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自由行動下血圧測定(ABPM)は24時間が望ましい:IDACO

前向きコホート研究データベースIDACOでは自由行動下血圧と予後の関係を検討しているが、血圧測定は夜間だけでなく24時間行うべきだという。Universidad de la Republica(ウルグアイ)のJose Boggia氏らがLancet誌10月6日号で報告した。 住民研究データを解析IDACO(International Database on Ambulatory blood pressure monitoring in relation to Cardiovascular Outcomes)は国際データベースで、自由行動下24時間血圧と致死性・非致死性予後の相関を検討した前向き住民研究のデータが集積されている。今回の解析対象は平均年齢56.8歳(標準偏差:13.9歳)の7,458例。随時血圧平均値は132.4/80.1mmHg、24時間平均血圧は124.8/74.0mmHgだった。追跡期間中央値は9.6年間だった。 昼間血圧のみでは予後予知力が減弱収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)は昼間、夜間血圧を問わず1標準偏差上昇により心血管系死亡が有意に増加していた。ただし、非心血管系死亡の有意な増加と相関していたのは夜間血圧の上昇だった(いずれも、コホート、年齢、性別、降圧薬服用の有無などで補正後)。同様にSBP、DBPの夜間/昼間血圧比増加(1標準偏差)も、心血管系・非心血管系死亡を有意に増加させていた。夜間降圧度はさほど予後に影響せず?興味深いのは夜間降圧と心血管系予後の関係だろう。夜間/昼間血圧比「0.8~0.9」を正常、「0.8未満」をいわゆる"extreme dippier"、「0.9~1.0」を"non-dipper"、「1.0以上」を"riser"とすると、正常に比べ"riser"と"non-dipper"では総死亡と非心血管系死亡は有意に増加していたものの、心血管系死亡が有意に増加していたのは"riser"だけだった。心血管系イベント(致死性・非致死性)も同様で、"riser"では正常に比べ「全心血管系イベント」、「脳卒中」のリスクが有意に増加していたが、「冠動脈イベント」、「冠動脈イベント+心不全」は増加傾向にとどまった。また"extreme dippier"と"non-dipper"では正常に比べリスクが有意に増加しているイベントはなかった(年齢等補正後)。上記の通り夜間血圧のみでも予後予知が可能だが筆者らは、夜間/昼間血圧比の増加と心血管系死亡・非心血管系死亡の相関に着目し、「自由行動下血圧は夜間だけではなく24時間測定すべきだ」と結論している。(宇津貴史:医学レポーター)

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高リスク糖尿病患者に対する積極的降圧療法の有用性が示される:ADVANCE試験

心血管系高リスクあるいは既往を認める糖尿病患者では、血圧に関わりなくACE阻害薬+利尿薬を用いた降圧により血管系イベントが減少することが、 Lancet誌9月8日号に掲載されたADVANCE試験の結果より明らかになった。本研究は論文掲載に先立ち、欧州心臓病学会(ESC)において報告されている。高リスク糖尿病を対象、血圧は不問本試験の対象は55歳以上の2型糖尿病患者11,140例だが、心血管系イベント既往あるいは心血管系リスクを有する「心血管系高リスク」患者だった。心血管系リスクとされたのは「細小血管症」、「糖尿病性眼症」、「喫煙」、「脂質異常症」、「微量アルブミン尿」、「糖尿病歴10年以上」か「65歳以上」 ──である。試験参加に関し、血圧値は問われなかった。これら11,140例はACE阻害薬ペリンドプリルと利尿薬インダパミドの合剤を服用する「降圧薬群」(5,569例)と「プラセボ群」(5,571群)に無作為割り付けされ、二重盲検法で追跡された。試験開始時の背景因子は、平均年齢66歳、2型糖尿病発症平均年齢が58歳、32%に心血管系イベント既往を認めた。また降圧治療を受けていたのは69%、血圧平均値は145/81mmHgだった。1次評価項目は9%有意に減少4.3年間の平均追跡期間の血圧平均値は、「降圧薬群」で5.6/2.2mmHg有意に低かった。特に収縮期血圧は「降圧薬群」では試験開始6ヵ月後以降135mmHg前後が保たれていたのに対し、プラセボ群では常に140mmHg前後だった。その結果、1次評価項目である「大血管症(心血管系イベント)+細小血管症」の発生率は「プラセボ群」16.8%に対し「降圧薬群」では15.5%で、相対的に9%の有意な減少となった(95%信頼区間:0-17%、p=0.041)。年齢、試験開始時高血圧の有無や血管症既往の有無などで分けて検討しても、「降圧薬群」で1次評価項目が増加傾向を示すサブグループはなかった。また1次評価項目を大血管症と細小血管症に分けて比較すると「降圧薬群」における減少は有意差ではなくなるが、「主要冠動脈イベント」と「その他の冠動脈イベント(血行再建術施行や無症候性心筋虚血、不安定狭心症による入院)」を併せた「全冠動脈イベント」のリスクは相対的に14%、「降圧薬群」で有意に低下していた。同様に、「微量アルブミン尿出現」も「降圧薬群」において相対的に21%、有意にリスクが低下していた。これらより報告者らは、「ペリンドプリルとインダパミド合剤は、血圧の高低にかかわらず2型糖尿病患者の大血管症+細小血管症を減少させるだろう」と結論している。なお同号に掲載された「論評」ではUniversity of Texas(米国)のNorman M. Kaplan氏が、プラセボ群の83%が何らかの降圧薬(55%はペリンドプリル)を服用していたにもかかわらず5.6/2.2mmHgの血圧差があった点など、いくつか考慮すべきポイントを指摘している。(宇津貴史:医学レポーター)

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英国独自の心血管系リスクスコア・QRISKの有効性確認される

英国人のデータから作成された「10年間心血管系イベント率予測スコア」であるQRISKは、米国人データを基にしたFraminghamスコアに比べリスク予測がより正確であるとする論文がBMJ誌HPで早期公開された(オンライン版7月5日号、本誌7月21日号掲載)。英国University ParkのJulia Hippisley-Cox氏らによる研究だが、背景には「より適切なリスク評価による医療費削減」という狙いもあるという。「家族歴」だけでなく「貧富」もリスクにQRISKの基になったのはQRESEARCHと呼ばれる電子データベースである。17年間にわたり蓄積された英国529件の一般医を受診したおよそ1千万人のデータが蓄積されている。この中から初診時35~74歳で心血管系疾患と糖尿病を認めなかった約130万例を抽出し、その後10年間の心血管系イベント発生率とリスク因子を検討した。その結果QRISKでは、年齢、LDLコレステロール/総コレステロール比、喫煙、収縮期血圧(SBP)に加え、「降圧薬服用の有無」と「SBPと降圧治療の相互作用項」、さらに「家族歴」と「貧富」が有意な因子となっていた。後者4要因は、Framinghamリスクスコアでは評価されない。なおサッチャー政権以前は「ゆりかごから墓場まで」と言われていた英国において、現在では「貧富」が有意なリスクとなっている点も感慨深い。Framinghamリスクスコアよりも英国人には適している次にこのQRISKの妥当性をQSEARCH内61万例で検討したところ、QRISKによるイベント発生予測率は実際のイベント発生率を相対的に0.4%上回ったのみだった。一方Framinghamリスクスコアでは、実際のイベント発生リスクよりも相対的に35%の過大評価となった。またD statisticとR2 statisticを用いて検討したモデルの適合度も、Framinghamに比べQRISKで高かった。「治療方針の決定にあたりQRISKはより適したツールであろう」と筆者らは結論している。(宇津貴史:医学レポーター)

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急性B型大動脈解離では部分血栓閉塞も重要な予後因子

解離が下降大動脈に限局している急性B型大動脈解離は、安静と降圧剤投与による内科的治療が第一選択となる。その場合、偽腔が開存型か血栓閉塞型かによって予後が予測されてきたが、部分的血栓閉塞が見られる場合の予後についての報告が、NEJM誌7月26日号に掲載された。偽腔状態で階層化Thomas T. Tsai氏ら大動脈解離国際登録(IRAD:International Registry of Acute Aortic Dissection)の研究グループは、1996年から2003年の間に同トライアルに登録された、生存退院した急性B型大動脈解離患者201例を調査した。入院期間中に判定された偽腔の状態(開存型、部分的血栓閉塞型、完全な血栓閉塞型)に基づいて対象を階層化し、Kaplan-Meier死亡率にて評価。死亡の独立予測因子を同定するため、Cox比例ハザード分析を行った。部分的血栓閉塞型の退院後3年死亡率は31.6±12.4%偽腔タイプ別の対象数は、開存型114例(56.7%)、部分的血栓閉塞型68例(33.8%)、完全な血栓閉塞型19例(9.5%)だった。3年死亡率の平均(±SD)は、開存型で13.7±7.1%、部分的血栓閉塞で31.6±12.4%、完全な血栓閉塞で22.6±22.6%だった(追跡期間中央値2.8年、ログランク検定によるP = 0.003)。また退院後死亡の独立予測因子は、部分的血栓閉塞(相対リスク2.69、95%信頼区間1.45-4.98、P=0.002)、大動脈瘤の既往(同2.05、1.07-3.93、P=0.03)、アテローム性動脈硬化症の既往(同1.87、1.01-3.47、P=0.05)であった。Tsai氏らは、「急性B型大動脈解離患者において、偽腔の部分的血栓閉塞は、死亡転帰の重要な独立予測因子である」と述べている。(朝田哲明:医療ライター)

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ARB+レニン阻害薬で降圧作用は増強

初めての経口レニン阻害薬として注目されているaliskiren(日本未承認)の降圧作用はARBバルサルタンと同等で、またバルサルタンとの併用により降圧作用がさらに増強されることが明らかになった。アメリカ・アラバマ大学のSuzanne Oparil氏らがLancet誌7月21日号で報告した。バルサルタン+aliskiren併用のコンプライアンスは良好本検討の解析対象となったのは、随時血圧で拡張期が95mmHg以上、110mmHg未満、自由行動下昼間8時間の血圧平均値が90mmHg以上である18歳以上の男女1,797例。バルサルタン群(455例)、aliskiren群(437例)、バルサルタン+aliskiren併用群(446例)とプラセボ群(459例)に無作為割り付けされ、8週間二重盲検にて追跡された。バルサルタンは単独・併用を問わず160mg/日より開始し、4週間後に320mg/日へ増量、aliskirenも同様に150mg/日から開始して、4週間後に300mg/日へ増量した。1,797例中196例(11%)が脱落したが、脱落率が最も高かったのはプラセボ群(14%)で、最小はバルサルタン+aliskiren併用群の8%だった。8週間で17.2/12.2mmHg降圧1次評価項目である「服用開始8週間後の随時血圧」は、バルサルタン群で試験開始時に比べ12.8/9.7mmHg、aliskiren群で13.0/9.0mmHg低下しており、いずれもプラセボ群(4.6/4.1mmHg)に比べ有意に高値だった(p<0.0001)。さらにバルサルタン+aliskiren併用群では試験開始時に比べ17.2/12.2mmHgという著明な降圧を認め、この値はバルサルタン単独、aliskiren単独よりも有意に大きかった(p<0.0001)。24時間自由行動下血圧で検討しても同様の結果であり、ARBとaliskiren併用の臨床的有用性を検討すべきだとOparil氏らは結論している。(宇津貴史:医学レポーター)

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高血圧患者の拡張障害に対するRA系抑制の有用性確認できず:VALIDD試験

高血圧患者では拡張障害の結果、心不全発症に至るケースが多いと考えられている。そこでLancet誌6月23日号に掲載されたVALIDD試験では、レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬を含まない降圧薬とRA系抑制薬の間で、高血圧患者の拡張障害改善作用が比較されたが、有意差はなかった。試験期間は38週間本試験の対象は、左室駆出率50%超にもかかわらず心不全が認められた本態性高血圧患者384例。試験開始時の血圧はおおむね144/86mmHgだった。RA系阻害薬とアルドステロン拮抗薬を服用していた患者は服用を停止した上、バルサルタン320mg/日追加群(186例)とプラセボ追加群(198例)に無作為化された。血圧が135/80mmHg未満に達しない場合、RA系抑制薬・アルドステロン拮抗薬以外の降圧薬を自由に追加できた。拡張能改善作用に有意差なし二重盲検法にて38週間追跡した結果、1次評価項目である「拡張弛緩速度」はバルサルタン追加群で0.60cm/秒試験開始時に比べ有意(p

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