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糖尿病を有するNSTE-ACSに、侵襲的治療は有効

非ST上昇型急性冠症候群(NSTE‐ACS)患者への早期の侵襲的治療は、ACC/AHAガイドラインで推奨されている。しかし、糖尿病を有するNSTE-ACS患者に対する侵襲的治療が、ベネフィットをもたらすかどうかを主目的に解析した臨床試験は、これまでなかった。今回、この検討結果がO'Donoghue ML氏らにより発表された。この結果、糖尿病患者への早期の侵襲的治療は、非糖尿病患者と比べ、全心血管イベントの相対リスクは同等ではあったが、再発性の非致死的心筋梗塞(MI)リスクを有意に低下させることが明らかになった。著者は、これらの結果は、最新のガイドラインが推奨している糖尿病を有するような高リスクのNSTE-ACS患者に対する、侵襲的治療を支持するものだ、と述べている。本試験は9件の無作為化臨床試験のメタアナリシスの結果。対象はNSTE-ACS患者9,904例。フォローアップ期間は12ヵ月。心血管イベントリスクは、糖尿病の有無と無作為化された治療戦略(侵襲的治療または保守的治療)で層別化され、解析された。相対リスク(RR)比と絶対リスクの減少については変量効果モデルを用いてデータ統合がなされた。 主な結果は以下のとおり。 ・対象者9,904例のうち、1,789例(18.1%)が糖尿病であった。・侵襲的治療の保守的治療に対する、死亡、非致死的心筋梗塞(MI)、または急性冠症候群による再入院のRRは、糖尿病患者(RR:0.87、95%CI:0.73‐1.03)と、非糖尿病患者(RR:0.86、95%CI:0.70‐1.06、交互作用p=0.83)で同等であった。・侵襲的治療は、糖尿病患者に対しては非致死的MIを減少させた(RR:0.71、95%CI:0.55~0.92)が、非糖尿病患者では減少させなかった(RR:0.98、95%CI:0.74~1.29、交互作用p= 0.09)。・侵襲的治療によるMIの絶対リスク減少率は、糖尿病患者の方が非糖尿病患者よりも大きかった(絶対リスク減少率:3.7% vs 0.1%、交互作用p= 0.02)。死亡または脳卒中において、両群間に有意差は認められなかった(交互作用p=0.68、p=0.20) (ケアネット 佐藤 寿美)  〔関連情報〕  ・動画による糖尿病セミナー (インスリンなど)

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危機管理としての原発問題~原発はすべてを止めれば済む問題か~

つくば市 坂根Mクリニック坂根 みち子 2012年7月9日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。  話は震災直後にさかのぼる。2011年3月15日、子供の通う高校から一通のメールが保護者に一斉配信された。「念のためですがご連絡します。ただしパニックにならない様に注意しましょう。北風が吹いていますので、できるだけ早く家に戻り室内で待機し、外出を避けた方がいいと思います。特にこれから降る初期降雨を受けないように注意して下さい。外出時に雨に遇ったならば鼻と口をハンカチなどで覆って下さい。髪や皮膚が濡れた場合はお湯などで洗い流し、もし衣服が濡れた場合は入室時に脱いでビニール袋などに入れておいた方がいいと思います。」パソコンの隣のTVでは繰り返し原発は大丈夫だと放送していた。不安定な状態だが何とかなっているというのが、大方の世間のとらえ方だった。いくらなんでも枝野さんがこんなに堂々と嘘をつくはずがない、このメールの内容は杞憂に過ぎない、その時はそうとらえた。もうひとつ、最初は医師である私でも全く放射能についての知識がなかった。原発からはどのような核種が出る可能性があるのか、半減期はどのくらいでどう対処すればいいのか全く分からなかった。花粉症のようなもので、降り注いだものは払えばいいということも、しばらくして知った。 今改めて読んでみると、あの時起こっていたことを的確に把握し、何をすべきかきちんと伝えていた。このメールの配信を促したのは、学校の父母会長で放射線の専門家である医師だった。すでにつくばの空気中に放射性物質が異常に検出されていることを知っていたのである。パニックにならないように配慮して伝えたがために、当時は深刻に受け取らなかった保護者が多かったと思う。その時はまだ、今の時代に大本営発表があるとは思っていなかったのである。たった数日の自宅待機を指示してくれれば、もっとも飛散量が多いときに多くの人が移動することもなかったであろうに。しばらくして高エネルギー研究所のHPで放射性物質の空気中の濃度がわかるようになって事実を知った時、どれだけの親が子供たちがその時どこで何をして過ごしていたか必死に思い出し自責の念に駆られたことだろう。 あれから1年、世間では原発再稼働反対の運動が盛り上がっている。政府は広域災害と大津波を全く想定していなかった。従って、3月11日14時46分から日没までに、水と毛布と燃料を空から届けるという発想がなかった。それがため、どれほどの人が低体温で死に至ったか。また、マスコミは人々が津波に飲み込まれる様子や遺体をただの一度も一体も放映しなかった。外国のメディアが伝えていることが国内ではマスコミの似非人道主義のために、この世の地獄を味わっていた人たちの悲劇がリアルタイムで伝わらなかった。 放射性物質が放出されてから、なにがどこにどれだけ飛んでいるか正しい情報を伝えなかったために、今でも多くの親が多少なりとも被ばくした子供の健康問題を心配している。日本政府のガバナンスの欠如、マスコミの幼稚さ。(東電の組織としての欠陥は監督官庁と一心同体である。)今回の震災では、多くの国民の意識に政府とマスコミに対する深い絶望感と不信感が植え付けられた。政府のやることは全く信用できない、こんな恐ろしい原発を保持するなんて絶対許せないと考えるのも無理もない。でもちょっと待って欲しい。だからといって原発を止めれば済む問題だろうか。西日本は中国から飛んでくる黄砂でさえ問題となっているのに、北朝鮮と中国が原発を持つことのリスクはどう考えるのだろうか。日本で原発を止めるということは、コンパクトで高性能の原発の開発もなくなる。国内の原発は古くて危険なもののみとなる。外国に、より安全な原発を売り込むこともできない。技術の継承もなくなる。いざというときの対処法も相手任せとなる。今回の原発もアメリカの古いタイプのもので、コンセントの形も違ったため対応が遅れたというではないか。しかも国内の原発を止めても大量の使用済み核燃料は残る。問題はむしろこっちである。使用済み核燃料を持っている限り地震大国の日本で放射能に汚染されるリスクは全く減っていない。国内の原発停止にこだわって思考停止状態になると、沖縄の米軍基地を最低でも県外移転と言ったために、逆に最も危険な普天間固定となってしまっている現状と同じ構造となる。 国内の原発を止めるだけなら最悪の事態を想定して備えるという危機管理の基本を放棄することになる。今回の震災での対応がお粗末だったからと言って、日本人より中国や北朝鮮の原発管理の方が信用できるだろうか。「人類のためにすべての核利用を廃絶しよう」という運動が、隣国に通用すると思っているのだろうか。そんな絵空事は考えてはいけない。世界中を見渡しても損得勘定なく最も真摯に原発に向き合えるのは日本人しかいない。交渉が苦手で、征服欲がなく勤勉、心配性。日本人の美徳を認めるより、自らを責め、世界に向けてネガティブな発信しかしない。こんな民族が他にいるだろうか。数年前に宮崎駿監督が「借り暮らしのアリエッティ」という映画で、日本を舞台に「君たちは滅びゆく種族なんだ」を言っていたが、まさしく今の日本人は滅びゆく民族となりつつある。 こういう危機にこそ、原子力関連の分野には理系のトップの学生が進んで欲しい。優秀な人材を集め、日本人が得意とする細かいところまで行き届いた最新鋭のより安全な原発を作り、古いものと順次置き換えて欲しい。使用済み核燃料の処理について英知を集めて欲しい。加えて日本人全員が、個々のレベルで核についての知識を高め、何かあった時自立して動けるようにならなくてはいけない。原子力を一部の人にしかわからない「原子力村」に閉じ込めてしまったことが、災害時のリスクを高めてしまった。多様な専門家集団を育て、地球上のどこのトラブルにもすぐ駆け付け対応できるようにして欲しい。今回政府は「ストレステストで安全性を再確認後再稼働」というパフォーマンスを行っているが、知りたいのはそんなことではない。1992年、時の原子力安全委員会は東電に対して「長時間電源喪失を想定しなくていい理由を作文せよ」という信じられない要求をした。これと同じことが日本中の原発で行われたはずである。私たちが知りたいのは、各地の原発にそのような瑕疵が隠されていないかということである。医療の世界では「人は必ず死ぬ」ということ以外100%確実なことはない。すべての医療行為には必ずリスクが伴う。従って患者さんに100%安全です、と説明することはあり得ない。原発についても同じである。ストレステストをやって、「絶対安全です」といった時点で嘘である。そんなおためごかしをするようでは話にならない。国民も100%の安全を保障しろという要求自体がおかしいと思うべきである。大事なのは何かあった時の対処法である。どんな過酷事故をも想定して対策が練ってあるかである。 今大地震が起きたら、原発のみならず使用済み核燃料が入っているプールの耐震性は大丈夫なのか、万が一水が漏れたらどう対処するのか、北朝鮮のミサイルが打ち上げに失敗してプールが被弾したらどう対応するのか。テロの対象になって、ハイジャックされた航空機が原発に突っ込むことは「想定範囲外」なのか。こういった待ったなしの課題に対して、政府はきちんと説明して欲しいし、大至急予防措置を講じてほしい。 人類はすでに禁断の実に手を出してしまった。どこで何があっても放射能は地球全体に影響を及ぼす。福島の問題があるまで私たちが一番浴びていた環境からの放射線は、ソ連とアメリカが核実験を繰り返してばらまいたものである。ホーキング博士は、20年前の講演で、この宇宙には高度文明を持つ生命体が生まれては、環境を破壊しつくして惑星ごと自滅していると言っていたそうだ。(石原慎太郎「新・堕落論」より)恐ろしいことに、今地球はホーキング博士の予想通りの道を歩んでいる。すでに日本国内の問題ではないのである。日本人が最後の一つの核の後始末が付くまで伴走していくことも責任の取り方の一つである。 願わくば、ヒステリックにならずに良く考え議論を深めてほしい。一人の母親として、次の世代に命をつないでいくという大命題を考えた時、核に反対するだけの選択は、日本のみならず地球全体のリスクを高めてしまうと思う。筆者は政府とマスコミは一切信用しなくなったが、個々の日本人が持つ特質は世界で一番信用できると思っている。 もうひとつ、低量放射線についても少し触れておきたい。今、環境でも作物でも、わずかな放射性物質が検出されるのを一切許さないという風潮があるが、これも日本人が自らの首を絞めている典型である。放射性物質は毒にも薬にもなる。今まで人々はラドン温泉等低量の放射線を有効利用していたはずなのに、今では一切認めないという。自然界にはもともと放射線が存在し、人類も放射線と共存してきた。人間の体には優れた適応能力があり、傷ついたDNAは絶えず修復されている。少量の放射性物質を人類が有効利用してきたことは科学的に認められた事実であるにも拘らず、すべての放射線を悪として扱い、逆にそこで暮らさざるを得ない人々に大きなストレスを与えている。 話は最初に戻る。子供が被曝したかもしれないと思った時、当初筆者も動揺した。自分自身は医療放射線をかなり浴びているので仕方ないが、子供についてはほんの少しでもリスクは避けたいと思った。福島の原発がかなり危ないといううわさになった時、我が家では子供だけ一時東京の祖父母宅に避難させた。その時長女が本当に原発が爆発したら、パパとママはどうするのかと問うた。答えて、私達は医師としてこの地を離れることは出来ない、万が一の時はもう3人で生きていけるでしょうと話した。こう言われた彼女の衝撃は大きかったらしい。しばらくして無事当地に戻ってきたとき、何も知らない妹たちと違って大きな責任と恐怖を背負わされた長女は疲労困憊していた。そして、今後もし原発が爆発しても今度はつくばに残ると宣言した。その時長女は大学受験生で、さらに免疫系の病気で自宅療養中だったが、明らかに放射線そのものより精神的なストレスのほうが全身状態を悪化させていた。 昨年の11/1に「バランス感覚を持とう~放射能とともに生きていくために~」という拙文が配信されたことがきっかけで、元ICRP(国際放射線防護委員会)委員だった中村仁信医師から「低量放射線は怖くない」という本をいただいた。読了後、正直親としてはすこしホッとした。広島、長崎の被ばくで次世代に奇形が増えたというデータは一切ないということ、少量の放射線でがん抑制遺伝子のスイッチが入り、癌の発生そのものが抑えられる可能性があることなど、ICRPの見解も含め過去に世界中で集められたデータが素人にも理解しやすくまとめられていた。 そもそも震災の前から、今の子供たちは小さいころから甘いもの漬けであり、トライ&エラーの体験に乏しく、このままいくと糖尿病やストレスに対する耐性のなさから子供たちが大変なことになるととても危惧していた。世間ではそこに対する反応は今一つだったが、放射能に関しては親たちの恐怖心があっという間に膨れ上がってしまった。 今共存している放射線は毒にも薬にも成り得る。要は量の問題である。ほとんどの地域では放射線より生活習慣病から健康を害する可能性の方がよほど大きいと前回書いたところ、それでは今の福島ではどうなのかと問われた。その頃福島の汚染がどの程度なのかわからず、答えようがなかったが、最近の福島からの内部被曝量の測定結果をみると、幸いにも少ない被曝で済んでいる。食物からの内部被曝を少なくする努力もホットスポットの除去も地道に進めてくれている人たちがいる。やはり福島であっても、子供たちをどう育てればいいのか結論は変わらない。良く寝て良く笑い免疫力を高めること、大人になってもたばこは吸わないこと、子供の頃から甘いものを摂り過ぎると糖尿病になって血管を傷めるので、小さいころから食生活をコントロールすること、人とぶつかることを怖がらないこと。ご飯を作ることや片すことなど人間として生きていくために必要なことは自立して出来るようにすること。これが基本である。 放射線の「低量」がどこからどこまでをいうのか結論が出るのは数十年後である。だが、私たちは今この環境下で子供たちを育てていかなければならない。それならばその中で薬になるよう育てるだけである。少量の放射性物質が体にいいこともあるというデータがあるのなら、そこで生きていかなければいけない人々にとってそれは福音になる。周囲から大音量でヒステリックに否定しないで欲しい。ネガティブにとらえてストレスにさらされるのと、ポジティブにとらえて前向きに生きるのとどちらが体に良いかは解りきったことである。子供たちが健康に生き延びるヒントはそこにある。

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CKDが心筋梗塞発症に与える影響は、糖尿病より大きい

糖尿病患者が、心筋梗塞既往者と同等の心血管イベントリスクを有することはよく知られている。一方で、慢性腎臓病(CKD)と糖尿病が、それぞれ心血管イベントリスクに与える影響を比較した検討はこれまでなかった。今回、Tonelli M氏らによりこの検討がなされ、Lancet誌オンライン版2012年6月18日付に報告された。これにより、CKDが心筋梗塞発症に与える影響は糖尿病よりも大きい、という結果が明らかになった。カナダのアルバータ州の約127万人の住民データベースをもとに行われたコホート研究。本研究では、心筋梗塞や糖尿病の既往のある患者を入院や医療費のデータに基づく検証アルゴリズムにより分類し、検証した。CKDの定義は、ベースライン時のeGFR:15~59.9 mL/min/1.73m2(ステージ3または4)とした。対象者を、「心筋梗塞既往者(糖尿病やCKDの有無を問わない)」と、心筋梗塞既往のない患者のうち、「非糖尿病かつ非CKD患者」、「糖尿病患者(CKDなし)」、「CKD患者(糖尿病なし)」、「糖尿病かつCKD患者」、の5つのリスクグループに分けて、ポアソン回帰分析を使用して、フォローアップ期間中の心筋梗塞の相対発現率と非補正発現率を算出した。主要評価項目は、フォローアップ期間中における心筋梗塞による入院。 主な結果は以下のとおり。 ・フォローアップ期間中央値48ヵ月(四分位範囲[IQR]:25~65ヵ月)の間に、1%(11,340/1,268,029人)が心筋梗塞により病院に入院した。・心筋梗塞非補正発現率は、心筋梗塞既往者で最も高かった(1,000人・年あたり18.5、95%CI: 17.4~19.8)・心筋梗塞既往の無い場合、糖尿病患者(CKDなし)では、CKD患者(糖尿病なし)と比較して心筋梗塞発現率は少なかった (1,000人・年あたり5.4、95%CI:5.2~5.7 vs 1,000人・年あたり6.9、95%CI:6.6~7.2 ; p

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脂質異常症になりやすい統合失調症患者、肥満や糖尿病だけじゃない

統合失調症患者では肥満や糖尿病の罹患率が高く、とくに抗精神病薬の使用でこれらの発生率 が上昇することが問題となっている。脂質異常症もまた、統合失調症患者によくみられる合併症のひとつである。Hsu氏らは台湾の統合失調症患者における脂質異常症の罹患率・発症率を調査し、Gen Hosp Psychiatry誌2012年7月号(オンライン版2012年3月27日号)で報告した。2005年、18歳以上の766,427人の被験者を無作為抽出し、統合失調症の診断を受けた患者、脂質異常症を有する患者または薬物治療を行っている患者 を特定したうえで、統合失調症患者の脂質異常症の罹患率および発症率を一般集団と比較検討した。主な結果は以下のとおり。 ・統合失調症患者における脂質異常症の罹患率は一般集団より高かった(8.15% vs 8.10%、オッズ比:1.17、95%信頼区間:1.04~1.31)。・リスクファクターは、50歳以上、高保険料支払者、台湾北部または中部・都市部の生活者であり、青年期で非常に高い脂質異常症の罹患率であった。・2006年~2008年に第二世代抗精神病薬を使用していた統合失調症患者の脂質異常症平均年間発症率は、一般集団より高かった(1.57% vs 1.29%、オッズ比:1.31、95%信頼区間:1.11~1.55)。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・ケアネット 7月の特集「動脈硬化」 ・アルツハイマーの予防にスタチン!? ・精神疾患患者におけるメタボリックシンドローム発症要因は?

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SGLT1/2阻害薬LX4211の有効性

新しい作用機序を持つ経口の2型糖尿病治療薬であるSGLT1/2阻害薬LX4211の試験結果が、B Zambrowicz氏らによりClinical Pharmacology & Therapeutics誌Early Online Publication 2012年6月27日付で報告された。この結果、LX4211はプラセボと比べて、消化器症状などの有害事象を増加させることなく、空腹時血糖値やHbA1c値を有意に改善させることが明らかになった。SGLT2は腎臓のグルコース再吸収に関与する輸送体である。SGLT2阻害による血糖コントロール改善が示されており、現在、複数のSGLT2選択的阻害薬が開発段階にある。SGLT1を介さず、SGLT2に選択性の高い阻害薬が多く開発されているのは、主に腸管のグルコース輸送体として存在するSGLT1の腎臓のグルコース再吸収への貢献がわずか10%であることや、SGLT1欠損患者ではグルコースとガラクトースの吸収不良に起因する重篤な消化器症状が示唆される等が理由とされていた。しかしRoux-en-Y法による肥満外科手術や難消化性でん粉摂取後は、遠位小腸および大腸へのグルコース輸送が増加しても、消化器症状を発現することなく耐糖能を改善できている。これは、GLP-1分泌によるものと考えられている。このことから、SGLT1/2阻害薬も、選択的SGLT2阻害薬同様に、消化器症状に影響を与えずに、腸管からのグルコース吸収を遅延させ血糖コントロールを改善できるのではないかと、今回検討が行われた。試験対象は、38歳~64歳の2型糖尿病患者36例。プラセボ群、LX4211の150mg投与群、同300 mg投与群、の3群に無作為に割り付け、1日1回経口投与を28日間継続した。主な結果は以下のとおり。 ・LX4211群はプラセボ群と比較して、28日後の空腹時血糖値、耐糖能、およびHbA1c値を含む血糖コントロール指標を有意に改善した。・24時間UGE値は1日後、14日後、28日後においてプラセボ群と比較し、LX4211群で有意に増加した。・LX4211群は、プラセボと比較して、血清トリグリセリド値を有意に低下させた。また、有意差は認められなかったが、体重と血圧は減少傾向、GLP-1濃度は増加傾向を認めた。・有害事象発現は3群間で同等であり、緊急性尿路感染症、性器感染症、低血糖などはみられず、重篤な有害事象の報告はなかった。心血管イベント発現、心電図所見の有意な変化も認められなかった。(ケアネット 佐藤 寿美)〔関連情報〕 動画による糖尿病セミナー (インスリンなど)

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シタグリプチンの上乗せ効果~54週の試験~

複数薬剤での併用療法がしばしば必要となる進行した2型糖尿病患者の血糖コントロールには、新たな治療手段が必要とされている。今回、メトホルミン(商品名:メトグルコなど)とロシグリタゾン(国内未発売)で継続治療中の2型糖尿病患者に54週間、DPP-4阻害薬であるシタグリプチン(商品名:ジャヌビア/グラクティブ)を上乗せしたところ、プラセボと比較して血糖コントロールを有意に改善し、有害事象発現率も同程度であることが示された。Dobs AS氏らによりJ Diabetes誌Early Online Publication 2012年6月28日付で報告された。対象はメトホルミン(≥1500 mg/日)とロシグリタゾン(≥4 mg /日)の併用療法にもかかわらず、HbA1c(NGSP:以下同)値が7.5%以上11.0%以内にある2型糖尿病患者278例。対象患者は、1日1回シタグリプチン100 mg投与群とプラセボ群とに無作為に割り付けられた。北米、南米、ヨーロッパ、およびアジアの41施設において実施された54週にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験。主要アウトカムは18週時のHbA1c値のベースライン時からの変化とされた。主な結果は以下のとおり。 ・ベースライン時のHbA1c値の平均は8.8%・HbA1c値のプラセボ調整平均変化量は、シタグリプチン群で18週で -0.7%(P

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ピオグリタゾンと膀胱がんリスクとの関連

 カナダ・ユダヤ総合病院(モントリオール市)のLaurent Azoulay氏らの検討で、2型糖尿病患者では膀胱がんのリスクがピオグリタゾン(商品名:アクトスほか)の使用により増大することが示された。チアゾリジン系経口血糖降下薬であるピオグリタゾンと膀胱がんについてはその関連が指摘される一方で否定的な見解もみられる。この問題解決のために地域住民ベースの観察試験がいくつか実施されたが、相反する結果が得られており、さらなる検討が求められている。BMJ誌2012年6月23日号(オンライン版2012年5月31日号)掲載の報告。膀胱がんリスクとの関連を後ろ向きコホート内症例対照試験で評価 研究グループは、ピオグリタゾンと2型糖尿病患者における膀胱がんの発症リスクの増大との関連を検証するために、レトロスペクティブなコホート内症例対照(nested case-control)試験を実施した。英国の600以上のプライマリ・ケア施設が参加する一般診療研究データベースを使用した。対象は、1988年1月1日~2009年12月31日の間に、新たに経口血糖降下薬による治療を開始した2型糖尿病患者であった。フォローアップ期間中の膀胱がんの発症状況を調査し、膀胱がんと診断された個々の患者と出生年、試験登録年、性別、フォローアップ期間をマッチさせた最大20人を対照とした。ピオグリタゾンの投与期間および総投与量と、膀胱がんの発症リスクとの関連を評価した。リスクとベネフィットを評価する際は留意すべき 新規の経口血糖降下薬使用患者11万5,727例のうち、フォローアップ期間中に470例が膀胱がんと診断された(89.4例/10万人・年)。このうちフォローアップ期間が1年以上の376例と、マッチさせた6,699人の対照について解析した。 全般的に、ピオグリタゾンの使用は膀胱がんのリスク増大と有意に関連した(率比:1.83、95%信頼区間[CI]:1.10~3.05)。使用期間が長くなるほどリスクが増大し、24ヵ月以上投与された患者(率比:1.99、95%CI:1.14~3.45)および総投与量が28,000mg以上の患者で最もリスクが高かった(率比:2.54、95%CI:1.05~6.14)。 著者は、「ピオグリタゾンの使用により2型糖尿病患者における膀胱がんのリスクが増大する」と結論付け、「同じチアゾリジン系薬剤のrosiglitazoneではリスクの増大は認めなかった。リスクが明確に増大するのは、投与期間24ヵ月以降、総投与量が28,000mg以上に達してからで、以前の観察試験ではこの点が過小評価された可能性があり、リスクとベネフィットを評価する際は留意すべき」と指摘している。

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新たな冠動脈疾患の予測モデル、有病率が低い集団でも優れた予測能

オランダ・エラスムス大学医療センターのTessa S S Genders氏らが新たに開発した冠動脈疾患の予測モデルは、有病率が低い集団においても優れた予測能を示すことが、同氏らが実施した検証試験で確認された。検査前確率は、患者にとって最も有益な検査法を決めるのに有用とされる。ACC/AHAやESCの現行ガイドラインでは、安定胸痛がみられる患者における冠動脈疾患の検査前確率の評価には、Diamond and ForresterモデルやDuke臨床スコアが推奨されているが、いずれの方法にもいくつか欠点があるという。BMJ誌2012年6月23日号(オンライン版2012年6月12日号)掲載の報告。新規予測モデルの予測能を後ろ向き統合解析で検証研究グループは、有病率の低い集団における冠動脈疾患の検査前確率の評価に有用な予測モデルを開発するために、個々の患者データのレトロスペクティブな統合解析を行った。ヨーロッパおよび米国の18施設から、冠動脈疾患の既往歴のない安定胸痛患者が登録された。CTあるいはカテーテルベースの冠動脈造影所見に基づき、低有病率または高有病率の集団に分類した。主要評価項目は閉塞性冠動脈疾患(カテーテル冠動脈造影で1つ以上の血管に≧50%の狭窄)とした。予測モデルは、基本モデル(年齢、性別、症状、有病率の高低)、臨床モデル(基本モデルの因子、糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙)および拡張モデル(臨床モデルの因子、CT冠動脈造影によるカルシウムスコア)で構成された。低有病率の集団のデータセットを用いて、交差検証法(cross validation)による解析を行い、識別能(C統計量)、キャリブレーション、純再分類改善度(net reclassification improvement; NRI)ついて評価した。冠動脈カルシウムスコアを加えると予測能がさらに改善解析の対象となった5,677例(男性3,283例[平均年齢58歳]、女性2,394例[同:60歳])のうち、5,190例(91%)でCT冠動脈造影が施行され、1,634例(31%)が閉塞性冠動脈疾患と診断された。このうち1,083例(66%)にカテーテル冠動脈造影が施行され、886例(82%)に閉塞性冠動脈疾患が確認された。CT冠動脈造影で閉塞性冠動脈疾患がみられなかった3,556例のうち、526例にカテーテル冠動脈造影が施行され、閉塞性冠動脈疾患が否定されたのは498例(95%)だった。全体として、カテーテル冠動脈血管造影が施行されたのは2,062例(36%)で、そのうち閉塞性冠動脈疾患と診断されたのは1,176例(57%)であった。単変量および多変量解析では、すべての予測因子が疾患の発現と有意に関連した。臨床モデルの予測能は、基本モデルに比べ優れていた(交差検証されたc統計量が0.77から0.79に改善、NRI:35%)。拡張モデルの冠動脈カルシウムスコアは主要な予測因子であった(同:0.79から0.88に改善、102%)。著者は、「年齢、性別、症状、心血管リスクなどから成る新たな予測モデルにより、有病率が低い集団における冠動脈疾患の検査前確率の正確な予測が可能となった。この予測モデルに冠動脈カルシウムスコアを加えると、予測能がさらに改善された」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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糖尿病発症年齢別にみた、膵臓がんのリスク因子

糖尿病は、膵臓がん(PaC)のリスク因子とされているが、最近では、糖尿病自体がPaCの初期兆候として考えられている。今回、東京大学の水野氏らの研究で、糖尿病発症年齢に応じたPaCのリスク因子が明らかになり、PaCの初期兆候とこれらリスク因子を組み合わせることが、PaCのスクリーニングに有用である可能性が示された。(J Gastroenterol 誌オンライン版2012年6月28日付)対象は、PaCと診断された40例の糖尿病患者と、悪性腫瘍のない120例の糖尿病患者。糖尿病の発症年齢に応じて、PaCの初期兆候とリスク因子について分析した。主な結果は以下のとおり。 ・対象者の糖尿病発症年齢ピークは、40~45歳と60~65歳であった。そこで、糖尿病発症年齢別に早期発症型(

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リナグリプチンは、SU薬に比べ低血糖リスクを減らし、HbA1c値低下効果は非劣性

メトホルミン投与下の2型糖尿病患者へのDPP-4阻害薬、リナグリプチン(商品名:トラゼンタ)追加投与の有効性と安全性に関するデータが示された。対照薬であるSU薬グリメピリド(商品名:アマリールなど)に比べ、主要評価項目であるHbA1c値低下効果においてリナグリプチンの非劣性が証明され、低血糖発現頻度が低いことが明らかになった。Baptist Gallwitz氏らによりLancet誌Early Online Publication 2012年6月28日付で報告された。対象は、メトホルミン単独、またはメトホルミンにほかの経口糖尿病治療薬1剤を追加されたHbA1c(NGSP)値6.5 ~10%の外来患者。対象患者はリナグリプチン(5 mg/日)群777例またはグリメピリド(1〜4 mg/日)群775例に無作為に割り付けられ、104週後のHbA1c値の変化を主要評価項目とし、安全性と有効性について検討された。2年間にわたる並行群間非劣性二重盲検試験。主な結果は以下のとおり。 ・主要評価項目の解析対象は、リナグリプチン群764名、グリメピリド群755名であった。・ベースラインHbA1c値は両群ともに7.69%[標準誤差(SE):0.03]・調整後の平均HbA1c値の変化は、リナグリプチン群で-0.16%[SE:0.03]、グリメピリド群で-0.36%[SE:0.03]であった。群間差は0.20%(97.5%CI:0.09~0.30)と、事前に定義された非劣性基準の群間差0.35%以内を満たしており、リナグリプチンのグリメピリドに対する非劣性が証明された。・低血糖発現率はリナグリプチン群7%(58例/776例)と、グリメピリド群の36%(280例/775例)に比べ、有意に少なかった(P

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ミグリトールが内臓脂肪と心血管リスク因子を減少させる:琉球大、徳島大

αグルコシダーゼ阻害薬であるミグリトールは、内臓脂肪やインスリン必要量を減少させることにより抗肥満作用を有する可能性が示された。琉球大と徳島大の共同研究グループにより明らかにされた。(Int J Cardiol誌 2012年6月19日オンライン版)薬物ナイーブのメタボリックシンドローム患者を継続的に募集し、協力が得られた111例が対象。これらはライフスタイル改善単独群(LSM)、またはLSM に加えミグリトール(50mg×3回/日)を投与した群(ミグリトール群)に無作為に割り付けられた。主な結果は以下のとおり。 ・治療12週後、ミグリトール群(n=42)において、LSM群(n=43)に比べ、体重(5.1%)、BMI(4.9%)および腹囲径が減少した。・75 g経口ブドウ糖負荷試験により、ミグリトール群のみで、インスリンとグルコースの血漿中濃度が低下した。・内臓脂肪面積は、LSM群に比べ、ミグリトール群で大幅に減少した(LSM群:ベースライン184 vs 12週後 174cm2, p

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仏サノフィとジョスリン糖尿病センターが提携、糖尿病の新薬開発へ

フランス、サノフィ社とハーバード大学医学部付属の教育研究機関であるジョスリン糖尿病センターは19日(現地時間)、糖尿病と関連疾患の治療に向けた新薬開発を促進する新たな研究提携契約を締結したことを発表した。今回の提携は、米国マサチューセッツ州ボストンで開催された2012年バイオ国際会議(Bio International Convention)において発表されたもの。サノフィ・アベンティス株式会社が29日に報告した。ジョスリン糖尿病センターは糖尿病の研究と治療に豊富な経験を有する施設で、今回の提携契約では糖尿病とこれに関連する代謝障害における4つの領域を重要分野とし、糖尿病の後期合併症の治療に用いるバイオ医薬品や低分子医薬品の候補となる新規物質や、効果を絞り込んだ新規インスリンアナログの創薬を目指すという。また、インスリン抵抗性やパーソナライズド・メディシン(個別化医療)にも取り組み、糖尿病患者の生活改善を目標とする研究も行うとのこと。仏サノフィ社の国際研究開発部門のエリアス・ザフーニ氏は、「サノフィ糖尿病領域部門とジョスリン糖尿病センターという糖尿病治療における二大陣営の提携は、糖尿病の本質をより良く理解し、新しい治療法の開発に向けた新たな道筋を示す可能性があります。また本提携は、糖尿病の管理とケアの改善と革新的な研究戦略の策定に向けたサノフィの取り組みを示すものでもあります」と述べている。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.sanofi-aventis.co.jp/l/jp/ja/download.jsp?file=2D5DBFA3-0C5B-46EE-BA20-58C480CA99F2.pdf

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医師が抱く、「インスリン使用」への抵抗感  ~DAWN JAPAN Study~

インスリン療法は2型糖尿病において良好な血糖コントロールを実現する手段だが、一般的にインスリンの導入開始時期は遅れがちであると言われる。今回、天理よろづ相談所病院の石井氏らの研究で、「医師が抱くインスリン治療に対する心理的障壁」についての検討結果が明らかになった。2012年6月14日、PLoS One誌で公開された報告。本研究は、2004 年から2005年にかけて日本国内で実施された、インスリン療法に対する心理的障壁についての実態調査DAWN JAPAN研究(Diabetes Attitudes,Wishes, and Needs study-JAPAN)の結果をもとに行われた。対象は、日本糖尿病学会認定専門医師(n=77)、日本糖尿病学会会員医師(n=30)、日本糖尿病学会非会員医師(n=27)の計134名の医師 。新たに開発された27の質問項目から成る調査票を用いて実施された。この結果、医師側がインスリン療法に何らかの不安を抱いていることが示された。この不安がインスリンの導入開始時期の遅れにもつながっている可能性が考えられると著者は考察している。主な結果は以下のとおり。 ・参加医師によって治療されている患者は合計11,656名・患者の平均年齢は64.1歳、糖尿病罹病期間は平均121.6ヵ月、平均HbA1c(NGSP)値は7.5%で、全患者の27.4%でインスリンが使用されていた。・医師が抱く、インスリン治療に対する心理的障壁のうち、JDS認定専門医師群とJDS非会員医師群とで有意差のあった項目は、「インスリン療法の支援が可能な医療スタッフ(看護師・薬剤師)がいない」 (1.3% vs 55.5%)、「高齢者に対するインスリン療法に何らかの懸念がある」(38.1% vs 81.5%)、「インスリン導入のための患者指導や教育を行うことが困難」(16.9% vs 55.5%) であった。・医師がインスリン導入を患者に勧める際の平均HbA1c(NGSP)値は8.7%であった。しかし、自分自身にインスリン導入が必要になると仮定した場合には、その数値は8.2%まで減少した。(ケアネット 佐藤 寿美)〔関連情報〕 動画による糖尿病セミナー (インスリンなど)

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糖尿病、一過性でも血糖値が正常化すれば糖尿病リスクが低減

糖尿病糖尿病の高リスク状態であり、たとえ一過性にでも血糖値が正常値に回復すれば、前治療とは無関係に将来の糖尿病リスクが有意に低下することが、米国コロラド大学のLeigh Perreault氏らが進めるDPPOS試験で示された。疾病対策予防センター(CDC)の試算によれば、米国ではおよそ7,900万人が空腹時高血糖または耐糖能異常もしくはその両方の病態を呈する前糖尿病だという。糖尿病やその合併症の予防には、前糖尿病の解消および正常血糖値への回復が重要とされる。Lancet誌2012年6月16日号(オンライン版2012年6月9日号)掲載の報告。前糖尿病持続例と血糖値正常化達成例のリスクを評価DPPOS(Diabetes Prevention Program Outcomes Study)試験は、糖尿病高リスク例に対する予防治療の無作為化試験であるDPP(Diabetes Prevention Program)試験の参加者を対象とした観察試験である。DPP試験の介入期間中央値は3.2年で、2001年7月31日に終了した。13ヵ月の移行期間の後、DPPOS試験が開始された。DPP試験の参加者3,234例のうち2,761例(85%)がDPPOS試験に登録された。DPPOS試験の観察期間中央値は5.7年であった。DPPOS試験の参加者のうち、前糖尿病状態が持続した例および血糖値の正常化を達成した例[1,990例(72%)、DPP試験での治療割り付け:生活習慣強化介入群736例、メトホルミン群647例、プラセボ群607例]について、糖尿病の発生状況を評価した。治療法によらず、1回以上血糖値が正常化した患者で56%リスク低下DPPOS試験中の糖尿病リスクは、前糖尿病状態が持続した患者に比べ、血糖値が1回以上正常化した患者で56%低下し(ハザード比[HR]:0.44、95%信頼区間[CI]:0.37~0.55、p<0.0001)、DPP試験で割り付けられた治療の影響は認めなかった(血糖値正常化と生活習慣強化介入の交互作用検定:p=0.1722、血糖値正常化とメトホルミン治療の交互作用検定:p=0.3304)。DPPOS試験における血糖値正常化の達成は、糖尿病リスクの増大に関与する因子の多く(すべてではないが)と逆相関を示した。DPP試験で血糖値が正常化しなかった患者のうち、生活習慣強化介入群は、DPPOS試験における糖尿病リスクが高く(HR:1.31、95%CI:1.03~1.68、p=0.0304)、血糖値正常化の可能性が低かった(オッズ比[OR]:0.59、95%CI:0.42~0.82、p=0.0014)。著者は、「前糖尿病糖尿病の高リスク状態であり、特に生活習慣強化介入を行っても前糖尿病状態が解消しない場合はリスクが高い。一過性にでも血糖値が正常値に回復した場合は、前治療とは無関係に将来の糖尿病リスクが有意に低下する」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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糖尿病管理への質改善戦略の導入、治療効果の向上に寄与

糖尿病管理への質改善(quality improvement:QI)戦略の導入によって治療効果が向上することが、カナダSt Michael病院Li Ka Shing Knowledge InstituteのAndrea C Tricco氏らの検討で示された。糖尿病の管理は複雑なため、プライマリ・ケア医と他の医療従事者の連携が必要であり、患者の行動変容や健康的な生活習慣の奨励なども重要な課題とされる。糖尿病治療におけるQI戦略の効果に関する以前の系統的レビューでは、HbA1c以外の要素は検討されていないという。Lancet誌2012年6月16日号(オンライン版6月9日号)掲載の報告。QI戦略の有効性をメタ解析で評価研究グループは、糖尿病患者におけるHbA1c、血管リスク管理、細小血管合併症のモニタリング、禁煙に対するQI戦略の有効性を評価するために系統的なレビューとメタ解析を行った。Medline、Cochrane Effective Practice and Organisation of Care databaseおよび無作為化試験の文献を検索して、成人糖尿病外来患者を対象に11のQI戦略(医療組織、医療従事者、患者を対象としたQI戦略から成る)について検討した試験を抽出した。2名の研究者が別個に、抽出されたデータをレビューし、バイアスのリスク評価を行った。患者に対するQI戦略とともに医療組織への介入が重要48のクラスター無作為化試験(2,538クラスター、8万4,865例)と94の無作為化試験(3万8,664例)が解析の対象となった。ランダム効果モデルによるメタ解析では、標準治療に比べQI戦略では、HbA1cが0.37%(95%信頼区間[CI]:0.28~0.45、120試験)、LDLコレステロールが0.10mmol/L(95%CI:0.05~0.14[=3.87mg/dL、95%CI:1.935~5.418]、47試験)、収縮期血圧が3.13mmHg(95%CI:2.19~4.06、65試験)、拡張期血圧が1.55mmHg(95%CI:0.95~2.15、61試験)それぞれ低下した。ベースラインのHbA1cが8.0%以上、LDLコレステロールが2.59mmol/L(=100.233mg/dL)以上、拡張期血圧が80mmHg以上、収縮期血圧が140mmHg以上の場合にQI戦略の効果が大きかった。また、ベースラインのHbA1cのコントロール状況によってQI戦略の効果にばらつきがみられた。QI戦略では、標準治療に比べアスピリン(相対リスク[RR]:1.33、95%CI:1.21~1.45、11試験)や降圧薬(RR:1.17、95%CI:1.01~1.37、10試験)の使用が増加し、網膜(RR:1.22、95%CI:1.13~1.32、23試験)、腎症(RR:1.28、95%CI:1.13~1.44、14試験)、足の異常(RR:1.27、95%CI:1.16~1.39、22試験)のスクリーニングが増加した。一方、QI戦略はスタチンの使用(RR:1.12、95%CI:0.99~1.28、10試験)、降圧コントロール(RR:1.01、95%CI:0.96~1.07、18試験)、禁煙(RR:1.13、95%CI:0.99~1.29、13試験)には有意な影響を示さなかった。著者は、「多くの試験において、QI戦略による糖尿病治療の改善効果が示された」と結論し、「糖尿病管理の改善を目指した介入では、患者に対するQI戦略とともに医療組織への介入を行うことが重要である。医療従事者に限定した介入は、ベースラインのHbA1cコントロールが不良な場合にのみ有用と考えられる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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エキスパートへのQ&A ~エキスパートDrに聞く~

慢性腎臓病(CKD)の概念が提唱され、10年が経ちました。この間、本疾患に対する注目度や臨床医の治療経験が飛躍的に向上し、今では、コモン・ディジーズの一つとなりました。このCKD診療の浸透に大きな役割を果たした『CKD診療ガイド』が、2012年6月に改訂されました。ケアネットでは、『CKD診療ガイド』改訂を機に、CKD診療に関する質問を会員の医師より募集しました。この質問に、常喜信彦先生(東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科 准教授)が回答します。常喜信彦先生東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科 准教授CKD患者を専門医に紹介するにしても、腎臓専門医の人数は少なく、それほど多くの患者を診療することは難しいかと思います。どのような患者であれば、専門医に紹介すべきでしょうか?とくに軽症の患者さんを専門医に送るときの判断について教えてください。たとえ蛋白尿が認められていても、またeGFRが45 mL/分/1.73m2と低下していたとしても、極論を言えばそれ以上悪くならなければ、臨床上まったく問題はないわけですが、進行性のCKDが疑われるならば、専門医への紹介が望まれます。進行性を疑う最も強力なマーカーは蛋白尿の量になります。1日換算量で0.5 g以上認められ、かつその量が半年から1年の経過で増加傾向を示す時には積極的に専門医に紹介すべきです。eGFRについても進行性に低下する場合は同様です。尿蛋白の測定は、どのようにしていますか? 自費で行う場合もありますか? 対象となる患者を教えてください。最も一般的な方法は、随時尿の蛋白尿量を尿中Cr値で割った1日換算量を求める方法です。この方法で算出された1日換算量は、24時間畜尿により求められた蛋白尿と非常によく相関することがわかっています。高血圧、糖尿病、高脂血症といったいわゆる古典的な動脈硬化危険因子で診療中の患者、メタボリックシンドロームの患者には積極的に尿蛋白の測定を行うことを推奨します。蛋白尿をきたす原因として、若年では慢性糸球体腎炎も頻度が高くなります。微量アルブミン尿は保険診療の上では、糖尿病性腎症が疑われる時に適応となります。日常診療の中で、それ以外の疾患にまで微量アルブミン尿を計測拡大させる必要はないと思います。それよりも、まず通常の尿蛋白1日換算量を忘れずに確実に測ることが推奨されます。病状評価にあたり、初診時に何を行いますか? 定期検査の頻度についても教えてください。慢性腎臓病の診断、重症度の評価をするときに必須の検査は、1日換算量の蛋白尿ないしアルブミン尿とeGFR値になります。この2つの検査は必須とお考えください。加えて、腎の形態的異常の把握のために腎臓超音波を行えば、慢性腎臓病の病状評価としては必要な検査はそろいます。今回renewalされたCKD診療ガイドでは、尿蛋白1日換算量とeGFR値から、腎臓専門医への受診間隔の目安が示されています。ご参考いただければと思います。腎臓専門医への受診間隔(月)画像を拡大する血圧やコレステロールもそれほど高くない患者の場合、尿所見とeGFRのみで患者さんの受診を持続させられるものでしょうか? 患者さんの受診モチベーションをあげる方法などありますか?CKD診療ガイドに示されている、慢性腎臓病の重症度評価の色別表を使用されてはいかがでしょうか。将来、末期腎臓病に至るリスクや心血管イベントを起こすリスクが色別に表記されており、患者さんにお見せしても非常にわかりやすい表かと思います。今回、同時に、その表をもとにした、診療間隔目安表も公開されました。ご参考いただければと思います。CKDの重症度分類画像を拡大するLDL-Cと中性脂肪の両方が高いCKD患者さんには、フィブラートとスタチンのいずれを用いればよいでしょうか?まだ、答えの出ていない分野かもしれません。まずフィブラート系の治療薬はeGFR30 mL/分/1.73m2未満では使用できませんので、CKDステージ3までの患者でどう考えるべきか、ということになります。CKD患者における脂質代謝異常の治療に関する証拠はかなり限られたものになり、不十分と言わざるを得ません。しかしながらLDL-CとTGを比較したとき、どちらのパラメーターに関する治療成績が多いかと言えばLDL-Cになるかと思われます。選択するとなれば、LDL-C低下作用に秀でたスタチンになるかと思います。参考までに、スタチンとフィブラートの併用は横紋筋融解症の危険が高まるため、原則禁忌とされています。必然的にCKD患者の高TG血症へはニコチン酸系薬剤を使用することが多くなります。高尿酸血症の管理について、管理する患者や介入開始尿酸値、管理目標値などについて教えてください。高尿酸血症がCKDの発症、進行に深くかかわる因子であることが明らかとなってきました。わが国の報告で、住民健診で尿酸値について男性7.0mg/dL以上、女性6.0mg/dL以上を高尿酸血症と定義したとき、高値群で末期腎臓病への移行リスクが高くなることが報告されています。男性7.0mg/dL未満、女性6.0mg/dL未満を管理目標値と考えてよいでしょう。管理の第一段階は、過食、高プリン・高脂肪・高たんぱく質食の嗜好、常習飲酒、運動不足などを是正する生活習慣の改善です。一方、CKD ステージ 4~5 において生活習慣改善にもかかわらず血清尿酸値が9.0mg/dL 超える無症候性高尿酸血症では、証拠はないものの薬物治療が考慮される場合が多いです。結局は血圧、血糖、脂質を良好にコントロールすることがCKD進行の予防になると考えます。血清クレアチニン正常の患者さんをあえて混んでいる大病院腎臓内科に紹介するメリットは何でしょうか?ひとつは潜在する腎炎の合併を除外するためです。とくに蛋白尿量が多い患者さんでは、その疑いが強くなります。たとえ腎炎であっても、血圧、血糖、脂質の管理を厳密に行うことに変わりはありませんが、腎炎を併発していれば、その腎炎に介入治療することで、腎障害の進行を抑えられる可能性もあります。また、栄養指導、食事療法を行うという意味では、基幹病院の方が有利かもしれません。eGFR60以上でも、3-6ヵ月に1回、腎臓専門医を受診することが推奨されています。

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緊急調査! CKD診療。6つの疑問

2012年6月、3年ぶりに『CKD診療ガイド』が改訂された。ケアネットでは、この改訂における注目のポイントについて、緊急アンケートを実施したので、その結果を報告する。対象ケアネット会員の医師方法インターネットを介した調査実施期間2012年6月今回の診療ガイド改訂で、診療上に影響がある内容をお知らせください(複数回答可)先生はGFRが60mL/min/1.73m2以上の患者さんのフォローアップにおいて、どれくらいの頻度で蛋白尿ないしアルブミン尿を測定していますか?蛋白尿の程度により心血管死や末期腎不全の発症リスクが異なる数々のエビデンスを受け、今回のCKD診療ガイド改訂では、CKDの重症度分類に腎機能(GFR)に加えて、蛋白尿区分が加えられました。これを受けて、先生は、蛋白尿検査の頻度や対象者を増やそうと思いますか?先生がCKDのスクリーニングとして、生活習慣病(糖尿病を除く)の初診時に患者さんにおこなう検査は次のうちいずれですか?(複数回答可)先生が尿蛋白の定量(アルブミン尿を含む)をおこなうのは、どのような患者さんですか?CKD患者における降圧の目標値が、CKD診療ガイドでは、130/80mmHg以下となっています。この値についてどのように考えますか?

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新規2型糖尿病におけるインスリン持効型の投与は心血管疾患を増やすのか?

ORIGIN試験(Outcome Reduction with an Initial Glargine Intervention)研究グループは、11日、境界型を含む2型糖尿病患者に持効型インスリンを投与しても、従来治療に比べ、心血管イベント発生、がん発生に差を認めなかったことをNEJM誌オンライン速報版に発表した。このORIGIN試験では40ヵ国で2003年9月~2005年12月までに参加登録された症例を6年間追跡した。研究費提供元はサノフィ。 [国内での販売名] インスリングラルギン・・・ランタス空腹時血糖異常(IFG)、耐糖能異常(IGT)または新規2型糖尿病を受けた、心血管疾患イベント高リスク者12,537例が対象となった。対象患者は、2x2 factorialデザインにより、標準治療群とインスリングラルギン投与群(以下、持効型インスリン群)のいずれかに無作為に割り付けられた。その後ω3系多価不飽和脂肪酸投与群とプラセボ投与群にも無作為に割り付けられた。主要評価項目は、「非致死性心筋梗塞+非致死性脳卒中+心血管死」の3項目から成る心血管疾患複合エンドポイント。副次評価項目は、主要評価項目に「血行再建術」と「心不全による入院」を加えた5項目から成る心血管疾患複合エンドポイント。主な結果は、下記のとおり。1. 追跡期間の中央値は6.2年。2. 主要評価項目である心血管疾患複合エンドポイント(3項目)の発生は、  持効型インスリン群2.94/100人・年、標準治療群2.85/100人・年。  ハザード比=1.02(95%信頼区間=0.94-1.11、P=0.63)。3. 心血管疾患複合エンドポイント(5項目)の発生は 、  持効型インスリン群5.52/100人・年、標準治療群5.28/100人・年。  ハザード比=1.04( 95%信頼区間=0.97〜1.11,P=0.27)。4. ベースライン時に糖尿病と診断されていない1,456例における  糖尿病新規発症率は、持効型インスリン群 30%、  標準治療群35%(オッズ比=0.80。95%信頼区間=0.64~1.00、P=0.05)。5. 重篤な低血糖は 持効型インスリン群で1.00/100人・年、  標準治療群で0.31/100人・年と、持効型インスリン群で有意に高率(P<0.001)。6. 平均体重の増加は 持効型効型インスリン群で1.6kg増、標準治療群で0.5kg減。7. 標準治療群に対する持効型インスリン群のがん発生のハザード比は  1.00(95%信頼区間=0.88〜1.13、P=0.97)。(ケアネット 藤原 健次)

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SU薬か、GLP-1受容体作動薬か?-メトホルミン難治性2型糖尿病-(Lancet 6月16日発表)

ドイツ エバーハルト・カール大学のBaptist Gallwitz氏は、16日、メトホルミン単剤投与で血糖コントロールが不良の2型糖尿病患者において、SU薬グリメピリドに比べ、GLP-1受容体作動薬エキセナチドの追加投与の有効性が高いことをLancet誌に発表した。これは2006年9月から2011年3月に欧州14ヵ国、128施設が参加して実施されたEUREXA(European Exenatide trial)試験の結果。研究費提供元はイーライリリー。[国内での主たる販売名] メトホルミン・・・メトグルコ グリメピリド・・・アマリール エキセナチド・・・バイエッタメトホルミン単剤を最大用量投与してもHbA1cが6.5〜9.0未満の肥満2型糖尿病患者1,029例(18〜85歳、BMI 25〜40未満)が対象となった。対象患者はメトホルミン+エキセナチド併用群515例、メトホルミン+グリメピリド併用群514例のいずれかに無作為に割り付けられた。主要評価項目は、一定の治療期間に対する血糖コントロール不十分で他の治療が必要となる割合とされた。具体的には3ヵ月後のHbA1c>9%、または6ヵ月後以降3ヵ月の間隔で2回連続してHbA1c>7%。主な結果は、下記のとおり。1. 期間内に目標血糖値に到達しなかった症例数は、エキセナチド群で409例中203例(41%)、グリメピリド群で487例中262例(54%)。  治療不成功率はエキセナチド群のほうが有意に少なかった。  リスク差=12.4%(95%信頼区間:6.2-18.6)、 ハザード比=0.748(95%信頼区間:0.623-0.899、P=0.002)。2. HbA1c<7%達成例(44% vs 31%,P<0.0001)、≦6.5%達成例(29% vs 18%,P=0.0001)は  エキセナチドのほうが多かった。3. 体重の変化はエキセナチド群で3.32kg減少、グリメピリド群で1.15kg増加(P<0.0001)。4. 低血糖発生率はエキセナチド群が低率(20% vs 47%;P<0.0001)5. エキセナチド 群174例、グリメピリド群128例が試験治療を中止。  エキセナチド群で有意に高率。エキセナチド群における主な理由は、消化管症状。(ケアネット 藤原健次)

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インスリン デグルデクの配合製剤は、低血糖リスクが低い(vs二相性インスリンアスパルト-30)

新規のインスリン配合製剤「インスリンデグルデク/インスリンアスパルト」は、二相性インスリンアスパルト-30に比べ、低血糖発現頻度を有意に低下させつつ、同程度の血糖コントロールを示すことが明らかになった。フィンランドのNiskanen氏らによる報告(Eur J Endocrinol誌オンライン版2012年6月1日号掲載)。インスリンデグルデク/インスリンアスパルト(IDegAsp)は、超持効型のインスリンデグルデク(IDeg)を70%、超速効型のインスリンアスパルト(IAsp)を30%含有するインスリン製剤である。本試験の対象は、HbA1c(NGSP)値7.0~11.0%のインスリン治療未経験の2型糖尿病患者(18~75歳)。被験者をIDegAsp(IDeg70%/ IASP30%)群と、その代替製剤(AF)群(IDeg55%/ IAsp45%)と、二相性インスリンアスパルト-30(BIAsp 30)群の3群に分け、有効性と安全性を比較した。16週間のオープンラベルランダム化treat-to-target試験。被験者はIDegAsp群 (n=61)、 AF群 (n=59)、 BIAsp 30群 (n=62) に無作為に割り付けられた。全群でメトホルミンとの併用がみられた。インスリンは、朝食前と夕食前に投与され、朝食前と夕食前の血糖値が4.0~6.0 mmol / Lになるように用量が設定された。この結果、「インスリンデグルデク/インスリンアスパルト」は、二相性インスリンアスパルト-30に比べ、低血糖発現頻度を有意に低下させつつ、同程度の血糖コントロールを示すことが証明された。主な結果は以下のとおり。 ・試験終了時の平均HbA1c(NGSP)値は、IDegAsp群:6.7%、AF群:6.6%、BIAsp 30群:6.7%と、同程度であった。・試験終了までの4週間、確定低血糖の発現なくHbA1c値7.0%を達成した割合は、IDegAsp群で67%、AF群で53%、 BIAsp 30群で40%であった。・試験終了時の平均空腹時血糖値はIDegAsp群で有意に低かった(vs. BIAsp 30群)。その差は0.99 mmol /L (95%Cl:-1.68~0.29)。・確定低血糖の発現率はBIAsp 30群と比べ、IDegAsp群で58%のリスク低下を認めた(率比[rate ratio;RR]:0.42、95%CI:0.23~0.75 )。AF群も同様の結果であった(RR:0.92 、95%CI:0.54~ 1.57)。・夜間の確定低血糖発現率もBIAsp 30群と比べ、IDegAsp群、AF群において共に低かった。(RR:0.33、95%CI:0.09~1.14/RR:0.66、95%CI:0.22~1.93) (ケアネット 佐藤 寿美)

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