18カ所の保育所から、カーペットおよび粉塵を採取しPFASを測定。その結果、双方から42種類のPFASが検出され、その濃度は、カーペットが471ng/g、粉塵が523ng/gだった。カーペットのPFAS濃度と粉塵のPFAS濃度に強い相関が認められたことから、環境中に漂うPFASはカーペットから発生することが示唆された。

 PFAS濃度を基に子どもたちが吸引するPFASの量を計算したところ、最小で0.023ng/kg/日、最大で1.9ng/kg/日と推定された。一方、米有害物質・疾病登録局(ATSDR)によると、ある種のPFASが環境リスクとなる最小値は、2ng/kg/日という低い値であることが報告されている。粉塵はPFAS曝露経路の一つにすぎず、他の経路からの曝露もあり得ることから、カーペットと接触する子どもたちの健康を害する可能性が考えられる。

 論文の上席著者であるVenier氏は、「床に座って動いたり昼寝をするなど、子どもは多くの時間を床の上で過ごす。子どもの手や玩具に、カーペットや粉塵に含まれる有害なPFASが付着し、それが子どもの口に入る。より小さな乳幼児がカーペットの上で這ったり遊んだりしている家庭でも、同じことが起こる」と説明している。

 ただし現在は、大手小売業者のほとんどがPFASを使用したカーペットを販売していない。論文の共著者の一人で米グリーンサイエンス政策研究所のTom Bruton氏は、この点を「子どもの健康のためには大きな改善だ」と評価するとともに、「PFAS不使用のカーペットを入手しやすくなった今、古いカーペットを交換することで、子どもたちをPFAS曝露から守ることができる」と述べている。

[2020年4月29日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら