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ボーナス付きP4Pが住民健康格差を解消

イギリスでは2004年に、開業医に対して新たにQOF(quality and outcomes framework)という診療報酬支払制度(P4P:pay for performance)が導入された。プライマリ・ケアの構成、プロセス、予後を135のパフォーマンス指標(現在)で評価し、指標の目標値達成の場合ボーナスが支給されるというもので、契約開業医の年収は30%強増したと言われている。指標の大半は健康保持・増進、疾病予防に関するもので、慢性疾患を有する45歳以上の全患者については血圧モニタリングが毎年義務づけられている。この制度導入には、生活レベルの異なる地域住民間の健康格差解消も期待されていた。ロンドン大学医療・社会・ケア調査部門/一般診療・プライマリ・ケア部門のMark Ashworth氏らが、導入後3ヵ年(2005~2007年)の推移について調査をしたところ、ねらいどおりの変化が起きていることが報告された。BMJ誌2008年11月22日号(オンライン版2008年10月17日号)掲載より。最低所得層と最高所得層とにあった平均血圧値の差異1.7%が3年後には0.2%に調査は、各年受診患者の診療データから、血圧値と慢性疾患の有病率を評価し行われた。評価には、QOFデータ、2001年国勢調査に基づく所得スコア(5段階)・民族データ、一般診療特性データを含む。2004-2005年8,515例(全診療データの99.3%)、2005-2006年8,264例(98.3%)、2006-2007年8,192例(97.8%)の診療データが解析された。2005年に血圧値が記録された成年者は82.3%(n=52.8 million)だったが、2007年までにこの比率は88.3%(n=53.2 million)まで上昇した。また当初、最低所得層と最高所得層との間に1.7%の平均血圧値の差異があったが、3年後には0.2%に狭まっていた。目標血圧値達成率も差異が解消2005年の糖尿病、虚血性心疾患における目標血圧値達成率は、最高所得層ではそれぞれ71.0%(95%信頼区間:70.4%~71.6%)、85.1%(84.7%~85.6%)だったのに対し、最低所得層では68.9%(68.4%~69.5%)、81.8%(81.3%~82.3%)であった。それが3年後には、最高所得層で78.6%(78.1%~79.1%)、89.4%(89.1%~89.7%)に上昇する一方、最低所得層も同様に上昇し79.2%(78.8%~79.6%)、88.4%(88.2%~88.7%)の達成率となっていた。同様の変化は、高血圧、脳血管疾患、慢性腎疾患でも観察された。このためAshworth氏は「2004年に導入されたP4Pは、血圧モニタリングおよびコントロールの大幅な改善に結びついている。所得間であった差異の解消ももたらされた」と結論している。

4382.

HbA1c値に改善のきざし ―糖尿病バロメーターの最新報告より

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社と有限責任中間法人糖尿病データマネジメント研究会が20日に、糖尿病ケアの指標を示す「糖尿病バロメーター」の最新の結果を報告した。2007年の調査に参加した60施設、40,144人の患者(1型、2型を含む糖尿病全体)をもとにしたHbA1c値は、1型患者で7.51%、2型患者では6.85%で、平均で6.88%であった(2006年: 6.99%)。糖尿病バロメータープロジェクトは、患者の大規模実態調査をもとに、日本の糖尿病治療の現状を把握しようという試みで、主要指標としてはHbA1c平均値を用いて数値のモニタリングと改善を行うもの。糖尿病データマネジメント研究会が管理している国内最大級の糖尿病患者データベースから数値を導き出し、日本糖尿病学会が設定した目標値との比較において状況を評価しているという。詳細はプレスリリースへhttp://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_08_34.asp

4383.

欧州でアクトスとメトホルミン徐放製剤の合剤の販売許可を申請

武田薬品工業株式会社は21日、同社の100%子会社である武田グローバル研究開発センター株式会社(英国・ロンドン)が、2型糖尿病治療薬アクトス(一般名:塩酸ピオグリタゾン)とメトホルミン徐放製剤の合剤について、欧州医薬品審査庁(EMEA)に中央審査方式による販売許可申請を行ったと発表した。アクトスとメトホルミンの合剤であるCompetactは、2006年8月に1日2回投与製剤として販売許可を取得し、欧州各国にて販売されているが、今回申請した合剤は1日1回投与製剤。アクトスは、同社が世界に先駆けて発見したチアゾリジンジオン骨格を有する糖尿病治療薬で、2型糖尿病患者に特徴的な病態であるインスリン抵抗性を改善することにより効果を発揮する薬剤である。一方、メトホルミンは主に肝臓での糖の産生を抑制する薬剤。作用機序の異なる両剤の併用により、2型糖尿病患者の血糖コントロールに有効な治療法を提供することになるという。詳細はプレスリリースへhttp://www.takeda.co.jp/press/article_31210.html

4384.

2型糖尿病日本人患者への低用量アスピリン投与:JPAD報告

2型糖尿病患者に対し低用量アスピリンを投与しても、アテローム性動脈硬化症イベントの発症予防には効果が認められない。これは熊本大学大学院循環器病態学教授の小川久雄氏らが行った、日本人2型糖尿病患者2,539人を対象とするJapanese Primary Prevention of Atherosclerosis With Aspirin for Diabetes(JPAD)の研究結果で、JAMA誌11月12日号(オンライン版2008年11月9日号)で公表された。低用量アスピリンのアテローム性動脈硬化症イベントの予防効果について、2型糖尿病患者を対象に行った研究は珍しい。日本国内163施設で共同研究、追跡期間は4年超同氏らは、2002~2008年にかけて、日本国内163の医療施設で、2型糖尿病患者でアテローム性動脈硬化症の病歴のない、30~85歳の2,539人について、無作為化オープンラベル、エンドポイント盲検試験を行った。追跡期間の中央値は、4.37年だった。アテローム性動脈硬化症イベントとしては、虚血性心疾患と脳卒中、末梢動脈性疾患と定義した。アスピリンの投与量は、1日81mgまたは100mgだった。その結果、試験期間中のアテローム性動脈硬化症イベントは154件で、そのうちアスピリン群は68件、非アスピリン群は86件と、両群に有意差は認められなかった(ハザード比:0.80、95%信頼区間:0.58~1.10、ログランク検定p=0.16)。致死的な冠動脈イベントと同心血管イベントを合わせるとアスピリン群が有意に低率一方、致死的な冠動脈イベントと同心血管イベントを総合すると、アスピリン群では1件だったのに対し、非アスピリン群では10件と、アスピリン群で有意に低率だった(ハザード比:0.10、95%信頼区間:0.01~0.79、p=0.0037)。なお、虚血性脳卒中と胃腸からの出血の発症率は、両群で有意差はなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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小児糖尿病患者の治療薬としてAPIDRAをFDAが承認

サノフィ・アベンティス株式会社は11月11日、APIDRA(インスリン グルリジン〔遺伝子組換え〕注射液)が小児糖尿病患者(4歳以上)の血糖コントロールを改善する薬剤として、米国食品医薬品局(FDA)に承認されたと発表した。APIDRAの小児への適応は、小児(4歳以上)および青少年の1型糖尿病患者572人を対象にAPIDRAとインスリン リスプロを比較した26週間の第III相非盲検実薬対照試験のFDA審査に基づいて承認されたという。APIDRAは作用発現が早く作用時間が短く、通常は持効型インスリンアナログ製剤か他の基礎インスリン製剤と併用する。また、インスリン注入ポンプを用いた血糖コントロールのための治療においても使用することができる。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/6B4A6FC7-7C1D-4956-9F14-37E2F1FCD89C.pdf

4386.

ビタミンEには心血管イベントの予防効果はない

 アスピリン、抗酸化サプリメントを、単独もしくは組み合わせて服用しても、心血管イベントの減少には結びつかないことが報告された。スコットランドの16病院・188開業医グループが参加して行われたPOPADAD試験(prevention of progression of arterial disease and diabetes trial)からの報告。BMJ誌2008年11月1日号(オンライン版2008年10月16日号)にて掲載された。糖尿病患者1,276例を2×2無作為化 POPADAD試験は多施設共同無作為化二重盲検2×2プラセボ対照試験で、「1型もしくは2型糖尿病」「40歳以上」「上腕血流比0.99未満」「無症候性末梢動脈疾患」に該当する患者1,276例が参加し行われた。 被験者は、「アスピリン100mg/日+抗酸化サプリ」(320例)、「アスピリン100mg/日+プラセボ」(318例)、「プラセボ+抗酸化サプリ」(320例)、「プラセボ+プラセボ」(318例)のいずれかに割り付けられ、プライマリエンドポイントは(1)虚血性心疾患あるいは脳卒中による死亡、無症候性心筋梗塞あるいは脳卒中、虚血による上下肢切断、(2)虚血性心疾患あるいは脳卒中による死亡、の2階層を指標に評価が行われた。 投与された抗酸化サプリメントは、ビタミンE 200mg、ビタミンC 100mg、ビタミンB6 25mg、亜鉛10mg、ニコチンアミド10mg、脂質9.4mg、ナトリウム0.8mgを成分とする。アスピリン、抗酸化サプリの単独・組み合わせいずれも効果を見いだせず 主要イベントの発生は、アスピリン投与群で18.2%(116/638例)、非アスピリン投与群では18.3%(117/638)、両群間のハザード比は0.98倍(95%信頼区間:0.76~1.26)だった。虚血性心疾患あるいは脳卒中による死亡は、アスピリン投与群6.7%(43/638例)、非アスピリン投与群5.5%(35/638)、ハザード比は1.23倍(0.79~1.93)。 一方、抗酸化サプリ投与群間では、投与群18.3%(117/640例)、非投与群18.2%(116/636例)で、ハザード比は1.03倍(95%信頼区間:0.79~1.33)。虚血性心疾患あるいは脳卒中による死亡は、投与群6.6%(42/640例)、非投与群5.7%(36/636例)で、ハザード比は1.21倍(0.78~1.89)であった。 本試験では、アスピリンと抗酸化サプリの相互作用を示すエビデンスを見出すこともできなかった。研究グループは、「糖尿病患者の心血管イベント発症および死亡の一次予防としてのアスピリン、抗酸化サプリ服用を推奨するエビデンスを本試験では得られなかった」と結論している。

4387.

アクトスとメトホルミンの合剤を製造販売承認申請

武田薬品工業株式会社は10月30日、2型糖尿病治療剤「アクトス(一般名:pioglitazone)」と同治療剤である「メトホルミン」の合剤について、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。アクトスは、同社が世界に先駆けて発見したチアゾリジンジオン骨格を有する糖尿病治療剤であり、2型糖尿病患者に特徴的な病態であるインスリン抵抗性を改善することによって効果を発揮する。一方、メトホルミンは、主に肝臓での糖産生を抑制する薬剤である。この合剤が承認されれば、2型糖尿病治療剤としては日本で初めての合剤となる。なお、アクトスとメトホルミンの合剤については、米国においてActoplus metの製品名で2005年8月に、また欧州においてCompetactの製品名で2006年7月にそれぞれ承認されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.takeda.co.jp/press/article_30576.html

4388.

糖尿病の妊婦にとって連続血糖モニタリングは有益

妊娠中の連続血糖モニタリングの有効性について、NHSイプスウィッチ病院(イギリス)糖尿病・内分泌学科のHelen R Murphy氏らが無作為化試験を行い検証した。「妊娠末期の血糖コントロール改善、低体重児もしくは巨大児のリスクを低減する」と報告している。BMJ誌2008年10月18日号(オンライン版2008年9月25日号)にて掲載。イギリスにて前向きオープンラベル無作為化試験1型および2型糖尿病を有する妊婦が連続血糖モニタリングを行うことの有効性(母体の血糖コントロール、低体重児および巨大児リスク)を評価するための試験は、イギリスにある糖尿病の妊婦のための健診クリニック2施設で、前向きオープンラベル無作為化試験にて行われた。参加者は、1型糖尿病(n=46)と2型糖尿病(n=25)の女性71例で、妊婦管理+連続血糖モニタリング群(n=38、モニタリング群)と、標準妊婦管理群(n=33、対照群)に割り当てられた。モニタリング群には意思決定を共有するためと4~6週ごとに治療効果を確かめられる教育ツールが用いられた。そのほかの妊婦管理等は両群間で同等だった。主要評価項目は、妊娠中期~末期の母体血糖コントロールとHbA1c値で4週ごとに測定された。副次評価項目は、出生時体重と巨大児リスクのスコア。出生時体重標準偏差スコアと出生時体重のパーセンタイル値(customised birthweight centiles)の指標を用い検討した。統計解析は、intention to treatを基礎に行われた。血糖コントロールを改善し、低体重児、巨大児のリスクを減らす妊娠32~36週までの平均HbA1c値は、モニタリング群5.8%(SD 0.6) vs. 対照群6.4%(SD 0.7)で、モニタリング群のほうが低かった。対照群の乳児と比べて血糖モニタリング群の母親から生まれた乳児の平均出生時体重も、より低かった。出生時体重標準偏差スコアは0.9 vs. 1.6(効果サイズ平均0.7、95%信頼区間:0.0~1.3)。出生時体重のパーセンタイル値の中央値も低く(69% vs. 93%)、巨大児リスクも低かった(オッズ比:0.36、95%信頼区間:0.13~0.98)。この結果Murphy氏は、「妊娠中の連続血糖モニタリングは、妊娠末期の血糖コントロール改善、低体重児もしくは巨大児のリスクを低減する」と結論している。

4389.

降圧薬カンデサルタン、2型糖尿病の網膜症に対する有効性を確認

アンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)であるカンデサルタンは、2型糖尿病における軽度~中等度の網膜症に対する改善効果を有することが、国際的な大規模臨床試験DIRECT-Protect 2により明らかとなった。糖尿病性網膜症は、依然として生産労働年齢人口の失明の主要原因である。2型糖尿病の診断時に約40%が網膜症を併発しており、6年後にはさらに22%が発症するとされる。これに対し降圧薬の有効性が示唆されているが、網膜症をエンドポイントした試験は行われていないという。デンマークOdense大学病院眼科のAnne Katrin Sjolie氏が、Lancet誌2008年10月18日号(オンライン版2008年9月25日号)で報告した。軽度~中等度の網膜症が見られる2型糖尿病患者が対象研究グループは、2型糖尿病患者における網膜症の進行に対するカンデサルタンの抑制効果について検討した。本試験は、309施設が参加した国際的な二重盲検プラセボ対照パラレルグループ無作為化試験である。軽度~中等度の網膜症が見られる2型糖尿病患者が、カンデサルタン16mg/日を投与する群あるいはプラセボ群に無作為に割り付けられた。カンデサルタンの用量は1ヵ月後に32mg/日に増量された。主要評価項目は網膜症の進行、副次評価項目はその退縮とした。網膜症の進行リスクは同等、退縮効果はカンデサルタンが有意に優れる1,905例(37~75歳)が登録され、カンデサルタン群に951例が、プラセボ群には954例が割り付けられた。網膜症がEarly Treatment Diabetic Retinopathy Studyのスケールで3段階以上進行した症例の割合は、カンデサルタン群が17%(161例)、プラセボ群は19%(182例)であった。網膜症の進行リスクは、プラセボ群に比しカンデサルタン群で13%低下したが、有意差は認めなかった(p=0.20)。網膜症の退縮効果は、カンデサルタン群がプラセボ群よりも有意に優れた(ハザード比:1.34、p=0.009)。このハザード比は、ベースライン時のリスク因子や試験中の血圧の変動で補正しても低下せず、有意差は維持された。カンデサルタン群では、試験終了時における網膜症の軽症化の変化率が、全体としてプラセボ群よりも有意に大きかった(オッズ比:1.17、p=0.003)。有害事象ついては両群間に差は見られなかった。著者は、「カンデサルタンは、軽度~中等度の網膜症を有する2型糖尿病において、網膜症の改善効果を発揮する可能性がある」と結論し、「その良好な有効性は、高度な退縮効果とある程度の進行抑制効果によると考えられる」としている。(菅野守:医学ライター)

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2型糖尿病の血圧コントロールによるベネフィットは試験後2年で消失:UKPDS

英国糖尿病前向き研究(UKPDS)では、試験期間中に登録患者を厳格な血圧コントロールと緩やかな血圧コントロールに割り付けた結果、厳格コントロール群では合併症リスクが有意に低下することが示された。この差異が試験終了後も維持されるかどうか、登録患者を長期間追跡調査し検証していたオックスフォード大学チャーチル病院の糖尿病研究班Rury R. Holman氏らは「早期の血圧コントロール改善は、合併症のリスク低下をもたらすが、血圧コントロールをやめてから2年以内でそのベネフィットは消失していた」と報告した。NEJM誌2008年10月9日号(オンライン版2008年9月10日号)より。糖尿病で高血圧の患者884例を10年間追跡新たに2型糖尿病と診断されたUKPDS登録患者5,102例のうち、高血圧患者1,148例を、1987年から4年間、厳格な血圧コントロール治療群と、緩やかな血圧コントロール治療群に、無作為に割り付けた。試験後、モニタリングに応じた患者884例を10年間追跡調査。患者は試験終了から5年間、UKPDSで通った病院に毎年通院するよう指示されたが、試験で割り付けられた治療は継続されていない。また当初5年の間に通院できなかった患者は、患者と一般医による年1回の記述式アンケートで経過観察し、6年目から10年までは、すべての患者に年1回のアンケート調査を行った。その結果を踏まえて事前規定した7つの複合臨床エンドポイントを、厳格治療群、緩やかな治療群に分け、intention-to-treat解析を行った。厳格コントロール群は有意に合併症リスクが低下するがUKPDSの期間中、両群間にあった血圧差は、試験終了後2年以内に消失した。試験期間中、厳格治療群は緩やかな治療群に比べて、糖尿病関連のすべての転帰、糖尿病関連死、微小血管障害、脳卒中の相対リスクが有意に低下した。試験終了後の追跡調査中に血圧コントロールは継続されなかった。試験期間中も終了後も、心筋梗塞または全死因死亡については、何のリスク低下も見られなかったが、厳格な血圧コントロールと関連する末梢血管疾患のリスク低下は有意になった(P = 0.02)。血圧の群間差が消失すると、試験中に改善された血圧コントロールのベネフィットも維持されなかった。このためHolman氏は「2型糖尿病に加えて高血圧を有する患者では、早期の血圧コントロール改善は合併症のリスク低下と関連していたが、そのベネフィットを維持するには、良好な血圧コントロールを継続しなければならないようだ」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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2型糖尿病の強化血糖コントロールのベネフィットは10年間持続:UKPDS

英国糖尿病前向き研究(UKPDS)では、試験期間中に登録患者を従来の食事療法群と強化血糖療法群に割り付けた結果、強化療法群のほうが血糖値は改善されることが示された。この効果と差異が試験終了後も維持されるかどうか、長期間追跡調査し検証していたオックスフォード大学チャーチル病院の糖尿病研究班Rury R. Holman氏らは「血糖値の差異は1年で消失する。しかし微小血管のリスク低下は10年後も継続しており、心筋梗塞と全死因死亡のリスク低下をもたらしている」と報告した。NEJM誌2008年10月9日号(オンライン版2008年9月10日号)より。食事療法群と強化療法群に無作為割付された3,277例を10年間追跡新たに2型糖尿病と診断されたUKPDS登録患者5,102例のうち、4,209例を、血糖コントロールのために、従来治療群(食事制限)と、強化治療群(SU剤またはインスリン投与、肥満患者にはメトホルミン投与)へ無作為に割り付けた。試験終了後、患者3,277例を10年間モニタリングした。患者は試験終了から5年間、UKPDSで通った病院に毎年通院するよう指示されたが、試験で割り付けられた治療は継続されていない。また当初5年の間に通院できなかった患者は、患者と一般医による年1回の記述式アンケートで経過観察し、6年目から10年までは、すべての患者に年1回のアンケート調査を行った。その結果を踏まえて事前規定した7つの複合臨床エンドポイントを、厳格治療群、緩やかな治療群に分け、intention-to-treat解析を行った。血糖値の差は1年で消失するが関連リスク低下は10年間持続糖化ヘモグロビン値の群間差は、試験終了後1年間で消失した。しかし、SU剤・インスリン治療群では、すべての糖尿病関連転帰(9%、P = 0.04)および微小血管障害(24%、P = 0.001)とも、相対リスク低下が10年後の時点でも維持されていた。そして心筋梗塞(15%、P = 0.01)、全死因死亡(13%、P = 0.007)のリスク低下は、イベント発生数の増加とともに経時的に現れた。メトホルミン治療群では、すべての糖尿病関連転帰(21%、P = 0.01)、心筋梗塞(33%、P = 0.005)、全死因死亡(27%、P = 0.002)の有意なリスク低下が持続した。こうした結果から、Holman氏は「血糖値の差異が早期に失われたにもかかわらず、微小血管のリスク低下は維持され、心筋梗塞と全死因死亡のリスク低下が発現することが、10年間の追跡調査で観察された。肥満患者では、メトホルミン治療後のベネフィット継続が明白だった」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

4392.

2型糖尿病治療薬SYR-322 FDAの審査終了日延期

武田薬品工業株式会社の100%子会社である武田グローバル研究開発センター株式会社(以下、TGRD社)は、2008年10月8日(米国時間)、米国食品医薬品局(FDA)より、販売許可申請中の2型糖尿病治療薬SYR-322 (一般名:alogliptin)の審査について、審査終了目標日である10月27日までに完了しないため、これを延期する旨の通知を受けたと発表した。FDAによると、今回の延期は、FDA内部のリソース配分に起因する工数不足によって、期日までに審査を終えることができなくなったことが原因であり、SYR-322の承認申請内容に関する評価の結果から生じたものではないという。なお、新たな審査終了目標日については、FDAからは示唆されていないという。詳細はプレスリリースへhttp://www.takeda.co.jp/press/article_30352.html

4393.

持続血糖モニタリングは成人患者の血糖管理を改善

1型糖尿病の血糖管理のために簡便な持続血糖モニタリング装置が開発されている。強化治療を受けている患者にとっての装置の有効性を検証していた米国の若年性糖尿病研究基金・持続血糖モニタリング研究グループ(The Juvenile Diabetes Research Foundation Continuous Glucose Monitoring Study Group)のWilliam V. Tamborlane氏らは、「成人患者の血糖管理は改善されたが、小児や青年患者にも有効かどうかは、さらに研究が必要」と報告した。NEJM誌2008年10月2日号(オンライン版2008年9月8日号)より。強化治療を受けている小児・成人患者322例が対象1型糖尿病の強化治療をすでに受けている患者を対象とした多施設共同臨床試験で、成人と小児計322例を、持続血糖モニタリングを行う群と、血糖計を使って家庭でモニタリングする対照群に無作為に割り付けた。患者全員を年齢別に3群(8~14歳、15~24歳、25歳以上)に層別化。糖化ヘモグロビン値は7.0~10.0%だった。主要項目は26週時点の糖化ヘモグロビン値の変化とした。25歳以上群は使用率が高く血糖値も有意に改善2つの研究群における糖化ヘモグロビン値の変化は、年齢層によって顕著に変化した(P = 0.003)。とりわけ25歳以上の持続モニタリング群で有意に減少した(変化の平均差:-0.53%、95%信頼区間:-0.71~-0.35、P

4394.

テルミサルタン、有意な予後改善効果はない:TRANSCEND試験

アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)テルミサルタンは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬に不耐用な心血管疾患患者で良好な耐用性を示すものの有意な予後改善効果はないことが、カナダMcMaster大学のSalim Yusuf氏らTRANSCEND試験の研究グループによって報告された。ACE阻害薬は主要な心血管イベントを抑制するが患者の約20%は耐用性がない。不耐用のおもな原因は咳嗽で、特に女性やアジア人に不耐用例が多いという。Lancet誌2008年9月27日号(オンライン版2008年8月31日号)掲載の報告。約6,000例が参加した大規模な無作為化対照比較試験Telmisartan Randomised AssessmeNt Study in ACE iNtolerant subjects with cardiovascular Disease(TRANSCEND)試験は、心血管疾患および臓器障害を有する糖尿病のうちACE阻害薬に不耐用な患者を対象に、テルミサルタンの有用性を検討する無作為化対照比較試験。2001年11月~2004年5月の間に40ヵ国630施設から5,926例が登録された。3週間のrun-in期間ののち、テルミサルタン群(80mg/日、2,954例)あるいはプラセボ群(2,972例)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、心血管死、心筋梗塞、脳卒中、心不全による入院の複合エンドポイントとした。耐用性は良好だが、主要評価項目に有意差なしフォローアップ期間中央値は56ヵ月、全例で有効性解析が可能であった。平均血圧は試験期間中を通じてプラセボ群よりもテルミサルタン群で低かった[重み付けされた両群間の差の平均値:4.0/2.2(SD 19.6/12.0)mmHg]。主要評価項目の発生率はプラセボ群17.0%(504例)、テルミサルタン群15.7%(465例)と、両群で同等であった(ハザード比:0.92、95%信頼区間:0.81~1.05、p=0.216)。副次評価項目である心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合エンドポイントの発生率は、プラセボ群の14.8%(440例)に対しテルミサルタン群は13.0%(384例)と有意に低かった(ハザード比:0.87、95%信頼区間:0.76~1.00、非補正p値=0.048)が、補正後は有意差が消失した(p=0.068)。心血管疾患による入院率は、プラセボ群の33.0%(980例)に対しテルミサルタン群は30.3%(894例)と有意に優れた(相対リスク:0.92、95%信頼区間:0.85~0.99、p=0.025)。薬剤の恒久的な中止例は、プラセボ群よりもテルミサルタン群で少ない傾向が見られた[21.6%(639例) vs. 23.8%(705例)、p=0.055]。もっとも高頻度な中止理由は血圧低下症状であった[プラセボ群:0.54%(16例)、テルミサルタン群:0.98%(29例)]。併用投与でベネフィットをもたらす可能性も研究グループは、「テルミサルタンはACE阻害薬に不耐用な心血管疾患および糖尿病患者で良好な耐用性を示した。心不全による入院を含めた主要評価項目に有意差は認めなかったが、副次評価項目である心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合エンドポイントのリスクはテルミサルタン群で中等度に低下する傾向が見られた」と結論している。また、「今回の結果に加えPRoFESS、HOPE、LIFE、ADVANCE、ONTARGETなどの知見を考慮すると、他の確立された治療法と併用すればテルミサルタンは中等度の付加的なベネフィットをもたらすことが示唆される。薬剤の耐用性と心血管イベントに対する効果の観点からは、ACE阻害薬に不耐用な心血管疾患患者、高リスク糖尿病患者の治療薬となる可能性もある」と考察している。(菅野守:医学ライター)

4395.

糖尿病治療薬TS-033の開発中止

大正製薬は10月2日、糖尿病治療薬TS-033の開発中止を決定したと発表した。同薬については、SGLT(※)を阻害する糖尿病治療薬として日米にて、第2相臨床試験を実施していたが、臨床試験結果を含むこれまでに得られた知見を総合的に評価した結果、TS-033の日米における開発中止が決定した。※SGLT:Sodium-glucose cotransporter(ナトリウム・グルコース共輸送体)詳細はプレスリリースへhttp://www.taisho.co.jp/company/release/2008/2008100201.pdf

4396.

2型糖尿病治療薬アログリプチンの製造販売承認を申請

 武田薬品工業株式会社は、2型糖尿病治療薬アログリプチン(一般名、開発コード:SYR-322)の製造販売承認申請を行ったと発表した。アログリプチンは、武田サンディエゴ株式会社(米国カリフォルニア州、当社の100%子会社)が創製した1日1回投与のDPP-4阻害薬。DPP-4阻害薬は、インスリン分泌を高めるホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)を、選択的に分解する酵素ジペプチジルペプチダーゼ(DPP-4)を阻害することにより、それらの血中濃度を維持して血糖値を下げる経口糖尿病治療薬。

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アクトス口腔内崩壊錠の製造販売承認を申請

武田薬品工業株式会社は、2型糖尿病治療剤「アクトス」(一般名:塩酸ピオグリタゾン)の口腔内崩壊錠(アクトスOD錠)について、厚生労働省に製造販売承認を申請したと発表した。当社のOD錠としては、消化性潰瘍治療剤ランソプラゾール(日本製品名:タケプロン)ならびに食後過血糖改善剤ボグリボース(日本製品名:ベイスン)に次ぐ製品となる。詳細はプレスリリースへhttp://www.takeda.co.jp/press/article_28950.html

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糖尿病の子供たちの10人中9人は学校での支援が得られない

ノボ ノルディスク社は9月8日、国際小児思春期糖尿病学会(ISPAD)と共同で、DAWN Youth (ドーン ユース)調査の結果を発表した。本調査は、昨年9月に発表された「糖尿病に関する青少年憲章」を受けて、2007年から2008年にかけてグローバルに実施された小児思春期糖尿病の患者の心理社会的な側面に焦点をあてた最大規模の調査で、糖尿病の若者、糖尿病の子どもを持つ親または保護者、ならびに医療従事者を対象に実施された。調査に参加した13カ国、9,200人から回答が得られ、糖尿病を持つ子供たちが、学校で様々な課題や偏見に直面している実態が明らかになった。 調査結果によると、小児糖尿病患者の10人のうち6人は、学校で適切に糖尿病の管理を行っていないことが判明。また、同10人のうち9人は、学校で糖尿病のために助けが必要になってもスクールナースに頼れないことがわかった。さらに、小児糖尿病患者は他の生徒たちよりも早い時期に学校から落ちこぼれる傾向があるという。 詳細はプレスリリースへhttp://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_08_24.asp

4399.

食器や製缶の防蝕剤ビスフェノールAは糖尿病・心血管系疾患のリスク要因?

ビスフェノールA(BPA)は、食品や飲みもののプラスチック(ポリカーボネート樹脂製)容器や缶内面の防蝕塗装に広く使われているエポキシ樹脂である。溶出したBPAが動物に及ぼす影響についてはエビデンスが示されており、ヒトにおいても低レベルの長期曝露によって健康被害が生じるおそれが指摘されている。本論は英国ペニンシュラ医科大学のIain A. Lang氏らによる米国人を対象とした横断研究の結果。JAMA誌2008年9月17日号に掲載された。米国健康栄養調査のデータで横断研究を実施尿中BPA濃度と米国成人の健康状態との関連を目的とした横断研究は、全米健康栄養調査2003~2004のデータを使用し行われた。分析対象となったのは18~74歳の1,455例で、各人の尿中BPA濃度と尿中クレアチニン濃度の測定値。年齢、性、人種/民族、学歴、収入、喫煙、BMI、腹囲、尿中クレアチニン濃度によって補正された回帰モデルにて分析された。主要評価項目は、慢性疾患診断と血液検査値から肝機能、耐糖能、炎症、脂質の状態。尿中BPA濃度と心血管系疾患、糖尿病の罹患率が相関結果、年齢、性補正モデルおよび完全補正モデルで、尿中BPA濃度がより高いほど心血管系疾患との関連がみられた(BPA濃度1-SD増加につきオッズ比:1.39、95%信頼区間:1.18~1.63、P=0.001)。また、BPA濃度が高いことと糖尿病との関連も確認された(1.39、1.21~1.60、P<0.001)。それ以外の疾患との関連は認められなかった。さらに、BPA濃度が高いほど、臨床的にγ-GTP(1.29、1.14~1.46、P<0.001)、ALP(1.48、1.18~1.85、P=0.002)の異常値との関連がみられた。これらからLang氏は、尿中の高BPA濃度が高レベルのBPA曝露の結果であるとするなら、一般成人集団がこれらに曝露されないようにすることで、心血管系疾患や糖尿病罹患を回避できる可能性があると述べている。★厚労省:ビスフェノールAについてのQ&A(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kigu/topics/080707-1.html)(朝田哲明:医療ライター)

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ランタスのHbA1cの改善・費用対効果が高いことが判明

サノフィ・アベンティス株式会社は9月22日、イタリア・ローマで開催されたEASD(欧州糖尿病学会)第44回年次学術集会(2008年9月7日~11日)において、3つの非介入試験の結果を発表し、ランタス(一般名:インスリン グラルギン[遺伝子組換え])による治療結果について、HbA1cの改善効果があること費用対効果が高いことを発表した。以下は、THIN、ROLE、LIVE-DEの3つの試験において、医療データベースあるいは医療記録を用いて、2型糖尿病患者さん数千人を対象にインスリン治療法を比較した結果である。 ・デテミルに比べ、HbA1c値の改善効果および費用対効果の高いことが示された(THIN試験)・NPHインスリンに比べHbA1c値の改善効果が高く、低血糖発現率が低く、総医療費削減につながることが示された(ROLE試験)・NPHインスリンに比べ、患者さんの治療満足度の高いことが示された(LIVE-DE試験)これらの試験は、実診療下における異なる治療法に関する重要な比較データが示されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/4D8B9355-F43C-440B-BCFE-E0059E2A764B.pdf

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