春と夏に生まれた人は心疾患による死亡リスクが高い?

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/01/17

 

 生まれた季節や月がのちの心疾患による死亡リスクに影響を及ぼす可能性があることが、米ハーバード大学医学部ブリガム・アンド・ウイメンズ病院の疫学教授Eva Schernhammer氏らの実施した研究で明らかになった。春と夏に生まれた人は、心血管疾患による死亡率がわずかではあるが有意に高いことが示されたという。研究の詳細は「BMJ」12月18日オンライン版に掲載された。

 誕生時の季節や月が全死亡率や心血管疾患による死亡率と関連することを示した研究結果はこれまでに幾例も報告されており、北半球においては春と夏に生まれた人で死亡リスクが最も高くなることが一貫して示されている。しかし、それらの研究では、家族歴や社会・経済的地位といった要因を十分に調整できていなかった。

 そこでSchernhammer氏らは今回、Nurses' Health Studyのデータを用いて、1976年に登録された米国人女性看護師11万6,911人を対象に、2014年まで38年間追跡。生まれた季節および月と全死亡率および心血管疾患による死亡率との関連を調べた。研究開始時の参加者の年齢は30~55歳で、2年ごとに健康およびライフスタイルに関する調査票に回答していた。追跡期間中における死亡は、死亡証明書および診療録を用いて確認した。

 その結果、追跡期間中に4万3,248人が死亡し、そのうち8,360人の死因は心血管疾患であった。過去の研究結果とは異なり、生まれた季節および月と全死亡率との間に有意な関連は見られなかった。その一方で、春と夏に生まれた人では、秋に生まれた人と比べ、心血管疾患による死亡率がわずかではあるが有意に上昇していた。また、11月生まれの人に比べると、3~7月に生まれた人で心血管疾患による死亡率が高く、最も死亡率が高いのは4月、最も低いのは12月であった。家族歴や社会・経済的地位などを考慮した後の解析でも、こうした結果は変わらなかった。

 Schernhammer氏らは、出生時期により心血管疾患による死亡率に差が見られた理由として、「はっきりしたことは分かっていないが、季節による食事内容や大気汚染レベルの違い、出生前および幼少期に浴びることができた日光の量などが要因である可能性がある」と説明している。

 ただし、研究グループは、今回の研究は観察研究であり、因果関係が証明されたわけではないことを強調。また、結果のいくつかは、今回検討していない要因によって生じた可能性があることも否定できないとしている。

 その一方で、今回の研究は、サンプルサイズが大きく、追跡期間も長く、家族歴やライフスタイルに関する詳細な情報、社会・経済的要因といった要素を組み込んだ点が強みであるとし、「研究結果は、春と夏に生まれた人は秋生まれの人に比べて心血管疾患による死亡率が高いとする、現在増えつつあるエビデンスに加わるものである。ただし、過去の研究が示した全死亡率に関する結果とは一致しなかった」と述べている。その上で、「今回得られた知見を検証し、生まれた季節や月が心血管疾患による死亡率に影響を与えるメカニズムを探るためには、さらなる調査が必要である」と結論付けている。

[2019年12月18日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら