不健康な食生活による医療コストが米国で年5.5兆円

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/01/23

 

 米国の国民が健康的な食生活を送っていれば2型糖尿病や心疾患、脳卒中などの心血管代謝性疾患が減少し、医療コストを年間500億ドル(約5.5兆円)以上削減できるとする報告が 「PLOS Medicine」12月17日オンライン版に掲載された。これまでの研究でも不健康な食生活は健康障害のリスク因子の1つであり、心血管代謝性疾患による死亡の45%に関連すると推計されていたが、不健康な食生活によって生じる疾患の経済的コストは明らかでなかった。

 米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院および米タフツ大学の研究者らは、35~85歳の米国人を対象に、普段摂取している食品・栄養素と心血管代謝性疾患の医療コストの関連を調べる計算モデルを作成した。食品・栄養素は、果物、野菜、ナッツ・種子、全粒穀物、未加工の赤身肉、加工肉、加糖飲料、多価不飽和脂肪酸、魚介類のオメガ3脂肪酸、ナトリウムという計10種類のグループに分けて検討した。それらの摂取量のデータは2009~2012年の米国国民健康栄養調査(NHANES)を用いた。

 米国人が仮に前記10種類の食品・栄養素群について最も健康的な量を摂取した場合の医療コストを試算し、実際に発生している医療コストとの差額を不健康な食生活の影響によるコスト増大分として算出。すると、1人当たり1年につき301ドル(約3万3,130円)と計算された。このコストの84.3%にあたる254ドル(約2万7,950円)が急性期医療で発生しており、他は慢性期医療が43ドル(約4,730円)、薬剤費が4ドル(約440円)だった。慢性期医療費増大分の約50%にあたる21ドル(約2,310円)は、糖尿病の医療費が占めていた。

 食品・栄養素群別に見ると、ナッツ・種子の摂取量が少ないことによる影響81ドル(約8,910円)と、魚介類のオメガ3脂肪酸の摂取量が少ないことによる影響76ドル(約8,360円)が大きかった。患者の属性別に見ると、男性380ドル(4万1,820円)、高齢者408ドル(4万4,900円)、黒人320ドル(3万5,220円)、低学歴392ドル(4万3,140円)などが、不健康な食生活による医療コスト増大への影響が大きい因子だった。

 米国全体で不健康な食生活によって発生しているコストを計算すると、年間504億ドル(約5兆5470億円)と見積もられた。これは心血管代謝性疾患の医療費の18.2%に当たるという。

 著者の1人である同病院のThomas Gaziano氏は「この研究結果は、人々がどのような食品を摂取するかが、健康や医療コストに大きな影響を与えることを示している。心血管代謝性疾患に関連する全米の医療コストが20%近くも削減されるというのは驚きに値する」と述べている。

[2019年12月19日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら