皮膚科医による経口抗菌薬の処方が減少、米研究

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HealthDay News

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 米国では2008年から2016年にかけて、皮膚科医による経口抗菌薬の処方頻度は全体的に減少傾向がみられることが、米ペンシルベニア大学のJohn Barbieri氏らの研究で明らかになった。一方で、外科手術後の短期間の処方は増加していることも分かった。詳細は「JAMA Dermatology」1月16日オンライン版に掲載された。

 Barbieri氏らによれば、米国の皮膚科医は、他の診療科に比べて医師1人当たりの抗菌薬の処方頻度が高く、処方件数は年間710万件以上に上るという。同氏らは今回、米民間保険加入者の請求データを用いて、2008~2016年に、1万1,986人の皮膚科医による98万5,866件の経口抗菌薬の処方を対象に、その傾向を分析した。

 その結果、皮膚科医による経口抗菌薬の処方は、受診100件当たり3.36件から2.13件へと36.6%減少したことが分かった。これは、年間で約50万件の減少に相当するという。

 特に、28日間を超える長期間の抗菌薬の処方については、追跡期間中に53%もの減少がみられた。中でも尋常性ざ瘡(にきび)に対する処方は28%減少していた。一方、術後の短期間の処方は、受診100件当たり3.92件から6.65件へと69.6%増加していた。さらに、嚢腫(cysts)に関連した処方も35%増加したことが分かった。

 にきびや酒さなどの炎症性の皮膚症状を伴う患者を含めて、皮膚科を受診する患者の多くが長期にわたり抗菌薬を使い続けている可能性がある。抗菌薬の過剰使用は薬剤耐性菌の増加につながることから、「適正使用を図ることが重要だ」と、Barbieri氏らは説明している。

 今回の結果について、Barbieri氏は「抗菌薬の処方は全体的に減少しているという今回の結果は、状況改善の兆しとも期待できる。一方で、外科治療での抗菌薬の使い方については見直す必要がある」と述べている。そのためには、どのような患者に抗菌薬を投与すべきか、さらに研究を重ねていくべきだとしている。

 今回の研究では、抗菌薬の処方頻度は全体的には低下したが、使用される抗菌薬の種類や治療期間の長さに変化はみられなかった。Barbieri氏は「この結果は、医師の間で各種の診療ガイドラインが浸透し、抗菌薬の過剰使用に対する認識が高まってきたことを示すものと思われる。今後は、生物学的治療やその他の代替治療など皮膚科の治療選択肢が増えている点にも目を向けるべきだろう」と付け加えている。

[2019年1月16日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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