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12月1日 世界エイズ・デー【今日は何の日?】

【12月1日 世界エイズ・デー】〔由来〕世界レベルのエイズのまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的に、WHO(世界保健機関)が1988年に制定。毎年12月1日を中心に、世界各国でエイズに関する啓発活動を実施。関連コンテンツYahoo!の見出しで勘違い続出?「HIV感染報告、過去20年で最少に」【バズった金曜日】ヒト免疫不全ウイルス検査ってなあに?【患者説明用スライド】HIVの流行終結を目指す取り組みとはHIV陽性者の結核性髄膜炎、デキサメタゾン追加は有用か/NEJM米国・HIV感染者へのART、人種・民族差は?/JAMA

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HIV陽性者の結核性髄膜炎、デキサメタゾン追加は有用か/NEJM

 結核性髄膜炎を有するHIV陽性の成人患者の治療において、抗結核化学療法に補助療法としてデキサメタゾンを追加する方法は、プラセボの追加と比較して、1年生存率を改善せず、神経障害や免疫再構築症候群(IRIS)の発生などに関しても有益性を認めないことが、ベトナム・オックスフォード大学臨床研究所(OUCRU)のJoseph Donovan氏らが実施した「ACT HIV試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2023年10月12日に掲載された。ベトナムとインドネシアの無作為化プラセボ対照試験 ACT HIV試験は、ベトナムとインドネシアの施設で実施された二重盲検無作為化プラセボ対照試験であり、2017年5月~2021年4月の期間に参加者の無作為化を行った(Wellcome Trustの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、HIV陽性(新規または過去の診断)で、臨床的に結核性髄膜炎(髄膜炎症状と脳脊髄液[CSF]の異常が5日以上持続)との診断を受け、担当医によって抗結核化学療法が予定されているか、開始された患者であった。 被験者を、12ヵ月間の標準的な抗結核化学療法に加え、デキサメタゾンまたはプラセボを6~8週間で漸減投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要エンドポイントは、無作為化から12ヵ月間における全死因死亡とした。 ITT集団として520例(年齢中央値36歳[四分位範囲[IQR]:30~41]、男性76.2%)を登録し、デキサメタゾン群に263例、プラセボ群に257例を割り付けた。255例(49.0%)は抗レトロウイルス療法(ART)を1回も受けたことがなく、データを入手できた484例のうち251例(51.9%)がベースラインのCD4細胞数が50/mm3以下であった。死亡率は容認できないほど高い 結核性髄膜炎の重症度は全般に軽度~中等度で、Medical Research Council(MRC)の修正重症度分類のグレード1または2が447例(86.0%)を占めた。登録時の抗結核化学療法レジメンとして、93.0%でリファンピシン、94.4%でイソニアジド、91.6%でピラジナミド、70.8%でエタンブトールが使用されていた。 12ヵ月の追跡期間中に、デキサメタゾン群の263例中116例(44.1%)、プラセボ群の257例中126例(49.0%)が死亡し(ハザード比[HR]:0.85、95%信頼区間[CI]:0.66~1.10、p=0.22)、1年生存率に関して両群間に有意な差を認めなかった(主要エンドポイント)。 事前に規定されたサブグループの解析では、デキサメタゾン群で明確な有益性を示したものはなかった。また、per-protocol集団とそのサブグループでも有益性を認めたものはなかった。 副次エンドポイントについても、ITT集団およびper-protocol集団の双方で両群間に差はなかった。たとえば、ITT集団における12ヵ月時の神経障害(修正Rankinスケール3~5)のオッズ比は1.31(95%CI:0.80~2.14)、最初の6ヵ月間のIRIS発生のHRは1.11(95%CI:0.46~2.69)、12ヵ月間における新たな神経学的イベントの発生または死亡のHRは0.85(95%CI:0.67~1.08)、AIDSを定義するイベントの発生または死亡のHRは0.87(95%CI:0.68~1.12)だった。 12ヵ月時までに少なくとも1件の重篤な有害事象を発現した患者は、デキサメタゾン群が263例中192例(73.0%)、プラセボ群は257例中194例(75.5%)であった(p=0.52)。また、重篤な神経学的有害事象が発現した患者の割合は、プラセボ群(115/257例[44.7%])よりもデキサメタゾン群(95/263例[36.1%])で低かった。 著者は、「これらの結果は、HIV陽性者の結核性髄膜炎に伴う死亡率は依然として容認できないほど高く、HIVと結核の発見と早期治療の強化が世界的に重要であることを強調するものである」と指摘している。

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結核性髄膜炎への強化療法は生存率を改善するか/NEJM

 成人結核性髄膜炎患者に対し、最初の2ヵ月間高用量リファンピシン+レボフロキサシンを併用する初期強化標準治療を行っても、標準治療のみの場合と比較して生存率は上昇しなかった。ベトナム・オックスフォード大学臨床研究所のA. Dorothee Heemskerk氏らが、無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験の結果、明らかにした。結核性髄膜炎はしばしば致命的であり、早期の抗結核治療とグルココルチコイドを用いた補助療法により生存率は改善するが、それでも患者の3分の1近くが死に至るとされている。研究グループは強化抗結核療法により、脳内結核菌への殺菌力が高まり死亡率を低下するのではないかと仮説を立て試験を行った。NEJM誌2016年1月14日号掲載の報告。4剤併用vs.高用量リファンピシン+レボフロキサシンを追加した初期強化治療 試験は、2011年4月18日~14年6月18日に、ベトナム・ホーチミン市の結核専門病院または熱帯感染症専門病院に入院した18歳以上の結核性髄膜炎患者817例を対象とした(男性68.5%、年齢中央値35歳、疾患重症度[MRC]グレード1:38.9%、ヒト免疫不全ウイルス[HIV]感染者349例・42.7%)。 強化治療群(408例)と標準治療群(409例)に無作為化し、どちらの治療群にも、標準治療(リファンピシン10mg/kg/日+イソニアジド5mg/kg/日[最大300mg/日]+ピラジナミド25mg/kg/日[最大2g/日]+エタンブトール20mg/kg/日[最大1.2g/日]の4剤併用療法を3ヵ月間行い、同用量のリファンピシン+イソニアジドを6ヵ月間)を行った。加えて強化治療群には最初の2ヵ月間、リファンピシン5mg/kg/日(標準治療と合わせると15mg/kg/日となる)+レボフロキサシン20mg/kg/日を、標準治療群にはプラセボを、二重盲検法にて投与した。 主要評価項目は、無作為化後9ヵ月間の死亡とし、副次評価項目は9ヵ月時点での神経障害、神経学的イベント発現/死亡までの期間、および重篤有害事象などとした。9ヵ月後の全死亡および神経障害に差はなし 9ヵ月の追跡期間中に強化治療群で113例、標準治療群で114例が死亡した(ハザード比[HR]:0.94、95%信頼区間[CI]:0.73~1.22、p=0.66)。イソニアジド耐性結核菌感染患者群では強化治療の有効性が示唆されたが(HR:0.45、95%CI:0.20~1.02、p=0.06)、全例および他のサブグループでは強化治療群と標準治療群とで9ヵ月間の生存に有意差はなかった。 Cox回帰分析の結果、予後不良の予測因子として治療開始時の重篤な神経学的症状(MRCグレード1に対してグレード2のHR:2.41、グレード3のHR:6.31)、HIV感染(HR:2.53)、多剤耐性またはリファンピシン耐性(HR:4.72)などが認められた。 9ヵ月時点での神経障害ならびに神経学的イベント発現/死亡までの期間は、全例および各サブグループいずれにおいても両群で差はなかった。Grade3以上の有害事象は、強化治療群と標準治療群とで視覚障害(14例 vs.4例、p=0.02)およびけいれん発作(23例 vs.11例、p=0.04)に有意差がみられたが、治療中断に至った有害事象の総数に差はなかった(95例 vs.64例、p=0.08)。 今回、先行研究と異なり高用量リファンピシンとフルオロキノロンによる初期強化治療の有効性が示されなかった理由として、著者はリファンピシンの用量不足などを挙げている。一方、以前の研究と比較して、疾患重症度が軽度(MRCグレード1)の患者が比較的多く、薬剤耐性菌感染症に対する2次治療やHIV感染症の管理が改善したことなどにより、全死亡率は低かったとも述べ、「結核性髄膜炎患者の生存の鍵を握るのはより早期の診断と治療である」とまとめている。

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結核性髄膜炎の診断が遅れて重度脳障害が発生した乳児例

小児科最終判決判例時報 1630号111-122頁概要約10日間持続する発熱・嘔吐を主訴として総合病院小児科を受診した2歳男児。アセトン血性嘔吐症、急性咽頭炎の診断で入院となり、補液、抗菌薬投与が開始された。入院治療にもかかわらず発熱・嘔吐は続き、やがて意識障害も出現、入院後5日目に行われた腰椎穿刺ではじめて結核性髄膜炎と診断、抗結核薬が開始された。ところが意識障害は改善せず、重度の脳障害が残存した。詳細な経過患者情報生後とくに問題なく経過していた2歳男児経過1974年11月25日10日前から嘔吐・発熱が出現し、「近医にかかっても症状が改善されない」という理由で総合病院小児科を受診。体温38.9℃、咽頭発赤、腹部陥凹あり(項部硬直をみたかどうかは担当医は覚えていない)、尿のアセトン(3+)、CRP(2+)、ESR32mm/hr、担当医師はアセトン血性嘔吐症、および急性咽頭炎と診断した。母親へは、「点滴でもすれば2~3日でよくなる」と説明し、入院となる。解熱薬、抗菌薬などが投与されたが、38℃台の発熱と腹痛が続いていた。11月27日腹痛、嘔吐あり。顔色不良、脱力感著明、尿中アセトン(3+)。点滴の量を増やして対応した。11月28日腹痛を訴え、胆汁様のものを嘔吐。活気なく、ぐったりしていたため、抗菌薬を変更。11月29日体温38.9℃、活気なく嗜眠状態。抗菌薬を変更しガンマグロブリンを追加(主治医ではない研修医が訪室し、髄膜炎の疑いがあると母親に説明)。11月30日顔色不良、項部硬直、意識障害がみられ、主治医はこの時はじめて髄膜炎を疑う。腰椎穿刺を行って結核性髄膜炎と診断し抗結核薬を開始した。12月5日国立療養所へ転院し、抗結核薬、ステロイド薬などによる治療を開始。1975年12月24日右片麻痺、言語障害、聴力障害などを残して退院。1981年 責任を認めない主治医や医師会に憤りをぶつけ警察沙汰へと発展。8月12日金100万円の見舞金で示談成立。1986年 不自然な歩行を続けていたところ、股関節の亜脱臼を起こし、その後歩行不能、日常生活に全面介助を要する状況へと悪化した。12月20日12月20日付の新聞で、化膿性髄膜炎の診断が遅れて脳障害を残した医療過誤例が報道されたのを契機に裁判を決意。1989年5月31日裁判提起。当事者の主張患者側(原告)の主張外来受診前10日間も高熱と嘔吐が持続して「結核性髄膜炎」を疑うべき状態であったのに、「アセトン血性嘔吐症、急性咽頭炎」と誤診したため、適切な治療を受ける機会を失い、重度の身体障害が発生した。病院側(被告)の主張結核性髄膜炎の診断に遅れはなく、もし最初から結核性髄膜炎と診断しても後遺症を残すことなく治癒する可能性は低かった。裁判所の判断初診時に結核性髄膜炎を疑うのは困難としても、抗菌薬を3日間投与して効果がみられなかった時点で「アセトン血性嘔吐症、急性咽頭炎」という診断を見直しするべきであった。ところが担当医が項部硬直をみたり、髄液検査をしたのはさらに状態が悪化した入院5日後であり、診断を誤り適切な治療開始を遅らせた重大な過失がある。患者側1億2,700万円の請求に対し、7,260万円の判決考察この裁判では、「容態の悪い息子を総合病院に連れていき、点滴でもすれば2~3日でよくなるといわれたのに、誤診によって寝たきりとなってしまった」という主張が何度もくり返されました。一方病院側の立場でみると、2日遅れの「髄液を調べてみようか」という意思決定が重大な過失につながったことになりますが、このような背景には、「とりあえず抗菌薬を投与しておけば大丈夫だ」という油断もあったのではないでしょうか。問題点を整理すると以下のようになると思います。1. 髄膜炎の可能性をいつ認識できたかやはり最大の問題点は「いつ(結核性)髄膜炎の可能性を認識できたか」ということに尽きると思います。後方視的にみれば、受診前10日間も継続していた発熱・嘔吐、初診時にも元気がなく入院後の補液・抗菌薬にも反応しなかったこと、などを考えると、「このケースは通常の感冒、アセトン血性嘔吐症などとは違うから髄膜炎を除外した方がよい」という判断にたどり着くのは比較的容易ではなかったかと思います。もし初診時に腰椎穿刺を行ったとしても、けっして過剰検査とはいえないと思います。ただし今回の施設は超多忙な地域の中核病院であり、しかも問題とされた入院後5日間の間に主治医不在の日があったことなど、病院側には同情するべき事情も随所にみられました。しかし裏を返せば、主治医不在時のバックアップが杜撰ではないかという判断にもつながると思われるし、その間に研修医らしき医師から「髄膜炎かもしれない」という説明を受けているくらいですから、診断の遅れに対してなかなか抗弁は難しいと思います。また、近年は小児の結核が著減したために、不明熱、嘔吐、神経症状などを呈する小児をみた場合に結核性髄膜炎が念頭に浮かびにくくなったことが指摘されています。そのため本件のようにとりあえず抗菌薬が投与され、いよいよ悪くなった状態で結核性髄膜炎の診断がつくという「診断の遅れ」が発生することになります。したがって結核性髄膜炎の早期診断のためには、小児を診るすべての医師が本症を念頭におくべきであり、また、乳幼児の結核では髄膜刺激症状にかかわらず髄液検査を実施することが重要です。2. コミュニケーションの問題次に問題となるのが医師同士のコミュニケーションです。前述したように本件では主治医不在時に「研修医らしきドクター」が訪室して、なかなか熱が下がらず嘔吐をくり返している患児を診察し、「髄膜炎かもしれませんね」と告げたことが問題視されました。もちろんこのドクターに悪気はなかったと思いますが、もしそういう説明をするのであればただちに主治医に報告して指示を仰ぐとか、主治医が不在であれば指導医に連絡して腰椎穿刺を施行するとか、何らかの手を打つべきであったと思います。ところが、研修医という立場もあって遠慮でもしたのでしょうか。何もアクションがないまま髄液検査は先送りされました。このように、医師の一言を発端として思わぬ紛争へ発展することがありますので、不用意な発言(病院スタッフの批判や治療方針に関する意見など)には十分な注意が必要だと思います。3. 医事紛争の時効今回の事故発生は1974年でした。担当された先生は最初から一切責任を認めようとせず、途中で医師会が介入したり警察沙汰になったりなどすったもんだのあげく、ようやく6年後の1981年に示談(100万円の見舞金)が成立しました。それでも解決は得られず、ほかの医療過誤裁判例の報道に刺激されて提訴されたのが1989年、そして、今回の判決が1996年で、現在も高等裁判所で係争中です。実にこの間26年も経過したことになり、医師としてのキャリアの半分以上の年月をこのような医事紛争に費やしたことになります。裁判では民事紛争の時効である10年を持ち出して損害賠償請求権は1985年で消滅していると主張しましたが、「病院側の法的責任を問えるかどうか弁護士に相談した頃まで時効はない」とされました。この判断はこれから発生する医事紛争にも適用されますので、何か問題が発生した時にはその場限りの対応はせず、きちんとした解決を図らなければならないと思います。小児科

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細菌性髄膜炎患者へのデキサメタゾン効果

 細菌性髄膜炎に対するデキサメタゾンの補助的投与が、成人に対して有効であるかどうかは明らかとなっていない。ベトナム・ホーチミン市にある国立熱帯病研究所病院Nguyen Thi Hoang Mai氏らの研究グループは、細菌性髄膜炎が疑われる14歳以上の患者435例を対象に、デキサメタゾンの無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った。NEJM誌12月13日号より。死亡・障害リスクの低下はデキサメタゾンと無関係 研究はデキサメタゾンの投与によって、1ヵ月後の死亡リスク、6ヵ月後の死亡リスクまたは障害リスクが低下するかどうかを目的に行われた。 試験は、217例をデキサメタゾン投与群に、218例をプラセボ投与群に割り付けられ行われた。そのうち細菌性髄膜炎が確定できたのは300例(69.0%)で、123例(28.3%)が髄膜炎の可能性が高いと診断され、12例(2.8%)には他の診断が下された。 全例解析による結果、1ヵ月後の死亡リスク(相対リスク0.79、95%信頼区間:0.45~1.39)、6ヵ月後の死亡または障害リスク(同0.74、0.47~1.17)の有意な低下とデキサメタゾン投与とは関連していないことが示された。効果は微生物学的診断が確定した患者に限定される? しかし、細菌性髄膜炎確定群では、1ヵ月後の死亡リスク(同0.43、0.20~0.94)、6ヵ月後の死亡または障害リスク(同0.56、0.32~0.98)で有意な低下がみられた。これらの効果は、細菌性髄膜炎の可能性が高いと診断された群ではみられなかった。 多変量解析の結果、細菌性髄膜炎の可能性が高いとされた例におけるデキサメタゾン投与が、1ヵ月後の死亡リスク増加と有意に関連していることが示された。しかしこの所見について研究グループは、「投与群に結核性髄膜炎のケースが存在していた可能性も否定できない」としている。 以上から、デキサメタゾンが細菌性髄膜炎の疑われる少年以上全年齢層の予後を改善するわけではなく、有益効果は、事前に抗生物質投与を受けた患者を含め、微生物学的検査を経て診断が確定した患者に限定されるのではないかと結論づけている。■「デキサメタゾン」関連記事術前デキサメタゾン追加で術後24時間の嘔吐が低減/BMJ

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