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緑茶が認知機能低下リスクを減少~日本の前向き研究

 高齢者における認知症や軽度認知障害(MCI)の発症に、緑茶・コーヒー・紅茶の摂取が影響を与えるのか――。金沢大学神経内科の山田正仁氏、篠原もえ子氏らの研究グループは、石川県七尾市中島町での「なかじまプロジェクト」において、60歳超の地域住民の集団ベースによる前向き研究を実施した。その結果、緑茶をまったく飲まない群と比べて、緑茶を週に1~6回飲む群では約5年後の認知機能低下リスクが約1/2に、緑茶を毎日1杯以上飲む群では約1/3に減少した。一方、コーヒーや紅茶ではこのような認知機能低下との関連はみられなかった。PLoS One誌2014年5月14日号の掲載報告。 研究グループは、研究開始時に緑茶・コーヒー・紅茶の摂取頻度に関する質問、認知機能検査、採血検査を実施した。研究開始時(2007~2008年)の調査で認知機能が正常だった参加者723人のうち、490人が追跡調査(2011~2013年)を完遂した。性別、年齢、高血圧・糖尿病・脂質異常症の既往、教育年数、ApoE E4有無、喫煙、飲酒、緑茶・コーヒー・紅茶摂取頻度、運動・趣味の有無で調整して解析を行った(多変量ロジスティック解析)。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間(平均±標準偏差:4.9±0.9年)における認知症の発症率は5.3%、MCIの発症率は13.1%であった。・緑茶をまったく飲まない群を基準とした場合、認知機能低下(認知症またはMCIの発症)の多変量調整オッズ比は、毎日1杯以上緑茶を飲む群では0.32(95%CI:0.16~0.64)、週に1~6日緑茶を飲む群では0.47(95%CI:0.25~0.86)であった。・認知症の発症については、緑茶をまったく飲まない群を基準とした場合、毎日緑茶を飲む群の多変量調整オッズ比は0.26(95%CI:0.06~1.06)であった。・コーヒーや紅茶の摂取頻度と認知症・MCIの発症の間には関連は認められなかった。

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中~高強度スタチンへのPCSK9阻害薬上乗せ効果を確認/JAMA

 米国・アイオワ大学のJennifer G. Robinson氏らによる第III相無作為化試験LAPLACE-2の結果、中~高強度のスタチン治療を受けている高コレステロール血症患者に対し、PCSK9阻害薬エボロクマブ上乗せ効果は、プラセボおよびエゼチミブ(商品名:ゼチーア)追加よりも、LDL-C値を有意に低下したことが報告された。JAMA誌2014年5月14日号掲載の報告より。エゼチミブおよびプラセボとの比較で12週間治療 中~高強度のスタチン治療を受けている高コレステロール血症患者では、多くが治療目標を達成できず、さらなるLDL-C値低下の非スタチン治療を考慮することが推奨されている。LAPLACE-2は、中~高強度のスタチン治療との組み合わせとして、エボロクマブの12週治療の有効性と安全性を、エゼチミブおよびプラセボとの比較で検討することを目的に行われた。 試験は2013年1月~12月に、17ヵ国198施設から患者を集め、2段階で24治療群のいずれか1つに無作為に割り付けて検討した。 患者(計2,067例)はまず初めに、1日量のスタチン治療が中強度(アトルバスタチン[10mg]、シンバスタチン[40mg]またはロスバスタチン[5mg])、高強度(アトルバスタチン[80mg]、ロスバスタチン[40mg])に無作為化された。 4週間後、患者(1,899例)はスタチン治療に加えて、エボロクマブ(140mgを2週に1回または420mgを月に1回)+プラセボ(2週に1回または月に1回)、エゼチミブ(1日1回10mgまたはプラセボ[アトルバスタチン単独群となるよう])の投与が比較できるように無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは2つとし、ベースライン時からのLDL-C値の低下率について、10~12週の平均LDL-C値による評価(1ヵ月投与群の低下を良好に反映する)と、12週時点のLDL-C値による評価とした。2週に1回投与群66~75%低下、1ヵ月1回投与群63~75%低下 結果、中~高強度のスタチン治療群全体において、エボロクマブ上乗せによるLDL-C値の低下率は、プラセボとの比較において、2週に1回投与群は-66%(ロスバスタチン40mg群)~-75%(アトルバスタチン80mg群)の範囲に及び、月1回投与群では-63%(ロスバスタチン40mg群、アトルバスタチン10mg群)~-75%(アトルバスタチン80mg群)だった。12週時点の評価でみたLDL-C値の低下率も同程度だった。 中強度スタチン治療群(アトルバスタチン10mg群、シンバスタチン40mg群、ロスバスタチン5mg群)についてみると、エボロクマブ2週1回の追加投与によりLDL-C値はベースライン時平均115~124mg/dLから39~49mg/dLへの低下がみられた。月1回投与群では、同123~126mg/dLから43~48mg/dLへの低下がみられた。 高強度スタチン治療群(アトルバスタチン80mg群、ロスバスタチン40mg群)では、同じくエボロクマブ2週1回の追加投与により89~94mg/dLから35~38mg/dLへの低下が、月1回投与群では89~94mg/dLから33~35mg/dLへの低下がみられた。 有害事象の発生は、エボロクマブ、エゼチミブ、プラセボ群でそれぞれ36%、40%、39%で報告された。エボロクマブ投与群で最も頻度が高かった有害事象は、背中の痛み、関節痛、頭痛、筋けいれん、四肢の痛みであった(すべて2%未満)。 結果を踏まえて著者は、「さらなる検討を行い、この治療アプローチの長期アウトカムおよび安全性を確認する必要がある」とまとめている。

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PCSK9阻害薬追加でLDLコレステロール値が改善/NEJM

 エボロクマブは前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9(PCSK9)を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体である。脂質異常症の治療において、食事療法やスタチン、エゼチミブによる薬物療法に本薬を加えると、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)値が有意に低下することが、南アフリカ・ケープタウン大学のDirk J Blom氏らが行ったDESCARTES試験で示された。PCSK9は、主に肝臓で産生されるセリンプロテアーゼで、血中に分泌されて肝臓のLDL受容体に結合し、LDL受容体の分解を促進する。本薬の第II相試験でLDL-Cの改善効果が確認されている。NEJM誌2014年5月8日号(オンライン版2014年3月29日号)掲載の報告。基本治療無効例をプラセボ対照無作為化試験で評価 DESCARTES試験は、エボロクマブを用いた52週間の治療の安全性および有効性を検討する二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験。対象は、年齢18~75歳で、LDL-C≧75mg/dL、空腹時トリグリセライド≦400mg/dLの患者とし、全米コレステロール教育プログラム成人治療第3委員会(ATP III)の規定によるリスク分類で層別化した。 この分類に基づいて、4~12週の導入期間に、基本的な脂質低下療法として以下の4つの治療法のいずれかを開始した。1)食事療法、2)食事療法+アトルバスタチン10mg/日、3)食事療法+アトルバスタチン80mg/日、4)食事療法+アトルバスタチン80mg/日+エゼチミブ10mg/日。 導入期間の4週目の評価で、基本治療を行ってもLDL-C値が75mg/dL以上の患者を無作為割り付けの対象とした。4週ごとにエボロクマブ(420mg)を追加投与する群とプラセボを投与する群に2:1の割合で無作為に割り付け、引き続き48週の治療が行われた。 主要評価項目は、52週時における超遠心法で測定したLDL-C値のベースラインからの変化率とした。月1回のエボロクマブ追加投与でLDL-C値が57%低下 2012年1月〜2013年11までに9ヵ国88施設から2,120例が登録された。901例が解析の対象となり、このうち52週の治療を完遂したのは800例(88.4%)だった。 901例の内訳は、食事療法単独群が111例(プラセボ群37例、エボロクマブ群74例)、アトルバスタチン10mg群が383例(129例、254例)、アトルバスタチン80mg群が218例(73例、145例)、アトルバスタチン80mg+エゼチミブ10mg群は189例(63例、126例)であった。 プラセボ群の変化を考慮に入れたエボロクマブ群全体におけるLDL-C値のベースラインからの低下率の最小二乗平均値(±SE)は57.0±2.1%であった(p<0.001)。 基本治療別のエボロクマブ群におけるLDL-C値の低下率の最小二乗平均値は、食事療法単独群が55.7±4.2%,アトルバスタチン10mg群が61.6±2.6%、アトルバスタチン80mg群が56.8±5.3%、アトルバスタチン80mg+とエゼチミブ10mg群は48.5±5.2%であった(すべての比較に関してp<0.001)。 エボロクマブの投与により、アポリポ蛋白B、非高比重リポ蛋白(non-HDL)コレステロール、リポ蛋白(a)、トリグリセライドの値も有意に低下した。また、エボロクマブ群では鼻咽頭炎、上気道感染、インフルエンザ、背部痛が高頻度に認められた。 著者は、「エボロクマブは、さまざまな心血管リスクを有する脂質異常症患者において、食事療法単独、食事療法+低用量アトルバスタチン、食事療法+高用量アトルバスタチン±エゼチミブというガイドラインで推奨されているいずれの脂質低下療法に追加した場合でも、プラセボに比べLDL-C値を57%有意に低下させた」とまとめ、「この結果は、同一レジメンの12週投与に関する第II相試験で認められた効果と一致しており、12~52週まで効果の減弱はないとことが確認された」としている。

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心臓カテーテル検査によって脳血管障害を来し死亡したケース

循環器最終判決判例タイムズ 824号183-197頁概要胸痛の精査目的で心臓カテーテル検査が行われた61歳男性。検査中に250を超える血圧上昇、意識障害がみられたため、ニトログリセリン、ニフェジピン(商品名:アダラート)などを投与しながら検査を続行した。検査後も意識障害が継続したが頭部CTでは出血なし。脳梗塞を念頭においた治療を行ったが、検査翌日に痙攣重積となり、気管切開、人工呼吸器管理となった。検査後9日目でようやく意識清明となり、検査後2週間で一般病室へ転室したが、その直後に消化管出血を合併。輸血をはじめとするさまざまな処置が講じられたものの、やがて播種性血管内凝固症候群、多臓器不全を併発し、検査から19日後に死亡した。詳細な経過患者情報高血圧、肥満、長期の飲酒歴、喫煙歴、高脂血症、軽度腎障害を指摘されていた61歳男性経過1983年1月12日胸がモヤモヤし少し苦しい感じが出現。1月18日胸が重苦しく圧迫感あり、近医を受診して狭心症と診断され、ニトログリセリンを処方された。1月26日某大学病院を受診、胸痛の訴えがあり狭心症が疑われた。初診時血圧200/92、心電図は正常。2月2日血圧160/105、心電図では左室肥大。3月初診から1ヵ月以上経過しても胸痛が治まらないので心臓カテーテル検査を勧めたが、患者の都合により延期された。9月胸痛の訴えあり。10月同様に胸痛の訴えあり。1983年5月25日左手親指の痺れ、麻痺が出現、運動は正常で感覚のみの麻痺。7月8日脳梗塞を疑って頭部CTスキャン施行、中等度の脳萎縮があるものの、明らかな異常なし。1985年9月血圧190/100、心電図上左軸偏位あり。1986年7月健康診断の結果、肥満(肥満度26%)、心電図上の左軸偏位、心肥大、動脈硬化症などを指摘され、「要精査」と判断された。冠状動脈の狭窄を疑う所見がみられたので、担当医師は心臓カテーテル検査を勧めた。9月17日心臓カテーテル検査目的で某大学病院に入院。9月18日12:30検査前投薬としてヒドロキシジン(同:アタラックス-P)50mg経口投与。検査開始前の血圧158/90、脈拍71。13:30血圧154/96。右肘よりカテーテルを挿入。13:48右心系カテーテル検査開始(肺動脈楔入圧、右肺動脈圧)。13:51心拍出量測定。13:57右心系カテーテル検査終了。この間とくに訴えなく異常なし。14:07左心系カテーテル検査開始、血圧169/9114:13左心室圧測定後間もなく血圧が200以上に上昇。14:21血圧232/117、胸の苦しさ、顔色口唇色が不良となる。ニトログリセリン1錠舌下。14:27血圧181/111と低下したので検査を再開。14:28左冠状動脈造影施行(結果は左冠状動脈に狭窄なし)、血圧は150-170で推移。左冠状動脈造影直後に約5.1秒間の心停止。咳をさせたところ脈は戻ったが、徐脈(45)、傾眠傾向がみられたので硫酸アトロピン0.5mg静注。血圧171/10214:36左心室撮影。血圧17514:40左心室のカテーテルを再び大動脈まで戻したところ、再度血圧上昇。14:45血圧253/130、アダラート®10mg舌下。14:50血圧234/12314:56血圧220程度まで低下したので、右冠状動脈造影再開。14:59血圧183/105。右冠状動脈造影終了(25~50%の狭窄病変あり)、直後に約1.8秒の心停止出現。15:01検査終了後の血管修復中に血圧230/117、ニトログリセリン4錠舌下。15:04カテーテル抜去、血圧224/11715:30検査室退室。血圧150/100、脈拍77、呼びかけに対し返答はするものの、すぐに眠り込む状態。15:40病室に帰室、血圧144/100、うとうとしていて声かけにも今ひとつ返答が得られない傾眠状態が継続。19:00呼名反応やうなずきはあるがすぐに閉眼してしまう状態。検査から3時間半後になってはじめて脳圧亢進による意識障害の可能性を考慮し、脳圧降下薬、ステロイド薬の投与開始。9月19日08:00左上肢屈曲位、傾眠傾向が継続したため頭部CT施行、脳出血は否定された。ところが検査後から意識レベルの低下(呼名反応消失)、左上肢の筋緊張が強くなり、左への共同偏視、左バビンスキー反射陽性がみられた。15:00神経内科医が往診し、脳塞栓がもっとも疑われるとのコメントあり。9月20日全身性の痙攣発作が頻発、意識レベルは昏睡状態となる。気管切開を施行し、人工呼吸器管理。痙攣重積状態に対しチオペンタールナトリウム(同:ラボナール)の持続静注開始。9月24日痙攣発作は消失し、意識レベルやや改善。9月27日ほぼ意識清明な状態にまで回復したが、腎機能の悪化傾向あり。9月30日人工呼吸器より離脱。10月3日09:30状態が改善したためICUから一般病室へ転室となる。13:00顔面紅潮、意識レベルの低下、大量の消化管出血が出現。10月4日上部消化管内視鏡検査施行、明らかな出血源は指摘できず、散在性出血がみられたためAGML(急性胃粘膜病変)と診断された。ところが、その後肝機能、腎機能の悪化、慢性膵炎の急性増悪、腎不全などとともに、血小板数の低下、フィブリノーゲンの著明な減少などからDICと診断。10月8日15:53全身状態の急激な悪化により死亡。当事者の主張患者側(原告)の主張1.心臓カテーテル検査の適応検査前に狭心症に罹患していたとしても軽度なものであり、心臓カテーテル検査を行う医学的必要性はなかった。また、検査の3年前から脳梗塞の疑いがもたれていたにもかかわらず、脳梗塞の症状がある患者にとってはきわめて危険な心臓カテーテル検査を行った2.異常高血圧にもかかわらず検査を中止しなかった過失250を越える異常な血圧の上昇を来した時点で、事故の発生を未然に防止するために検査を中止すべき注意義務があったのに、検査を強行した3.神経内科の診察を早期に手配しなかった過失検査終了時点で意識障害があり、脳塞栓が疑われる状況であったのに、神経内科専門医の診察を依頼したのは検査後24時間も経過してからであり、適切な処置が遅れた4.死因医学的に必要のない検査を行ったうえに、検査中の脳梗塞発症に気付かず検査を続行し、検査後もただちに専門医の診察を依頼しなかったことが原因で、最終的には胃出血によるDICおよび多臓器不全により死亡に至ったものである病院側(被告)の主張1.心臓カテーテル検査の適応患者には胸痛のほか、高血圧、肥満、長期の飲酒歴、喫煙歴、高脂血症、軽度腎障害などの冠状動脈狭窄を疑わせる所見が揃っており、冠状動脈を精査し、手術なり薬剤投与なりを開始することが治療上不可欠であった。脳梗塞については、検査の3年前に施行した頭部CTスキャンで異常はなく、自覚症状としてみられた左手親指、人差し指の感覚障害は末梢神経または神経根障害と考えられ、改めて脳梗塞を疑うべき症状は認められなかった2.異常高血圧にもかかわらず検査を中止しなかった過失心臓カテーテル検査中に最高血圧が230-250になるのは臨床上起こり得ることであり、血圧上昇時には必要に応じて降圧薬を投与し、経過を観察しながら検査を継続するものである。そして、200以上の血圧上昇がもつ意味は患者によって個体差があり、普段の血圧が170-190くらいであった本件の場合には検査時のストレスによって血圧が200以上になっても特別に異常な反応ではない3.神経内科の診察を早期に手配しなかった過失検査後に意識レベルが低下し、四肢硬直がおきたため脳梗塞、脳幹部循環障害などの可能性を考え、治療を開始するとともに神経内科などに相談しながら、最良の治療を行った4.死因死因は脳病変に基づくものではなく、意識障害が回復した後の消化管出血によるDIC、および多臓器不全に伴った心不全である。この消化管出血にはステロイド薬の使用、ストレスなどが関与したものであるが、抗潰瘍薬の投与などできるだけ予防策は講じていたのであるから、やむを得ないものであった裁判所の判断1. 心臓カテーテル検査の適応患者には検査前から高血圧、肥満、長期の喫煙歴、軽度の腎障害など、虚血性心疾患の危険因子のうちいくつかが明らかに存在し、さらに心電図で左室肥大および左軸偏位が認められ、胸痛という自覚症状もあったので、狭心症を疑って心臓カテーテル検査を行ったことに誤りはない。さらに急性期の脳梗塞患者、発症直後の脳卒中患者には冠状動脈造影を行ってはならないとされているが、本件の場合には検査前に急性期の脳梗塞が疑われるような症状はないので、心臓カテーテル検査を差し控えなければならないとはいえない。2. 異常高血圧にもかかわらず検査を中止しなかった過失250を越える異常な血圧の上昇がみられた時点で、検査のストレスによる血圧上昇だけでは説明できない急激な血圧の上昇であることに気付き、脳出血を主とする脳血管障害発生の可能性を考え、検査を中止するべきであった。さらに検査で用いた76%ウログラフィン®(滲透圧の高い造影剤)のため、脳梗塞によって生じた脳浮腫をさらに増強させる結果になった。3. 神経内科の診察を早期に手配しなかった過失検査終了後は、ただちに専門の神経内科医に相談するなどして合併症の治療を開始するべきであったのに、担当医らが脳血管障害の可能性に気付いたのは、検査終了から3時間半後であり、その間適切な治療を開始するのが遅れた。4. 死因脳梗塞が発症したにもかかわらず、検査を続行したことによって脳浮腫が助長され、意識障害が悪化した。さらに検査終了後もただちに適切な処置が行われなかったことが、胃からの大量出血を惹起し死亡にまで至らしめた大きな原因の一つになっている。原告側合計8,276万円の請求に対し4,528万円の判決考察心臓カテーテル検査に伴う死亡率は、1970年代までは多くの施設で1%を越えていましたが、技術の進歩とヘパリン使用の普及により、現在は0.1~0.3%の低水準に落ち着いています。また、心臓カテーテル検査に伴う脳血管障害の合併についても、0.1~0.2%の低水準であり、「組織だった抗凝固処置」によって大部分の脳血管系の事故が防止できるという考え方が主流になっています。カテーテル検査中に脳塞栓を生じる機序としては、(1)カテーテルによって動脈硬化を起こした血管に形成された壁在血栓が剥離されて飛ばされ、脳の血管に流れた結果脳梗塞を生じる(2)カテーテルの周囲に形成された血栓またはカテーテルのなかに形成された血栓が飛ばされ、脳の血管に移行して脳梗塞を生じる(3)粥状硬化、動脈硬化を起こした血管の粥腫(アテローム)がカテーテルによって剥離されて飛ばされ、脳の血管に流された結果脳梗塞を生じるの3つが想定されています。これに対する処置としては、(1)十分なヘパリン投与を行った患者においても、カテーテルのフラッシュは十分注意しかつ的確に行うこと(2)ガイドワイヤーは使用する前に十分に拭い、血液を付着させないこと(3)ガイドワイヤーを入れたままのカテーテル操作は、1回あたり2分以内にとどめること(2分経過後はガイドワイヤーを必ず抜き出して拭い、再度ガイドワイヤーを用いる時はカテーテルをフラッシュする)(4)リスクの高い患者では不必要にカテーテルやガイドワイヤーを頸動脈や椎骨脳底動脈に進めないなどが教科書的には重要とされていますが、現在心臓カテーテル検査を担当されている先生方にとってはもはや常識的なことではないかと思います。つまり本件では、心臓カテーテル検査中に発症した脳血管障害というまれな合併症に対し、どのように対処するべきであったのか、という点が最大のポイントでした。裁判所の判断では、心臓カテーテル検査中に「血圧が250以上に上昇した時点ですぐに検査を中止せよ」ということでしたが、循環器内科医にとってすぐさまこのような判断をすることは実際的ではないと思います。ここで問題となるのが、(1)コントロールはこれでよかったか(2)障害の可能性を念頭に置いていたかという2点にまとめられると思います。この当時の状況を推測すると、大学病院の循環器内科に入院して治療が行われていましたので、1日に数件の心臓カテーテル検査が予定され、全例を何とか(無事かつ迅速に)こなすことに主眼がおかれていたと思います。そして、検査中にみられた高血圧に対しては、とりあえずニトログリセリン、アダラート®などを適宜使用するのがいわば常識であり、通常のケースであれば何とか検査を終了することができたと思います。にもかかわらず、本件では降圧薬使用後も250を越える高血圧が持続していました。この次の判断として、血圧は高いながらも一見神経症状はなく大丈夫そうなので検査を続行してしまうか、それとも(少々面倒ではありますが)ニトログリセリン(同:ミリスロール)などの降圧薬を持続静注することによって血圧を厳重にコントロールするか、ということになると思います。結果的には前者を選択したために、裁判所からは「異常高血圧を認めた時点で検査中止するのが正しい」と判断されました。日常の心臓カテーテル検査では、時に200を超える血圧上昇をみることがありますが、ほとんどのケースでは無事に検査を終了できると思います。さらに、心臓カテーテル検査中に脳梗塞へ至るのは1,000例ないし500例に1例という頻度ですから、当時の状況からして、急いで微量注入器を準備して降圧薬の持続静注をするとか、血圧が安定するまでしばらく様子をみるなどといった判断はなかなか付きにくいのではないかと思います。しかし、本件のように心臓カテーテル検査中に脳血管障害が発症しますと、あとからどのような抗弁をしようとも、「異常高血圧に対して適切な処置をせず検査を強行するのはけしからん」とされてしまいますので、たとえ時間がかかって面倒に思っても、厳重な血圧管理をしなければあとで後悔することになると思います。次に問題となるのが、心臓カテーテル検査中に生じた「少々ボーっとしている」という軽度の意識障害をどのくらい重要視できたかという点です。後方視的にみれば、誰がみてもこの時の意識障害が脳梗塞に関連したものであったことがわかりますが、当時の担当医は「検査前投薬の影響が残っていて少しボーっとしているのであろう」と考えたため、脳梗塞発症を認識したのは検査から3時間半も経過したあとでした。前述したように、心臓カテーテル検査で脳梗塞を合併するのは1,000例ないし500例に1例という頻度ですから、ある意味では滅多に遭遇することのないリスクともいえます。しかし、日常的にこなしている(安全と思いがちな)検査であっても、どこにジョーカーが潜んでいるのか予測はまったくつかないため、本件のような事例があることを常に認識することによって早めの処置が可能になると思います。本件でも脳梗塞発症の可能性をいち早く念頭においていれば、たとえ最悪の結果に至ってしまっても医事紛争にまでは発展しなかった可能性が十分に考えられると思います。判決文全体を通読してみて、今回この事例を担当された先生方は真摯に医療の取り組まれているという印象が強く、けっして怠慢であるとか、レベルが低いなどという次元の問題ではありません。それだけに、このような医事紛争へ発展してしまうのは大変残念なことですので、少しでも侵襲を伴う医療行為には「最悪の事態」を想定しながら臨むべきではないかと思います。循環器

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第7回

第7回:末梢閉塞性動脈疾患:疑わしければABIを、治療は薬だけでなく運動も 欧米では末梢閉塞性動脈疾患 PAD(peripheral arterial disease)と閉塞性動脈硬化症 ASO(arteriosclerosis obliterans)とはほぼ同義とされますが、日本ではPAD=ASO+閉塞性血栓血管炎TAO(Thromboangiitis obliterans)として区別されてきました。その理由は、江戸時代以降1970年代頃まで日本では、TAOが慢性閉塞性動脈疾患の中心を占めていたためです。最近は高齢社会や食生活を含めた生活様式の変化を背景に、TAOが減少しASOが急増して、慢性動脈閉塞症の95%以上を占めるようになり、日本でもPADという表現をASOとほぼ同義に用いることが多くなりました。ASOは無症候性を含め50~80万人/1.3億(3/1000~5/1000)の患者数と推測され、決して少なくありません1)。 PADとは何か、アウトカムは何か、プライマリ・ケアではどのような状況で疑うか、疑ったとき何をするのか、診断後のケアとしてどのような方法があるかを知ることでケアの幅が広がるかもしれません。 以下、本文 American Family Physician 2013年9月1日号2)よりPAD(末梢閉塞性動脈疾患)1.概要PAD(末梢閉塞性動脈疾患)は大動脈弓以遠の狭小化に至る、動脈硬化性疾患である。重度の全身性動脈硬化を反映し、心血管リスク推定時には冠血管疾患と同等に考えるべき疾患である。間欠性跛行(最もよくある症状で、全患者の10%)・四肢虚血・心血管イベント、それによる死亡を引き起こす。2.診断PADリスクは糖尿病・喫煙のほかに、高血圧・脂質異常症・腎不全がある。複数のリスクまたは間欠性跛行がある患者で、病歴と身体所見は診断に有用である。間欠性跛行は脊柱管狭窄症、末梢神経障害、筋骨格疾患、外傷、深部静脈血栓症と鑑別しなければならない。PADの身体所見には皮膚冷感、四肢遠位脈拍触知不良、腸骨/大腿/膝窩動脈雑音聴取、毛細血管再充満時間の延長、非治癒性創傷、光沢のある皮膚、罹患部の無毛、挙上時の四肢蒼白がある。プライマリ・ケアでの診断においてABI(足関節上腕血圧比) は安価で性能のいい検査(感度 90%、特異度 98%)である。ABIで0.9以下の場合(正常範囲 1.0~1.4)、末梢閉塞性動脈疾患を疑う。MRIやCT血管造影検査は手術を検討するときに検討される。ルーチンのスクリーニングが心血管イベントや全死亡を減らすエビデンスがないことから、USPSTF(米国予防医療サービス専門作業部会)はI statement(エビデンスが欠如している、質が悪い、矛盾するエビデンスがある等の理由で、予防方法のメリットと害のバランスを決めるにはエビデンスが不足していると結論づけられる)にとどめている。しかし、ある高リスクの患者群には有用である可能性がある。米国糖尿病協会は50歳以上のすべての糖尿病患者と50歳未満の高リスク患者がスクリーニングされるべきとしている。3.治療治療は運動と薬物療法である。運動療法は、監督下の運動で歩行距離と時間を延ばす(ほとんどの研究で下肢の体操もしくはトレッドミル歩行で30分を2~3回/週)。薬物療法ではスタチンをLDL 100未満として投与すべき(CHD-equivalent)である。症候性のときには抗血小板薬は心筋梗塞や脳卒中や血管死を減らすため、アスピリンやクロピドレル等の処方が推奨される。ACEIに関してはラミプリルが機能障害治療において有用かもしれないが、咳嗽等で使用できないときに他のACEIへの切り替えでも有用かは、さらなる研究が必要である。外科コンサルトは、運動や薬物療法でも生活を制限するような間欠性跛行が改善しないときに行う。重篤な四肢虚血があるときは緊急コンサルテーションが必要である。※本内容は、プライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 日本循環器学会ほか.末梢閉塞性動脈疾患治療ガイドライン 2) Duane R, et al. Am Fam Physician. 2013;88:306-310.

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PADの治療戦略と エビデンス

末梢動脈疾患(PAD)とは、動脈硬化が下肢にあらわれたもので、全身的な動脈硬化の一部分症であることが示唆されています。そのため、PADの治療は、症状だけでなく、動脈硬化の改善や、予後を左右する心血管イベントの抑制を目指して行うことが重要です。本コンテンツでは、その点を踏まえたPADの治療戦略について、動画で詳しく解説します。

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薬剤溶出性ステント時代の脂質低下療法 -高純度EPA製剤を生かす-

日本では食の欧米化にともない、冠動脈疾患の危険因子が増加し、心疾患による死亡率が上昇傾向にあります。冠動脈疾患治療の局所アプローチとしてPCIやCABGがありますが、初回病変部位以外で起こるイベントを抑制し、長期予後を改善するためには、全身の危険因子を管理する薬物治療、いわゆる「内科的インターベンション」が重要です。本コンテンツでは、その治療戦略について動画で詳しく解説します。

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本当にアリピプラゾールは代謝関連有害事象が少ないのか

 非定型抗精神病薬に伴う代謝異常は、薬剤の種類により異なるといわれている。非定型抗精神病薬と心血管疾患のリスク因子との関連を踏まえ、米国糖尿病学会(ADA)および米国精神医学会(APA)は、非定型抗精神病薬の中でもアリピプラゾールとジプラシドン(国内未承認)は代謝異常を生じにくいとのコンセンサスステートメントを発表した。今回、米国・ニューヨーク医科大学のLeslie Citrome氏らは、実臨床下におけるアリピプラゾールと他の非定型抗精神病薬の代謝関連有害事象リスクに関する検討を行った。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2014年3月26日号の掲載報告。 本検討において研究グループは、非定型抗精神病薬アリピプラゾールの治療を受けている成人患者の体重増加、脂質異常、血糖異常、糖尿病のリスクを検討した実臨床での研究(観察/自然的研究、オープンラベル研究など)を評価した。2000年1月1日~2011年10月4日までに報告された文献を対象とし、タイトルまたは抄録に「アリピプラゾール」「非定型」「糖」「インスリン」「コレステロール」「トリグリセリド」「糖尿病」「HbA1c」「体重」「BMI」「高脂血症」などの用語が含まれている論文をPubMedで検索した。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾールと関連する代謝への影響を評価した22件のピアレビュー論文が抽出された。それら論文は、被験者15例の小規模観察研究から170万例を超える大規模データベースにわたった。・アリピプラゾールによる治療を受けた成人患者の体重増加、脂質異常、血糖異常および糖尿病発症リスクを評価した観察または自然的研究は13件、オープンラベル試験は9件あった。・アリピプラゾールは、その他の非定型抗精神病薬と比較して、体重増加および脂質異常に及ぼす影響が同等またはそれ以下であり、その程度は試験デザインに依存しているようであった。・さらに、アリピプラゾールはその他の非定型抗精神病薬の大半に比べ、糖尿病のリスクが少なかった。・無作為化比較試験のデータと、本レビューの所見は一致しており、アリピプラゾールは汎用されているその他の非定型抗精神病薬よりも、成人における代謝関連有害事象のリスクが少ない可能性が示唆された。所見は、ADA/APAのコンセンサスステートメントとも一致するものであった。 関連医療ニュース オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 最初の1年がピーク、抗精神病薬による体重増加と代謝異常

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スタチン投与対象者はガイドラインごとに大きく異なる/JAMA

 臨床ガイドラインによって、スタチン投与の対象となる人は大きく異なることが判明した。2013年に発表された新たな米国心臓病学会と米国心臓協会(ACC/AHA)ガイドラインを順守した場合には、55歳以上男性コホートの約96%に相当する一方で、従来の米国高脂血症治療ガイドライン(Adult Treatment Panel III:ATP III)に則した場合は、スタチン投与の対象者は男性の52%に留まるという。オランダ・エラスムス大学医療センターのMaryam Kavousi氏らが、約5,000例のコホート試験を基に分析して明らかにした。JAMA誌2014年4月9日号掲載の報告より。「Rotterdam Study」の被験者4,854例を対象に各臨床ガイドラインを適用 研究グループは、オランダのロッテルダム在住の55歳以上に行った住民ベースの前向きコホート試験「Rotterdam Study」の被験者4,854例を対象に、各臨床ガイドラインを適用した場合のスタチン投与対象者を割り出すなどの検討を行った。被験者の平均年齢は、65.5歳(SD 5.2)だった。 結果、同集団に対してACC/AHAガイドラインを順守した場合、スタチン投与の対象となったのは男性の96.4%(1,825例)と女性の65.8%(1,523例)だった。 一方、ATP IIIガイドラインを適用した場合、男性52.0%(985例)、女性35.5%(821例)に、欧州心臓病学会(ESC)ガイドラインでは、66.1%(1,253例)、39.1%(906例)と、いずれもACC/AHAガイドラインとの間に大きな格差があった。3種ガイドラインのリスクモデル、イベント発生を過剰予測 また、ACC/AHAリスクモデルでは、男性の動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)イベント発生率の予測値は21.5%だったのに対し、実際の累積ASCVDイベント発生率は12.7%、女性ではそれぞれ11.6%と7.9%と、予測値が実測値を上回っていた。ATP IIIモデル、ESCモデルでも、冠動脈性心疾患(CHD)やアテローム動脈硬化性心血管疾患(CVD)死亡イベントについて、同様の過大予測が認められた。 ACC/AHAリスクモデルのASCVDに関するC統計量は、男性が0.67、女性が0.68だった。ATP IIIモデルのCHDに関するC統計量は、それぞれ0.67と0.69、ESCモデルのCVD死亡に関するC統計量は、それぞれ0.76と0.77と、いずれも改善の余地があったという。

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米成人の半数がスタチン治療を受ける時代に?/NEJM

 米国心臓病学会および米国心臓協会(ACC/AHA)は昨年11月、関連するガイドラインを改訂したが、デューク大学臨床研究所のMichael J. Pencina氏らは、その影響について調べた。結果、スタチン治療が適格となる患者が1,280万人増大し、米国成人(40~75歳)の約半数(48.6%)5,600万人がスタチン治療対象者となることが推算されたという。増大者のうち大半は心血管疾患を有さない高齢者であった。NEJM誌オンライン版2014年3月19日号掲載の報告より。ACC/AHA新ガイドラインの影響を調査 新ガイドラインでは、心血管疾患既往成人についてはコレステロール値を問わず治療を推奨することが示されている。また、一次予防については、LDL値190mg/dL以上の患者についてスタチン治療を推奨することに加えて、70mg/dL以上で糖尿病または心血管疾患10年リスク7.5%以上のすべての成人にスタチン治療を推奨することが盛り込まれた。 Pencina氏らは、全米健康・栄養調査(NHANES)のデータを用いて、脂質異常症治療のサポートガイドラインとして推奨されてきたthe Third Adult Treatment Panel(ATP III)との比較で、新ガイドラインをベースとした場合の、スタチン治療推奨が適格となる米国成人数を推算することを試みた。 具体的には、2005~2010年のNHANESデータと、40~75歳の米国成人1億1,540万人を推定のベースに用いて調べた。スタチン治療適格者、以前より1,280万人増加し米成人の48.6%と推算 結果、スタチン治療適格となる米国成人は、ATP IIIガイドラインでは4,320万人(37.5%)であったが、新ガイドラインでは5,600万人(48.6%)に増大することが示唆された。増大者1,280万人のうち大半(1,040万人)は、心血管疾患を有さない成人だった。 また、心血管疾患を有さずスタチン治療を受けていない60~75歳の高齢者において、スタチン治療適格となる割合は、男性についてはATP IIIでの30.4%から新ガイドラインでは87.4%に、女性については21.2%から53.6%にそれぞれ増加することが示唆された。これらの増大をもたらす要因は、主として治療推奨の層別化要因としての「心血管イベント10年リスク」が単独で盛り込まれたことによるものであった。 新たなスタチン治療適格者は、女性よりも男性が多く、血圧が高めだがLDL値が顕著に低いという特徴が浮かび上がった。 ATP IIIガイドラインと比較して、新ガイドラインは、より高齢で、将来心血管イベントを有する可能性が高いが(感度が高い人)、同時に将来心血管イベントが起きる可能性が低い(特異度が低い)人も多数含まれることが示唆された。

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グルコキナーゼ遺伝子異常症(MODY2)を参考にした血糖コントロールレベルの検討(コメンテーター:景山 茂 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(177)より-

グルコキナーゼはヘキソキナーゼのアイソフォームの1つで、膵β細胞および肝細胞に存在する。ヘキソキナーゼのKmは0.1mmol/Lで、生理的条件下では最大速度で反応するのに対して、グルコキナーゼのKmは5.5mmol/L(99mg/dL)で、生理的な血糖の範囲でブドウ糖のリン酸化が調節されうる。また、グルコキナーゼにより産生されるG-6-Pの抑制を受けないことから、グルコキナーゼは膵β細胞においてグルコースセンサーの役割を果たしていると考えられる。 糖尿病には1型と2型以外に特殊な形として若年発症成人型糖尿病(maturity-onset diabetes of the young, MODY)が存在するが、この1つが、グルコキナーゼ遺伝子異常により生じるMODY2である。この疾患は生後1週間以内に高血糖を生じるとされているが、空腹時血糖は108~144mg/dL程度と軽度であり、生涯を通じて薬物治療を必要とすることは稀有である。MODY2では、インスリン抵抗性はなく、空腹時の脂質は正常、食後高血糖の程度も軽度という、2型糖尿病との相違が認められる。 細小血管障害は血糖コントロールとの関連が密接であり、グルコキナーゼ遺伝子異常症例は目標とすべき血糖コントロールレベルの参考になると思われる。一方、大血管障害の成因には高血圧、脂質異常症等々の因子が関与し、グルコキナーゼ遺伝子異常症例のインスリン抵抗性、血清脂質のプロファイルは2型糖尿病とは異なるので、得られた成績の解釈には注意が必要と思われる。

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糖尿病患者のトータルケアを考える

 2014年2月19日(水)都内にて、糖尿病患者の意識と行動についての調査「T-CARE Survey」を題材にセミナーが開かれた(塩野義製薬株式会社 開催)。演者である横浜市立大学の寺内 康夫氏(分子内分泌・糖尿病内科学 教授)は、患者が治療に前向きに取り組むためには「治療効果の認識」「症状の理解」が重要と述べ、患者の認知・理解度に応じて個々に合ったアプローチをすべき、と述べた。 T-CAREとは 「塩野義製薬が考える“糖尿病患者さまのトータルケア”」を意味する名称とのこと。以下、セミナーの内容を記載する。【糖尿病患者の3割が治療ストレスを感じている】 『糖尿病患者の約30%が治療を続けることにストレスを感じている』これは、糖尿病患者の意識と行動を把握するためのインターネット調査「T-CARE Survey」の結果である。「T-CARE Survey」は全国の20代~60代の男女を対象に2013年10月に実施されたインターネット調査で、一般回答者2万254名、糖尿病患者3,437名の回答が得られている。その結果、糖尿病患者は高血圧や脂質異常症と比較してストレスを感じやすく、そのストレス度合いは、喘息やアレルギーなどの自覚症状がある疾患と同程度であることが明らかになった。糖尿病は症状が少ないにもかかわらず、患者さんはストレスや不安を感じやすいことから、リスクケアのみならず、生活環境や心理的不安も見据えたトータルケアが必要と考えられる。【心配事・不満の上位は、『合併症の不安』】 糖尿病患者は何に不安を感じているのだろうか。患者さんの心配事や不満の上位は「透析になるのが怖い」「失明するのが怖い」といった「合併症の不安」であった。また約1割が「足のしびれや痛みが我慢できない」と感じていることも明らかにされた。寺内氏は、この結果を基に「患者さんに医療機関との接点を持ち続けてもらう、つまり続けて通ってもらうことが不安解消にも重要」と述べた。【治療継続には『病状理解』と『治療効果の認識』】 では、患者さんに治療を続けてもらうにはどうすべきか。今回の調査では「糖尿病患者の治療モチベーションに関する検証」も行われた。糖尿病の知識、治療への評価、周囲との関係性といったいくつかの項目を仮説として設定し、重回帰分析等を用いて検証を行った結果、「自分の病状の理解」「治療効果の認識・理解」の2項目が治療モチベーション向上に寄与していることが明らかになった。医師やスタッフの説明を通じて患者さんに病状を理解してもらい、効果を認識させることが治療にも有用なようだ。【メディカルスタッフへの相談も有用】 患者さんが糖尿病疾患について相談する相手をみると、医師が83%、配偶者・パートナーが52.8%であった。一方、看護師・薬剤師・管理栄養士といったメディカルスタッフへの相談はいずれも30%未満であり、まだまだ少ないといえる。しかし、メディカルスタッフに相談している患者は相談していない患者に比べ、前向きに治療に取り組む割合が高いこともわかっており、チームサポートの重要性がうかがえる。【糖尿病療養指導士を要としたコミュニティサポート推進が望まれる】 患者さんの家庭環境はどうだろうか。「家族が治療やケアに協力してくれる」という回答は56.4%であった。家族ケア有りの場合、前向きに治療に取り組む割合は高く、医療従事者側も家族によるサポートを促すことができる。しかし、一人暮らしの高齢世帯の増加を鑑みると、今後は家族のみならず、地域のコミュニティによるサポートが推進されていくことを期待したい。自身が日本糖尿病療養指導士認定機構の役員を務める寺内氏は、今後、介護施設や在宅医療スタッフの中に糖尿病療養指導士の資格を持つ方が増え、地域のコミュニティサポートが推進されていくことを期待したい、と述べた。【編集後記】 講演の最後に寺内氏は、「トータルケアの実践には患者をタイプ分類し、タイプ別のアプローチを工夫することが有用」と述べた。タイプ別アプローチ方法が確立し、治療に不満を抱く方や疾患を放置する患者さんが、治療に前向きに取り組めるようになることを期待したい。

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双極性障害、男女間で肥満割合に違いあり

 カナダ・クイーンズ大学のAnusha Baskaran氏らは、双極性障害(BD)における肥満の性差とその背景因子について、論文レビューを行った。その結果、BD女性は、BD男性および一般集団の男女と比較して、腹部肥満の割合が高いことを報告した。性別に基づく多彩な要因が、BD女性の肥満を促進していたことも判明した。Bipolar Disorders誌2014年2月号の掲載報告。 双極性障害(BD)の女性は、BDの男性および一般集団の男女に比較して心血管疾患(CVD)による標準化死亡比(SMR)が高い。本研究では、このような差異に寄与する要因について検討を行った。1990年9月~2012年6月までに英語で発表された論文について、「双極性障害」「メタボリックシンドローム(性別、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症を参考)」をキーワードとしてPubMedにて検索を行った。リファレンスリスト中の代表的な論文については、手動でレビューを行って補足した。論文の選択は、著者のコンセンサス、標準化された経験的手法の使用、確証されている評価項目の設定および論文全体の質に基づいた。 主な結果は以下のとおり。・成人BDは一般集団と比較して、メタボリックシンドロームの割合が高かった。・BD女性は、BD男性および一般集団の男女と比較して腹部肥満の割合が高かった。・BDの臨床経過と所見に性差が認められ、女性では、うつ優位な病状の頻度が高く、より晩期のBD発症、気分障害の季節性がみられ、再発しやすいことが判明した。・現象的な要因は、BD患者における合併症の性差にまで拡大する可能性があった。・BD女性の腹部肥満のリスクに寄与し得るその他の因子として、生殖に関する出来事、性的・身体的虐待などの経験、ライフスタイル、医原性などが考えられた。・上記を踏まえて著者は、「BD女性の肥満は、性別に基づく多彩な要因により促進されていることが判明した。一方で、BD女性の腹部肥満の増加が、CVDによるSMRの増加に関与するか否かは、引き続き検討すべき課題である」と結論したうえで、「本レビューから得られた臨床的推奨は、BD女性の肥満増加に関わる因子の現病歴や既往歴に主眼を置くということである」とまとめている。関連医療ニュース 統合失調症女性の妊娠・出産、気をつけるべきポイントは 双極性障害患者の長期健康状態の独立予測因子は肥満 うつ病から双極性障害へ転換するリスク因子は

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造血細胞移植後の重大な心血管疾患リスクを減らすには?

 造血細胞移植後の心血管疾患リスクに対する生活習慣の影響について、米国フレッドハッチンソンがん研究センターのEric J. Chow氏らが検討した。その結果、医師が心血管リスク因子と生活習慣に注意を払うことにより、造血細胞移植後の重大な心血管疾患の罹患率を減少させる可能性が示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年12月2日号に掲載。 著者らは、1970年~2010年に1年以上治療を受けた造血細胞移植後の生存者(n=3,833)について、2010年~2011年に、心血管の状態およびそれに関連する生活習慣因子(喫煙、食事、レクリエーション的な身体活動)を調査した。データが得られた生存者(n=2,362)を、マッチングさせた一般集団サンプル(国民健康栄養調査:n=1,192)と比較した。 主な結果は以下のとおり。・造血細胞移植後生存者(年齢中央値:55.9歳、移植後期間中央値:10.8年、同種移植の割合:71.3%)は、国民健康栄養調査参加者と比べ、心筋症(4.0% vs 2.6%)、脳卒中(4.8% vs 3.3%)、脂質異常症(33.9% vs 22.3%)、糖尿病(14.3% vs 11.7%)で高い割合を示した(すべてp<0.05)。高血圧の有病率は同等(27.9% vs 30.0%)であり、虚血性心疾患は造血細胞移植生存者のほうが低かった(6.1% vs 8.9%、p<0.01)。・造血細胞移植後生存者において、高血圧、脂質異常症および糖尿病は、虚血性心疾患や心筋症における独立した危険因子であり、喫煙は、虚血性心疾患と糖尿病と関連していた(オッズ比[OR]:1.8~2.1、p=0.02)。肥満は、移植後高血圧、脂質異常症および糖尿病の危険因子であった(OR:≧2.0、p<0.001)。一方、果物や野菜の低摂取は、脂質異常症および糖尿病の高リスクに関連し(OR:1.4~1.8、p≦0.01)、低レベルの身体活動は、高血圧や糖尿病の高リスクに関連していた(OR:1.4~1.5、p<0.05)。・造血細胞移植後生存者において、健康的な生活習慣は、調査したすべての心血管関連リスクを減弱させた。

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抗精神病薬治療は予後にどのような影響を及ぼすのか

 抗精神病薬治療中の患者では、いくつかの心血管リスク因子(糖尿病、肥満、喫煙、脂質異常症)を有する割合が高く、脳卒中の有病率が有意に高いことなどが明らかにされた。これには、服用する抗精神病薬が定型あるいは非定型かによる違いはみられなかったという。スペイン・Institut Catala de la SalutのX Mundet-Tuduri氏らがバルセロナで行った断面調査の結果、報告した。Revista de Neurologia誌2013年12月号の掲載報告。 研究グループは、プライマリ・ケアでの長期の抗精神病薬治療における心血管リスク因子(CVRF)および血管イベントについて明らかにするため断面調査を行い、抗精神病薬の治療を受けている患者と受けていない患者とを比較した。対象は、2008~2010年にバルセロナのプライマリ・ヘルスケアセンターを受診した患者。身体測定、臨床検査値、CVRFを評価し、また被験者を成人/ 高齢者、服用している抗精神病薬(定型/ 非定型)でそれぞれ層別化し評価した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は、抗精神病薬を処方されていた1万4,087例(治療群)と、受けていなかった1万3,724例(処方を受けていた患者と同一の年齢・性別:非治療群)の合計2万7,811例であった。・治療群の患者のうち、非定型薬を処方されていたのは63.4%であり、リスペリドンの処方が最も多かった。・治療群は、肥満(16.9% vs. 11.9%)、喫煙(22.2% vs. 11.1%)、糖尿病(16% vs. 11.9%)、脂質異常症(32.8% vs. 25.8%)の有病率が非治療群よりも有意に高かった(p<0.001)。・また、治療群では脳卒中の有病率が、成人患者群(オッズ比[OR]:2.33)、高齢者群(同:1.64)のいずれにおいても、非治療群より有意に高かった。冠動脈性心疾患(CHD)の有病率は、両群で同程度であった(OR:0.97)。・治療群の患者において、抗精神病薬の定型または非定型の違いによる差はみられなかった。関連医療ニュース 抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大 非定型うつ病ではメタボ合併頻度が高い:帝京大学 統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査

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HbA1cの改善に加え患者QOLも向上―DPP-4阻害薬へのグラルギンの併用エビデンス(ALOHA2)

サノフィ株式会社池田勧夫氏近年DPP-4阻害薬は日本で急速に普及してきたが、DPP-4 阻害薬を含む経口血糖降下薬(OHA)を服用しても良好な血糖コントロールが得られない場合がある。そこで、池田氏らは、DPP-4 阻害薬を含むOHAで血糖コントロールが目標に達していない日本人の2 型糖尿病患者を対象にインスリン グラルギン(以下、グラルギン)を追加し、24週間観察した前向き研究(ALOHA 2)を行った。その結果が国際糖尿病連合の世界糖尿病会議(12月2~6日、メルボルン)で発表され、グラルギンの追加でHbA1cが大きく低下するだけでなく、治療満足度が有意に改善することが明らかとなった。OHA2剤でグラルギンを始めるケースが最も多い本研究の対象となったのは、これまでOHAによる治療を受け、グラルギンを開始する4 週間前のHbA1c が6.5%以上だった20歳以上の2,602例。これまでインスリンによる治療を受けたことがなく、経口薬への追加でグラルギンを開始し、24週まで継続した症例をBOT 群とした。BOT 群は1,629 例。観察期間は24 週間。BOT群のベースラインの患者背景は年齢が61.8 歳、HbA1cは9.58%、FPGは2 0 4.6 mg/dL、2 時間P PGは272.8mg/dL。糖尿病罹患期間は10年未満が3 4.7%、10~15年が19.5%、15年以上が23.9%、併存疾患は糖尿病性神経障害が22.5%、糖尿病性網膜症が14.6%、糖尿病性神経障害が14.9 %、高血圧が47.8%、脂質異常症が51.9% など。またベースラインで使用されていたOHAの数は、1 種類が29.3%、2 種類が34.8%、3 種類が26.9%、4種類が9.1%であり、観察期間中に高頻度に併用されたOH Aはスルホニル尿素薬が71.5%、DPP-4 阻害薬が60.7%、ビグアナイド薬が4 8.6 %などであった(表1)。画像を拡大するHbA1cはベースラインから1.6%低下、空腹時血糖値だけでなく食後血糖値も大きく改善基礎インスリンとDPP-4 阻害薬の併用療法は、2 型糖尿病患者の空腹時血糖値(FPG)と食後血糖値(PPG)の両方を管理し、良好な血糖コントロールが得られる治療法として注目されているが、本研究ではグラルギンの追加によりHbA1cがベースラインから最終評価時までで1.61%有意に低下していた(p

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慢性腎臓病における2つのエンドポイントを予防するために

 わが国の慢性腎臓病(CKD)患者数は2005年に1,330万人に達し、成人の8人に1人がCKDといわれている。CKDは、腎機能が悪化すると透析が必要な末期腎不全に進行するだけではなく、心血管疾患の発症リスクが高まる。そのリスク因子であるリンの管理について、2013年11月19日に都内にてプレスセミナーが開催された(主催・バイエル薬品株式会社)。そのなかで、東京大学医学部附属病院 腎疾患総合医療学講座 特任准教授の花房 規男氏は、CKDという概念が提唱された経緯やCKD治療の目的、リンコントロールを介したCKD-MBD(CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常)対策について講演した。CKDの概念とは CKDには糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症などさまざまな疾患があるが、どの疾患においても、腎機能の低下は最終的に共通の経路をとる。そのため、CKDとして共通の対策がとられることになる。また、CKDは末期腎不全や心血管合併症という予後に関連する疾患である。CKDの治療目的はこれら2つのエンドポイントの予防であり、早期の対策が望まれる。 CKDは「わかりやすく」をモットーに提唱された概念であり、大きく分けて3つの条件(尿所見をはじめとする腎疾患に関連する異常、eGFR 60mL/min/1.73m2未満、3ヵ月以上継続)を満たす場合に診断される。従来明らかになっていなかった数多くのCKD患者が存在するため、花房氏は「診療は腎臓専門医だけでは難しく、かかりつけ医による診療が重要」と訴えた。CKD対策には生活習慣関連が多い CKDに対する治療介入のなかには、「生活習慣の改善」「食事指導」「高血圧治療」「糖尿病の治療」「脂質異常症の治療」「骨・ミネラル代謝異常に対する治療」「高尿酸血症に対する治療」といった生活習慣に関連する項目が多い。 近年、生活習慣に起因する腎疾患が増加しており、透析患者の原疾患も糖尿病性腎症が増加している。また、BMIが高い患者は末期腎不全に移行しやすいなど、生活習慣とCKDは深く関わっている。そのため、「生活習慣を最初の段階で改善することがポイントである」と花房氏は指摘した。CKD-MBD(CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常)という新たな概念が提唱される 骨・ミネラルについても腎臓と深く関連している。CKDで生じるミネラル代謝異常は、骨や副甲状腺の異常のみならず、血管の石灰化を介して、生命予後に大きな影響を与えることが認識され、CKD-Mineral and Bone Disorder(CKD-MBD:CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常)という新しい概念が提唱されている。リンの高値が血管の石灰化をもたらし心血管合併症の原因となるため、CKD-MBD対策として、リンをコントロールし、生命予後の改善および末期腎不全への進行を予防することが重要である。リンをコントロールするには CKD患者のリンをコントロールするには、食事中のリンを減らしたり、リン吸着薬で腸からの吸収を減らすことにより、体の中に入ってくるリンを減らすことが重要である。リンはタンパク質を多く含む食物に多いため、タンパク質を制限すればリンも制限されるはずである。しかし、実際には食事制限だけでは十分ではなく、また食事量低下による低栄養のリスクもあるため、必要に応じてリン吸着薬を使用することが有効である。リン吸着薬には、カルシウム含有リン吸着薬(炭酸カルシウム)とカルシウム非含有吸着薬(炭酸ランタン、セベラマー、ビキサロマー)がある。このうち、炭酸カルシウムが以前より使用されているが、花房氏は「持続的なカルシウム負荷は異所性石灰化を生じ、心血管合併症が発症する可能性がある」と指摘し、「保存期の長い過程においては、カルシウム非含有吸着薬が有効なのかもしれない」と述べた。

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