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エボラ、赤道アフリカと西アフリカは別種/NEJM

 西アフリカで大規模に広がり続けるエボラウイルス病(EVD)の流行の一方で、赤道アフリカのコンゴ民主共和国で7回目のEVDアウトブレイクが報告されたのは、2014年7月26日のことだった。ガボン共和国・世界保健機関(WHO)研究協力センターのGael D Maganga氏らは、これら近接する2つの地域における同時期のアウトブレイクの関連を調査した。その結果、赤道アフリカのエボラウイルスは西アフリカとは異なることが判明したという。NEJM誌オンライン版2014年10月15日号掲載の報告より。サルから感染した妊婦と接触した医療者が感染源に 研究グループは、標準的なWHOのウイルス性出血熱臨床調査票を用いて、コンゴ民主共和国における疫学および臨床データを収集した。患者は、EVDに関して、「感染が疑われる(suspected)」「感染の疑いが濃厚(probable)」「感染確定(confirmed)」「非感染(non-EVD)」のいずれかに分類された。 個々の患者の接触者を追跡することで感染源の同定を試みた。また、採取された血液サンプルを用いて、特異的なRT-PCR法による診断を行い、ウイルス単離、ゲノム・シーケンシング、系統樹解析を実施した。 今回のEVDアウトブレイクは、同国Equateur州Boende市(人口約4万5,000人)近郊のInkanamongo村(首都キンシャサから直線距離で北西に約700km)で始まり、この地域に限定されていた。最初の感染例(index case)は同村に住む妊婦で、夫が見つけたサル(種は不明)の死体を解体したところ、2014年7月26日に発症し、8月11日に死亡した。 その後、1名の医師を含む4名の医療従事者が、妊婦と胎児を別個に埋葬するという現地の慣習に基づき、死亡した妊婦の帝王切開を行ったところ全員が感染し、死亡した。これらの医療従事者が、その後の感染源となっていた。死亡率74%、潜伏期間16日、迅速な対応で早期終息か 2014年7月26日~10月7日までに、感染疑い3例、感染濃厚28例、確定38例の69例(医療従事者8例を含む)が報告された。男性が33例、女性は36例で、21~60歳が80%を占めた。感染疑いの3例は、のちに非感染であることが判明している。感染濃厚例と確定例のうち49例(男性21例、女性28例、5歳未満の3例を含む)が死亡し、死亡率は74%(49/66例)だった。 EVD患者との接触から発症までの期間中央値は16日(3~27日)で、西アフリカの状況と類似していた。死亡例のうち32例の解析では、発症から死亡までの期間中央値は11日(1~30日)であった。8例の医療従事者(感染濃厚4例、確定4例)はすべて死亡している。 非感染例に比べ感染濃厚例および確定例で頻度の高い症状として、発熱、頭痛、下痢、悪心・嘔吐、疲労感、食欲不振、筋肉痛、嚥下困難、結膜炎、血便および血液の混じる吐瀉物が認められた。 index case以外は、すべてヒト-ヒト感染であった。アウトブレイクの最初の24日間にEVDと診断された29例のうち21例は、index caseと身体的またはその体液に接触していた。6回の発生のピークがみられ、8月17~24日の週の報告例数が最も多く、その後は急速に減少。10月7日の時点で、10月4日を最後に感染の報告はない。 また、index caseと接触した21例を除いた場合の平均再生産症例数(reproduction number、1人の感染者が再生産する2次感染者数)は0.84であり、感染持続の閾値である1を下回ったことから、今後、感染は終息に向かうと予測された。 一方、ゲノム・シーケンシングでは、今回のアウトブレイクの原因ウイルスは1995年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)のKikwit地区で発生したアウトブレイクの原因ウイルスとの遺伝学的同一性が99.2%で、現在西アフリカで進行中のアウトブレイクで同定されたウイルスとの遺伝学的同一性は96.8%であったことから、これらは別種のウイルスであると考えられた。 著者は、赤道アフリカのアウトブレイクが西アフリカよりも小規模であった理由のうち最も説得力のある要因として、(1)西アフリカとは対照的に、遠隔の森林地帯であり、人口密度が低く、交通機関が未発達でヒト間の接触が少なく時間もかかる地域であること、(2)過去6回のEVD流行の経験があり準備が整っていたため、対応が迅速で効果的であった点を挙げている。関連記事 発見者ピーター ピオットが語るエボラの今 エボラ出血熱 対策に成功し終息が宣言された国も エボラ出血熱の最新報告-国立国際医療研究センターメディアセミナー

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エボラ出血熱 対策に成功し終息が宣言された国も

 現在、エボラ出血熱が西アフリカを中心に蔓延している。厚生労働省検疫所は、WHOの情報として10月27日の段階で世界のエボラウイルス病について、疑い例を含む感染者が1万3000人を超え、そのうち死者が5,000人近くにのぼっていることを報告している。 最近では、西アフリカのマリで初めてとなるエボラウイルス病の確定症例が報告された。この患者は2歳の女児でギニアからの移動中に発症し、マリにあるFousseyni Daou病院を受診したが助からなかった。WHOのチームはすでにマリに配置されており、感染予防と制御、接触者の追跡、医療従事者の訓練に関して人的支援を続けている。 9月30日に初めての感染が報告されたアメリカでは、現在4例の感染が発生し、うち1例が死亡している。2例は、すでに退院しているが、残る1例は、ニューヨークで隔離され治療を受けている。接触可能性のある人については現在も監視が続けられている。 WHOが感染リスクの高い集団として挙げている医療従事者でも感染および死亡数が増加している。10月27日現在で、医療従事者におけるエボラウイルス病の感染は500名を超え、270名以上が死亡している。WHOは感染原因の調査を実施するとともに、全ての医療従事者が暴露リスクを最小限にとどめるための訓練準備、および個人用防護具を十分に確保すべく徹底した努力を続けている。 感染が広がる一方で、セネガルとナイジェリアでは、感染発生後の対策に成功し、それぞれ10月17日、19日に終息が宣言された。スペインでもただ一人の患者が検査の結果、1回目、2回目とも陰性であったため、このまま42日間新たな感染が発生しなければ終息が宣言される、とWHOは伝えている。詳しくは厚生労働省検疫所HPをご参照ください。関連記事 発見者ピーター ピオットが語るエボラの今 エボラ出血熱の最新報告-国立国際医療研究センターメディアセミナー

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発見者ピーター ピオットが語るエボラの今

 2014年10月30日、都内にて公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)メディアセミナーが開催され、エボラウイルス発見者の1人であるロンドン大学衛生熱帯医学大学院学長 ピーター・ピオット氏が「エボラ出血熱やその他の感染症への対応と課題」について講演した。記事の続編はこちら(エボラ熱“最後の1人まで終わらない”と発見者ピオット氏)。予測できなかった今回のアウトブレイク エボラ出血熱は、1976年に発見されて以来25の集団発生を起こしているが、すべて数ヵ月で完全に封じ込められている。その多くはコンゴ、ウガンダなどの中央アフリカでの発生であった。今回の西アフリカで起こった最大の集団発生はすべてが異なっており、誰も予測できなかったという。 今回のアウトブレイクの始まりは、昨年(2013年)12月 。その3ヵ月となる3月25日、WHOがギニアでエボラ集団発生が報告されたとの声明を発表。国際NGO、国境なき医師団などが急遽、発生地ギニアに入り、隔離ユニットによる診療を開始した。しかし、ギニアにおける状況はさらに悪化し6月には首都でも発生。この時点で流行は加速し、隣国リベリア、シエラレオネでも発生している。その後、さまざまな拡大防止策を実行しているが、今日に至っても集団発生は継続しており、シエラレオネ、リベリアそしてギニアの一部で発生が多い。西アフリカの制圧が唯一の予防策 発生地から遠く離れたスペイン、米国でもエボラによる死者が出ている。グローバルな時代の今日、流行を防止する策として国境閉鎖、渡航者のスクリーニングがあるが、科学的には有効とはいえない。唯一の予防策は、西アフリカで封じ込めることであると、ピオット氏はいう。 しかし、ここにきて国際的な動きが始まった。今回の初めての集団発生の報告から5ヵ月を要しているものの、8月にはWHOがPublic Health Emergency of International Concern(国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態)を宣言した。それに伴い、各国政府も活動を開始。米・英国も軍、関係者を派遣し、発生地における病院の建設、物流サポートを開始した。アウトブレイク制圧は初動がカギ この予想外の流行の背景には、初動の対応の不備があるという。ナイジェリアの数十年にわたる内戦、ギニアの政治腐敗、リベリアの医療サービスの崩壊(多くの医師が国外に去り、2010年には10万人に1人以下の医師しかいない)。これらのことが対応を遅らせ、流行がコントロールできない状態に陥らせてしまった。 このようななか、明るい兆しもある。セネガル、ナイジェリア、コンゴでは自国でエピデミックを制圧している。これは隔離、ケア提供、接触者の検疫という非常に単純な方法によるものである。つまり、初期対応が良ければ制圧は難しくないのである。 今日のようなグローバル世界では、いや応なく感染症の流行は台頭する。日本のような感染症の少ない国でも、流行の危険にさらされている。そのため、感染症には今後も注目し続けて欲しいと、ピオット氏は述べた。関連記事 エボラ出血熱 対策に成功し終息が宣言された国も エボラ出血熱の最新報告-国立国際医療研究センターメディアセミナー

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今シーズンのタミフル供給計画を発表

 中外製薬株式会社は29日、スイスのF. ホフマン・ラ・ロシュ社から輸入し、製造・販売している抗インフルエンザウイルス剤「タミフルカプセル75」「タミフルドライシロップ3%」(一般名:オセルタミビルリン酸塩)(以下、タミフル)について、2014-2015年シーズン(以下、今シーズン)に向けての供給計画を発表した。 今シーズンのタミフル供給計画(2014年10月29日時点)は以下のとおり。 タミフルカプセル75約400万人分 タミフルドライシロップ3%約300万人分 合計約700万人分 同社は、インフルエンザウイルスの流行拡大の状況に応じて追加供給も検討しているという。詳細は中外製薬のプレスリリースへ

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髄膜炎ワクチン、費用対効果は?/BMJ

 英国・ブリストル大学のHannah Christensen氏らは、髄膜炎菌血清群Bワクチン「Bexsero」接種導入の費用対効果について、英国民0~99歳を接種対象としたモデル研究の再評価を行った。結果、乳児への定期接種が最も効果がある短期的戦略であり低費用で費用対効果があるとしたうえで、長期的戦略の可能性として、乳児と青年への接種プログラムが大幅な症例削減につながることを報告した。同ワクチンは欧州で2013年1月に承認され、英国では同年7月にJoint Committee on Vaccination and Immunisationが、先行研究から費用対効果があるとして導入を助言。それに対し、導入を呼びかけてきた慈善団体や臨床医、研究者や政治家から費用対効果について十分な再検証を求める声が上がり本検討が行われたという。BMJ誌オンライン版2014年10月9日号掲載の報告。モデル研究で、ワクチン導入の費用対効果を検証 研究グループは、Bexsero接種導入の疫学的および経済的影響の予測と、英国ワクチンポリシーに情報を提供するため、数学・経済モデルを用いた検討を行った。 0~99歳の英国民集団を対象に、伝播力モデルを使ったシミュレーションによりワクチン戦略の影響を調べた。モデルには最新エビデンスのワクチン特性、疾病負荷、治療コスト、訴訟コスト、疾患により損失したQOLをパラメータとして含み、また家族やネットワークメンバーへの影響なども含んだ。ワクチン接種の健康への影響は、回避症例および獲得QALYにより評価した。 主要評価項目は、ワクチン接種導入による、回避症例と獲得QALY当たりのコスト。QALY獲得に要する接種プログラムの費用が2万ポンド未満の場合に費用対効果があるとした。乳児定期接種は5年で26.3%減、乳児・青年接種は30年後に51.8%減の可能性も 結果、短期的には、乳児への定期接種が最も症例の減少が大きかった(最初の5年間で回避症例は26.3%)。この戦略は費用対効果も認められ、接種にかかる費用は1回3ポンドで、良好な仮定(接種率88%の場合、保菌に対する効果は30%、疾患に対する効果は95%など)およびQOL調整因子がもたらされる可能性があった。 長期的には、乳児および青年への組み合わせ接種プログラムが、接種により髄膜菌伝播を阻害できれば、より多くの症例を予防できることが示された(30年後に51.8%)。接種にかかる費用は1回4ポンドで費用対効果も認められた。 なお、保菌率を30%まで減らした場合、青年期の予防接種のみで良好な戦略的経済効果が得られるが、十分な症例減少には20年以上を要することも示されたという。 これらの結果を踏まえて著者は、「乳児の定期接種が最も有効な短期的戦略であり、費用も低く費用対効果がある」としたうえで、「もしワクチン接種が思春期の保菌を減少すれば、乳児と青年へのワクチン接種の組み合わせが長期的には大幅な症例の減少をもたらすものとなり、費用対効果も他と負けない可能性がある」と述べている。

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事例26 細菌培養同定検査の査定【斬らレセプト】

解説事例では左下肢の蜂窩織炎の患者に、D018細菌培養同定検査を実施したところC事由(医学的理由による不適当)で査定となった。レセプトには静脈採血があり、D018「3」細菌培養同定(血液)にて請求されている。血液に対して細菌培養同定を行う必要性のある病名が病名欄に表示されていない。嫌気性培養加算も算定されているが、血液に対して行う場合は、2ヵ所からの血液採取が奨励されており2回算定できる。事例では1回の算定であることと、診療報酬では「血液又は穿刺液」と記載されていることから、同一区分の穿刺液の入力誤りも考えられる。しかし、この区分の穿刺液は「胸水、腹水、髄液及び関節液」と規定されているので、蜂窩織炎の穿刺液に対しては適用されない。D018 「5」その他の部位からの検体の区分が適用される。いずれの理由にしても、レセプト上からは、医学的に不適当であることに変わりがないためC事由で査定となったものであろう。この事例では、蜂窩織炎からの穿刺液に対して検査が行われていた。医師が選択を迷わないように電子カルテの表示を変更した。

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新たな鳥インフルエンザワクチン Anhuiの免疫原性/JAMA

 米国・ワシントン大学医学部のRobert B. Belshe氏らは無作為化試験にて、最新の鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス株であるA/Anhui/01/2005(安徽株)を抗原株とした不活化インフルエンザワクチンの免疫原性と安全性を評価した。被験者は、米国FDAが新型インフルエンザのパンデミックワクチンとして承認している、A/Vietnam/1203/2004(ベトナム株)ワクチン(90μg、アジュバント非添加、2回接種)を1年前に接種した人であった。また同ワクチン未接種者に対する安徽株ワクチン(MF59アジュバント添加・非添加)の評価を行った。JAMA誌2014年10月8日号掲載の報告より。ベトナム株接種者に安徽株を接種、また未接種者へ安徽株を接種し評価 アジュバント非添加のインフルエンザA(H5N1)ワクチンであるベトナム株ワクチンは、免疫原性が低いことが示されていた。しかし、その接種により接種者に免疫プライミング(免疫記憶を誘導する効果)がもたらされ、新たなH5型鳥インフルエンザワクチンの単回接種により二次抗体反応(ブースター効果)を示す可能性が示唆されていた。そこで本検討では、安徽株ワクチンの追加接種による接種免疫プライミングを評価すること、そしてベトナム株ワクチン未接種者に対する安徽株ワクチンの用量反応効果を調べることを目的とした。 試験は米国内8クリニックにて、1年前にベトナム株ワクチンを接種した72例と、未接種の565例の健康成人(18~49歳)を対象に行われた。被験者登録は2010年6月に開始され、2011年10月まで追跡した。 ベトナム株ワクチン接種者72例は、ベトナム株接種回数1回または2回の2群を、安徽株ワクチン(3.75μg)のMF59アジュバント添加・非添加別に分けた計4群に無作為に割り付けられ評価された。 一方、ベトナム株ワクチン未接種群565例は、5種の安徽株ワクチンの抗原用量設定に加えMF59アジュバント添加の有無、およびプラセボの合計10接種群に無作為に割り付けられ評価された(安徽株3.75μg、7.5μg、15μg、45μgは各々アジュバント添加・非添加群、90μgはアジュバント非添加群のみ)。 主要免疫原性アウトカムは、最終接種後1ヵ月(28日)時点および6ヵ月(180日)時点の赤血球凝集抑制反応(HI)検査による抗体価であった。主要安全性アウトカムは、0日、7日時点で評価した局所および全身性の有害事象と、重大有害事象とした。ベトナム株の免疫プライミングを確認 ベトナム株ワクチン接種者は、安徽株ワクチンによる1回接種で二次抗体反応を示したことが確認された。28日時点で1:40以上のHI抗体価を示したのは21~50%であった。しかし、HI抗体価達成者(1:40以上)が、ベトナム株1回接種群ではアジュバント添加群で高率だったのに対し、2回接種群ではアジュバント非添加群で高率であるなど、アジュバント添加の効果については、関連性が確認されなかった。 ワクチン未接種者への検討からは、アジュバント添加安徽株ワクチンは7.5μg量が適量であることが示された(幾何平均抗体価[GMT]:63.3、95%信頼区間[CI]:43.0~93.1)。アジュバント非添加の同ワクチンでは用量依存的に抗原反応は高まり、最大用量90μg群で最も高かったものの、GMTは28.5(95%CI:19.7~41.2)であった。 局所または全身性反応は、安徽株ワクチン7.5μgアジュバント添加群でそれぞれ78%(40/51例)、49%(25/51例)であったのに対し、同90μg群アジュバント非添加はそれぞれ88%(50/57例)、51%(29/57例)であった。 なお、概して抗体半減期は短く、全接種群のHI抗体価は180日時点までに1:20未満に低下していた。

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HALLMARK-DUAL 試験:C型慢性肝炎に対する治療法の開発は最終段階へ!―IFN freeのアスナプレビル・ダクラタスビル併用療法の報告―(解説:中村 郁夫 氏)-266

C型慢性肝炎のうち、1型高ウイルス量の患者に対する現時点での標準治療はペグインターフェロン(PEG-IFN)とリバビリン・プロテアーゼ阻害薬(シメプレビル、バニプレビル、テラプレビル)の併用療法(24週)である。この治療法により、Sustained Virological Response(SVR:治療終了後6ヵ月の時点での血中HCV陰性化)を得られる頻度は、初回治療例で約85~90%とされている。 さらなる治療効果の向上・患者の負担軽減のために、さまざまな取り組みが進められている。その一つが、IFN freeの経口薬のみの併用療法の開発である。有用な薬剤として、(1)NS3プロテアーゼ阻害薬、(2)NS5Bポリメラーゼ阻害薬(核酸型・非核酸型)、(3)NS5A阻害薬が挙げられる。 本論文は、日本から発信された1b型のC型慢性肝炎に対するアスナプレビル(NS3プロテアーゼ阻害薬)・ダクラタスビル(NS5A阻害薬)併用療法を、18ヵ国116施設で行った第III相の国際マルチコホート試験(HALLMARK-DUAL)に関する報告である。 本試験は、未治療例、前治療無効例および不適格・不耐容症例(計747例)を対象として行われ、治療終了後12週時点のSVR(SVR12)は82~90%と高率であった。 一方、経口薬の併用療法の問題点の一つとして、薬剤に対する耐性変異の出現がある。本邦での検討により、治療前にダクラタスビルの耐性変異(L31,Y93)を有する症例ではSVR24が40%以下となることが知られている。さらに、同治療の無効例の中に、NS5Aに対する変異のみでなくNS3 プロテアーゼ阻害薬に対する耐性変異(D168)が生じる例があることが報告されている。 今後、SVR がさらに高率で、しかも、耐性ウイルスの出現率が低いとされるソホスブビル(NS5Bポリメラーゼ阻害薬)・ダクラタスビル(NS5A阻害薬)併用療法の承認が見込まれる現在、アスナプレビル・ダクラタスビル併用療法の適応は慎重に検討する必要があると考えられる。日本肝臓学会および厚生労働省研究班から出されている治療ガイドラインを熟知したうえでの治療方針の決定が必要であると思われる。

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CTL019、再発・不応性ALLに有効/NEJM

 CD19を標的とするキメラ抗原受容体を導入したT細胞(CTL019、以前はCART19と呼ばれた)は、再発・不応性の急性リンパ性白血病(ALL)に対し完全寛解率90%、最長で2年の寛解維持をもたらしたとの研究結果が、米国・フィラデルフィア小児病院のShannon L Maude氏らにより、NEJM誌2014年10月16日号で報告された。再発ALLの治療は、積極的なアプローチが可能な場合であっても困難であり、遺伝子操作を加えたT細胞療法は新たな治療戦略とされる。CTL019は、従来治療の限界を克服し、不応例にも寛解導入をもたらす可能性があることが示されている。30例のパイロット試験で有用性を評価 研究グループは、再発・不応性ALLに対するCTL019によるT細胞療法の有効性を評価するパイロット試験を実施した。CTL019は、患者由来のT細胞にレンチウイルス・ベクターを介してCD19を標的とするキメラ抗原受容体を導入した自家T細胞であり、0.76~20.6×106cell/kgが患者に投与された。 2012年4月~2014年2月までに、5~22歳の25例(小児コホート)がフィラデルフィア小児病院で、26~60歳の5例(成人コホート)がペンシルバニア大学病院で治療を受けた。有効性と毒性の評価とともに、血中のCTL019の増殖および残存のモニタリングを行った。 30例のうち、26例が初回~4回目の再発性のB細胞性ALL、3例が原発性不応性のB細胞性ALL、1例はT細胞性ALLであった。年齢中央値は小児コホートが11歳、成人コホートは47歳、女性がそれぞれ11例、1例で、小児コホートのうち18例は同種幹細胞移植後の再発例であった。ブリナツモマブ(T細胞上のCD3に結合するドメインおよびCD19結合ドメインを有する二重特異性抗体)無効例が3例含まれた。サイトカイン放出症候群、脳症は管理可能 完全寛解は27例(90%)で得られた。そのうち2例はブリナツモマブ不応例、15例は幹細胞移植例であった。2~24ヵ月のフォローアップ期間中に19例が寛解を維持し、このうち15例は追加治療を要しなかった。CTL019細胞は生体内で増殖し、奏効例では血液、骨髄、脳脊髄液中に検出された。 6ヵ月無イベント生存率は67%、6ヵ月全生存率は78%であり、これらの患者は寛解が維持されていた。6ヵ月時のCTL019の検出率は68%、無イベントB細胞無形成率は73%であった。B細胞無形成は、機能性CD19標的T細胞の残存に関する薬力学的(PD)指標で、すべての寛解維持例に認められ、CTL019が検出不能となった後も、最長で1年間持続した。 全例にサイトカイン放出症候群が認められたが、ほとんどは自己制御が可能で、高熱や筋肉痛を伴う場合も数日で自然消退した。本症はCTL019関連の主要な毒性作用で、T細胞の活性化および増殖によるサイトカインの上昇に起因する全身性の炎症反応である。重症例は27%で、いずれもCTL019投与前の疾病負担が大きい症例であり、抗インターロイキン-6受容体抗体であるトシリズマブが有効であった。 神経毒性(失語、錯乱、せん妄、幻覚)が13例にみられた。また、高熱発症後の遅発性の脳症が6例に発現したが、自己制御が可能で介入なしで2~3日で回復した。 著者は、「CD19を標的とするキメラ抗原受容体導入T細胞療法は、自家幹細胞移植無効例を含む再発・不応性ALLの治療に有効である」とまとめ、「ある程度のサイトカイン放出症候群の発現は有効性の指標である可能性がある」「ブリナツモマブ不応例で完全寛解が得られたという事実は、CD19標的治療が奏効しない症例にも、CTL019は有効な可能性があることを示唆する」と指摘している。

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どの向精神病薬で有害事象報告が多いのか

 精神科治療における薬物有害反応(ADR)は患者にとって苦痛であり、公衆衛生に重大な影響を及ぼす。英国・ブリストル大学のThomas KH氏らは、1998~2011年に英国Yellow Card Schemeに自己報告された、抑うつ症状および致死的・非致死的自殺行動の頻度が多かった薬剤を特定した。その結果、バレニクリン、ブプロピオン、パロキセチン、イソトレチノイン、リモナバンにおいて抑うつ症状の報告が多いこと、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、バレニクリンおよびクロザピンでは、致死的および非致死的自殺行動の報告が多いことが判明した。BMC Pharmacology and Toxicology誌オンライン版2014年9月30日号の掲載報告。 本検討では、1964年以降に抑うつ症状および自殺行動の自発報告が最も多かった薬剤を明らかにするため英国医薬品・医療製品規制庁(MHRA)よりYellow Cardのデータ提供を受け、NHS情報センターおよび保健省より入手した処方データに基づき薬剤によるADRの報告頻度を調べた。処方データは1998年以前分を入手できなかったため、1998~2011年に処方されたデータを分母としてADRの頻度を推算した。 主な結果は以下のとおり。・検討期間中、20件以上の抑うつ症状が報告された薬剤は110種類、10件以上の非致死的自殺行動が報告された薬剤は58種類、5件以上の致死的自殺行動が報告された薬剤は33種類であった。・抑うつ症状の報告が多かった薬剤のトップ5は、禁煙治療薬のバレニクリンおよびブプロピオン、次いでパロキセチン(SSRI)、イソトレチノイン(にきび治療に使用)およびリモナバン(体重減少薬)であった。・致死的および非致死的自殺行動の報告が多かった薬剤のトップ5の中に、SSRI、バレニクリンおよび抗精神病薬のクロザピンが含まれていた。・地域で抗精神病薬100万件処方当たりのADR頻度が高かった薬剤はリモナバン、イソトレチノイン、メフロキン(抗マラリア薬)、バレニクリンおよびブプロピオンであった。・5件以上の自殺の報告があったエファビレンツ(抗レトロウイルス薬)とクロザピンの2剤については、地域における処方数は多くなかった。・以上のように、多くの神経系および非神経系薬について、抑うつ症状と自殺に関連するADRが報告されていた。 結果を踏まえて、著者らは「薬剤とADRの因果関係を明らかにする際に、自己報告データは使用できない。それゆえ、重大な警鐘が鳴らされる可能性がある精神的ADRについては、すべての無作為化対照試験において特別に評価、報告がなされるべきである」と述べている。関連医療ニュース 入院から地域へ、精神疾患患者の自殺は増加するのか SSRI依存による悪影響を検証 ビタミンB併用で抗うつ効果は増強するか  担当者へのご意見箱はこちら

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股部白癬、体部白癬の治療エビデンスは?

 オランダ・ライデン大学医療センターのE J van Zuuren氏らは、股部白癬と体部白癬の局所治療の有効性および安全性のエビデンスを評価するコクラン系統的レビューを行った。129試験、被験者1万8,086例を包含し分析した結果、薬剤塗布による積極的治療はいずれも大半は効果的であることが示されたが、臨床意思決定に役立つエビデンスを示すには、さらに質の高い無作為化試験の必要性が判明したと報告している。股部白癬、体部白癬は一般開業医、皮膚科医がいずれも最もよく遭遇する真菌感染症である。British journal of dermatology誌オンライン版2014年10月7日号の掲載報告。 股部白癬、体部白癬の大半は、さまざまな外用抗真菌薬による治療が行われている。 検討は、Cochrane Skin Group Specialised Register、CENTRAL in The Cochrane Library、MEDLINE、EMBASE、LILACSなどを2013年8月時点で検索して行われた。 主な結果は以下のとおり。・129試験、被験者1万8,086例が参加した無作為化試験を包含して介入評価を行った。・介入の大半は、アゾール系薬によるものであった。・プールできたアウトカムのデータは、2つの治療についてのみであった。・テルビナフィン(商品名:ラミシールほか)は5試験におけるデータから、プラセボと比較して統計的に有意な臨床的治癒率が認められた(RR:4.51、95%CI:3.10~6.56)。・真菌別の治療データは、不均一性が大きくプールすることができなかった。・真菌学的治癒率は、ナフチフィン1%含有薬(国内未発売)がプラセボと比較して良好であることを支持するデータであった(3試験、RR:2.38、95%CI:1.80~3.14)。しかし、エビデンスの質は低かった。・アゾール+コルチコステロイド系薬は、アゾール系薬単独よりもわずかではあるが効果的であった。しかし、真菌学的治癒率に関する統計的な有意差は認められなかった。・65試験が「不明」であるとの評価を、また64試験は「バイアスリスクが高い」との評価をしていた。被験者は大半が20歳超であり、試験デザインが不十分で、報告も不十分であった。

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H7N9ワクチン、安全性と効果/JAMA

 鳥インフルエンザA/上海/2/13(H7N9)ワクチンの安全性と免疫原性について、MF59アジュバント有無の4つの抗原用量を比較した第II相多施設共同二重盲検無作為化試験の結果が発表された。米国・エモリー大学医学部のMark J. Mulligan氏らによる検討の結果、最小用量3.75μg+MF59アジュバントの2回接種(0、21日)群において、42日時点の抗体陽転率は59%であったことが報告された。鳥インフルエンザH7N9は、2013年に中国で確認された新型の鳥インフルエンザウイルスで、家禽には問題なかったが、ヒトでは重症肺炎を引き起こし、同国では入院率67%、死亡率33%に達した。WHOには2014年6月27日時点で、検査確認症例450例のうち165例の死亡(36.6%)が報告されているという。JAMA誌2014年10月8日号掲載の報告より。7つの接種群を設定し検討 H7N9不活化ウイルスワクチンの安全性と免疫原性を評価した試験は、米国内4施設で19~64歳700例を登録して行われた。2013年9月に開始され、フォローアップは6ヵ月間であり、2014年5月に完了した。 被験者は、抗原用量、MF59アジュバント有無別に設定された7つの接種群(接種回数は2回[0、21日])に割り付けられ評価を受けた。(1)3.75μg+MF59アジュバント(100例)、(2)7.5μg+MF59アジュバント(99例)、(3)15μg+MF59アジュバント(100例)、(4)15μg+1回目のみMF59アジュバントあり(101例)、(5)15μg+2回目のみMF59アジュバントあり(100例)、(6)2回とも15μgのみ(101例)、(7)2回とも45μgのみ(99例)。 主要評価項目は、42日時点の赤血球凝集抑制反応(HI)検査法による抗体価40以上または抗体陽転(定義:抗体価40以上への増大率が4倍以上)の達成割合とした。ワクチン関連の重大有害事象は13ヵ月間、接種後症状は7日間調べた。3.75μg+MF59アジュバント2回接種が有望 HI抗体価は、非アジュバント接種群はいずれも低値であった。 一方、42日時点の、3.75μg+MF59アジュバントのH7N9ワクチン2回接種群の抗体陽転率は59%(95%信頼区間[CI]:48~68%)であった。抗体陽転率のピークは29日時点で62%(95%CI:52~72%)だった。また同接種群の42日時点のGMTは33.0(95%CI:24.7~44.1)であった。 抗原用量が増えても、免疫獲得効果の増大は認められなかった。 中和抗体価分析では、3.75μg+MF59アジュバント接種群の42日時点の抗体陽転率は82%(95%CI:73~89%)、GMTは81.4(95%CI:66.6~99.5)であった。 一方、抗原用量15μg+MF59アジュバントあり群について、42日時点の抗体陽転率は、接種1回目のみアジュバントあり群35%、2回ともアジュバントあり群47%で、両群間の統計的有意差は認められなかった(p=0.10)。 季節性インフルエンザワクチン接種者および高齢者については、弱毒化が認められた。 ワクチン関連の重大有害事象は報告されなかった。接種後7日間に報告された症状は概して軽度なもので、最も多かったのはアジュバントあり群の被験者で認められた接種部位に関する症状であった。 なお今回の結果について著者は、3.75μg+MF59アジュバント2回接種の潜在的価値を評価した上で、試験は42日以降の抗体価データがないこと、また臨床アウトカムの報告がないことから限定的なものであるとまとめている。

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アビガン錠、エボラ出血熱向けに生産

 富士フイルム株式会社(社長: 中嶋 成博)は、海外での使用を目的とし、エボラ出血熱対策として抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠200mg」(一般名:ファビピラビル)を追加生産すると決定した。 アビガン錠は、富士フイルムグループの富山化学工業株式会社が開発した抗インフルエンザウイルス薬であり、エボラウイルスに対して抗ウイルス効果を有するとのマウス実験の結果が公表されている。すでに、日本政府と協議のうえ、緊急搬送先の政府機関および医療機関から提供の要請に応え、西アフリカや欧州に搬送されたエボラ出血熱患者複に対し投与されている。 フランス政府とギニア政府はギニアにおいて、11月中旬よりエボラ出血熱に対するアビガン錠の臨床試験を始める予定。同社は、現時点で2万人分の錠剤を有し、原薬としてさらに30万人分程度の在庫を保有している。また、今後のさらなる臨床使用に備え、エボラ出血熱向けとしてのアビガン錠の生産を11月中旬より行う。 日本政府は、感染が広がるエボラ出血熱に対して、日本の企業が開発した治療に効果の見込める薬を提供する準備があることを表明しており、同社は日本政府と協議しながら、各国からの要請に応えていくという。富士フィルムのプレスリリースはこちら

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肛門性器疣贅の治療、ワクチンvs. 従来療法

 肛門性器疣贅(Anogenital Warts:AGW)の治療について、病巣内Mycobacterium w(Mw)ワクチン接種と従来療法である5%イミキモドクリーム塗布を比較した無作為化試験の結果、HPV-6に対する有効性は同等であることなどが示された。インド・All India Institute of Medical SciencesのPankaj Kumar氏らによる報告で、これまで両者の比較は行われておらず、有効性のエビデンスは不確かであった。今回の結果を踏まえて著者は、「有効性と安全性は両治療で同等である」とまとめている。JAMA Dermatology誌2014年10月号(オンライン版2014年8月6日号)の掲載報告。 検討は、二重盲検無作為化臨床試験にてニューデリーで2009年2月から2012年7月に行われた。フォローアップは3ヵ月間行われた。 159例のAGW患者をスクリーニングし、89例を無作為に割り付け、一方には5%イミキモドクリーム塗布とプラセボ接種を(44例)、もう一方にはMwワクチン接種とプラセボクリーム塗布を行った(45例)。 主要エンドポイントは、可視によるAGWの臨床的治癒とし、副次評価は、AGWの表面積の縮小割合、HPV-6およびHPV-11のウイルス量減少などであった。 主な結果は以下のとおり。・intention-to-treat解析において、イミキモド群患者59%(26例)、Mw群患者の67%(30例)が、完全な治癒を達成した(p=0.52)。・高リスク遺伝子型を含む18のHPV遺伝子型が検出されたが、治療群間で有意差はなかった(すべてのp>0.05)。・Mw群は、HPV-6およびHPV-11の平均ウイルス量が、有意に低下した(p=0.003、p=0.03)。・しかし、イミキモド群は、HPV-6のみ有意に低下した(p=0.01)。・フォローアップ3ヵ月時点で完全に治癒し重大有害イベントのなかった患者では、AGWの再発はみられなかった。

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世界中で急拡大 「デング熱」の最新知見

 今夏、日本国内で、海外渡航歴がないにもかかわらずデング熱を発症した患者が発見された。日本国内での感染は1940年代前半の流行以来、実に約70年ぶりであり、患者数は158人に上った(2014年10月14日現在)。全世界では、現在25億人以上がデング熱流行地で生活している。そして、年間5,000万人以上がデング熱を発症しており、近年急速な広がりをみせている。 今回、デング熱に関する世界中の最新知見を、キューバのペドロ・コウリ熱帯医学研究所のMaria G Guzman氏らがまとめた。Lancet誌オンライン版2014年9月12日号の掲載報告。●世界中で急速な広がりをみせるデング熱 デングウイルスは過去20~30年間で、国内そして国境を越えて急速な広がりを見せており、今日では、蚊が媒介するウイルス性疾患の中で、最も流行し急速に拡大する疾患と考えられている。 デングウイルスは4つの抗原型(DENV1-4)に分類され、ヒトスジシマカを媒介として感染する。感染地域の広がりや感染例の増加、疾患の重症化に伴い、デング熱は社会的・経済的に重大な影響を持つ公衆衛生上の問題に発展してきた。●デング熱の発生率は過去50年で30倍に デング熱は、南アジアやアメリカ、大西洋、アフリカ、東地中海沿岸地域など100以上の国でみられる風土病であり、その発生率は過去50年間で30倍にも増加している。2013年の研究結果によると、年間3.9億人の感染者が発生し、そのうち、はっきりとした症状がみられたのは9,600万人であった(感染者数は2012年WHO予測の3倍以上)。●世界ではどのような策が講じられているか 現在、デング熱には有効な治療薬が存在しないため、対症療法を行っているのが現状である。そのため、世界各国で、デングウイルス学・病因学・免疫学の研究、抗ウイルス薬・ワクチンの研究・開発が行われてきた。さらに、デング熱のコントロールと予防に対して明らかに効果がある新たなベクターコントロール戦略が立案されるなど、各国で対策が進められている。しかし、このような対策が世界中で行われているにもかかわらず、実用化には至っていないのが現状である。●デング熱流行阻止に向け国際的な結束を 世界中でデング熱の予防・治療に対する基礎研究や橋渡し研究が行われてきた結果、確かに情報は蓄積されてきた。しかし、その一方で、デング熱の流行は依然として世界的な広がりをみせている。今後の流行を阻止するためにも、さらなる努力が求められる。 WHOによるデング熱予防・コントロールの世界的戦略では、2012年から2020年にかけて、少なくとも罹患率を25%、死亡率を50%減らすことを目標としている。しかし、この目標を達成するためには、デング熱の重大さを世界各国が真摯に受け止め、政府機関・地域社会・国際組織などが結束する必要がある。 以上が著者らによりまとめられた、デング熱の最新知見である。わが国でも、政府が定期的な情報発信や、徹底した予防・制御に努めたこともあり、次第にデング熱の流行は収まりを見せている。しかし、世界中でデング熱が急増している現状を鑑みると、来年も流行する可能性は否定できない。今後、デング熱に対し、国を挙げて何らかの対策を講じていく必要があるであろう。

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ビフィズス菌で不安症状が改善

 最近の研究では、ストレス関連精神疾患に常在菌の摂取が好影響を与える可能性があることが示唆されている。しかし、特定の細菌が不安や抑うつ症状にどのような影響を及ぼすかは不明であった。アイルランド・コーク大学のH M Savignac氏らは、2種類のビフィズス菌の不安・抑うつ症状に対する影響や抗うつ薬との比較を行った。Neurogastroenterology and motility誌オンライン版2014年9月24日号の報告。 先天的不安BALB/cマウスに、ビフィドバクテリウム(B.)ロンガム1714またはB.ブレーベ1205、抗うつ薬エスシタロプラム、溶媒を用いた治療を毎日6週間実施した。行動評価には、ストレス誘発性高体温試験、ガラス玉覆い隠し行動試験、高架式十字迷路試験、オープンフィールド試験、尾懸垂試験、強制水泳試験を用いた。また、急性ストレスに対する生理的反応も評価した。 主な結果は以下のとおり。・両ビフィズス菌治療およびエスシタロプラム治療は、ガラス玉覆い隠し行動試験において不安の軽減が認められた。また一方、B.ロンガム1714治療は、ストレス誘発性高体温を低下させた。・B.ブレーベ1205治療は、高架式十字迷路試験において不安の低下をもたらした。一方、B.ロンガム1714治療は、尾懸垂試験において抗うつ様行動を引き起こした。・しかし、グループ間のコルチコステロンレベルに差はなかった。 以上より、2種類のビフィズス菌が不安マウスの不安を減少させることが示唆された。これらの結果は、各細菌株が内因性の効果を有すること、特定の障害に特異的に有益であることを示している。関連医療ニュース 若年男性のうつ病予防、抗酸化物質が豊富な食事を取るべき 日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法:名古屋大学 効果不十分なうつ病患者、次の一手のタイミングは  担当者へのご意見箱はこちら

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C型肝炎の適切な治療選択~ガイドライン改訂

 近年、C型肝炎に対する抗ウイルス薬の開発が進んでいる。昨年9月のシメプレビル3剤併用療法に続き、今年7月にインターフェロン(IFN)を併用しないダクラタスビルとアスナプレビルの併用療法が承認され、今後も新しい抗ウイルス薬の承認が期待されている。このたび、都内にて10月1日(水)に開催されたヤンセンファーマメディアセミナーで、武蔵野赤十字病院 副院長 泉 並木氏が「C型肝炎の最新治療と適切な治療選択の重要性」と題し、9月に改訂された日本肝臓学会の「C型肝炎治療ガイドライン(第3版)」の解説も含めて講演した。肝がん発症を防ぐためには早期の治療が必要 C型肝炎は肝がんの成因の約7割を占める。治療開始年齢と肝がん発症リスクの関係をみると、65歳以上で急激に発症リスクが増加することから、早期の治療が必要という。 治療の第一目標はC型肝炎ウイルス(HCV)の排除であり、抗ウイルス療法が原則である。抗ウイルス療法で使用する薬剤には、抗ウイルス蛋白や免疫を誘導するIFNと、HCVのプロテアーゼ・NS5Bポリメラーゼ・NS5Aを阻害する直接作用型抗ウイルス薬があり、これらの中から、プロテアーゼ阻害剤+ペグインターフェロン(Peg-IFN)+リバビリン、または、2つないしは3つの直接的抗ウイルス薬の組み合わせ(プロテアーゼ阻害剤+NS5A阻害剤、NS5A阻害剤+NS5Bポリメラーゼ阻害剤)が今後主流になる。シメプレビル3剤併用療法は、高齢者や女性にも高い効果 昨年承認されたシメプレビル+Peg-IFN+リバビリンの3剤併用療法は、国内臨床試験において、初回治療と再燃例に対し90%前後という高い抗ウイルス効果を示している。泉氏は、発売後の臨床成績として、武蔵野赤十字病院における2013年12月以降の導入症例101例の治療効果を紹介した。それによると、HCV RNA陰性化率は4週で83%まで達し、早期に効果が認められたという。また、国内臨床試験では対象となっていなかった70歳以上の高齢患者においても、65歳未満、65~69歳と同等の抗ウイルス効果がみられ、男女においても効果に差がなかったとのことである。一方、有害事象は、ほとんどがインターフェロンやリバビリンでみられる症状であり、唯一ビリルビン上昇がシメプレビルでみられる有害事象であるが一過性と説明した。治療選択は専門医の判断が必要 ダクラタスビルとアスナプレビルの発売に合わせて今年9月に改訂された「C型肝炎治療ガイドライン(第3版)」では、ゲノタイプ1b型・高ウイルス量症例に対する初回治療について、高発がんリスク群(高齢者かつ線維化進展例)・中発がんリスク群(高齢者または線維化進展例)・低発がんリスク群(非高齢者かつ線維化軽度例)ごとに、IFN適格例と不適格例に分けて治療の原則を提示している。 まず、IFN適格例では、すべてのリスク群でシメプレビル/Peg-IFN/リバビリン併用を原則としている。またIFN不適格例では、高発がんリスク群はダクラタスビル/アスナプレビル、中発がんリスク群はダクラタスビル/アスナプレビルもしくは治療待機としている。ただし、ダクラタスビル/アスナプレビル治療前には極力Y93/L31変異を測定し、変異があれば治療待機を考慮することとし、治療待機の場合の発がんリスクならびに変異例にダクラタスビル/アスナプレビル治療を行う場合の著効率と多剤耐性獲得のリスクを十分に勘案して方針を決定するとしている。また、低発がんリスク群には、早期の治療導入の必要性は少ないが、Y93/L31変異がない場合に限り、ダクラタスビル/アスナプレビル治療も可能という。 なお、ダクラタスビル/アスナプレビル治療の適応がIFN不適格な患者であるため、本治療を受けた患者については、以後のIFNを含む治療法は医療費助成の対象としない対応方針が示されている。 泉氏は、治療決定に際しては耐性ウイルスの有無を調べることが重要であると述べ、最適な治療選択や医療費助成を受けるために、専門医による判断が必要であることを強調した。日本肝臓学会「C型肝炎治療ガイドライン(第3版)」はこちら

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エボラウイルス病、11月には2万例超えるか/NEJM

 西アフリカのエボラウイルス病(EVD)患者は、感染対策の抜本的な改善がなされなければ、今後、毎週数百~数千例の割合で増加し続け、11月初旬には2万例を超えると予測されることが、WHO Ebola Response Teamの調査で明らかとなった。2014年3月23日、WHOはギニアにおけるEVDのアウトブレイクを公式に認定した。また、8月8日には、この流行に対し「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(public health emergency of international concern)」を宣告している。NEJM誌オンライン版2014年9月23日号掲載の報告。4ヵ国4,010例のデータを詳細に解析 2013年12月30日~2014年9月14日までに、エボラウイルス感染の疑い例および確定例は4,507例に上り、このうち西アフリカ5ヵ国(ギニア、リベリア、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ)からEVDによる死亡例が2,296例報告されている。 WHOの研究チームは、9月14日までにギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネの4ヵ国から収集されたエボラウイルス感染疑い例3,343例および確定例667例のデータを詳細に解析した。発熱、疲労感、嘔吐が高頻度、特異的な出血はまれ 患者のほとんどが15~44歳で、男性は49.9%であった。感染の臨床アウトカムが判明している患者の死亡率は70.8%(95%信頼区間[CI]:69~73%)に上った。 発症から感染が確定されるまでにみられた主な症状は、発熱87.1%、疲労感76.4%、食欲減退64.5%、嘔吐67.6%、下痢65.6%、頭痛53.4%、腹痛44.3%で、特異的な出血症状はまれであったが、「説明不能な出血」が18.0%で報告されている。 これらの徴候や症状のほか、潜伏期間(11.4日)、発症間隔(感染源の発症から2次感染者の発症までの期間は15.3日)などの感染過程は、以前のEVDのアウトブレイクの報告と類似していた。 初回指数増殖期のデータに基づくと、推定基本再生産数(basic reproduction number:R0)は、ギニアが1.71、リベリアが1.83、シエラレオネは2.02であった。また、推定現再生産数(current reproduction numbers:R)はそれぞれ1.81、1.51、1.38であり、倍加時間は15.7日、23.6日、30.2日と推算された。 この流行に対する感染対策に変化がないと仮定すると、2014年11月2日までに感染疑い例と確定例の累積報告数はギニアで5,740例、リベリアで9,890例、シエラレオネでは5,000例に及び、全体で2万例を超えることが予測される。 研究チームは、「感染対策の抜本的な改善がなされなければ、今後数ヵ月にわたり、EVD患者および死亡例は毎週数百~数千例の割合で増加し続けると予測される」と結論づけている。

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レスベラトロールがにきび治療のオプションに?

 過酸化ベンゾイルとの比較において、レスベラトロールの持続的な抗菌活性と細胞毒性の減少が認められたことが、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のEmma J. M. Taylor氏らによる検討の結果、示された。著者は、「今回示された結果は、レスベラトロールが、にきび治療の新たな治療オプションまたは補助療法として可能性があることを示唆するものである」とまとめている。抗酸化物質のレスベラトロール(3,5,4’-trihydroxystilbene)には、抗菌特性を含む多様な生物学的効果が含まれていることが知られている。Dermatology and Therapy誌オンライン版2014年9月17日号の掲載報告。 にきびは毛包脂腺系の疾患で、アクネ桿菌(P. acnes)に対する炎症性宿主免疫反応を特徴とする。 研究グループは、レスベラトロールのにきび治療薬としての可能性を明らかにするため、レスベラトロールもしくは過酸化ベンゾイルで治療したアクネ桿菌について、コロニー形成ユニット(CFU)アッセイと透過型電子顕微鏡を用いた、抗菌効果の評価を行った。また、ヒト健康ボランティアから血液の提供を受け、MTSアッセイで単球とケラチノサイトの細胞毒性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・レスベラトロールは、アクネ桿菌に対して持続的な抗菌活性を示した。一方、にきびの抗菌治療に一般的に用いられる過酸化ベンゾイルの殺菌効果は短期的であった。・レスベラトロールと過酸化ベンゾイルの組み合わせは、初期の抗菌活性が高く、細菌の発育を持続的に抑制した。・レスベラトロールで治療されたアクネ桿菌の電子顕微鏡による観察で、細菌形態の変化(膜の消失、細胞外の線毛構造の崩壊)が確認された。・レスベラトロールの細胞毒性は、過酸化ベンゾイルより少なかった。

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HPVスクリーニングに尿検査が有用/BMJ

 尿検査による子宮頸部ヒトパピローマウイルス(HPV)検出の精度は良好と思われ、初尿サンプルを用いるのがランダム尿や中間尿を用いるよりも正確であることが判明した。英国・ロンドン大学のNeha Pathak氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。細胞診検査による子宮頸部HPV検出は精度の高いスクリーニング法とされるが、侵襲的な検査のため現行スクリーニングプログラムの大きな障壁となっている。今回の結果を踏まえて著者は、「サブグループで子宮頸部細胞診検査が困難であるときは、受け入れ可能な選択肢として尿中HPV検出を検討すべきであろう」と述べている。BMJ誌オンライン版2014年9月16日号掲載の報告より。尿中HPV DNA検出と子宮頸部HPV DNA検出の比較試験をメタ解析 研究グループは、2013年12月時点で電子データベースなどを用いて、女性を対象とした尿中HPV DNA検出と子宮頸部HPV DNA検出の精度を比較した試験論文を検索した。特定した論文から、患者特性、試験背景、バイアスリスク、検査精度に関するデータを抽出し、2×2分割表解析と、二変量混合効果モデルのメタ解析を行った。HPV16、18の検出感度は73%、特異度98%、初尿サンプルが有用 検索により発表論文16件を特定し、14試験、1,443例のデータをメタ解析に組み込んだ。 大半の試験で、初尿サンプルを用いたPCR法が採用されていた。 尿検査によるあらゆるHPV検出のプール感度は87%(95%信頼区間[CI]:78~92%)、同特異度は94%(同:82~98%)であった。また高リスクHPV検出のプール感度は77%(同:68~84%)、同特異度は88%(同:58~97%)であった。また、HPV16、18検出のプール感度は73%(同:56~86%)、同特異度は98%(同:91~100%)であった。 メタ回帰分析により、尿サンプルは初尿サンプルを用いたほうが、ランダムまたは中間尿サンプルを用いた場合よりも、感度が増大することが明らかになった(相対的感度:1.2、95%CI:1.06~1.37、p=0.004)。特異度は、尿サンプルによる有意な違いは認められなかった(p=0.46)。 なお、本検討について著者は、尿中HPV検査の方法論が厳格には統一されていないこと、各試験間の精度についての検証が行われていなかったため、限定的なものであることとしている。その上で、HPV検出の代替法としてさらなる検討と尿検査の標準化を行うことが必要であると提言している。

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