「遅い夕食+朝食抜き」で心筋梗塞後の転帰が悪化?

提供元:
HealthDay News

「遅い夕食+朝食抜き」で心筋梗塞後の転帰が悪化?のイメージ

 食事を取るタイミングが心筋梗塞後の転帰に影響する可能性があることが、サンパウロ州立大学(ブラジル)のMarcos Minicucci氏らの研究で明らかになった。「遅い時間帯に夕食を取り、翌日の朝食を抜く」という習慣がある患者では、そうした習慣がない患者に比べて、ST上昇型心筋梗塞後の転帰が不良になりやすく、死亡リスクも高いことが分かった。研究の詳細は「European Journal of Preventive Cardiology」4月18日オンライン版に掲載された。

 この研究は、2017~2018年に、ST上昇型心筋梗塞を発症して冠動脈疾患集中治療室(ICU)に入院した18歳以上の患者113人(平均年齢は59.9歳、男性73%)を対象としたもの。対象患者には、入院時に食習慣について尋ね、遅い時間帯の夕食や朝食の欠食といった習慣の有無を評価した。

 なお、「朝食の欠食」は、昼食前にコーヒーや水などの飲み物以外に何も食べない日が週3回以上ある場合とし、「遅い時間帯の夕食」は、就寝前2時間以内に食事を取る日が週に3回以上ある場合と定義した。そうしたところ、朝食の欠食は対象患者の57.5%に、遅い時間帯の夕食は51.3%にみられた以外に、40.7%には「遅い時間帯に夕食を取り、翌日の朝食を抜く」という習慣がみられた。

 分析の結果、遅い時間帯に夕食を取り、翌日の朝食を抜くという一連の習慣がある患者では、そうでない患者に比べて退院後30日以内の死亡リスクや、心筋梗塞の再発、それに伴い狭心症を発症するリスクが約4倍に上ることが分かった(オッズ比4.229、P=0.004)。

 Minicucci氏は「朝食を抜くことと遅い時間帯の夕食は、それぞれ独立して心筋梗塞後の転帰不良と関連するが、これらが連続した習慣があると、転帰はより悪化する可能性があることが分かった」と結論づけている。同氏は、例えば、夜遅くまで働いていると夕食の時間が遅くなりがちで、翌朝も空腹を感じずに朝食を食べないことが多いと説明する。しかし、今回の研究は観察研究であるため、因果関係を証明するものではないという。

 ST上昇型心筋梗塞は心筋梗塞の中でも重症度が高く、10人中1人は退院から1年以内に死亡に至るとされる。Minicucci氏によれば、こうした患者の転帰を改善する方法として、十分な栄養の摂取が挙げられるという。

 また、これまでの研究では、朝食を食べなかったり、遅い時間帯に夕食を取ったりする習慣がある人は、喫煙習慣や運動不足などの他の不健康な生活習慣を伴いやすい傾向がみられることが報告されている。Minicucci氏は「このような健康に悪い生活習慣と心血管疾患の転帰との関連には、炎症の亢進や酸化ストレスの増大、血管内皮機能の低下といった要因も影響すると考えられる」と述べている。

 さらに、今回の研究では、不健康な生活習慣があり、転帰も不良だった心筋梗塞患者では、そうではない患者に比べて発作が起こる前からコレステロール低下薬のスタチンを服用している割合が高いことも分かった。Minicucci氏は、同薬を服用している心筋梗塞患者の食習慣については別に議論する必要があるとしながらも、「今回の研究では、スタチンを服用すれば悪い生活習慣の影響を帳消しにできると考えている患者も多いことが分かった」と指摘。「スタチンなどの薬剤は、健康に良い食習慣の効果を上げる補助的なものにすぎず、その代替となるものではないことに注意が必要だ」と述べている。

[2019年4月18日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

会員の方へ