神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:169

〔CLEAR! ジャーナル四天王(71)〕 神経刺激療法は、早期パーキンソン病患者の治療選択肢として有用

 パーキンソン病に対する神経刺激療法(視床下核刺激療法)は、わが国では脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation: DBS)と呼ばれ、すでに健康保険が適用されている定位的脳手術療法の一つである。その適応は、Levodopaなどのパーキンソン病の薬に対して「オフ」期間(薬の効果が十分になく、症状が続いている) に悩まされている場合や、ジスキネジア(不随意過剰運動)がある場合など、病状が比較的進行したパーキンソン病患者(Hoehn-Yahr重症度分類Stage3以上)に有効とされている。

抗てんかん薬の長期服用者、80%が骨ミネラル障害

 難治性てんかんで抗てんかん薬を長期服用する患者における、骨粗鬆症など骨ミネラル障害の有病率が報告された。オランダ・マーストリヒト大学医療センターのK. Beerhorst氏らが同患者を対象に行った断面調査の結果、80%が低骨塩量(BMD)症状を有していたという。またそのうち半数超が50歳未満であった。著者は「本研究は、慢性てんかん患者における骨ミネラル障害の問題が大きいことを実証している」と結論している。Acta Neurologica Scandinavica誌オンライン版2013年3月6日号の掲載報告。

「頻発する腰痛」と「頭痛」の関係

 頻発する腰痛と、慢性片頭痛ならびに慢性緊張型頭痛とは関連があることが、ドイツ・頭痛コンソーシアム研究において示された。腰痛と頭痛との関連についてドイツ・エッセン大学病院のMin-Suk Yoon氏らは、異常な全身痛の処理の一部という概念も含め複数の可能性が考えられるとまとめている。Pain誌2013年3月号(オンライン版2012年12月28日号)の掲載報告。

特発性パーキンソン病患者への多面的行動変化プログラムの可能性/BMJ

 座位中心の生活を送る特発性パーキンソン病の患者に対し、多面的行動変化プログラムである「ParkFit」による介入は、一般的な理学療法による介入を行った場合と比べて、2年後のLASA身体活動質問票(LAPAQ)で評価した身体活動時間の増加は認められなかった。しかし、日記や携帯型活動モニターによる評価では身体活動度の有意な増加が示されたという。オランダ・ラドバウド大学ナイメーヘン医療センターのMarlies van Nimwegen氏らが、同プログラムの介入効果を検討するために行った無作為化比較試験の結果で、BMJ誌オンライン版2013年3月1日号で発表した。

パーキンソン病患者は骨折リスクが高い

 パーキンソン病(PD)患者は非PD患者と比べ骨折リスクが有意に高いことが、オランダ・ユトレヒト大学のS. Pouwels氏らが行った後向きコホート研究で明らかになった。PD患者では、一般的な骨折リスクとされる高齢者および女性のほかにも、最近の選択的セロトニン再取込み阻害薬または高用量抗精神病薬の使用歴、骨折歴、転倒、BMI低値、腎疾患がある場合は骨折リスクを評価することが望ましいと考えられる。

神経刺激療法、早期パーキンソン病のQOLを改善:EARLYSTIM試験/NEJM

 視床下核刺激術による神経刺激療法は、重度の運動合併症が発現する前の、比較的早期のパーキンソン病患者の治療として、内科的治療のみを行う場合に比べQOLを有意に改善することが、フランス・パリ第6大学のWM Michael Schuepbach氏らの検討で示された。視床下核刺激療法は、レボドパ治療によって誘発された重度の運動合併症がみられる進行期パーキンソン病患者の運動障害を軽減し、QOLを改善することが知られている。同氏らは、早期パーキンソン病患者を対象としたパイロット試験で、神経刺激療法のQOL改善効果を確認しているという。NEJM誌2013年2月14日号掲載の報告。

てんかん患者、脳内ネットワークの一端が明らかに

 てんかん症状を呈する脳内ネットワークの特性の一端が明らかにされた。チェコ共和国・Central European Institute of TechnologyのIvan Rektor氏らが、てんかん患者と健常者の脳内を機能的MRIにて比較検証した結果で、てんかん患者では脳中央部にある被殻と表面部にある皮質との機能的結合(FC)が阻害されていることが明らかになったという。Rektor氏は「このことが大脳基底核(BG)機能の変質に反映している可能性がある」と示唆した。Brain Topography誌オンライン版2013年2月12日号の掲載報告。