ティーバッグから大量のプラスチック粒子が放出

提供元:
HealthDay News

ティーバッグから大量のプラスチック粒子が放出のイメージ

 紅茶を飲んでひと息ついている間に、いつの間にか健康に有害な物質を飲み込んでいるかもしれない―。マギル大学(カナダ)のNathalie Tufenkji氏らの研究で、プラスチック製のティーバッグから抽出したお茶の中にはマイクロプラスチックと呼ばれる微細なプラスチック粒子も大量に含まれている可能性があることが示された。この研究結果は「Environmental Science & Technology」9月25日オンライン版に発表された。

 マイクロプラスチックは、肉眼では確認することが難しいほど微細である。近年、海水や水道水に大量のマイクロプラスチックが流出していることが確認されているほか、魚介類や人間の便からも見つかったことが報じられており、環境や食物連鎖におけるマイクロプラスチックの増大に対する懸念が高まりつつある。

 ティーバッグは伝統的に紙製であるが、一部の製茶企業はこれをプラスチック製のものに切り替えている。そこで、Tufenkji氏らは、プラスチック製のティーバッグでお茶をいれた場合、マイクロプラスチックまたはナノプラスチック(マイクロプラスチックよりも微細なプラスチック粒子)が放出されるか否かを調べることにした。

 Tufenkji氏らは、プラスチック製のティーバッグを使った市販の紅茶を4種類そろえ、それぞれのティーバッグの中から茶葉を取り出し、空のティーバッグを洗った上で95度のお湯に浸した。そして、そのお湯を電子顕微鏡で観察したところ、ティーバッグ1袋から約116億個のマイクロプラスチックと31億個のナノプラスチックが確認された。この量は、他の食物において過去に報告されている量の数千倍に相当するという。ただし、これらの粒子は極めて小さいため、肉眼で確認できないのはもちろん、飲んだときに舌で感じたり味の変化を感じたりすることもできないという。

 Tufenkji氏らはさらに、さまざまな量のマイクロプラスチックが含まれた水にミジンコを入れてみる実験も行った。その結果、ミジンコは死ぬことはなかったが、身体的および行動的な異常が認められたという。ただし、同氏らは、マイクロプラスチックが人体に与える影響については「さらなる研究で検討する必要がある」としている。

 今回の研究には関与していない、米ノースウェル・ヘルス産業・環境医学チーフのKenneth Spaeth氏は、「この数年間、マイクロプラスチックは環境に影響を与えているだけでなく、人体にも入り込んでいることを示した研究論文が増え続けている」と話す。同氏は、マイクロプラスチックが人体の健康に与える影響について判断するにはデータが不十分であると強調しているが、「マイクロプラスチックの分子組成に基づけば、内分泌かく乱化学物質や発がん性物質など人体に有害な物質が含まれているため、健康に悪影響を与える可能性はあると考えられる」と指摘している。

 また、Spaeth氏は、今回の研究により「環境中に流出したプラスチックだけでなく、一般的な消費者製品に使われているプラスチック製品からも、マイクロプラスチックによる影響を受ける可能性があることが示された」と話している。

[2019年9月25日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

会員の方へ