早発性冠動脈疾患の予防にも生活習慣改善が重要

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HealthDay News

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 遺伝的背景よりも不健康な生活習慣の方が、早発性冠動脈疾患へ与える影響が大きいという知見が欧州心臓病学会(ESC 2019、8月31日~9月4日、フランス、パリ)で報告された。冠動脈疾患(CAD)若年発症の家族歴がある人でさえ、生活習慣改善が予防の鍵であるという。

 フンシャル中央病院(ポルトガル)のJoao Sousa氏らは50歳未満の1,075人を対象に、CADに関連する5つの修正可能な生活習慣関連リスク因子(運動不足、喫煙、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症)と、33のバリアント(多様体)から算出されるCADの遺伝的リスクスコアを調べた。対象者のうちCAD患者は555人(平均年齢44.1±4.9歳、男性86.8%)で、残りの520人(平均年齢44.3±4.8歳、男性86.2%)を比較対照群とした。

 まず、生活習慣関連リスク因子の数とCAD有病率の関係を見ると、リスク因子がゼロの場合に比較し1つが該当する場合はリスクが2.79倍高く、2つでは6.87倍、3つでは24.17倍に上った。そしてCAD患者群では約4人に1人(72.6%)が3つ以上のリスク因子を有する一方、対照群で3つ以上保有しているのは31.2%にとどまり、群間に有意な差があった(P<0.0001)。

 次に遺伝的リスクスコアを比較すると、CAD患者群は対照群より有意にスコアが高く(P<0.0001)、多変量解析の結果、遺伝的リスクスコアは早発性CADの独立した予測因子として抽出された。ただし、生活習慣関連リスク因子の数が増えるほど遺伝的リスクの関与は弱くなり、リスク因子が3つ以上の場合、遺伝的リスクはCADの進展に決定的と言えるほどの影響力は及ぼしていなかった。

 Joao Sousa氏はESCのニュースリリースの中で、「遺伝的背景は早発性CADの重要な原因だが、それをCADが避けられないことの理由にしてはならない。診療において、早発性CADの患者が自身の発症を遺伝や家族歴によるものだと主張する場面によく遭遇する。しかし、今回の調査データを見ると、彼らは喫煙し、運動不足で、コレステロール値や血圧が高いことが多いと分かる。これらは全て修正可能なリスク因子である」と述べている。

 同氏はまたこの報告を「早発性CADの家族歴がある人に健康的生活習慣の実践を推奨する強いエビデンスとなり得る」とし、「修正可能なリスク因子、つまり禁煙、定期的な運動、健康的な食生活に積極的に取り組み、血圧とコレステロールの検査を受けるべき」とまとめている。

 なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

[2019年9月2日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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