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企業スポンサー試験は結果が思わしくないと論文を作らない?(解説:折笠 秀樹 氏)-293

 外科療法に関するランダム化比較試験(RCT)395件を題材にして、臨床試験が予定よりも早期に中止されたのはどういった試験かを調査した。また、臨床試験は完了したものの論文を作らなかったのはどういった試験かも調査した。そして、早期中止に至ったのはどういった試験かも調査した。 早期中止された試験(81件)は多施設共同や国際共同試験が多かった。その理由は、患者登録が思うように進まなかったというのが第一のようだった。 完了したのに論文を作らなかった試験(106件)は、企業スポンサー試験が多かった。その理由は研究者から回答のあった25件によると、出版中だがPubMedにはまだ未掲載であるだけという回答が多かった。しかしながら、回答のなかったものが大半(81件)であることから、結果が思わしくなかったからという理由が想像される。 逆に、100例以上の大規模試験では100例未満の試験に比べ、論文化の傾向がみられた。早期中止に至った理由としては、あまり特徴的な傾向はみられなかった。 このようなことが調査できるのは、臨床試験登録サイトの存在が挙げられる(本論文ではClinicaTrials.govデータベースを利用)。さらに言えば、すべての臨床試験が2005年から事前登録を義務付けられたことが挙げられる。

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見るより参加!【Dr. 中島の 新・徒然草】(047)

四十七の段 見るより参加!中島「いやあ、土曜の午後の草野球みたいですね。いい汗かきました」技師「うまいこと言わはりますな」中島「なんか達成感がありますね」先日のこと。ICLS (Immediate Cardiac Life Support) コースにインストラクター見習いとして参加しました。ICLSコースとは「突然の心停止に対して最初の10分間の適切なチーム蘇生を習得する」という目標をもった講習会です。数年前に受講して以来、もっぱら主催者側の一員として、準備したり開会の挨拶をしたりする立場になってしまいましたが、見ているだけでは面白くありません。そこで、自分も参加させてもらうことにしたのです。受講生に対する説明や実技そのものは、他のインストラクターの見まねで何とかできたのですが、よくわからないのが、打合せの部分です。看護師「ブリデブリと目標設定ですけど」中島「ブリってのは」看護師「ブリーフィングです」中島「そうするとデブリってのはデブリーフィングよね?」看護師「ええ」中島「その2つを縮めてつないだら、なんだかマズくないすか?」看護師「ちょっと先生、真面目にやってくださいよ!」ブリーフィングというのは「状況説明」とか「指令」と訳されるのが普通ですが、今回のコースでは「作戦会議」と説明されていました。デブリーフィングは、通常、「帰還報告」という訳になりますが、今回は「ふりかえり」です。でも「ブリデブリ」と縮めるのはいかがなものでしょうか。読者の皆さんも「ブリデブリ」って言ってますか?それはさておき、説明 → 実技 → デブリーフィング → ブリーフィング → 目標設定 → 実技 → ・・・と、汗だくになりながら際限なく続くICLS。受講生も疲れたでしょうが、慣れないインストラクター見習いも疲れます。それでも終わったときには「有意義な1日だった!」という満足感でいっぱいでした。このコースでは、院内の医師、看護師だけでなく、外部から救命士、臨床検査技師、放射線技師もインストラクターとして参加してくれたので、多くの人と顔見知りになることができました。それやこれやで土曜の午後の草野球に喩えた次第です。それにしても見ているよりも参加するほうが面白いのは確かです。次も参加することにしましょう。

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がん生存にみる40年間の対策効果は?/Lancet

 英国のロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院のManuela Quaresma氏らは、イングランドとウェールズ住民を対象に40年間(1971~2011年)の、全がん生存指標と年齢・性別で補正した個別がん生存指標の傾向を調べた。その結果、1971-72年当時は、全がんネット生存指標は、診断後1年で50%であったが、40年後の2010-11年には診断後10年でも50%を達成していると予測され大きく改善していること、一方で性別や年齢による生存指標の格差が続いていることなどを明らかにした。Lancet誌オンライン版2014年12月2日号掲載の報告より。英国がん患者、過去40年間720万人のデータを解析 本検討は、がん対策の進展を集団レベルで評価することの重要性を踏まえて、住民ベース生存率の傾向を調べて、がん生存について特色ある対策を提示することが目的であった。住民ベース生存率の傾向は、医療システム全体の効果、および罹患率や死亡率の傾向について鍵となる洞察を与える。 研究グループは観察研究にて、イングランドおよびウェールズ住民で1971~2011年に、原発性、侵襲性の悪性腫瘍と初発診断された720万人のデータを、2012年まで追跡して住民ベース生存率の傾向を分析した。 National Cancer Registry(イングランド)とWelsh Cancer Intelligence and Surveillance Unit(ウェールズ)を用いて全がん生存指標を作成。指標は、がん患者の年齢群別変化と男女別にがん死亡の変化を読み取れるようにデザインされていた。 1971-72年、1980-81年、1990-91年、2000-01年、2005-06年、2010-11年の期間のデータを選び、診断後1、5、10年後のがん生存指標の傾向を分析した。また、最高年世代(75~99歳)患者と最若年世代(15~44歳)患者間のネット生存率の差を、世代間生存格差と定義し、1971年以降の絶対変化(%)を評価した。全体的には上昇、性別、がん種別、年代別の次のターゲットが明らかに 両国の40年間の全がんネット生存指標は、大きく上昇していた。1971-72年当時、診断後1年生存指標が50%を示していたが、2005-06年には、診断後5年生存指標が50%を示すようになっており、2010-11年には診断後10年生存指標が50%を示すことが予測された。 2010-11年の全がん複合生存指標は、診断後1年が69~70%、診断後5年が54%であることが予測された。40年間で、5年生存指標は24%(30%から54%に)、10年生存指標は26%(24%から50%に)上昇しており、1990~2011年の間に大きく伸びたことがみられた。 男女別にみると、全がん生存指標は調査対象期間中一貫して、男性よりも女性が平均10%高かった。 年齢および性別で補正後の10年ネット生存指標の予測値は、がんの種類によって大きく異なり、2010-11年の予測値は、膵臓がんの1.1%から精巣がんの98.2%までにわたっていた。同値について高・中・低値の3群に分けてみると、高値群に分類されたのは、乳がん、前立腺がん、精巣がん、子宮がん、メラノーマ、ホジキンス疾患で、1971-72年の生存指標からの上昇が総じて大きかった。一方で、低値群に分類されたのは、脳、胃、肺、食道、膵臓のがんで、40年間でほとんどまたはまったく改善がみられなかった。 また、最高年世代が最若年世代と比べて、がん以外の高率の死因で補正後も一貫して生存指標が低かった。男性において世代間生存格差が最も大きかったのは、大量化学療法が治療の鍵となるがん(リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病)で、女性では脳腫瘍、卵巣・子宮頸部がん、多発性骨髄腫で世代間生存格差が大きかった。また女性では、メラノーマと子宮がんの世代間格差は狭まっていたが、卵巣がんの長期生存の差は拡大していた。 これらの結果を踏まえて著者は、「がん種別によりまた世代間により生存に大きな差があることが示された。このことは、がんアウトカムの新たな対策の必要性を示唆するものである」と述べる一方で、「がん生存指標のさらなるモニタリングは、昨今の個人情報保護に対する懸念が払拭されない限り困難となる可能性もある」と指摘している。

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【2014年コンテンツ閲覧ランキング】人気を集めた記事・スライド・動画のトップ30を発表!

デング熱やエボラ出血熱の流行、高血圧治療の新しいガイドライン、人間ドック学会が発表した新たな健診基準値など、今年の医療界での出来事が反映された記事やスライド、動画を多数お届けしてまいりました。そのなかでもアクセス数の高かった人気コンテンツ30本を紹介します。 1位 デング熱、患者さんに聞かれたら・・・ 2位 NHK特集で報道された「シロスタゾールと認知症の関係」についての患者さん説明用パンフレットを作りました。 (Dr. 小田倉の心房細動な日々~ダイジェスト版~) 3位 頓服薬の査定のポイント (斬らレセプト — 査定されるレセプトはこれ!) 4位 岩田健太郎が緊急提言!エボラ出血熱にこう備えよ! (CareNeTV LiVE! アーカイブ) 5位 高血圧治療ガイドライン2014が発刊 6位 医療者は正しい理解を。人間ドック学会“基準値”の解釈 7位 Dr.山下のアリスミアのツボ 第1回 8位 非専門医も知っておきたいうつ病診療(2)うつ病治療の基本 9位 カルベジロール査定のポイント (斬らレセプト — 査定されるレセプトはこれ!) 10位 ケアネットオリジナル『患者説明用スライド』 ~高血圧Vol.1~ 11位 デング熱での解熱剤に注意~厚労省がガイドライン配布 12位 ケアネットオリジナル 『患者説明用スライド』 ~高血圧Vol.2~ 13位 妊娠糖尿病の診断基準の覚え方 (Dr. 坂根のすぐ使える患者指導画集 -糖尿病編-) 14位 エキスパートに聞く!「血栓症」Q&A Part2 15位 知識を整理!GERD診療(2)症状を診る 16位 レビー小体型認知症、アルツハイマー型との違いは? 17位 アシクロビル(商品名: ゾビラックス)の査定 (斬らレセプト — 査定されるレセプトはこれ!) 18位 非専門医も知っておきたいうつ病診療(1)うつ病の現状と診断 19位 休診日(12月28日)の休日加算の査定 (斬らレセプト — 査定されるレセプトはこれ!) 20位 アジスロマイシンとレボフロキサシンは死亡・不整脈リスクを増加する (1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより~) 21位 休日診療をやってみた (スキンヘッド脳外科医 Dr. 中島の 新・徒然草) 22位 内科医のための睡眠障害(1) 知って得する睡眠の話 23位 自分の適正なお寿司の皿数、わかりますか? (Dr. 坂根のすぐ使える患者指導画集 -糖尿病編-) 24位 ナトリウムから食品相当量への換算方法を教えるコツ (Dr. 坂根のすぐ使える患者指導画集 -糖尿病編-) 25位 金属がなくてもMRIで熱傷を起こすことがある (Dr. 倉原の”おどろき”医学論文) 26位 出血性ショックに対する輸血方法が不適切と判断されたケース (リスクマネジメント 救急医療) 27位 知識を整理!GERD診療(1)基本を整理 28位 ケアネットオリジナル 『患者説明用スライド』 ~高血圧Vol.5~ 29位 非専門医も知っておきたいうつ病診療(4)抗うつ薬の副作用と対処法 30位 非専門医も知っておきたいうつ病診療(3)抗うつ薬の使い分け #feature2014 .dl_yy dt{width: 50px;} #feature2014 dl div{width: 600px;}

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白斑、円形脱毛症とアトピー性皮膚炎は有意に関連

 米国・ノースウェスタン大学のGirish C. Mohan氏らは、観察研究のメタ解析を行い、白斑または円形脱毛症(AA)を有する患者において、アトピー性皮膚炎リスクが高いという所見に関して矛盾が認められるかを検討した。結果、同所見について一貫した有意な関連がみられ、とくに白斑は早期発症(12歳未満)の患者で、AAについては全頭型・全身性のほうが関連が強いことが明らかになったという。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年12月3日号の掲載報告。 検討は、観察研究をメタ解析し、白斑またはAAを有する患者と、これらの疾患がない患者について、アトピー性皮膚炎の有病率を比較することを目的とした。1946年~2014年4月5日の間に発表された論文について、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Library、Google Scholarと、また12誌については手動で検索。論文の言語は問わず、上記の有病率の比較を行っている観察研究を適格とした。 2名の研究者がそれぞれデータ抽出を行い、エビデンスの質をNewcastle-Ottawa Scale and Methodological Evaluation of Observational Researchチェックリストを用いて評価した。メタ解析は固定エフェクトモデルを用いて推定プールオッズ比(OR)を算出。サブセット解析は、小児発症vs.成人発症、全頭型または全身性vs.斑状型脱毛にて行われた。 主要評価項目は、自己申告および/または医師の診断によるアトピー性皮膚炎、白斑、AAであった。 主な結果は以下のとおり。・検索により、16試験(白斑)、17試験(AA)が解析に組み込まれた。プール解析には、白斑を有さない患者(2例)、AAを有さない患者(3例)が含まれていた。・結果、白斑患者(Cochran-Mantel-HaenszelによるOR:7.82、95%信頼区間[CI]:3.06~20.00、p<0.001)、AA患者(同:2.57、2.25~2.94、p<0.001)は、それぞれの疾患を有さない患者と比べて、いずれも有意にアトピー性皮膚炎リスクが高かった。・3試験のプール解析から、白斑は早期発症(12歳未満)のほうが、リスクが高いことが示された(OR:3.54、95%CI:2.24~5.63、p<0.001)。・4試験のプール解析から、AAは全頭型または全身性のほうが、リスクが高いことが示された(同:1.22、1.01~1.48、p=0.04)。

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治療抵抗性の慢性咳嗽に対する新選択肢(AF-219)の有効性について(解説:小林 英夫 氏)-291

 外来診療で、咳止めを処方してくださいという声をしばしば耳にされませんか。そんなときはどう対処されていますか。当然ですが、疾患を問わずすべての咳嗽を抑制できる夢の薬は存在していません。細菌性肺炎に鎮咳薬のみを投与しても効果は期待できないので、まず咳嗽の基盤病態の鑑別が医師の出発点ですが、受診者は余計な検査などせず咳止めを出してくれればそれでけっこうです、と主張することも少なくないと思います。 無理とは思いつつ、幅広い病態に有効な鎮咳処方箋はないかと願うこともあります。 新薬AF-219は、気道の迷走神経に発現し咳嗽感覚の過剰反応に関与するP2X3 受容体に対する低分子拮抗薬で、米国Afferent製薬により治験が進められている。同社ホームページによると、P2X3受容体は無髄の細径C神経線維に特異的で内臓、皮膚、関節にも存在し痛覚や臓器機能に関与している。その機序はATPをリガンドとして活性化されるチャンネルで、痛覚感作経路に発現する。英国で慢性咳嗽への治験(本論文)、米国で変形性関節炎による疼痛治療、さらに膀胱痛への治験中とのことである。本来の役割からも咳嗽よりも鎮痛効果を狙っている印象である。本薬を鎮咳に用いた根拠は、気道の迷走神経C線維にP2X3受容体が存在すること、モルモットではATPやヒスタミン吸入させるとP2X受容体を介した咳嗽反射が強まることなどであった。 本研究は、基礎疾患の明らかでない難治性(治療抵抗性)慢性咳嗽患者を対象とし、第II相二重盲検無作為化プラセボ対照試験、単一医療機関でのクロスオーバー法(2週間服薬、2週間wash out、2週間服薬)で実施された。結果は、咳嗽頻度は75%低下し期待できる鎮咳薬である、となっている。 臨床的に満足できる鎮咳薬が少ない実状を踏まえればAF-219に期待したい一方で、論文を読み込むとまだまだ未解決点がある。評価できる点として、primary endpointである鎮咳効果を音響学的自動咳嗽記録機(VitaloJAK)により計測し客観的量的評価がなされている。同時に主観的なvisual analogue scale (VAS)などもsecondary endpointとしているが、咳嗽回数を記録することの価値は大きい。 マイナス点としては対象集団の曖昧さがある。本論文に限らないが慢性咳嗽の研究では回避できない問題である。エントリー基準は、閉塞性障害、胃食道逆流、喫煙、感染、薬剤性咳嗽などを除外し、明らかな咳嗽の原因疾患を有さず、治療によっても8週間以上咳嗽が継続する症例、が選択されている。本邦で重視されるアトピー咳嗽の概念は導入されていない。また、呼吸機能は施行されているが胸部CTについては記載がなく、英国での試験なので未施行と推測される。さらに平均咳嗽罹病期間は9年間である。どのような病態が混在しているのかが不明瞭であろう。次の問題点は、24例中6例が有害事象により服薬中止となっている。重篤な副反応はみられないものの、全例で味覚障害が出現している点が用量変更で解決できるかどうかが大きな課題であろう。これは舌味蕾にP2X3が存在するためで、減量により味覚障害が回避できる可能性があると考察されている。 抗てんかん薬であるガバペンチン、徐放性モルヒネ、サリドマイド、リドカイン吸入などが最新の咳嗽研究対象薬であるが、いずれも十分な鎮咳効果は得られなかった。鎮咳薬という分野での選択肢が少ない、遅れているという現状からは、P2X3受容体拮抗薬の今後に期待したいが、実臨床への過程には今いっそうの検討を経なければならない。さらに有効疾患の絞り込みも望まれる。なお、本邦の咳嗽診療指針として日本呼吸器学会編集の「咳嗽に関するガイドライン第2版(PDF)」は無料ダウンロード可能なので参照をお薦めしたい。

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医師が選んだ「今年の漢字」はコレ!【CareNet.com会員アンケート結果発表】

12月12日に日本漢字能力検定協会が発表した『今年の漢字』では、「税」が1位に選ばれたようです。今年の世相を表す漢字について、医師に聞いてみたらどんな結果になるのか?CareNet.com会員の医師を対象に募集したところ、1位に選ばれたのはやはり「税」でした。しかし、2位以下では、医師ならではの視点・事情が垣間見られる漢字が上位にランクインしています。※発表にあたってケアネットの達筆社員が筆を執りました。書を持つ5人もケアネット社員です。1位税日本漢字能力検定協会が発表した「今年の漢字」で1位に選ばれた「税」は、CareNet.com会員でも1位にランクインしました。アンケートを行った時期が解散総選挙前という事情もあったせいか、文字どおり、今年4月より8%に引き上げられた“消費税”を表しています。「税」を選んだ理由(コメント抜粋)今だけではなく未来の自分や子供らの生活に大きく関わるにもかかわらず、消費税8%だ10%だと財務省が勝手に決めているのはおかしいと思ってるから。今度の解散ではその辺りを検証した話を聞かせて欲しい。そうでないと、選びようがない...。(勤務医/内科 59歳)4月に消費税が8%に上がり、その後景気が悪化し、12月には来年10月からの10%への引き上げで論議を巻き起こし、衆議院解散にまで発展したため。(開業医/内科 55歳)増税ばかりで明らかに生活が苦しくなりました。我々勤務医程度の収入層が最もダメージが大きいと思います。低所得対策では景気改善は見込めず、むしろ低所得層はある程度見切り、中間層の消費を喚起する政策が必要と思います。(勤務医/臨床研修医 27歳)2位偽数々の「偽」が大騒動を巻き起こした2014年の日本の世相を、一文字で表現するにはぴったりの漢字。今年もさまざまな出来事がありましたが、そのなかでも「STAP細胞」と「ゴーストライター」の件は、衝撃的だったのではないでしょうか?「偽」を選んだ理由(コメント抜粋)「STAP細胞は、あります」・・・ワイドショーをにぎやかした一連の大騒動。研究発表の杜撰さがある一方で、それを追求するマスコミのピント外れのコメント・論拠・検証。すべてが、偽。 朝日新聞の捏造体質、兵庫県議の号泣会見、作曲家ゴーストライター騒動、相変わらずのマスコミの偏向報道。・・・ いつの世も「偽」「嘘」がはびこり、また支配するものではあるが、今年は久しぶりにSTAP細胞という、医学会の大騒ぎがあったので、之を推す。(勤務医/小児科 43歳)ゴーストライター、STAP細胞の問題、大臣や議員の政治資金に関する問題、朝日新聞の誤った報道記事、中国が行っている傷んだ鶏肉やサンゴの密漁など様々な問題などから。(開業医/泌尿器科 54歳)偽りの細胞、偽りの作曲家、偽りのPC遠隔操作疑惑冤罪者、そして偽りの景気回復………。(開業医/腎臓内科 45歳)3位災集中豪雨、地震、火山の噴火などの自然災害はもちろん、エボラ出血熱やデング熱の流行という医療界を震撼させる感染症のパンデミックも、「災」を選んだ先生方のコメントのほとんどに含まれていました。「災」を選んだ理由(コメント抜粋)長野県に住んでいます。今年は大雪、御岳山噴火、県北部での地震など天災が多かったので、災害の「災」を今年の一字に選びました。(勤務医/内科 46歳)福島原発問題もまだまだですし、御嶽山噴火、広島土石流などいろいろありましたので。(開業医/眼科 51歳)自然災害(地震、水害、火山、エボラ出血熱、デング熱流行など)、人災(イスラム国、違法サンゴ漁など)いろいろな災害や災いの多い1年だったから(開業医/耳鼻咽喉科 61歳)4位嘘2位の「偽」を選んだ理由とも共通する「嘘」の一文字。こちらも2014年の出来事といえばまず思い浮かべるであろう、「STAP細胞」と「ゴーストライター」が多く挙げられていました。「嘘」を選んだ理由(コメント抜粋)STAP細胞は仮説としては興味深いが、在ると証明できていない。嘘と言われてもやむを得ない。(勤務医/外科 59歳)STAP細胞と聴覚障害者のピアニスト。医学や医療と離れれば、政治と金の問題が多数。とりわけ号泣?謝罪会見はウケた。(開業医/精神科 45歳)政治の嘘は以前からだが、原発事故以降、なんでもありになってしまった。経済指標の数字を操作することも嘘に等しい。STAP細胞の論文の件も研究者が嘘をついてしまうことが横行していることが明るみになった。日本人は嘘をつかず、誠実であってほしいと思う。(勤務医/小児科 54歳)5位忍“耐え忍ぶ”という言葉がまさに当てはまる一文字。「忍」を選んだ先生方は何を思ったのでしょうか……?「忍」を選んだ理由(コメント抜粋)開業医です。ほそぼそと田舎で小児科を中心に仕事をしています。とにかく今は耐えるしかないと思います。どんなにがんばっても、医療費は削減され、医者が儲けているなどと、間違った報道が多い。いい加減にしてほしい。(開業医/小児科 60歳)世界的異常気象、天災、疾病、色々耐え忍び来年、次世代に安心な世の中を継承していきたい気持ちを込めて。(開業医/内科 51歳)保険査定も厳しい、医師不足も厳しい、医療訴訟も厳しい、あらゆる厳しさに耐え忍ぶ年だったと思います。(勤務医/消化器内科 45歳)★アンケート概要アンケート名『医師が選ぶ!今年の漢字』実施期間2014年12月2日~12月9日調査方法インターネット対象CareNet.com会員医師有効回答数3,570件

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統合失調症の陰性症状治療にMAO-B阻害薬は有望

 統合失調症の持続的な陰性症状の治療に、選択的MAO-B阻害薬が有望であることを裏付ける試験結果が示された。米国メリーランド・スクール・オブ・メディスン大学のRobert W. Buchanan氏らが、12週の二重盲検無作為化プラセボ対照試験の結果、報告した。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2014年11月2日号の掲載報告。 選択的MAO-B阻害薬ラサギリン(rasagiline)による統合失調症の持続的陰性症状治療の有効性と安全性を検討した。対象は、DSM-IVに基づき統合失調症または統合失調感情障害の診断基準を満たし、経験的な基準により持続的な陰性症状を有する患者60例。被験者は、ラサギリン1mg/日を受ける群(31例)またはプラセボ群(29例)に無作為に割り付けられ、各12週の投与後に評価を受けた。陰性症状の変化については、陰性症状評価尺度(SANS)総スコアで、また認知について、神経心理検査RBANS(Repeatable Battery for the Assessment of Neuropsychological Status)、N-Back検査、確率学習作業、時間的遅延がある作業(delay discounting task)で評価した。 主な結果は以下のとおり。・ミックスモデル共分散分析(MM-ANCOVA)の結果、連続変数としての時間に伴う有意な治療×時間効果が、SANS総スコアによる評価で認められた(F=5.61(df=1, 40.3)、p=0.023)。・また治療×時間相互作用効果についても、SANS avolition(意欲消失)サブスケールスコアによる評価で有意差が認められた(F(1, 40.2)=10.41、p=0.002)。・試験後MM-ANCOVA分析においては、分類変数としての時間に伴う12週時点のSANS総スコア(t(37.3)=2.15、p=0.04、d=-0.41)、およびSANS avolitionサブスケールスコア(t(49.0)=3.06、p=0.004、d=-0.46)による評価でいずれも群間差が有意であった。・SANS avolitionスコアが20%以上減少した参加者の多くで有意差が認められた(χ2(1)=10.94、p=0.0009)。しかしSANS総スコアの評価においては認められなかった(χ2 (1)=1.11、p=0.29)。・RBANS、N-Back、確率学習作業、時間的遅延作業に関する有意な群間差は認められなかった。関連医療ニュース 統合失調症の陰性症状改善は何と相関するか 統合失調症の陰性症状軽減へ新たな選択肢となりうるか 統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか  担当者へのご意見箱はこちら

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ポリフェノールは皮膚疾患の新たな治療選択肢

 米国・カリフォルニア大学デービス校のWilliam Tuong氏らは、皮膚疾患の新たな治療選択肢としてのポリフェノールベース治療について、システマティックレビューによる検討を行った。その結果、特定の皮膚疾患の治療に有効でありうると質的に結論づけられると述べ、臨床医に、エビデンスに基づく知識(有効性、適応症、副作用)が必要であると示唆した。同時に、さらなる厳格な臨床試験を行う必要性、有効性の評価が不可欠であることにも言及した。Journal of Dermatological Treatment誌オンライン版2014年11月26日号の掲載報告。 植物由来のポリフェノール物質は、in vitroおよびin vivoでバイオロジカルな特性があることを示し、特定の皮膚疾患の新たな治療の開発につながっている。本検討で研究グループは、臨床医にポリフェノールベースの治療法の有効性を評価している臨床試験の概要を提供すること、および、新たな治療として、使用を裏づけるエビデンスがあることを強調するのが目的であった。 システマティックレビューは、PubMed、Embaseのデータベースを介して、2014年7月4日時点で文献検索を行った。2人の独立レビュワーが、要約をレビューし包含。関連スタディについて参考文献の検索も手動で行った。 データの抽出は、適格条件を満たした試験から個別に行い、矛盾点についてはコンセンサスによって包含判定を下した。 主な結果は以下のとおり。・検索により、356の特色のある要約が得られた。そのうち17試験が包含および除外基準を満たした。・ポリフェノールは、外用および経口の形態で用いられていた。・緑茶ポリフェノールが肛門性器疣贅の治療に効果がある可能性を示唆する質の高いエビデンスが認められた。・ポリフェノールが脱毛症、にきび、真菌感染症、シミや日焼けした皮膚の治療として効果がある可能性を示唆する、限定的だが有用なエビデンスも認められた。・著者は、「皮膚科領域でのポリフェノールベース治療の臨床使用増大とともに、その有効性、適応症、副作用に関するエビデンスベースの知識が必要となる」と述べている。

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アリスミアのツボ Q17

Q17心房細動の心拍数コントロールにどの薬を使うか?基本はβ遮断薬で、ただし高齢者では注意。歴史上は・・・心房細動の心拍数コントロールについては、ジギタリスという伝統的な薬物の長い歴史はあるのですが、このジギタリスと比較した報告はきわめて少ないのが実情です。したがって、科学的にこの薬物がよいというだけの根拠がまったくありません。一般的に、ジギタリス、Ca拮抗薬、β遮断薬が用いられており、いずれの薬物にもそれなりの歴史があるので、そのうち好きなものを選べばよいということにならざるを得ません。参考所見としては・・・これまでの種々雑多な研究を並べてみると、それほど強い根拠ではありませんが、(1)β遮断薬の心拍数抑制効果が強い(2)心房細動では運動時の心拍数が問題となりやすいが、理論的にβ遮断薬がこの目的に適合する(3)1日1回、かつ重篤な副作用が少ないという意味で患者のアドヒアランスはβ遮断薬が高い(4)基礎心疾患があれば、このβ遮断薬は突然死予防という付加作用がある・・・などの面から、私自身はβ遮断薬を多くの場合用いています。注意すべきことただし、このβ遮断薬は、高齢者では要注意とも感じています。高齢者では、1)心拍数が上がりにくいという特性があること2)加齢により安静時心拍数も低下しやすいこと3)1日1回という半減期の長い薬物では蓄積性が見られることも経験することなどによります。β遮断薬の良い面が高齢者では裏目に出てしまうこともあるのですね。高齢者でβ遮断薬を用いる場合には、低用量から緩徐に進めることが重要です。

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肺がん診断後も禁煙メリット有

肺がん診断後でも禁煙したほうが生存率は高まります5年生存率(65歳以上のデータ)禁煙しましょう!80%70%早期非小細胞肺がん60%早期限局小細胞肺がん70%63%50%40%30%20%33% 29%10%0%診断後も喫煙を継続した患者診断後禁煙した患者A Parsons, et al. BMJ. 2010; 340: b5569.Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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禁煙で心血管疾患リスク低下

禁煙によって心疾患リスクは、低下します今からでも遅くない!心筋梗塞または脳卒中による死亡率(喫煙者の禁煙期間は8年未満)25%22%20%15%17%10%14%5%0%非喫煙者元ライト元ヘビースモーカー スモーカー禁煙期間が8年未満の人でも、ライトスモーカー※の場合、非喫煙者と同等まで心疾患死亡率が低下することがわかりました。※ライトスモーカー:喫煙量が32箱年未満の人(32箱年:1日1箱未満の場合、30年間喫煙した量に相当)Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.Ali Ahmed, et al. AHA 2013.

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中等度虚血性MR合併CABG症例の治療戦略:MVP併施は有効か?(解説:許 俊鋭 氏)-289

 Cardiothoracic Surgical Trial Network(CTSN)のSmith PKらは、中等度の虚血性僧帽弁逆流(MR)を合併した冠動脈バイパス(CABG)症例を対象としたRCT(Randomized Controlled Trial)により、CABG単独手術とCABG+僧帽弁形成(MVP)を比較しMVP併施の利点の有無を検討した。 primary end pointを1年後の左室reverse remodeling によるleft ventricular end-systolic volume index (LVESVI)の縮小の程度とした。1年後の生存者のLVESVIは、CABG単独手術群46.1±22.4mL/m2、合併手術群49.6±31.5mL/m2で、ベースラインからの縮小はそれぞれ−9.4mL/m2、−9.3mL/m2で差はなかった。1年死亡率はCABG単独手術群7.3%、合併手術群6.7%で有意差(p=0.61)はなかったが、MVP併施は体外循環時間(p<0.001)と術後入院日数(p=0.002)を長引かせ、神経学的合併症を増加させた(p=0.03)。 しかし、中等度~高度のMRの遺残は合併手術群で少なく(11.2% vs. 31.0%、p<0.001)、主要な心臓や脳血管性の合併症、死亡、再入院、心機能評価、生活の質(QOL)は両群間に差はなかった。中等度の虚血性MR合併CABG症例でMVP併施は1年後の評価でより効果的な左室reverse remodelingをもたらさなかったが、MVP併施は中等度~高度のMRの遺残を減少せしめた。本論文では、以上結果から、中等度MR合併CABG術後1年の経過ではMVP併施による臨床的に有意義な利点は見いだせなかったと結論した。 MRを合併した虚血性心疾患の予後が不良であることは広く認知されている。一方、虚血性MR合併CABG症例において、MVP併施が有効か否かは議論の分かれるところであるが、長期成績においてMVP併施の有用性を示唆する報告は多い1) ~4)。血行再建のみによって消失する可能性のある虚血に起因した一過性MRはもちろんCABG単独手術で十分であろう5) 6)。 しかし、多くのMR合併CABG症例では術後に有意なMRが遺残するため、MR遺残の可能性が高い症例ではMVP併施することの有用性があるとする報告も多々見られる7) ~10)。MVPは通常サイズダウンした僧帽弁輪形成(MAP=ring annuloplasty)が行われてきたが遠隔期のさらなる心機能低下によりtetheringが進行しMRが再発するため、長期成績の向上を目的に、二次腱索切断11)や、edge to edge repair12)、乳頭筋間の縫縮13) 14)、乳頭筋吊り挙げ15)が試みられてきた。10mm以上の高度のtetheringを伴った症例では遠隔期MR再発のリスクが高く検索温存の僧帽弁置換(MVR)が推奨される16) ~18)。 要は、遺残MRを残さないことであり、tethering 高度例はMRの再発リスクが高いのでMAPに加えてさまざまなMR再発防止策を併用したMVPが試みられてきたが、いずれも有効性の証明はない。むしろ、MR再発回避には腱索温存の僧帽弁置換が確実と考えられる。本論文と同じCTSNの高度虚血性MR を対象としたCABG+MVPとCABG+腱索温存MVRとのRCTでは、両群間に12ヵ月後のLVESVIの縮小の程度(6.6mL/m2 vs 6.8mL/m2)や死亡率(14.3% vs 17.6%)に有意差はなかったが、MRの遺残率(32.6% vs 2.3%)はMVP群で有意に高かった19)。 MR遺残による生命予後や遠隔期QOLに対する影響は1年の比較ではその差が明らかにならないとしても、これまでの虚血性MRの予後に関する内科・外科の多くの臨床知見から、長期予後はMRの遺残ならびに程度に大きく左右されることは明らかである。本研究でもCABG単独手術群と合併手術群のMR遺残率(31.0% vs 11.2%)と高度遺残MR症例の比率(5.2% vs 0.8%)の差から、長期予後は両群間で差が出るものと予測される。CABG症例を対象とした臨床研究は、少なくとも血行再建が短期予後に良い効果を与えることは明白であり、1年という短期間評価でMVP併施の有無による予後の差が明らかになるとは考えにくい。そうした観点からMRの遺残の長期予後に対する影響の評価が重要であり、少なくとも5年の経過観察は必要であろう。著者らの経験でも虚血性MR手術症例でMR再燃により5~10年の経過観察で、高度心不全に陥り腱索温存MVRが必要となる症例を多く経験している。 今回の報告の重要なポイントは、CABG単独手術群と合併手術群で1年の経過観察では、左室reverse remodelingの程度や死亡率に差がなかったものの、合併手術群で有意に遺残MRの頻度ならびに程度が低い結果が出ており、長期成績においてMVP併施が有効である可能性はきわめて高い。今回の報告は術後1年までの結果であるが、今後Studyの継続による今後の経過観察報告が期待される。【参考文献】1)Harris KM, Ann Thorac Surg. 2002; 74: 1468-1475.2)Lam BK, et al. Ann Thorac Surg. 2005; 79:462-470.3)Prifti E, et al. J Card Surg. 2001; 16: 473-483.4)Schroder JN, et al. Circulation. 2005; 112(9 Suppl):I293-298.5)Duarte IG, et al. Ann Thorac Surg. 1999; 68: 426-430.6)Tolis GA Jr, et al. Ann Thorac Surg. 2002; 74:1476-1480.7)Aklog L, et al. Circulation. 2001; 104(12 Suppl 1): I68-75.8)Levine RA, et al. Circulation. 2005; 112: 745-758.9)Campwala SZ, et al. Eur J Cardiothorac Surg. 2005; 28: 783-787.10)Fattouch K, et al. J Thorac Cardiovasc Surg. 2009; 138: 278-285. 11)Messas E, et al. Circulation. 2003; 108 Suppl 1: II111-115.12)Alfieri O, et al. J Thorac Cardiovasc Surg. 2001; 122: 674-681.13)Hvass U, et al. Ann Thorac Surg. 2003; 75: 809-811.14)Matsui Y, et al. J Thorac Cardiovasc Surg. 2004 ; 127: 1221-1223.15)Abe T, et al. Ann Thorac Cardiovasc Surg. 2011; 17: 194-197.16)Calafiore AM, et al. Ann Thorac Surg. 2004; 77: 1989-1997.17)Al-Radi OO , et al. Ann Thorac Surg. 2005; 79: 1260-1267.18)Magne J, et al. Circulation. 2009; 120(11 Suppl): S104-111. 19)Acker MA, et al. N Engl J Med. 2014; 370: 23-32.

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STEMI患者の53%に非IRA閉塞性疾患/JAMA

 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において、非梗塞関連動脈(IRA)での閉塞性疾患発症者は約53%に上り、疾患発症が認められた患者の30日死亡率は非発症患者と比べて有意に高いことが明らかにされた。韓国・蔚山大学校医学部のDuk-Woo Park氏らが、約3万例のSTEMI患者が参加した8試験について後ろ向きプール解析を行い、報告した。これまでSTEMI患者におけるIRA疾患の特性についてはほとんどわかっていなかったが、今回の結果について著者は、「前向き試験で確認が必要だが、所見はSTEMI患者における非IRA血行再建術を行うことの妥当性およびタイミングについて疑問を呈するものであった」と指摘している。JAMA誌2014年11月19日号掲載の報告より。1993~2007年公表の8試験について後ろ向きプール解析 研究グループは、STEMI患者を対象に行われた国際無作為化試験で、1993~2007年に発表された8試験について後ろ向きプール解析を行った。STEMI患者における非IRAの閉塞性疾患の発症と30日死亡との関連を調べた。 被験者は全体で6万8,765例であった。そのうち適切な血管造影に関する情報が得られた2万8,282例について分析を行った。追跡期間は1ヵ月~1年だった。 閉塞性冠動脈疾患の定義は、主要心外膜動脈径の50%以上の狭窄とした。補正後30日死亡率、非IRA疾患群が3.3%、無発症群が1.9% 結果、非IRAの閉塞性疾患発症率は52.8%(1万4,929例)であった。閉塞血管が1枝の人は29.6%、2枝の人は18.8%だった。 補正前・補正後共に、30日死亡率は非IRAの閉塞性疾患発症群のほうが、非発症群に比べ高かった。補正前30日死亡率は、疾患発症群4.3%に対し非発症群が1.7%(リスク差:2.7ポイント、p<0.001)、補正後はそれぞれ3.3%と1.9%(リスク差:1.4ポイント、p<0.001)だった。 なおこの傾向は、STEMI患者を対象にした別の観察データ、「Korea Acute Myocardial Infarction Registry」(KAMIR、患者総数1万8,217例)とは一貫していたが、「Duke Cardiovascular Databank」(患者総数1,812例)とでは一貫性が認められなかった。

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がん生存率の動向~日本含む67ヵ国2,570万例のデータ/Lancet

 CONCORDワーキンググルーブでは、1995~2009年における67ヵ国のがん登録データを調査し、がん種別、国・地域別、期間別に5年生存率を推定した結果を報告した。生存率の大きな違いは、早期診断と最適な治療へのアクセスの差による可能性が高い。著者らは、「継続的な世界的サーベイランスは、がん患者と研究者において不可欠な情報源となり、また保健政策と医療システム改善のための政治家への刺激となるだろう」と述べている。Lancet誌オンライン版2014年11月26日号に掲載。 本サーベイランスには、67ヵ国279集団のがん登録から、1995~2009年にがんと診断され、2009年12月31日以降まで追跡された成人(15~99歳)2,570万例および小児(0~14歳)7万5千例の記録が提出された。ワーキンググループは、胃がん、結腸がん、直腸がん、肝臓がん、肺がん、乳がん(女性)、子宮頸がん、卵巣がん、前立腺がん(成人)、白血病(成人・小児)について、年齢(1歳毎)、性別、暦年、人種や民族(一部の国において)によって調整した5年生存率を推定した。計算にあたっては、年齢で調整した生存率計測のための世界標準人口(International Cancer Survival Standard)に沿って行った。 2005~2009年に診断された各がん患者における5年生存率は以下のとおり。【結腸がん・直腸がん・乳がん】ほとんどの先進国で着実に上昇している。結腸がん・直腸がんでは22ヵ国で60%以上に達し、乳がんでは17ヵ国で85%以上に上昇した。【肝臓がん・肺がん】すべての国で低いままである。ヨーロッパではどこの国も20%未満、北米では15~19%、モンゴルとタイでは7~9%と低い。【前立腺がん】多くの国で著しく上昇した。南米、アジア、ヨーロッパの22ヵ国で、1995~1999年から2005~2009年の間に10~20%上昇した。しかし、ブルガリアやタイでは60%未満、ブラジルやプエルトリコ、米国では95%以上と、国によって開きがある。【子宮頸がん】50%未満から70%以上と地域によって大きな差がある。1995~1999年から2005~2009年の間の改善はわずかである。【卵巣がん】エクアドル、米国、アジアおよびヨーロッパの17ヵ国のみ、40%以上であった。【胃がん】他の国が40%未満であるのに比べて、日本(54.0%)と韓国(57.9%)が高かった。【成人白血病】胃がんと対照的に、日本(18.9%)と韓国(23.4%)が他のほとんどの国に比べて低かった。【小児急性リンパ芽球性白血病】いくつかの国で60%未満だが、カナダ、欧州の4ヵ国では90%と高い。

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プライマリPCIのD2B時間短縮、どう解釈すべきか/Lancet

 プライマリ経皮的冠動脈インターベンション(pPCI)は、入院から再灌流までの時間(door-to-balloon:D2B)が短いほど、患者個人レベルでは入院死亡率や6ヵ月死亡率は低下することが明らかにされた。D2Bが10分短縮するごとに、入院死亡率は8%低下、6ヵ月死亡率は6%低下することが示されたという。米国・ミシガン大学のBrahmajee K. Nallamothu氏らが、423病院15万例超のpPCI実施症例について行った後ろ向き試験の結果、明らかにした。近年、D2Bは徐々に短縮しているが集団レベルの死亡率は低下していなかった。今回の分析でも集団レベルでは、永続的な死亡増大傾向が示され、著者は、「D2B短縮の重大性は変わらないこと、および集団レベルの傾向を個人レベルの傾向として解釈すべきではないことが示された」と述べている。Lancet誌オンライン版2014年11月19日号掲載の報告より。D2Bと死亡率の関連を、個人・集団レベルでそれぞれ分析 本検討では、D2B短縮と死亡率との関連について、各死亡率の項目について集団レベルと個人レベルでみた場合に、異なる相関性がみられないかを調べた。具体的に、pPCIを受けた患者集団が変化しても、死亡リスクの増大傾向は変わらないが、個人レベルでみると、D2Bが短い患者ほど死亡リスクは低下すると仮定して検証を行った。 全米心血管データ登録名簿(National Cardiovascular Data Registry)を基に、2005年1月1日~2011年12月31日にpPCIを行ったST上昇型心筋梗塞患者15万116例を対象として、入院から再灌流までの時間と、死亡率との関連について後ろ向きに年単位で分析し変化の動向を調べた。 分析では、入院から再灌流までの時間が15分未満、または3時間超の人は除外した。 マルチレベルモデルを用いて、D2Bと入院死亡率、65歳以上については6ヵ月死亡率との関連を、個人レベルと集団レベルで調べた。D2Bが10分短縮で入院死亡率は0.92倍、6ヵ月死亡率は0.94倍に 対象期間中、pPCIを受けた患者は、2005年1万5,730例から2011年2万4,449例へとおよそ1.5倍(55%増)となっていた。 D2Bの年間中央値は、2005年の86分から2011年は63分に有意に短縮していた(p<0.0001)。同期間中、リスク補正後の入院死亡率は4.7%から5.3%に有意ではないが上昇し(p=0.06)、同6ヵ月死亡率は12.9%から14.4%に有意に上昇していた(p=0.001)。 マルチレベルモデル分析の結果、個人レベルでは、D2B短縮と入院死亡率、6ヵ月死亡率の低下に一貫した関連がみられた。D2Bの10分短縮につき、入院死亡率は0.92倍(補正後オッズ比:0.92、95%信頼区間[CI]:0.91~0.93、p<0.0001)、6ヵ月死亡率は0.94倍(同:0.94、0.93~0.95、p<0.0001)と有意に低下することが示された。 しかし、集団レベルでみた補正後入院死亡率、6ヵ月死亡率は、患者個人レベルでみたD2Bとの関連とは異なり、試験期間中のpPCIを受けた患者集団の規模および変化とともに増大することが示された。D2Bが年単位で変化(短縮)するごとに、入院死亡率は1.12倍(同:1.12、1.09~1.15、p<0.0001)、6ヵ月死亡率は1.11倍(同:1.12、1.07~1.14、p<0.0001)と有意に増大した。

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クリゾチニブ、ALK陽性NSCLCの1次治療薬へ/NEJM

 治療歴のないALK遺伝子陽性非小細胞肺がん(以下、ALK陽性NSCLC)に対し、ALKチロシンキナーゼ阻害薬クリゾチニブ(商品名:ザーコリ)は、標準的な化学療法よりも優れた有用性を持つことが、オーストラリア・メルボルンのPeter MacCallum Cancer CentreのBenjamin J Solomon氏らの研究で示された。 ALK陽性(ALK遺伝子の再配列)は、NSCLCの3~5%にみられ、若年者、非(軽度)喫煙者、腺がんに多くみられることが特徴である。一方、クリゾチニブはALK、ROS1、METを標的とするチロシンキナーゼ阻害薬である。すでにALK陽性NSCLCの2次治療に対する第III相試験(PROFILE 1007)では、単剤の化学療法に比べたクリゾチニブの有意な効果が示されている。しかしながら、同疾患の1次治療における標準化学療法(プラチナダブレット)との比較はなかった。NEJM誌2014年12月4日号掲載の報告より。オープンラベル無作為化試験で標準化学療法と比較 著者らは、進行性ALK陽性NSCLCの1次治療におけるクリゾチニブの有用性を標準化学療法と比較する、多施設国際オープンラベル無作為化比較第III相試験「PROFILE 1014」を開始した。対象は、全身療法治療歴のない進行性ALK陽性NSCLCであった。これらの患者は無作為にクリゾチニブ群(250mgx2/日投与)と標準的化学療法群(ペメトレキセド500mg/m2+シスプラチン75mg/m2またはカルボプラチンAUC5~6)に割り付けられ、3週毎6サイクルの治療を受けた。病勢進行(PD)した化学療法群患者については、クリゾチニブへのクロスオーバーが許容された。主要評価項目は、放射線学的評価によるPFS(無増悪生存期間)であった。PFS中央値は10ヵ月以上に延長、肺がん症状、QOLも改善 2011年1月~2013年7月に343例が登録され、クリゾチニブ群172例、化学療法群171例に割り付けられた。両群間の患者背景に差はなく、被験者にはアジア人も含まれた(クリゾチニブ群45%、化学療法群47%)。PFS中央値は、クリゾチニブ群で10.9ヵ月と化学療法群の7.0ヵ月に比べ有意に延長した(HR:0.45、95%CI:0.35~0.60、p<0.001)。この傾向は、プラチナ製剤の種類、患者のPS、人種、脳転移の有無といったすべてのサブグループで同様であった。奏効率は、クリゾチニブ群で74%(95%CI:67~81)と化学療法群の45%(95%CI:37~53)に比べ有意に良好であった(p<0.001)。生存期間中央値は被験者の約7割がPFS評価時に追跡中であったことから、両群とも到達していない。1年生存率はクリゾチニブ群で84%(95%CI:77~89)、化学療法群では79%(95%CI:71~84)である。また、化学療法群の被験者の70%がクリゾチニブにクロスオーバーしている。 有害事象は、クリゾチニブへのクロスオーバーの影響で、両群の投与期間中央値に差がある状態で集計している(クリゾチニブ群10.9ヵ月、化学療法群4.1ヵ月)。両群の有害事象の大部分は、グレード1~2であった。クリゾチニブ群で多く報告された有害事象は、視覚障害(71%)、下痢(61%)、浮腫(49%)など。化学療法群で多く報告された有害事象は、疲労感(38%)、貧血(32%)、好中球減少(30%)などであった。2群間で同程度の発現率を示した事象は、嘔気(クリゾチニブ56%、化学療法59%)、食欲減退(クリゾチニブ30%、化学療法34%)などであった。グレード3~4のアミノトランスフェラーゼ上昇がクリゾチニブ群の14%(化学療法群では2%)に認められたものの、投薬中断または減量によって管理可能であった。グレード3~4の好中球減少症は、クリゾチニブ群11%、化学療法群15%で認められた。研究者の評価による治療関連死は認められていない。 患者のQOLは、クリゾチニブ群で有意に改善し(p<0.001)、患者の自己申告による肺がん症状(咳嗽、呼吸困難、胸痛など)もクリゾチニブ群で有意に減少している(p<0.001)。 著者は、「クリゾチニブの1次治療は、NSCLCの標準化学療法(ペメトレキセド+プラチナレジメン)に比べ、ALK陽性NSCLCのPFSを有意に改善した。この1次治療の成績は、既報の2次治療の成績よりも優れている。1次治療としてクリゾチニブを投与することでALK陽性NSCLC患者の治療ベネフィットを最大にできる可能性がある」と指摘している。

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FACTOR-64試験:立案段階から疑問の残るスタディ(解説:野間 重孝 氏)-286

 糖尿病の治療目標はその合併症の発症・進展を予防することにより生命予後の改善を図ることにある。しかしながら、現代医学はいまだ糖尿病をコントロールし、その生命予後に対する影響を十分に小さくすることに成功しているとはいえない。 糖尿病の合併症の中でも、生命予後に最も大きな影響を及ぼすのは心血管疾患であり、欧米の報告では、一般人口に比して糖尿病患者では心血管疾患発症リスクが2~4倍程度とする報告が多い。 多くの介入試験が行われているが、その結果をみわたしてみると次の2点が重要である。一口に強化療法というが、標準療法との有意差を認めるには10年程度のフォローが必要であって、比較的短い期間の介入試験では心血管系疾患の発症予防に有意差を出した研究はきわめて少数であること、また発症後10年以上経過してから介入を始めた臨床試験では、強化血糖コントロールの効果は現在のところ認められていないことである。 強化療法の有用性が予想以上に低い(場合によってはかえって有害な)理由としては、無症候性の低血糖の関与が考えられているが、結論が出ていない。 冠動脈造影CT検査(CCTA)は非侵襲的に冠動脈病変の評価を可能にした検査であり、その結果は従来の冠動脈造影所見とよく相関することが証明されている。今回の無作為化試験FACTOR-64では、64列multidetector CT angiographyを用いて無症候の糖尿病患者に無作為にCCTAを行うことにより、high risk groupを抽出することができることを前提として計画された無作為化介入試験である。 対象はユタ州のIntermountain Healthcare傘下の45のクリニックおよび開業医がフォローする、冠動脈疾患関連徴候を有しない900例の患者である。患者群をCCTA を行う群と行わない群に無作為にまず2分し、非施行群に対しては全例標準治療を、施行群ではCCTAで何らかの所見のあった群に対しては強化療法を、なかった群に対しては標準療法を施し、4.0±1.7年フォローアップした。割付と治療目標の詳細についてはオリジナルニュースを参考にしていただきたいが、結果的に両群で主要アウトカム、副次エンドポイントともに差がみられなかったというのが結論であった。 有名誌に掲載された論文であるからお読みになった方も多いと思うが、評者はこのスタディをみたとき、少なくとも2つの問題点が指摘されなければならないと思った。1つは本文の最初にまとめた現在までの一連の糖尿病介入試験の成果を無視している点であり、もう1つはデザインの問題である。 種々の介入試験の結果から強化療法の結果が明らかになるためには、10年程度のフォローアップ期間が必要であることがほぼ結論付けられている。本スタディの4年というフォローアップ期間は明らかに短すぎる。さらに論文中の患者プロファイルからいずれの群においても糖尿病罹病期間が平均12~13年であることは、強化療法の効果が期待できにくい患者を対象としていることがわかる。さらに無症候性CAD群をみると重症狭窄があるにもかかわらず無症候の症例が含まれていることがわかる。無症候性心筋虚血の原因についてはすべて解明されているわけではないが、糖尿病性自律神経障害によるものが多いとされ、当然罹病期間も長く、重症度も高い症例にみられやすいことが知られている。このように考えてみるとこの対象患者選択は正しかったのだろうか。 スタディデザインに言及するならば、非CCTA群は標準治療を受けた非CAD群と標準治療を受けた無症候性CAD群の和であり、同じくCCTA群は標準治療を受けた非CAD群と強化療法を受けた無症候性CAD群の和となっている。この場合非CCTA群ではCADの有無にかかわらず非標準治療を受けるため、結局両群の治療成績の差はCCTA群において強化療法を受けた無症候性CAD群の治療成績のいかんにより決定される。このデザインははたして妥当なものだったのだろうか。強化療法による成績が非常に優れたものであった場合には両群で差が出るが、もし効いていてもそれほど顕著ではなかった場合には差がみえにくくなってしまう可能性が考えられるからである。CCTAは治療手段ではないから、第2段階で無作為に振り分けることに意味があったのかが問われなければならないのである。 すなわち、CCTAによる振り分けの意義を検証しようとするならば、まず全例にCCTAを指向し、何らかの所見のあった群を対象として標準的治療と強化療法に無作為に振り分けるべきであった。さらにこれに標準療法を施した非CAD群の成績を対象として加えればデータはさらに有用なものになったと思われるのである。観察期間をもっと長く取れば、さらに有用性は増したであろう。介入試験のデザインには倫理的な考察が必要であるが、強化療法の有用性が確立していない現在、上記のような振り分けに倫理的な問題はないと思われる。 以上のようにこの介入試験はその計画段階から問題を抱えていたスタディであるといわざるを得ない。臨床医が何らかの理由でCADの存在を疑った場合、CCTAによるスクリーニングを行うことが有用であることはいうまでもない。しかしながら、単に危険因子を有するというだけでCCTAを行うことは、医学的に意味がないのみならず、医療経済的観点からも望ましい行為ではない。この点に評者は疑問を差し挟むものではないが、CCTAが高額(とくに米国では)の検査であり、このスタディが計画される背景に何とか医療費の抑制を図りたいとする意図があったとするならば、一連の介入試験立案の悪い前例となる可能性を危惧するものである。

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コレステロール流出能と心血管イベントは逆相関/NEJM

 アテローム硬化性心血管疾患の新たなバイオマーカーとして、コレステロール流出能(cholesterol efflux capacity)が有望であることが、米国・テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターのAnand Rohatgi氏らによる検討の結果、明らかにされた。一般健康集団(心血管疾患のない)を対象とした検討において、コレステロール流出能とイベント発生が逆相関の関連性を有することが示され、同関連性は伝統的な心血管リスク因子、HDLコレステロール(HDL-C)値、HDL粒子数で補正後も維持されたことが示された。NEJM誌オンライン版2014年11月18日号掲載の報告より。コレステロール流出能とアテローム硬化性心血管疾患発生との関連を調査 HDL-C値がアテローム硬化性心血管疾患の原因と関連しているかどうかは明らかではなく、先行研究において、HDLコレステロール流出能(マクロファージからコレステロールを受け入れるHDL能でコレステロール排出におけるキーステップ)が、より重要な因子である可能性が示唆されていた。 研究グループは、大規模な多民族集団において、コレステロール流出能の疫学調査を行うとともに、アテローム硬化性心血管疾患発生との関連を調べた。 対象は、Dallas Heart Studyの被験者で心血管疾患のない2,924例。ベースラインでHDL-C値、HDL粒子数、コレステロール流出能を測定し追跡調査を行った。 主要エンドポイントは、アテローム硬化性心血管疾患(初発の非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、冠動脈再建術、心血管系による死亡で定義)とした。追跡期間中央値は9.4年であった。コレステロール流出能最高四分位範囲1.19~3.93群ではリスクが67%低い 被験者のベースライン時特性は、年齢は42歳、女性は57%であった。コレステロール流出能は0.21~3.93にわたり、4分位(0.21~0.83、0.84~0.99、1.00~1.18、1.19~3.93)に層別化して分析が行われた。 分析の結果、HDL-C値が複数の伝統的なリスク因子や代謝変数と関連していたのに対し、コレステロール流出能は、それらとはわずかな関連性しか示さなかった。 ベースライン時のHDL-C値は、心血管イベントとの関連が認められなかった(補正後分析におけるハザード比[HR]:1.08、95%信頼区間[CI]:0.59~1.99)。 一方、伝統的リスク因子、HDL-C値、HDL粒子数を含む完全補正後モデルにおいて、コレステロール流出能最高四分位範囲群は同最低四分位範囲群と比べて心血管リスクが67%低かった(HR:0.33、95%CI:0.19~0.55)。 コレステロール流出能を伝統的リスク因子に加えることで、統合識別改善指数や再分類指数は改善が示された。

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