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マイボーム腺機能不全とドライアイの類似・相違点が明らかに

 マイボーム腺機能不全(MGD)はドライアイ(DE)と症状が類似しており、鑑別が難しい疾患とされる。日本でMGDの啓発に取り組むLIME(Lid and meibomian gland working group)研究会が、同一集団で両疾患を比較した初の住民ベース断面調査を実施。MGDとDEの類似性と相違性を明らかにした。同研究会代表世話人であり伊藤医院副院長の有田 玲子氏らによる報告は、American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2019年3月6日号で発表された。 研究グループは、日本人のMGDとDEにおける有病率とリスク因子、および関連性を調べ、類似性と相違性を比較・分析した。 長崎県平戸市度島で行われた「平戸study」では、住民628人のうち6歳以上の616例を適格対象とした。 参加者には、眼症状、全身性疾患、ライフスタイルに関する因子について質問票に回答してもらい、MGD関連パラメータと涙膜関連パラメータを評価。また、MGDとDEのリスク因子を、単変量・多変量ロジスティック回帰法にて解析した。MGDとDEの年齢別有病率をgeneral additive model with degree-3 natural splinesを用いて算出し、MGDとDEの構造的関連性を主成分分析とプロマックス回転による因子解析によって評価した。 主な結果は以下のとおり。・度島住民356例(男性133例、女性223例)が登録された(平均年齢±SDは55.5±22.4歳[範囲:6~96歳])。・MGDの有病率は32.9%、DEは33.4%であり、併存率は12.9%であった。・MGD有病率は、男性(オッズ比[OR]:2.42)、年齢(10歳増ごとのOR:1.53)、脂質異常症治療薬の経口摂取(OR:3.22)と関連していた。・DEの有病率は、女性(OR:3.36)、コンタクトレンズの装着(OR:2.84)、結膜弛緩症(OR:2.57)、眼瞼炎(OR:3.16)と関連していた。・MGDとDEの年齢別有病率は、異なっていた。・16のパラメータの因子解析で、MGDとDEは独立因子を有していることが示唆された(因子間の交互作用:-0.017)。・MGDとDEは、症状は類似しているが発症メカニズムは異なっていた。

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第19回 スタチンに片頭痛の予防効果はあるか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 スタチン系薬はコレステロールを降下させるための薬であることは言うまでもありませんが、片頭痛の予防にも有効なのではないかという説があります。脂質異常症も片頭痛も有病率が高いため、意図して、もしくは意図せずコレステロール値の高い片頭痛患者さんにスタチンが処方されていることもあるのではないかと思います。慢性頭痛の診療ガイドライン2013には、片頭痛発作が月に2回以上あるいは6日以上ある場合は片頭痛の予防療法を検討するという記載があり、第1選択薬としてバルプロ酸やトピラマートなどの抗てんかん薬、プロプラノロールやメトプロロールなどのβ遮断薬、アミトリプチリンなどの抗うつ薬が推奨されています(保険適用外含む)。予防療法の効果判定には少なくとも2ヵ月を要し、有害事象がなければ3〜6ヵ月継続し、コントロールが良好になれば薬を漸減・中止するというのがガイドラインの推奨です。私が調査した限りにおいては、現時点で日米英のガイドラインにスタチンについて特段の言及はありません。実際のところ、スタチンは片頭痛に有用なのでしょうか? 片頭痛が月6回以上生じる女性を対象に、プロプラノロール60mg群またはシンバスタチン20mg群に割り付け、比較したオープンラベルの試験では、いずれの群においても有効性が示されています。プラセボ効果が寄与した可能性も考慮しなければなりませんが、50%の頭痛発作減少のアウトカムを達成したのはプロプラノロール群で88%、シンバスタチン群で83%といずれも高率でした1)。またアトルバスタチンとプロプラノロールのランダム化比較試験でも、反復性片頭痛の予防効果は同等でした2)。二重盲検ランダム化比較試験もありますので紹介します。月に4日以上、反復性片頭痛がある成人患者57例をシンバスタチン20mg1日2回+ビタミンD3(コレカルシフェロール)1000IU群(実薬群)またはプラセボ群に割り付け、24週間フォローアップした研究です3)。なお、ビタミンDが併用されているのは、血漿中ビタミンD濃度が高いほうが、重度頭痛または片頭痛発作の発生が少ないという報告があるためです4)。この試験では、プライマリアウトカムとして、1ヵ月間に片頭痛を認めた日数のベースラインからの変化を観察しています。実薬群では、服用12週時点では8例(25%)で50%の頭痛発作減少のアウトカムが達成され、24週時点では9例(29%)で同様の結果が得られています。対して、プラセボ群ではそれぞれ1名(3%)のみでした。なお、以前から用いている片頭痛予防薬の使用は制限しておらず、有意差はなかったものの実薬群で予防薬の使用が多い傾向にあるので解釈に注意が必要です。また、24週以降は検討外であることから、長期的効果については判断できません。当初予定したサンプルサイズを下回る症例数で試験されていますが、実際の試験どおり介入群28例、プラセボ群29例の事後分析で85%の検出力(α=5%)ですので、症例数が増えればより確かなことが言えそうです。スタチンの抗酸化作用や抗炎症作用が片頭痛に影響かスタチンで頭痛が改善しうる理由の仮説として、スタチンのプレイオトロピック効果が挙げられています。スタチンには本来の脂質低下作用とは別に、抗酸化作用、血管内皮機能改善、血小板凝集抑制、血管の緊張や炎症の抑制など多面的な作用があるのではないかと考えられており、それがなんらかの形で片頭痛発作の減少に寄与したのかもしれないというものです。私が調査した限りにおいては、スタチンの種類によって効果が異なるのか、十分な根拠は見つけることができませんでした。いずれにしても、ビタミンD欠乏症だと片頭痛頻度が多いという説もありますから5)、まず十分な血清ビタミンD濃度が確保されているか確認することも大切です。あくまでもスタチンは片頭痛への効果を期待して処方されるものではありませんが、片頭痛の頻度に影響があるかもしれないということを知っていると、服薬指導で役に立つかもしれません。1)Medeiros FL, et al. Headache. 2007;47:855-856.2)Marfil-Rivera A, et al. Neurology. 2016;86:P2.2163)Buettner C, et al. Ann Neurol. 2015;78:970-981.4)Buettner C, et al. Cephalalgia. 2015;35:757-766.5)Song TJ, et al. J Clin Neurol. 2018;14:366-373.

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日本人の食事摂取基準2020年版、フレイルが追加/厚労省

 2019年3月22日、厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の報告書とりまとめを了承した。昨年4月より策定検討会にて議論が重ねられた今回の食事摂取基準は、2020年~2024年までの使用が予定されている。策定検討会の構成員には、日本糖尿病学会の理事を務める宇都宮 一典氏や日本腎臓学会理事長の柏原 直樹氏らが含まれている。日本人の食事摂取基準(2020年版)の主な改定ポイントは? 日本人の食事摂取基準(2020年版)の改定では、2015年版をベースとしつつ、『社会生活を営むために必要な機能の維持および向上』を策定方針とし、これまでの生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病)の重症化予防に加え、高齢者の低栄養・フレイル防止を視野に入れて検討がなされた。主な改定点として、・高齢者を65~74歳、75歳以上の2つに区分・生活習慣病における発症予防の観点からナトリウムの目標量引き下げ・重症化予防を目的としてナトリウム量やコレステロール量を新たに記載・フレイル予防の観点から高齢者のタンパク質の目標量を見直しなどが挙げられる。日本人の食事摂取基準(2020年版)、まずは総論を読むべし 報告書やガイドラインなどを活用する際には、まず、総論にしっかり目を通してから、各論や数値を理解することが求められる。しかし、メディアなどは総論を理解しないまま数値のみを抜粋して取り上げ、問題となることがしばしばあるという。これに対し、策定検討会のメンバーらは「各分野のポイントが総論だけに記載されていると、それが読まれずに数値のみが独り歩きし、歪んだ情報が流布されるのではないか」と懸念。これを受け、日本人の食事摂取基準(2020年版)の総論には、“同じ指標であっても、栄養素の間でその設定方法および活用方法が異なる場合があるので注意を要する”と記載し、総論以外にも各項目の目標量などがどのように概算されたのかがわかるように『各論』を設ける。メンバーらは「各指標の定義や注意点はすべて総論で述べられているため、これらを熟知したうえで各論を理解し、活用することが重要である」と、活用方法を強調した。 以下に日本人の食事摂取基準(2020年版)の各論で取り上げられる具体的な内容を抜粋する。タンパク質:高齢者におけるフレイルの発症予防を目的とした量を算定することは難しいため、少なくとも推奨量以上とし、高齢者については摂取実態とタンパク質の栄養素としての重要性を鑑みて、ほかの年齢区分よりも引き上げた。また、耐容上限量は、最も関連が深いと考えられる腎機能への影響を考慮すべきではあるが、基準を設定し得る明確な根拠となる報告が十分ではないことから、設定しなかった。脂質:コレステロールは、体内でも合成される。そのために目標量を設定することは難しいが、脂質異常症および循環器疾患予防の観点から過剰摂取とならないように算定が必要である。一方、脂質異常症の重症化予防の目的からは、200mg/日未満に留めることが望ましい。炭水化物:炭水化物の目標量は、炭水化物(とくに糖質)がエネルギー源として重要な役割を担っていることから、アルコールを含む合計量として、タンパク質および脂質の残余として目標量(範囲)を設定した。ただし、食物繊維の摂取量が少なくならないように、炭水化物の質に留意が必要である。脂溶性ビタミン:ビタミンDは、多くの日本人で欠乏または不足している可能性があるが、摂取量の日間変動が非常に大きく、摂取量の約8割が魚介類に由来し、日照でも産生されるという点で、必要量を算出するのが難しい。このため、ビタミンDの必要量として、アメリカ・カナダの食事摂取基準で示されている推奨量から日照による産生量を差し引いた上で、摂取実態を踏まえた目安量を設定した。ビタミンDは日照により産生されるため、フレイル予防を図る者を含めて全年齢区分を通じて可能な範囲内での適度な日照を心がけるとともに、ビタミンDの摂取については、日照時間を考慮に入れることが重要である。日本人の食事摂取基準(2020年版)改定の後には高齢化問題が深刻さを増す 日本では、2020年の栄養サミット(東京)開催を皮切りに、第22回国際栄養学会議(東京)や第8回アジア栄養士会議(横浜)などの国際的な栄養学会の開催が控えている。また、日本人の食事摂取基準(2020年版)改定の後には団塊世代が75歳以上になるなど、高齢化問題が深刻さを増していく。 このような背景を踏まえながら1年間にも及ぶ検討を振り返り、佐々木 敏氏(ワーキンググループ長、東京大学大学院医学系研究科教授)は、「理解なくして活用なし。つまり、どう活用するかではなく、どう理解するかのための普及教育が大事。食事摂取基準ばかりがほかの食事のガイドラインよりエビデンスレベルが上がると、使いづらくなるのではないか。そうならないためにも、ほかのレベルを上げて食事摂取基準との繋がり・連携を強化するのが次のステージ」とコメントした。また、摂取基準の利用拡大を求めた意見もみられ、「もっと疾患を広げるべき。次回の改定では、心不全やCOPDも栄養が大事な要素なので入れていったほうがいい。今回の改定では悪性腫瘍が入っていないが、がんとともに長生きする時代なので、実際の現場に合わせると病気を抱えている方を栄養の面でサポートすることも重要(名古屋大学大学院医学系研究科教授 葛谷 雅文氏)」、「保健指導の対象となる高血糖の方と糖尿病患者の食事療法のギャップが、少し埋まるのではと期待している。若年女性のやせ、骨粗鬆症も栄養が非常に影響する疾患なので、次の版では目を向けていけるといい(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター教授 勝川 史憲氏)」、など、期待や2025年以降の改定に対して思いを寄せた。座長の伊藤 貞嘉氏(東北大学大学院医学系研究科教授)は、「構成員のアクティブな発言によって良い会・良いものができた」と、安堵の表情を浮かべた。 なお、厚労省による報告書(案)については3月末、パブリックコメントは2019年度早期に公表を予定している。

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心血管イベント抑制を確認、ACLY遺伝子変異/NEJM

 ATPクエン酸塩リアーゼ阻害薬やHMGCR阻害薬(スタチン)と似たような作用を持つ遺伝子変異が確認された。同様の作用メカニズムで血漿LDLコレステロール値を下げると考えられ、心血管疾患のリスクに対しても同様の影響を示すという。英国・ケンブリッジ大学のBrian A. Ference氏らが、メンデルランダム化解析により明らかにした。ATPクエン酸塩リアーゼは、スタチンがターゲットとする3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素A還元酵素(HMGCR)のコレステロール生合成経路の上流に存在する酵素であるが、ATPクエン酸塩リアーゼの遺伝子阻害が有害転帰と関係するのかは不明であった。また、LDLコレステロール値の1単位低下当たりの影響がHMGCRの遺伝子阻害と同様であるのかも明らかになっていなかった。NEJM誌2019年3月14日号掲載の報告。ACLYスコアとHMGCRスコアを作成し、心血管イベントやがんとの関連を評価 研究グループは、ATPクエン酸塩リアーゼ阻害薬とHMGCR阻害薬(スタチン)の作用を模倣する操作変数として、ATPクエン酸塩リアーゼをコードする遺伝子(ACLY)における遺伝子変異と、HMGCRにおける遺伝子変異からなる遺伝子スコアをそれぞれ作成した。 作成したACLYスコアおよびHMGCRスコアと、血漿脂質値、リポ蛋白値との関連を比較し、また、心血管イベントリスクやがんリスクとの関連についても比較した。心血管イベントリスクへの影響は同様 解析には、総計65万4,783例の被験者データが包含された。そのうち10万5,429例が主要心血管イベントを発症した被験者であった。 ACLYスコアとHMGCRスコアは、血漿脂質値およびリポ蛋白値の変化のパターンとの関連が同様であった。また、LDLコレステロール値の10mg/dL低下における心血管イベントリスクへの影響も同様であった。心血管イベントのオッズ比(OR)は、ACLYスコアが0.823(95%信頼区間[CI]:0.78~0.87、p=4.0×10-14)、HMGCRスコアは0.836(95%CI:0.81~0.87、p=3.9×10-19)であった。 ATPクエン酸塩リアーゼおよびHMGCRの生涯性遺伝子阻害はともに、がんリスク増大との関連はみられなかった。

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スタチン治療とうつ病リスク

 スタチン治療によるうつ病発症リスクへの影響は、よくわかっていない。デンマーク・オーフス大学のOle Kohler-Forsberg氏らは、20年間のフォローアップを行ったコホート研究におけるスタチン治療とうつ病との関連を評価した。Journal of Affective Disorders誌2019年3月1日号の報告。 1920~83年に生まれたデンマーク人を対象に、1996~2013年のスタチン治療患者(スタチン群)を特定した。いくつかの潜在的な交絡因子を考慮し、年齢、性別、傾向スコアに基づきスタチン群に非スタチン群をマッチさせた。スタチン治療と抗うつ薬処方、他の薬剤処方、精神科病院でのうつ病診断、心血管死亡率、全死因死亡率との関連を調査するため、Cox回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・スタチン群19万3,977例および非スタチン群19万3,977例を対象に、262万1,282人年フォローアップを行った。・スタチン使用と関連していた項目は以下のとおり。●抗うつ薬使用リスクの増加(ハザードレート比[HRR]:1.33、95%信頼区間[CI]:1.31~1.36)●他の薬剤使用リスクの増加(HRR:1.33、95%CI:1.31~1.35)●うつ病診断率の増加(HRR:1.22、95%CI:1.12~1.32)●抗うつ薬使用で調整していない場合におけるうつ病診断率の増加(HRR:1.07、95%CI:0.99~1.15)●心血管死亡率の減少(HRR:0.92、95%CI:0.87~0.97)●全死因死亡率の減少(HRR:0.90、95%CI:0.88~0.92) 著者らは「スタチン治療と抗うつ薬使用との関連性は非特異的であり、他の薬剤と同様であった。また、スタチン使用とうつ病診断との関連は、残余交絡、バイアスまたはスタチン治療による医師の診断頻度により影響を受けることが示唆された」としている。■関連記事うつ病や自殺と脂質レベルとの関連スタチンと認知症・軽度認知障害リスクに関するメタ解析非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か

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スタチン長期投与患者でbempedoic acidが有益/NEJM

 TPクエン酸リアーゼ阻害薬bempedoic acid(ベンペド酸)の安全性/有効性を評価した、52週間の無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「CLEAR Harmony試験」の結果が、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのKausik K. Ray氏らにより発表された。最大耐用量のスタチンへのベンペド酸の追加により、プラセボと比較して有害事象の発現が増加することなく、LDLコレステロール値が有意に低下したという。これまで短期試験では、ベンペド酸によりLDLコレステロール値が低下することが示唆されていたが、ガイドラインで推奨されるスタチン療法を長期にわたって受けている高コレステロール血症患者への、ベンペド酸投与の安全性と有効性に関するデータは限られていた。NEJM誌2019年3月14日号掲載の報告。スタチン療法中の患者にベンペド酸を追加、長期安全性/有効性を評価 CLEAR Harmony試験は、2016年1月18日~2018年2月21日に、5ヵ国114施設において実施された。 対象は、アテローム動脈硬化性心血管疾患またはヘテロ接合型家族性高コレステロール血症、あるいはその両方を有する患者で、最大耐用量のスタチン療法±脂質低下療法を受けているがLDLコレステロール値が70mg/dL以上の患者を適格とし、ベンペド酸群とプラセボ群に2対1の割合で無作為に割り付けた。最大耐用量スタチン療法は、患者が継続できた最大強度のスタチンレジメンとし、担当医が判定した。 主要評価項目は安全性とし、主要副次評価項目(主要有効性評価項目)は、52週間試験における12週時のLDLコレステロール値の変化率とした。安全性の解析には記述統計を用い、有効性は共分散分析(ANCOVA)を用いて解析した。ベンペド酸の上乗せは有効で、安全性プロファイルも良好 2,230例が登録され、そのうち1,488例がベンペド酸群、742例がプラセボ群に無作為に割り付けられた。ベースラインの平均(±SD)LDLコレステロール値は、103.2±29.4mg/dLであった。 介入期間中における有害事象発現率は、ベンペド酸群78.5%(1,167/1,487例)プラセボ群78.7%(584/742例)、重篤な有害事象発現率はそれぞれ14.5%、14.0%で、いずれも両群で大きな差はなかった。しかし、投与中止に至った有害事象の発現率は、ベンペド酸群がプラセボ群よりも高く(10.9% vs.7.1%)、痛風の発現率もベンペド酸群が高値であった(1.2% vs.0.3%)。 12週時点で、ベンペド酸群は、平均LDLコレステロール値が19.2mg/dL低下し、ベースラインからの変化率は-16.5%であった。プラセボ群のベースラインからの変化率との差は-18.1ポイント(95%信頼区間[CI]:-20.0~-16.1)で、有意差が認められた(p<0.001)。安全性および有効性のアウトカムは、併用していたスタチン療法の強度にかかわらず一貫していた。

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すぐに「忘れた」という患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第27回

■外来NGワード「忘れないようにしなさい!」(具体的な方法を提示しない)「認知症でもないのに、なぜ覚えていないんですか!」(病気を引き合いに責める)「どこかにメモを書いておきなさい!」(指導後のフォローがない)■解説 認知症でもないのに、外来で何度説明しても、言ったことを忘れてしまう患者さんがいます。せっかく定期的に通院していても、指導内容をすぐ忘れてしまうようでは患者さんのためにもなりません。「記憶のモダリティ効果」というのをご存じでしょうか。これは、新しい情報が視覚的に提示されるか、聴覚的に提示されるか、それとも両方かによって、記憶の保持に差異がみられるというものです。記憶に残る割合は、たとえば、患者さんに文章などを渡して文字を“読む”なら10%、療養指導などの説明を“聞く”なら20%、スライドなどの文字と絵を“見る”なら30%、糖尿病教室やテレビなどで絵や動画を“見ながら聞く”なら50%が目安といわれています。さらに記憶に残るのは、患者さん自身に発声してもらうこと、書いてもらうことです。「糖尿病連携手帳」などに、医師や看護師がHbA1c値を記入するより、患者さん自身に記入してもらったほうが認知度が高いと思いませんか? 運動療法などは、実際にその場で練習・体験してもらうのも良い方法です。そして、何より一番良い方法は、聞いた内容を人に伝えることです。患者さんが、指導内容を人に教えたくなるようなひと言を添えてみましょう。患者さんの記憶に残るような療養指導を心掛けたいものですね。 ■患者さんとの会話でロールプレイ医師“糖尿病連携手帳”はお持ちですか?患者ああ、持っています。(かばんから取り出す)医師ここに、HbA1cという項目がありますね。患者はい、これですね。医師この検査値は、過去1~2ヵ月間の平均血糖値を反映しています。別名、「隠れ食いがバレる検査」とも言われています。患者えっ、どういうことですか?医師採血がある外来受診の直前に焦って、食事を控えたり、運動したりして血糖値を下げようとしますよね? ところが、その日の血糖値は下がっても、過去の血糖値を示すHbA1c値は下がらないので、それまでサボったり、間食をしていたりしたのかも、ということがわかってしまうんです。患者そうなんですか。知らなかったです…。医師そのことを知らずに、バレていないと思っている患者さんも多いですよ。患者先生、私のHbA1cはどのくらいですか?医師前回と同じで、7.5%です。合併症を予防するための目標値は7%未満なので、あと少し頑張らないとですね。患者ふむ…(手帳に書き込む)、わかりました。糖尿病の友達にも、このことを教えておきます!■医師へのお勧めの言葉「HbA1c値は、別名、隠れ食いがバレる検査なんて言われています」「そのことを知らない患者さんも多いですよ」

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加齢で脆くなる運動器、血管の抗加齢

 2月18日、日本抗加齢医学会(理事長:堀江 重郎)はメディアセミナーを都内で開催した。今回で4回目を迎える本セミナーでは、泌尿器、内分泌、運動器、脳血管の領域から抗加齢の研究者が登壇し、最新の知見を解説した。年をとったら骨密度測定でロコモの予防 「知っておきたい運動器にかかわる抗加齢王道のポイント」をテーマに運動器について、石橋 英明氏(伊奈病院整形外科)が説明を行った。 厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2016)によると、65歳以上の高齢者で介護が必要となる原因は、骨折・転倒によるものが約12%、また全体で関節疾患も含めると約5分の1が運動器疾患に関係するという。とくに、高齢者で問題となるのは、気付きにくい錐体(圧迫)骨折であり、外来でのFOSTAスコアを実施した結果「25歳時から4cm以上も身長が低下した人では、注意を払う必要がある」と指摘した。また、「骨粗鬆症治療薬のアレンドロン酸、リセドロン酸、デノスマブによる大腿骨近位部骨折の予防効果も、近年報告されていることから、積極的な治療介入が望ましい」と同氏は語る。 そして、「50代以降で骨の検査をしたことがない人」「体重が少ない人」など6つの条件に当てはまる人には、「骨粗鬆症の早期発見のためにも、骨密度検査を受けさせたほうがよい」と提案する。また、筋力は「加齢、疾患、不動、低栄養」を原因に減少し、40歳以降では1年間に0.5~1%減少すると、筋力低下についても注意喚起。この状態が続けばサルコぺニアに進展する恐れがあり、予防のため週2~3回の適度な運動とタンパク質などの必須栄養の摂取を推奨した。 そのほかロコモティブシンドローム防止のため日本整形外科学会が推奨するロコモーショントレーニング(スクワット、片脚立ち運動など)は、運動機能の維持・改善になり、実際に石橋氏らの研究(伊奈STUDY)1)でも、運動機能の向上、転倒防止に効果があったことを報告し、レクチャーを終えた。血管からみた認知症予防の最前線 同学会の専門分科会である脳血管抗加齢研究会から森下 竜一氏(同会世話人代表、大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学寄付講座 教授)が、「血管からみるアンチエイジング」をテーマに、血管の抗加齢や認知症診断の最新研究について説明した。 はじめに最近のトピックスである食後高脂血症(食後中性脂肪血症)について触れ、多くの人々が6時間後に中性脂肪がピークとなるため1日の大部分を食後状態で過ごす中で、食後の中性脂肪値を抑制することが重要だと指摘する。実際、食後高脂血症は動脈硬化を促進し、心血管疾患のリスク因子となる研究報告2)もある。また、即席めんやファストフードに多く含まれる酸化コレステロールについて、これらはとくに肥満者や糖尿病患者には酸化コレステロールの血中濃度を上昇させ、動脈硬化に拍車をかけると警鐘を鳴らしたほか、食事後の短時間にだけ、人知れず血糖値が急上昇し、やがてまた正常値に戻る「血糖値スパイク」にも言及。こうした急激な血糖値の変動が高インスリン血症をまねき、過剰なインスリン放出が認知症の原因とされるアミロイドβを蓄積させると指摘する。 そして、認知症については、軽度認知障害(MCI)の段階で発見、早期治療介入により予防する重要性を強調した。その一方で、認知症の評価法について現在使用されている簡易認知機能検査(MMSE)、アルツハイマー病評価スケール(ADAS)などでは、検査に時間要すだけでなく、被験者の心理的ストレス、検査者の習熟度のばらつきなどが問題であり、スクリーニングレベルで使用できる簡便性がないと指摘する。そこで、森下氏らは、被験者の目線を赤外線で追うGazefinder(JCVKENWOOD社)を使用した視線検出技術を利用する簡易認知機能評価法の研究を実施しているという。最後に同氏は「今までの認知症の評価法のデメリットを克服できる評価法を作り、疾患の早期発見・予防に努めたい」と展望を述べ、講演を終えた。■参考文献1)新井智之、ほか. 第2回日本予防理学療法学会学術集会.2015.2) Iso H, et al. Am J Epidemiol. 2001;153:490-499.■参考脳心血管抗加齢研究会日本抗加齢医学会

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ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症〔LAL-D:Lysosomal Acid Lipase Deficiency〕

ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症のダイジェスト版はこちら1 疾患概要■ 概念・定義ライソゾームは細胞内小器官であり、不要となった組織や細胞の構成成分である糖脂質や糖蛋白を取り込んで加水分解する働きを持つ。ライソゾーム病は、ライソゾームに局在する酵素活性が失われることを病因とし、基質が分解されず蓄積するため、種々の臓器の肥大と機能障害を引き起こす。ライソゾーム病の特徴は、進行性であること、蓄積物質により罹患臓器が異なること、重症度は患者によりさまざまで、それぞれ発症時期や障害臓器範囲、症状が異なることである。このライソゾーム病の1つにライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)がある。LAL-D(OMIM 278000)は、LIPA遺伝子変異によりLDL受容体を介して細胞内に取り込んだコレステロールエステルやトリグリセリドを加水分解する酵素であるライソゾーム酸性リパーゼ(lysosomal acid lipase:LAL)の活性が低下し、全身の臓器のライソゾーム内にコレステロールエステルとトリグリセリドが蓄積する常染色体劣性遺伝疾患である1、2)。■ 疫学LAL-Dは臨床的に2つの主要な表現型を呈する。乳児型のウォルマン病(WD)と小児・成人型のコレステロールエステル蓄積症(CESD)である。LAL活性がWDでは完全欠損、CESDでは部分欠損である。その発生頻度は、WDは50万人に1人と推定されている。CESDで最も高頻度にみられる遺伝子異常は、LIPA遺伝子エクソン8のsplice junction mutation(c.894G>A;E8SJM-1G>A)であるが、CESD発症率はドイツでのE8SJM-1G>A変異頻度から4万人に1人と推定されている。しかし、実際の報告では13~30万人に1人と推定よりも少なく、未診断例が相当数いると考えられる1、2)。両病型とも性差はない。日本を含むアジアでのCESD発症頻度はいまだ不明である。最近、日本の症例報告をまとめた論文が発表されている3)。■ 病因乳児型のWDはより重症であり、LAL活性が欠損している。小児・成人型のCESDはLAL活性が1~12%と低下している。この2つの疾患は完全に分かれるものではなく、中間型も存在し、疾患の連続性がある。LIPA遺伝子の変異は、2つの表現型でほとんどが共通しないが、数ヵ所共通の変異が報告されている2)。LAL-DのうちCESDの病態を示す(図)。LDLコレステロールは、LDL受容体を介して細胞に取り込まれ、ライソゾームへ輸送される。LIPA遺伝子異常によりLAL活性が低下すると、ライソゾーム内の脂質が分解されずコレステロールエステル/中性脂肪が蓄積してライソゾームが肥大化し、細胞が膨張する。この結果、小滴性脂肪沈着が生じる。また、細胞内で遊離コレステロール放出量が低下し、HMG-CoAの抑制が不十分となり、細胞内でのコレステロール産生の抑制ができずに増加する。さらに、LDL受容体発現がある程度抑制され、LDLコレステロール取り込みが低下し、血中LDLの上昇がみられる。このため動脈硬化の促進、心血管障害が生じる1)。WDではLAL活性が完全に欠損するため、ライソゾーム内の脂質がまったく分解されず、細胞内に遊離コレステロールが放出されなくなる。このためLDL受容体発現の抑制ができず、LDL取り込みが亢進し、ライソゾーム内にコレステロールエステルがさらに蓄積し、血中LDLは上昇しない1)。画像を拡大する■ 症状、分類および予後WDはライソゾーム内への著しい脂質蓄積を生じ重症化する。肝不全、脾腫、骨髄不全、呼吸障害、小腸吸収不全、下痢、重度成長障害など重度で多彩な症状を呈し、生後半年までに死亡する。副腎石灰化は診断的価値が高い。CESDではライソゾーム内への脂質蓄積は、WDより緩徐である。そのため発症は遅く、成人期まで症状が現れないこともある。一般的に肥満は少ない。肝腫大(99.3%)、脾腫大(74%)、持続的な高トランスアミナーゼ血症、脂質異常症(LDLコレステロール高値、HDLコレステロール低値)を来し、進行すれば肝硬変症(門脈圧亢進症、食道静脈瘤)、脳血管障害、虚血性心疾患を引き起こす。89%は12歳未満で発症し、死亡例の約半数は21歳未満であるため、早期発見が重要である。過半数は肝不全が死因である1、2)。なぜ肝線維化の進行が早いのかについては、大量に蓄積したコレステロールエステルが肝線維化を促進する、線維化の進行防止に重要な役割を持つライソゾーム関連NK細胞が酸性リパーゼ活性低下によって阻害される、などの説があるが明らかにはなっていない。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)潜在的にLAL-Dが含まれる可能性がある疾患を表1に示す1)。非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)や家族性高コレステロール血症(FH)と思われる症例の中には、LAL-D患者が潜在化している可能性があり、注意を要する。ALT値はNAFLDと同程度であるが、FHと同程度の高いLDL値と、NAFLDより低めのHDL値が目安になるかもしれない(表2)。LDL高値症例のうち、家族性高コレステロール血症の遺伝子異常を持たない症例に対し、肝機能障害やHDL低値、非肥満などを参考にLAL-Dをスクリーニングする試みも報告されている4)。また、減量しても肝機能が改善しないNAFLD症例で、後にLAL-Dと診断された症例も報告されており、治療に反応しないNAFLD症例には注意を要する5)。診断には小滴性脂肪沈着(Oil Red O染色など脂肪染色で強く染まる)、泡沫状マクロファージといった特徴的な肝組織学的所見やLAL酵素活性測定、LIPA遺伝子解析が有用である1、6、7)。とくにLAL酵素活性測定は商業ベースのラボでは実施していないが、新生児マススクリーニング用の濾紙血で測定可能であり、診断に有用である6)。WDは急速に全身状態が悪化する致死的疾患であり、またCESDは診断がついていない症例が潜在する可能性がある。上記の症状や所見を手掛かりに、積極的に診断していく必要がある。画像を拡大する画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)HMG-CoA阻害薬は、CESD患者の脂質異常症改善にある程度効果がみられることがあるものの、肝病変は通常改善しない。肝移植は肝硬変合併例で行われてきたが、長期的なデータが限られていることや、移植後の合併症が懸念される。他のライソゾーム病で試みられている造血幹細胞移植においても、長期的なデータが限られていることや、造血系起源の細胞にのみ影響することから根治治療にはならない。同様にケミカルシャペロン療法や基質合成抑制療法もLAL-Dの治療法としては確立されていない。遺伝子組換えヒトLALが開発され、WDとCESDに対する酵素補充療法 セベリパーゼ・アルファ(商品名:カヌマ点滴静注)の治験として、WDを対象とした第II/III相試験8)およびCESDを対象とした第III相臨床試験(ARISE trial)9)が行われ有効性、安全性が示され、わが国では2016年5月に薬価収載(保険適用)になった。主な副作用はアナフィラキシーを含む投与時反応である。4 今後の展望わが国におけるLAL-Dの診断例はきわめて少ない。WDは急速に進行し重症化するため、診断が遅れると致死的になる恐れがある。CESDは他疾患と診断されたまま潜在化する可能性がある。LAL-Dが疑わしい患者に対しては積極的にLAL活性の測定を行い、診断される必要がある。また、LAL-Dと診断しえた症例が増えることで、わが国における本疾患の発生率や臨床的特徴がより明らかになると思われる。5 主たる診療科WDは乳児期発症の致死的疾患であり、またCESDは小児期に多くが発症することから小児科が、この疾患をみる主たる診療科になるものの、CESDは成人期発症例もあること、治療の進歩により長期生存例が増えてくれば、消化器内科においても診療されることになると考えられる。※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報Online Mendelian Inheritance in ManのLAL-Dの概要(医療従事者向けのまとまった情報)小児慢性特定疾病情報センターの酸性リパーゼ欠損症の概要(医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター ライソゾーム病(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)全陽. 肝胆膵. 2014;69:445-453.2)Bernstein DL, et al. J Hepatol. 2013;58:1230-1243.3)Ikari N, et al. J Nippon Med Sch. 2018;85:131-137.4)Draijer LG, et al. Atherosclerosis. 2018;278:174-179.5)Himes RW, et al. Pediatrics. 2016;138:e20160214.6)Dairaku T, et al. Mol Genet Metab. 2014;111:193-196.7)Kuranobu N, et al. Hepatol Res. 2016;46:477-482.8)Jones SA, et al. Mol Genet Metab. 2015;114:S59.9)Burton BK, et al. N Engl J Med. 2015;373:1010-1020.公開履歴初回2017年3月7日更新2019年3月12日

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日本人の雇用形態と教育水準、LDL-Cに関連

 食事によるコレステロール摂取と血清コレステロールにおける良好な関係は、最近の一連のコホート研究によって疑問視されている。滋賀医科大学アジア疫学研究センターの岡見 雪子氏らは横断研究(INTERLIPID)を実施し、日本人における雇用形態と教育年数が、食事によるコレステロール摂取と血清低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)濃度との関係に、どのように関連するかを調査した。その結果、被雇用者ではなく教育水準の低い男性で、食事によるコレステロール摂取量の増加が血清LDL-C濃度の上昇と関連していた。また、雇用されている男性、教育水準の高い男性では逆相関が見られたことが明らかになった。Journal of Atherosclerosis and Thrombosis誌2019年2月1日号掲載の報告。 本研究では、40〜59歳の日本人1,145人のうち、106人(特別食、脂質異常症などの治療薬を使用、ホルモン補充療法の実施、およびデータ不足のため除外)を除く1,039人(男性:533人、女性:506人)を対象とした。食物からのコレステロール摂取は4回の24時間思い出し法(24HR)で評価、血清LDL-Cは酵素的分析法によって自動分析装置で測定した。アンケートでは、雇用形態と教育年数について回答を得た。 主な結果は以下の通り。・男性では、食事によるコレステロール摂取の1標準偏差(SD)上昇は、血清LDL-C濃度3.16mg/dL低下と関連していた(P=0.009;調整前モデル)。・共変量で調整後、血清LDL-Cは、被雇用者ではない男性(自営業者、専業主夫、農家、漁師、および定年退職者)、教育水準の低い男性では、コレステロール摂取量の1SD上昇ごとに、血清LDL-C濃度の上昇が認められた(β:+9.08[95%信頼区間【CI】:+0.90~+17.27]、β:+4.46[−0.97~+9.90])。これに対し、雇用されている男性、教育水準の高い男性では逆相関がみられた(β:−3.02[−5.49~−0.54]、β:−3.66[−6.25~−1.07])。■参考INTERRIPD

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重度の精神疾患患者における脂質異常症と抗精神病薬に関するメタ解析

 重度の精神疾患患者は、抗精神病薬の悪影響に関連している可能性のある代謝系の問題への罹患率やそれに伴う死亡率の上昇を来す。第2世代抗精神病薬(SGA)は、第1世代抗精神病薬(FGA)と比較し、脂質代謝異常とより関連が強いと考えられているが、このことに対するエビデンスは、システマティックレビューされていなかった。英国・East London NHS Foundation TrustのKurt Buhagiar氏らは、重度の精神疾患患者における脂質異常症リスクについて、SGAとFGAの評価を行った。Clinical Drug Investigation誌オンライン版2019年1月24日号の報告。 主要な電子データベースより2018年11月までの研究を検索した。対象研究は、重度の精神疾患患者に対するSGAとFGAを直接比較し、脂質代謝異常を主要アウトカムまたは第2次アウトカムとして評価した横断研究、コホート研究、症例対照研究、介入研究のいずれかとした。エビデンスは、PRISMA(システマティックレビューおよびメタ解析のための優先的報告項目)ガイドラインに従ってレビュー、評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・18件の研究が抽出された。・SGAとFGAにおける脂質異常症の報告は矛盾しており、研究間のばらつきが大きく、完全な定性的合成のみが実行可能であった。・クロザピン、オランザピン、リスペリドンについては、限られたメタ解析を実施するに十分なデータがあった。各薬剤ともに、FGAと比較し、脂質異常症の事例性(caseness)との関連が少し高かったが、異質性の高さが認められた(すべてI2>50%、p<0.05)。 ●クロザピン(オッズ比:1.26、95%信頼区間[CI]:1.16~1.38) ●オランザピン(オッズ比:1.29、95%CI:0.89~1.87) ●リスペリドン(オッズ比:1.05、95%CI:0.80~1.37)・クロザピンは、トリグリセリド増加とも関連が認められたが(標準平均差:0.51、95%CI:0.21~0.81、I2>=5.74%)、コレステロールとの関連は認められなかった。・オランザピンとリスペリドンは、ハロペリドールと比較し、コレステロールまたはトリグリセリドの統計学的に有意な増加との関連が認められなかった。 著者らは「研究デザインや方法論には、かなりの違いが認められた。抗精神病薬による脂質代謝異常への影響におけるSGAとFGAの相対リスクを決定するには、薬剤ごとにさまざまな悪影響を引き起こす可能性があるため、臨床的に明らかにすることは難しい可能性がある。したがって、SGAかFGAかの焦点を当てるよりも、特定の抗精神病薬の脂質代謝リスクを考慮することが重要である」としている。■関連記事非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か抗精神病薬、日本人の脂質異常症リスク比較:PMDA統合失調症治療に用いられる抗精神病薬12種における代謝系副作用の分析

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第5回 全身痛と関連痛【エキスパートが教える痛み診療のコツ】

第5回 全身痛と関連痛痛みは病気の兆候として最も多く、誰もが苦しむ原因となっています。そのために、患者さんは病院や診療所などを受診されます。血圧、脈拍、呼吸数、体温と共に、痛みは「第5のバイタルサイン」とも呼ばれております。近年、全身に痛みを訴えられる患者さんが増えておられます。全身痛と呼んでおりますが比較的若い患者さんが多くなってきたように感じられます。今回は、この全身痛を取り上げ、付随して関連痛を説明したいと思います。全身痛とは全身的に痛みを訴えられる患者さんの痛みを「全身痛」と呼んでいます。いろいろな部位に痛みを訴えられる患者さんや、全身にわたって痛みを訴えられる患者さんなど、その形態はさまざまです。また、重篤な身体疾患を持っていることもあるので注意が必要です。その中で全身痛から発見される疾患としては、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、皮膚筋炎・多発性筋炎、全身性強皮症、リウマチ性多発筋痛症などの膠原病があります。甲状腺機能低下症や有痛性糖尿病性ニューロパチーなどの内分泌疾患もあります。そのほか、ポストポリオ症候群や横紋筋融解症などの神経筋疾患も認められます。横紋筋融解症は、脂質異常症治療薬や抗神経病薬などによる薬剤性疾患によっても生じます。そして、悪性腫瘍では多発性骨髄腫、多発性転移、何より増して全身の骨関節痛、腰背部痛などが生じます。インフルエンザ、ウイルス性肝炎では全身の関節痛や筋肉痛、神経痛がみられます。うつ病、身体表現性疼痛(疼痛性障害、身体化障害など)、自律神経失調症などの精神・神経疾患でも全身痛を訴えます。とくにうつ病では、痛みの部位が変動するのが特徴です。その他、難治性疼痛疾患としての線維筋痛症(FM)(図1)や慢性疲労症候群(CFS)も現在、話題になっています。FMの診断では、(1)広範囲(右半身/左半身、上半身/下半身、体軸という身体の真ん中)の痛みが3ヵ月以上続いていること、(2)図1に示した18ヵ所(圧痛点といいます)を指で押して、11ヵ所以上で痛むことが条件となります。図1 FMの診断における18ヵ所の圧痛点画像を拡大する関連痛とは表層筋膜、アキレス腱、前脛骨筋腱、表在関節、靭帯、脛骨のような表在性の骨などの痛みは、局在性の痛みとして感じます。これに対してより深い部位にある腱、関節、骨などや筋肉内にあるような組織からの痛みは、遠く隔たった皮膚に投射されます。たとえば、上部胸椎の骨膜に刺激を受けた場合には、肩の上部にびまん性の痛みを感じます。また、内臓痛には関連痛が伴います。内臓痛そのものの局在性は不明確ですが、「関連痛」といって、同じ脊髄節支配の皮膚に投射されて痛む部位が明確に示されます。そして、この皮膚におきましては、疼痛過敏や異常知覚を伴ったり、筋肉の緊張、自律神経の異常興奮がみられることもあります(図2)。図2 内臓痛に伴い現れる関連痛の部位画像を拡大するいずれも痛みの部位と性質、随伴症状や検査所見などによって鑑別診断します。そして原疾患が疑われるようであれば、その治療を最重要として、それぞれの専門医に紹介します。原疾患が治癒しても痛みが持続する場合やとくに原疾患がない場合には、痛み治療が必要となります。次回は頭・頸部痛を取り上げます。1)花岡一雄ほか監修.日本医師会雑誌. 2014;143:120-121.2)山村秀夫ほか編. 痛みを診断する.有斐閣;1984.p.20-38.

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TG低下とLDL-C低下、有益性はほぼ同等/JAMA

 アポリポ蛋白B(アポB)値の単位変化当たりのトリグリセライド(TG)値低下の臨床的有益性は、LDLコレステロール(LDL-C)値低下とほぼ同等であり、アポB含有リポ蛋白粒子の減少の絶対値と比例する可能性があることが、英国・ケンブリッジ大学のBrian A. Ference氏らの検討で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年1月29日号に掲載された。TGとコレステロールは、いずれもアポB含有リポ蛋白粒子によって血漿中に運ばれる。血漿TG値の低下により、心血管イベントのリスクはLDL-C値の低下と同程度に低減するかとの疑問への確定的な回答は得られていないという。63研究のメンデル無作為化解析でCHDリスクを評価 研究グループは、リポ蛋白リパーゼ(LPL)遺伝子のTG低下バリアントおよびLDL受容体(LDLR)遺伝子のLDL-C低下バリアントと、アポBの単位変化当たりの心血管疾患リスクとの関連を評価する目的で、メンデル無作為化解析を実施した(英国国立健康研究所[NIHR]などの助成による)。 解析には、1948~2017年の期間に北米および欧州で行われた63件のコホート研究および症例対照研究に参加した患者のデータを用いた。LPLおよびLDLRの遺伝子スコアと関連する血漿TG値、LDL-C値、アポB値の評価を行った。 主要アウトカムは、アポB含有リポ蛋白の10mg/dL低下当たりの冠動脈性心疾患(CHD:冠動脈死、心筋梗塞、冠動脈血行再建)のオッズ比(OR)とした。個々のアポB含有リポ蛋白のリスクへの影響は同程度 65万4,783例(平均年齢62.7[SD 8.1]歳、51.4%が女性)が解析に含まれ、このうち9万1,129例がベースライン時にCHDに罹患していた。 アポB含有リポ蛋白10mg/dL低下当たりのLPL遺伝子スコアは、TG値の69.9mg/dL(95%信頼区間[CI]:68.1~71.6、p=7.1×10-1363)の低下およびLDL-C値の0.7mg/dL(0.03~1.4、p=0.04)の上昇と関連した。これに対し、アポB含有リポ蛋白10mg/dL低下当たりのLDLR遺伝子スコアは、LDL-C値の14.2mg/dL(13.6~14.8、p=1.4×10-465)の低下およびTG値の1.9mg/dL(0.1~3.9、p=0.04)の低下と関連を示した。 このようにTG値およびLDL-C値の変動には違いがみられたが、LPL遺伝子スコアおよびLDLR遺伝子スコアと、アポB含有リポ蛋白10mg/dL低下当たりのCHDリスクの低下との関連はほぼ同じであった(LPL遺伝子スコア OR:0.771、95%CI:0.741~0.802、p=3.9×10-38、LDLR遺伝子スコア:0.773、0.747~0.801、p=1.1×10-46)。 多変量メンデル無作為化解析では、アポB値の差で補正すると、TG値およびLDL-C値とCHDリスクとの関連はなくなったが、アポB値とCHDリスクの関連は維持されていた(TG値 OR:1.014、95%CI:0.965~1.065、p=0.19、LDL-C値:1.010、0.967~1.055、p=0.19、アポB値:0.761、0.723~0.798、p=7.51×10-20)。 著者は、「すべてのアポB含有リポ蛋白粒子(TG rich VLDL粒子、その代謝物であるレムナント、LDL粒子)は、ほぼ同程度の心血管疾患リスクへの作用を有し、結果として、TG値やLDL-C値、これら双方の低下の臨床的有益性は、実際のTG値やLDL-C値の変化にかかわらず、アポB含有リポ蛋白の変化の絶対値と比例する可能性がある」としている。

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タバコの害を知っていても禁煙を渋る患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第26回

■外来NGワード「タバコは百害あって一利なし。すぐにやめないと!」(わかり切っていること)「まだ、禁煙できていないんですか! ちゃんと禁煙しないと」(毎回同じ指導内容)■解説 禁煙指導には、短時間支援のABR方式(Ask、Brief advice、Refer)と標準的支援のABC方式(Ask、Brief advice、Cessation support)が用いられています。身体によくないとわかっていても、頑固に禁煙を渋る患者さんが多いのも事実。そういった患者さんに「タバコは百害あって一利なし。すぐにやめないと!」などと言って医師が説得したところで、禁煙に進める人は少数です。喫煙者の中には、タバコの害は熟知していても、「禁煙したらストレスがたまる」などを理由にタバコをやめる自信がないタイプの人もいれば、禁煙する自信はあっても「もう歳だから、今さら禁煙しても…」など禁煙へのモチベーションが低いタイプの人もいます。動機付け面接では、禁煙の重要性と自信を高めることで禁煙への動機付けを図ります。ところが、「まだ、禁煙できていないんですか! ちゃんと禁煙しないと…」などと毎回同じ指導を繰り返していても、患者さんのモチベーションは上がりません。禁煙の重要性を感じてはいるが、禁煙する自信がない人には、少しずつ自信を高めてもらうためのアプローチを行うと効果的です。 ■患者さんとの会話でロールプレイ医師血糖コントロールはよさそうですね。患者よかったです。涼しくなったので、通勤のときに一駅前で降りて、歩くようにしています。医師それはいいですね。歩くようになって体力も付いてきたんじゃないですか?患者はい! 前を歩いている人を追い抜けるように、少し速足で歩いています。医師それはいいですね。運動を続けると体力だけでなく、心肺持久力も付いてきますからね。患者そうなるといいです。医師ところで、禁煙の準備は進んでいますか?患者ハハハ…。禁煙したいと思ってはいるんですが、なかなか…。医師ダイエットと同じで「痩せたい」と思っているだけでは、なかなか痩せないですからね。患者確かに。何から始めたらいいでしょうか。医師そうですね。まずは、いつから禁煙するか、始める日を決めることです。患者なるほど。医師次は、それに向けて具体的な準備を進めることです。患者というと…。(禁煙準備の話に展開する)■医師へのお勧めの言葉「禁煙の準備は進んでいますか?」

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高尿酸血症の治療失敗に肥満が関連か~日本人男性

 高尿酸血症または痛風の日本人男性の治療目標達成率と治療成功に影響する因子について、順天堂大学の片山 暁子氏らが検討した結果、肥満と治療失敗との関連が示唆された。また、血清尿酸(SUA)管理の一部として脂質プロファイルを維持する重要性が強調された。著者らは「肥満と脂質異常症の両方をうまく管理し、健康的なSUA値を得ることで、心血管疾患を予防できるかもしれない」としている。Internal Medicine(Japan)誌オンライン版2019年1月10日号に掲載。 本研究は、2012年1~12月に実施した横断研究で、職場の健康診断に参加した13万6,770人のうち高尿酸血症または痛風の男性2,103人のSUA値および臨床的特徴を調べた。成功(SUA≦6.0mg/dLと定義)率を算出し、多変量解析を用いて「治療失敗」(目標SUA値に到達しない)に関連する因子を調べた。 主な結果は以下のとおり。・目標SUA値の達成率は37.5%であった。・BMIは治療失敗と有意に関連していた(カテゴリ[C]1<25.0と比較し、25.0≦C2<27.5の調整オッズ比[AOR]=1.35、27.5≦C3<30.0のAOR=1.69、C4≧30.0のAOR=1.94)。・腹囲(WC)と治療失敗との間にも有意な正の相関が観察された(C1<85.0cmと比較し、85≦C2<90のOR=1.29、90≦C3<95のOR=1.41、95≦C4のOR=2.28)。 ・BMIまたはWCの値の大きい人は小さい人よりも有意にSUA値が高い傾向があった。・治療失敗に対する予防因子として、脂質異常症治療薬の継続的服用が特定された。

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メトトレキサート少量投与が心臓血管イベントを抑制しうるか?(解説:今井靖氏)-997

オリジナルニュース低用量メトトレキサートは冠動脈疾患例のMACEを抑制せず:CIRT/AHA(2018/11/20掲載) IL-1βを標的とした抗体医薬であるカナキヌマブ投与により心血管イベントおよび一部の悪性腫瘍発生を抑制したというCANTOS研究の成果が記憶に新しいが、より簡便な内服薬としてメトトレキサート(MTX)投与により炎症性サイトカインが抑制されることで心血管イベントが抑制されるか否かを検討したのがこの報告である(CIRT研究)。 この論文によれば心筋梗塞既往があるか多枝冠動脈病変を有し2型糖尿病またはメタボリック症候群を有する4,786症例を(1)週当たり15~20mgを目標用量とする低用量メトトレキサート療法および(2)プラセボ投与の2群に1:1に割り付ける二重盲検比較試験を行っている。なお導入期において非盲検でMTXを5、10、15mgと漸増させ葉酸欠乏を回避するために毎日葉酸を1mg補充しており、その後、盲検化し2群に割付し追跡している。主要エンドポイントは非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中あるいは心臓血管死のいずれかの複合を当初予定していたが、盲検化する前に、入院を要する不安定狭心症も上記エンドポイントの1つとして加えられている。 この研究は中間値2.3年で中止された。残念ながらMTX投与群においてプラセボ群に比較して有意なIL-1β、IL-6、CRPの低下が得られず、また主要エンドポイントについてもMTX群で201例、プラセボ群において207例(イベント発生率:4.13 vs.4.31[100人年当たり]、ハザード比:0.96、95%信頼区間:0.79~1.16)であった。MTX群においては肝逸脱酵素の上昇、白血球数減少、ヘマトクリット値減少および非基底細胞性の皮膚がん発症に関連していた。結論として、安定した動脈硬化性疾患患者において低用量MTXが炎症マーカーを抑制することは無く、また心臓血管イベントを抑制することも無かった。 私見を述べさせていただくが、膠原病、悪性腫瘍など適応がある疾患についてのMTX療法の有用性・妥当性は明確であるが、この研究成果からはMTXを動脈硬化性疾患治療としての投与は断じて避けるべきである。またMTXは週当たり20mgを超えると重篤な副作用が増加することが文献的に知られており、本研究の用量設定の目標15mgというものに循環器内科医として抵抗感を覚えるとともに、一般診療においてMTX投与時に葉酸補充を行うが、たとえば重篤な合併症として知られる間質性肺炎は葉酸投与では回避できないということは周知の事実であり、そのような重大な副作用のことも十分に考慮したうえでの薬物療法であるべきと思われる。また葉酸は補充されているものの、葉酸代謝に関連することが知られる血中ホモシステイン濃度が冠動脈疾患のリスクになることは歴史的に良く知られており(たとえば代謝酵素のMTHFRは葉酸依存性である)、そのような因子の関与、たとえばそれらの血中濃度についてのデータも評価すべきであったかと考える次第である。

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出張で食生活が乱れがちな患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第25回

■外来NGワード「出張中も食事に気を付けなさい!」(あいまいな注意)「出張中はバランスの取れた定食を食べるようにしなさい!」(原因を考えない指導)■解説 出張以外の日は体重管理ができていても、出張中に体重が増えるという患者さんがいます。そういった患者さんは、普段は体重管理ができる食事環境(たとえば、朝・夕食は自宅、昼は社食を利用など)ですが、出張となると、食生活が乱れてしまうパターンが多いです。会社の接待などでやむを得ず外食が続くケースもありますが、出張中に羽目を外して食べ過ぎ・飲み過ぎている可能性もあります。まずは、患者さんのやる気を再確認して、体重管理を阻害する原因を明らかにしましょう。外来では、以下のロールプレイを参考に、患者さんが出張中の食事をどうしているのか聞いてみましょう。原因が明らかになれば、事前に対策を考えることができますね。 ■患者さんとの会話でロールプレイ医師最近、体重管理はいかがですか?患者家にいるときは大丈夫なのですが、出張中に体重が増えてしまって…。医師家では体重が管理できているんですね。(できていることをまず褒める)患者そうなんです。朝と晩は妻が健康的な食事を作ってくれますし、昼は社食でヘルシーな定食を頼むようにしています。けど、出張中はそうもいかなくて。医師なるほど。体重が増える原因は何でしょうか?患者一緒に出張した人と飲みに行くことですかね。医師なるほど。他に思い当たることはありますか?患者お昼も外食になるので、食事のカロリーが高くなっているのかも…。医師普段食べないものを食べたりして?患者そうなんです。出張に行くと、今日はいいかなって思ってしまって。医師そうですね、その気持ちのゆるみが、体重が増えてしまう本当の原因かもしれませんね。患者うーん、そうか。困ったな…。医師出張によく行く方でも、上手に体重管理されている人がいますよ!患者え、その方はどうしているんですか?(興味津々)医師今回のように、体重が増える原因を明らかにして、事前に対策を立てておられました。Aさんの場合なら、カロリーを摂りがちなお昼に何を食べるかとか、誰かと飲みに行っても太らない食べ方・飲み方を考えることが大切ですね。患者確かに。それと、気持ちのゆるみ対策ですね。(うれしそうな顔)■医師へのお勧めの言葉「出張によく行く方でも、上手に体重管理されている人がいますよ!」

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