高脂肪食は腸内細菌バランスに悪影響か?

提供元:
HealthDay News

高脂肪食は腸内細菌バランスに悪影響か?のイメージ

 1日の摂取カロリーのうち40%を脂肪から摂取する高脂肪食を半年間続けると、腸内細菌叢のバランスに悪影響を及ぼすことが、青島大学栄養・健康研究所(中国)のDuo Li氏らの研究から明らかになった。詳細は「Gut」2月19日オンライン版に発表された。

 中国の食生活は従来、低脂肪、高炭水化物が中心だったが、近年では、高脂肪、低炭水化物に変化しつつある。また、同時に肥満や2型糖尿病の罹患率が高まりつつある。そこで、Li氏らは今回、食事を低脂肪食から高脂肪食に変えると、腸内細菌叢にどのような変化が生じるのかを調べるため、18~35歳の健康な男女217人を対象にランダム化比較試験を実施した。

 研究では、参加者を、1日の摂取カロリーのうち20%(低脂肪食群)、30%、40%(高脂肪食群)を脂肪から摂取する3つの群にランダムに割り付け、6カ月間追跡した。3群間の総カロリーが等しくなるように、脂肪の摂取量に応じて炭水化物の摂取量を調整した。なお、研究開始前の1日の摂取カロリーに占める脂肪の割合は、平均で約31%だった。

 その結果、体重は全ての群で減少したが、低脂肪食群では体重とウエスト周囲長が最も減少し、総コレステロール値とLDL-コレステロール値も低下したことが分かった。また、低脂肪食群では、コレステロールの低下に関与する腸内細菌が増えたのに対し、高脂肪食群では、コレステロールの上昇に関与する腸内細菌が増えていた。さらに、高脂肪食群では、長鎖脂肪酸の代謝に有意な変化がもたらされ、炎症レベルも高まっていた。Li氏らは「これらの変化は、糖尿病や心疾患などの代謝性疾患につながる可能性がある」と推察している。

 Li氏は、今回の結果について、「高脂肪食を摂取すると、腸内細菌の種類や数に悪影響が出ることが示された」と述べている。ただ、今回の研究結果は、脂肪の摂取量が多い先進国ならではのものである可能性があるとし、異なる集団でも同じ結果が得られるかどうかは、さらなる研究が必要だとしている。

 この研究には関与していない米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センターのSamantha Heller氏は、腸内細菌はヒトの健康に幅広く影響すると指摘する。これまでの研究で、腸内細菌は、野菜や果物などに含まれる食物繊維を糧とする一方で、脂肪や赤身肉、加工肉、チーズ、甘い食べ物、精製された穀物、揚げ物中心のファストフードといった典型的な欧米型の食生活は、腸内細菌に有害となる可能性が示唆されている。

 これらの結果を踏まえ、Li氏は「少なくともアジア人は、1日の摂取カロリーに占める脂肪の割合は30%を超えないようにする必要がある」と述べ、植物性の脂肪を摂取することを勧めている。一方、Heller氏は、この結果を、食事から摂取する脂肪は健康に悪いと解釈すべきではないと指摘しながらも、「動物性脂肪を豊富に摂取する食事法は腸内細菌叢に有害な可能性があり、炎症や慢性疾患のリスクを高める可能性がある」と述べている。

 その上で、Heller氏は、腸内細菌叢を健康な状態に保つためには、加工肉を避け、赤身肉とチーズを制限し、脂肪と炭水化物、たんぱく質のバランスを取りながら、野菜と豆類、果物、穀物とナッツ類を豊富に食べるのが良いと助言している。

[2019年2月20日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

会員の方へ