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157)近所の名所を使い療法指導に活かす【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、病院の近くに「油かけ地蔵」ってあるけど、あれは何ですか?医師ああ、あの伏見(西岸寺)にあるお地蔵さんね。あれ、鎌倉時代に作られたそうなんですって。患者へぇ~、鎌倉時代ですか? その由来は?医師由来は、さっぱり売れない山崎の油商人さんが、お地蔵さんの前まで来たところ、転んで商売用の油を流してしまったそうです。患者それは、大変。医師そこで、その商人は油壷に残った油をお地蔵さんにかけたところ、大富豪になったそうです。患者へぇ~、私もコレステロールが下がるように、お地蔵さんにお願いしてみよう。●ポイント油かけ地蔵の話を展開することで、「あぶら」に興味を持ってもらいます

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うつ病や自殺と脂質レベルとの関連

 血清脂質レベルはうつ病や自殺念慮と関連しているといわれているが、これらの正確な関連はよくわかっていない。韓国・カトリック大学校のJihoon Oh氏らは、大規模サンプルにおける脂質レベルと自殺念慮を伴ううつ病との関連を調査した。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年2月6日号の報告。 韓国の全国サンプルより、血清脂質レベルとPHQ-9(Patient Health Questionnaire 9)を用いて測定した軽度うつ病との関連を調査した。第6回韓国国民健康栄養調査(KNHNES VI)に参加した男性2,055人、女性2,894人のデータを使用した。高比重リポタンパクコレステロール(HDL-C)、低比重リポタンパクコレステロール(LDL-C)、トリグリセリド、総コレステロールの血清濃度で二分し、分析にはコンプレックスサンプルのロジスティック回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・うつ病は、成人男性では高HDL-C(40mg/dL以上)、成人女性では高トリグリセリド(150mg/dL以上)と有意な関連が認められた。・中年(45~64歳)では、うつ病の増加(OR:2.20、95%CI:1.26~3.85)および自殺率の増加(OR:3.66、95%CI:1.41~9.51)は、高トリグリセリドと関連していた。・異常な脂質レベルの増加は、女性(OR:1.34、95%CI:1.12~1.60)および中年(OR:1.43、95%CI:1.12~1.82)のうつ病有病率の増加と関連していた。 著者らは「本研究は、断面研究デザインであるため、脂質レベルとうつ病の因果関係を調べることは困難であり、自殺率の評価にはさらなる検証が必要である」としながら、「大規模サンプルデータにおいて、高HDL-C、高トリグリセリドとうつ病との関連が示唆された。トリグリセリドは、若年および中年で自殺率との関連が高かったが、高齢者では異なった。さらなる評価により、民族間での血清脂質レベルと自殺を伴ううつ病との関係を詳細に説明できるであろう」としている。関連医療ニュース 血圧低下は認知症リスクを増加させるか、減少させるか 魚を食べるほどうつ病予防に効果的、は本当か 揚げ物はうつ病の天敵か:日医大

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156)「油を売る」から会話を発展【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、「油を売る」って、どういう意味ですか?医師この言葉は江戸時代に生まれたといわれています。患者へぇ~、江戸時代ですか?医師そうなんです。江戸時代は現代と違って、毎日、お風呂に入って、髪を洗っていたわけではありませんでした。そこで、髪に油を塗る習慣があったそうです。患者へぇ~、髪に油を塗るんですか。医師そうなんです。この髪の油を売る商人が、お客さんを相手に世間話を長々としていたことから「油を売る」という言葉が生まれたとか。患者面白いですね。医師ところで、普段は調理にどんな油を使っていますか?患者油を売るじゃなくて、買うほうですね。えっと、…(調理油に話が展開)。●ポイント「油を売る」という慣用句から調理油の質問へ上手に話を展開します

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スタチンはがん死亡リスクを下げるか~日本のコホート研究

 スタチンのがん発症やがん死亡に対する予防効果については結論が出ていない。今回、山梨大学の横道洋司氏らがバイオバンク・ジャパン・プロジェクトのデータから脂質異常症患者4万1,930例を調査したところ、スタチン単独療法が全死亡およびがん死亡に対して影響し、とくに大腸がんによる死亡に予防効果を示す可能性が示唆された。Journal of Epidemiology誌オンライン版2017年2月11日号に掲載。 本研究では、2003~07年に66病院で登録された脂質異常症患者(40歳以上)を最大12年間観察し、死亡原因を調査した。投与薬剤による死亡率はカプランマイヤー推定法で比較した。全死亡率はスタチンおよび他の薬剤の投与の有無で比較し、がん全体と大腸がんのがん死亡率はスタチン投与の有無で比較した。 主な結果は以下のとおり。・登録された脂質異常症患者は4万1,930例、平均年齢が64~66歳、平均BMIは24~25であった。・スタチン単独療法の患者と生活習慣の改善のみの患者の生存曲線はほぼ同じであった。・有意ではないが、スタチン使用が大腸がん関連死亡を予防する可能性が示された。・陰イオン交換樹脂(レジン)単剤療法における死亡率が最も低かったが、本療法を受けた患者が軽症に偏っている可能性があるため、注意深く解釈する必要がある。

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乾癬とアトピー性皮膚炎、EDリスクとの関連は?

 乾癬は心血管疾患のリスクを高めるが、アトピー性皮膚炎については明確になっていない。一方、冠動脈疾患のリスクマーカーとして、勃起障害(ED)を使用できることは確立されている。そこで、デンマーク・コペンハーゲン大学のAlexander Egeberg氏らは、乾癬、あるいはアトピー性皮膚炎を有する男性におけるEDの罹患率、有病率とリスクを調べた。その結果、乾癬を有する男性においてEDの有病率およびリスクの増加が認められた一方、アトピー性皮膚炎の男性では、EDリスクは一般集団と同等(あるいはわずかに低い程度)であった。Journal of Sexual Medicine誌オンライン版2017年1月18日号掲載の報告。 研究グループは、30歳以上のデンマークの全男性を対象に調査を行った。アトピー性皮膚炎あるいは乾癬を有する場合、全身治療の有無に基づき重症度を判定した。 横断研究として2008年1月1日に、ロジスティック回帰法を用いてEDの有病率およびオッズ比を推定するとともに、コホート研究として2008年1月1日~2012年12月31日まで追跡調査を行い、Cox回帰モデルにより、新規ED発症の補正ハザード比を推定した(年齢、社会経済学的状態、医療サービス消費量、喫煙、アルコール、糖尿病および脂質異常症薬の使用など、潜在的な交絡因子)。なお、新規ED発症とは、ED治療のための薬物療法の開始とした。 主な結果は以下のとおり。・デンマーク人の男性(30~100歳)175万6,679例のうち、アトピー性皮膚炎有病者は2,373例(軽度1,072例、重度1,301例)、乾癬有病者は2万6,536例(軽度2万1,775例、重度4,761例)で、平均年齢(±SD)は一般集団53.0±14.6歳、アトピー性皮膚炎有病者46.7±12.0歳、乾癬有病者56.3±13.8歳であった。・EDの有病率は、一般集団8.7%、アトピー性皮膚炎有病者6.7%、乾癬有病者12.8%であった。・EDの補正オッズ比は、アトピー性皮膚炎有病者で低下したが(0.68、0.57~0.80)、乾癬有病者では増加した(1.15、1.11~1.20)。・重症度別にみた補正オッズ比は、アトピー性皮膚炎有病者で軽度0.63(0.48~0.82)、重度0.72(0.58~0.88)、乾癬有病者で軽度1.16(1.11~1.21)、重度1.13(1.03~1.23)であった。・新規ED発症の補正ハザード比は、アトピー性皮膚炎有病者で0.92(0.76~1.11)、乾癬有病者で1.14(1.08~1.20)であった。・EDリスクは、軽度アトピー性皮膚炎(0.85、0.63~1.14)あるいは重度アトピー性皮膚炎(0.97、0.76~1.24)の男性では増加は認められなかったが、軽度乾癬(1.13、1.09~1.20)および重度乾癬(1.17、1.04~1.32)の男性では顕著な増大がみられた。

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155)魚の効用で患者を引き付ける【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者魚って健康にいいんですか?医師いいですよ。中性脂肪を下げる効果が期待されています。患者魚を食べると、認知症予防になるって聞いたんですが、本当ですか?医師そうですね。…もっといい方法があるんですよ(少し間を置いてから)。患者それは何ですか?(興味津々)医師自分で魚を買いにいくことです。どんな魚を食べようかなと考えながら、買い物することで頭を使うでしょ。患者確かに! 買い物にいくのも運動になりますしね。医師それに、ちょっと凝った魚料理をすることで、さらに頭を使うので認知症予防につながりますよ。患者わかりました。実践してみます(納得した顔)。●ポイント魚を食べるだけでなく、買い物や調理などへの話に展開します1) Eslick GD, et al. Int J Cardiol. 2009;136:4-16.

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154)コレステロールがつくられる場所は?【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者コレステロールって、どこでつくられるんですか?医師コレステロールは肝臓でつくられます。患者なるほど。肝臓でつくられるんですね。医師血液中のコレステロールの濃度は、食事から摂っているのが3割程度です。患者残りの7割は?医師肝臓など身体の中で合成されたり、腸で再吸収されたりしています。「肝心要」ではないですが、肝臓は大事ですね。それに…。患者それに?医師それに、「コレステロールは夜につくられる」といわれています。患者なるほど。夜遅い食事には気を付けます(納得した顔)。●ポイントコレステロールが肝臓で、夜につくられることをわかりやすく説明します

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153)コレステロールの働きを簡単に説明する【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者コレステロールと中性脂肪は、同じものですか?医師同じように思えますけど、ちょっと違うんです。中性脂肪がエネルギー源なのに対して、コレステロールや細胞は、ホルモンの材料になるんです。患者なるほど。ホルモンって、ホルモン料理のホルモンですか?医師関西ではモツは食べずに捨てるもの「放るもん」なんていって、ホルモンの語源とする説もありますね。この場合はそれとは違って、ステロイドや女性ホルモンのことで、ギリシャ語の「ホルマオ(刺激する、呼び覚ます)」が語源です。患者なるほど。女性ホルモンのホルモンですか…。医師そうです。そのため、女性は更年期を迎えると、女性ホルモンの材料が必要なくなり、コレステロールの値が高くなっていきます。患者なるほど。だから、閉経した後にコレステロール値が高くなってきたんですね(納得した顔)。●ポイントコレステロールの働きとともに、女性では更年期以降にコレステロール値が上昇する仕組みをわかりやすく説明します

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エボロクマブ FOURIER試験のエンドポイント達成か

 アムジェン社(THOUSAND OAKS, カリフォルニア)は2017年2月2日、アテローム硬化性心血管疾患(ASCVD)に対するエボロクマブ(商品名:レパーサ)のイベントリスク抑制を評価するFOURIER(Further Cardiovascular OUtcomes Research with PCSK9 Inhibition in Subjects with Elevated Risk)試験において、複合主要評価項目(心血管死、非致死心筋梗塞、非致死的脳卒中、不安定狭心症または冠動脈再建術の入院)および副次的評価項目(心血管死、非致死心筋梗塞または非致死的脳卒中)を達成し、新たな安全性の問題も認められなかった、と発表した。 また、FOURIER試験の被験者で行われた認知機能試験EBBINGHAUSにおいても、その主要評価項目を達成し、エボロクマブの認知機能への影響について、プラセボに対する非劣性を証明したことも明らかにした。 この2試験の結果は、2017年3月17日からワシントンD.C.で行われる第66回米国心臓病学会(ACC)学術集会で発表される(FOURIER試験は、3月17日のLate Breaking Clinical Trialセッション、EBBINGHAUS試験は、3月18日の Late Breaking Clinical Trialセッション)。 昨年(2016年)の米国心臓学会議(AHA)で発表されたGLAGOV試験では、最適なスタチン療法でLDLが適正値に保たれた患者における、エボロクマブのアテローム抑制効果を証明した。このFOURIER試験では、心筋梗塞に加え、虚血性脳卒中、症候性末梢動脈疾患といった、より重症な患者が含まれている。この実臨床に近い多様な対象に対してエボロクマブの心血管イベントリスク抑制を示した、同試験の詳細な発表が待たれる。 アムジェン社(米国)のニュースリリースはこちら

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152)中性脂肪の働きを簡単に説明する【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者コレステロールと中性脂肪は同じものですか?医師確かに、両方ともあぶらなので同じように思えますね。けれど、その働きは違うんです。患者えっ、どう違うんですか?医師中性脂肪はエネルギー源です。ですから、使われないと肝臓や身体に溜まってしまいます。患者肝臓や身体に溜まる?医師そうです。肝臓に溜まると脂肪肝、身体に溜まると体脂肪になります。患者なるほど。運動して、エネルギーを使わないといけないわけですね(気付きの言葉)。●ポイント中性脂肪がエネルギー源であることを説明し、使われないと肝臓や身体に溜まることを説明します

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151)毎日の果物摂取の適量を簡単に測る【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師将来の健康のことを考えると果物は、毎日、食べておきたいですね。患者量はどのくらい食べたらいいですか?医師ちょっとこぶしを握ってみてください。患者こうですか?(握りこぶしをつくる)医師そうです。このくらいの大きさの果物が目安になります。患者なるほど。大きな握りこぶしの人は、たくさん食べることができますね。医師ハハハ。確かに、そうですね。1日に200gを目安に、食べる習慣をつけてみてください。患者ミカンなら2個くらい。リンゴなら半分ですね。よくわかりました(納得した顔)。●ポイント果物の適切な摂取量を、身近なものを目安に具体的に説明します1) Li M, Fan Y, et al. BMJ Open. 2014;4:e005497.

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降圧や脂質低下治療の無作為化試験での効果、その後どうなる?

 降圧治療および脂質低下治療において、治療中止後も長期的ベネフィットが持続することが示唆されている。今回、シドニー大学の平川 洋一郎氏らが大規模無作為化試験の系統的レビューを行ったところ、全死亡率および心血管系死亡率における降圧および脂質低下によるベネフィットは、試験後も持続しているものの減衰が認められ、治療を継続することの重要性が示された。Journal of hypertension誌オンライン版2017年1月5日号に掲載。 著者らは、降圧治療または脂質低下治療の大規模無作為化比較試験で、終了後に1年以上フォローアップされた試験を、Medline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsを系統的に検索した。降圧治療では13試験(48,892例)、脂質降下治療では10試験(71,370例)を同定した。試験およびフォローアップ期間の平均は、それぞれ約4年と6年であった。 主な結果は以下のとおり。・血圧および脂質の値は、試験後の期間にすぐに同じになる傾向があった。・試験期間中は、降圧による全死亡率への有意なベネフィットがあり(相対リスク:0.85、95%信頼区間:0.81~0.89)、フォローアップ期間中も減衰はしたが有意なベネフィットがあった(0.91、0.87~0.94) 。・同様に、スタチンによる脂質低下は、試験期間中に全死亡率リスクを減少させ(0.88、0.81~0.95)、この効果はフォローアップ期間中も持続した(0.92、0.87~0.97)。・心血管系死亡率についても同様の結果が認められた。・降圧治療試験での全死亡率の累積した低下をみると、フォローアップ期間が5年未満の試験と比べて5年以上の試験で有意に低く、脂質低下試験でも同様の傾向が認められた。

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150)名画『モナ・リザ』に描かれた病気【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師この絵をちょっと見てもらえますか?患者ダ・ヴィンチの傑作『モナ・リザ』ですね。医師そうですね、この絵をよく見てください。患者あっ、私と一緒で左目の横に何かある!医師そうです。これがコレステロールの塊で、専門用語で「眼瞼黄色腫」といいます。患者へぇー、そうなんですね。医師それと、目をよく見てください。きらりと光る輪が見えるかもしれません。これが「角膜輪」です。モナ・リザは、コレステロール値が高かったのではないかと推測している人もいます。患者そうなんですか。面白いですね(興味津々)。●ポイント『モナ・リザ』を題材に、眼瞼黄色腫や角膜輪についてわかりやすく説明します●参考資料1)Ose L. Curr Cardiol Rev. 2008;4:60-62.

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日本人統合失調症、外来と入院でメタボ率が高いのは:新潟大

 統合失調症患者は、一般よりも平均余命が有意に短く、肥満やメタボリックシンドロームにつながる可能性のある不健全な生活習慣の問題にしばしば直面する。統合失調症患者におけるメタボリックシンドロームの構成要素である肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病の有病率を明確にする必要があるが、日本における大規模調査は不十分であったことから、新潟大学の須貝 拓朗氏らが調査を行った。PLOS ONE誌2016年11月17日号の報告。 2012年1月~2013年7月に、日本精神病院協会の外来520施設、入院247施設を対象に、アンケートを用いて、肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病の有病率を大規模に調査した。統合失調症の外来患者は7,655例、入院患者は1万5,461例であった。 主な結果は以下のとおり。・外来患者は、入院患者と比較し、肥満、高血圧、高トリグリセリド血症、高LDLコレステロール血症、糖尿病の有病率が有意に高かった。・低HDLコレステロール血症の有病率は、外来患者よりも入院患者で高かった。・年齢別分析では、外来患者の肥満、高血圧、高トリグリセリド血症、高LDLコレステロール血症、糖尿病の罹患率が、入院患者の2~3倍であることが示唆された。・60歳以上の患者では、外来患者の肥満および糖尿病の有病率が、入院患者の約3倍であった。 著者らは「日本人統合失調症の外来患者は、入院患者よりも肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの身体的リスクを有する可能性が高かった。統合失調症患者の身体的リスクは、ケアの種類などの環境パラメータにより影響を受ける可能性があり、より注意する必要がある」としている。関連医療ニュース 日本人統合失調症患者のMets有病率を調査:新潟大学 どのような精神疾患患者でメタボリスクが高いのか 非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か

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飽和脂肪酸の多量摂取、冠動脈性心疾患リスクを増大/BMJ

 主要な飽和脂肪酸(SFA)の多量摂取は、冠動脈性心疾患リスクを増大することが、大規模コホート試験で確認された。また、摂取SFAのうち大半を占めるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸の摂取エネルギーを、不飽和脂肪酸や植物性タンパク質などに置き換えると、同発症リスクは有意に低下し、なかでもパルミチン酸の置き換え低減効果が大きいことも示された。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のGeng Zong氏らが、医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study)と看護師健康調査(Nurses’ Health Study)の男女2つの大規模コホートについて分析し明らかにしたもので、これまで大規模コホート試験で、個別の飽和脂肪酸と冠動脈性心疾患の関連を示した研究結果はほとんどなかったという。BMJ誌2016年11月23日号掲載の報告。 米国男女大規模コホート2試験で検証 研究グループは、1984~2012年の看護師健康調査に参加した女性7万3,147例と、1986~2010年の医療従事者追跡調査に参加した男性4万2,635例の2つのコホートについて、前向き縦断コホート試験を行った。被験者は、ベースラインで主な慢性疾患が認められない人とした。 被験者のうち、追跡期間中に冠動脈性心疾患の診断を受けたことを自主申告した7,035例について、診療記録で確認をした。また、関連死については、全米死亡記録(NDI)や近親者、郵便局から裏付けをとった。 4種の飽和脂肪酸摂取量のCHDリスク、最高五分位群 vs.最小五分位群は1.18倍 飽和脂肪酸が追跡期間中の総エネルギー摂取量に占める割合は、9.0~11.3%で、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸の4種がその大部分を占めた。これら4種の飽和脂肪酸は、冠動脈性心疾患の発症と強い相関関係があり、スピアマンの順位相関係数は0.38~0.93(すべてp<0.001)だった。 生活習慣要因と総エネルギー摂取量について多変量補正後、それぞれの飽和脂肪酸の摂取量の最高五分位群 vs.最小五分位群のハザード比は、ラウリン酸が1.07(95%信頼区間[CI]:0.99~1.15、傾向p=0.05)、ミリスチン酸が1.13(1.05~1.22、傾向p<0.001)、パルミチン酸が1.18(1.09~1.27、傾向p<0.001)、ステアリン酸が1.18(1.09~1.28、傾向p<0.001)、4種複合飽和脂肪酸で1.18(同:1.09~1.28、傾向p<0.001)だった。 4種の飽和脂肪酸から摂取するエネルギーの1%相当分を、多価不飽和脂肪に置き換えることで、同ハザード比は0.92(p<0.001)に、また1価不飽和脂肪酸に置き換えると0.95(p=0.08)、全粒炭水化物では0.94(p<0.001)、植物性タンパク質では0.93(p=0.001)とリスクは減少することが示された。また、単体ではパルミチン酸を置き換えることによるリスク低下が最も大きく、ハザード比は多価不飽和脂肪に置き換えると0.88(p=0.002)、1価不飽和脂肪酸0.92(p=0.10)、全粒炭水化物0.90(p=0.01)、植物性タンパク質0.89(p=0.01)だった。

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毎食後の歯磨きで糖尿病と脂質異常症リスクが減少

 歯磨き頻度と生活習慣病の関連について調査したところ、毎食後の歯磨きが男性での糖尿病と女性での脂質異常症の発症を有意に抑制することがわかった。聖路加国際病院における5年間の後ろ向きコホート研究の結果を、虎の門病院の桑原 政成氏らが報告した。歯磨きは心血管疾患発症の危険因子を減少させるために有益と考えられる。Journal of cardiology誌オンライン版2016年11月15日号に掲載。 著者らは以前、横断研究で歯磨きと糖尿病と脂質異常症の関連を報告しているが、今回、歯磨き頻度の低さが糖尿病および脂質異常症の独立した危険因子であるかどうかを検討した。 本研究は、2004年と2009年に年次健康診断を受け、2004年時点で30~85歳の人を調査した。歯磨きの頻度が「毎食後」「少なくとも1日1回」「1日1回未満」の3群における2004年から2009年の糖尿病、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症の累積発症率を比較した。さらに、「毎食後磨く」群と「毎食後は磨かない」群の2群間で、年齢、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症の調整後に、糖尿病と脂質異常症の発症リスクの男女別のオッズ比(OR)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・1万3,070人の対象者のうち、2004年に糖尿病(575人)、脂質異常症(5,118人)、高血圧症(2,599人)、高尿酸血症(1,908人)であった人を除外した。・2004年と2009年の間の累積発症率は、糖尿病が318人(2.5%)、脂質異常症が1,454人(18.3%)、高血圧症が1,108人(10.6%)、高尿酸血症が489人(4.4%)であった。・「毎食後磨く」群に比べて、「毎食後は磨かない」群では男性の糖尿病発症(OR:1.43、95%信頼区間[CI]:1.040~1.970)、女性の脂質異常症発症(OR:1.18、95%CI:1.004~1.383)のリスクが有意に高かった。

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家族性高コレステロール血症、親子への検診は有効か/NEJM

 プライマリケア診療での定期予防接種時に、親子に家族性高コレステロール血症(FH)のスクリーニングを実施することは可能であり、有効であることが、英国・ロンドン大学クィーンメアリー校のDavid S Wald氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2016年10月27日号に掲載された。遺伝性の若年性心血管疾患の高リスク者を同定するために、親子へのFHのスクリーニングが提唱されているが、有効性に関するデータは少ないという。約1万人の子で、親子スクリーニングの実行可能性を検証 研究グループは、プライマリケア診療における親子へのFHのスクリーニングの有効性と実行可能性を検討した(英国医学研究協議会[MRC]の助成による)。 定期予防接種の受診時に、1~2歳児の末梢血検体を採取し、コレステロール値の測定とFHの発症に関連する遺伝子変異の検査を行った。 子は、コレステロール値が高く、かつFHの遺伝子変異を認めるか、あるいは3ヵ月後の再測定でもコレステロール値が高い場合に、FHスクリーニングが陽性と判定された。 スクリーニング陽性の子の親は、子と同じ遺伝子変異が同定された場合にスクリーニング陽性と判定され、変異がみられない場合は、両親のうちコレステロール値が高い親が陽性と判定された。 コレステロール値のカットオフ値は、メタ解析のデータに基づき事前に、中央値の倍数(MoM)で1.53MoM(99.2パーセンタイルに相当)と規定された。 2012年3月~2015年3月に、英国の92のプライマリケア施設に登録された子1万95人が解析の対象となった。子1,000人のスクリーニングで8人(子4人、親4人)が陽性 ベースラインの子の年齢中央値は12.7ヵ月(IQR:12.4~13.3)、男児が52%で、総コレステロール(T-C)値は152mg/dL、LDL-C値は85mg/dL、HDL-C値は36mg/dL、トリグリセライド値は59mg/dLであった(いずもれも中央値)。両親の年齢中央値は、母親が31歳(IQR:27~35)、父親は34歳(同:30~38)だった。 FHスクリーニング陽性と判定された子は28人(1万95人の0.3%、95%信頼区間[CI]:0.2~0.4)であった。このうち、FHの遺伝子変異の保因者が20人、再測定コレステロール値≧1.53MoMは8人であった。 コレステロール値<1.53MoMの子17人にも、FHの遺伝子変異がみられた。全体の遺伝子変異の保因率は子273人に1人(37/10,095人、95%CI:1/198~1/388人)の割合であった。 初回測定時のコレステロール値のカットオフ値を1.35MoM(95パーセンタイル)とし、かつ遺伝子変異が認められる場合、あるいは測定値が2回とも1.50MoM(99パーセンタイル)以上の場合にスクリーニング陽性とすると、陽性と判定された子は40人(1万95人の0.4%、このうちFHの遺伝子変異ありが32人、なしは8人)であり、親も40人が陽性であった。 著者は、「子1,000人当たり8人(子4人、親4人)の割合で、家族性高コレステロール血症スクリーニングが陽性であり、それゆえ心血管疾患のリスクが高い者が同定された」とまとめ、「家族性高コレステロール血症は、単独の疾患というよりも、早期の心血管疾患リスクの上昇を示すマーカーとみなすほうがよいことが示唆される」と指摘している。

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LDL-C低下に関与する遺伝子変異は2型糖尿病のリスク増加と関連(解説:小川 大輔 氏)-606

 脂質異常症の治療としてスタチン薬が動脈硬化性疾患の予防のために用いられることが多いが、これまでにスタチン薬の使用は体重増加や2型糖尿病の新規発症と関連することが報告されている1)。一方、LDLコレステロールトランスポーターNiemann-Pick C1-Like 1(NPC1L1)の阻害薬であるエゼチミブの糖代謝に対する影響については不明である。今回、LDLコレステロールの低下に関与するNPC1L1遺伝子の変異と2型糖尿病の発症リスク増加との関連が報告された。 この研究は、1991年から2016年にかけて欧州および米国で実施された3つの遺伝子関連研究からデータを収集し、2型糖尿病患者5万775例とその対照群27万269例、冠動脈疾患患者6万801例とその対照群12万3,504例が組み込まれた。そして、LDLコレステロール低下に関連する遺伝子変異と2型糖尿病、冠動脈疾患との関連をメタ解析で検討が行われた。 その結果、NPC1L1遺伝子変異は2型糖尿病と正の相関を示し、冠動脈疾患とは逆相関を示した(LDLコレステロール 1mmol/L[38.7mg/dL]低下当たりのオッズ比はそれぞれ2.42[p<0.001]、0.61[p=0.008])。 また、NPC1L1以外のLDLコレステロール低下と関連するHMGCR、PCSK9、ABCG5/G8、LDLR近傍の対立遺伝子と2型糖尿病や冠動脈疾患についても検討が行われたが、HMGCRおよびPCSK9遺伝子変異は2型糖尿病と正の相関を示した(LDLコレステロール 1mmol/L[38.7mg/dL]低下当たりのオッズ比はそれぞれ1.39[p=0.003])、1.19[p=0.03])。 NPC1L1遺伝子の変異を有する症例は、心血管疾患のリスクが低いことが知られていたが2)、これまで糖尿病の発症リスクとの関連については報告がなかった。今回の研究で初めて、NPC1L1遺伝子変異が2型糖尿病のリスク増加と関連していることが明らかとなった。さらに、LDLコレステロールの低下に関与するHMGCR、PCSK9の遺伝子変異よりもオッズ比が高いことも示された。 エゼチミブは脂質異常症の治療薬として実臨床で使われており、スタチン薬とエゼチミブの併用療法は糖尿病を合併した脂質異常症の心血管イベントを抑制することが報告されている3)。 糖尿病のない脂質異常症の症例に投与してどの程度2型糖尿病の発症が増加するのか、また、すでに糖尿病のある脂質異常症の症例にエゼチミブを投与して血糖コントロールに悪影響を及ぼすかどうかについてはまだ明らかにされておらず、今後の研究が待たれる。

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関節症性乾癬の診療で大切なのはコラボ

 10月29日の「世界乾癬デー」を前に、日本乾癬学会、日本乾癬患者連合会ならびに製薬企業7社は合同で、「皮膚症状と関節症状を併せ持つ疾患『関節症性乾癬』」と題するメディアセミナーを都内で開催した。セミナーでは、皮膚科専門医、リウマチ科専門医、患者の3つの視点から本症の診療概要や現在の課題などが講演された。診断に有効な武器がない関節症性乾癬 はじめに皮膚科専門医の視点から奥山隆平氏(信州大学医学部皮膚科学教室 教授)が「関節症性乾癬とはどのような疾患か」と題し、早期診療の重要性と生物学的製剤の可能性について講演を行った。 乾癬は、全身に皮疹が散在する慢性的かつ難治性の皮膚疾患であり、わが国の乾癬患者は約56万人と推定されている。治療では、ファーストラインに外用療法が、セカンドラインでは紫外線療法が行われ、治療薬としてエトレチナート、シクロスポリン、メトトレキサート(保険適用外)、生物学的製剤などが処方される。 なかでも今回のテーマである関節症性乾癬は、乾癬に関節炎が足された病型として知られ、乾癬患者の中でも年々患者数が増えている疾患である。その発症パターンの多くは発疹が先行し、10年近く経過した後に関節炎症状が表れる1)など、罹病期間も長いという。 問題となるのは、現在、本症には診断に有用なバイオマーカーがないため、早期診断が難しいことである。また、患者さんも関節痛の診療の際、皮膚科ではなく、整形外科やリウマチ科を受診するために、疾患の本態がわからないまま診療が続けられ、治療の開始が遅れることであるという。 本症では、指が好発部位であり、また、脊柱が侵害されることもあり、早期診療が重要だが、病態初期はX線では発見できない。骨シンチグラフィーなどが有用とされているが、検査できる医療機関が限られているためになかなか普及しないのが現状である。 治療では生物学的製剤が、2010年から使えるようになり効果を上げているが、副作用とのバランスを見極めながらの治療が必要であり、再発もしやすいという。 おわりに奥山氏は、「今後、さらにリウマチ科や整形外科の先生に本症を知ってもらうことで、速やかな診療ができる体制の構築と乾癬患者さんへは、あらかじめ本症の特徴や病態を伝えておくことで、すぐに専門医へ診療がつながるような仕組みづくりが大事」と課題を提起し、レクチャーを終えた。関節症性乾癬の診断は他診療科とのコラボが大事 続いて、岸本暢将氏(聖路加国際病院リウマチ膠原病センター 医長)が、「リウマチ医から見たPsA(関節症性乾癬)」をテーマに、他診療科間での連携の重要性と本症の治療を解説した。 関節症性乾癬は、特徴的な所見をリウマチ専門医だけでみつけ、鑑別することは容易ではない。だからこそ、皮膚科専門医とのコラボレーションが重要であり、乾癬患者さんが痛みを訴える場合、リウマチ専門医の診療を受診することは大事だと強調する。 大都市における本症の患者数調査では、乾癬患者全体(n=3,021)の約15%(n=431)に患者が報告され2)、男性に多く、本症の患者さんの多くは皮膚科に通院し、関節痛があっても医師に伝えていないケースも多いという。 本症と関節リウマチとの鑑別診断では、足のかかとや足の裏にケブネル現象がないか、爪に炎症所見がないかの観察とともにCASPAR分類基準3)による診断が行われる。また、関節リウマチでは骨破壊だけが観察されるが、本症では骨新生もある点が鑑別で役に立つという。その他、鑑別疾患として、変形性関節症、肥満者であれば関節破壊や痛風も考えられるほか、感染症ではクラジミア、梅毒などにも注意が必要になる。 治療では、GRAPPA治療推奨4)が使われているが、MDA(中疾患活動性)基準5)も併用されている。最近では、2015年にGRAPPA治療推奨の最新版が提唱された6)。 たとえば末梢関節炎であれば、NSAIDsおよびステロイド関節内注射と併行して第1フェーズでは免疫調整薬(メトトレキサート、スルファサラジンなど)、生物学的製剤TNF阻害薬、PDE-4阻害薬(未承認薬)が推奨され、第2フェーズで生物学的製剤TNF阻害薬、IL-17阻害薬、IL-12/23阻害薬またはPDE-4阻害薬が推奨され、第3フェーズでは別の生物学的製剤への変更が推奨されているなど、体軸関節炎、腱付着部炎など病変に応じて、異なった治療推奨がなされている。 また、本症の治療戦略としては治療薬の他に、減量・運動・禁煙などの生活指導、整形外科と連携した身体器具の装着、関節へのピンポイント注射治療のほか、高脂血症、脂肪肝、うつ、線維筋痛症など併発症の治療も重要となる。 最後に岸本氏は「他科連携による的確な診断とタイミングのよい治療が患者さんの機能障害を防ぐ」と述べ、レクチャーを終えた。もっと知って欲しい関節症性乾癬 続いて30年以上乾癬に悩む患者さんが、患者視点から本症の悩みや課題を述べた。当初、乾癬の確定診断がつかず、身体的、精神的につらい時期を送ったこと。その後、本症が発症し、ベストな治療が受けられなかったときに、生物学的製剤の治療のおかげで関節の痛みが軽減、皮膚症状も落ち着いたことなどを述べた。 最後に目前の課題として、「本症では介護保険が使えないことや指定難病への未登録があり、今後も患者会などを通じ、厚生労働省へ働きかけていきたい」と展望を語った。(ケアネット 稲川 進)参考文献 1) Gottlieb AB, et al. J Dermatolog Treat. 2006;17:343-352. 2) Ohara Y, et al. J Rheumatol. 2015;42:1439-1442. 3) Taylor W, et al. Arthritis Rheum. 2006;54:2665-2673. 4) Ritchlin CT, et al. Ann Rheum Dis. 2009;68:1387-1394. 5) Coates LC, et al. Ann Rheum Dis. 2010;69:48-53. 6) Coates LC, et al. Arthritis Rheumatol. 2016;68:1060-1071.参考サイト 日本乾癬学会 日本乾癬学患者連合会

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LDL-C低下に関与する遺伝子変異、糖尿病リスクと関連/JAMA

 NPC1L1など低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)の低下に関与する遺伝子変異が、2型糖尿病のリスク増加と関連していることが確認された。英国・ケンブリッジ大学のLuca A. Lotta氏らが、脂質低下薬の標的分子であるNPC1L1などの遺伝子変異と、2型糖尿病や冠動脈疾患との関連性を評価するメタ解析を行い報告した。著者は、「所見は、LDL-C低下療法による有害な影響の可能性について洞察を促すものである」と結論している。エゼチミブおよびスタチンの標的分子であるNPC1L1やHMGCR近傍の対立遺伝子はLDL-C低下と関連しており、これら脂質低下薬の有効性の検討で代理指標として用いられている。一方で、臨床試験においてスタチン治療による糖尿病新規発症の頻度増加が示されており、HMGCR近傍の対立遺伝子は2型糖尿病のリスク増加とも関連していることが知られていた。しかし、NPC1L1近傍の対立遺伝子と2型糖尿病との関連は不明であった。JAMA誌2016年10月4日号掲載の報告。LDL-C低下に関与する5つの遺伝子変異についてメタ解析で検討 研究グループは、1991~2016年に欧州および米国で実施された3つの遺伝子関連研究、European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition(EPIC-InterAct試験)、UK Biobank試験、DIAbetes Genetics Replication And Meta-analysis(DIAGRAM)からデータを収集し、LDL-C低下に関連する遺伝子変異と、2型糖尿病および冠動脈疾患との関連をメタ解析で調査した。解析には、2型糖尿病患者5万775例とその対照群27万269例、冠動脈疾患患者6万801例とその対照群12万3,504例が組み込まれた。 主要評価項目は、LDL-C低下と関連するNPC1L1、HMGCR、PCSK9、ABCG5/G8、LDLR近傍の対立遺伝子による2型糖尿病および冠動脈疾患に関するオッズ比(OR)であった。NPC1L1遺伝子変異は2型糖尿病と関連あり LDL-C低下に関連するNPC1L1遺伝子変異は、冠動脈疾患と逆相関を示した(遺伝子学的に予測されるLDL-C 1-mmol/L[38.7mg/dL]低下当たりのOR:0.61、95%信頼区間[CI]:0.42~0.88、p=0.008)。一方、2型糖尿病とは正の相関を示した(同OR:2.42、1.70~3.43、p<0.001)。 全体として、LDL-C低下に関連する遺伝子変異は、冠動脈疾患リスクについては、いずれも同程度の減少がみられた(遺伝的関連の異質性I2=0%、p=0.93)。しかしながら、2型糖尿病との関連はばらつきがみられ(I2=77.2%、p=0.002)、LDL-C低下の代謝リスクに関連する特異的な対立遺伝子の存在が示唆された。 PCSK9遺伝子変異の場合、2型糖尿病に関する同ORは1.19であった(95%CI:1.02~1.38、p=0.03)。

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