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食習慣は大腸癌発病に加え再発にも深く関与

大腸癌発病と食事の因果関係については知られているが、患者の予後における食事の影響については明らかにされていない。アメリカ・ボストンのダナ・ファーバー癌研究所のJeffrey A. Meyerhardt氏らは、食パターンと大腸癌生存者の再発率および死亡率との関連に着目して、前向き観察研究を実施した。JAMA誌8月15日号の報告から。III期大腸癌患者1,009例を追跡調査対象患者は1999年4月~2001年5月の間に、無作為化補助化学療法試験(CALGB 89803)に登録されたIII期の大腸癌患者1,009例。補助化学療法中および治療後6ヵ月間の食習慣についてアンケートを行い、確認された慎重食パターン(prudent pattern)と西洋食パターン(Western pattern)の2つの食パターンと、癌再発および死亡について分析した。慎重食パターンは果物、野菜、鶏肉、魚をよく摂取することが、一方の西洋食パターンは肉、油脂、精製された穀物、デザート類の摂取率が高い。西洋食パターンと再発率、死亡率との関連を確認追跡期間5.3年(中央値)の間に、集団全体として324例の患者が癌再発、223例が癌再発で死亡、28例が癌再発以外の要因で死亡しており、西洋食が大腸癌再発や死亡と関連していることが明らかとなった。五分位比較による西洋食パターンの最小摂取群と最大摂取群の患者の、無疾患生存の補正ハザード比(AHR)は3.25(95%信頼区間2.04- 5.19)、無再発生存AHRは2.85(同1.75-4.63)、全生存AHRは2.32(同1.36-3.96)だった(いずれもP<0.001)。西洋食パターンに偏ったことによる無疾患生存の低下は、性、年齢、ステージ、BMI、身体活動レベル、基線PSあるいは治療による差異はなかった。対照的に慎重食パターンは、癌再発および死亡率との関連は認められなかった。以上の結果を踏まえMeyerhardt氏らは、「手術および補助化学療法を受けたIII期大腸癌患者が西洋食をより多く摂取することは、再発と死亡率を高める可能性がある。そのような食事のどの構成要素が最も強く関連しているのか、さらなる研究によって明らかにする必要がある」と結論づけた。(武藤まき:医療ライター)

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術前化学療法で非小細胞肺癌の5年生存率が5%上昇

1990年代半ばに2つの小規模な試験が有望な成績を報告して以来、非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術前補助化学療法(neo-adjuvant chemotherapy; NAC)の検討が活発に進められている。6月9日付Lancet誌に掲載されたヨーロッパのIntergroupによる多施設共同無作為化試験の結果は、NACは手術単独に比べ全生存率を改善したものの有意差はなかった。しかし、この最新データを加えたNACの無作為化試験全体の解析によれば、今回の成績は5年生存率を5%引き上げるものだという。英国Addenbrooke’s HospitalのDavid Gilligan氏の報告。NAC完遂率75%、奏効率49%、病変のdown-stagingは 31%切除可能なNSCLCが、手術単独群とプラチナ製剤ベースの化学療法を3コース施行後に手術を受けるNAC群に無作為に割り付けられた。NACは、無作為化の前に6つのレジメンの中から主治医が選択した。1997年7月~2005年7月の間に、ヨーロッパの70施設から519例が登録され、そのうち261例が手術単独群に、258例がNAC群に割り付けられた。stageは Iが61%、IIが31%、IIIが7%であった。NACの完遂率は75%であり、feasibleとみなされた。また、奏効率は49%と良好であり、病変進行は2%にすぎなかった。31%の症例で病変のdown-stagingが得られた。全生存率の差はないが、最新のエビデンスに強い影響を及ぼす成果完全切除率は手術単独群80%、NAC群82%と両群間に差はみられなかった。NAC群で術後の合併症が増加することはなく、QOLの低下も認めなかった。また、両群間に全生存率の差はなかった(ハザード比:1.02、95%信頼区間: 0.80-1.31、p=0.86)。生存期間中央値(MST)および5年生存率の推計値は、手術群がそれぞれ55か月、45%、NAC群が54か月、44%であった。Gilligan氏は、「今回の成績をこれまでのNACの無作為化試験のデータに統合して解析したところ、NACにより12%の相対的な生存ベネフィットが得られ、これは5年生存率の5%の上昇に相当する」と考察を加え、「全生存率に有意差はなかったとはいえ、本試験の成績は最新のエビデンスに強い影響を及ぼすものと思われる」としている。(菅野 守:医学ライター)

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