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成人アトピー、日米欧での有病率は約2~5%

 成人におけるアトピー性皮膚炎(AD)の有病率については認識に違いがあることから、フランス・ナント大学病院のSebastien Barbarot氏らは、米国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国および日本においてWEBベースの国際横断研究を行った。その結果、各国における成人のAD有病率は2.1~4.9%で、評価尺度または地域に関係なく重症ADの割合は低いことが示された。Allergy誌オンライン版2018年2月13日号掲載の報告。成人アトピーの有病率を米国・カナダ・EU・日本で推定 研究グループは、成人におけるAD有病率を全体および重症度別に推定する目的で、WEBベースの国際横断研究を行った。 オンライン回答者には、ADの確認と重症度評価のためのアンケートを送付した。各国の参加者数は人口統計学的に割り当てた。ADの確認は、modified UK Working Party/ISAAC基準で陽性および医師によるAD診断歴の自己報告に基づいた。ADの治療を受けていると報告したADを有する参加者の割合を算出し、有病率の推定に用いた。重症度の評価尺度は、患者によるアトピー性皮膚炎評価スコア(PO-SCORAD)、患者による湿疹評価スコア(PO-EM)、および患者による全般評価(PGA)を用いた。 成人アトピーの国際横断の有病率を推定した主な結果は以下のとおり。・成人アトピーの時点有病率(有病者全体/治療中の集団)は、米国(4.9%/3.9%)、カナダ(3.5%/2.6%)、EU(4.4%/3.5%)および日本(2.1%/1.5%)であった。・成人アトピーの有病率は、概して女性より男性で低く、加齢とともに低下した。・成人アトピーの有病率は、各国内で地域による変動性が観察された。・成人アトピーの重症度は評価尺度および地域によって変化したが、重症ADの割合は評価尺度または地域に関係なく軽症および中等症ADの割合より低かった。

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日本人掌蹠膿疱症患者でguselkumabが有効

 日本人掌蹠膿疱症(PPP)患者を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験において、抗IL-23モノクローナル抗体guselkumabは、PPPの治療選択肢として安全かつ有用であることが認められた。日本大学の照井 正氏らが報告した。PPPは、難治性の皮膚疾患で、現在、治療薬として承認されている生物学的製剤はない。最近、PPPにインターロイキン23(IL-23)およびTh17ヘルパーT細胞系のサイトカインが関与していることが明らかになってきた。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年2月7日掲載の報告。 本試験は、2013年5月14日~2014年9月27日に日本の11施設で行われた。対象は、従来の治療で十分な効果が得られなかった中等度~重度のPPP患者49例(女性:35例[71%]、年齢中央値52歳[範囲:28~77])である。guselkumab 200mg皮下投与群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、0週および4週に投与し、24週間観察した。 主要評価項目は、16週時における掌蹠膿疱症重症度指数(palmoplantar pustulosis severity index:PPSI)合計スコアのベースラインからの変化量である。ベースライン、4週時および16週時に血清バイオマーカーを測定するとともに、24週間を通して安全性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・49例中41例が24週間の試験を完遂した。・主要評価項目である16週時におけるPPSI合計スコアのベースラインからの変化量(平均±SD)は、guselkumab群-3.3±2.43、プラセボ群-1.8±2.09であり、guselkumab群で有意な改善を認めた(最小二乗平均差:-1.5、95%信頼区間[CI]:-2.9~-0.2、p=0.03)。・guselkumab群では、16週時における掌蹠膿疱症の面積と重症度指数(PPPASI)合計スコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均差:-5.65、95%CI:-9.80~-1.50、p=0.009)、およびPPPASI合計スコアが50%以上改善した患者の割合(群間差:39.2%、95%CI:14.0~64.3、p=0.009)も有意に改善した。・医師総合評価(PGA)スコアが0(消失)または1(ごく軽度)の患者の割合は、プラセボ群に比べguselkumab群で高かった。・guselkumab群でみられたこれら有効性評価項目の改善は、24週間を通して維持された。・guselkumab群では、4週時および16週時に血清IL-17AおよびIL-17F濃度のベースラインからの有意な減少が観察された。・治療下で発現した有害事象は、guselkumab群で25例中19例(76%)、プラセボ群で24例中18例(75%)と両群で類似していた。・両群を合わせて発現頻度が高かった有害事象は、鼻咽頭炎(14例、29%)、頭痛(3例、6%)、接触性皮膚炎(3例、6%)および注射部位紅斑(3例、6%)であった。・試験期間中に重大な安全性の懸念は認められなかった。

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花粉シーズンすでにスタート?神奈川や西日本の一部で飛散始まる

 日本気象協会は2018年2月15日、2018年春の花粉飛散予測(第4報)を発表。一部にスギ花粉の飛散開始となった地域もあり、それ以外の地域でも飛散開始は目前に迫っているようだ。例年より遅れながらも2月第5週に飛散開始か 1月下旬、2月上旬と強い寒気が流れ込み、全国的に記録的な低温になり、北陸地方では数十年ぶりの大雪となった。この影響で、多くの地点では花粉の飛散開始が遅れている。しかし、神奈川県など関東の一部では大雪の翌日1月23日と24日に、飛散開始が確認された。西日本などでも飛散開始となったところがあり、花粉シーズンがスタートしている。そのほかの地点でも、わずかな飛散が確認されている。 2月第5週は、平年並みか高くなる日もあるため、西日本や東日本の地点でも、花粉の飛散が始まるところがあると予想される。2月下旬から3月にかけては、北陸でも飛散開始となる見込み。一方、北日本では、2月下旬には東北南部で、3月上旬には東北北部でも花粉の飛散が始まる予想。北海道の飛散開始は例年通り4月下旬になる見込み。広い範囲で前シーズンの飛散量を上回る 2018年春の花粉飛散予測は、東北から近畿、四国地方までの広い範囲で、前シーズンの飛散量を上回る見込みだという。ピーク時期は例年並み スギ・ヒノキ花粉それぞれのピーク時期は例年並みの見込み。 スギ花粉のピークは、福岡では2月下旬~3月上旬、高松・広島・大阪・名古屋では3月上旬~中旬、金沢と仙台では3月中旬~下旬にピークを迎える見込み。東京のピークは3月上旬~4月上旬となり、多く飛ぶ期間が長い。 スギ花粉のピークの後始まるヒノキ花粉のピークは、福岡では3月下旬~4月上旬、広島では4月上旬、高松・大阪・名古屋・東京では4月上旬~中旬の見込み。■参考tenki.jp

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アトピー性皮膚炎への抗IL-13抗体薬、ステロイドと併用では改善

 インターロイキン(IL)-13は、2型炎症反応において重要な役割を果たしており、アトピー性皮膚炎における新たな病原性メディエーターとされる。中等症~重症アトピー性皮膚炎に対し、ヒト化抗IL-13モノクローナル抗体であるlebrikizumab 125mgの4週ごと投与は、局所作用性コルチコステロイドとの併用において、重症度を有意に改善し忍容性は良好であることが認められた。米国・オレゴン健康科学大学のEric L. Simpson氏らが、無作為化プラセボ対照二重盲検第II相臨床試験(TREBLE試験)の結果を報告した。なお著者は、「単独療法としてのlebrikizumabの有効性は不明であり、今回は研究期間が短く長期投与の有効性および安全性は評価できない」と付け加えている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年1月15日号掲載の報告。 TREBLE試験の目的は、局所作用性コルチコステロイドとの併用投与におけるlebrikizumabの有効性および安全性を検討することであった。対象は、中等症~重症アトピー性皮膚炎成人患者209例で、2週間の局所作用性コルチコステロイド導入期の後、lebrikizumab 125mg単回投与群、250mg単回投与群、125mgを4週ごと投与(Q4W)群またはプラセボ(Q4W)群に1対1対1対1の割合で無作為に割り付け、12週間治療した。 主要評価項目は、12週時に湿疹面積重症度指数(Eczema Area and Severity Index:EASI)スコアが50%低下した患者の割合(EASI-50達成率)であった。 主な結果は以下のとおり。・12週時のEASI-50達成率は、プラセボ群62.3%に対し、lebrikizumab 125mg Q4W群は82.4%で有意に高かった(p=0.026)。・プラセボ群と、lebrikizumab単回投与群の2群とは差がなかった。・有害事象の発現頻度は、lebrikizumab(全投与)とプラセボ群で類似しており(66.7% vs.66.0%)、有害事象の多くは軽症もしくは中等症であった。

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極寒の影響で今シーズンの花粉飛散開始時期はどうなる?

 日本気象協会は2018年2月8日、2018年春の花粉飛散予測を発表。記録的な寒波により、これまで極端な低温が続き、都心の1月1日からの積算気温は、飛散時期の目安となる数字(およそ400度)に達しておらず、飛散開始時期が遅れる可能性がある。 一方、これまでは強い寒気が長く居座り、厳しい寒さの日が長く続いたが、この先は寒気が流れ込んでも一時的で、気温の上がる日がでてきそうだ。関東でも、すでにわずかながら花粉が飛んでいる所があり、風の強まる日があれば、本格的な花粉シーズンへと突入するかもしれないとのこと。■参考tenki.jp

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プロバイオティクス・カプセル、アトピー性皮膚炎を改善

 新たな剤形で複数成分を含むプロバイオティクス・カプセル製剤は、小児・若年者におけるアトピー性皮膚炎(AD)の経過を改善する可能性が、スペイン・Hospital Universitario VinalopoのVicente Navarro-Lopez氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果、示された。アトピー性皮膚炎疾患重症度評価(SCORAD)スコアが低下し、局所ステロイドの使用も減少したという。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年11月8日号掲載の報告。 研究グループは2016年3月~6月に、新たな混合プロバイオティクス製剤の経口摂取について、有効性と安全性、ならびに局所ステロイドの使用に及ぼす影響を評価する目的で、12週間の無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を行った。 対象は、4~17歳の中等度AD患者50例(女児26例[50%]、平均[±SD]年齢:9.2±3.7歳)。試験前3ヵ月以内に全身性免疫抑制剤の使用歴のある患者、2週以内に抗菌薬使用歴のある患者、腸疾患合併の診断や細菌感染症の症状のある患者は除外された。 性別、年齢、発症年齢により層別化し、ブロックランダム化法によりプロバイオティクス群または対照群(プラセボ)に割り付け、凍結乾燥させたビフィズス菌(Bifidobacterium lactis)CECT 8145、ビフィズス菌(B.longum)CECT 7347、乳酸菌(Lactobacillus casei)CECT 9104を計109 CFU含むカプセル製剤(キャリアとしてマルトデキストリン使用)、またはプラセボ(マルトデキストリン)を毎日、12週間経口投与した。 主要評価項目は、SCORADスコアと局所ステロイドの使用日数とした。 主な結果は以下のとおり。・12週後、プロバイオティクス群は対照群と比較して、SCORADスコアの平均減少幅が19.2ポイント大きかった(群間差:-19.2、95%信頼区間[CI]:-15.0~-23.4)。・ベースラインから12週時点までのSCORADスコアの変化は、プロバイオティクス群-83%(95%信頼区間[CI]:-95~-70)、対照群-24%(95%CI:-36~-11)であった(p<0.001)。・対照群(220/2,032患者・日、10.8%)と比較して、プロバイオティクス群(161/2,084患者・日、7.7%)では局所ステロイドの使用が有意に減少したことが認められた(オッズ比:0.63、95%CI:0.51~0.78)。

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ダニアレルギー対策は環境と免疫療法

 2017年11月21日、ダニアレルギー対策会は、都内においてダニアレルギー対策の啓発活動の一環として「知っておきたいダニアレルギー対策」をテーマに、メディアセミナーを開催した。セミナーでは、最新の診療情報の講演ほか、ダニアレルギー対策の各種製品展示などが行われた。 ※ダニアレルギー対策会は、ダニによる通年性アレルギー性鼻炎の認知向上と、その対策方法の啓発を目的に株式会社サンゲツ、塩野義製薬株式会社、ダイキン工業株式会社、帝人フロンティア株式会社の異業種4社により発足した団体。国民の4割が罹患しているアレルギー性鼻炎 セミナーでは、岡本 美孝氏(千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学 教授)が、「知っておきたいダニアレルギー対策~アレルギー性鼻炎患者1,600人の意識調査から見えた課題~」をテーマに講演を行った。 アレルギー性鼻炎とは、鼻粘膜のI型アレルギー疾患であり、原則的に発作性反復性のくしゃみ、水性鼻漏、鼻閉の3主徴とする疾患と定義されている。 疫学では、正確な統計はないとしながらも国民の約4割が罹患していると推定される。ダニなどを起因とする通年性アレルギー性鼻炎は男性に多く、学童に多いとされる。一方、花粉などを起因とする季節性アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症)は女性に多く、とくに20~30代に多いとされているが、近年では低年齢化もみられるという。 アレルギー性鼻炎は自然寛解することは少なく、また、喘息発症の先行にアレルギー性鼻炎が多いことでも知られている1)。そして、現在行われている治療は、(1)抗原回避、(2)薬物療法、(3)免疫(減感作)療法、(4)手術療法、などがあると診療の概要を説明した。患者の3割が罹病歴20年以上 次にダニアレルギー対策会が企画・実施した「アレルギー性鼻炎患者実態調査」の結果について触れた。この調査は「通年性アレルギー性鼻炎患者の意識と行動について調査」(実施:2017年3月/対象:15~60歳の男女3万5千例/方法:インターネット調査)を目的に行われ、その結果、アレルギー性鼻炎の診断・自覚率では、現在診断中が14.9%、自覚しているが19.0%に対し、全体の6割強が何ら治療や疾患への自覚をしていないことが判明した。患者歴では、20年以上という患者が最も多く30.7%、10~20年未満が29.8%、5~10年未満が15.6%という順で、患者の長期罹病がうかがわれた。 この中よりさらに本調査として通年性・季節性アレルゲンの患者1,600例を抽出し、調査した。主に通年性アレルギー性鼻炎患者(n=800)の「症状の認識」につき、「重い」と感じる認識は全体では23.0%と多くはないものの、若年者では「重い」と感じる傾向が強いことがわかった。また、完治への希望については66.5%の患者が希望している半面、25.9%の患者しか「治療法によっては長期寛解が目指せる」ことを理解していないことが判明した。また、受診状況では、全体の62.4%が医療機関などでの治療を受けていない現状が示された。抗原回避の対策は環境整備と免疫療法 一般的な抗原回避の対策として、生活環境の整備が挙げられる。具体的には、ダニの繁殖を防ぐために寝具の天日干し、ソファーを布張りから皮など他の素材へ変更、防ダニ壁の採用、室内鉢植えの排除などがある。寝具、カーペット、カーテンなどを防ダニ効果製品へ変更する、エアコン・空気清浄機の設置なども効果的だという。 こうした生活環境整備以外にもアレルゲン免疫療法が勧められる。現在、アレルゲン免疫療法には、皮下免疫療法(SCIT)と舌下免疫療法(SLIT)があり2)、本療法は唯一アレルギー性鼻炎の自然経過を改善しうる治療とされ、その効果は治療終了後も長期間持続するという。免疫療法のメリットとしては、先述のほかに抗ヒスタミン薬や抗LT薬などの対症薬の使用低減、アレルギー性結膜炎や喘息への治療、喘息発症の予防、新抗原感作の抑制効果がある。デメリットとしては、遅効性ゆえに3年超の長期間にわたる投与や服薬が必要となり、SCITでは全身性のアナフィラキシーへの注意が、SLITでは口腔内のアレルギー反応への注意が必要とされるが、副作用は軽度であるという。 最後に岡本氏は「最近では、ダニアレルギー診療に関するウェブサイトも充実してきた。こうしたサイトも参考にし、疾患の知識を広げてもらいたい」と期待を述べ、レクチャーを終えた。■参考文献1)Yonekura S,et al. Acta Otolaryngol.2012;132:981-987. 2)松根彰志. 日本医事新報.2014;4687:31.■参考「通年性・季節性アレルギー性鼻炎患者の意識・実態調査結果」の詳細(塩野義製薬株式会社プレスリリースダニによるアレルギー性鼻炎に関する情報サイト(塩野義製薬株式会社)認定NPO法人 アレルギー支援ネットワーク ダニアレルギー

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アトピー性皮膚炎児、睡眠障害の原因は?

 アトピー性皮膚炎(AD)を有する小児の60%は、睡眠が妨げられているとされる。米国・Ann & Robert H. Lurie小児病院のAnna B. Fishbein氏らは、症例対照研究において、中等症~重症アトピー性皮膚炎の小児は健常児に比べ、就寝・起床時間、睡眠時間、睡眠潜時は類似していたものの、中途覚醒が多く睡眠効率が低いことを明らかにした。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年10月28日号掲載の報告。 研究グループは、中等症~重症アトピー性皮膚炎小児の睡眠の特徴ならびに睡眠障害の評価法を検討する目的で、6~17歳の中等症~重症アトピー性皮膚炎患児19例および年齢と性別をマッチさせた健常対照児19例を比較した。参加者は腕時計型のアクチグラフを装着し、睡眠および疾患特異的質問票に記入した。 主な結果は以下のとおり。・AD患児は、中途覚醒(WASO)時間が103±55分であったのに対して、対照児は50±27分であった。・AD患児は対照児より、睡眠時体動、日中の眠気、夜間の再入眠困難および教師の報告による日中の眠気の頻度が高かった。・重症度は、WASOとよく相関した。総SCORADスコア:r=0.61(p<0.01)、客観的SCORADスコア:r=0.58(p=0.01)、湿疹面積・重症度指数(EASI):r=0.68(p<0.01)。・小児皮膚疾患のQOL評価尺度はWASOと相関した(r=0.52、p=0.03)が、自己報告による痒みの重症度とは相関しなかった(r=0.28、p=0.30)。

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アトピー性脊髄炎〔AM:atopic myelitis〕

1 疾患概要■ 概念・定義中枢神経系が自己免疫機序により障害されることは、よく知られている。中でも最も頻度の高い多発性硬化症は、中枢神経髄鞘抗原を標的とした代表的な自己免疫疾患と考えられている。一方、外界に対して固く閉ざされている中枢神経系が、アレルギー機転により障害されるとは従来考えられていなかった。しかし、1997年にアトピー性皮膚炎と高IgE血症を持つ成人で、四肢の異常感覚(じんじん感)を主徴とする頸髄炎症例がアトピー性脊髄炎(atopic myelitis:AM)として報告され1)、アトピー性疾患と脊髄炎との関連性が初めて指摘された。2000年に第1回全国臨床疫学調査2)、2006年には第2回3)が行われ、国内に本疾患が広く存在することが明らかとなった。その後、海外からも症例が報告されている。2012年には磯部ら4)が感度・特異度の高い診断基準を公表し(表)、わが国では2015年7月1日より「難病の患者に対する医療等に関する法律」に基づき「指定難病」に選定されている。画像を拡大する■ 疫学平均発症年齢は34~36歳で、男女比1:0.65~0.76と男性にやや多い。先行するアトピー性疾患は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息の順で多く、アトピー性疾患の増悪後に発症する傾向にあった。発症様式は急性、亜急性、慢性のものが約3割ずつみられ、症状の経過は、単相性のものも3~4割でみられるものの、多くは、動揺性、緩徐に進行し、長い経過をとる。■ 病因図1のようにAMの病理組織学的検討では、脊髄病巣は、その他のアトピー性疾患と同様に好酸球性炎症であり、アレルギー性の機序が主体であると考えられる。さまざまな程度の好酸球浸潤を伴う、小静脈、毛細血管周囲、脊髄実質の炎症性病巣を呈する(図1A)5)。髄鞘の脱落、軸索の破壊があり、一部にspheroidを認める(図1B)5)。好酸球浸潤が目立たない症例においても、eosinophil cationic protein(ECP)の沈着を認める(図1C)6)。浸潤細胞の免疫染色では、病変部では主にCD8陽性T細胞が浸潤していたが(図1D)6)、血管周囲ではCD4陽性T細胞やB細胞の浸潤もみられる。さらに、脊髄後角を中心にミクログリアならびにアストログリアの活性化が認められ(図1E、F)7)、アストログリアではエンドセリンB受容体(endothelin receptor type B:EDNRB)の発現亢進を確認している(図1G、H)7)。図1 アトピー性脊髄炎の病理組織所見画像を拡大する■ 臨床症状初発症状は、約7割が四肢遠位部の異常感覚(じんじん感)、約2割が筋力低下である。経過中に8割以上でアロディニアや神経障害性疼痛を認める。そのほか、8割で腱反射の亢進、2~3割で病的反射を生じ、排尿障害も約2割に生じる。何らかの筋力低下を来した症例は6割であったが、その約半数は軽度の筋力低下にとどまった。最重症時のKurtzkeのExpanded Disability Status Scale(EDSS)スコアは平均3.4点であった。■ 予後第2回の全国臨床疫学調査では、最重症時のEDSSスコアが高いといずれかの免疫治療が行われ、治療を行わなかった群と同等まで臨床症状は改善し、平均6.6年間の経過観察では、症例全体で平均EDSS 2.3点の障害が残存していた。全体的には大きな障害を残しにくいものの、異常感覚が長く持続し、患者のQOLを低下させることが特徴といえる。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 検査所見末梢血所見としては、高IgE血症が8~9割にあり、ヤケヒョウヒダニやコナヒョウヒダニに対する抗原特異的IgEを85%以上の症例で有し、約6割で末梢血好酸球数が増加していた。前述のAMの病理組織において発現が亢進していたEDNRBのリガンドであるエンドセリン1(endothelin 1:ET1)は、AM患者の血清で健常者と比較し有意に上昇していた7)。髄液一般検査では、軽度(50個/μL以下)の細胞増加を約1/4の症例で認め、髄液における好酸球の出現は10%未満とされる。蛋白は軽度(100mg/dL以下)の増加を約2~3割の症例で認める程度で、大きな異常所見はみられないことが多い。髄液特殊検査では、IL-9とCCL11(eotaxin-1)は有意に増加していた。末梢神経伝導検査において、九州大学病院症例では約4割で潜在的な末梢神経病変が合併し、第2回の全国調査では、検査実施症例の25%で下肢感覚神経を主体に異常を認めていた3)。また、体性感覚誘発電位を用いた検討では、上肢で33.3%、下肢では18.5%で末梢神経障害の合併を認めている8)。図2のように脊髄のMRI所見では、60%で病変を認め、その3/4が頸髄で、とくに後索寄りに多い(図2A)。また、Gd増強効果も半数以上でみられる。この病巣は、ほぼ同じ大きさで長く続くことが特徴である(図2B)。画像を拡大する■ 診断・鑑別診断脊髄炎であること、既知の基礎疾患がないこと、アレルギー素因があることを、それぞれを証明することが必要である。先に磯部ら6)による診断基準を表で示した。この基準を脊髄初発多発性硬化症との鑑別に適用した場合、感度93.3%、特異度93.3%、陽性的中率は82.4%、陰性的中率は97.7%であった。鑑別として、寄生虫性脊髄炎、多発性硬化症、膠原病、HTLV1関連脊髄症、サルコイドーシス、視神経脊髄炎、頸椎症性脊髄症、脊髄腫瘍、脊髄血管奇形を除外することが必要である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)第2回の全国臨床疫学調査の結果では、全体の約60%でステロイド治療が行われ、約80%で有効性を認めている。血漿交換療法が選択されたのは全体の約25%で、約80%で有効であった。AMの治療においてほとんどの症例はパルス療法を含む、ステロイド治療により効果がみられるが、ステロイド治療が無効の場合には、血漿交換が有効な治療の選択肢となりうる。再発、再燃の予防については、アトピー性疾患が先行して発症、再燃することが多いことから、基礎となるアトピー性疾患の沈静化の持続が重要と推測される。4 今後の展望当教室ではAMの病態解明を目的とし、アトピー性疾患モデルマウスにおける神経学的徴候の評価と中枢神経の病理学的な解析を行い、その成果は2016年に北米神経科学学会の学会誌“The Journal of Neuroscience”に掲載された7)。モデル動物により明らかとなった知見として、(1)アトピー性疾患モデルマウスでは足底触刺激に対しアロディニアを認める、(2)脊髄後角ではミクログリア、アストログリア、神経細胞が活性化している、(3)ミクログリアとアストログリアではEDNRBの発現が亢進し、EDNRB拮抗薬の前投与により脊髄グリア炎症を抑制すると、神経細胞の活性化が抑えられ、アロディニアが有意に減少したというもので、AMに伴う神経障害性疼痛に脊髄グリア炎症ならびにET1/EDNRB経路が大きく関わっていることを見出している。5 主たる診療科神経内科6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター アトピー性脊髄炎(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報アトピー性脊髄炎患者会 StepS(AM患者と家族向けの情報)1)Kira J, et al. J Neurol Sci. 1997;148:199-203.2)Osoegawa M, et al. J Neurol Sci. 2003;209:5-11.3)Isobe N, et al. Neurology. 2009;73:790-797.4)Isobe N, et al. J Neurol Sci. 2012;316:30-35.5)Kikuchi H, et al. J Neurol Sci. 2001;183:73-78.6)Osoegawa M, et al. Acta Neuropathol. 2003;105:289-295.7)Yamasaki R, et al. J Neurosci. 2016;36:11929-11945.8)Kanamori Y, et al. Clin Exp Neuroimmunol. 2013;4:29-35.公開履歴初回2017年11月14日

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治療の幅が拡大した再生不良性貧血

 2017年10月16日、ノバルティス ファーマ株式会社は、同社のエルトロンボパグ オラミン(商品名:レボレード)およびシクロスポリン(同:ネオーラル)が、2017年8月25日に再生不良性貧血へ適応が拡大されたことから、「再生不良性貧血のメディカルニーズに対応する“輸血フリー”実現に向けた最新治療戦略 ~9年ぶりの治療選択肢の登場で変わる新たな薬物療法~」をテーマに、都内においてメディアセミナーを開催した。いまだに機序は不明の難病 はじめに中尾 眞二氏(金沢大学 医薬保健研究域医学系 血液・呼吸器内科教授)が、「再生不良性貧血の病態と最新の治療」と題して、再生不良性貧血(AA)の病態、診療、治療の現在と展望について講演を行った。 一般に「貧血」とは赤血球が不足し、体内に十分な酸素が行き渡らない状態で、鉄欠乏性貧血が最も多くみられる。AAでは、造血幹細胞が外的に傷害され、赤血球、白血球、血小板がともに減少するが、その正確な機序はいまだ不明であるという。 血液が作られないことから、貧血からくるめまい、倦怠感、動悸・息切れ、易感染による発熱、出血傾向などが症状としてみられる。また、眼瞼が白くなる、体幹部の点状出血、壊疽ができるなどの身体所見も観察される。 AAの診断基準としては、好中球、ヘモグロビン、血小板の値、骨髄の低形成(細胞の密度が低い)、除外診断などの項目が挙げられ、各種検査により確定診断がなされる。そして、AAでは重症度を「1.軽症、2.中等症、3.やや重症、4.重症、5.最重症」の5つに分類し、各重症度によって異なった治療が行われる。予後の改善が図られ、今では5年生存率も90% AAの治療では、造血機能を改善する治療として、免疫抑制療法(抗胸腺細胞グロブリン[ATG]、シクロスポリン投与)、タンパク同化ステロイド療法、造血幹細胞移植、エルトロンボパグ療法が行われる。また、支持療法として成分輸血(重症度「3.やや重症」から必要)や顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、鉄キレート剤の投与も行われている。 60年ほど前までAAの患者の約半数は6ヵ月程度で亡くなるなど、予後がきわめて悪い疾患だったが、免疫抑制療法などの治療で現在は5年生存率が90%と向上し、寛解率も6割程度を維持しているという。 治療のポイントとして、血幹細胞が枯渇する前に治療を開始することが重要で、「免疫抑制療法で、軽症例からシクロスポリンが使用できるようになったことは意義が大きい」と中尾氏は語る。これにより、難治例の減少や医療費を抑えることもできると期待を寄せている。 ここで問題なのが、免疫抑制療法では、血球減少パターンで効果が異なることである。血小板減少と貧血が併存する場合に効果は発揮されるが、好中球減少と貧血の場合、効果はそれほどでもないという。 こうした、免疫抑制療法の治療抵抗性のある患者や高齢の患者への治療となるのが、エルトロンボパグ療法である。エルトロンボパグは、巨核球や骨髄前駆細胞の増殖や分化を促進することで血小板を作る。臨床試験によると、21例(非重症15例、重症6例)に25~100mgのエルトロンボパグを6ヵ月投与した結果、10例に一血球系統の増加がみられ、血小板輸血の6例中4例で、赤血球輸血の19例中9例で輸血が不要となった。副作用は、3例に染色体異常が出現したが重篤なものはなく、有害事象としては軽度なもので鼻咽頭炎、肝機能障害、蕁麻疹などが報告されている(承認時資料より)。 同氏は、「エルトロンボパグの登場で、輸血や骨髄移植の不要、奏効も期待できる」と今後の治療に期待を寄せる。実際、同氏が示した試案ではエルトロンボパグの適応として、「あらゆる治療を受けてきたが定期的な輸血が必要」な患者または「ATG療法が予定されている70歳以上で重症度3以上」の患者に適応度が高いと説明する。その一方で使用に際し、「晩期の副作用は未知の部分が多いので、定期検査を受けることが重要であり、若年者の初回ATG治療例では、エルトロンボパグを併用する必要があるかどうか、慎重に判断しなければならない」と注意を喚起し、レクチャーを終えた。 引き続いて、AAの患者会の患者と中尾氏の対談が行われた。その中で患者からは、「AAという疾患の詳しい説明がされず不安であったこと、見た目では健康にみえることで誤解され困っていること、AAという疾患が医師などの間でも十分知られておらず不便もあること」などが語られた。■参考再生不良性貧血.com■関連記事希少疾病ライブラリ 再生不良性貧血

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新規抗体薬、コントロール不良喘息の増悪抑制/NEJM

 長時間作用性β刺激薬(LABA)と中~高用量の吸入ステロイドによる治療歴のある喘息患者の治療において、tezepelumabはベースラインの血中好酸球数とは無関係に、臨床的に重要な喘息の増悪を抑制することが、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のJonathan Corren氏らが行ったPATHWAY試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年9月7日号に掲載された。胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)は、炎症性の刺激因子に反応して産生される上皮細胞由来のサイトカインで、2型免疫の調節において中心的な役割を担う。喘息患者は健常者に比べ、気道のTSLP発現が高度で、TSLP値は2型ヘルパーT細胞(Th2)サイトカインやケモカインの発現、および喘息の疾患重症度と相関を示す。tezepelumab(AMG 157/MEDI9929)は、TSLPに特異的に結合するヒトIgG2モノクローナル抗体で、proof-of-concept試験では軽症アトピー型喘息患者の早期型および晩期型喘息反応を防止し、吸入アレルゲン負荷後の2型炎症反応のバイオマーカーを抑制したという。3つの用量の効果をプラセボと比較 本研究は、コントロール不良の喘息患者におけるtezepelumabの有効性と安全性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化第II相試験(MedImmune社、Amgen社の助成による)。対象は、年齢18~75歳の非喫煙者(登録時に、6ヵ月以上喫煙しておらず、喫煙歴が<10pack-years)で、登録の6ヵ月以上前にLABAと中~高用量の吸入ステロイドによる治療を行ってもコントロールが不良の喘息で、登録前12ヵ月以内に糖質コルチコイドの全身投与を要する喘息の増悪を2回以上、または入院を要する重度増悪を1回以上経験した患者であった。 被験者は、3つの用量(低用量:70mg、4週ごと、中用量:210mg、4週ごと、高用量:280mg、2週ごと)のtezepelumabまたはプラセボ(2週ごと)を皮下投与する群に無作為に割り付けられ、52週の治療が行われた。盲検を維持するために、4週ごとの投与群には、中間の2週時ごとにプラセボが投与された。 主要評価項目は、52週時の喘息増悪の年間発生率(イベント件数/1患者年)とした。喘息の増悪は、糖質コルチコイドの全身投与(経口、静注)を要する喘息症状の悪化、または糖質コルチコイドの経口投与による安定期維持療法中の患者における3日以上続く用量倍増、糖質コルチコイドの全身投与を要する喘息による救急診療部への入院、喘息による入院と定義した。 12ヵ国108施設で584例が登録され、低用量群に145例、中用量群に145例、高用量群に146例、プラセボ群には148例が割り付けられた。ベースラインの平均年齢はtezepelumab群(436例)が51.1±12.4歳、プラセボ群は52.2±11.5歳で、男性はそれぞれ157例(36.0%)、48例(32.4%)であった。喘息増悪率が約60~70%低下 52週時の年間喘息増悪率は、プラセボ群の0.67件に比べ、tezepelumab低用量群が0.26件、中用量群が0.19件、高用量群は0.22件であり、それぞれプラセボ群よりも61%、71%、66%低下した(いずれも、p<0.001)。また、登録時の血中好酸球数を問わず、同様の結果が得られた。 52週時の気管支拡張薬吸入前の1秒量(FEV1)は、tezepelumabの3群ともプラセボ群よりも有意に高かった(最小二乗平均のベースラインから52週までの変化の差:低用量群0.12L[p=0.01]、中用量群0.11L[p=0.02]、高用量群0.15L[p=0.002])。 喘息管理質問票(ACQ-6:0~6点、点数が低いほど疾患コントロールが良好、1.5点以上でコントロール不良と判定)のスコアは、中用量群(最小二乗平均のベースラインから52週までの変化の差:−0.27点[p=0.046])および高用量群(同:−0.33点[p=0.01])がプラセボ群よりも良好であった。また、12歳以上の標準化された喘息QOL質問票(AQLQ[S]+12:1~7点、点数が高いほど喘息関連QOLが良好、臨床的に意義のある最小変化量は0.5点)のスコアは、高用量群(同:1.33点[p=0.008])がプラセボ群よりも優れた。 1つ以上の有害事象を発現した症例は、プラセボ群が62.2%、低用量群が66.2%、中用量群が64.8%、高用量群は61.6%であり、1つ以上の重篤な有害事象の発現率は、それぞれ12.2%、11.7%、9.0%、12.3%であった。有害事象による試験薬の中止は、プラセボ群の1例、中用量群の2例、高用量群の3例に認められた。 著者は、「これらの知見により、TSLPのような上流のサイトカインを標的とすることで、単一の下流経路を阻害するよりも広範に疾患活動性に影響を及ぼし、利点を得る可能性が明らかとなった」と指摘し、「臨床的な意義を示すには、最良の治療を行ってもコントロール不良な喘息患者の、民族的に多彩で大規模な集団を対象とする試験の実施が重要と考えられる」としている。

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アトピー性皮膚炎へのPDE4阻害薬軟膏、長期安全性を確認

 慢性炎症性皮膚疾患のアトピー性皮膚炎(AD)に対しては、しばしば長期にわたる局所治療が必要となるが、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬のcrisaborole軟膏は、長期投与においても治療関連有害事象の発現率が低いことが示された。米国・カリフォルニア大学のLawrence F. Eichenfield氏らが、2件の第III相試験を完遂後のAD患者を対象とした48週間の延長試験で明らかにした。なお、本試験では、長期有効性については解析されていない。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年8月17日号掲載の報告。 研究グループは、crisaborole軟膏の長期安全性を評価する目的で、2歳以上の軽症~中等症AD患者を対象にcrisaborole軟膏を28日間投与する第III相ピボタル試験2件(AD-301試験[NCT02118766]、AD-302試験[NCT02118792])を完遂した患者を対象に、48週間の延長試験(AD-303試験)を行った。 医師による全般重症度評価(Investigator's Static Global Assessment:ISGA)を4週ごとに行い、軽度以上(ISGAスコアが2以上)であればcrisaborole軟膏による治療(1日2回塗布、1サイクル4週間)を開始し、ISGAスコアが1以下は休薬とした。 評価項目は、有害事象(治療下に発現した有害事象[TEAE])および重篤な有害事象である。 主な結果は以下のとおり。・ピボタル試験およびAD-303試験の期間中、TEAEは65%の患者で認められ、ほとんどは軽度(51.2%)または中等度(44.6%)で、93.1%は治療と関連なしと判定された。・AD-303試験において、12週毎のTEAEの発現率および重症度は一貫していた。・ピボタル試験およびAD-303試験における治療関連有害事象の発現率は10.2%で、主なものはAD(3.1%)、塗布部位疼痛(2.3%)および塗布部位感染(1.2%)であった。・TEAEのため延長試験を中止したのは、9例(1.7%)であった。

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005)平坦化したい【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第5回 平坦化したい天候・気候の影響を受けやすい皮膚科外来。この夏も、涼しい日が続いた後は、外来が空いていて、「夏なのに!」と不安になりました(夏は皮膚科の繁忙期)。そうかと思えば、翌週の猛暑日には、ひさびさの激混み外来!致し方ないことではありますが、なるべく外来の忙しさも平坦であってくれれば、「日々の労力も同じくらいで済むのになぁ~」と思ってしまうのでした。ここで、デルぽん的「この夏の皮膚科外来疾患トップ5」を発表しま~す☆第1位 汗疹第2位 蕁麻疹第3位 伝染性膿痂疹第4位 伝染性軟属腫第5位 虫刺症だいたい例年通りですが、今年は蜂の被害が多かったような印象です。今のところヒアリはお見かけしておりません~。以上、秋の涼しさが待ち遠しい皮膚科外来からお送りしました!

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アトピー性皮膚炎とHBV感染は逆相関する

 韓国・カトリック大学のHee Yeon Kim氏らは、韓国国民健康栄養調査のデータを解析し、B型肝炎抗原(HBs抗原)陽性とアトピー性皮膚炎との間に有意な逆相関があることを報告した。これまで、アトピー性皮膚炎とB型肝炎ウイルス(HBV)感染との関連は明らかになっていない。ある研究ではHBV保有者でアトピー性皮膚炎のリスク増加が報告され、他の研究ではHBV血清陽性はアレルギー疾患と逆の関連があることが示されている。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2017年6月24日号掲載の報告。 研究グループは、全国規模、人口ベースの横断調査である韓国国民健康栄養調査(Korea National Health and Nutrition Examination Survey)のデータを用い、アトピー性皮膚炎とHBs抗原陽性との間の関連を評価した。 解析対象は19歳超の1万4,776例で、多重ロジスティック回帰分析により、アトピー性皮膚炎ならびに喘息とHBs抗原陽性の関連についてオッズ比を求めた。 主な結果は以下のとおり。・HBs抗原陽性率(平均±SE)は、アトピー性皮膚炎ありで0.7±0.4%、なしで3.7±0.2%と、アトピー性皮膚炎ありで有意に低かった(p=0.001)。・一方、喘息ありでは2.8±0.8%、喘息なしでは3.7±0.2%であり、HBs抗原陽性率と喘息との間に有意な関連は認められなかった(p=0.2844)。・HBs抗原陽性者で、アトピー性皮膚炎のリスクが有意に低かった(オッズ比:0.223、95%信頼区間:0.069~0.72)。

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抗うつ薬の皮膚疾患に関連する抗炎症作用

 モノアミン作動性抗うつ薬の臨床的に関連する抗炎症作用についてのエビデンスが増加している。ノルウェー・オスロ大学のShirin Eskeland氏らは、慢性蕁麻疹、乾癬、アトピー性皮膚炎、他の湿疹、円形脱毛症の5つの一般的な炎症性皮膚疾患と関連した抗うつ薬の使用および有効性について、PubMedおよびOvidデータベースをシステマティックに検索した。Acta dermato-venereologica誌オンライン版2017年5月17日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・1984年1月~2016年6月に報告された臨床試験または症例報告28件より、皮膚疾患患者1,252例が抽出された。・これらの患者において、抗うつ薬治療に関連した皮膚症状の明確な軽減が報告されていた。・新規抗うつ薬の研究は通常オープンラベルであった一方、第1世代抗うつ薬でのいくつかは無作為化比較試験であった。 著者らは「全体的にポジティブな結果は、抗うつ薬使用が、併存する精神疾患を治療するだけでなく、皮膚疾患に対する根拠を示している可能性がある。SSRIやミルタザピンおよびbupropionを含む新規抗うつ薬に関するさらなる研究が必要とされる」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能抗炎症薬の抗うつ効果を検証皮膚がんとの関連研究で判明!アルツハイマー病に特異的な神経保護作用

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アトピー性皮膚炎、重症度に応じ眼合併症リスク増

 アトピー性皮膚炎において、疾患そのものに伴って、または薬物療法の結果として眼疾患がみられることが知られている。これまで成人アトピー性皮膚炎における眼合併症の有病率に関する大規模な疫学データはなかったが、デンマーク・国立アレルギー研究センターのJacob P. Thyssen氏らは、国内の登録データを用いて調査を行い、成人アトピー性皮膚炎は有意に、かつ重症度に依存して、結膜炎、角膜炎および円錐角膜の発症リスク増加と関連していることを明らかにした。なお、著者は「観察研究であり、因果関係を明らかにすることはできない」と研究の限界を述べている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年6月7日号掲載の報告。 研究グループは、成人アトピー性皮膚炎患者における眼合併症の有病率とリスクを調査する目的で、18歳以上すべてのデンマーク人が登録する全国データを用いて解析し、Cox回帰により補正ハザード比(HR)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象となったアトピー性皮膚炎患者は、軽度(5,766例)あるいは重度(4,272例)に分類された。・眼科用抗炎症薬を1回以上処方されていた割合は、軽度患者で12.0%、重度患者で18.9%であった。・結膜炎のHRは、軽度患者で1.48(95%信頼区間[CI]:1.15~1.90)、重度患者で1.95(95%CI:1.51~2.51)であった。・角膜炎のHRは、軽度患者1.66(95%CI:1.15~2.40)、重度患者3.17(95%CI:2.31~4.35)であった。・重度患者では、円錐角膜のHRが10.01(95%CI:5.02~19.96)であった。・50歳未満の患者において、アトピー性皮膚炎と“白内障のみ”との関連が認められた。

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遺伝性血管性浮腫〔HAE:Hereditary angioedema〕

1 疾患概要■ 概念・定義遺伝性血管性浮腫(HAE)は、顔面や四肢、腸管や喉頭など全身のさまざまな部位に突発性、一過性の浮腫を生じる遺伝性疾患である。気道閉塞や激烈な腹痛を生じて重篤になりうるため希少疾患ではあるが見逃してはならない。従来、C1インヒビター(C1-INH)遺伝子異常によるHAE I型、II型が知られていたが、2000年にC1-INH遺伝子に異常を認めないHAE with normal C1-INH(HAEnC1-INHあるいはHAE III型)が報告された。HAEは常染色体優性遺伝形式をとるが、HAE III型では浸透率が低く、しかも発症するのはほとんど女性である。またHAE I/II型では家族歴のない孤発例も25%で認められる。孤発例はde novoの遺伝子異常症である1)。HAEにみられる突発性浮腫の本態は、これらの遺伝子異常の結果、産生が亢進したブラジキニンなどの炎症メディエーターによって血管透過性が亢進することがある。古くから知られた疾患であるがまれな疾患であり、気付かれにくく診断に難渋することが多い。2010年に「遺伝性血管性浮腫ガイドライン2010」が補体研究会(現 一般社団法人 日本補体学会)から発表され2)、2014年に改訂された3)。HAEの診断、鑑別、症状別の治療方針について系統的に記載されたわが国で初めてのガイドラインである。■ 疫学HAE I/II型は人種を問わず5万人に1人とする報告が多い。HAE III型は10万人に1人程度と考えられている。いずれもすべての人種で報告されている。■ 病因HAEはその病因から3つの型に分類される。I型常染色体優性の遺伝形式をとり、C1-INHの活性、タンパク量ともに低下している。HAE全体の約85%を占める。II型常染色体優性の遺伝形式をとり、C1-INHの活性中心のアミノ酸変異による機能異常である。C1-INH活性は低下するが、タンパク量は低下しない。HAEの約15%を占める。III型遺伝性であるがほとんど女性に発症する。病態の詳細は不明であるが、一部の症例に凝固XII因子の変異を認める。C1-INHの活性、タンパク量ともに正常である。HAEのほとんどを占めるI型、II型の原因は、遺伝子変異によるC1-INHの機能低下である。I型、II型ならびにIII型の中で凝固XII因子の変異がある場合は、最終的にブラジキニンの産生が亢進する。その結果、血管透過性が亢進し、血管外に水分が漏出、貯留して浮腫が生じるが、この浮腫は数日で消失する。III型で凝固XII因子の異常を認めない場合の病因は不明である。■ 症状24時間で最大となり数日で自然に消褪する発作を繰り返す。10~20歳代に初発することが多い。I~III型まで報告されているHAEの特徴を、表に示す4)。いずれの病型も発現する症状はほぼ同じである。風邪、外傷、歯科治療、精神的ストレス、疲労などが誘因になりやすいが、何の誘因もない症例も多い。浮腫発作がないときには、健康人と何ら変わりはない。画像を拡大する1)皮膚症状眼瞼、口唇、四肢に発作性に浮腫を生じやすいが、ほかにもあらゆる場所に生じうる。浮腫を起こした皮膚表面は、赤みをごく軽度に帯びることはあっても蕁麻疹などのように明瞭な皮疹は伴わない。発作初期に罹患部がピリピリすることはあるが痛みやかゆみはない。2)消化器症状嘔気、嘔吐、下痢、腹痛などがあるが、なかでも腹痛は激烈である。炎症性疾患とは異なり、筋性防御はなく腹部エコーやCT所見で浮腫を認める。3)喉頭浮腫嚥下困難、喉の詰まり感、嗄声や声が出ないなどの声の変化、息苦しさを呈するが、進行すると呼吸困難、窒息になる。■ 予後喉頭浮腫を生じているにもかかわらず、適切に治療されなかった場合の致死率は30%とされる。その他の症候は予後良好である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 診断基準1)突発性の浮腫2)補体C4の低下、C1-INH活性の低下3)家族歴以上の3つがあればHAE I型あるいはII型(HAE I/II型)と診断できる。C1-INHタンパク質量が低下していればHAE I型、正常または増加していればHAE II型である。1)と3)のみの場合、HAE III型と診断しうる。1)と2)のみの場合HAE I/II型の孤発例か後天性血管性浮腫である。血清C1qタンパク質定量(保険適用外)が低値であれば後天性とされているが、HAEの場合でも低値を示すことがある。4)確定診断のためには遺伝子解析が有用である。確定診断のためにはC1-INH遺伝子(SERPING1)異常の同定が望ましい。HAE III型の一部では凝固XII因子遺伝子異常が報告されているが、わが国での報告はない。HAE III型は今後の研究の進展に伴って疾患概念が変化する可能性がある。5)診断の参考となるアルゴリズムを提示する(図)1)。画像を拡大する■ 検査1)HAEを疑った際にはまず補体C4濃度を測定する。発作時には100%、発作がないときでも98%の検体で基準値を下回る。2)C1-INH活性は発作時であるか否かにかかわらず50%未満となるため診断に最も有用である。保険適用である。3)C1-INHタンパク質定量はHAE I型、II型を区別する場合に施行するが、保険適用ではない。4)HAE I/II型ではSERPING1遺伝子のヘテロ変異を認める。5)HAE III型の一部には凝固XII因子の遺伝子異常を認めるが、それ以外には診断に役立つ検査はない。■ 鑑別診断突発性浮腫を呈するほかの疾患との鑑別が重要である。1)アレルギー性血管性浮腫蕁麻疹を伴い、原因はペニシリンなどの薬剤や卵、小麦などの食物、化学物質に対するIgEを介したアレルギー機序である。2)後天性血管性浮腫思春期発症が多いHAEと異なり40歳以降に初発することが多い。悪性腫瘍、自己免疫によるC1-INHの消費が原因である。3)非アレルギー性薬剤性血管性浮腫アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)では、COX阻害により浮腫を生じる。ACE阻害薬内服患者の0.1~0.5%に生じるとされる。4)物理的刺激による血管性浮腫温熱、寒冷、振動、日光曝露などの物理的刺激で生じる。5)好酸球増多を伴う好酸球性血管性浮腫末梢血の好酸球増多、繰り返す浮腫と発熱、蕁麻疹、体重増加とIgM増加を伴う。まれ。6)特発性浮腫原因不明である。血管性浮腫の半数近くを占め、最も頻度が高い。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)発作出現時の治療と発作の予防の2つに分けられる。1)発作時の治療世界的にはC1-INH製剤、ブラジキニンB2受容体拮抗薬、カリクレイン阻害薬の3系統が存在するが、わが国では2017年6月現在ヒト血漿由来C1-INH製剤である乾燥濃縮人C1インアクチベーター製剤(商品名:ベリナートP静注)のみ保険適用である。顔面、頸部、喉頭、腹部の発作には積極的に投与する。2)短期予防あらかじめ処置や手術がわかっているときの発作予防である。ベリナートPが1990年にわが国で承認されて以来、効能・効果は「遺伝性血管性浮腫の急性発作」のみであった。しかしながら、侵襲を伴う処置に対する発作予防の必要性が認められ、2017年3月ベリナートPの効能・効果に「侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」が追加された。(1)歯科治療(侵襲が小さい場合)C1-INH製剤の準備のうえならば予防投与は必要ない。(2)歯科治療(侵襲が大きい場合)、外科手術などの大ストレス時手術の1時間前にC1-INH製剤の補充を行う。3)長期予防1ヵ月に1回以上あるいは1ヵ月に5日以上の発作がある場合、または喉頭浮腫の既往がある場合には、次の治療を検討する。(1)トラネキサム酸(同:トランサミン)30~50mg/kg/日を1日2~3回に分けて服用する。そのほか、長期の発作予防には抗プラスミン作用を期待してトラネキサム酸が用いられるが、効果は限定的である。(2)ダナゾール(同:ボンゾール)蛋白同化ホルモンであるダナゾールも用いられる。2.5mg/kg/日(最大200mg/日)を1ヵ月、もし無効ならば300mgを1ヵ月、さらに無効ならば400mg/日を1ヵ月投与する。有効であれば、その後1ヵ月ごとに半量に軽減し50mg/日連日か100mg/日隔日まで減量する。副作用として肝障害、高血糖、多毛、男性化には注意が必要である。ただし保険適用はない。(3)C1-INH製剤(C1エステラーゼ阻害剤)欧米ではヒト血漿由来のCinryzeの予防投与(週2回、静注)が認められているが、わが国では未承認である。4 今後の展望HAEの早期発見、早期治療のためには、関連診療科医師へのさらなる啓発活動が重要である。また、HAEのような希少疾患では、1人でも多くの患者情報を正確に収集し、病態の把握や診断基準の作成に役立てる必要がある。欧米では、すでにいくつかの登録システムが稼働しているように、わが国においても患者レジストリーの構築が不可欠である。現在、NPO法人 血管性浮腫情報センターと、一般社団法人 日本補体学会の協力をもとにレジストリーの構築が進められている。薬剤治療法については、従来から存在するヒト血漿由来C1-INH製剤に加えて、最近の10年間で遺伝子組換えヒトC1-INH製剤、ブラジキニンB2受容体拮抗薬、カリクレイン阻害薬が次々と登場してきた。わが国ではヒト血漿由来C1-INH製剤ベリナートPのみがHAEへの保険適用を認められているに過ぎないが、これらの薬剤のHAEへの承認へ向けた臨床試験が進められている。とくに新しい経口のHAE治療薬開発の進展が期待されている。5 主たる診療科内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、小児科、救命救急科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報NPO法人 血管性浮腫情報センター(CREATE)(医療従事者向けのまとまった情報)一般社団法人 日本補体学会HAEサイト(医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報HAE患者会「くみーむ」(HAE患者と家族への情報)その他の情報腫れ・腹痛ナビ(医療従事者向け)腫れ・腹痛ナビ(患者さん向け)1)堀内孝彦. 遺伝性血管性浮腫(HAE). In:日本免疫不全症研究会編. 原発性免疫不全症候群 診療の手引き. 診断と治療社; 2017.p.130-135.2)Horiuchi T, et al. Allergol Int. 2012;61:559-562.3)堀内孝彦ほか. 補体. 2014;52:24-30.4)堀内孝彦. 医学のあゆみ. 2016;258:861-866.公開履歴初回2017年6月27日

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湿疹性紅皮症

【皮膚疾患】湿疹性紅皮症◆病状全身の皮膚が赤くなり、激しい痒み、リンパ節の腫れ、皮膚がフケのように落ちるなどの症状がみられ、時に発熱、脱水、体温調節ができなくなることもあります。◆原因アトピー性皮膚炎など湿疹が悪化して生じることが多い疾患ですが、ウイルス感染、膠原病、血液の腫瘍などからも起きます。免疫力の低下、肝・腎臓などの機能低下、あやまった治療や放置により紅皮症へ進みます。◆治療と予防・ステロイド外用薬が治療の基本ですが、重症の場合はステロイドや免疫抑制剤の内服、点滴などを行います。入院が必要となる場合もあります。・紅皮症に至る前に、きちんと皮膚疾患の治療をする必要があります。監修:浅井皮膚科クリニック 院長Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.浅井 俊弥氏

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鶏卵アレルギー予防、生後6ヵ月から微量鶏卵摂取を推奨 日本小児アレルギー学会提言

 6月16日、日本小児アレルギー学会から「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」が公表された。提言では、鶏卵アレルギー発症予防の方策として、アトピー性皮膚炎の乳児において、医師の管理のもと生後6ヵ月から微量の鶏卵摂取を推奨。鶏卵摂取はアトピー性皮膚炎が寛解した上で進めることが望ましいとしている。この提言は2016年に発刊された「食物アレルギー診療ガイドライン2016」および国立成育医療センターが報告したPETITスタディに基づく。 なお、すでに鶏卵アレルギーの発症が疑われる乳児に鶏卵摂取を促すことは極めて危険として、これに関しては「食物アレルギー診療ガイドライン2016」に準拠した対応を求めている。また、アトピー性皮膚炎に罹患していない乳児の鶏卵摂取については「授乳・離乳の支援ガイド2007」を参照するよう勧めている。

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