抗ヒスタミン薬がアナフィラキシーの救急治療の遅れと関連

提供元:HealthDay News

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公開日:2019/11/25

 

 死につながりかねない重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こして入院した子どもの家族の大半は、まずは抗ヒスタミン薬に頼っていたことが、米ジャコビ医療センターのEvan Wiley氏らによる研究で明らかになった。しかし、こうした小児に抗ヒスタミン薬を与えることは救急治療が遅れる原因となり、たいていはかえって有害になるという。研究結果は、米国小児科学会(AAP 2019、10月25~29日、米ニューオーリンズ)で発表された。

 研究では、2015年7月から2019年1月までの間にアナフィラキシーの治療のため小児集中治療室(ICU)に入室した、生後8カ月から20歳までの患者79人(57%が男性)の診療録をレビューした。その結果、自宅で抗ヒスタミン薬を使用した患者の72%では医療機関の受診に遅れがみられたのに対し、抗ヒスタミン薬を使用していない患者で受診が遅れたのは25%であったことが分かった。

 結果を受けてWiley氏は、「アナフィラキシーでは、呼吸器(呼吸困難や喘鳴など)や循環器(血圧低下や意識障害など)に症状が出てくることがある。こうした症状がみられたら、直ちに医療機関を受診するべきである。また、アドレナリン自己注射を処方されている場合はすぐに使用する必要がある」と述べている。

 ところが、多くの家庭ではまず抗ヒスタミン薬を使用し、アレルギー反応が緩和するかどうか様子をみる傾向があるという。しかし、Wiley氏はこれを、「リスクを高める誤った処置」とする。「抗ヒスタミン薬は、発疹やかゆみといったアレルギー症状に効くことはあっても、アナフィラキシーによる死亡を防ぐことはできない。アナフィラキシーを起こした患者は、すぐに医師の診察を受けることが重要である。命を救うことができる唯一の治療はアドレナリン投与であり、適切な治療が遅れると死に至ることもある」と同氏はAAPのニュースリリースの中で説明している。

 アナフィラキシーの原因として最も多いのは食物アレルギーであり、米国では10万人当たり1.5人の小児が食物アレルギーによるアナフィラキシーで入院すると推定されている。また、米疾病対策センター(CDC)によると、小児の食物アレルギーは増加しているという。

 なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものとみなされる。

[2019年10月28日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら