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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第13回

第13回:潜在性結核感染症について監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 プライマリケアの現場では、結核の診断は悩まされるテーマの1つです。私も、年に数回結核と遭遇しますが、結核を疑わないと診断できないため、リスクの高い患者さんでは意識して診療するようにしています。世界的には潜在性結核感染症に対する治療の必要性についての認識が高まっており、今回American Family Physicianに潜在性結核感染症についてのまとめが掲載されたため、紹介します1) 。 なお、アジアは結核感染率が高いと紹介されていますが、本文中の図によるとアジアの中では日本と中東では感染率が低いとのことで意外でした。ちなみに、日本の新規登録結核患者数は毎年約2万人で推移し、そのうち新規登録潜在性結核感染症は平成25年で7,147人でした2) 。 以下、American Family Physician 2014年6月1日号1) より要旨(抜粋、意訳)潜在性結核感染症は、結核菌に感染しているが症状がなく、他者への感染力も持たない状態である。活動性結核へ進展する生涯リスクは5~10%であり、このうちの半分は初感染から2年以内に発症する。米国では、活動性結核の80%以上が潜在性結核感染症からの発症であるため、潜在性結核感染症へのスクリーニングと早期治療が必要と考えられている。潜在性結核感染症のスクリーニングは、高リスクグループにのみ推奨される。米国における高リスクグループとは、感染率の高い国(アフリカのほとんどの国、アジア、東ヨーロッパ、中米、南米)からの過去5年以内の移民、医療従事者、収容施設の入居者や労働者、ホームレスなどである。とくに、アジアからの移民は、非ヒスパニック系白人の25倍とリスクが高い。低リスクグループでは、仕事や旅行等で高リスク集団に入る者にのみスクリーニングが必要となる。スクリーニングに際しては、まず高リスク者を問診票で識別する。スクリーニング検査としては、ツベルクリン皮膚試験(tuberculin skin test;以下TST)と、IFN-γ刺激試験(interferon-gamma release assay;以下IGRA)がある。TSTは、評価のために再診が必要となること、BCG接種者(とくに接種後10年未満)や環境中の抗酸菌曝露者では偽陽性となるおそれがあるなど、いくつか限界がある。IGRAはこれらの欠点をカバーするが、費用と血液採取を要する点で制約される。また、5歳未満の小児では結果が不安定となるためTSTが望ましい。潜在性結核感染症に対しては、TSTとIGRAの有用性を比較した研究が乏しい。潜在性結核感染症の治療は、活動性結核を除外(患者の病歴、身体診察、胸部レントゲン撮影し、レントゲン異常があった場合は3回の喀痰塗抹検査)してから行うべきである。標準治療のイソニアジド9ヵ月投与は、効果は高いが完遂率が低いため、期間や薬剤の異なる複数のレジメンがある。※本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) Hartman-Adams H, et al. Am Fam Physician. 2014; 89: 889-896. 2) 厚生労働省. 平成25年結核登録者情報調査年報集計結果(概況).

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認知症のBPSD改善に耳ツボ指圧が効果的

 認知症治療におけるマッサージ療法は、各種症状の軽減に有用であると報告されている。スペイン・エストレマドゥーラ大学のJuan Rodriguez-Mansilla氏らは、認知症高齢者の疼痛、不安、抑うつ症状に対する、耳の指圧やマッサージの効果を評価した。Clinical rehabilitation誌オンライン版2014年10月16日号の報告。 対象はエストレマドゥーラ州のグループホームに入所している認知症高齢者120例。無作為に対照群、耳指圧介入群(耳ツボ指圧治療)、マッサージ療法群(マッサージによりリラックス)の3群に割り付けた。疼痛、不安、抑うつ症状の変化はDoloplus2、Cornell、Campbellの尺度で評価した。研究期間は治療介入期3ヵ月、フォローアップ期2ヵ月の計5ヵ月とした。評価は、ベースラインおよび毎月行った。統計分析では、3群間で比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・111例が試験を完遂した(67~91歳、86例[77.4%]が女性)。・耳指圧介入群では、治療介入期およびフォローアップ1ヵ月において、マッサージ療法群と比較して疼痛と抑うつ症状のより高い改善効果が認められた。・痛みの改善効果が最大だったのは、耳指圧介入の最終月(3ヵ月目)であった(p<0.001、平均改善:8.55[4.39]、95%CI:7.14~9.95)。・不安症状の改善効果が最大だったのも、治療の最終月であった(平均改善:9.63[5.00]、95%CI:8.02~11.23)。・耳指圧介入やマッサージ療法は、対照群と比較し、疼痛、不安、抑うつ症状に対し、良好な改善効果を示した。とくに、耳指圧介入はより高い改善効果が認められた。関連医療ニュース 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット 認知症の精神症状、さらなる評価が必要 認知症に対するアロマテラピー、効果はあるか  担当者へのご意見箱はこちら

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HALLMARK-DUAL 試験:C型慢性肝炎に対する治療法の開発は最終段階へ!―IFN freeのアスナプレビル・ダクラタスビル併用療法の報告―(解説:中村 郁夫 氏)-266

C型慢性肝炎のうち、1型高ウイルス量の患者に対する現時点での標準治療はペグインターフェロン(PEG-IFN)とリバビリン・プロテアーゼ阻害薬(シメプレビル、バニプレビル、テラプレビル)の併用療法(24週)である。この治療法により、Sustained Virological Response(SVR:治療終了後6ヵ月の時点での血中HCV陰性化)を得られる頻度は、初回治療例で約85~90%とされている。 さらなる治療効果の向上・患者の負担軽減のために、さまざまな取り組みが進められている。その一つが、IFN freeの経口薬のみの併用療法の開発である。有用な薬剤として、(1)NS3プロテアーゼ阻害薬、(2)NS5Bポリメラーゼ阻害薬(核酸型・非核酸型)、(3)NS5A阻害薬が挙げられる。 本論文は、日本から発信された1b型のC型慢性肝炎に対するアスナプレビル(NS3プロテアーゼ阻害薬)・ダクラタスビル(NS5A阻害薬)併用療法を、18ヵ国116施設で行った第III相の国際マルチコホート試験(HALLMARK-DUAL)に関する報告である。 本試験は、未治療例、前治療無効例および不適格・不耐容症例(計747例)を対象として行われ、治療終了後12週時点のSVR(SVR12)は82~90%と高率であった。 一方、経口薬の併用療法の問題点の一つとして、薬剤に対する耐性変異の出現がある。本邦での検討により、治療前にダクラタスビルの耐性変異(L31,Y93)を有する症例ではSVR24が40%以下となることが知られている。さらに、同治療の無効例の中に、NS5Aに対する変異のみでなくNS3 プロテアーゼ阻害薬に対する耐性変異(D168)が生じる例があることが報告されている。 今後、SVR がさらに高率で、しかも、耐性ウイルスの出現率が低いとされるソホスブビル(NS5Bポリメラーゼ阻害薬)・ダクラタスビル(NS5A阻害薬)併用療法の承認が見込まれる現在、アスナプレビル・ダクラタスビル併用療法の適応は慎重に検討する必要があると考えられる。日本肝臓学会および厚生労働省研究班から出されている治療ガイドラインを熟知したうえでの治療方針の決定が必要であると思われる。

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バンコのMIC上昇、死亡リスクと関連せず/JAMA

 黄色ブドウ球菌(S aureus)血流感染(SAB)患者では、バンコマイシン(VCM)の最小発育阻止濃度(MIC)の高値例と低値例で死亡リスクに差はないことが、米国・ネブラスカ大学医療センターのAndre C. Kalil氏らの検討で示された。50歳以上の黄色ブドウ球菌感染患者に対しVCMは第一選択の治療薬とされるが、近年、VCMのMICが上昇傾向にあることが複数の研究で明らかにされている(MIC creepと呼ばれる)。また、3件のメタ解析では、VCMのMIC上昇は不良な転帰と関連する可能性が示唆されているが、死亡との関連や、MIC高値の場合はVCMを回避すべきかなどの問いへの解答は明確ではないという。JAMA誌2014年10月15日号掲載の報告。MIC高値と死亡の関連をメタ解析で評価 研究グループは、SAB患者におけるVCMのMIC上昇と死亡との関連を評価するために、系統的なレビューとメタ解析を実施した。2名の研究者が別個に、2014年4月までに5つの医学データベースに登録された文献を検索し、関連論文を選出した。 全体の解析ではVCM MICのカットオフ値を1.5mg/L(μg/mL)に設定し、≧1.5μg/mLを高MIC群、<1.5μg/mLを低MIC群とした。試験の質はNewcastle-Ottawaスケールで評価し、8~9点を最上質と定義した。主要評価項目は全死因死亡とし、ランダム効果モデルを用いて全データを統合した。 前向き試験8件および後ろ向き試験30件(日本の2試験を含む)の合計38試験に登録された8,291件のSABエピソードが解析の対象となった。全体の全死因死亡率は26.1%であった。死亡リスクの上昇、必ずしも排除できないが… SAB患者の推定死亡率は、高MIC群(2,740例)が26.8%、低MIC群(5,551例)は25.8%であり、両群間に差を認めなかった(補正リスク差[RD]:1.6%、95%信頼区間[CI]:-2.3~5.6%、p=0.43)。 最上質の試験(22件、6,486例)における推定死亡率は、高MIC群(2,318例)が26.2%、低MIC群(4,168例)は27.8%であり、やはり両群で同等であった(RD:0.9%、95%CI:-2.9~4.6%、p=0.65)。 メチシリン耐性菌(MRSA)感染に限定した解析(7,232例)でも、推定死亡率は高MIC群(2,384例)が27.6%、低MIC群(4,848例)は27.4%と差はみられなかった(RD:1.6%、95%CI:-2.3~5.5%、p=0.41)。 全死因死亡のサブグループ解析では、試験デザイン(前向き、後ろ向き、症例対照、症例集積)、薬剤感受性試験(微量液体希釈法、Etest)、MICのカットオフ値(1.5、2.0、4.0、8.0μg/mL)、臨床転帰(院内死亡、30日死亡)、菌血症の罹患期間、過去6ヵ月のVCM投与量、VCM治療歴の有無のいずれにおいても、高MIC群と低MIC群の間に差はみられなかった。 研究グループは、これらの知見の実臨床および公衆の保健上の意義として、(1)米国の臨床検査標準協会(CLSI)のVCM MICの標準値を低く設定する必要はほとんどない、(2)MICが1~2μg/mLの場合は通常、その差に意味はない、(3)MICの上昇がみられるが感受性の範囲内にある場合は、他の抗菌薬への変更は不要と思われる、を挙げている。 著者は、「本試験の結果は、MIC高値例における死亡リスクの上昇を明確に排除するものではないが、VCMの感受性の解釈や、MICが上昇するも感受性がある場合の薬剤変更の決定の際に考慮すべきである」と指摘している。

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CTL019、再発・不応性ALLに有効/NEJM

 CD19を標的とするキメラ抗原受容体を導入したT細胞(CTL019、以前はCART19と呼ばれた)は、再発・不応性の急性リンパ性白血病(ALL)に対し完全寛解率90%、最長で2年の寛解維持をもたらしたとの研究結果が、米国・フィラデルフィア小児病院のShannon L Maude氏らにより、NEJM誌2014年10月16日号で報告された。再発ALLの治療は、積極的なアプローチが可能な場合であっても困難であり、遺伝子操作を加えたT細胞療法は新たな治療戦略とされる。CTL019は、従来治療の限界を克服し、不応例にも寛解導入をもたらす可能性があることが示されている。30例のパイロット試験で有用性を評価 研究グループは、再発・不応性ALLに対するCTL019によるT細胞療法の有効性を評価するパイロット試験を実施した。CTL019は、患者由来のT細胞にレンチウイルス・ベクターを介してCD19を標的とするキメラ抗原受容体を導入した自家T細胞であり、0.76~20.6×106cell/kgが患者に投与された。 2012年4月~2014年2月までに、5~22歳の25例(小児コホート)がフィラデルフィア小児病院で、26~60歳の5例(成人コホート)がペンシルバニア大学病院で治療を受けた。有効性と毒性の評価とともに、血中のCTL019の増殖および残存のモニタリングを行った。 30例のうち、26例が初回~4回目の再発性のB細胞性ALL、3例が原発性不応性のB細胞性ALL、1例はT細胞性ALLであった。年齢中央値は小児コホートが11歳、成人コホートは47歳、女性がそれぞれ11例、1例で、小児コホートのうち18例は同種幹細胞移植後の再発例であった。ブリナツモマブ(T細胞上のCD3に結合するドメインおよびCD19結合ドメインを有する二重特異性抗体)無効例が3例含まれた。サイトカイン放出症候群、脳症は管理可能 完全寛解は27例(90%)で得られた。そのうち2例はブリナツモマブ不応例、15例は幹細胞移植例であった。2~24ヵ月のフォローアップ期間中に19例が寛解を維持し、このうち15例は追加治療を要しなかった。CTL019細胞は生体内で増殖し、奏効例では血液、骨髄、脳脊髄液中に検出された。 6ヵ月無イベント生存率は67%、6ヵ月全生存率は78%であり、これらの患者は寛解が維持されていた。6ヵ月時のCTL019の検出率は68%、無イベントB細胞無形成率は73%であった。B細胞無形成は、機能性CD19標的T細胞の残存に関する薬力学的(PD)指標で、すべての寛解維持例に認められ、CTL019が検出不能となった後も、最長で1年間持続した。 全例にサイトカイン放出症候群が認められたが、ほとんどは自己制御が可能で、高熱や筋肉痛を伴う場合も数日で自然消退した。本症はCTL019関連の主要な毒性作用で、T細胞の活性化および増殖によるサイトカインの上昇に起因する全身性の炎症反応である。重症例は27%で、いずれもCTL019投与前の疾病負担が大きい症例であり、抗インターロイキン-6受容体抗体であるトシリズマブが有効であった。 神経毒性(失語、錯乱、せん妄、幻覚)が13例にみられた。また、高熱発症後の遅発性の脳症が6例に発現したが、自己制御が可能で介入なしで2~3日で回復した。 著者は、「CD19を標的とするキメラ抗原受容体導入T細胞療法は、自家幹細胞移植無効例を含む再発・不応性ALLの治療に有効である」とまとめ、「ある程度のサイトカイン放出症候群の発現は有効性の指標である可能性がある」「ブリナツモマブ不応例で完全寛解が得られたという事実は、CD19標的治療が奏効しない症例にも、CTL019は有効な可能性があることを示唆する」と指摘している。

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難治例へのクロザピン vs 多剤併用

 治療抵抗性統合失調症患者に対し、ともするとクロザピンの代替として、抗精神病薬の多剤併用療法などの推奨されない治療が行われている。米国テキサス大学のDawn I Velligan氏らは、クロザピン単独療法と抗精神病薬多剤併用による治療およびコストについて比較を行った。Psychiatric services誌オンライン版2014年10月15日号の報告。 検討にはMedicaid MarketScanのデータベースを用いた。対象は、18~64歳の統合失調症患者(ICD-9-CM診療コード295.XX)のうち、2006年7月~2009年1月の間に第二世代抗精神病薬の多剤併用またはクロザピン単独療法を開始し、治療前6ヵ月および治療後12ヵ月のデータを取得できた患者。研究アウトカムは、疾患特異的入院、すべての原因による入院、救急部門(ED)受診、コストとした。分析には、人口統計学的要因、対象期間以前の薬剤使用率、併存疾患によって調整したロジスティック回帰分析と一般化線形モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・対象症例はクロザピン単独療法群479例、抗精神病薬多剤併用群2,440例。クロザピン単独療法群では、抗精神病薬多剤併用群よりも「若年、併存疾患が少ない、対象期間前の薬剤使用率が低い、非白色人種、男性」などの特徴がみられた。・ベースラインの差をコントロール後の分析では、クロザピン単独療法において精神疾患関連のED受診(OR:0.75、95%CI:0.60~0.95)、統合失調症関連のED受診(OR:0.70、95%CI:0.54~0.90)のより低いオッズと関連していたが、入院やすべての原因によるED受診との関連は認められなかった。・総医療費はクロザピン単独療法のほうが多剤併用よりも有意に低かった(すべての原因による医療費:-2万1,315ドル、精神疾患関連:-1万7,457ドル、統合失調症関連:-1万582ドル)。関連医療ニュース 治療抵抗性統合失調症へのクロザピン投与「3つのポイント」 治療抵抗性統合失調症に対する漢方薬「抑肝散」の有用性:島根大学 難治性うつ病に対する効果的な治療は何か治療抵抗性統合失調症は、クロザピンに期待するしかないのか

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リウマチ体操の紹介

【関節リウマチ】自分でできる!リウマチ体操①・1ポーズ5〜10回ずつ、1日1〜2回を目安に。・痛みがある程度おさまっているときに⾏いましょう。・無理せず、ゆっくり動かしてください。・少しずつでも毎日続けることが⼤切です。・動かしたあとに痛みが残る場合は、少し温めて⾏いましょう。手首を上にそらしたり、下へ曲げたりする。手を広げたり、握ったりする。スポンジなど柔らかいものを左右交互に握る。手のひらが口に届くまでひじを曲げ、次に前へ伸ばす動きをくり返す。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 ⾦⼦祐⼦⽒Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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安定した精神状態を保つことが大切

【関節リウマチ】ストレス は関節リウマチを悪化させるメモ治療には、安定した精神状態を保つことが⼤切。・ひとりで悩まずに、患者どうしの集まりへの参加も◯。・生活を楽しむことを考えましょう。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 ⾦⼦祐⼦⽒Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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関節負担を軽減する自宅での工夫

【関節リウマチ】洋式の生活 で負担を軽減しよう!メモ椅子やベッドのほうが関節への負担が少ない。・なるべく⾃宅の段差をなくして、転倒を防ごう。・階段やお風呂には⼿すりをつけよう。・台所作業は座ってできるよう工夫を。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 ⾦⼦祐⼦⽒Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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血液検査で変化をチェック

【関節リウマチ】血液 は、診断・治療のための重要な 情報源メモX線検査で骨・軟骨の変化を確認し、血液検査で数値の変化をみる。・炎症の状況や、病気の活動性・進⾏度、薬による副作⽤などをチェックできる。・⼀緒に尿検査を⾏うことも多い。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 ⾦⼦祐⼦⽒Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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どの向精神病薬で有害事象報告が多いのか

 精神科治療における薬物有害反応(ADR)は患者にとって苦痛であり、公衆衛生に重大な影響を及ぼす。英国・ブリストル大学のThomas KH氏らは、1998~2011年に英国Yellow Card Schemeに自己報告された、抑うつ症状および致死的・非致死的自殺行動の頻度が多かった薬剤を特定した。その結果、バレニクリン、ブプロピオン、パロキセチン、イソトレチノイン、リモナバンにおいて抑うつ症状の報告が多いこと、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、バレニクリンおよびクロザピンでは、致死的および非致死的自殺行動の報告が多いことが判明した。BMC Pharmacology and Toxicology誌オンライン版2014年9月30日号の掲載報告。 本検討では、1964年以降に抑うつ症状および自殺行動の自発報告が最も多かった薬剤を明らかにするため英国医薬品・医療製品規制庁(MHRA)よりYellow Cardのデータ提供を受け、NHS情報センターおよび保健省より入手した処方データに基づき薬剤によるADRの報告頻度を調べた。処方データは1998年以前分を入手できなかったため、1998~2011年に処方されたデータを分母としてADRの頻度を推算した。 主な結果は以下のとおり。・検討期間中、20件以上の抑うつ症状が報告された薬剤は110種類、10件以上の非致死的自殺行動が報告された薬剤は58種類、5件以上の致死的自殺行動が報告された薬剤は33種類であった。・抑うつ症状の報告が多かった薬剤のトップ5は、禁煙治療薬のバレニクリンおよびブプロピオン、次いでパロキセチン(SSRI)、イソトレチノイン(にきび治療に使用)およびリモナバン(体重減少薬)であった。・致死的および非致死的自殺行動の報告が多かった薬剤のトップ5の中に、SSRI、バレニクリンおよび抗精神病薬のクロザピンが含まれていた。・地域で抗精神病薬100万件処方当たりのADR頻度が高かった薬剤はリモナバン、イソトレチノイン、メフロキン(抗マラリア薬)、バレニクリンおよびブプロピオンであった。・5件以上の自殺の報告があったエファビレンツ(抗レトロウイルス薬)とクロザピンの2剤については、地域における処方数は多くなかった。・以上のように、多くの神経系および非神経系薬について、抑うつ症状と自殺に関連するADRが報告されていた。 結果を踏まえて、著者らは「薬剤とADRの因果関係を明らかにする際に、自己報告データは使用できない。それゆえ、重大な警鐘が鳴らされる可能性がある精神的ADRについては、すべての無作為化対照試験において特別に評価、報告がなされるべきである」と述べている。関連医療ニュース 入院から地域へ、精神疾患患者の自殺は増加するのか SSRI依存による悪影響を検証 ビタミンB併用で抗うつ効果は増強するか  担当者へのご意見箱はこちら

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骨密度と疼痛は関連するのか?

 これまで多くの試験が、骨粗鬆症治療後の腰痛改善を報告しているが、骨粗鬆症が疼痛を伴うのかについては十分なエビデンスはない。韓国・盆唐ソウル大病院のKyoung Min Lee氏らは50歳以上の閉経後女性を対象に骨密度(BMD)と筋骨格痛が関連するかどうかを調べた。結果、変形性関節症の程度で補正後、筋骨格痛と骨密度の関連は認められなかったことを報告した。Clinical Rheumatology誌オンライン版2014年10月7日号の掲載報告。 研究グループは、第5次韓国健康・栄養調査のデータベースから50歳以上の閉経後女性のデータを集め、股関節・膝関節痛、腰痛症および活動レベルについて、人口統計学的、Kellgren-Lawrence分類、Numerical Rating Scale(NRS)により分析。筋骨格痛とBMDが相関するかどうかを調べた。 分析には、DEXAスキャンおよび股関節・膝関節のX線写真の記録のある被験者のみを包含。また悪性疾患、鎮痛薬服用または骨折既往歴のある人も除外した。 単変量解析後、重回帰分析法にて、股関節・膝関節痛の程度と有意に関連する因子を調べた。またバイナリロジスティック回帰分析を行い、腰痛症と有意に関連する因子の特定を行った。 主な結果は以下のとおり。・総計387例の女性を分析に組み込んだ。・重回帰分析の結果、年齢が唯一、股関節痛の強度と有意に関連する因子であった(p=0.005)。・膝関節痛の強度と有意に関連する因子は唯一、Kellgren-Lawrence分類であった(p<0.001)。・バイナリロジスティック回帰分析の結果、腰痛症の強度と関連する因子は唯一、年齢であった(p=0.002)。 以上のように、筋骨格痛は、BMDの影響は認められず、また関連も認められなかった。

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スタチン試験、企業バイアスなし/BMJ

 スタチン試験への「資金提供企業のスポンサーバイアス」を調べたが、資金提供がされていない試験との比較で、スタチンによるLDLコレステロール(LDL-C)低下効果の差はみられなかった。効果の違いは用量の差によるもので、高用量であること低下値が大きかった。英国・London School of Economics and Political ScienceのHuseyin Naci氏らが、システマティックレビューとネットワークメタ解析で、スタチンのLDL-C低下効果を検討した無作為化試験183件を評価し報告した。BMJ誌オンライン版2014年10月3日号掲載の報告より。ネットワークメタ解析にて検証 検討は、文献データベースと参考文献リストから、1985年1月1日~2013年3月10日に発表された、スタチン試験報告の論文を特定した。適格としたのは、非盲検および二重盲検無作為化比較対照試験で、スタチンとその他のあらゆる用量の薬物または対照(プラセボ、食事療法、通常ケア)を比較しており、心血管疾患を有するまたは発症リスクを有する成人を対象とした試験とした。 2名の研究者が試験の適格性を評価し、各比較アーム群の被験者は50例以上、試験期間4週間以上の試験のみを解析に組み込んだ。1名がデータの抽出を行い、もう1名が精度の確認を行った。 主要評価項目は、LDL-C値のベースラインからの平均絶対変化値だった。各無作為化試験のアウトカムレベルは、ランダム効果ネットワークメタ解析法にて統合して評価した。スタチンのLDL-C低下効果の違いは、用量の違い 検索により183件のスタチン無作為化試験を組み込んだ。そのうち103件は、2アームまた複数アーム設定の比較試験だった。 全無作為化試験のエビデンスを統合した結果、LDL-C低下効果の差は、スタチン投与量が異なる時に示されることが明確になった。一般的に、高投与量ほど低下値は大きかった。 企業が資金提供した試験は146件あり、そのうち64件がプラセボ対照試験だった(43.8%)。 37件は資金提供が政府系機関であったが、実質的に企業の資金提供がなかった試験は16件(43.2%)だった。37件において35通りの用量設定比較が行われていた。そのうち31通りは、企業の資金提供があった試験でも行われていた。 それら企業の資金提供のあった試験となかった試験との比較において、それぞれのスタチンのLDL-C低下効果に統計的な有意差はみられなかった。両試験間のベースラインからのLDL-C低下の平均値は、資金提供のあった試験のほうが低かったが、その差は1.77mg/dL(95%信頼区間[CI]:-11.12~7.66)だった。エビデンスに関する矛盾点は検出されなかった。

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新規抗うつ薬の実力、他剤比較で検証

 新規抗うつ薬であるボルチオキセチン(国内未承認)は多様な作用を有しており、大うつ病性障害(MDD)患者に有効であることが、10件の短期無作為化プラセボ対照試験(2012年に終了)のうち6件で示されている。フランス・Centre Hospitalier UniversitaireのPierre-Michel Llorca氏らは、メタ回帰分析にて、ボルチオキセチンと7種の異なる活性作用を有する抗うつ薬の間接的な比較を行った。結果、ボルチオキセチンは、他の抗うつ薬と類似もしくはより良好な有効性および忍容性をもたらすことが示された。 研究グループは試験比較を確実なものとするために、プラセボ対照登録試験から試験薬アームとプラセボアームのみを包含して主要解析を行った。主要アウトカムは、有効性(主要エンドポイント[MADRS/HAM-D]のベースライン時から2ヵ月時点までの標準化平均差)、忍容性(有害事象発生による投与中断率)であった。 主な結果は以下のとおり。・有効性について、推定治療効果(マイナス値はボルチオキセチンを支持する)は次のとおりであった。アゴメラチン:-0.16(p=0.11)、デスベンラファキシン:0.03(p=0.80)、デュロキセチン:0.09(p=0.42)、エスシタロプラム:-0.05(p=0.70)、セルトラリン:-0.04(p=0.83)、ベンラファキシンIR/XR:0.12(p=0.33)、ビラゾドン:-0.25(p=0.11)。・忍容性については、1種を除きボルチオキセチンを支持するもの(オッズ比が1未満)であった。ただし、すべてで統計的な有意差は認められなかった。アゴメラチン:1.77(p=0.03)、デスベンラファキシン:0.58(p=0.04)、デュロキセチン:0.75(p=0.26)、エスシタロプラム:0.67(p=0.28)、セルトラリン:0.30(p=0.01)、ベンラファキシン:0.47(p=0.01)、ビラゾドン:0.64(p=0.18)。・感度分析でも、推定治療効果や相対ランキングの有意な変化は認められなかった。関連医療ニュース ビタミンB併用で抗うつ効果は増強するか 日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法:名古屋大学 パロキセチンは他の抗うつ薬よりも優れているのか  担当者へのご意見箱はこちら

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メディカルフードのセラミン、痛みと炎症を改善

 セラミン(Theramine、アミノ酸混合物68405-1:AAB)は、米国において医師の処方によってのみ使用することができるメディカルフードで、神経伝達物質前駆体(アミノ酸)からの神経伝達物質合成が増加する。開発者である米国・ターゲットメディカルファーマ社のWilliam E Shell氏らは、セラミンが慢性腰痛の著明改善と炎症の軽減をもたらすことを無作為化二重盲検比較試験により明らかにした。血中における神経伝達物質の増加と腰痛改善との関連が示唆されるという。American Journal of Therapeutics誌オンライン版2014年9月18日号の掲載報告。 対象は、18~75歳の慢性腰痛患者122例で、低用量イブプロフェン(400mg/日)単独群、AAB単独群、低用量イブプロフェン+AAB併用群に無作為化された。 主要評価項目は、オスウェストリー障害指数(ODI)およびローランド・モリス障害質問票(RDQ)スコア(28日目におけるベースラインからの変化)で、血液中のCRP、インターロイキン(IL)-6およびアミノ酸濃度も測定した。 主な結果は以下のとおり。・ODIの改善は、イブプロフェン単独群で4.52%、AAB単独群で41.91%、AAB併用群で62.15%であった。・RDQスコアは、イブプロフェン単独群では0.73%の悪化であったが、AAB単独群では50.3%改善、AAB併用群では63.1%改善した。・CRPは、イブプロフェン単独群で60.1%増加、AAB単独群で47.1%減少、AAB併用群で36%減少した。IL-6も同様の結果であった。・慢性疼痛症候群の患者は、血漿中アミノ酸(アルギニン、セリン、ヒスチジンおよびトリプトファン)濃度がベースライン時は低かったが、治療後に増加した。・アミノ酸濃度の改善が治療効果に関連していた。

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境界性パーソナリティ障害、精神症状の特徴は

 DSM-IV分類の境界性パーソナリティ障害(BPD)では精神病性症状の頻度が高いことが、従来の研究で示されているが、その発症率と特徴(タイプ、頻度、期間、部位など)に関しては現在のところコンセンサスは得られていない。同様に、精神的反応性について取り組んだ論文もほとんどなかった。イタリア・トリノ大学のFrancesco Oliva氏らは、BPDと統合失調症(SC)における思考および知覚障害の相違を検討し、それらと社会的機能との関連を評価した。その結果、BPD患者はSC患者と比べ、偽精神病性思考の頻度が高く、真性精神病性思考の頻度が低く、非妄想性パラノイアがより重症であること、人格・社会機能の程度が非妄想性パラノイアを有意に予測することを報告した。BMC Psychiatry誌オンライン版2014年10月3日号の掲載報告。 精神的反応性はBPDを構成する重要な要素である。同時に、これはDSM-IV BPDで提示されている9項目の1つであり、DSM-IV-TRとDSM-5でも変わらず含まれている。本研究の目的は、DSM-IV分類のBPDとSCにおける思考および知覚障害の相違を検討するとともに、それらと社会的機能との関連を評価することであった。DSM-IV分類でBPD(28例)またはSC(28例)と診断された外来患者を対象とし、過去2年にわたる思考と知覚障害をDiagnostic Interview for Borderline Revised (DIB-R)を用いて、また社会機能をPersonal and Social Performance scale(PSP)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・BPD患者では、偽精神病性思考(すなわち一過性、制限的および非定型的精神行動) の頻度がより高かった(BPD=82.1%、SC=50%、p=0.024)。・一方、SC患者では、真性精神病性思考(すなわちシュナイダーの1級症状、遷延化、拡大、および奇異な精神病性症状)の頻度がより高かった(SC=100%、BPD=46.4%、p<0.001)。・ただし、BPD群、SC群のいずれにおいても、両方の精神病性特徴が広く認められた。・非妄想性パラノイア(すなわち過度の疑い深さおよび関係念慮)は散見されたが、SC患者に比べBPD患者でより重症であった(U(54)=203.5、p=0.001)。・BPD群では人格・社会機能と非妄想パラノイアの間に強い負の関連がみられ(τ(28)=0.544、p=0.002)、BPD群においてのみ人格・社会機能の程度が非妄想性パラノイアを有意に予測した(β=-0.16、t(23)=2.90、p=0.008)。・以上より、BPD患者はSC患者と比べ、偽精神病性思考の頻度が高く、真性精神病性思考の頻度が低く、非妄想性パラノイアがより重症であり、重度の精神病性経験がより少ないことがわかった。・BPD患者では、対人関係の機能が非妄想性パラノイアの予測につながると思われ、DSM-IV診断分類の9項目およびDSM-5分類のBPDに含まれるストレス関連パラノイドの妥当性が確認された。・BPD患者では精神病性経験サブスケールが高スコアであり、DSM-5のSection IIIで紹介されているthe Clinician-Rated Dimensions of Psychosis Symptom Severity など、思考と知覚障害の重症度を評価するツールの使用が支持される。関連医療ニュース 境界性パーソナリティ障害でみられる幻覚の正体は 境界性パーソナリティ障害患者の自殺行為を減少させるには 境界性パーソナリティ障害患者の症状把握に期待!「BPDSI-IV」は有用か  担当者へのご意見箱はこちら

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肛門性器疣贅の治療、ワクチンvs. 従来療法

 肛門性器疣贅(Anogenital Warts:AGW)の治療について、病巣内Mycobacterium w(Mw)ワクチン接種と従来療法である5%イミキモドクリーム塗布を比較した無作為化試験の結果、HPV-6に対する有効性は同等であることなどが示された。インド・All India Institute of Medical SciencesのPankaj Kumar氏らによる報告で、これまで両者の比較は行われておらず、有効性のエビデンスは不確かであった。今回の結果を踏まえて著者は、「有効性と安全性は両治療で同等である」とまとめている。JAMA Dermatology誌2014年10月号(オンライン版2014年8月6日号)の掲載報告。 検討は、二重盲検無作為化臨床試験にてニューデリーで2009年2月から2012年7月に行われた。フォローアップは3ヵ月間行われた。 159例のAGW患者をスクリーニングし、89例を無作為に割り付け、一方には5%イミキモドクリーム塗布とプラセボ接種を(44例)、もう一方にはMwワクチン接種とプラセボクリーム塗布を行った(45例)。 主要エンドポイントは、可視によるAGWの臨床的治癒とし、副次評価は、AGWの表面積の縮小割合、HPV-6およびHPV-11のウイルス量減少などであった。 主な結果は以下のとおり。・intention-to-treat解析において、イミキモド群患者59%(26例)、Mw群患者の67%(30例)が、完全な治癒を達成した(p=0.52)。・高リスク遺伝子型を含む18のHPV遺伝子型が検出されたが、治療群間で有意差はなかった(すべてのp>0.05)。・Mw群は、HPV-6およびHPV-11の平均ウイルス量が、有意に低下した(p=0.003、p=0.03)。・しかし、イミキモド群は、HPV-6のみ有意に低下した(p=0.01)。・フォローアップ3ヵ月時点で完全に治癒し重大有害イベントのなかった患者では、AGWの再発はみられなかった。

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子宮移植による生児出産、世界初の成功例/Lancet

 先天的に無子宮の35歳の女性に、61歳の女性の子宮を移植し生児出産に成功したとの報告が、Lancet誌オンライン版2014年10月5日号に掲載された。報告を行ったのはスウェーデン・イェーテボリ大学のMats Brannstrom氏らのチームで、子宮移植後の生児出産としては初めての成功例だという。子宮移植は、無子宮または非機能性子宮に起因する絶対的な不妊の第一選の治療法で、これまでに世界で11件のヒト子宮移植が試みられている。ロキタンスキー症候群女性に閉経後女性の子宮を移植 子宮移植を受けたのは、ロキタンスキー症候群によるミュラー管無発生のため先天的に子宮を欠いた35歳の女性。移植術は、子宮を原因とする絶対的不妊の女性9例を対象とする臨床試験の一環として2013年、イェーテボリ市のSahlgrenska大学病院で行われた。 子宮のドナーは2度の経産歴(26および29歳時に経膣分娩)のある61歳の生存女性(非喫煙者、BMI 20、約7年前に閉経)で、レシピエントとは家族ぐるみの友人であった。 移植に先立って、レシピエントとパートナーによる体外受精が実施され、11個の受精卵(胚)が凍結保存された。 レシピエントとドナーは、移植術後、実質的に無事に回復した。レシピエントは、術後43日目に最初の月経に至り、その後は規則正しい周期(中央値32日、26~36日)で継続した。妊娠31週5日目、妊娠高血圧腎症にて帝王切開 レシピエントは、術後1年目に最初の胚移植(1個の受精卵)を受け妊娠した。免疫抑制薬3剤(タクロリムス、アザチオプリン、コルチコステロイド)の投与が開始され、妊娠期間を通じて継続投与された。子宮頸部生検で、3回の軽度拒絶反応(9日、2ヵ月28日、6ヵ月24日、すべて臨床症状なし)が認められたが、いずれもコルチコステロイド投与で回復した。 胎児発育パラメータ(大腿骨長、児頭大横径、腹部径、体重など)や、子宮動脈および臍帯動脈の血流は、妊娠期間を通じて正常であった。妊娠31週5日目、妊婦は妊娠高血圧腎症[血圧180/120mmHg、軽度頭痛、蛋白尿(尿中アルブミン18mg/L)、血小板数の低下(96×109/L)]を来し同病院産科に入院となった。 入院後10時間頃から陣痛回数が増加し始め、分娩監視装置(cardiotocography)で胎児心拍と陣痛の異常が認められた。その後、異常パターンが繰り返されたため、入院から16時間の時点で帝王切開を行った。 体重1,775g(在胎週数の正常体重)、アプガースコア正常(9、9、10点)の男児が誕生した。新生児の状態は良好で、光線治療のみでroom airにて管理が行われた。母親の状態も良好であり、血圧は自然に正常化しそれ以上の治療を必要としなかった。帝王切開後3日目に退院し、その後は外来通院でフォローアップを行っている。 著者は、「今回の初めての生児出産例は、子宮が原因の絶対的不妊の若い女性に対する治療としての、子宮移植の可能性を世界に向けて開くもの」とする一方で、「不妊治療としての子宮移植の有効性は確立されておらず、この女性も参加した進行中の臨床試験が光明を投じる可能性はあるが、医学的および心理学的なリスクがあることも事実である」と指摘している。

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履物を脱がせる工夫

認知症患者さんのご家族へのアドバイス履物の着脱一方の踵を上げさせ半脱ぎ状態にし、次に反対足で同じことをして、改めて足を上げてもらう。上がりかまちと垂直方向に手すりを付けて利用すると楽になる。監修:筑波大学 医学医療系臨床医学域精神医学 教授Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.朝田 隆氏

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