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ケアネットDVD 2021年6月以降のお取り扱い商品につきまして【2024年3月14日 更新】

DVDインデックスページへ戻る日頃よりケアネットDVDをご愛顧いただきありがとうございます。このたび弊社では、ケアネットDVDの個人向けの販売方法を変更する運びとなりました。2021年6月以降につきましては、Amazon.co.jpにて販売させていただきます。なお、一部商品につきましてはDVD販売が終了となるものもございますので、詳細は下記をご参照ください。DVD販売が終了した商品も、臨床医学チャンネル『CareNeTV』にて引き続きオンデマンド配信(有料)を行っておりますので、こちらをぜひご利用ください。今後ともCareNeTV、ケアネットDVDをご愛顧のほどお願い申し上げます。本件に関する問い合わせは、お問い合わせフォーム までお願いいたします。※下記の一覧は、2024年3月14日時点のものです。※販売を継続するタイトル一覧にある商品でも、弊社の在庫がなくなりしだい販売終了となる場合がございます。何卒ご了承ください。販売を継続するタイトル  販売を終了するタイトル販売を継続するタイトルCND0002 平本式 皮膚科虎の巻<上巻>CND0003 平本式 皮膚科虎の巻<下巻>CND0008 Dr.東田の今さら聞けない病態生理<上巻>CND0009 Dr.東田の今さら聞けない病態生理<下巻>CND0010 明解!Dr.浅岡の楽しく漢方 <第1巻>CND0011 明解!Dr.浅岡の楽しく漢方 <第2巻>CND0012 明解!Dr.浅岡の楽しく漢方 <第3巻>CND0013 明解!Dr.浅岡の楽しく漢方 <第4巻>CND0014 明解!Dr.浅岡の楽しく漢方 <第5巻>CND0015 明解!Dr.浅岡の楽しく漢方 <第6巻>CND0019 チャレンジ!超音波走査<上巻>CND0020 チャレンジ!超音波走査<下巻>CND0028 マッシー池田の神経内科快刀乱麻!<上巻>CND0030 マッシー池田の神経内科快刀乱麻!<下巻>CND0033 骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科<下巻>CND0039 Dr.林の笑劇的救急問答 1 <上巻>CND0044 もう迷わない!好きになる心電図<下巻>CND0045 Dr.岩田の感染症アップグレード<第1巻>CND0046 Dr.岩田の感染症アップグレード<第2巻>CND0047 Dr.岩田の感染症アップグレード<第3巻>CND0048 Dr.岩田の感染症アップグレード<第4巻>CND0049 Dr.さわやまの心音道場<上巻>CND0052 Step By Step!初期診療アプローチ<第1巻>/疼痛(前編)CND0053 Step By Step!初期診療アプローチ<第2巻>/疼痛(後編)CND0054 Dr.古谷の実践!ザ・診察教室<上巻>CND0055 Dr.古谷の実践!ザ・診察教室<下巻>CND0056 Dr.林の笑劇的救急問答 2 <上巻>CND0057 Dr.林の笑劇的救急問答 2 <下巻>CND0058 Dr.林の笑劇的救急問答 3 <上巻>CND0059 Dr.林の笑劇的救急問答 3 <下巻>CND0060 "の"の字2回走査法で出来る!超音波手技大原則<第1巻>CND0061 "の"の字2回走査法で出来る!超音波手技大原則<第2巻>CND0063 mの字走査法で出来る!乳腺超音波手技大原則CND0064 Dr.浅岡のもっと楽しく漢方!<第1巻>CND0065 Dr.浅岡のもっと楽しく漢方!<第2巻>CND0066 Dr.浅岡のもっと楽しく漢方!<第3巻>CND0067 Dr.浅岡のもっと楽しく漢方!<第4巻>CND0068 Dr.浅岡のもっと楽しく漢方!<第5巻>CND0071 Step By Step!初期診療アプローチ<第3巻>/神経(前編)CND0072 Step By Step!初期診療アプローチ<第4巻>/神経(後編)CND0082 Dr.夏井の創傷治療大革命CND0088 Dr.岸本の関節ワザ大全<第1巻>CND0089 Dr.岸本の関節ワザ大全<第2巻>CND0090 Dr.岸本の関節ワザ大全<第3巻>CND0101 Dr.須藤のやりなおし輸液塾<上巻>CND0102 Dr.須藤のやりなおし輸液塾<下巻>CND0103 Step By Step!初期診療アプローチ<第5巻>/呼吸器CND0104 Step By Step!初期診療アプローチ<第6巻>/消化器CND0105 Dr.林の笑劇的救急問答 4 <上巻>CND0106 Dr.林の笑劇的救急問答 4 <下巻>CND0107 Dr.鈴木の眼底検査完全マスターCND0114 内科医のための精神科的対応“自由自在”<上巻>CND0115 内科医のための精神科的対応“自由自在”<下巻>CND0123 Step By Step!初期診療アプローチ<第7巻>/マイナー症候CND0129 Dr.林の笑劇的救急問答 5 <上巻>CND0130 Dr.林の笑劇的救急問答 5 <下巻>CND0134 出直し看護塾<第1巻>CND0135 出直し看護塾<第2巻>CND0140 Dr.坂根のなるほど!納得!ダイエット!CND0143 ワクワク ! 臨床英会話<上巻>CND0144 ワクワク ! 臨床英会話<下巻>CND0150 Dr.林の笑劇的救急問答 6 <上巻>CND0151 Dr.林の笑劇的救急問答 6 <下巻>CND0154 聖路加GENERAL 【心療内科】CND0155 聖路加GENERAL 【神経内科】CND0156 聖路加GENERAL 【がん検診】CND0157 聖路加GENERAL 【一般診療に役立つ腫瘍内科学】CND0158 聖路加GENERAL 【内分泌疾患】<上巻>CND0159 聖路加GENERAL 【内分泌疾患】<下巻>CND0161 人のハいで読める! Dr.山口の胸部写真読影 免許皆伝<上巻>CND0162 人のハいで読める! Dr.山口の胸部写真読影 免許皆伝<下巻>CND0164 Dr.林の笑劇的救急問答 7 <上巻>CND0165 Dr.林の笑劇的救急問答 7 <下巻>CND0167 “かぜ”と“かぜ”のように見える重症疾患CND0168 聖路加GENERAL 【腎臓内科】CND0169 聖路加GENERAL 【Dr.香坂の循環器内科】CND0170 聖路加GENERAL 【Dr.大曲の感染症内科】CND0171 聖路加GENERAL 【Dr.仁多の呼吸器内科】CND0173 Dr.林の笑劇救急シリーズ1.脳に異常あり?<神経内科疾患>編CND0174 Dr.林の笑劇救急シリーズ2.おなかが痛い!<内科・胃腸科>編CND0175 聖路加GENERAL 【Dr.小林の消化器内科】CND0176 聖路加GENERAL 【Dr.衛藤の皮膚科疾患アーカイブ】 <上巻>CND0177 聖路加GENERAL 【Dr.衛藤の皮膚科疾患アーカイブ】 <下巻>CND0178 ドクター力丸の人工呼吸管理のオキテCND0179 Dr.香坂の循環器診療 最前線<第1巻>CND0180 Dr.香坂の循環器診療 最前線<第2巻>CND0181 Dr.香坂の循環器診療 最前線<第3巻>CND0183 Dr.清水のおいしい栄養療法CND0184 Dr.林の笑劇的救急問答 8 <上巻>CND0185 Dr.林の笑劇的救急問答 8 <下巻>CND0186 聖路加GENERAL 【Dr.石松の帰してはいけない患者症例】<上巻>CND0187 聖路加GENERAL 【Dr.石松の帰してはいけない患者症例】<下巻>CND0188 直伝!Dr.守屋の素人独学漢方<上巻>CND0189 直伝!Dr.守屋の素人独学漢方<下巻>CND0190 Dr.岩田の感染症アップグレードBEYOND<上巻>CND0191 Dr.岩田の感染症アップグレードBEYOND<下巻>CND0192 こどものみかた<上巻> ~シミュレーションで学ぶ見逃せない病気~CND0193 こどものみかた<下巻> ~シミュレーションで学ぶ見逃せない病気~CND0196 Dr.前野のスペシャリストにQ!【循環器編】 CND0197 Dr.林の笑劇的救急問答 9 【小児診療編】CND0198 Dr.香坂の循環器診療 最前線<第4巻>CND0203 ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティスCND0205 骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科2CND0206 Dr.林の笑劇的救急問答 10 <上巻>CND0207 Dr.林の笑劇的救急問答 10 <下巻>CND0208 産婦人科医ユミの頼られる「女性のミカタ」CND0211 Dr.みやざきの鼠径ヘルニア手術テクニックコレクションCND0212 Dr.野原のナルホド!摂食・嚥下障害マネジメントCND0214 Dr.前野のスペシャリストにQ!【呼吸器編】CND0216 Sedation for All ―安全で確実な鎮静・鎮痛プログラム― CND0217 Dr.小川のアグレッシブ腹部エコー<肝臓編>CND0218 ネッティー先生のわかる!見逃さない!CT読影術CND0220 Dr.たけしの本当にスゴい症候診断CND0223 Dr.林の笑劇的救急問答 11 <上巻>CND0224 Dr.林の笑劇的救急問答 11 <下巻>CND0225 ナベちゃん先生のだれでも撮れる心エコーCND0226 ナベちゃん先生のだれでも読める心エコーCND0227 Dr.香坂のすぐ行動できる心電図 ECG for the Action! CND0228 プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【消化器編】CND0229 スーパー服薬指導<第1巻>CND0230 スーパー服薬指導<第2巻>CND0231 スーパー服薬指導<第3巻>CND0232 スーパー服薬指導<第4巻>CND0233 Dr.たけしの本当にスゴい症候診断2CND0235 フィーバー國松の不明熱コンサルトCND0236 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.1CND0237 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.2CND0238 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3CND0239 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4CND0240 感染症コンサルタント岸田が教える どこまでやるの!?感染対策CND0243 イワケンの「極論で語る感染症内科」講義CND0244 Dr.加藤の「これだけ眼科」CND0245 Dr.林の笑劇的救急問答 12 <上巻>CND0246 Dr.林の笑劇的救急問答 12 <下巻>CND0247 Dr.長尾の胸部X線ルネッサンス CND0248 Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】CND0249 スーさんの急変エコー 裏ワザ小ワザCND0250 Dr.香坂のアカデミック・パスポート 「文献の引き方」から「論文の書き方」までCND0251 Dr.たけしの本当にスゴい症候診断3 CND0252 Dr.宮本のママもナットク!小児科コモンプラクティス CND0253 Dr.水野のうたう♪心音レクチャー CND0258 救急エコー最速RUSH! CND0262 Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)CND0263 Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(下巻)CND0265 Dr.林の笑劇的救急問答 13<上巻>CND0266 Dr.林の笑劇的救急問答 13<下巻>CND0267 Dr.徳田のすぐできるフィジカル超実技CND0268 プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【整形外科編】CND0269 Dr.志賀のパーフェクト!基本手技 CND0270 志水太郎の診断戦略エッセンス CND0271 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.1CND0272 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.2CND0273 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.3CND0274 Dr.長尾の胸部X線クイズ 初級編 CND0275 Dr.長尾の胸部X線クイズ 中級編 CND0276 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.1CND0277 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.2CND0278 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.3CND0279 Dr.小松のとことん病歴ゼミCND0282 Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(上下巻2枚組)CND0283 肩腰膝の痛みをとる Dr.究のあなたもできるトリガーポイント注射 CND0284 Dr.須藤のやり直し酸塩基平衡 CND0285 Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編 CND0286 志水太郎の診断戦略ケーススタディCND0287 Dr.林の笑劇的救急問答 14<上巻>CND0288 Dr.たけしの本当にスゴい高齢者身体診察CND0289 プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】CND0290 Dr.安部の皮膚科クイズ 初級編CND0291 Dr.林の笑劇的救急問答14<下巻>CND0292 毎日使える 街場の血液学CND0293 Dr.白石のLet's エコー 運動器編CND0294 一発診断CND0295 Dr.林の笑劇的救急問答15<上巻>CND0296 Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 医療関連感染症編CND0297 Dr.飯島の在宅整形CND0298 岡田正人のアレルギーLIVECND0299 Dr.皿谷の肺音聴取道場CND0300 Dr.林の笑劇的救急問答15<下巻>CND0301 Dr.増井の心電図ハンティングCND0302 Dr.長門の5分間ワクチン学CND0303 Dr.安部の皮膚科クイズ 中級編CND0304 プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【糖尿病・内分泌疾患編】CND0305 Dr.水谷の妊娠・授乳中の処方コンサルトCND0306 Dr.飯村の英語の発音が劇的に変わるトレーニングCND0307 Dr.田中和豊の血液検査指南 総論・血算編CND0308 脳血管内治療STANDARDCND0309 Dr.林の笑劇的救急問答16<上巻> 肺炎編CND0310 Dr.安部の皮膚科クイズ 上級編CND0311 Dr.須藤の輸液大盤解説CND0312 総合内科専門医試験オールスターレクチャー アレルギーCND0313 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 血液CND0314 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 呼吸器CND0315 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 神経CND0316 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 内分泌・代謝CND0318 Dr.林の笑劇的救急問答16<下巻> 皮膚科救急編CNPA003 Dr.東田の病態生理学 自由自在!【糖尿病編】CNPA004 Dr.東田の病態生理学 自由自在!【循環器編】1CNPA005 Dr.東田の病態生理学 自由自在!【循環器編】2ページTOPへ販売を終了するタイトルCND0006 Dr.名郷のコモンディジーズ常識のウソ/高脂血症篇 <上巻>CND0007 Dr.名郷のコモンディジーズ常識のウソ/高脂血症篇 <下巻>CND0026 Dr.箕輪の実戦救急指南CND0027 実践!Dr.鳥谷部の How to ラップ療法-注目の新しい褥創治療-CND0029 Dr.名郷のコモンディジーズ常識のウソ <ルーチンの落とし穴>CND0032 骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科<上巻>CND0035 激辛!伊賀流心臓塾<第2巻>CND0036 激辛!伊賀流心臓塾<第3巻>CND0037 小三J読影法でわかる!Dr.佐藤の胸部写真の楽しみ方<上巻>CND0038 小三J読影法でわかる!Dr.佐藤の胸部写真の楽しみ方<下巻>CND0041 みんなの症候診断<上巻>CND0042 みんなの症候診断<下巻>CND0043 もう迷わない!好きになる心電図<上巻>CND0050 Dr.さわやまの心音道場<下巻>CND0051 Dr.名郷のコモンディジーズ常識のウソ <必ず遭遇する壁>CND0062 "の"の字2回走査法で出来る!超音波手技大原則<第3巻>CND0069 亀井道場スーパーライブ 臨床呼吸器ブラッシュアップ<上巻>CND0070 亀井道場スーパーライブ 臨床呼吸器ブラッシュアップ<下巻>CND0073 Dr.岩田のスーパー大回診<上巻>CND0074 Dr.岩田のスーパー大回診<下巻>CND0077 褥創治療最前線!Dr.鳥谷部の超ラップ療法CND0078 激辛!伊賀流心臓塾<第4巻>CND0079 ケイコ先生の肺ガン読影講座CND0081 ジェネラリストのための他科診療エッセンスQ&A II―整形外科、心療内科CND0083 Dr.岡田のアレルギー疾患大原則<第1巻>CND0084 Dr.岡田のアレルギー疾患大原則<第2巻>CND0085 Dr.岡田のアレルギー疾患大原則<第3巻>CND0086 Dr.齋藤のハワイ大学式スーパートレーニング<上巻>CND0087 Dr.齋藤のハワイ大学式スーパートレーニング<下巻>CND0091 ジェネラリストのための内科外来Q&A -不整脈-CND0092 ジェネラリストのための内科外来Q&A -脳梗塞-CND0093 ジェネラリストのための内科外来Q&A -腎疾患-CND0094 ジェネラリストのための内科外来Q&A -消化性潰瘍-CND0095 カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>CND0096 カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>CND0097 Dr.須藤のビジュアル診断学<第1巻>CND0098 Dr.須藤のビジュアル診断学<第2巻>CND0099 Dr.須藤のビジュアル診断学<第3巻>CND0108 USA発!関節X線ASBCD<上巻>CND0109 USA発!関節X線ASBCD<下巻>CND0110 Dr.岡田の膠原病大原則<第1巻>CND0111 Dr.岡田の膠原病大原則<第2巻>CND0112 Dr.岡田の膠原病大原則<第3巻>CND0113 一般医療機関における暴言・暴力の予防と対策CND0116 チーム医療レベルアップ 糖尿病セミナー<第1巻>CND0117 チーム医療レベルアップ 糖尿病セミナー<第2巻>CND0118 チーム医療レベルアップ 糖尿病セミナー<第3巻>CND0119 T&A 動きながら考える救急初療<上巻>CND0120 T&A 動きながら考える救急初療<下巻>CND0124 Dr.岩田のFUO不明熱大捜査線<第1巻>CND0125 Dr.岩田のFUO不明熱大捜査線<第2巻>CND0126 Dr.岩田のFUO不明熱大捜査線<第3巻>CND0127 Dr.岩田のFUO不明熱大捜査線<第4巻>CND0128 Dr.岡田のみんなの関節リウマチ診療CND0131 リウマチ膠原病セミナー<第1巻>CND0132 リウマチ膠原病セミナー<第2巻>CND0133 リウマチ膠原病セミナー<第3巻>CND0138 チーム医療レベルアップ 糖尿病セミナー<第4巻>CND0139 チーム医療レベルアップ 糖尿病セミナー<第5巻>CND0141 Dr.能登のもう迷わない!臨床統計ここが知りたい!!<上巻>CND0142 Dr.能登のもう迷わない!臨床統計ここが知りたい!!<下巻>CND0145 外傷治療ベーシックCND0146 Dr.安田のクリアカット腎臓学<上巻>CND0147 Dr.安田のクリアカット腎臓学<下巻>CND0152 北米式☆プレゼンテーション上達ライブCND0153 北米式臨床力強化プログラム Vol.1CND0160 プライマリケアでよく見る精神症状の診方と対応のコツCND0163 Dr.中野のこどものみかたNEOCND0166 リウマチ膠原病セミナー<第4巻>CND0172 チーム医療レベルアップ 糖尿病セミナー<第6巻>CND0182 激辛!伊賀流心臓塾<第1巻> 増補改訂版CND0194 さわやま流 音楽的聴診術<上巻>CND0195 さわやま流 音楽的聴診術<下巻>CND0199 Dr.山中の攻める問診<上巻>CND0200 Dr.山中の攻める問診<下巻>CND0201 CliPS -Clinical Presentation Stadium- @TOKYO2013CND0204 Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術CND0209 Dr.ハギーの関節リウマチ手とり足とり<早期介入編>CND0210 Dr.ハギーの関節リウマチ手とり足とり<長期罹患編>CND0215 ひと・身体をみる認知症医療CND0219 Dr.山田のゆるい糖質制限 -医学的根拠と実践方法-CND0234 Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療CND0241 総合内科専門医試験対策 【アップデート問題はココが出る!】 2016CND0242 総合内科専門医試験対策 【“苦手”科目をクイック復習】 2016CND0254 無敵の研修医ストレスマネジメントCND0255 長門流 認定内科医試験BINGO!総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.1CND0256 長門流 認定内科医試験BINGO!総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.2CND0257 長門流 認定内科医試験BINGO!総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.3CND0264 国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017(2枚組)CND0280 Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(上巻) CND0281 Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(下巻)ページTOPへ

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第23回 高齢糖尿病患者の骨折リスク、骨粗鬆症にどう対応する?【高齢者糖尿病診療のコツ】

第23回 高齢糖尿病患者の骨折リスク、骨粗鬆症にどう対応する?Q1 糖尿病患者で骨折リスクが高くなる要因は?糖尿病患者では、糖尿病のない人と比べて骨折のリスクが高くなります。インスリン作用不足や糖化最終産物の蓄積による骨質の低下や、バランス感覚の悪化や視力低下による易転倒性などが要因として考えられています。血糖コントロール不良で推移している人は骨粗鬆症を併発しやすくなります。HbA1c値が7.5~8.0%以上のコントロール不良の糖尿病患者では、HbA1c値が7.5%未満のコントロール良好群と比較して骨折のリスクが1.6倍上昇していました。インスリン使用者では1.8倍上昇していたと報告されています1)。HbA1c 値が7.5%以上のコントロール不良の状態で、腎症や網膜症などの合併症を有し、さらにインスリン治療を必要とする糖尿病患者では骨折リスクが上昇すると考えられ、骨粗鬆症の検査を行うことが推奨されます。Q2 どのように骨折リスクを判定しますか?自分でできる骨折リスクの判定方法として、FRAX®(fracture risk assessment tool)があります(表)。この評価法は、2008年2月にWHO(世界保健機関)が発表しました。インターネットでアクセスし、指定された質問項目に答えると自動的に算出されます。今後10年以内に骨粗鬆症による主要骨折を起こす可能性が15%以上の場合には、リスク大と判断し薬物治療の開始が推奨されます。この評価法は40~90歳の方を対象としていますが、75歳以上の方は、年齢のみで高リスクと判断されてしまうため、参考程度とします。なお、罹病期間が5~10年の2型糖尿病患者では、実際の骨粗鬆症性骨折の発生はFRAX®値の1.2倍、10年以上の罹病期間を有する場合には1.5倍を呈していました。大腿骨近位部骨折の発症は5年未満でも1.4倍、10年以上では2.1倍と報告されています2)。罹病期間の長い2型糖尿病患者は、FRAX®で算出された骨折リスクよりもさらに骨折しやすいと考えられます。画像を拡大するQ3 どのように骨粗鬆症を診断しますか?骨粗鬆症の診断には骨密度検査が必須であり、さらに測定部位と方法が重要です。通常は大腿骨近位部(頚部または全体)と腰椎(L2-L4)の骨密度をDXA法(dual-energy X-ray absorptiometry)で測定して判断します。しかし、DXA装置を有する医療機関は限られており、手軽に計測できない場合も多いです。そのため、手を用いたMD(microdensitometry)法や、踵で測定する定量的超音波測定法、小型のDXA装置で橈骨のみ測定する検査などが利用されています。ただしこれらはあくまでもスクリーニング検査であり、実際の体幹部DXAでの診断と乖離を認める場合も少なくありません。リスクを要する患者さんに対しまずは簡易的な検査を行い、異常を指摘された場合にさらなる精査としてDXAを施行することが望ましいでしょう。治療効果の判定は、6ヵ月~1年に一度、体幹部DXAによる骨密度測定を施行します。機種により若干の誤差が生じるため、同一の装置・機種で追跡し、同一部位による判定が望ましいです。高齢糖尿病患者では動脈硬化による腹部大動脈の石灰化や椎体の変形等が椎体骨密度に反映されてしまい、実際より高い骨密度の計測値を示すことがあるため、DXAを施行すると同時に椎体のX線撮像を行うことも重要です。無症状の新規椎体骨折、いわゆる「いつのまにか骨折」の出現がないか確認することも必要です。Q4 どのように骨粗鬆症の薬物療法の開始を判断し、治療薬を選択しますか? 糖尿病患者において骨折予防のための薬物治療を開始する場合は、原発性骨粗鬆症に対する薬物治療開始基準(図)を参考にします。骨折の既往が無くても、1)大腿骨近位部骨折の家族歴を有すること、2)FRAX®での10年以内の骨折(主要骨折)確率が15%以上であることの2項目を満たす時には薬物治療開始が推奨されます。これに加え、「糖尿病の罹病期間が長く、HbA1c 値が7.5%以上のコントロール不良の状態を呈し、インスリン治療を必要とする場合」は薬物治療の開始を考慮して良いと考えます。画像を拡大するポリファーマシーの患者さんに骨粗鬆症治療薬を追加する場合には、慎重に検討する必要があります。ADLが低下し寝たきり状態の方や、認知症の合併により服薬管理が困難な方は、原則として新規導入を見合わせています。ただし、ADLが良好ならば、年齢に関係なく、転倒や骨折のリスクが高い場合は積極的に骨粗鬆症治療を行うべきと考えます。1年に一度のビスホスホネート注射製剤や、6ヵ月に一度の抗RANKL(receptor activator of nuclear factor κB ligand)抗体製剤などの導入は、ポリファーマシー対策にもなります。なお、ビスホスホネート製剤や抗RANKL抗体製剤等は、腎機能低下例や透析施行例では使用できない場合があるため、薬剤開始前に腎機能評価を行います。高齢者糖尿病の腎機能評価は、筋肉量の影響を受けにくい血清シスタチンC値を参考にします。シスタチンC値>1.5 mg/Lを呈する場合は、ビスホスホネート製剤の新規導入は原則禁忌と考えています。その場合には選択的エストロゲン受容体調節薬(SERMs:Selective Estrogen Receptor Modulators)等の使用を検討します。活性型ビタミンD3製剤は、転倒予防効果が期待できる上、比較的管理しやすいため広く使用されています。既存骨折を認めずADLの良好な方であれば良い適応と考えられますが、腎機能の低下した患者さんでは用量の調整が必要です。尿中Ca/Cr比>0.3の場合には減量を考慮します。スポット尿で簡単に計測できるため、6ヵ月に一度程度確認することを推奨しています。ビスホスホネート製剤の長期臨床投与成績を示した報告では、6~9年程度継続しても安全性には問題がないとされています3, 4)。しかし、ビスホスホネート製剤による骨密度増加効果は、腰椎では長期に持続するものの、大腿骨近位部では3~5年でプラトーに達すると言われています。そのため、まずは5年くらい経過観察し、加療中に大腿骨近位部骨折や椎体骨折などを来たした時や、骨量の増加が期待できない時は抗RANKL抗体製剤などへの変更を考えるのが良いでしょう。一方、アメリカのガイドラインでは、既存の骨折がなく大腿骨近位部の骨密度が骨粗鬆症領域を脱した場合には、ビスホスホネート製剤を休薬して経過観察し、2~3年毎に再評価するよう提示しています5)。骨吸収抑制薬のビスホスホネート製剤や抗RANKL抗体製剤などは、長期使用によって顎骨壊死や非定型骨折のリスクが増加することが指摘されています。ただし骨粗鬆症に対する経口ビスホスホネート治療に関連する顎骨壊死の発生率は1年間で人口10万人当たり0.2人程度とも言われます。しかも口腔衛生管理を適切に行うことで発症を予防できます。抜歯やインプラントなど顎骨に直接影響を及ぼす処置をする場合には、処置前後2~3ヵ月休薬して様子を見ます。非定型骨折は、ビスホスホネート製剤の使用にてその発症の相対リスクが上昇するといわれています。しかし、非定型骨折の頻度は、大腿骨近位部骨折の1%程度にとどまり、その絶対リスクはビスホスホネート製剤投与に伴う大腿骨近位部骨折およびその他の骨折リスクの減少と比較して、非常に小さいとも報告されています6)。薬物使用による骨折発症予防のベネフィットと、有害事象発症のリスクのバランスを考えながら、個々の患者さんにとって適正な治療方針を選択すべきと考えます。1)Schneider AL, et al. Diabetes Care 2013; 36: 1153-1158.2)Leslie WD, et al. J Bone Miner Res 2018; 33: 1923-1930.3)Eriksen EF, et al. Bone 2014; 58: 126-135.4)Black DM, et al. J Bone Miner Res 2015; 30: 934-944.5)Alder RA, et al. J Bone Miner Res 2016; 31: 16-35.6)Black DM, et al. N Eng J Med 2020; 383: 743-753.

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第57回 運動が良いのはヒスタミンのおかげ/抗老化成分がヒト試験で効果/mRNAワクチンの威力

運動はおそらく骨格筋順応を介して体調を上向かせ、骨格筋の衰えは老化を招きます。そんな健康維持に不可欠な骨格筋にまつわる2つの研究成果を紹介します。また、mRNAワクチンの威力を示した介護施設での感染解析結果を簡単にお知らせします。運動はヒスタミン受容体を介して体を鍛えるヒスタミンに関わる研究といえば主にアレルギー・炎症・胃酸分泌ですが、運動とのおそらく重要な関わりが随分古くから知られており、今から遡ること100年近く前の1935年には犬の静脈血のヒスタミンが筋肉収縮で増えることが報告されています1)。そのおよそ20年後の1958年には人の血中のヒスタミンが運動で増えることを示した報告2)があり、同時期の報告では人の前腕や手の動脈でヒスタミンが血管拡張作用を担うことが確認されています3)。時代は進んで今世紀初めの2006年の報告では人の運動後の骨格筋の血流増加(postexercise hyperemia)にヒスタミンH1/H2受容体が携わることが示され、幾つかの報告をまとめるとヒスタミンは運動後の回復に与る血管拡張にどうやら寄与すると示唆されました4)。有酸素運動はなんであれ体によく、心疾患などの慢性疾患の治療や予防に大変役立ちます。運動が健康に良いことを支える仕組みはよく分かっていませんでしたが、Science Advances誌に今月中頃に発表された試験報告によるとヒスタミンは運動後の回復に与するのみならず運動の健康増進作用にもなくてはならない働きをどうやら担っているようです5,6)。ベルギーのゲント大学の運動生理学者Wim Derave氏らのチームは健康な男性20人を募り、きつめのインターバル運動を6週間にわたって週3回繰り返してもらいました。男性の半数は運動の1時間前にヒスタミン受容体H1とH2を遮断する薬フェキソフェナジンとラニチジンかファモチジンを服用し、残り半数はプラセボを服用しました。そうして6週間後、ヒスタミン受容体遮断薬を服用した男性はプラセボ服用男性に比べて運動性能指標やミトコンドリアのエネルギー生成の改善が劣りました。また、血中の糖を細胞に移すインスリンの働きはプラセボ群では改善していたのにヒスタミン受容体遮断薬服用群ではそうなっていませんでした。ヒスタミン受容体遮断薬服用群では脚の筋肉の毛細血管形成が少なく、内皮細胞の形成に不可欠な内皮型一酸化窒素合成酵素の上昇が見られませんでした。先達の研究でも示唆されている通りヒスタミンは運動後の筋肉血流の最適化に関わって運動への全身反応を指示するのかもしれないと著者は考察しています。ヒスタミンH1/H2受容体が体調を整える仕組みや慢性疾患がヒスタミン作用にどう影響するかを今後調べることで新たな薬の標的の発見や運動の最適化の道が開けそうです5)。抗老化成分NMNでヒトのインスリンの働きもマウスと同様に改善マウスの老化の弊害を食い止めて代謝を改善することが知られる細胞成分・ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の元となるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を糖尿病になりそうな太った女性に投与した無作為化試験で有望なことにインスリン感受性改善が認められました7)。糖尿病の水準には至っていないものの血糖値が高めで太り過ぎか肥満の女性25人が試験に参加しました。13人はNMN 250 mgを10週間毎日服用し、残り12人にはプラセボが同じように投与されました。その結果、骨格筋に糖を受け取らせるインスリンの働きがNMN投与で改善し、骨格筋の構えや作り変え(remodeling)に関わる遺伝子発現も向上しました。ただし、血糖値や血圧は残念ながら下がりませんでした。それに血液中の脂質や肝臓のインスリン感受性の改善も認められず、肝臓の脂肪も減りませんでした。骨格筋のインスリン感受性が改善すればたいてい他の代謝指標も同様に改善するのですが今回の試験ではそうなりませんでした。とはいえ今回の試験結果は抗老化治療の開発を確かに一歩前進させるものです。インスリンは筋肉の糖の取り込みや貯蔵を促し、その効果が衰えると2型糖尿病を生じ易くなります。その衰えをどうやら食い止めるらしいNMNが骨格筋でどう働くかを今後の研究で詳しく把握する必要があります。また、前糖尿病糖尿病を予防したり乗り切るのにNMNが役立つかどうかを試験しなければなりません。NMNは雌のマウスにとくに有効なので今回の試験は女性を募りましたが、男性も含めた試験に研究者はすでに着手しています8)。介護施設でmRNA COVID-19ワクチン接種が威力を発揮Pfizer/BioNTechかModernaのmRNAワクチンを去年12月から接種し始めた米国イリノイ州シカゴの75の介護施設で3月末までに居住者7,931人と職員6,834人が2回目接種を済ませ、その期間に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染した627人のうちワクチン2回目接種から14日以降に感染したのはわずか22人(4%;22/627人)のみでした9,10)。感染したとはいえそれら22人の6割以上14人は無症状で、22人から施設の他の人への感染は認められませんでした。また、PCR検査結果によると22人のウイルス量は少なめでした。同国ケンタッキー州の介護施設1つでのCOVID-19感染流行を調べた別の報告でもPfizer/BioNTechのmRNAワクチンの効果を裏付ける結果が得られています。2回目のワクチン接種から2週間が過ぎた居住者や職員の感染率はおよそ87%低かったと推定されました11)。参考1)McCord JL,et al. J Appl Physiol (1985). 2006 Dec;101:1693-701. 2)DUNER H, et al. Scand J Clin Lab Invest. 1958;10. :394-6.3)DUFF F, et al. J Physiol. 1954 Sep 28;125:581-9.4)Luttrell MJ, et al.Exerc Sport Sci Rev. 2017 Jan;45:16-23.5)Van der Stede T, et al. Sci Adv. 2021 Apr 14;7:eabf2856.6)Regular HIIT Exercise Enhances Health via Histamine / TheScientist7)Yoshino M, et al. Science. 2021 Apr 22:eabe9985. [Epub ahead of print]8)Anti-aging compound improves muscle glucose metabolism in people / Eurekalert9)Postvaccination SARS-CoV-2 Infections Among Skilled Nursing Facility Residents and Staff Members - Chicago, Illinois, December 2020-March 2021. MMWR. April 21, 2021.10)US administers 200 million COVID-19 vaccine doses / University of Minnesota11)COVID-19 Outbreak Associated with a SARS-CoV-2 R.1 Lineage Variant in a Skilled Nursing Facility After Vaccination Program - Kentucky, March 2021. COVID-19 Outbreak Associated with a SARS-CoV-2 R.1 Lineage Variant in a Skilled Nursing Facility After Vaccination Program - Kentucky, March 2021. MMWR. April 21, 2021.

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全粒穀物、豆類そして野菜をしっかり食べよう!―低GI食と心血管疾患(解説:住谷哲氏)-1379

 今から20年ほど前に「低インスリンダイエット」なるものが世間で流行した。筆者も糖尿病の食事療法との関係で何冊か本を読んだ記憶がある。「低インスリンダイエット」は米国で流行したダイエット本「Sugar Busters!」(邦訳:「シュガーバスター」1999年、講談社)がわが国でアレンジされたもののようであるが、そこで初めてグリセミック指数(glycemic index:GI)について知った。GIの概念を提唱したのはカナダ・トロント大学のJenkinsであるが、本論文の筆頭著者を見て少々驚いた。JenkinsがGIに関する最初の論文を報告したのが今から40年前の1981年であるから、はじめは別人かと思ったが、David J.A. Jenkins, Torontoとあるので間違いなく本人である。40年以上にわたって1つのテーマに専心して研究を続けられるところが、やはり欧米の学問の層の厚さである。 GIは、簡単に言えば、「炭水化物を含有する食品摂取後の血中グルコース値の上昇のしやすさ」の指標である。基準食品としてはJenkinsの最初の論文では白パン(white bread)50gが用いられたが、最近ではグルコース50gが用いられることが多い。すなわちGI=試験食品50g摂取後2時間における血糖値上昇曲線下面積/グルコース50g摂取後2時間における血糖値上昇曲線下面積×100となる。いろいろな食品のGI値が知りたい場合にはシドニー大学のサイト「Sydney University Glycemic Index Research Service」が有用である。GI値は食品の調理法や同時に摂取する他の食品の影響を受けるので、細かいGI値を覚える必要はない。一般的に食物繊維の多い食品、精製していない食品、たとえば豆類や全粒穀物は低GI食品であり、逆に白米、うどんやパンなどの精製された穀物や砂糖入り飲料水などは高GI食品に分類される。 これまでに、全粒穀物や食物繊維を多く含む低GI食品を摂取することが糖尿病の発症予防および治療に有用であることが報告されている1)。一方で、低GI食品が心血管疾患の予防に有用か否かはコンセンサスが得られていない。さらにGIと疾患との関連を研究した報告はほとんどが先進欧米諸国からの報告であり、開発途上国からはほとんどない。そこで著者らはGIと心血管疾患との関連を、多くの開発途上国を含んだ国際前向きコホート試験「Prospective Urban Rural Epidemiology(PURE)」において検討した。 炭水化物食品はGI値により7群に分類され、各群のGI値はそれぞれ豆類(legumes)42、豆類を除いたでんぷん質食品(nonlegume starchy foods)93、非でんぷん野菜(non-starchy vegetables)54、果物(fruits)69、果実飲料(fruit juice)68、乳製品(dairy)38、砂糖入り飲料(sugar-sweetened beverages)87、とした。結果は、高GI値群において複合心血管イベント(HR:1.25、95%CI:1.15~1.37)、心血管死(HR:1.25、95%CI:1.05~1.49)が有意に増加していた。一方で、炭水化物の量を反映するglycemic load GL(炭水化物量g×GI/100)と複合心血管イベント(HR:1.07、95%CI:0.98~1.18)、心血管死(HR:1.16、95%CI:0.95~1.42)との間には有意な関連を認めなかった。 本論文の結果によれば、心血管疾患予防を目的とする場合には低炭水化物食(low-carbohydrate diet)ではなく低GI食を推奨するのが良さそうである。しかし低GI食に含まれる食品の多くは、心血管疾患予防に有効とされる地中海食(Mediterranean diet)と重複するものが多い。低GI食による食後高血糖の抑制が心血管イベント減少につながった、と即断するには注意が必要だろう。全粒穀物、豆類、非でんぷん野菜などの低GI食品を日常の食事に積極的に取り入れたバランスの良い食事が最も健康的である、とのきわめて常識的な結果といえよう。

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高用量セマグルチドが肥満糖尿病患者の体重減量やQOLに有効である(解説:安孫子亜津子氏)-1378

 わが国では2010年からGLP-1受容体作動薬を糖尿病治療薬として使用しており、血糖降下作用以外の、食欲抑制効果、胃内容物排出遅延効果により、体重の減少効果も期待できる薬剤である。2020年からわが国でも使用できるようになった週1回注射製剤のセマグルチド(Sema)(商品名:オゼンピック)は、26位アミノ酸のリジンに脂肪酸を結合させることでアルブミンへの結合が増強されて分解が遅延するため、血中半減期が約1週間のGLP-1アナログである。 これまでにSemaの2型糖尿病患者への臨床試験は「SUSTAINプログラム」として、多くの試験が実施され、Sema 0.5mgおよび1.0mgの血糖降下作用、および体重減少作用が報告されてきた。わが国でのSema 1.0mg単独療法での30週における体重減少効果は-3.87kgであった1)。さらにSUSTAIN-6では心血管イベントの有意な抑制効果が認められている2)。 今回Lancet誌で紹介された「STEP 2試験」は、BMI 27kg/m2以上の肥満または過体重である2型糖尿病患者に対して、高用量2.4mgのSemaの効果を、糖尿病治療薬として使用されている1.0mg Semaおよびプラセボと比較した第III相臨床試験である。12ヵ国、149施設の患者、計1,210名が参加しており、アジア人種も26.2%含まれている。参加者の治療介入前平均体重は99.8kg、平均BMIは35.7kg/m2であり、わが国の2型糖尿病患者の平均BMIに比較するとかなり高値である。 68週の治療で、本試験の主要評価項目である体重の減少率は、Sema 2.4mgでは-9.6%であり、プラセボの-3.4%に比較して6.2%減少に差が認められた。Sema 1.0mgでは-7.0%であり、Semaの投与用量を多くすることでさらなる体重減少効果が認められたこととなる。実際の体重減少で見るとSema 2.4mgでは-9.7kg、Sema 1.0mg で-6.9kg、プラセボ-3.5kgであり、これまでのSema治療用量に比較してその体重減少効果が大きいことが示されている。 そのほか、HbA1c、収縮期血圧、脂質パラメーターなど、すべてプラセボに比較して改善効果が認められているが、とくに興味深かった結果は、HbA1cはSema 2.4mgと1.0mgでともに-1.6%、-1.5%と同等の低下作用であり、糖尿病薬としてのGLP-1の効果は1.0mgでほぼ十分であることがわかる。ちなみに低血糖の発現はSema 2.4mgで5.7%、Sema 1.0mgで5.5%と同等であり、高用量のSemaで低血糖が誘発されるわけではないことも理解できる。 副作用に関しては、既存のGLP-1受容体作動薬同様に吐き気や嘔吐、下痢、便秘といった消化器症状が最も多く、Sema 2.4mgとSema 1.0mgでほぼ同程度であった。そのほか、高用量Semaによる特異的な副作用は認められていない。 肥満によって患者のQOLが低下することが多いが、本試験ではSF-36v2とIWQOL-Lite-CTといった2つの方法で治療によるQOL変化の評価を行っている。その結果、Sema 2.4mgではプラセボに比較して身体的活動が改善していることが示されている。週に1回の注射で、これだけの体重減少効果と各種代謝パラメーターの改善が認められることは、これまでの抗肥満薬や肥満手術に比較してもQOLを向上させる効果が期待できると考えられる。 今回のSTEP 2試験の結果から、高用量のSemaにより、長期的にどれくらいの心血管イベント抑制効果が認められるかどうかに今後注目したい。今後、肥満糖尿病患者の治療の主軸としてGLP-1受容体作動薬が位置付けられことが予想される。現在、数々のSTEP試験によって糖尿病のない肥満者においてもその有効性が示されており、さらに幅広い患者での使用機会が期待される。

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「リキスミア」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第48回

第48回 「リキスミア」の名称の由来は?販売名リキスミア®皮下注300μg一般名(和名[命名法])リキシセナチド(JAN)効能又は効果2型糖尿病用法及び用量通常、成人には、リキシセナチドとして、20μgを1日1回朝食前に皮下注射する。ただし、1日1回10μgから開始し、1週間以上投与した後1日1回15μgに増量し、1週間以上投与した後1日1回20μgに増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日20μgを超えないこと。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)禁忌(次の患者には投与しないこと)1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者2.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[インスリン製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきでない。] 3.重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない。]※本内容は2021年4月21日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2016年12月改訂(第7版)医薬品インタビューフォーム「リキスミア®皮下注300μg」2)サノフィe-MR:製品情報

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日本初のがん悪液質治療薬「エドルミズ錠50mg」【下平博士のDIノート】第72回

日本初のがん悪液質治療薬「エドルミズ錠50mg」今回は、グレリン様作用薬「アナモレリン塩酸塩錠(商品名:エドルミズ錠50mg、製造販売元:小野薬品工業)」を紹介します。本剤は、国内初のがん悪液質の治療薬であり、食欲増進や筋肉増強、体重増加作用によって患者QOLや薬物療法の忍容性が向上することが期待されています。<効能・効果>本剤は、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんにおけるがん悪液質の適応で、2021年1月22日に承認され、4月21日に薬価収載されています。なお、切除不能な進行・再発の適応がん、栄養療法などで効果不十分、6ヵ月以内に5%以上の体重減少と食欲不振があり、かつ以下の(1)〜(3)のうち2つ以上を認める患者に使用することとされています。(1)疲労または倦怠感(2)全身の筋力低下(3)CRP値0.5mg/dL超、ヘモグロビン値12g/dL未満またはアルブミン値3.2g/dL未満のいずれか1つ以上食事の経口摂取が困難または消化吸収不良の患者には使用できません。<用法・用量>通常、成人にはアナモレリン塩酸塩として100mg(2錠)を1日1回、空腹時に経口投与します。本剤は食事の影響を受けるため、服用後1時間は食事摂取を控えます。本剤投与により体重増加または食欲改善が認められない場合は、投与開始3週後をめどに原則中止します。なお、12週間を超える本剤の投与経験はなく、体重や問診により食欲を確認するなど、定期的に投与継続の必要性を検討します。<安全性>国内第II相試験および第III相試験(ONO-7643-03、04、05試験)の安全性評価対象187例中84例(44.9%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、γ-GTP増加12例(6.4%)、グリコヘモグロビン増加11例(5.9%)でした(承認時)。重大な副作用として、刺激伝導系抑制(10.7%)、高血糖(4.3%)、糖尿病の悪化(4.3%)、肝機能障害(6.4%)が報告されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、がんによる食欲不振や体重減少などの症状を改善します。脳の視床下部に作用して食欲を増進させ、脳下垂体に作用して成長ホルモンの分泌を高めることで筋肉がつくられ、体重が増加します。2.本剤は空腹時に服用し、服用後1時間は食事をしないでください。食後服用では効果が低下することがあります。3.服用中に検査で心電図の異常がみられた場合や、めまい、気を失う、立ちくらみ、脈が遅くなる、息切れなどが現れた場合は、すぐに主治医に相談してください。4.糖尿病の悪化や高血糖を引き起こすことがあります。体がだるい、体重が減る、喉が渇く、水を多く飲む、尿量が増えるなどの症状が現れた場合は、速やかに病院か薬局に連絡してください。<Shimo's eyes>日本初の「がん悪液質」に対する治療薬が誕生しました。がん悪液質とは、がんに伴う代謝異常により、食欲低下と骨格筋の持続的な減少を認める多因子性の症候群です。がん患者のQOLを低下させ、予後を悪化させる因子であると考えられていますが、これまで有効な治療方法は確立されていませんでした。本剤は、食欲を制御する体内ペプチドホルモンの一種であるグレリンと同様の働きをする経口低分子のグレリン様作用薬です。食欲中枢へ作用して食欲を増進させるとともに、分泌された成長ホルモンが肝臓に働くことでインスリン様成長因子-1が放出され、筋タンパク合成を促進して体重を増加させます。使用に当たってまず注意すべきは、すべてのがん種が適応ではなく、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんに限られている点です。また、がん悪液質は「前悪液質」「悪液質」「不応性悪液質」の3つのステージに分類されますが、前悪液質は本剤による治療の対象からは除外されます。本剤は、食事の影響を受けるため、服用時間の指導が重要ですが、アドヒアランスが低下しないように患者の生活リズムに合わせた服用タイミングのアドバイスを行いましょう。一方で、経口の食事摂取が困難または消化吸収不良の患者には使用できない点にも注意が必要です。服薬後のフォローアップとしては、治療開始3週後をめどに効果が認められない場合は、原則投与を中止します。患者向け資材の中に「効果と副作用のチェックシート」があるので、こちらも活用しましょう。重大な副作用として「刺激伝導系抑制」が現れる恐れがあるため、うっ血性心不全、高度の刺激伝導系障害がある患者には禁忌です。中等度以上の肝機能障害のある患者や、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ボリコナゾールなどを服用中の患者にも禁忌となっています。なお、警告として、「本剤はがん悪液質の診断および治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、患者またはその家族に本剤のベネフィットおよびリスクを十分説明し、理解したことを確認したうえで投与を開始すること」とされています。現時点ではがん悪液質に関する明確な基準や共通認識が確立されているとは言えないため、しっかりと患者さんの状態をフォローしましょう。参考1)PMDA 添付文書 エドルミズ錠50mg

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総合内科専門医試験オールスターレクチャー 内分泌・代謝

第1回 糖尿病(1)第2回 糖尿病(2)第3回 下垂体疾患 副甲状腺疾患 骨粗鬆症第4回 甲状腺疾患第5回 代謝性疾患第6回 副腎疾患 二次性高血圧 総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。内分泌・代謝については、聖路加国際病院内分泌代謝科の能登洋先生がレクチャーします。糖尿病、脂質異常症、高尿酸症といった代謝性疾患は、それぞれの診断基準となる数値をきちんと把握し、適切な治療でコントロールすることが大切です。内分泌疾患は、内分泌系の仕組みを総合的に捉え、各ホルモンの作用と、多岐にわたる疾患の特徴を押さえます。※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。第1回 糖尿病(1)内分泌・代謝の第1回は、糖尿病の病態と診断について解説します。糖尿病には、1型、2型、その他、妊娠糖尿病の4つの病型があり、血糖値とHbA1cの数値、既往歴から鑑別します。急激な高血糖によって引き起こされる糖尿病性ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖状態、あるいは過度の治療による低血糖。命にかかわることもあるため、試験でよく問われるテーマです。第2回 糖尿病(2)内分泌・代謝の第2回は、糖尿病の治療について解説します。治療のポイントは、多様な薬剤の使い分け。各治療薬の作用機序、効果と副作用、禁忌事項を確認します。インスリン療法で重要なのが、用量調節の際の責任インスリンという概念。妊娠糖尿病は、胎児への影響を考慮して、通常の糖尿病よりも診断基準が厳しく、血糖コントロール目標値を厳格に管理することが推奨されています。第3回 下垂体疾患 副甲状腺疾患 骨粗鬆症さまざまなホルモンを分泌する下垂体。初めにホルモンの種類と全身の標的器官を押さえます。下垂体ホルモンの過剰分泌や分泌低下によって引き起こされる各疾患も要チェック。副甲状腺ホルモン疾患の鑑別には、カルシウムとリンの値に注目します。骨粗鬆症は、一般的に加齢により発症しますが、内分泌疾患、薬物、糖尿病など、特定の誘因によって発症する場合もあります。骨粗鬆症の各治療薬について、機序と使用法を確認します。第4回 甲状腺疾患内分泌・代謝の第4回は、甲状腺疾患について解説します。バセドウ病、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、プランマー病など、複数の疾患に起因する甲状腺中毒症。この甲状腺中毒症が重症化した甲状腺クリーゼは、致死率が高いので要注意。甲状腺機能低下症の代表的な疾患は、橋本病、粘液水腫性昏睡です。甲状腺腫瘍について、最新のガイドラインにおける治療方針を確認します。第5回 代謝性疾患脂質異常症の診断基準は、LDL-C、HDL-C、中性脂肪を数値別にチェック。総コレステロールから善玉コレステロールを除いた”non-HDL-C”という新たな指標が注目されています。幼少期から動脈硬化性疾患を起こす原発性高コレステロール血症の治療には、PCSK-9阻害薬が近年効果を発揮しています。高齢者の場合は、過度な減量は禁物。軽い肥満の方が死亡リスクを下げます。高尿酸血症は、原因疾患と合併症の有無によって治療薬の使い分けがポイントです。第6回 副腎疾患 二次性高血圧副腎から産出分泌されるホルモンには、アルドステロン、コルチゾール、カテコルアミンがありますが、副腎に腫瘍ができてホルモンが過剰分泌されると、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、パラガングリオーマといった疾患が引き起こされます。内分泌疾患により発症する二次性高血圧は、原因疾患を治療することで改善できます。各疾患に関わるホルモン、注目すべき検査所見、鑑別診断、治療の流れを確認します。

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新型コロナ、第4波の大阪は「これまでとは別世界」~呼吸器科医・倉原優氏の緊急寄稿(2)

 「新型コロナウイルスの感染状況は第4波に入った」。変異株を含め、全国的に感染者が再び急増している現状について、識者らは相次いで明言した。なかでも、1日の新規感染者数が1,000人超を記録している大阪府はとりわけ深刻だ。渦中の医療現場は今、どうなっているのか。CareNet.com連載執筆者の倉原 優氏(近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)が緊急寄稿でその詳細を明らかにした。大阪府コロナ第4波の現状 以前、大阪府コロナ第3波についての現状をお伝えしましたが1)、あれからいったん落ち着いたものの、現在第4波が到来しています。大阪府は1日の新規感染者数が過去最大規模になっており、医療現場は災害級に混乱しています。第3波と異なるのは、(1)年齢層(2)重症度(3)速度です。(1)年齢層 大阪府フォローアップセンターから入院要請のあるCOVID-19患者さんの年齢が、15歳ほど下押しされています。当院に入院した第1波~3波までの平均年齢(±標準偏差)は68(±17)歳、第4波の平均年齢は53(±19)歳です。直近のデータで、感染者が40代未満である割合が5割弱と引き続き高く、若い世代を中心に感染が広がっていることがわかります。(2)重症度 この第4波、来院して最初に撮影した胸部画像検査で背筋がゾっとすることが多くなりました。糖尿病コントロールが不良で高度肥満があり、SpO2が90%未満の場合、ある程度の覚悟を持って診療に当たることができますが、そこまでの基礎疾患がなく、SpO2が92~93%程度であるにもかかわらず、「エッ!」と声を上げてしまうほど両肺のすべての葉に肺炎が見られるケースが増えています。このパンデミックで、自分より年下のARDSを経験するなんて思いもしませんでした。基本的に中等症IIがメインで、中等症Iならホっとするくらいです。(3)速度 大阪府は、保健所および入院フォローアップセンターが連携して入院病床の管理を行っており、どの病院に入院してもらうかはフォローアップセンターの少数精鋭部隊が担っています(図1)。 第3波の時点で重症病床を約230床確保していましたが、第4波に入る前はかなり病床数を減らしていました。第3波の後半で、すでに重症病床が約60床埋まっている状態がスタートだったため、第4波で軽症中等症病床が埋まるより先に重症病床がパンクしてしまいました。 そのため、緊急増床に踏み切った大阪府の施策は間に合わず、あっという間に第4波の確保病床を超えてしまい、軽症中等症病床で挿管・人工呼吸管理のCOVID-19患者さんを診療する状態になってしまいました。当院でもすでにそういった患者さんが発生しており、重症病床が増えない限り、これが常態化するかもしれません。 「N501Y変異株」の症例が増えているのは確かですが、この病床逼迫の最たる原因なのかはわかりません。緊急事態宣言が緩和され、卒業・入学シーズンで人出が増えた影響もあり、相加相乗的に作用した可能性はあります。ただ、大阪府新型コロナウイルス対策本部会議の公開資料によると、この病床逼迫速度は第3波の約3倍とされており2)、きわめて想定外の事態であったことは間違いありません。また、「N501Y変異株」陽性者の発症から重症化までの日数は従来株よりも約1日早いとされており(表)、これが先述の状況に拍車をかけたのかもしれません。第4波を乗り越えたとしても… 第4波のCOVID-19、第3波までと実はまったく別の疾患なのではないかというくらい、ARDSの頻度が高いです。大阪に続いて東京にも第4波が到来する可能性は十分にあります。 とはいえ、ゴールデンウイークに向けて徐々に減ってくることに期待したいものです。4月5日からの「まん延防止等重点措置」が始まって2週間後にあたる4月19日以降、新規陽性者数が減ってくれば第4波は落ち着くかもしれません(図2)。 しかしながら、第4波を乗り越えたとしても遅滞なくワクチン施策が進まなければ、また7月頃に第5波がやってくる可能性はあります。そうなれば、オリンピック開催時期と完全に被ってしまうことになるでしょう。多方面へのシビアな調整が必要になるため、オリンピックを中止あるいは延期するという選択肢はないのだと思いますが、ハンマー・アンド・ダンスで時間稼ぎをするにも現場の疲弊は限界を迎えつつあり、もはやワクチンに希望を託すしかなさそうです。【倉原 優氏プロフィール】2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て、08年より現職。CareNet.comでは、「Dr. 倉原の“おどろき”医学論文」「Dr.倉原の“俺の本棚”」連載掲載中。

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妊娠糖尿病スクリーニングの実用的無作為化試験(解説:小川大輔氏)-1376

 妊娠糖尿病は妊娠中に初めて発見された糖代謝異常であり、妊娠中に高血糖があると流産、形態異常、巨大児などの合併症が起こる危険性があるため、妊娠中は厳密に血糖の管理を行う。なお、妊娠前からすでに糖尿病と診断されている場合や、妊娠中に「明らかな糖尿病」と診断された場合は妊娠糖尿病とは別に区別されるが、厳格な血糖コントロールは妊娠糖尿病と同様に必要である。 妊娠糖尿病のスクリーニングとして、妊娠24~28週時に妊娠糖尿病スクリーニング検査が推奨されている。1段階法と2段階法の2つのスクリーニング法があるが、どちらを使用すべきかに関して専門家の合意は得られていない。従来からある2段階法(Carpenter-Coustan基準)に対し、1段階法(IADPSG基準)は一度のブドウ糖負荷試験で診断ができるというメリットがある。しかし、母児の周産期合併症に関するアウトカムについては不明であった。 今回ScreenR2GDM試験では、2万3,792人の妊婦を対象に妊娠糖尿病スクリーニング検査を無作為に1段階法と2段階法の2群に1対1で割り付け、周産期合併症や母体合併症について検討された1)。5つの主要アウトカムのうち、妊娠糖尿病の診断は1段階法のほうが多かったが(1段階法 16.5%、2段階法 8.5%)、その他の巨大児、死産などの周産期合併症や妊娠高血圧症、帝王切開などの母体合併症に関連する主要アウトカムには有意差を認めなかった。また副次アウトカムや安全性アウトカムにも有意な差がないことが示された。 これまでに妊娠糖尿病のスクリーニングで2段階法から1段階法にかえて初回帝王切開や新生児低血糖が増加したとの報告があったが2,3)、今回の大規模な実用的無作為化試験により周産期合併症と母体合併症に関連する主要アウトカムのリスクには、両スクリーニング法に有意な差はないことが明らかになった。いずれのスクリーニング検査法を用いるにせよ妊娠糖尿病と診断した後は、母児の周産期合併症を予防するために妊娠中の血糖管理を適切に行うことが重要である。そして妊娠糖尿病の既往があると、将来糖尿病やメタボリック症候群を発症するリスクが高いため、定期的なフォローアップが必要である。

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抗肥満薬としてのGLP-1受容体作動薬セマグルチドの有効性(解説:住谷哲氏)-1375

 高血圧、高脂血症および2型糖尿病などの生活習慣病の多くは肥満と関連している。さらに肥満を改善すれば高血圧、高脂血症および2型糖尿病の改善がみられることも少なくない。高血圧には降圧薬、高脂血症にはスタチンやフィブラート製剤、2型糖尿病には血糖降下薬が使用可能であるが、肥満に対する治療薬としてわが国で認可されているのは食欲抑制剤としてのマジンドール(商品名:サノレックス)のみである。肥満大国の米国ではこれに加えて、腸管からの脂肪吸収を抑制するリパーゼ阻害薬であるorlistat(商品名:Xenical)、中枢神経系に作用するphentermine/topiramate(商品名:Qsymia)、naltrexone/bupropion(商品名:Contrave)も販売されているがいずれも副作用が問題で長期使用できる薬剤ではない。 インクレチン関連薬であるGLP-1受容体作動薬は血糖降下薬として開発されたが、体重減少作用を有することから抗肥満薬として以前から注目されてきた。リラグルチドは抗肥満薬(商品名:Saxenda)としてすでにわが国以外の多くの国で認可されている。本論文はセマグルチドの抗肥満薬としての有効性と安全性を検討した国際第III相試験プログラムSemaglutide Treatment Effect in People with Obesity(STEP)の一つであるSTEP 1についての報告である。その結果は、セマグルチド2.4mgの週1回投与は68週後にプラセボと比較して約15%の体重減少をもたらした。head to head試験の結果を待つ必要があるが、SCALE試験1)で報告されたリラグルチド3.0mg投与による体重減少率はプラセボ群と比較して-4.5%であったのに対し、本試験ではプラセボ群と比較して-12.4%でありセマグルチド2.4mg投与による体重減少率がリラグルチド3.0mg投与より大きいと思われる。 Googleで「GLP-1ダイエット」と入力して検索すると249,000件がヒットした(2021年4月11日現在)。その多くは楽に痩せる注射としてGLP-1受容体作動薬を紹介している。この問題については2020年日本糖尿病学会が「GLP-1 受容体作動薬適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解」として警告を発している2)。現時点で2型糖尿病患者以外への投与は論外であるが、本剤を使用することが有益である肥満患者のためにも、わが国でも抗肥満薬としてのGLP-1受容体作動薬が認可されることを期待したい。

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第53回 まだまだ続く日医工自主回収、ジェネリックが再び「ゾロ」と呼ばれる日

「日医工から変更 都内薬局の8割」こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この週末は東京都の「まん延防止等重点措置」適用を前に、久しぶりに奥多摩の山に行ってきました。奥多摩湖から御前山、鋸山、奥多摩駅というやや長いコース。ちょうどカタクリの花がシーズンで、いつもは人気がそれほどない山がそこそこ混雑しており、外国人のパーティも結構いました。六本木で遅くまで飲めないストレスが山に向かわせているのかもしれませんね。さて、今回はだらだら1年も続いている日医工の自主回収の話を取り上げます。2020年4月7日の12成分15品目の自主回収(クラスII)を皮切りに、2021年2月までにアレルギー性鼻炎薬、胃腸薬、糖尿病薬など合わせて75品目の製品の自主回収を繰り返したジェネリックの大手メーカー・日医工。4月10日付の朝日新聞朝刊は「日医工から変更 都内薬局の8割」という記事で、東京都薬剤師会が会員薬局に調査した結果を報じています。医師の「後発医薬品への変更不可」指示も増える傾向?同記事によれば、「86%が同社から他社製品に切り替えたと回答した」とのことです。1年間にわたり、自主回収の嵐に翻弄された現場の薬局や薬剤師の怒りが表れた結果と言えるでしょう。この調査は、東京都薬剤師会が3月13日〜31日に会員3,756人を対象に行ったものです(回答者は2,530人)。日医工製品への対応については「すべて他社製品に変更した(する予定)」が28%で、「一部のみ変更」を加えると86%に上っています。さらに、「将来においても採用しない」という厳しい回答も25%もあったそうです。調査では患者からの反応についても聞いているのですが、ジェネリック薬への不信感を抱いた患者から「先発医薬品への変更を求められた」との回答が25%と高くなっていました。薬局だけでなく、病院においても日医工製品の採用を再検討するところも出てきているようです。例えば、3月15日付の日刊薬業は「徳洲会(全国71病院)が、採用している日医工製品の一部切り替えの検討を始めている」と報じています。また、ある薬局関係者から聞いた話ですが、近隣の医療機関から発行される処方箋で、銘柄名処方で変更不可欄にチェックがある(後発医薬品への変更不可)ものが増えている、とのことです。変更不可が極端に増えると、後発医薬品調剤体制加算の算定にも影響が出てきます。日医工の事件は、単に医薬品流通を混乱させ、後発医薬品全体の評判を落としただけでなく、薬局の経営そのものにも影響を及ぼしかねない事態となっているようです。業務停止命令中も国が立ち入り調査しかし、この自主回収事件。新型コロナ感染症の感染拡大がなかったら、もっと大きな問題になっていたでしょう。不適合となった錠剤を砕いて製造し直していた、とのことですが、カップ麺やお菓子などの食品製造で同じことをしても大問題になりそうです。それを命や健康に関わる薬でやっていたのですから…。日医工の一連の回収のきっかけとなったのは、富山県が2020年2月に行った同社の富山第一工場(主に経口剤の生産拠点)への事前通告なしの抜き打ち査察でした。その後、PMDA(医薬品医療機器総合機構)から「富山第一工場での製造や品質管理に問題がある」との指摘を受け、社内調査を実施。出荷試験で「不適合」となった製品について別のロットで再試験を行ったり、国から承認されている工程と異なる工程で製造(品質試験で不適合となった錠剤を砕いて製造し直す等)した製品があったりしたことが判明し、一連の自主回収につながりました。今年3月には医薬品医療機器法に基づき同社の富山第一工場の製造業務を32日間、同社の販売業務を24日間(いずれも3月5日より)停止する命令が下されました。この業務停止期間中の3月24日、厚労省と富山県は合同で富山第一工場に医薬品医療機器法に基づく立ち入り調査に入っています。業務停止命令中に国が立ち入り調査を行うのは、極めて異例のことでした。自転車操業で収益確保の後発医薬品メーカー睡眠導入剤の成分を経口抗真菌薬に混入させ、死亡者2人を出した福井県の小林加工も2021年2月に116日間の業務停止命令を受けています。相次ぐ後発医薬品メーカーの不祥事は、企業のずさんな製造や品質管理が最大の問題と言えますが、後発品を製造する企業が置かれた環境にも原因がありそうです。国は医療費削減のため後発品の使用促進を強力に推し進めてきました。しかし、一方で診療報酬の改定財源などの確保のため薬価は下げ続けており、業界自体が「薄利多売」という構造的な問題を抱えています。後発薬の薬価は、はじめは先発品の5割程度ですが、薬価改定のたびに引き下げられます。使用量そのものは国の施策に乗って増大の一途ですが、価格はどんどん下るので、まさに自転車操業のように新しい後発医薬品を発売し続けないと収益が確保できないのです。日医工は近年、アステラス製薬子会社の工場、エーザイの後発薬子会社、武田テバファーマの後発品事業などを次々と買収、積極的に規模拡大を行っていました。そうした急速な規模拡大に、製造部門や管理部門の体制がついていけなかった、との指摘もあります。使用促進策を背景に「ゾロ」から「ジェネリック」にイメチェンしたものの後発医薬品は、かつて「ゾロ」と呼ばれ、「安かろう悪かろう」と言われていました。私が記者になった当時は「先発品しか使わない」という医師が普通にいました。しかし、2000年代以降、国が後発医薬品の使用促進策を本格化、診療報酬・調剤報酬などにより政策誘導が行われ、その使用率は着実に伸び、先発医薬品信奉も薄れていきました。エポックメーキングだったのは、2008年度の診療報酬改定です。この改定では「処方せん様式」が変更され、医師が「後発医薬品への変更不可」欄に署名しない場合、薬局は長期収載品から後発医薬品に切り替えることが可能となり、さらに患者に同意を得れば処方医に確認することなく、別銘柄の後発医薬品が調剤できるようになりました。薬局での使用率を高めるための調剤基本料の後発医薬品調剤体制加算もこのとき新設されました。こうした医療機関や薬局に対する経済誘導や、高橋 英樹や黒柳 徹子といった大物芸能人を起用した後発医薬品メーカーのCMなどの影響もあり、後発医薬品は「ゾロ」ではなく「ジェネリック(一般的な薬)」として、日本でも定着してきたのです。業務停止処分明け直後にまたまた自主回収そこに起こった日医工や小林化工の事件。「やっぱりゾロはだめだな」といったイメージを少なからぬ医師や薬剤師に改めて植え付けたのではないでしょうか。なんと言っても、日医工は沢井製薬と並ぶ後発品のトップメーカーです。それなのにこの体たらくでは、他のメーカーは大丈夫か、となっても不思議ではありません。とは言え、国は医療費削減のための手段である後発医薬品の使用促進策を推し進めて行くのは間違いありません。薬局も経営のために後発医薬品の使用割合を保持し続けるでしょう。後発医薬品使用割合については、2017年6月の閣議決定で2020年9月までに数量ベースでの使用割合80%達成の政府目標を掲げ、2020年9月時点の使用割合は78.3%となっています。一方、医師側は、医薬分業が進んだ結果““薬を手放し””てしまっていますから、薬局ほどがつがつと後発医薬品にこだわる必要がありません。冒頭で紹介したように、「少々お金はかかるが、この薬は患者のためにもゾロはNG」というトレンド、すなわち「後発医薬品への変更不可運動」が生まれてくる可能性は否定できません。厚生労働省が今回の事件の反省点を、後発医薬品の使用促進策などの政策の中にどう落とし込むか(あるいは無視するか)が注目されます。とここまで書いてきたら、また日医工の自主回収のニュースが入って来ました。4月8日、同社がオロパタジン塩酸塩OD錠5mg「日医工」と、レボセチリジン塩酸塩錠5mg「日医工」の2品目の自主回収(いずれもクラスII)を開始したと発表したのです。長期安定性試験において溶出性試験が承認規格に適合しない結果が得られたというのが理由で、いずれも富山第一工場で製造した製品とのことです。同社は業務停止処分が明け、4月6日から業務再開したばかり。その6日には日本経済新聞朝刊に一面広告を出し「日医工グループの品質行動指針」を公表、「安心と信頼を届けていきます」と宣言しています。これだけ立て続けに事件を起こしたら、普通ならば社長は辞任するものですが、日医工の社長(2代目のワンマン社長と言われているようです)は今のところ辞める気配はありません(小林化工の社長は3代目で、社外から新社長を招聘するとの報道があります)。日医工の自主回収問題、1年経っても回収は収まらず、その余波は続きそうです。

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血清尿酸値と認知症リスク~メタ解析

 中国医科大学のZhike Zhou氏らは、血清尿酸値(UA)と認知症およびそのサブタイプのリスクとの関連を調査するため、メタ解析を実施した。Frontiers in Aging Neuroscience誌2021年2月25日号の報告。 Embase、PubMed、Web of Scienceより、2020年7月までに公表された文献を検索した。標準平均差(SMD)および95%信頼区間(CI)を算出するため、変量効果モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・適格基準を満たした研究は23件(5,575例)であった。・全体として、認知症患者のUAレベルは、非認知症患者と比較し、低かった(SMD:-0.32、95%CI:-0.64~-0.01、p=0.04)。・認知症タイプのサブグループ解析では、UAとアルツハイマー病(AD)およびパーキンソン病認知症(PDD)との関連が認められたが、血管性認知症(VaD)との関連は認められなかった。 ●AD(SMD:-0.58、95%CI:-1.02~-0.15、p=0.009) ●PDD(SMD:-0.33、95%CI:-0.52~-0.14、p=0.001)・UAレベルの層別解析では、UA四分位1~2において認知症および神経変性サブタイプと負の相関が認められ(p<0.05)、UA四分位4と認知症に正の相関が認められた(p=0.028)。・交絡因子のメタ回帰分析では、認知症のリスク推定においてUAの影響が認められた因子は、年齢、BMI、糖尿病、高血圧、喫煙ではなく教育であった(p=0.003)。 著者らは「低UAレベル(292μmol/Lまたは4.91mg/dL)は、ADおよびPDDの潜在的なリスク因子である。認知症におけるUAレベルのメカニズムは、さらなる調査により明らかにする必要がある」としている。

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ミドリムシ摂取でコロナ禍の不安疲労が解消する?

 コロナ自粛により自律神経が乱れ、多くの日本国民が不安や疲労に苛まれている。これを打破するために、一躍ブームとなったミドリムシが改めて見直されるかもしれないー。3月17日、『コロナ禍における新たな社会課題「不安疲労」の実態と「腸ツボ」刺激によるアプローチ~多糖成分パラミロン最新研究報告~』(主催:パラミロン研究会)が開催。久保 明氏(東海大学医学部客員教授/内分泌・糖尿病専門医)と内藤 裕二氏(京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 准教授)らが登壇し、ミドリムシの生成物がいかに現代社会に必要か解説した。ミドリムシが生成するパラミロンとは パラミロンとはユーグレナ(和名:ミドリムシ)だけが生成する細胞内に貯蔵される多糖体で、摂取すると腸に直接作用し、便中から未分解、無傷の状態で検出される成分である。これまでの臨床試験では、身体的・精神的疲労感軽減をはじめ、血糖値の上昇抑制やLDLコレステロールの低下のような代謝機能改善に対する有効性が報告されている。パラミロンの中でもEOD-1株が有用だが、機能性についてはまだ解明途中であり、現在、免疫系や消化器系をはじめとするさまざまな領域の研究者が探求している。コロナ禍、4人に1人が不調を感じている その研究者の1人で、コロナ禍で顕在化した新しいタイプの疲労を『不安疲労』として提唱する久保氏は「不安疲労とは、“なんとなくだるい”という身体的疲労感と“やる気が出ない”、“不安だ”という精神的疲労感が結びついたもの」と解説し、「Twitter上でも長引くコロナ禍で多くの人がこの不安疲労を抱えていることが如実に表れている。実際に本研究会が行った実態調査(n=1,200)でも52.7%が不安疲労を感じることが増えたと回答した」と説明し、「なかでも若い世代の女性は社会的サポートの不足や女性特有の体調変化に悩み、さらには女性ホルモンのエストロゲンの分泌不足により自律神経の機能低下が生じて不安疲労に陥りやすい」とも話した。また、この状態が続くと、うつ病だけではなく、活性酸素とともに動脈硬化の進展など老化を加速させる可能性があるが、「パラミロンを含んだ食品を摂取した群では早期に副交感神経活動が優位になり、身体的・精神的いずれの疲労感も軽減したことから、自律神経の乱れを整えるために姿勢を正したウォーキングなどを行うとともにパラミロン摂取が対策の一助になる」と説明した。パラミロンが腸の感覚受容体を刺激 続いて、内藤氏がパラミロンによる腸管の乱れ解消法について説明した。消化管は脳腸相関で相互に密接に影響し合っているため、ストレスがかかると腹痛が生じ下痢や便秘などの消化・吸収機能に影響が出る。一方、消化管にはさまざまな化学的・物理的刺激を感受するセンサーが備わっており、温度感受性Transient Receptor Potential(TRP)チャネルや甘味を感知する味覚受容体T1R2、嗅覚受容体はその代表例だ。つまり、味は舌の味蕾だけではなく胃や小腸で、匂いは鼻以外に大腸でも感じている。この腸管粘膜にある受容体などのセンサー(腸ツボ)を同氏は整体のつぼ押しに例え“腸ツボ”と称し、「腸管粘膜の細胞に点在する腸ツボを刺激することで神経系・免疫系・内分泌系の細胞が活性化することが解明されてきた。その物理的な刺激を担うのがパラミロンである」と解説した。 今回のコロナ禍の事例として、同氏は大島 忠之氏らの論文1)を紹介。それによると消化器症状の悪化を訴えたのは健康成人で6%程度に対し、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群を罹患している方では40%に上った。この状況を踏まえ、「これらの症状もパラミロンによって腸内細菌叢を改善させることで良い方向に向けることができるのかもしれない」と締めくくった。

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第22回 うつ傾向、うつ病【高齢者糖尿病診療のコツ】

第22回 うつ傾向、うつ病Q1 高齢者糖尿病とうつはどのような関係がありますか?糖尿病患者はうつ病や質問紙法で評価されるうつ傾向をきたしやすくなります。42の研究のメタ解析では、糖尿病患者は、約3割がうつ傾向を有し、約1割が面接法でうつ病と診断されます1)。1型、2型を問わず、糖尿病がない人と比べてうつ病の頻度が約2倍多くなっています1)。J-EDIT研究でも、高齢糖尿病患者の約39%は、GDS-15で評価したうつ傾向を有していました2)。うつ病があると糖尿病の発症は1.60倍で、一方、糖尿病があるとうつ病の発症リスクが1.15倍となり両者は双方向の関係があります3)。高齢糖尿病患者にうつ症状やうつ病が多い原因は高血糖、低血糖、糖尿病合併症、糖尿病治療、ADL低下、視力障害、尿失禁などが考えられます。糖尿病患者におけるうつ傾向は血糖コントロール状態と関連します。HbA1cが7.0%以上の糖尿病患者は、CES-Dで評価したうつ状態になりやすく、またうつ状態が再発しやすくなります4)。英国の追跡研究では、HbA1cが1%上昇するごとにうつ傾向のリスクが1.17倍になると報告されています5)。うつは血糖コントロールを悪化させ、さまざまな合併症を引き起こし、さらにうつを悪化させるという悪循環に陥る可能性もあります。一方、低血糖もうつ症状を増加させます。低血糖発作を起こした糖尿病患者はうつ病のリスクが1.73倍となりますが、この傾向は加齢とともに大きくなるとされています6)。J-EDIT研究でも、インスリン治療中でかつ低血糖の頻度が月1回以上あるとGDS-15で評価したうつ症状が多く見られました2)。一方、うつ病は重症低血糖のリスクになることが知られており7)、この両者も悪循環を形成しうることに注意する必要があります。糖尿病の合併症の中では神経障害による疼痛や身体の不安定さがうつ症状を引き起こします8)。また、糖尿病網膜症などによる視力障害、脳卒中、心血管障害などの大血管障害もうつのリスクとなります。糖尿病の治療状況自体もうつのリスクとなり得ます。逆に、社会的支援やボランティアなどの社会活動への参加、運動療法はうつに対し保護的に働きます。また、高齢者では肉親や友人との離別や死亡を意味するライフイベントが増加するとうつ病をきたしやすくなります。その他、女性、過去のうつ病の既往、社会的な孤立、家族関係の不良、介護環境の悪化もうつ傾向やうつ病発症の誘因となります。Q2 高齢者糖尿病にうつ(うつ傾向やうつ病)はどのような影響を及ぼしますか?うつは治療へのアドヒアランスを低下させ、血糖コントロール不良の原因となります。うつは高血糖のみならず、重症低血糖のリスクとなるため、治療に際しては十分な注意が必要です7)。うつがあると細小血管障害・大血管障害、要介護、死亡のリスクが高くなります。うつ傾向を合併した高齢糖尿病患者は、糖尿病もうつ傾向もない人と比べて、大血管症、細小血管症、要介護、死亡をそれぞれ2.4倍、8.6倍、6.9倍、4.9倍起こしやすく、うつ病を合併した場合も同様に糖尿病合併症、要介護、死亡をきたしやすいと報告されています9)。J-EDIT研究ではGDS-15が8点以上の糖尿病患者は年齢、性、HbA1c、収縮期血圧、non-HDL-C、HDL-Cを補正しても、脳卒中を2.56倍起こしやすいという結果が得られています2)。うつ病が脳卒中発症を増加させる機序は、1)視床・下垂体・副腎系の活性化によるコルチゾル増加や交感神経活性亢進、2)内皮細胞機能異常、3)血小板機能亢進、4)炎症マーカー増加などが考えられています。糖尿病患者におけるうつ病は認知症発症のリスクともなります10)。また、うつ病があるとフレイルのリスクは3.7倍、フレイルがあるとうつ病の発症は1.9倍起こりやすい11)ことが知られており、うつ傾向は心理的フレイルと呼ばれることもあります。糖尿病患者でうつ傾向やうつ病がある場合には認知機能障害やフレイルがないかをチェックすることが大切です。Q3 高齢者糖尿病ではどのようにうつを評価しますか?高齢者のうつ病ではうつの気分障害が目立たず、体重減少などの身体症状が前面に出るために、見逃されやすいことに注意する必要があります。うつ傾向は大うつ病とは異なり、一定期間持続する一定数以上のうつ症状を示し、GDS-15(高齢者うつスケール)などの質問票で評価します。一方、うつ病(大うつ病性障害)の診断はDSM-5に基づいて行います。うつ病は抑うつ気分、興味または喜びの喪失のいずれかがあてはまり、著しい体重減少(増加)または食欲低下、不眠または睡眠過多、易疲労感、精神運動制止または焦燥、無価値観・罪悪感、思考力・集中力の減退または決断困難、自殺企図の9項目中で5個以上満たすものを大うつ病と定義されます。スクリーニングツールとしてGDS-5、GDS-15、PHQ-9などが用いられていますが、GDS-5が簡便で使用しやすいと思います。GDS-5はうつ症状の評価に用いられますが、うつ症状と大うつ病の診断は必ずしも一致しないことに注意が必要です。うつ病の診断はDSM-5で行います。診断する際には、まず最初に物事に対してほとんど関心がない、楽しめないなど「興味・喜びの消失」や気分が落ち込む、憂うつになるなどの「抑うつ気分」の質問を行い、さらに食欲、睡眠などの質問をしていくとよいでしょう。不安・焦燥が強い、自殺念慮・企図がある、妄想、躁状態がみられる(既往がある)場合には早急に精神科専門医へのコンサルトが必要です。また、下記の治療で効果が得られない場合も精神科専門医へのコンサルトを行います。Q4 うつを合併した高齢者糖尿病はどのような治療を行いますか?うつ傾向、うつ病の対策では要因となる医学的要因を除去することが大切です。まず、低血糖を避けつつ、血糖をコントロールします。上記のように、低血糖は軽症でもうつ傾向を引き起こし、インスリン注射自体もうつの誘因となり得ます。したがって、2型糖尿病患者では可能な限りインスリンを離脱し、低血糖のリスクの少ない薬剤で治療することが大切です。一方で高血糖を下げることもうつの対策で重要です。軽度のうつ傾向であれば,心理的アプローチで医療スタッフによる傾聴やカウンセリングなどを行います。薬物療法単独と比較し、生活指導や心理療法を併用した方が治療効果は高まることが示されています12)。心理療法では認知行動療法が有効であるとされています。一般的に運動療法はうつ症状に対して有効であるとされ、運動を通して自信を取りもどし、他の人との関わりが増えることが利点です。運動教室やデイケアで運動療法を行うことで軽快するケースもあります。心理的アプローチで改善しない場合や中等度のうつ病の場合は抗うつ薬を使用します。実際に抗うつ薬による治療でうつだけでなく、血糖コントロールも有意に改善するという報告もあります13)。抗うつ薬ではまず、SSRI、SNRI、またはNaSSAが使用されます。SSRI やSNRI では服薬初期に嘔気・嘔吐の副作用が出やすいので,あらかじめそのことをお伝えし,必要であれば制吐薬を併用します。服薬初期に現れる副作用を乗り切れば,その後は問題なく服薬を継続できることが多いと思います。三環系抗うつ薬は不整脈、起立性低血圧、体重増加の関連が指摘されており、高齢者での使用は以前より少なくなっています。抗うつ薬は少量から開始し、忍容性を見ながら増量し、治療効果をみることが原則となります。通常量まで増量し、効果が得られない場合や自殺企図がある場合は精神科専門医への紹介が必要となります。糖尿病性合併症の有痛性神経障害はうつの原因になり得ます。両者は互いに影響を及ぼし、睡眠障害、移動度の低下、転倒、社会生活の制限をきたし、脳卒中、要介護のリスクを高めます(図1)。神経障害とうつを合併した患者では心理的アプローチ、フットケア、転倒予防を行います。また、セロトニン•ノルアドレナリン選択的再取り込み阻害薬(SNRI)のデュロキセチンはこうした患者に対してよい適応となります。神経障害に対してはカルシウムチャネルα2δ(アルファ2デルタ)リガンドのプレガバリンやミロガバリンも使用できますが、高齢者ではふらつき、転倒などに注意する必要があります。画像を拡大する1)Anderson RJ, et al. Diabetes Care 24:1069–1078, 2001.2)荒木 厚, 他.日本老年医学会雑誌52:4-10, 2015.3)Mezuk B, et al. Diabetes Care 31, 2383–2390, 2008.4)Maraldi C, et al. Arch Int Med 167: 1137-1141, 2007.5)Hamer M, et al. Psychol Med 41:1889-1896, 2011.6)Shao W, et al. Curr Med Res Opin 29:1609-1615, 2013.7)Katon WJ, et al. Ann Fam Med 11:245-250, 2013.8)Vileikyte L, et al. Diabetologia 52:1265-1273, 2009.9)Black SA, et al. Diabetes Care 26:2822-2828, 2003.10)Katon W et al. Arch Gen Psychiatry 69: 410–417, 2012.11)Soysal P, et al. Ageing Res Rev 36:78-87, 2017.12)Atlantis E, et al.BMJ Open 4, e004706,2014.13)Baumeister H, et al.Cochrane database Syst. Rev. 12, CD008381,2012.

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COVID-19、退院後もさまざまな臓器疾患リスクと関連/BMJ

 COVID-19元入院患者は一般集団と比較して、予想される多臓器の機能障害(とくに呼吸器と心血管代謝)のリスクが高いことが、英国国家統計局のDaniel Ayoubkhani氏らによる検討で明らかにされた。同リスクの増大は高齢者に限ったものではなく、また特定の人種・民族に認められるものでもないという。これまでに心血管系・代謝系・腎臓系・肝臓系に影響を与える肺外機能障害と、COVID-19との関連の可能性が指摘されており、最近のエビデンスとして、COVID-19で入院した患者は、退院後に死亡および再入院する割合が高いことが示されているが、多臓器疾患の長期疫学については定量化されていなかった。結果を踏まえて著者は、「post-covid syndromeの診断・治療・予防は、特定の臓器・疾患に限定することなく統合的なアプローチで臨むことが必要であるとともに、リスク因子を確定するための研究が急がれる」とまとめている。BMJ誌2021年3月31日号掲載の報告。イングランドCOVID-19元入院患者4万7,780人と適合一般集団を比較 研究グループは、病院から退院したCOVID-19患者の臓器別の機能障害発生率を、適合対照の一般集団と比較し定量化する検討を、後ろ向きコホート研究で行った。 イングランドのNHS病院から2020年8月31日までに生存退院したCOVID-19元入院患者4万7,780人(平均年齢65歳、男性55%)を特定し、イングランド住民約5,000万人より過去10年の電子健康記録で個人的および臨床的特徴について正確にマッチさせた対照と比較検討した。 主要評価項目は、2020年9月30日までの再入院(対照群はあらゆる入院)率、全死因死亡率、呼吸器・心血管・代謝・腎・肝の各疾患診断率であった。それぞれ年齢、性別、人種・民族別の割合も算出した。元入院患者の再入院率は一般集団の4倍、退院後死亡率は8倍 平均追跡期間140日間で、生存退院したCOVID-19元入院患者の約3分の1(1万4,060/4万7,780人)が再入院し、退院後の死亡は10人に1人超(5,875人)であった。それぞれの発生頻度は適合対照群と比べて、再入院率は4倍、死亡率は8倍高かった。 呼吸器疾患(p<0.001)、糖尿病(p<0.001)、心血管疾患(p<0.001)の診断率も、COVID-19元入院患者で有意に上昇した。それぞれ1,000人年当たりの診断例は770(95%信頼区間[CI]:758~783)、127(122~132)、126(121~131)であった。 率比は、70歳以上よりも70歳未満の患者のほうが大きく、白人集団よりも少数人種・民族群で大きかった。最も大きな差がみられたのが、呼吸器疾患についてで、70歳未満10.5(95%CI:9.7~11.4)vs.70歳以上4.6(4.3~4.8)、非白人11.4(9.8~13.3)vs.白人5.2(5.0~5.5)であった。

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Dr.須藤の輸液大盤解説

第1回 基礎編1 輸液を理解するための基本的生理学第2回 基礎編2 水・Naの生理学/水と塩の問題第3回 基礎編3 避けて通れないADHの話第4回 大盤解説 症例1 フロセミドが処方されていた78歳男性第5回 大盤解説 症例2 脳梗塞で自宅介護されていた72歳女性第6回 大盤解説 症例3 意識障害で救急搬送された38歳女性第7回 大盤解説 症例4 嘔気と低Na血症で紹介された78歳男性第8回 大盤解説 症例5 ストーマがあり慢性下痢の41歳男性 「Dr.須藤のやりなおし輸液塾」から12年。「輸液の名講義」と言えば須藤先生、「須藤先生」と言えば輸液の名講義、と言っても過言でないくらい、輸液講義のエキスパートであることが知られています。その須藤先生が満を持して輸液の新番組!今シリーズでは“大盤”を使って解説します。大盤解説とは将棋盤などを模した大きなパネルを使って戦況・戦局を解説すること。そしてこの番組は「輸液」大盤解説。大盤には、実際の症例の検査数値が時系列に並べられていきます。その状況を見ながら、どのように輸液をセレクトし、治療を進めているのかを須藤先生自らが実況し、解説していきます。すなわち須藤先生の思考の過程をつぶさに見ることができるのです。前半は、輸液に関する基礎を講義します。後半は、実症例を基に大盤解説を行います。ひふみんよろしく、須藤先生の着物姿も見逃せません。第1回 基礎編1 輸液を理解するための基本的生理学 大盤を使用しての実症例を基にした輸液の臨床推論…の前に、輸液を行ううえで、必ず理解しておかなければならない基本的な生理学を確認しましょう。体液の恒常性の保持とは?体液の組成や区分、役割は?浸透圧を一言で定義すると?張度と浸透圧の違いは?輸液したときに体のどこに分布?ぞれぞれの輸液製剤の違いは?など、なんとなくわかっていたつもりになっていたことも、実ははっきりわかっていなかったことに気づかされるかもしれません。それらをすっきりと整理して解説します。第2回 基礎編2 水・Naの生理学/水と塩の問題水とNaの生理学を考えるにあたっては、まずは2つの体液貯留である「浮腫」と「低Na血症」について理解しておくことが重要です。そう「浮腫」はNaの過剰であり、低Naは水が過剰であるということ。そこで、輸液を必要とする「脱水症」とはいったい何なのでしょうか?水が足りないということでしょうか?実はそこでも、Naの欠乏と水の欠乏と分けて考えていくことになります。欠乏したものを補液することが大まかな意味での輸液であると言えるでしょう。今回は簡単な症例で肩慣らしをしてみましょう。Dr.須藤の実症例を基にした解説付きです。第3回 基礎編3 避けて通れないADHの話水とNa代謝異常について解説します。Na代謝異常とは、「量」の異常でしょうか、それとも「濃度」の異常でしょうか。実は、Naの量の異常が、Naバランスの異常、そして、Naの濃度の異常が水バランスの異常です。水とNa代謝異常は、それぞれ過剰・欠乏の2つの座標軸で考えていきましょう。また、低Na血症を理解するには、「ADH:抗利尿ホルモン」を理解しておくことが重要です。きちんと整理して考えてみましょう。次回よりいよいよ大盤解説に入ります。ネクタイ姿の須藤先生は今回まで。ネクタイをよーく見てみると…。何がが見えてくる…。ヒントは「臨床“推”論」。これもDr.須藤のこだわりです!第4回 大盤解説 症例1 フロセミドが処方されていた78歳男性いよいよ大盤解説がスタート!須藤先生が経験した実症例を基に解説します。大盤に患者の検査数値を時系列に提示していきます。その状況を見ながら、どのように輸液をセレクトし、治療を進めているのかを須藤先生自らが実況します。今の患者の状況はどうなのか?そのために必要な輸液・治療は?1例目は施設入所中の78歳男性の症例です。須藤先生の頭の中を覗いてみましょう!第5回 大盤解説 症例2 脳梗塞で自宅介護されていた72歳女性大盤解説の症例2は、陳旧性脳梗塞で自宅で介護の72歳女性です。1週間前から食事がほとんど取れない状態で反応が鈍くなってきたため救急搬送されました。血圧が低下、皮膚ツルゴールも低下し、明らかに体液量が落ちた状態のようです。さあ、Dr.須藤はどのような治療を進めていくのか。第6回 大盤解説 症例3 意識障害で救急搬送された38歳女性大盤解説の症例3は、もともと健康な38歳女性です。1週間前くらいから感冒症状、全身倦怠感などを訴え、意識レベルが低下してきたため救急搬送されました。搬送されてきた時点で、明らかなショック状態です。入院時の検査データから著明なアシドーシス、高血糖、クレアチニン上昇などが見られ、DKA(糖尿病性ケトアシドーシス)であることが判明しました。さあ、どのように治療していくのか。また、症例のまとめの後には、Dr.須藤がDKAの場合に実際に使用しているDKAフローシートを提示。実際の使用例を基に、解説します。ぜひ、今後の診療に活用してみては?第7回 大盤解説 症例4 嘔気と低Na血症で紹介された78歳男性大盤解説の症例4は糖尿病、高脂血症、高血圧で通院中の78歳男性の症例です。1週間程度前に、膝の痛みを訴え、他院にてデュロキセチンが処方され、服用後から徐々に食欲低下、嘔気を自覚したとのことです。食事もとれなくなり、かかりつけ医が低Na血症を指摘して紹介されました。受診時の検査によって、低Na血症、濃縮尿、細胞外液量の低下が読み取れました。そこから、薬剤性のSIADHも疑われましたが、Dr.須藤はこの判断をある点から否定。さあ、どの数値からこの患者の状態を読み取ったのか。そして、その治療は?一緒に考えていきましょう。また、患者の経過に合わせて、低Na血症の補正「Rule of 6」など、知っておくべきことを補足解説します。第8回 大盤解説 症例5 ストーマがあり慢性下痢の41歳男性大盤解説の症例5はDr.須藤の思い入れの強い症例。クローン病にて、小腸・大腸切除術、人工肛門造設術を受け、慢性下痢の41歳男性です。3週間ほど前から、体調不良、耳下腺炎などで状態が悪化し、受診。受信時のバイタルサインや身体所見から、脱水、アシドーシス、ショックなどが疑われる状態でした。検査データからも腎不全、低Na血症、低K血症、著名なアシドーシスなど、さまざまな状態であることが読み取れました。ここまでの状態で、どう対応できるのか。そもそも輸液で改善できるのか。Dr.須藤の次の一手は!

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運動30分前のカフェインが脂肪を燃やす

 運動30分前のカフェイン摂取が最良の脂肪燃焼法かもしれない。これまでの研究で、カフェインが最大脂肪酸化率(MFO)と有酸素能力を増加させることが明らかになっているが、運動と組み合わせた効果は詳しくわかっていなかった。今回、スペイン・グラナダ大学のMauricio Ramirez-Maldonado氏らが、運動テスト中におけるMFOの日内変動に対するカフェイン摂取の影響を調査した結果、有酸素運動30分前のカフェイン摂取は、時間帯に関係なく運動中の脂肪酸化を増加させることを発見した。The Journal of the International Society of Sports Nutrition誌2021年1月7日号に掲載。 本研究は、プラセボ対照三重盲検クロスオーバー試験で、男性15例が参加した(平均年齢:32±7歳)。すべての被験者は次の条件に合致した(BMI:18.5~28、非喫煙者、運動によって悪化する持病がない、服薬していない、1日50mg未満のカフェイン消費、週3回以上の持久力トレーニングを最低2年間継続[自己報告]、カフェインアレルギーでない、前月に筋骨格系の損傷なし)。 7日間隔で4回の段階的な運動テストを実施、各テストの30分前に、無香料・無着色・無臭の粉末状無水カフェイン(グリーンコーヒー豆抽出物)またはプラセボ(純度100%の微結晶セルロース)のいずれか3mg/kgを250mLの水に溶解し、見分けがつかない状態で摂取した。調査は2019年6~11月の間で行われ、午前8~11時と午後5~8時に、サイクルエルゴメーターを用いた段階的なテストを一定の温度・湿度下で実施した。MFOと最大酸素摂取量(VO2max)を間接熱量測定法で測定し、MFOを誘発した運動強度(Fat max)を計算した。 主な結果は以下のとおり。・被験者のクロノタイプは均一に分布していた(適度に朝型、適度に夜型、どちらでもない各5人)。・段階的運動テスト30分前のカフェイン摂取は、時間帯に関係なく、MFO、Fat max、VO2maxを増加させた。また、すべて午前よりも午後のほうが有意に高かった(すべてp<0.05)。・プラセボと比較して、カフェインは平均MFOを午前10.7%(0.28±0.10 vs.0.31±0.09g/min、p<0.001)、午後29.0%(0.31±0.09 vs.0.40±0.10g/min、p<0.001)増加させた。・また、カフェインは平均Fat maxを午前11.1%(36.9±14.4 vs.41.0±13.1、p=0.005)、午後13.1%(42.0±11.6 vs.47.5±10.8、p=0.008)増加させた。・さらに、カフェインは平均VO2maxを午前3.9%(43.7±7.8 vs.46.7±7.0mL/kg/min、p=0.012)、午後3.2%(45.4±8.0 vs.48.2±7.0mL/kg/min、p=0.001)増加させた。 研究者らは、「カフェイン摂取と午後の適度な運動の組み合わせは、継続的な有酸素運動により脂肪燃焼量を増やしたい人にとって最良のシナリオ。なお、高用量のカフェインが全身の脂肪酸化により大きな効果を誘発し、持久力のパフォーマンスをさらに改善するかどうかはまだ調査されていない」と結論している。

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統合失調症患者の心血管リスクと認知障害との関連~メタ解析

 統合失調症では、認知機能障害とメタボリックシンドローム(MetS)などの心血管リスクとの関連が報告されている。認知機能障害や心血管リスク因子は、一般集団においても認知機能を低下させ、統合失調症の認知障害の一因となりうる。大日本住友製薬の萩 勝彦氏らは、統合失調症患者の認知機能障害と心血管リスク因子、認知障害との関連について調査を行った。JAMA Psychiatry誌オンライン版2021年3月3日号の報告。 Embase、Scopus、MEDLINE、PubMed、コクランデータベースより、2020年2月25日までに公表された研究を、キーワード(統合失調症、代謝系問題、認知機能)を使用して抽出した。会議録、臨床トライアルレジストリ、関連文献のリファレンスリストも併せて検索した。メタ解析には次の研究を含めた。(1)統合失調症または統合失調症感情障害を対象とした認知機能を調査した研究(2)MetS、糖尿病、肥満、過体重、脂質異常症、インスリン抵抗性などの心血管リスク因子とアウトカムとの関連を調査した研究(3)統合失調症または統合失調症感情障害の認知能力について、心血管リスク因子の有無により比較した研究。文献ごとに2~3人の独立したレビュアーによりデータを抽出し、ランダム効果モデルを用いてメタ解析を実施した。主要アウトカムは、臨床的に検証済みの尺度を用いて測定した全体的な認知機能とした。 主な結果は以下のとおり。・抽出された27件の研究をメタ解析に含めた(統合失調症患者:1万174例)。・MetSを有する統合失調症患者では、全体的な認知機能の欠損が認められた。 【統計学的に有意な欠損】 ●MetS(13研究、2,800例、エフェクトサイズ[ES]:0.31、95%CI:0.13~0.50、p=0.001) ●糖尿病(8研究、2,976例、ES:0.32、95%CI:0.23~0.42、p<0.001) ●高血圧(5研究、1,899例、ES:0.21、95%CI:0.11~0.31、p<0.001) 【有意差はないがより重度な欠損】 ●肥満(8研究、2,779例、p=0.20) ●過体重(8研究、2,825例、p=0.41) ●インスリン抵抗性(1研究、193例、p=0.18)・特定の認知領域に対する機能低下は、認知機能障害および心血管リスク因子と関連が認められた。 【5つの領域】 ●糖尿病 ES範囲:0.23(95%CI:0.12~0.33)~0.40(95%CI:0.20~0.61) 【4つの領域】 ●MetS ES範囲:0.15(95%CI:0.03~0.28)~0.40(95%CI:0.20~0.61) ●高血圧 ES範囲:0.15(95%CI:0.04~0.26)~0.27(95%CI:0.15~0.39) 著者らは「統合失調症患者の全体的な認知機能に対するMetS、糖尿病、高血圧の有意な関連が認められた」としている。

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認知症、脳・心血管疾患、1型糖尿病などがCOVID-19重症化リスクに追加/CDC

 米国疾病予防管理センター(CDC)は、3月29日、成人において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスクとなる病状リストにいくつかの新しい項目を追加した。以前から可能性が指摘されていた、「1型糖尿病(2型糖尿病に追加)」「中等度~重度の喘息」「肝疾患」「認知症またはその他の神経学的疾患」「脳卒中・脳血管疾患」「HIV感染症」「嚢胞性線維症」「過体重(肥満に追加)」のほか、新しく「薬物依存症」がリストアップされた。新しいリストでは、特定のカテゴリごとに病状が記載されている。COVID-19重症化リスクとなる成人の病状リスト(アルファベット順)・がん・慢性腎臓病・慢性肺疾患:慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息(中等度~重度)、間質性肺疾患、嚢胞性線維症、肺高血圧症など・認知症またはその他の神経学的疾患・糖尿病(1型または2型)・ダウン症・心臓病(心不全、冠状動脈疾患、心筋症、高血圧など)・HIV感染・免疫不全状態(免疫力の低下)・慢性肝疾患:アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患[NAFLD]、とくに肝硬変、肝線維化など・過体重と肥満:BMI>25(過体重)、BMI>30(肥満)、BMI>40(重度の肥満)・妊娠・鎌状赤血球症またはサラセミアなどの異常ヘモグロビン症・喫煙(現在または以前)・臓器または造血幹細胞の移植・脳卒中または脳血管障害・薬物依存症(アルコール、オピオイド、コカインの中毒など) CDCは、これらの病状がある人は、周りの人の協力を得ながら注意深く安全に管理することが重要だとし、「現在の処方・治療計画の継続」「(病状に対応できる)常温保存食品の用意」「病状悪化のトリガーを避ける」「ストレスへの対処」「異変があった場合の迅速な救急要請」などを呼び掛けている。

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