慢性脳脊髄静脈不全、多発性硬化症の有無にかかわらず有病率は2~3%/Lancet
慢性脳脊髄静脈不全(CCSVI)の有病率について、多発性硬化症患者(MS)とその非罹患兄弟姉妹、さらに非血縁の健常者を対象に調べたところ、いずれも2~3%とまれではあるが同程度であり、MS患者における有病率の増大などは認められなかった。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のAnthony L Traboulsee氏らが行った、ケースコントロール試験の結果、明らかにされたもので、CCSVIはこれまで、多発性硬化症患者においてのみ発症し健常者では発症しないとされていた。なお、50%超の静脈狭窄を呈する患者の割合はいずれも約7割と同程度で、著者は「MS患者において静脈狭窄を呈する割合が高い理由はわからないままである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2013年10月9日号掲載の報告より。