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以前のように働きたい、でもどうすればいい?  -東京都世田谷区と精神科医がうつ病患者さんの就労を支援-

近年、うつ病患者数の急増が注目されている。その中でも、働き盛りの世代のうつ病は単なる疾患の問題にとどまらず、経済的な損失の観点からも大きな社会問題として指摘されている。そのような中、東京都世田谷区では精神科医や心理士らと共に、うつ病に悩む区民の就労を支援するため、2008年からうつ病に関する講演会や就労支援講座を実施してきた。同企画の3年目となる今年は、5月17日(月)に世田谷区役所第3庁舎ブライトホールにて、区民約100名を集めた講演会が開催された。そこで、同企画の立ち上げから参加し、講演会の講師を務めている仮屋暢聡氏(まいんずたわーメンタルクリニック〔渋谷区〕)に同企画の趣旨と今後の展望についてお話を伺った。行政との二人三脚で始まったうつ病患者さんの就労支援世田谷区の東京都立松沢病院、東京都健康局の精神保健福祉課長などの経歴を持つ仮屋氏は、地域活動の一環として十数年、同区の保健所に様々な支援をしてきた。このような経緯を経て、世田谷区の保健所からうつ病患者さんの就労支援の相談を受けたのが3年前に遡る。「本企画を立ち上げた3年前は、なかなか復職できずに会社を辞めてしまう患者さんも多く、患者さんの家族からも『どのように患者さんを支えてよいかわからない』という悩みを多く聞いていた」と仮屋氏は振り返る。うつ病に対する認識が広がりつつあるものの、3年前はうつ病に対する認識はまだまだ低く、相談できるところがないような状況だった。そこで、その対策として立ち上げたのがこの企画だ。患者さんやご家族が本当に知りたいことに応える講演会の内容は、“うつ病とは何か?”という全般的な話を一通り説明した上で、今、うつ病で何が問題になっているのかなどの視点や、うつ病に対して自分の臨床経験が深まっていくからこそできる話も織り交ぜ、毎年少しずつ話を変える工夫をしている。現在、インターネットやメディアからの情報で、一般の人たちもうつ病について大まかには知られるようになってきた。しかし、「うつ病は治るのか、いつ治るのか」「どこに受診すればいいのか」「どのような治療法があるのか」「薬はどの程度効くのか」「家族はどうしたらいいのか」など、まだまだうつ病患者さんやご家族ではわからないことが多いと、仮屋氏は指摘する。仮屋氏は、今回の講演会においてうつ病と神経の関連についても言及し、今回はうつ病によって引き起こされる体の変化についても触れた。実際のデータも見せ、自律神経の亢進が身体に及ぼす影響を説明した。そして、「打たれ弱いから、心が弱いからうつ病になったのではない」「何かのショックによってうつ病になったのではない」ことを今回の講演会で最も強調した。仮屋氏は「心を抽象的に捉えてしまうとどうしてもわかりにくくなってしまうが、目に見える形で提示するとうつ病患者さんの理解が得られる」と、講演会の手応えをしっかり感じていた。本企画は、仮屋氏によるうつ病患者さんへの疾患の説明にとどまらない。別の日程で、うつ病患者さんのご家族に対しても、個別にご家族の悩みを聞き、どうしたらよいか相談に乗る機会を設けた。さらに、うつ病患者さんの就労のためのセミナーも用意している。「頑張ったらいけない」ことが、いけないこと?うつ病患者に対して「頑張り過ぎない」「頑張ったらいけない」とよく言われる。この点について逆説的に「頑張らなければならない時は頑張らなければならないのだから、「どういう部分を頑張ればよいのか」「どういう部分は頑張ってはいけないのか」と説明すると患者さんもご家族の方もよくわかってくださる」と、うつ病患者さんに対する対処方法も披露した。聴講者も最後までしっかり聞き入り、「よくわかった」と感想を話していたという。全国に先駆けた世田谷区の取り組み仮屋氏は「うつ病患者さん本人やご家族へのうつ病の講演はあるが、うつ病患者さんの就労支援や患者さん本人のスキルアップのためのセミナーまでやっているところは全国でも少ないのではないか」という。 自治体ができることには限度があるが、「その中でも、少しでも本企画のような動きが広まってくれることを世田谷区も期待している」とのことだ。就労を希望するうつ病患者さんは、一体何に困っている?「今のうつ病患者さんの就労の問題は、就労のための実際のやり方がわからないということ。だから本企画では、私が講演会でうつ病の疾患や治療、対応、家族の基本的な考え方などについて話し、精神保健福祉士やケースワーカーの人たちがセミナーで就労支援の制度の大枠、たとえば障害基礎年金や傷病手当金、失業保険など制度について大まかに説明している。」と、仮屋氏は本企画の特徴を述べた。「世田谷区でもこの事業を毎年総括し、成果がよければまたこの形で続けていくことになるかもしれない」と今後の見解も示した。世田谷区内へ、そして全国へ。 うつ病患者の就労支援は広まるか?仮屋氏は「本企画は世田谷区内の小さいエリアへの展開も考えられる。世田谷区は5つくらいの地区に分かれるので、区が実施した企画が、より小さい地区においても細かくフォローされていくことを実現したいと考えているようだ」と、今後の発展の可能性があることを示唆した。また、これらの成果を、「公衆衛生学会や保健師の学会などで発表できれば、他の地区にも波及して様々な方法が検討され全国に広まっていく。世田谷区がそのような雛形作りになればいい」と仮屋氏は語った。過去世田谷区では、今回のうつ病同様に、全国に先駆けて虐待やアルコール依存症対策などについても取組んできた歴史がある。結果として、この動きは全国に広まっていった。このような世田谷区の特徴を仮屋氏は「世田谷区は80万人という人口を抱えており、いろんな資源もある。区長も積極的にこのような事業に力を入れているという伝統がある。逆にいえば、世田谷区は恵まれているのかもしれない」と説明する。うつ病対策の主力は「コ・メディカル」?もう一つ、仮屋氏が熱い視線を送っているのがコ・メディカルだ。仮屋氏によれば、「世田谷区は心の問題、たとえばアルコール依存症などは今でもコ・メディカルの方々が、「家族が変われば患者さんも変わるのではないか」「コ・メディカルがこの問題に自発的に取り組むことでさらに成果が上がるのではないか」と考え、患者さんの家族に対するアプローチを開始して成果を上げている。このような医師以外のコ・メディカルの運動が、実は地方のような医師が少ない地域でもうつも防げるのではないか。」とコ・メディカルの活動に大きな期待を寄せている。「実際に地方では、臨床に対するアプローチとして、医師がすべてできない部分を保健師などがフォローしていくというように進んでいるようだ」と地方のうつ病診療にまで話が及んだ。最後に仮屋氏は「精神科医も含め医師は不足している。コ・メディカルや職場の産業医、一般の内科医などいろんな職域が上手く連携し、うつ病患者を早期に発見して早期にアプローチしていくということが必要なのだろう。精神科医の仕事として、そういった人たちに対して教育していくということも重要だ」と言葉を結んだ。(ケアネット 高橋 洋明)

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高齢者のセルフネグレクトあるいは虐待は死亡率を有意に増大

セルフネグレクト(自己放任)や他者からの虐待が認められた高齢者は、死亡率が、そうでない人に比べ有意に増大するという。セルフネグレクトの場合には、1年以内の死亡率がおよそ6倍に増大していた。米国Rush大学のXinQi Dong氏らが、9,000人超の高齢者について、前向きに調査をして明らかにしたもので、JAMA誌2009年8月5日号で発表した。高齢者のセルフネグレクトあるいは他者による虐待は大きな問題となっているが、死亡率との関連を調べた研究は珍しいという。65歳以上の9,318人を、中央値6.9年で追跡Dong氏らは1993~2005年にかけて、シカゴ地域に住む65歳以上の高齢者、9,318人について調査を行った。そのうち、セルフネグレクトが報告されたのは1,544人、虐待は113人だった。追跡期間の中央値は6.9年(四分位範囲7.4年)で、その間に死亡した人は4,306人だった。セルフネグレクトの1年死亡率は5.8倍、虐待の総死亡率は1.39倍にセルフネグレクトを報告した高齢者の1年死亡率は、270.36/100人年、1年以降死亡率は9.46/100人年だった。一方、セルフネグレクトの報告のなかった高齢者の死亡率は、5.01/100人・年だった。セルフネグレクトを報告した高齢者は、そうでない人に比べ、1年以内の死亡に関するハザード比が5.82(95%信頼区間:5.20~6.51)だった。1年以降の死亡に関する同ハザード比は、1.88(同:1.67~2.14)と、1年以内より低下はするが依然として有意に高かった。なかでも、白人(補正後ハザード比:1.63)、男性(補正後ハザード比:1.72)の死亡率が高率だった。一方、虐待の報告された高齢者の死亡に関するハザード比は、1.39(同:1.07~1.84)だった。なお、セルフネグレクトや虐待による死亡率の増大は、認知能力や身体機能レベルの低いグループ以外でも認められた。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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在宅認知症高齢者への家族による虐待は52%:イギリス

在宅認知症高齢者に対する家族による虐待の実態について、ロンドン大学メンタルヘルス部門のClaudia Cooper氏らが調査を行ったところ、約半数が身体的・心理的な虐待を行っていることが明らかになった。虐待の度合いが重視すべきケースは約3割強に上ることも報告されている。イギリスおよびアメリカでは高齢者虐待が政策上の優先課題とされており、英国では虐待対策の法整備の改訂が検討されているところだという。BMJ誌2009年3月7日号(オンライン版2009年1月22日号)より。220人の家族介護者に身体的・心理的虐待の有無について5段階評価アンケート調査は、イギリスのエセックスおよびロンドンで、新規に、在宅医療を受けながら自宅で療養生活を送ることになった認知症高齢者のいる家族介護者を対象に行われた。身体的および心理的な虐待を各5項目ずつ、過去3ヵ月間に行ったかどうかを5段階評価(0:なし~4:常に)で回答を求めるアンケートで、評価2(時々)以上のものを重大な虐待があるとした。回答が得られたのは、319人のうち220人。平均年齢は61.7歳(範囲:24~92歳)。女性の家族介護者は144人(66%)で、182人(83%)が白人だった。157人(71%)は同居の夫か妻であり、介護者(配偶者、子ども、その他)と患者が同居していたのは118世帯(54%)だった。一方、要介護者は159人(72%)が女性で、平均年齢は81.6歳(範囲:58~99歳)。認知機能を示すMini-mental state examination(MMSE)スコアは平均18.4だった。家族介護者を対象に含んだ虐待対策が必要虐待を行っていると回答した家族介護者は115人(52%、95%信頼区間:46%~59%)だった。評価2(時々)以上の回答者は74人(34%、27%~40%)で、「大声で言ったり、どなりつける」「きつい口調で辱めたり、ののしる」が突出していた。なお「暴言行為」は、日常的に行われていることが確認された。また3人(1.4%)ではあったが、「身体的な虐待を常に行っている」との回答があった。 Cooper氏は、「認知症のケアをする介護者による虐待は、ごく一般的なことであることが確認された。ごくわずかだったが深刻なケースも見いだされた。同時に一方で、非常に虐待的な態度を持つ人は、それを報告するのを嫌う場合があったことも確認された」と述べ、家族介護者を対象に含んだ虐待対策に政策転換すること、高齢者虐待を「all or nothing」の事例レベルではなく、専門家にアドバイスを求めるべきこととしてみなす必要があると結論している。

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乳幼児の骨折で原因が確認できない場合は虐待を疑うべき

子どもの骨折が虐待によるものなのか、骨折タイプから虐待の可能性を見極めることを目的とする骨折指標の同定作業が、公表論文のシステマティックレビューによって行われた。カーディフ大学(英国)ウェールズ・ヒースパーク大学病院臨床疫学学際研究グループ/ウェールズ児童保護システマティックレビューグループのAlison M Kemp氏らによる。研究報告は、BMJ誌2008年10月2日号に掲載された。システマティックレビューで異なる骨部位の骨折を比較研究レビューのデータソースは2007年5月までのMedline、Medline in Process、embase、Assia、Caredata、Child Data、CINAHL、ISI Proceedings、Sciences Citation、Social Science Citation Index、SIGLE、Scopus、TRIP、Social Care Onlineのオリジナル研究論文、参考文献、テキスト、要約を対象とし言語文献検索(32のキーワード)された。選択された研究は、異なる骨部位の骨折(身体的虐待によるもの、および18歳未満の子どもに起きたその他ケースを含む)を比較研究したもの。総説、専門家の意見、検死研究、成人対象の研究は除外された。各論文を2人ないしは議論の余地がある場合は3人の異なる専門家(小児科医、小児レントゲン技師、整形外科医、児童保護に任ぜられている看護師のいずれか)によってレビューし行われた。またレビューではNHS Reviews and Disseminationセンターのガイダンスをベースとするデータ抽出シート、評価査定用紙、エビデンスシートが用いられた。メタ解析は可能な限り行われ、研究間の異質性を説明するため変量効果モデルで適合を図った。部位、骨折タイプ、発育段階も含めて判断することが大切選択された研究は32。乳児(1歳未満)と幼児(1~3歳)で頻繁に、虐待から生じている骨折が全身にわたって見受けられた。共通して見られたのが多発性骨折だった。自動車事故、虐待の証拠があった外傷を除き、虐待によると思われる骨折の可能性の確率が最も高かったのが肋骨骨折だった(0.71、95%信頼区間0.42~0.91)。虐待の定義付けに基づき、上腕骨骨折が虐待による確率は0.48(0.06~0.94)と0.54(0.20~0.88)の間だった。骨折タイプの解析は、子どもが転倒などで負いやすい上腕骨顆上骨折によってうまくいきそうもなかった。虐待の定義付けに基づき、大腿骨骨折が虐待による確率は0.28(0.15~0.44)と0.43(0.32~0.54)の間にあった。そして小児の発育段階は重要な選定要因であることが示された。頭蓋骨折が虐待による確率は0.30(0.19~0.46)で、虐待による骨折で最もよく見られた。虐待と無関係な骨折は線状骨折であった。本研究では、虐待による骨折の可能性の確率を算出するには、他の骨折タイプのデータが不十分だった。Kemp氏は「乳児や幼児の骨折で原因が確認できない場合は、身体的な虐待があることを潜在原因として考えなければならない。骨折それ自体だけでは、虐待によるものなのかそうでないかは区別できない。個々の骨折の評価では、部位、骨折タイプ、発育段階が、虐待可能性の判定を助けてくれる」と結論。「この分野の質の高い比較研究は限られている。さらなる前向きな疫学研究の必要が示される」と提言している。

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女性に対するDVは、人権侵害かつ深刻な公衆衛生上の問題を引き起こす

「女性に対する親密な男性パートナーによる暴力は、人権侵害だけでなくその帰結として深刻な公衆衛生上の問題を引き起こす」――WHO主導の研究グループが日本を含む10ヵ国のデータをまとめ、Lancet誌2008年4月5日号で報告した。女性の外傷の主原因が身体的虐待であることを示す多くの報告がある一方で、男性パートナーによる虐待がもたらす不良な健康アウトカムは外傷に限らず、はるかに広範囲に及ぶことが指摘されている。WHOとの共同研究に当たったPATH(Program for Appropriate Technology in Health)のMary Ellsberg氏による報告。暴力行為の経験、特定の症状、暴力で負った外傷についてインタビュー本試験は、“WHO Multi-country Study on Women’s Health and Domestic Violence against Women(VAW)”の研究チームによる観察研究である。2000~2003年に、標準化された地域住民ベースの調査が実施された。15~49歳の女性を対象に、現在あるいは以前の親密な男性パートナーによる身体的、性的な暴力行為の経験および身体的、精神的健康に関連する特定の症状についてインタビューを行った。パートナーによる身体的暴力を報告した女性には、その暴力で負った外傷について質問した。身体的な健康問題だけでなく、精神的苦痛の頻度も高い10ヵ国15地域の2万4,097名の女性にインタビューし、これまでにパートナーがいたことがある1万9,568人のデータについてプール解析を行った。パートナーによる暴力の経験と自己報告による不良な健康状態との間には有意な相関が認められた(補正オッズ比:1.6、95%信頼区間:1.5~1.8)。これらの女性には、過去4週間における特定の健康問題として、歩行困難(1.6、1.5~1.8)、日常動作困難(1.6、1.5~1.8)、疼痛(1.6、1.5~1.7)、記憶喪失(1.8、1.6~2.0)、目まい(1.7、1.6~1.8)、膣分泌物異常(1.8、1.7~2.0)が見られた。少なくとも1回以上のパートナーによる暴力を報告した女性は精神的苦痛の頻度も有意に高く、虐待を受けたことがない女性に比べ自殺念慮(2.9、2.7~3.2)、自殺企図(3.8、3.3~4.5)が有意に多く見られた。これらの有意な相関はほとんどの調査地域で維持されており、身体的虐待を受けた女性の19~55%が外傷を負った経験をもっていた。Ellsberg氏は、「生活地域や文化的、人種的背景にかかわらず、ひいてはその地域や女性自身が暴力を許容したとしても、パートナーによる身体的、性的な暴力は不良な身体的、精神的健康状態の頻度を増大させた」と指摘したうえで、「女性に対する親密な男性パートナーによる暴力は、人権侵害だけでなくその帰結として深刻な公衆衛生上の問題を引き起こす。国およびグローバルな健康関連組織による施策やプログラムの検討が急務なことが浮き彫りとなった」と結論している。ちなみに、日本からの参加者1,276人のうち虐待経験者は196人(15.4%)と15の調査地区中最も低く、不良な健康状態のオッズ比は全体より高いものの有意差はなかった(1.9、0.9~4.0)。(菅野守:医学ライター)

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クレーマーに仮処分、患者の妨害行為を禁じる

埼玉県春日部市立病院に入院中の患者家族が医師や看護師などに対して威嚇行為や誹謗中傷を繰り返したとして、同市が医療妨害禁止を求めていた仮処分申請に対して、さいたま地裁越谷支部がこの申請を認めたことがわかった。同市によると、仮処分を受けたのは90歳代の入院患者の息子夫婦。大声で医療スタッフを威嚇したり、「虐待だ」など虚偽の誹謗中傷を繰り返して医療行為を妨害していたという。こうした医療行為に対する妨害に禁止の仮処分が出たのは珍しい。

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