「降圧薬でCOVID-19は重症化しない」、米国3学会が共同声明

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/04/01

 

 米国心臓協会(AHA)、米国心不全学会(HFSA)、米国心臓病学会(ACC)の3学会は3月17日、「ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の服用は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患後の重症化要因にはならない」とする共同声明を発表した。COVID-19重症化とこれらの降圧薬の使用をめぐり議論が巻き起こっていることを受けて、今回の声明の発表に至ったとしている。

 3学会は、ACE阻害薬またはARBを服用している心不全や高血圧、心疾患の患者に対し、引き続きこれらの薬剤を使用するよう呼びかけている。ただし、心疾患などの持病がある人は、ACE阻害薬やARBの使用の有無にかかわらず、COVID-19罹患後には重症化リスクが高まるとしている。

 専門家らは、「COVID-19と診断された心疾患患者に対して、治療薬の使用を中止したり、新たに追加したりする場合には、その前に患者評価を十分に行う必要がある。また、治療は科学的根拠に基づいて変更すべきであり、患者と医師、医療チームが共同で意思決定を行うべきだ」とAHAのニュースリリースで説明している。

 AHA会長で米スタンフォード大学医学部長のRobert Harrington氏は、「心血管疾患の持病がある患者は、COVID-19に罹患すると重症化しやすく、死亡リスクも高いため、不安になるのは当然のことだ。しかし、最新のデータを調べた結果、ACE阻害薬やARBの使用中止を支持するエビデンスは見つけられなかった。そのため、治療レジメンを変更する際には、患者個々の必要性を考慮することを、われわれは強く推奨する」と述べている。

 ACC会長で米インディアナ大学心臓病学教授のRichard Kovacs氏によれば、COVID-19と診断された心血管疾患患者において、ACE阻害薬やARBの有益性や有害性を検証した実験データや臨床データはまだ存在しないという。同氏は「COVID-19に罹患した可能性がある世界中の心疾患患者に最善の治療を行うためには、さらなる研究を早急に行う必要がある。今後、新たな研究結果を踏まえ、われわれの推奨内容も適宜、見直す予定だ」と述べている。

[2020年3月17日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら