リスク因子の重積で静脈血栓塞栓症の再発率上昇か

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/01/29

 

 肥満や高血糖、脂質異常症や高血圧といったリスク因子が集積するメタボリックシンドロームでは、深部静脈血栓症(DVT)や肺塞栓症などの静脈血栓塞栓症(VTE)の初発リスクが高まることが知られている。米インディアナ大学医学部救急医学のLauren Stewart氏らは今回、DVTと診断された約15万人の患者を対象に分析し、メタボリックシンドロームを構成するリスク因子が重積しているほどVTEの再発リスクは高いという研究結果を、「Blood Advances」1月14日号に発表した。

 Stewart氏らは今回、2004~2017年にDVTと診断された15万1,054人の患者を対象に、メタボリックシンドロームの有病率を調べ、メタボリックシンドロームを構成するリスク因子の保有数とVTE再発リスクとの関連について後ろ向きに分析した。

 その結果、対象患者の68%は、リスク因子を少なくとも1つ保有していた。また、対象患者全体のVTE再発率は17%であり、リスク因子が重積するほど再発率は高まることが分かった。VTE再発率は、リスク因子がまったくない患者では7%であったのに対し、リスク因子が1つの患者では14%、2つの患者では21%、3つの患者では30%であり、4つ全てを保有する患者では37%に達していた。

 ただ、DVT発症後にワルファリンやリバーロキサバン、アピキサバンなどの抗凝固薬を服用していた患者では、VTE再発率の上昇は認められなかった。この点について、Stewart氏らは「抗凝固療法によりVTEの再発リスクは低減することが知られている。そのために、メタボリックシンドロームが血栓症リスクに与える影響は過小評価されていた可能性がある」と説明している。

 これらの結果から、Stewart氏は「DVTと診断されたらメタボリックシンドロームの有無を確認する必要がある」と指摘。肥満や脂質異常症、高血圧、糖尿病といったリスク因子が1つでもあると、VTE患者の予後は悪化するとされるが、「リスク因子があっても落胆することはない。これらのリスク因子は、生活習慣の是正や適切な治療によって改善できる」と、同氏は助言している。

[2020年1月9日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら