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GLP-1受容体作動薬+基礎インスリンは有用/Lancet

 2型糖尿病患者の管理において、GLP-1受容体作動薬と基礎インスリンの併用療法は、他の抗糖尿病治療に比べ、低血糖を増加させず、体重減少と良好な血糖コントロールの達成をもたらすことが、カナダ・マウントサイナイ病院のConrad Eng氏らの検討で示された。GLP-1受容体作動薬は、経口抗糖尿病薬が無効となった後の2~3次治療として使用されており、至適な役割は確立されていない。また、基礎インスリンとの併用の理論的根拠として、血糖降下作用の増強のほか、基礎・追加インスリン療法に比べ低血糖のリスクが低く、インスリンによる体重増加の回避が可能な点が指摘されている。Lancet誌オンライン版2014年9月12日号掲載の報告。血糖コントロール、低血糖リスク、体重減少をメタ解析で評価 研究グループは、2型糖尿病患者に対するGLP-1受容体作動薬と基礎インスリンの併用療法が血糖コントロール、低血糖、体重減少に及ぼす影響を評価するために、無作為化対照比較試験の論文を系統的にレビューし、メタ解析を行った。 対象は、GLP-1受容体作動薬+基礎インスリン併用療法と他の抗糖尿病治療を比較した無作為化対照比較試験とした。6つの医学関連データベースを系統的に検索して1950年1月1日~2014年7月29日までに発表された文献から適格基準を満たす論文を選出し、2名の研究者が別個にデータを抽出した。 主要評価項目は血糖コントロール、低血糖、体重の変化とし、ランダム効果モデルを用いて統合データの解析を行った。HbA1c値と体重が改善、低血糖に差なし 2011~2014年に発表された15試験[GetGoal-L-Asia試験(2012年)、LIRA-ADD2INSULIN JAPAN試験(2014年)を含む。9試験が2014年の発表]に登録された4,348例が解析の対象となった。全体のベースライン時の平均HbA1c値は8.13%、平均BMIは32.9、平均糖尿病罹病期間は12.2年だった。 GLP-1受容体作動薬+基礎インスリン併用療法群は他の抗糖尿病治療群に比べ、HbA1c値が平均0.44%(95%信頼区間[CI]:-0.60~-0.29%)有意に低下し、HbA1c値≦7.0%の達成率が有意に改善した(相対リスク[RR]:1.92、95%CI:1.43~2.56)。また、低血糖の増加については両群間に差はなく(RR:0.99、95%CI:0.76~1.29)、平均体重は併用療法群が有意に3.22kg(95%CI:-4.90~-1.54kg)減少した。 基礎・追加インスリン療法との比較では、併用療法群はHbA1c値が平均0.1%(95%CI:-0.17~-0.02)低下し、低血糖のRRが低く(0.67、95%CI:0.56~0.80)、平均体重が有意に減少した(-5.66kg、95%CI:-9.8~-1.51kg)。 著者は、「実臨床におけるGLP-1受容体作動薬+基礎インスリン併用療法の至適なアプローチを確立するにはさらなる検討を要するが、これらの知見は2型糖尿病患者の管理における本併用療法の使用を明確に支持するもの」と結論している。

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生物学的年齢であるテロメア長は冠動脈疾患リスクと関係する(解説:原田 和昌 氏)-250

暦年齢は心血管疾患のリスクとなるが、内皮障害など生物学的年齢と関係するバイオマーカーが探索されてきた。その候補のひとつ、テロメア長が組織の種類により異なり加齢で短縮すること、組織により短縮速度が異なること、テロメア長に個人差が大きいことを2002年に田久保らは報告した。 一方、WOSCOPS試験が、白血球のテロメア長が冠動脈疾患の予測因子になることを2007年のLancetに報告したことから、白血球のテロメア長が注目を集めるようになった。 テロメア長は有力な老化のマーカーのひとつではあるが、論文により試験デザインの差、測定方法、交絡因子の処理、統計手法、有疾患患者のコホートか一般人のコホートかなどの違いがあり、さらに、個人差が大きいこともあって、これまで心血管疾患との関連におけるエビデンスには相反する結果が報告されていた。 本論文は、白血球テロメア長が従来血管リスク因子とは独立した冠動脈疾患のリスク因子であり、テロメア長が短いと冠動脈疾患との関連が強いことをシステマティックレビューとメタ解析により示した。しかし、脳血管疾患と確実な関連性は得られなかった。 そもそもテロメアは、染色体の末端に単純な塩基配列の繰り返しとして存在し、一定の長さを維持することで、染色体内の遺伝子の恒常性の維持に関与する。体細胞においてテロメアは増殖のたびに長さを短縮し、生存するための限界の長さにまで短縮すると分裂限界に至り細胞死を迎える。または、老化細胞となり細胞増殖が停止する。 一方、無限の細胞分裂を必要とする生殖細胞や血液幹細胞にはテロメアを伸長させる逆転写酵素の1種であるテロメレースが存在し、テロメアの進展、維持が図られている。 冠動脈疾患と白血球テロメア長との関係については、老化細胞がプラークにたまり、炎症や内皮障害を惹起するとか、平滑筋の分裂ができなくなってfibrous capが薄くなるといった仮説が出されている。これらが事実ならば、将来テロメレースを局所導入することで治療が可能になるかもしれない。 すでに2010年には、テロメア長を測る企業が設立されている。がんにおけるテロメア長測定の意義は確立していない。しかし、加齢に加え、糖尿病合併や酸化ストレスを増強するリスク因子の集積によりテロメア長はより短縮すること、冠動脈疾患患者の子孫の生来のテロメア長はすでに短縮していることが報告されている。生まれた時のテロメア長を測って生物学的年齢が高ければ、生活習慣に介入して冠動脈疾患を予防するといった使い方が今後できるかもしれない。

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アリスミアのツボ 第2回

Q4循環器内科に紹介すべき不整脈を教えてほしいのですが…。消化器内科、呼吸器内科、神経内科など他の専門科に紹介する感覚で臨みましょう。自分も迷う非専門医から専門医への紹介、私も迷うことが多いのが実際です。「軽症そうだけど、紹介して大丈夫だろうか」、「的外れではないだろうか」、「これまで見逃してしまっていたようだが、いまさら大丈夫だろうか」、そんなことを考えながら紹介すべきかどうか迷っています。で、結局のところ、「専門でもない自分が、どれだけ迷っても仕方がない」と開き直って紹介している有様です。見当はずれのことも多いのですが、紹介先から「迷惑だ」とは聞きません。3つの選択枝循環器内科への紹介もそれと同じでいいのではないでしょうか。医療の基本は、1)放置する2)自分で様子観察する3)人(専門家)に任せるという3つの選択肢のうち、どれか1つを選ぶことです。この選択に迷うようであったら、とりあえず専門家に判断だけでもしてもらったほうが楽でしょう。患者さんサイドに立ってもメリットはたくさんあるはずです。重篤な病気であればもちろんのこと、そうでなくても、担当医がわざわざ診療情報書を書いてくれた(あるいは自分のために専門病院にまで電話してくれた)という感謝、そして専門医からの説明で得られる安心感等々です。自信があるかないかがすべてなので、不整脈別に紹介すべきかどうかを語るのは難しく、その不整脈に自信がなければ紹介してしまうというのが回答になりそうです。あえていえば、症状のない心房期外収縮、心室期外収縮、II度Wenckebach型房室ブロック、洞性不整脈は、自信をもって放置してよい不整脈にあたり、それ以外は紹介しておくというのが非専門家として合理的な医療かもしれません。Q5発作性心房細動はすべてのケースで抗不整脈薬を投与するのでしょうか?いいえ、発作性心房細動患者のすべてに抗不整脈投与は行いません。患者はさまざま一口に発作性心房細動といっても、患者はさまざまです。まったく症状のない患者や症状はあるけれども軽度で気にならないという患者もいれば、発作になると日常生活や仕事がまったく何もできなくなるという症状のひどい患者もいます。症状がある患者でも、その発作の頻度はさまざまです。年に1回という患者から、毎週生じるという患者まで、その多様性は先生方も経験済みのことでしょう。多様な患者すべてに対して、1つの医療を当てはめてしまうことには無理があります。そもそも効果判定はどうする?そして、抗不整脈薬をもし投与するなら、あらかじめその薬が効いたかどうかをどのようにして判断するのか決めておかねばなりません。効いていない薬を一生飲み続けるほど無駄なことはないからです。このあたりは、高血圧や糖尿病に対する薬とは大きく異なります。これらの薬は血圧や血糖で効いているかどうかを判断できるからです。では、抗不整脈薬はどうでしょう。たまたま記録する心電図だけで判断するのは難しく、これは24時間心電図にも当てはまります。では残るものといえば……それは症状にほかなりません。抗不整脈薬は症状を軽減するのが目的つまり、症状の乏しい患者に抗不整脈薬を投与したとしても、効いているのかいないのかさえわからない……これが出発点です。だから、症状があり、薬が効いているかどうかがわかる患者に投与するしかありません。さらに、発作頻度がきわめて低い(たとえば半年に1回)患者に薬を毎日服薬させることにも無駄が多いということもわかるでしょう。このような場合は、投薬するにしてもpill-in-the-pocket、つまり頓服で対処するのが合理的です。では、症状のあまりない患者の心房細動はただただ慢性化してしまうのを放置することになるのではないか…と不安に思うかもしれません。それは、また別の機会に述べたいと思いますが、抗不整脈薬にはその役割は与えられていないと思うのです。Q6心房細動の心拍数調節の目標とは?この目的、わかっているようで、私には正直なところ悩むことも多いのです。心房細動の心拍数に関する原則そもそも心房細動の心拍数が高いと何が悪いのでしょう。頻脈性心房細動といえば「心不全」ですね。では、低ければよいのでしょうか。いやいや、たとえば心拍数40/分のように低すぎてもいけないでしょう。この場合も、徐脈性「心不全」を起こしてしまいます。心拍数と心不全発症率の関係はU字状の関係にあり、このことから心房細動心拍数の原則は「高すぎず、低すぎず」になりそうです。心不全以外に知っておくべき原則はあるでしょうか。症状がこれにあたるでしょう。心不全発症率…患者によってさまざまさて、症状は患者個別に対応するとして、心不全予防にはどれくらいの心拍数が望ましいのでしょうか。困ったことに、U字の関係にあるのはよしとしても、U字の底にあたる心拍数がまったくわからないのです。昔は洞調律と同じぐらい(60~80/分)だろうと考えていたのですが、RACE II試験ではそれほど厳格でなくてよいということが判明してしまいました。私自身は現在、90/分台前半までは、心不全予防になっていると考えることにしていますが、その根拠は残念ながらありません。もちろん、心不全は心房細動心拍数だけで決まるものでないので、患者それぞれの心機能によっても、あるべき心拍数はきっと異なるのでしょう。心拍数をどうやって測る?現場では、それ以前に迷うことがあります。12誘導心電図で心房細動を見るとRR時間が揺れているという当たり前のことなのですが……。どこを測るのが心拍数を把握するには適切なのでしょう。今では、自分で測るのがもっともあてにならないと考えて、コンピューター計測値をみていますが、ときどきその心拍数と心電図の見た目がそぐわないときもあるのです(なぜだかわかりませんが)。そう、「心房細動の心拍数」という出発点が、私にはまだ疑問です。回答になっていなくてすみません。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第12回

第12回:胆石のマネージメント~無症状の対応から、胆石発作や急性胆嚢炎を起こした場合の対処まで~監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 胆石は、腹部エコーを行ったら偶然見つかった、ということが日常診療では多いと思います。日本でも剖検による胆石保有率が2.4%1) と決して少なくありません。ここで、無症状の胆石への対応、胆石発作や急性胆嚢炎を起こした場合の対処を復習したいと思います。 以下、American Family Physician 2014年5月15日号2) より1.はじめに胆石は、消化器疾患の中でも最も多い疾患の1つである。胆石のリスクとして、糖尿病、肥満、女性、ホルモン製剤、避妊薬の内服がある。ほとんどの患者では無症状に経過し、超音波検査などで偶然見つかることが多い。偶然見つかった胆石患者のほとんどは、今後症状が出現する可能性は少ないが、一度症状が起きると胆石発作が繰り返される。2.症状、徴候胆石発作は、右上腹部の急性の疼痛として表現される。変動なく突然発症し、1時間でピークを迎える。90%が10年以内に再発をする。急性胆嚢炎の身体所見は何と言ってもMurphy sign(右季肋部を押さえると吸気時に痛くて呼吸が止まる)が重要である。3.診断腹部エコーがまず勧められる。胆石の診断において 感度が98%、特異度が95%である。MRCPは、エコーで描出できなかった場合に次に推奨される。胆石がある患者の6~12%に胆管結石があり、それらは膵炎や胆管炎のリスクになるので注意が必要である。MRCPとERCPは同等の診断精度を持つ。ただし、ERCPのほうが侵襲的で出血、膵炎、胆管炎が4~10%で生じる。4.治療胆石溶解剤の内服は、無症状の胆石に対する疼痛予防としては効果がない。手術の有無については、通常の無症状の胆石は経過観察をするが、例外として磁器様胆嚢(胆嚢がんのリスクあり)、溶血性貧血、3cm以上の胆石では手術を考慮する。胆石発作および胆嚢炎で手術を選択した場合は、ほとんどの症例で腹腔鏡下胆嚢摘出術が薦められる。ただし、経過観察も1つの選択肢となりうる。ある研究によると症状のある胆石に対しては35%に手術が必要で、平均5.6年手術を延長することができたとする報告がある。腹腔鏡下から開腹術に移行する可能性は、非炎症性であれば2~15%、胆嚢炎であると6~35%である3) 。待機的に行われた胆嚢摘出術であれば、予防的な抗菌薬の投与は不要である。ただし、ハイリスク(60歳以上、糖尿病を抱えるなど)であれば、予防投与により感染のリスクを軽減できるかもしれない。※本内容は、プライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 山口和哉ほか. 日臨外医会誌 1997; 58): 1986-1992. 2) Abraham S, et al. Am Fam Physician. 2014;89:795-802. 3) Sherwinter DA, et al. Laparoscopic cholecystectomy. Medscape.

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厳格な血糖コントロールのご利益と選択の是非(解説:景山 茂 氏)-246

ACCORD研究は、強化療法群における死亡が有意に多かったために早期終了し、平均追跡期間は3.7年であった。本論文は、この試験期間に加え、試験終了後は両群共に緩やかな血糖コントロールに変更して追跡した1.2年のデータを加えて報告している。平均年齢62歳、2型糖尿病の罹病期間10年の心血管疾患のハイリスクの患者においても、心筋梗塞は強化療法群において少ないことが示された。 強化療法群の死亡はHbA1cが低下しなかった人に多かったこと、および死亡の80%以上は心筋梗塞によるものでなかったとする過去の報告に加えて、本解析ではHbA1cを時間依存共変量として調整するとハザードは有意でなくなることなどを挙げ、心筋梗塞予防に対する血糖コントロールの重要性を述べている。 DCCTおよびUKPDSでは試験終了後、約10年間のフォローアップを行った。試験終了後の期間は、強化療法群と従来療法群との間に血糖コントロールレベルに差がなかったにもかかわらず、強化療法群では細小血管障害のみならず大血管障害も有意に減少した。細小血管障害のみならず大血管障害にも認められた強化療法の効果をDCCTではmetabolic memory、UKPDSではlegacy effectと呼び、注目されている。 厳格な血糖コントロールには心筋梗塞の予防効果はあるにしても、罹病期間の長い比較的高齢の2型糖尿病患者にHbA1c<6%を目指す治療は危険であるという解釈には変わりはない。強化療法による厳格な血糖コントロールは、心筋梗塞は予防したが患者は亡くなったというのでは本末転倒であり、この治療法は選択すべきではないというのが現時点での判断といえよう。 HbA1c6%未満を目指すべき強化療法の適応は、どのような集団であるのかを明らかにすることが今後の課題である。

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56)禁煙しても体重を増やさない方法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 医師禁煙の準備の方は、いかがですか? 患者禁煙すると、体重が増えるのが心配で・・・ 医師確かに、そうですね。一般的に禁煙すると2~3㎏、体重が増えますからね。 患者やっぱりそうですか? 体重が増えると、糖尿病になるんじゃないかと思って・・・ 医師禁煙してから5年間くらいは、糖尿病リスクが高まります。10年くらい経つと、そのリスクはなくなります。 患者5年間ですか。体重が増えない方法や糖尿病にならないための注意点を教えてください。 医師わかりました。禁煙と食事制限を同時に行うと、禁煙に失敗する人が多いですから、運動療法を併用しましょう。 患者はい。わかりました。●ポイント禁煙指導とともに、体重増加予防のための運動療法を推奨します●資料喫煙自体は糖尿病発症リスクを高める(1.44倍)。禁煙後、男性では1.42倍、女性では 2.84倍と高まる(5年間、日本の報告)。英国での報告では10年ほど経つと、その差がなくなる。25本以上の喫煙(OR = 2.15)、糖尿病の家族歴(OR=1.51)がある人が禁煙後に糖尿病になりやすい。 1) 坂根直樹. Q&Aでわかる肥満と糖尿病. 2010; 9: 711-712. 2) Oba S, et al. PLoS One. 2012; 7: e17061.

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糖尿病高齢者に多い皮膚病変とは

 65歳以上高齢者における糖尿病と関連した皮膚疾患の有病率を調べた結果、慢性の皮膚潰瘍、脚部の褐色斑、かゆみが多いことが示された。台湾・高雄退役軍人総合病院のH-W. Tseng氏らが、退役軍人施設に入所する313例について調査し報告した。著者は、「糖尿病にみられる皮膚の特徴を観察することで、糖尿病患者の状態をより完全に評価することが可能である。糖尿病に関連した皮膚の情報は、適切な治療と看護を提供するための基本である」とまとめている。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2014年9月1日号の掲載報告。 研究グループは、高齢の男性における皮膚疾患と糖尿病および糖尿病に関連した皮膚疾患の統計的な関連性を調べた。 台湾の退役軍人施設で断面調査を行い、入所者の皮膚の症状、主な全身性疾患を記録。年齢、BMI、顕著であった全身性疾患で補正後、単変量および多変量ロジスティック回帰分析を行い、オッズ比(OR)とp値を求めて統計的関連性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・対象は、65歳以上男性313例で、そのうち70例(22.4%)が糖尿病を有していた。・糖尿病被験者に最もよくみられた皮膚の症状は、真菌感染症(77%)、脚部の褐色斑(38.3%)であった。・補正後ORの評価により、糖尿病との有意な関連が認められたのは、慢性の皮膚潰瘍(AOR:4.90、95%CI:1.82~13.19、p=0.002)、脚部の褐色斑(同:6.82、3.60~12.89、p<0.001)、かゆみ(同:12.86、4.40~37.59、p<0.001)であった。・糖尿病被験者では、細菌感染症、疥癬、スキンタッグのリスクがわずかだが高かった。

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デング熱での解熱剤に注意~厚労省がガイドライン配布

 9月16日、厚生労働省より全国の地方公共団体の衛生主管部局宛てに「デング熱診療ガイドライン(第1版)」が配布された。本ガイドラインは、全国で131名(9月17日現在)の患者が確認されている中で、一般医療機関への問い合わせも多いことから、9月3日に公開された診療マニュアルの内容を刷新し、あらためて作成されたものである。■妊婦、乳幼児、高齢者は重症化のリスク因子 ガイドラインは、デング熱の概要、症状・所見、診断、治療、予防、参考文献、図表の順で記載されている。 すでに多くのメディアで報道されているように、デング熱の臨床経過について通常は1週間前後の経過で回復すること、典型症状は急激な発熱、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などであることなどの説明が記されている。 注意すべきは、一部の患者が経過中に重症型デングを呈することである。とくにリスク因子としては、妊婦、乳幼児、高齢者、糖尿病、腎不全などがあり、これらの患者では、経過観察でショック、呼吸不全、出血症状、臓器障害がないかどうかの注意が必要となる(なお1999年以降、日本国内で発症した同疾患での死亡者は記録されていない)。■解熱剤はアセトアミノフェンを推奨 デング熱では上記の症状のほか、血液検査で血小板減少、白血球減少が認められる。確定診断では、ウイルス分離やPCR法によるウイルス遺伝子の検出などが用いられるのは、既知のとおりである。症状を認めた時点で、必要に応じ、適切な治療が可能な医療機関への紹介が必要となる。 また、治療では、有効なウイルス薬はなく、輸液などによる対症療法が行われる。その際に投与する解熱剤について、アスピリンは出血傾向やアシドーシスを助長するため使用するべきでなく、同じくイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)も胃炎、出血を助長するために使用すべきではないとされている。投与する解熱剤としては、アセトアミノフェンなどが推奨されている。■医療者は診療時にも注意 デング熱には現時点で有効なワクチンがないため、有効な予防対策は蚊に刺されないことである。外出の際は、露出の少ない服装で虫よけスプレーなどによる対策を講じることになる。 1つ注意が必要なことは、患者診療時の医療者への感染である。疑わしい患者の診療時に針刺し事故などの血液曝露で感染する危険があるため、十分に注意するよう促している。 また、患者が出血を伴う場合には、医療従事者は不透過性のガウンおよび手袋を着用し、体液や血液による眼の汚染のリスクがある場合にはアイゴーグルなどで眼を保護する、としている。詳しくは厚生労働省 報道発表資料デング熱、患者さんに聞かれたら・・・

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これがなぜLancet に!?(解説:桑島 巌 氏)-242

ACCORD試験は、心血管リスクを有する2型糖尿病患者に対しHbA1cを指標として、7.0~7.9%の標準的な血糖コントロール群と<6.0%の厳格な血糖管理群のどちらが心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、心血管死)を抑制するのかを検討したランダム化試験である。 本試験は厳格血糖コントロール群で死亡が多く発生したために、試験は開始後3.7年で中止となった。中止時点で厳格コントロール群では二次エンドポイントである非致死的心筋梗塞の発症は有意に少なかったにもかかわらず、全死亡および心血管死亡が有意に多かったのである。 厳格な血糖コントロール群でなぜ死亡が多かったのか、理由はいまだ明らかではないが、厳格コントロール群でロシグリタゾンやインスリン使用が多かったことなどが低血糖や心不全死を招いたということも理由の1つとして挙げられている。この論文以降糖尿病専門家は、厳格な血糖管理に対して慎重になってきたという経緯がある。 本論文はACCORD試験を中止後、厳格コントロール例を全員標準血糖コントロールにスイッチして、さらに1.2年間追跡した結果である。その結果、延長期間を含めても試験中止時と同様に心筋梗塞発症、不安定狭心症、冠血行再建術はいずれも厳格血糖コントロール群に有意に少なかったという。 しかし本試験は事前に設定されていたプロトコルではなく、後付け解析である点に問題がある。 あえて解釈するならば、厳格に血糖をコントロールすると、「死亡しない限りは、心筋梗塞は予防できます」あるいは「死亡する可能性は高いけれど心筋梗塞は予防できます」という奇妙な話になってしまい、臨床にとってはほとんど参考にならない。 本論文がなぜLancetに掲載されたのかが疑問に残る。少なくともACCORD試験の死亡が多かった理由がきちんと解明してから発表すべき論文である。

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スルホニル尿素(SU)薬は過去の薬か?(解説:住谷 哲 氏)-243

2型糖尿病(T2DM)患者の全死因死亡を減らすことが明らかにされているのは現時点においてはメトホルミンのみである1)。したがってほとんどのガイドラインではメトホルミンが第一選択薬とされている。しかしT2DMは進行性の疾患であるため、多くの患者は治療の継続とともに他の薬剤の追加投与を必要とする。本論文はメトホルミンの次の一手としてのインスリンとスルホニル尿素(SU)薬が予後に及ぼす影響を比較検討したものであり、興味深い。 試験デザインは最近よく用いられる、薬剤処方データベース研究であり、交絡因子の影響は傾向スコアマッチング法を用いて補正されている。 著者らはインスリン投与群がSU薬投与群に比較して良好な予後をもたらすと仮定したが、結果はそれに反してインスリン投与群で全死因死亡が増加していた。この結果からメトホルミンに追加する薬剤としてはインスリンに比較してSU薬が優れている、と単純に考えてよいだろうか? 日常臨床では注射薬であるインスリンを導入するのは容易ではない。ではインスリン投与群となった2,436人の患者はなぜインスリンが選択されたのだろうか。これはこの種の試験デザインで常に問題となる「処方理由による交絡 confounding by indication」であるが、少し考えてみよう。 SU薬ではなくインスリンが選択される場合として、SU薬が適切でない病態、たとえば肝硬変や腎不全の合併がある。しかしこれらの病態はメトホルミンの禁忌に該当するので、すでにメトホルミンが投与されている患者群においては考えにくい。次に考えられるのは血糖コントロールが極めて不良な場合である。これはSU薬投与群またはインスリン投与群のHbA1cの中央値がそれぞれ7.6%、8.5%であることから、可能性は十分ありそうである。傾向スコアマッチング法による補正では当然HbA1cも補正されているので解釈としては問題なさそうであるが、論文著者らもDiscussionで述べているように、HbA1cのみでは表されない糖尿病としての重症度(disease severity)が適切に補正されていない可能性が十分ある。つまりインスリンが選択された患者群は、はじめからイベントを起こしやすい予後不良群であったことになる。 やはり治療法の優劣を判断するには、ランダム化比較試験の結果を参考にする必要がある。SU薬とインスリンとの優劣を比較した試験としてはUKPDS332) があり、早期インスリン導入の従来療法に対する優越性を検討した試験としてはORIGIN3) がある。UKPDS33では、食事療法群、SU薬投与群、インスリン投与群(すでにBasal-bolus療法が用いられている)が比較されたが、その結果は1)SU薬とインスリンはイベント発症予防効果において同等である、2)膵β細胞機能の低下速度は、食事療法群、SU群、インスリン投与群において差はない、というものであった。つまり「早期インスリン導入による膵β細胞機能の温存」は幻想にすぎないことが明らかにされている。ORIGINでは、prediabetesを含む糖尿病患者においてグラルギンを用いた厳格血糖管理のイベント抑制効果を検討したが、グラルギン投与によるイベント抑制効果は認められなかった。 それではメトホルミンの次にはどの薬剤を選択すればよいのだろうか?インスリンおよびSU薬は糖尿病関連合併症を減らすことがUKPDS33で明らかにされているので、メトホルミンへの追加薬剤としていずれかを選択することは十分に合理的である。これまでのすべての報告はインスリン投与により、SU薬に比較して低血糖が増加することを示している。低血糖を回避して血糖を管理することの重要性が次第に明らかになりつつあることから、SU薬が使用できる状況であえてインスリン投与を選択する必要はないと考えられる。早期インスリン導入による膵β細胞保護作用を主張する一部の議論もあるが、その根拠はUKPDS33で明確に否定されている。膵β細胞機能を維持するために重要なのは良好な血糖コントロールを持続することであり、インスリンを投与することではない。インスリンは必要なときに、必要最少量を投与することがコツである。この点で英国のNICEのガイドライン4) では、インスリン投与はメトホルミンおよびSU薬の併用にてコントロール不良であるときに開始すべし、と明確に記載されている。

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糖尿病患者のCOPD増悪、ステロイドで血糖値は?

 COPD増悪を起こした2型糖尿病患者にステロイドを投与しても、血糖値の有意な上昇は認められなかったことを、イスラエル・Nazareth病院のGeorge Habib氏らが明らかにした。Respiratory Medicine誌2014年8月22日号の掲載報告。 ステロイドの投与によって、血糖値の上昇が起こることは知られている。しかし、これまで、COPD増悪を起こした2型糖尿病患者のHbA1cに対するステロイドの影響を検討した研究はなかった。 本研究ではCOPD増悪により入院した2型糖尿病患者をグループ1、対照群として増悪以外の理由で入院したCOPDを有する2型糖尿病患者(年齢・性別により調整)をグループ2とした。両グループとも入院時とその3ヵ月後にHbA1cを評価し、人口統計学的および臨床検査項目の変化、ステロイド総投与量を検討した。 両グループのパラメーターの比較には、Mann-WhitneyのU検定と、カイ二乗検定/Fisherの正確確率検定を用い、入院時と3ヵ月後のHbA1cの比較には、Wilcoxonの符号順位検定を用いた。また、多変量線形回帰分析により、グループ1におけるHbA1cの変化の予測因子を検討した。 主な結果は以下のとおり。・グループ1は23例、グループ2は21例であり、全44例中39例が男性であった。・平均年齢は66.2±8.2歳で、両グループとも糖尿病の治療が強化されていた。・グループ1ではHbA1cに有意な変化は認められなかったが(p=0.416)、グループ2では有意な減少が認められた(p=0.032)。・ステロイド総投与量は、グループ1におけるHbA1c増加の予測因子であった(p=0.026)。■「COPD増悪」関連記事COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet

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Vol. 2 No. 4 オメガ3系多価不飽和脂肪酸製剤の臨床応用 そのエビデンスと各種ガイドラインにおける位置づけ

田中 知明 氏千葉大学大学院医学研究院細胞治療内科学 千葉大学医学部附属病院糖尿病・内分泌代謝内科はじめにグリーンランドや千葉県下でのエイコサペンタエン酸(EPA)の有効性を明らかにした疫学調査をきっかけに、わが国では魚油をエチルエステル化した高純度EPA製剤が開発され、1990年には「閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善」、1994年には「高脂血症」に対する医療用医薬品として臨床の現場に登場した。さらに、欧州、米国などで「高トリグリセライド血症」の効能・効果を有する医薬品として承認されていた高濃度オメガ3製剤(主成分としてEPA・DHAを含有)も2013年に国内で承認され、日常臨床に広く普及しつつある。これらオメガ3製剤の臨床応用におけるエビデンスとしては、高純度EPA製剤の冠動脈疾患に対する発症予防効果を検証した日本人対象の大規模臨床試験JELIS1)に加えて、Circulation、Lancetに報告されたイタリアのGISSI-Prevenzione Trial、GISSI-HF Trialなど、多くのエビデンスが蓄積されている。そこで、本稿ではオメガ3系多価不飽和脂肪酸製剤の臨床応用の骨格となる重要な大規模臨床試験とそのメタ解析におけるエビデンスを解説し、EPA製剤の各種ガイドラインにおける位置づけについて概説する。EPA製剤が推奨される各種ガイドライン本邦においてEPAに関してその臨床的有用性が明記されている各ガイドラインについて、表にまとめる。これまでの大規模臨床試験のエビデンス基づき、現在では『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版』、『循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(2009年改訂版)』、『心筋梗塞二次予防に関するガイドライン(2011年改訂版)』、『脳卒中治療ガイドライン2009』の4種類のガイドラインに医療医薬品としての有用性が推奨グレードとともに記載されている。以下に具体的内容とエビデンスグレードを記す。『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版』の第7章「治療法 B 薬物療法におけるステートメント」として、「高リスクの高LDL-C(low density lipoprotein cholesterol)血症においては、スタチン投与に加えてEPAの投与を考慮する」とされている。推奨レベルIIa、エビデンスレベルAである。『循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(2009年改訂版)』の「Ⅲ. 各疾患における抗凝固・抗血小板療法 11 心血管疾患高リスク症例の一次予防」においては、「高リスクの脂質異常症におけるエイコサペント酸エチル投与の考慮」が記載され、クラス1のエビデンスレベルとして推奨されている。『心筋梗塞二次予防に関するガイドライン(2011年改訂版)』における「II. 薬物療法 3 脂質異常症改善薬」の項目では、「2. 高LDLコレステロール血症にはスタチンに加え高純度EPA製剤も考慮する」と記載され、エビデンスグレードはBである。『脳卒中治療ガイドライン2009』における「Ⅱ. 脳梗塞・TIA 4-1. 脳梗塞再発予防 (3)脂質異常症」の項目の中で、「3. 低用量スタチン系薬剤で脂質異常症を治療中の患者において、EPA製剤の併用が脳卒中再発予防に有用である」と記載されている。エビデンスグレードはBである。高濃度オメガ3製剤(EPA+DHA)に関しては、欧州(ノルウェー)では1994年に、アメリカでは2004年に使用されるようになっていたが、日本では2013年から使われるようになった。したがって、国内では高純度EPA製剤が主流であった過去の経緯から、各ガイドラインにおける記載は高純度EPA製剤のみなのが現状である。海外ガイドラインにおけるオメガ3系脂肪酸の臨床的位置づけとして、欧州・米国ではEPA・DHA製剤が中心であり、脂質異常症の管理および心不全の治療ガイドラインにおいて推奨されている(推奨レベルIIb、エビデンスレベルB)。今後、本邦においてもエビデンスのさらなる蓄積とガイドラインにおける位置づけが新たに追加されることが期待される。表 各種ガイドラインにおける脂質異常症治療薬の記載画像を拡大するJELISの概要と1次予防・2次予防サブ解析JELISは、日本人を対象に実臨床に近い条件の下で実施された前向き大規模臨床試験であり、各ガイドライン記載の根拠となる重要なエビデンスである1)。JELISは、日本人の脂質異常症患者(総コレステロール250mg/dl以上)において40~75歳の男性と、閉経後~75歳の女性18,645人(冠動脈疾患の1次予防14,981例、2次予防3,664例)を対象としている。プラバスタチン10mg/日またはシンバスタチン5mg/日を基本として、1.8gの高純度EPA製剤の投与群と非投与群を無作為に割り付けて、5年間の追跡調査し、主要冠動脈イベント(致死性心筋梗塞、非致死性心筋梗塞、心臓突然死、心血管再建術、新規狭心症の発症、不安定狭心症)について検討を行った試験である。その結果、主要冠動脈イベントを19%低下させ、EPA投与群では対象群に比べ虚血性心疾患の発症リスク比(95% CI)が0.81(0.68-0.96)であり、非致死性では0.81(0.68-0.96)と有意であった(本誌p.23図を参照)。興味深いことに、血清脂質変化を検討すると、EPA群と対象群においてLDLコレステロールの変化率に有意差を認めなかった。このことから、高純度EPA製剤の心血管イベント抑制効果は、LDLコレステロール値以外による機序が大きいと考えられている。<JELIS 1次予防サブ解析>冠動脈疾患の既往がない1次予防サブ解析(14,981例)では、主要冠動脈イベントの発生はEPA投与群で18%減少するものの、有意差を認めなかった。肥満・高TG (triglyceride)血症・低HDL(high density lipoprotein)血症・糖尿病・高血圧を、冠動脈イベントリスク因子としてそれらの重積と冠動脈イベント発生を検討した結果、対照群/EPA群の両者において発症率の上昇を認め、EPA群で抑制している傾向が見られた2)。また、登録時のTG値とHDL値の組み合わせで4群に分けて、冠動脈イベント発症リスクを比較検討した結果、高TG/低HDL-C血症群ではTG/HDL-C正常群に比較して、冠動脈イベント発生リスクはEPA投与群で53%もの低下を示し、高リスク群での抗動脈硬化作用による心血管イベントの発症抑制が期待されている1, 2)。<JELIS 2次予防サブ解析>冠動脈疾患の既往がある患者(3,664例)の2次予防サブ解析では、EPA投与群で23%のイベント発症抑制効果を認めた3)。インターベンション施行症例や心筋梗塞既往症例においても、EPA投与群でそれぞれ35%、27%のイベント発症の抑制を認めた3)。これらの結果は、高純度EPA製剤の投与はインターベンション施行例や心筋梗塞既往例の2次予防薬としての有用性を示している。血漿EPAとアラキドン酸(AA)の比の変化を観察すると、試験開始時に両群共にEPA/AA比は0.6であったのに対して、EPA投与群では1年後に1.3まで上昇していた3)。試験終了時のEPA/AA比と冠動脈イベント再発の関連性を解析した結果、EPA/AA比が高いほど、イベント発生の相対リスクが低下していることが明らかとなった。<JELIS脳卒中サブ解析>JELIS試験においては、2次評価項目として脳卒中(脳血栓、脳塞栓、判別不能の脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血、くも膜下出血)の発症が検討された。患者背景として、脳卒中の既往はEPA群で485例(5%)であり、対照群で457例(5%)に認められ、その内訳は閉塞性脳血管障害がそれぞれ74%、75%で、両群間に有意差を認めなかった4)。脳卒中の1次予防に関しては、対照群およびEPA投与群ともに、脳卒中発症頻度が低かったため、両群間に明らかな差を認めなかった。実際、対照群における脳卒中累積発症率が5年間で1.3%ととても低値であったことが大きな要因と考えられている。また、JELIS以外に国内で施行された冠動脈疾患や脳卒中の既往のない高コレステロール患者を対象としたMEGA試験では、プラバスタチンの投与で有意に発症を抑制したことが報告されている。つまり、JELISにおけるスタチン投与の背景がすでに脳卒中発症をかなり予防していたことが推察され、EPAの有用性を否定するものではない結果といえよう。脳卒中既往歴のある2次予防については、EPA投与群において20%の有意な脳卒中発症抑制効果(発症リスク比0.80、95% CI:0.64-0.997)が認められた4)。この脳卒中発症抑制に関しては、number to treat(NNT=疫学の指標の1つで、エンドポイントに到達する患者を1人減らすために何人の患者の治療を必要とするかを表したもの)は27であった。興味深いことに、同時期に欧米で施行されたSPARCL試験5)では、アトルバスタチンの5年間の投与による脳卒中2次予防効果のNNTは46であり、高用量スタチンより優れた結果を示唆するものであった。単純比較はできないが、EPA製剤(スタチン併用)の脳卒中2次予防効果における臨床的有用性を示すと考えられている。登録時のHDL-C値と脳卒中発症の関係を解析した結果、対照群ではHDL-C値が低いことに相関して脳卒中再発率が有意に増加するが、EPA投与群ではHDL-C値と独立して脳卒中再発予防効果を認めた。また臨床的なポイントとして、JELISにおける脳卒中の疾患別検討では、EPA効果がより高い群として脳梗塞、特に脳血栓症の抑制が明らかであった。またEPA服薬良好群では、36%の顕著な再発低下(5年間のNNTは16)を示した6)。EPAの特徴の1つである血小板凝集抑制作用を介したアテローム血栓予防効果が大きな役割を果たしている可能性が高い。GISSI-Prevenzione Trial7)と海外のエビデンスイタリアで行われたGISSI-Prevenzione Trialは、急性心筋梗塞発症後3か月以内の高リスク患者11,324症例を対象とした2次予防試験であり、オメガ3系多価不飽和脂肪酸1g/日のカプセルと抗酸化作用を持つビタミンE 300mg/日を内服する群を、オメガ3系多価不飽和脂肪酸のみ内服する群、ビタミンEのみ内服する群、両方内服する群、両方内服しない群に分けて3.5年間介入し検討を行った試験である7)。その結果、オメガ3系多価不飽和脂肪酸を内服している群は対象群に比べ、全死亡の相対リスク(95% CI)が0.80(0.67-0.94)と低下を認め、特に突然死においては0.55(0.40-0.76)と大きく抑制され、突然死においては治療開始後早期の120日ですでに有意な相対リスクの低下(0.47(0.22-0.99)、p=0.048)が認められた(本誌p.24図を参照)7)。また、心不全患者を対象に行ったGISSI-HF Trialでも、オメガ3系多価不飽和脂肪酸の投与は、有意に心血管イベントの発症を抑制した8)。コホート試験である13試験を用いて、魚摂取・魚食頻度と冠動脈疾患による死亡率との関連について検討した結果(222,364症例のメタ解析)、魚摂取は冠動脈疾患による死亡率を有意に低下させることが明らかとなった9)。さらに、脂質低下療法に関する97ランダム化大規模臨床試験のメタ解析の結果から、スタチンとオメガ3系多価不飽和脂肪酸製剤は、心臓死および総死亡のイベントリスクを低下させることが示された10)。これらのエビデンスから、ハイリスクの脂質異常患者に対してスタチンにEPA製剤を加えることで、さらなる心血管イベント抑制効果が期待できると考えられる。おわりに高純度EPA製剤は、心血管イベントおよび脳血管イベントの1次予防・2次予防戦略を考えるうえで重要な薬剤であることはいうまでもない。大規模臨床試験のエビデンスをベースとした各ガイドラインを見てわかるように、脂質異常症のゴールデンスタンダードであるスタチンに加えて、EPA製剤の併用効果が証明され、臨床的意義づけが確立している。JELISによる日本人のエビデンスに裏づけされた内科的戦略の1つとして、心血管・脳血管イベントのハイリスク症例やスタチン投与による脂質管理下でもイベント発生を抑制できない症例に対して、積極的な使用が推奨される。またEPA・DHA製剤についても、ようやく国内で使用することができるようになった。日本人のエビデンスはまだ十分ではなく、ガイドラインにおける位置づけは現時点では明確ではないが、欧米におけるエビデンスと使用経験から本邦でも十分に期待できるものと思われる。EPA製剤との違いや臨床的使い分けなど、今後のさらなるエビデンスの蓄積が必要であろう。文献1)Yokoyama M et al. Effects of eicosapentaenoic acid on major coronary events in hypercholesterolaemic patients (JELIS): a randomised open-label, blinded endpoint analysis. Lancet 2007; 369: 1090-1098.2)Saito Y et al. Effect of EPA on coronary artery disease in hypercholesterolemic patients with multiple risk factors: sub-analysis of primary prevention cases from the Japan EPA Lipid Intervention Study (JELIS). Atherosclerosis 2008; 200: 135-140.3)Matsuzaki M et al. Incremental effect of eicosapentaenoic acid on cardiovascular events in statin-treated patients with coronary artery disease. Circ J 2009; 73: 1283-1290.4)Tanaka K et al. Reduction in the recurrence of stroke by eicosapentaenoic acid for hypercholesterolemic patients : subanalysis of the JELIS trial. Stroke 2008; 39: 2052-2058.5)Amarenco P et al. High-dose atrovastatin after stroke or transient ischemic attack. N Engl J Med 2006; 355: 549-559.6)田中耕太郎ほか. 高コレステロール血症患者の脳卒中発症に対するEPAの効果-JELISサブ解析結果. 脳卒中2007; 29: 762-766.7)Marchioli R et al. Early protection against sudden death by n-3 polyunsaturated fatty acids after myocardial infarction: time-course analysis of the results of the Gruppo Italiano per lo Studio della Sopravvivenza nell'Infarto Miocardico (GISSI)-Prevenzione. Circulation 2002; 105: 1897-1903.8)Gissi HFI et al. Effect of n-3 polyunsaturated fatty acids in patients with chronic heart failure (the GISSI-HF trial): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet 2008; 372: 1223-1230.9)He K et al. Accumulated evidence on fish oil consumption and coronary heart disease mortality : a meta-analysis of cohort studies. Circulation 2004; 109: 2705-2711.10)Studer M et al. Effect of different antilipidemic agents and diets on mortality : a systematic review. Arch Intern Med 2005; 165: 725-730.

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診察室での血圧測定はもういらない?-高血圧診療は、自己測定と薬の自己調整の時代へ(解説:桑島 巌 氏)-240

わが国の高血圧診療は、家庭血圧計で測定した血圧値をもとに降圧薬の増減を判断することが一般的になってきた。診察室血圧値は白衣現象や仮面高血圧を見逃し、適切な血圧管理ができないからである。 さらに、家庭血圧は外来血圧測定に比べて、季節による血圧変化やストレスによる血圧変化を的確にとらえるのに優れている。そして、患者自身が医師による診療に先んじて、自分の普段の血圧値を知ることの利点はきわめて大きい。 したがって、血圧自己管理と降圧薬の自己調整によって、これまでよりも、きめ細かな血圧調整が可能となる。本論文は、まさにそのことを実証してみせたという点で、エポックメイキングの研究成果となろう。 本試験のプロトコールは、高リスクの高血圧症例で、家庭血圧目標を120/75mmHgと設定して降圧薬をあらかじめ決められた3ステップ法で増減してもらう群と、従来のように診察室血圧で血圧管理する群にランダム化して1年間追跡、1年後の診察室血圧を比較するというものである。一次エンドポイントは、1年後の診察室での両群の血圧値の差である。 その結果、ベースラインから1年後への収縮期/拡張期血圧低下は、介入(自己調整群)群のほうが通常診療群よりも9.2/3.4mmHgも大きかったというものである。介入群での1年後の家庭血圧平均値も128.2/73.8mmHgであり、通常診療群の137.8/76.3mmHgより明らかに低い。当然、自己管理群のほうが有意に多くの降圧薬を服用していた(2.22剤vs 1.73剤)にもかかわらず、有害事象には差がなく、安全に自己管理ができていたという。 しかし、本試験は、血圧が極端に高い症例や、起立性低血圧、認知症のある症例、降圧薬を3剤以上処方されている症例は除外されていることに注意が必要である。また、糖尿病、慢性腎臓病、心疾患などを合併する高リスク群が対象でありながら、降圧によるこれら合併症の悪化など、個々の症例で管理すべきことには触れられていない。さらに、家庭血圧が途中で下がりすぎた場合の対処などにも触れられていない。現実には、家庭血圧が極端に下がってきた場合には降圧薬を減らすように指示することはよくあるが、その点についての解析は述べられていない。 しかし、家庭血圧計が普及した今、高血圧診療のあり方を見直す重要なエビデンスではある。

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55)ご飯の量を意識させるアドバイスの方法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者私、ご飯が大好きで、どのくらいにしておいたらいいですか?医師今、どのくらいですか?患者お茶碗に1杯ぐらいです。おかわりはしないようにしています。医師頑張っておられますね。それなら、だいたい150gぐらいじゃないでしょうか。患者外食すると、血糖が上がるんですが・・・医師確かに、外食ではご飯の量がわかりにくいですね。カレー皿の普通盛りなら、家で食べているごはんの倍、300gくらいありますね。患者外でカレーを食べると、血糖が上がるわけですね。医師それじゃ、丼物は何gくらいあると思いますか?患者500gくらいですか?医師どんぶり勘定ですね。丼物もカレー皿と同じくらいのご飯量になります。●ポイント普段のご飯量、外食時のご飯量などを確認することから食事療法を始めます●資料茶碗半分(80g)、茶碗8分目(120g)、茶碗1杯(150g)、茶碗1杯強(200g)、パックご飯(200g)カレー(チェーン店) 小盛り(200g)、普通盛り(300g)牛丼(チェーン店) 小盛(180g)、並盛(260g)、大盛り(320g)

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各種ダイエット法の減量効果/JAMA

 アトキンス式(Atkins、低炭水化物[糖質制限]食)やオーニッシュ式(Ornish、低脂肪食)など固有の名称が付されたダイエット法は、実際に良好な減量効果をもたらしていることが、カナダ・トロント大学のBradley C Johnston氏らの調査で示された。個々のダイエット法の優位性については種々の主張があり、どの方法が優れるかは明らかではなかったが、今回の解析では、どれも大きな差はないことが確認された。JAMA誌2014年9月3日号掲載の報告。3クラス、11種のダイエット法のネットワークメタ解析 研究グループは、ダイエット食のクラス別(低炭水化物食、中等量主要栄養素食、低脂肪食)および個々のダイエット法別の減量アウトカムを評価するメタ解析を実施した。対象は、過体重および肥満者(BMI≧25)の無作為化試験とした。 6つの医学関連データベースを検索して選出された文献から、2名のレビュワーが別個にデータを抽出した。相対的な減量効果を推定するために、ベイズ的枠組みを用いたネットワークメタ解析を行った。主要評価項目は、6ヵ月および12ヵ月時の非ダイエット群との比較における体重減少とした。 ダイエット食のクラスは摂取エネルギーに占める主要栄養素の割合で定義し、低炭水化物食は炭水化物が≦40%、タンパク質が約30%、脂質が30~55%、中等量主要栄養素食はそれぞれ約55~60%、約15%、21~30%、低脂肪食は約60%、約10~15%、≦20%とした。解析には11種のダイエット法が含まれた。低炭水化物・低脂肪食は半年で約8kg減量 48件の無作為化試験(論文59本)に参加した過体重~肥満の7,286例が解析の対象となった。全体の年齢中央値は45.7歳、体重中央値は94.1kg、BMI中央値は33.7、ダイエット食による介入期間中央値は24週であった。 6ヵ月時には、すべてのクラスのダイエット法が非ダイエット群に比べ有意に良好な減量効果を達成し、12ヵ月時も有意差は維持されたが、6ヵ月時に比べ効果は1~2kg低下した。また、6ヵ月時は低炭水化物食の減量効果が相対的に大きかったが、低脂肪食との間には明確な差はなく、12ヵ月時には低脂肪食のほうがむしろ減量効果が大きかった。 すなわち、ダイエットを行わなかった群に比べ低炭水化物食の群は、6ヵ月時に中央値で8.73kg(95%確信区間[credible interval:CI]:7.27~10.20kg)、12ヵ月時には7.25kg(同:5.33~9.25kg)の減量が達成され、低脂肪食ではそれぞれ7.99kg(同:6.01~9.92kg)、7.27kg(同:5.26~9.34kg)の体重減少が得られた。中等量主要栄養素食の減量効果は6ヵ月時が6.78kg(同:5.50~8.05)、12ヵ月時は5.70kg(同:4.14~7.35kg)だった。 一方、個々のダイエット法の減量効果の差は小さかった。たとえば、低炭水化物食を用いるアトキンス式は、同じ低炭水化物食のゾーン(Zone)式よりも6ヵ月時の減量効果が大きかったが、その差は1.71kgだった。 行動支援(カウンセリングなど)により、6ヵ月時には3.23kg(95%CI:2.23~4.23kg)と有意な減量効果が得られたが、12ヵ月時には1.08kg(同:-1.82~3.96kg)と有意差は消失した。また、運動(ジョギングなど)の減量効果は6ヵ月時には0.64kg(同:-0.35~1.66kg)と有意ではなかったが、12ヵ月時には2.13kg(同:0.43~3.85kg)と有意な改善が達成された。 著者は、「低炭水化物食と低脂質食による減量効果は1年にわたり良好で、行動支援や運動はその効果を増強する」とまとめ、「ダイエット法の違いは大きな問題ではなく、理想的には個々人が最も実行しやすく、長期に継続可能な方法を選ぶことが重要である」と指摘している。

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Dr.林の笑劇的救急問答10 【電解質異常編】

第1回 高カリウム血症「意識障害の60歳男性」 第2回 低カリウム血症「下痢と脱水の70歳女性」 第3回 低Na血症&高Na血症「痙攣を起こした35歳男性」 第4回 高Ca血症&低Ca血症「怒ったり眠ったりの55歳女性」 すっかりお馴染みのDr.林による救急シリーズ。 第10シーズン上巻は「電解質異常編」。「何かヘンなんです!」と診察に訪れた患者。さてどうしますか?電解質は測定してみないとなかなか異常に気づかないものですが、怖い病態もあるので、疑ってかかるようにしましょう。カリウム、ナトリウム、カルシウムの異常を取り上げ、診察、検査、診断とその処置・治療をわかりやすく、しかも徹底的に解説!研修医・講師らが演じる爆笑症例ドラマにもヒントがぎっしり!笑いながら重要なポイントを学んでください。第1回 高カリウム血症 「意識障害の60歳男性」 テーマは最も見逃したくない電解質異常-高カリウム血症です。心電図でテントTがあれば高カリウム血症を疑うことも難しくはありませんが、何となく奇妙な波形を見た時にも疑いましょう。気づかないと、あっという間に悪くなり、命取りになりかねません。Case1:60歳男性 徐脈、血圧低下で意識障害。現病歴は慢性腎不全。心電図を読んだオタク研修医は、自信がないながらも心室性の不整脈と判断し、リドカインで治療を進めようとする。第2回 低カリウム血症 「下痢と脱水の70歳女性」 低カリウム血症の症状は、脱力や不整脈など多岐にわたり、かつ非特異的なので、疑ってかからないとなかなか見つけることができません。あとは、その原因を突き止めること。原因によってカリウムの補正方法が異なるのでしっかりと把握しておきましょう。Case2:70歳女性 前日より下痢が続き、とうとう力が入らなくなり歩けなくなったと来院。指導医Dr.林のフォローのおかげで低K血症だと診断し、カリウムの補正をする研修医・・・。そこに死神が現れる!!第3回 低Na血症&高Na血症 「痙攣を起こした35歳男性」 意外にスルーされがちなナトリウム異常ですが、時には緊急に補正しなくてはならない症例もあります。また、逆に急いで補正してしまうと、浸透圧性脱髄症候群を起こしてしまうことも!補正の仕方をしっかりマスターしましょう。Case3:35歳男性、痙攣による意識障害で救急搬送。頭部CT検査、神経所見、共に異常なし。意識が回復した患者は「水を飲まないと腎臓が溶ける病気」と主張し、水道へ走る。水中毒の可能性に気づいた研修医は、水制限を提案するが・・・。第4回 高Ca血症&低Ca血症 「怒ったり眠ったりの55歳女性」カルシウムの異常を見つけても放っていませんか?中にはに緊急に対応しなければならない場合もあります。高カルシウム血症の治療の第1選択は「生理食塩水」。ハイカラな薬を使うよりも、まず、脱水の補正から行いましょう。Case4:55歳女性。突然怒り出したかと思えば、またすぐに眠ってしまったりを繰り返している。糖尿病の既往あり。最近肺の影を指摘され、精査予定。意識障害の原因もわからずどう対処すべきか悩んだ研修医。Dr.林は、患者に肺腫瘍があることを指摘し、血液検査項目の追加を指示。

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食事内容で気をつけさせること

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話医師 Aさんは炭水化物が好きな方ですか?患者 はい。大好きです。医師 そうですか。ごはんやパン、麺類は炭水化物ですから食べ過ぎると血糖が異常に上がります。ラーメンに半チャーハンと餃子など炭水化物の重ね食いは要注意ですね。患者 たまに、それをやっちゃうんですよね。医師 そうですか。上手に炭水化物とつきあってみてください。そういった炭水化物が好きな人にいい薬がありますよ。患者 それはどんな薬ですか?画 いわみせいじ医師 炭水化物の吸収を遅らせる薬です。腸で炭水化物の吸収を遅らせることで、食事の後の血糖の上昇を防ぎます。患者 私にピッタリの薬ですね。医師 ただし、炭水化物をよく食べる人は、この薬だけで処理しきれないこともあるのでお腹がはったり、おならが出やすくなったりなど、副作用が出る人もいます。患者 なるほど。薬を飲んでいるからといって、炭水化物を食べ過ぎてはいけないわけですね。ポイント患者さんの好みを聞いて、それに合わせた薬を選択し、副作用の説明とともに食事指導ができるといいですねCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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血糖値を下げる食事指導

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話患者 何を食べたら血糖値が下がりますか。医師 いいものがありますよ。(前置きする)患者 それは何ですか?医師 食物繊維がたっぷり入っている野菜です。患者 そういえば、野菜はあまり食べていませんね。医師 それもご飯など炭水化物より先に野菜を食べる習慣をつけると、その食物繊維の効果で食後の血糖上昇を防ぐことができます。画 いわみせいじ患者 ご飯ではなくて、野菜から先に食べるんですね。医師 そうです。食べる順番を変えるわけです。患者 なるほど。食べる野菜は何でもいいですか?医師 そうですね。キャベツ、キュウリ、トマト、モヤシなど何でもいいですよ。ただし、ポテトサラダは糖質が多く、血糖が上がるから気をつけてくださいね。患者 はい。わかりました。ポイントシンプルな食事指導の方が、患者さんの実行率が高まりますCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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糖尿病とがんの関係とは

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話患者 糖尿病になると、がんになりやすいって聞いたんですけど、本当ですか?医師 それは本当ですよ。患者 えっ、やっぱりそうなんですか。(少し心配そうな顔)医師 とくに、膵臓がん、肝臓がん、大腸がんになりやすいそうです。患者 それは怖いですね。医師 糖尿病の合併症だけではなく、がんも予防ができたらいいですね。患者 どうしたらいいですか?画 いわみせいじ医師 じつは糖尿病合併症とがんの予防は同時にできますよ。患者 具体的にはどうしたらいいですか?医師 まずは禁煙、次に運動、3番目がたっぷり野菜を食べることです。患者 なるほど。頑張ってやってみます。(嬉しそうな顔)ポイント合併症とがんの予防が同時行えるよう指導すると効果的Copyright© 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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