世界では、HIV予防は新しい時代へ(解説:岡慎一氏)
Pre-Exposure Prophylaxis(PrEP)と呼ばれる、HIV感染リスクがある人に対する予防法の研究が、欧米を中心に盛んに行われていたのは、2010年前後である。その結果をもとに2012年には、米国でPrEPが、HIV感染予防法として承認された。当時の方法は、TDFとFTCという2剤の合剤(ツルバダ錠)を1日1回経口服用するというものであった。その後、ほぼ世界中でツルバダ錠によるPrEPは承認された。これに対し、日本では、2024年9月頃にやっとツルバダ錠によるPrEPが承認される予定である。まさに、12年という十二支の周回遅れである。先進国でPrEPが認可されていなかったのは、もちろん日本だけである。