高齢者が退院から早期に再入院する理由、米研究

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HealthDay News

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 高齢者が退院から1カ月以内に再入院する主な理由の一つは「転倒による怪我(外傷)」であることが、米ミシガン大学看護学部のGeoffrey Hoffman氏らの研究から明らかになった。特に、転倒による外傷を既に経験している患者や認知機能障害がある患者で、このような再入院リスクが高いことが分かったという。研究結果の詳細は「JAMA Network Open」5月24日オンライン版に掲載された。

 この研究は、米国のHospital Cost and Utilization Projectの再入院データベースから、2013年1月~2014年11月に退院した65歳以上のメディケア受給者のデータを後ろ向きに解析したもの。追跡期間中に約838万件の入院が確認された。

 その結果、退院から30日以内の再入院率は全体では14.4%(約838万件中120万件)で、転倒による外傷の経験がある人では12.9%、認知機能障害がある人では16.0%であった。

 分析の結果、転倒による外傷は、退院から30日以内に再入院した原因の第三位であった。また、初回の入院の原因が転倒による外傷だった患者と認知機能障害があった患者では、転倒による外傷は、退院から早期に再入院する原因の第二位を占めていた。さらに、転倒による外傷で初回入院した患者のうち、自宅に退院した、あるいは在宅医療を利用していた患者では、転倒による外傷が再入院の主な原因として挙げられた。

 Hoffman氏は、高齢者の転倒に注目すべき理由として、発生頻度が高いこと、死亡を含めてダメージが大きいこと、そして予防可能であること―の3点を挙げる。また、同氏は「今回の研究結果は、特に転倒リスクが高い高齢患者に対しては、退院前に個別に転倒防止に関する指導を行うことで、患者の回復力と移動能力を改善できる可能性を示唆している」と説明する。しかし、実際には、退院計画の中で転倒防止については触れられていないケースも多く、「この点を改善していく必要がある」と同氏は指摘している。

 共著者の一人で同大学老年医学・緩和医療学准教授のLillian Min氏も、高齢患者に対する転倒予防に関する教育が重要であるという見方に同意している。同氏は「退院計画の担当者と医師、患者およびその家族が協力して、その患者に合った計画を立てることで患者の移動能力の向上と転倒防止のバランスをうまく取る必要がある」と話している。なお、これらの指導には、地域密着型のプログラムへの参加を促したり、住環境の改善を助言したりすることなどが含まれるという。

[2019年5月24日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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