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抗菌薬処方の約40%は不適切である可能性

提供元:HealthDay News

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公開日:2020/01/10

 

 医師が処方する抗菌薬の最大43%は不要である可能性が、米オレゴン州立大学薬学部の研究チームにより示された。筆頭著者のMichael Ray氏は、「抗菌薬の不適切な処方に関する研究は数多くあるが、今回の研究結果は、そうした処方の割合は、いまだに過小評価されていることを示唆するものだ」と述べている。研究の詳細は、「BMJ」12月11日オンライン版に掲載された。

 抗菌薬の過剰処方は2つの問題をはらむ。1つは、重篤な副作用を引き起こし得ること。もう1つはより重要で、世界で必要のない抗菌薬が頻繁に処方されているため、抗菌薬が効かない薬剤耐性菌が増え続けていることである。

 Ray氏らは今回、2015年の全米外来医療調査(National Ambulatory Medical Care Survey;NAMCS)のデータを用いて、外来受診2万8,332件について分析を行った。このデータは、2015年の全米における約9億9千万件の外来受診を代表するものと考えられるという。

 2015年には約1億3千万人(13%)が抗菌薬を処方されていた。Ray氏らはこれらの人を対象に、ICD-9-CM(医療行為の分類)の診断コードを用いて抗菌薬処方が適切だったか否かを確認した。その結果、適切な処方は57%、不適切な処方は25%で、残りの18%はデータでは適切かどうかを判断できなかった。「つまり、43%の処方は不適切であった可能性を否定できない」と研究チームは指摘する。

 一部の人々は必要のない抗菌薬を処方される「不適切処方」率が他と比べて高いことも分かった。例えば、不適切処方をされた患者は、小児では8%だったのに対し、18~64歳では20%、65歳以上では22%に上っていた。また、医師の診察時間が短い人への不適切処方は15%だったのに対し、長い人では21%に処方されていた。さらに、慢性疾患がない患者に比べると、慢性疾患がある患者への不適切処方の率は高かった(14%対22%)。一方、医師の立場という観点で見ると、プライマリケア医に比べると、専門医の方が不適切処方の割合が高かった(12%対29%)。

 結果についてRay氏は、「不適切処方は今回のデータが示すよりも蔓延している可能性がある。薬剤耐性は世界中で生じている健康問題であり、全力を尽くして不適切な処方を制限していくことが重要だ」としている。

 米ニューヨーク大学ランゴン医療センター医学教授Marc Siegel氏は、「抗菌薬は細菌による感染を治癒することはできるが、ウイルスによる感染には効かない。しかし、医師は感染がウイルス性か細菌性か判断できないときに、念のためとして抗菌薬を処方することが多い」と話す。また、患者が何であれ治療を求め、医師がそれに抗しきれない場合、患者を満足・安心させるために抗菌薬が処方されることもあるとする。

 Siegel氏によると、抗菌薬の過剰処方により薬剤耐性菌は着実に増えていくが、新しい抗菌薬が登場する予定はないという。その理由を同氏は、「医師は1980年代に開発された抗菌薬をいまだに使用している。抗菌薬は病気のときのみ使用され、日常的に使うものではない。つまり、製薬会社にとって金儲けになる仕事ではないため、新たな抗菌薬を発見・開発する動機もない」と説明する。

 不適切な処方を防ぐための対策として、Siegel氏は、きちんとした医師を見つけるべきであるとし、「薬をもらうためではなく、ちゃんとした説明を得るために受診すること。ウイルス感染だと診断したからあの医者は駄目だなどと思い込むべきでない」と助言している。

[2019年12月11日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら