乳房インプラントが希少がんと関連、米FDAがリコール要請

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HealthDay News

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 米食品医薬品局(FDA)は7月24日、アイルランドの製薬大手アラガン社が販売するテクスチャードタイプの乳房インプラントが、未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)と呼ばれる希少がんと関連するとして、自主回収(リコール)を要請すると発表した。同社はこの要請を受け、世界各国で表面が凹凸加工された「BIOCELLテクスチャード乳房インプラント」および組織拡張器(ティッシュ・エキスパンダー)の自主回収と販売中止を決定したという。

 乳房インプラントに関連したALCL(BIA-ALCL)症例は極めてまれだが、増加傾向にある。FDAによると、7月6日時点で世界各国から573症例が報告され、このうち481症例が、診断時にアラガン社製のテクスチャード乳房インプラントを使用していた。また、573症例中33例が死亡したが、使用したインプラント製品が特定された13例中12例が、診断時に同社の製品を使用していたという。

 FDAはニュースリリースの中で、「新たに提出されたデータを含めた入手可能な情報を分析した結果、アラガン社製のBIOCELLテクスチャード乳房インプラント使用によるBIA-ALCLの発症リスクは、米国で販売されている他社製品の約6倍に上ることが確認された」と述べている。

 FDA主席副長官のAmy Abernethy氏は「BIA-ALCLの発症率は、全体的には比較的低いように思われる。しかし、今回、特定の製品が直接、患者に重大な健康上の被害をもたらすというエビデンスが示されたことを受け、女性の健康を守るため、FDAは当該企業に自主回収を要請した」と説明している。

 専門家の一人で、米マウントサイナイ医科大学Tischがん研究所でリンパ腫免疫療法プログラムのディレクターを務めるJoshua Brody氏によると、一部の乳房インプラントは炎症を引き起こし、がんリスクを高める可能性が指摘されていたという。また、「表面がざらざらしたテクスチャードタイプの乳房インプラントが引き起こす炎症は、遺伝子変異や免疫を抑制するタンパク質の発現を促して抗腫瘍免疫応答を阻害する可能性が考えられる」と話している。

 さらに、FDAは、乳房インプラントを受けた患者や施術を検討している患者、この分野の医療提供者に対し、安全性に関する通知を発出。乳房の腫れや痛みなど患者が確認すべき手順についても説明している。

 Abernethy氏は「FDAは、乳房インプラントとALCLが関連する可能性が初めて確認された2011年以降、慎重に監視を続けてきた。当時は、患者や医療提供者に対し、特にテクスチャードタイプの乳房インプラントを受けた女性ではBIA-ALCLの発症リスクが高まることを既に報告していた」と説明。その上で、「新たなデータに基づき、われわれのチームは今回、BIA-ALCLリスクから女性を保護するための措置が必要との結論に至った」と強調している。

 Abernethy氏によれば、FDAは、テクスチャードタイプの他社製品や表面がなめらかなスムースタイプの乳房インプラント、組織拡張器の使用によるBIA-ALCLリスクについて引き続き分析していく予定だとし、「今後も患者を保護するために必要な措置を取っていく」としている。

[2019年7月24日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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