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ADHDの遺伝学的なエビデンスが全ゲノム解析で示された

注意欠陥・多動性障害(ADHD)では巨大なコピー数多型(copy number variant:CNV)が増加していることを示す遺伝学的なエビデンスが、イギリス・カーディフ大学のNigel M Williams氏らによる全ゲノム解析によってもたらされた。ADHDは高い遺伝性を示すが、特異的な感受性遺伝子は同定されていないため、疾患ではなく主に社会的構成概念であるとする主張も消えていない。ADHDに類似の神経発達障害では、CNVとして知られる巨大で希少な染色体の欠失や複製の関連がすでに確認されているという。Lancet誌2010年10月23日号(オンライン版2010年9月30日号)掲載の報告。ADHD患児410例と対照1,156人の全ゲノム解析を実施研究グループは、ADHDの発症におけるCNVの影響を評価し、同定されたCNVがすでに自閉症や統合失調症で同定されている遺伝子座に及ぼす影響について検討した。ADHD患児410例および1958 British Birth Cohortから人種をマッチさせて抽出した対照1,156人について全ゲノム解析を行った。地域の小児精神病および小児科外来クリニックから、5~17歳の白人イギリス人家系の子どもで、ADHDあるいは多動性障害の診断基準を満たすが、統合失調症や自閉症ではない患児が登録された。ADHD群および対照群の一塩基多型(SNP)の遺伝子型を二つのアレイを用いて決定した。CNV解析は二つのアレイに共通のSNPに限定し、高品質のデータを持つサンプルだけを対象とした。ADHD群のCNVはcomparative genomic hybridization(CGH)法で確定した。全ゲノムにおける巨大で(>500kb)、希少な(集団当たりの頻度<1%)CNVの負荷は、サンプルごとのCNV数の平均値に従って評価し、有意性の評価はpermutation法で行った。同定された全CNVおよび自閉症や統合失調症との関連が確認されている20の遺伝子座の確定された領域において、特異的な関連性の検査を行った。得られた結果につき、アイスランド人のAHDH患児825例および対照3万5,243人で検証した。ADHDは単なる社会的構成概念ではないすべての解析用のデータが得られたのは、ADHD群366例および対照群1,047人であった。巨大で希少なCNVは、ADHD群で57が、対照群では78が同定され、その頻度はADHD群が対照群よりも有意に多かった(0.156 vs. 0.075、p=0.000089)。このCNVの増加は、特に知能障害がみられる患児で大きかった(0.424、p=0.000002)が、このような障害がない場合でも有意差が認められた(0.125、p=0.0077)。ADHD群では、すでに統合失調症で同定されている染色体16p13.11の過剰な複製がみられ(複数の検査で補正後のp=0.0008)、アイスランド人のサンプルでも同様の知見が得られた(p=0.031)。ADHD群で同定されたCNVは、自閉症および統合失調症の双方で報告されている遺伝子座で有意に増強されていた(それぞれp=0.0095、p=0.010)。著者は、「本研究により、ADHDでは巨大なCNVが増加していることを示す遺伝学的なエビデンスがもたらされた。これは、ADHDが単なる社会的構成概念ではないことを示唆する」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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自閉症児に対する親によるコミュニケーション介入は症状を改善するか?

コアな自閉症の患児に対して、通常の治療に加え親によるコミュニケーションに焦点を当てた介入を行っても、症状の改善はわずかしか得られないことが、イギリス・マンチェスター大学精神科のJonathan Green氏らが行った無作為化試験で示された。自閉症は、その中核をなす患者のおよそ0.4%、広範な自閉症スペクトラムに属する患者の約1%が重篤で高度に遺伝性の神経発達障害をきたすと推察され、社会的な相互関係や意思疎通、行動の障害が、小児から成人への発達に多大な影響を及ぼすため、家族や社会に大きな経済的な負担が生じることになる。小規模な試験では、社会的コミュニケーションへの早期介入が自閉症児の治療に有効なことが示唆されているという。Lancet誌2010年6月19日号(オンライン版2010年5月21日号)掲載の報告。PACTによる介入群と非介入群を比較する無作為化試験研究グループは、中核的な自閉症の患児を対象に社会的コミュニケーションへの早期介入の有効性について検討する大規模な無作為化試験を実施した。イギリスの三つの専門施設(ロンドン、マンチェスター、ニューカッスル)に2歳~4歳11ヵ月の自閉症児が登録され、親によるコミュニケーションに焦点を当てた介入(Preschool Autism Communication Trial;PACT)を行う群あるいは通常の治療を行う群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。PACT群の患児には通常の治療も施行された。主要評価項目は、治療13ヵ月後の自閉症症状の重症度[Autism Diagnostic Observation Schedule-Generic(ADOS-G)の社会的コミュニケーションに関するアルゴリズム項目の総スコア(スコアが高いほど重症度が高度)]とし、補足的な副次評価項目として親子間の相互応答、患児の言語能、学校での適応能を測定した。親子間のコミュニケーションには明確なベネフィットが152例が登録され、PACT群に77例(ロンドン:26例、マンチェスター:26例、ニューカッスル:25例)、通常治療群には75例(ロンドン:26例、マンチェスター:26例、ニューカッスル:23例)が割り付けられた。13ヵ月の時点における症状の重症度の改善効果は、施設、性別、社会経済的状況、年齢、言語能、非言語能で補正後のADOS-Gスコアが、PACT群で3.9点低下し、通常治療群では2.9点低下しており、両群とも症状の改善効果が認められた。各群間の効果量(effect size)は-0.24(95%信頼区間:-0.59~0.11)であり、PACTによる介入の症状改善効果は小さいと推察された。親の子どもへの同期的応答(効果量:1.22、95%信頼区間:0.85~1.59)、子どもからの親への応答(同:0.41、同:0.08~0.74)、親子の配慮の共有(同:0.33、同:-0.02~0.68)にはPACTによる改善効果が認められた。言語能や学校での適応能に対するPACTによる改善効果は小さかった。これらの知見に基づき、著者は「自閉症児の症状の低減を目的に、通常治療にPACTを併用するアプローチは推奨されない。その一方で、親子間の社会的コミュニケーションには明確なベネフィットが認められた」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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MMRワクチン再びの推進突破口はどこにあるか

 英国でMMRワクチン接種が導入されたのは1988年。生後13ヵ月までの接種が推奨され1995年には2歳児までの接種率が92%に達したが、1998年にワクチン接種が自閉症や腸疾患と関連するとの調査報告がされ79%(2003年)まで落ち込んだ。その後、報告は根拠のないものと証明されたが、一部の親はいまだに否定的で最新接種率(2007年7~9月)は85%にとどまっている。英国UCL 小児保健研究所のAnna Pearce氏らは、ワクチン接種推奨のターゲットを絞り込むため、接種に影響している因子について検証した。BMJオンライン版2008年2月28日付、本誌2008年4月5日号より。英国ミレニアムコホート14,578例の接種状況と背景因子を解析 本研究では、MMRワクチン接種と単一抗原ワクチン接種とを評価し、MMRが選択されない因子を探った。対象は2000~2002年に生まれた「英国ミレニアムコホート」で、ワクチン免疫のデータが入手できた小児14,578例について、3歳時点で「MMR接種を受けた」「単一抗原ワクチン接種を受けた」「接種を受けていない」を主要評価項目に解析された。「単一ワクチン接種」派は「高収入」「高齢出産」「高学歴」 対象で「MMR接種を受けた」は88.6%(13,013例)、「単一抗原ワクチン接種を受けた」は5.2%(634例)だった。 「MMR接種を受けていない」因子として浮かび上がったのは、「きょうだいが3人以上いる」「片親」「母親の出産時年齢が20歳以下」「母親の出産時年齢が34歳以上」「母親が高学歴(学士取得)」「母親が無職」「母親が自営業」。 「単一ワクチン接種」派の因子として浮かび上がったのは「高収入世帯(52,000ポンド以上;ユーロ換算69,750、ドル換算102,190)」「母親の出産時年齢が40歳以上」「母親が高学歴(学士取得)」だった。 逆に「単一ワクチン接種」派ではない因子として浮かび上がったのは、「きょうだいが3人以上いる」、母親が「インド人」「パキスタンもしくはバングラディッシュ人」「黒人系」、そして「母親の出産時年齢が25歳以下」だった。 MMR接種をしなかった親の4分の3(74.4%、1,110例)が「意図的な選択」で 接種を拒否したことも明らかとなった。理由としては「危険すぎる(24.1%)」「子どもに合わない(18.6%)「自閉症との関連への懸念(14.1%)」「ネガティブ報道」(9.5%)となっていた。 Pearce氏らは「ミレニアムコホートのMMR接種率は高率だが、主に親の『意図的な選択』で、かなりの小児が感染しやすい状況に置かれている。接種格差の実態は、接種推進の介入目標を明らかにすることができた」と結論している。

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