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ロシグリタゾンの心血管リスク増加について「断定はできない」

最近のメタ解析の結果に懸念が示されている2型糖尿病治療薬のロシグリタゾンの心血管系へのリスクについて、RECORD研究グループが中間解析を発表した。心不全に対する有意なリスク増加が認められたものの、今回の解析結果からは、心筋梗塞のリスク増加に関係していると言い切れるだけの十分なデータが得られなかったと報告している。本論文の詳細はNEJMオンライン版6月5日号に掲載された。RECORDの4,447例対象に中間解析ロシグリタゾンの心血管系への影響については、市販後の安全性に関する非劣性試験で、オープンラベルの大規模無作為化試験RECORD(Rosiglitazone Evaluated for Cardiac Outcomes and Regulation of Glycaemia in Diabetes)が現在進行中である。その研究グループが中間解析を行った。解析対象は、メトホルミンあるいはSU剤での血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者4,447例。ロシグリタゾン追加投与群(2,220例)と、メトホルミン+SU剤併用群(対照群:2,227例)に割り付け、主要エンドポイントは、心血管系に起因する入院または死亡である。心不全リスク増加を確認するも心筋梗塞リスク増加断定にはデータ不十分解析は、平均追跡期間3.75年で統計的な検出力を限定して行われた。その結果、ロシグリタゾン群(217例)と対照群(202例)の主要エンドポイントのハザード比は1.08(95%信頼区間0.89-1.31)で、両群に統計学的な有意差は見られなかった。ただ、心不全を呈する患者がロシグリタゾン群に多く存在していたことが確認された(ハザード比2.15;95%信頼区間1.30-3.57)。しかし研究グループは今回の解析からは、ロシグリタゾンが心血管系に起因する入院・死亡リスクに関係しているとは断言できないと結論。死亡増加の要因が心血管系に起因するかどうか、ロシグリタゾンが心筋梗塞のリスク増加と関係していたか断定するだけのデータは得られなかったと述べている。(武藤まき:医療ライター)

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急性心筋梗塞治療にP4Pの効果なし

医療の質を向上させるツールとして促進された「治療成績に応じた医療費の支払い(Pay for Performance:P4P)」だが、急性心筋梗塞の治療プロセスとアウトカムの質向上に、P4Pの影響は見られなかったとの報告が、米国デューク大学Center for Clinical and Genetic EconomicsのSeth W. Glickmanらの研究グループによって報告された。本論文の詳細は、JAMA誌6月6日号に掲載されている。治療プロセスとアウトカム向上を判定メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は2003年に、急性心筋梗塞治療の指標づくりを視野に入れた、米国で最大級のパイロット版P4Pプロジェクトに着手している。Glickmanらは、P4Pが急性心筋梗塞の治療プロセスとアウトカムの向上に結びつくかどうかを判定した。対象は、米国心臓学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)のガイドライン「CRUSADE」で登録された、ST非上昇型心筋梗塞患者10万5,383人。2003年7月から2006年6月にかけて治療を受けた者を、P4Pプロジェクトに参加する54病院(P4P参加病院群)あるいは参加していない446の対照病院に分け、重症度分析と観察的手法を用いて分析した。主要評価項目は、(1)ACC/AHAが推奨するクラスIの治療ガイドラインの順守、(2)院内死亡率、の2つが用いられた。P4P参加病院とそれ以外で有意差は認められずP4Pプロジェクトでは6つの療法にインセンティブをつけている。そのうち、退院患者のアスピリン服用コンプライアンスと、禁煙カウンセリングの2つについて、P4P参加病院群の改善率がわずかに高かったものの、有意差は認められなかった。インセンティブ対象外の療法においても改善率に有意差は認められず、院内死亡率の改善割合についても、P4P参加病院群が対照病院と比べて有意に高いとの証拠は得られなかった(オッズ比0.91 vs 0.97, P=0.21)。研究グループは、医療の質向上のプロジェクトに自発的に参加した病院において、P4Pプログラムと急性心筋梗塞の治療プロセスまたはアウトカムの質の向上に明らかな相関は見られず、逆相関があるという証拠も見つからなかったと報告し、プロジェクトにおけるP4Pの役割を規定するには、さらなる研究が必要と結論づけた。(朝田哲明:医療ライター)

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テロや紛争起因のPTSDに認知療法は効果的

テロや紛争に起因するPTSD症状に悩まされる人々に対し、認知療法が有効であるとの報告が、英国ウルスター大学Michael Duffy氏らの研究グループによって寄せられた。宗教対立から長年にわたり無差別テロなどが日常化してきた北アイルランドで行われた無作為化臨床試験で、認知療法を行った患者群に大幅な改善が見られた結果を受けての報告。本論文の詳細は、BMJ誌6月2日号に掲載された。北アイルランドのNICTT基点に行われた無作為化臨床試験テロに起因する精神的外傷(トラウマ)に対する効果的な治療法はほとんど報告されていない。Duffy氏らは、テロや紛争を背景要因とするPTSD症状に苦しむ住民の多い北アイルランドで、PTSDに対する認知療法の有効性を無作為化臨床試験で検証した。対象者は、PTSDに苦しむ人々に、認知療法のプログラムを提供することを目的に設立されたNICTT(The Northern Ireland Centre for Trauma and Transformation)に紹介されてきた患者の中から、主としてテロや紛争に起因する慢性PTSDの患者58人(中央値5.2年、3ヵ月から32年)を選定し、ただちに認知療法を行う群と12週待ちの待機群に振り分けた。治療群には平均5.9セッション、必要に応じてさらに2セッションの治療プログラムが行われた。患者スコア、エフェクトサイズとも大幅改善示す主要評価項目はPTSDスケールおよびベック抑うつ評価尺度を用い、副次評価項目にSDS(Sheehan disability scale)の労働・社会生活面(労働障害、社会生活障害、家庭生活障害)を用いてスコアを判定。12週間後に行った判定では、治療群と待機群では、PTSDスコアでは平均差9.6(95%信頼区間3.6-15.6)、ベック抑うつ評価尺度では同10.1(同4.8-15.3)、自己申告による労働・社会生活面への影響については同1.3(同0.3-2.5)といずれも大幅な改善が認められた。また、治療前後のエフェクトサイズについても、PTSD1.25、抑うつ1.05、労働・社会生活面1.17と、あらかじめ設定した「large」(0.8以上)に該当する変化が見られた。対照群にはまったく変化が見られなかったこと、さらに追跡調査の結果などとも合わせて、認知療法はテロや紛争に起因するPTSDに効果的な治療法であると結論づけている。(武藤まき:医療ライター)

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