サイト内検索|page:109

検索結果 合計:5251件 表示位置:2161 - 2180

2161.

完全人工膵臓開発における熾烈な競争(解説:住谷哲氏)-1371

 筆者は本連載1167回の『完全人工膵臓実現へのさらなる一歩』で、高血糖時に投与するcorrection bolusを自動化したControl-IQシステムについてコメントした。この点でControl-IQシステムに一歩遅れをとっていたMedtronicが新たに開発したシステムであるadvanced hybrid closed-loop system(AHCL)についての報告である。Medtronicはすでにhybrid closed-loop system(HCL)としてMiniMed 670Gを市場に送り出していたが、MiniMed 670Gにcorrection bolus投与自動化アルゴリズムを持つMD-Logic artificial pancreas algorithm(DreaMed Diabetes[イスラエル、ペタフ・ティクバ])を組み込んだAHCLを新たに開発した。MiniMed 670Gとハード(インスリンポンプとCGM)はまったく同一で、新しいソフトを搭載した機種になる。 試験の対象となったのは1型糖尿病のなかでも血糖管理が困難とされている思春期・若年成人(adolescents and young adults)1型糖尿病患者113人である。機種の違いを比較する試験でありmaskingは不可能であるが、対象患者間の個体差を最小にするために無作為化クロスオーバーデザインが用いられた。Correction bolus投与自動化による有益性を評価するのが試験目的であるので、日中における血糖値>180mg/dLの時間と、<54mg/dLの時間との2つの主要評価項目coprimary endpointが設定された。結果は、血糖値>180mg/dLの時間がHCL期間で34%、AHCL期間で37%(p<0.001)でありAHCLで有意に減少していた。 それではControl-IQシステムとadvanced MiniMed 670G(今回検討された新機種)のどちらが優れているだろうか? 両機種には機能に種々の相違点があるが、この疑問は両者のhead-to-head試験が実施されない限り(その実現可能性はきわめて低いが)答えられない。しかしControl-IQシステムは自己血糖測定によるCGMの較正が不要であるのに対して、MiniMed 670Gに搭載されたCGMは12時間ごとの較正が必要であり、この点ではControl-IQシステムが利便性に勝る。Control-IQシステムvs.MiniMed 670Gの勝者がいずれになるかは、食事の前に投与するmeal bolusの自動化をどちらが達成するかにかかっていると思われる。

2162.

インクレチン薬同士での切り替えの理由【処方まる見えゼミナール(眞弓ゼミ)】

処方まる見えゼミナール(眞弓ゼミ)インクレチン薬同士での切り替えの理由講師:眞弓 久則氏 / 眞弓循環器科クリニック院長動画解説前医でGLP-1製剤を使用していた糖尿病患者。今回からDPP-4阻害薬へ変更となりましたが、患者がかかりつけ医を変えたことと、この処方変更に関係はあるのでしょうか?若手薬剤師の推理を聞いたうえで、眞弓先生が“真相”を語ります。

2163.

81歳にインスリン導入!糖尿病専門医の深謀【処方まる見えゼミナール(三澤ゼミ)】

処方まる見えゼミナール(三澤ゼミ)81歳にインスリン導入!糖尿病専門医の深謀講師:三澤 美和氏 / 大阪医科大学附属病院 総合診療科動画解説今回から経口血糖降下薬がインスリンに変更された81歳の患者さん。「高齢者にインスリンを導入するのはハードルが高い」と言われているなか、三澤先生はなぜ切り替えを決断したのでしょうか。糖尿病専門医でもある三澤先生が考えた処方意図、インスリン導入時の検討事項などを解説します。

2164.

HbA1c6.2%で糖尿病治療薬を変更しなければならなかった患者の謎【処方まる見えゼミナール(三澤ゼミ)】

処方まる見えゼミナール(三澤ゼミ)HbA1c6.2%で糖尿病治療薬を変更しなければならなかった患者の謎講師:三澤 美和氏 / 大阪医科大学附属病院 総合診療科動画解説血糖コントロールが良好なのに治療薬が大きく変わった女性。三澤先生が迷いなく変更した理由は何なのでしょうか。糖尿病専門医ならではのきめ細やかなヒアリング内容、もし変更しなかった場合に起こりうることなどを解説します。

2165.

糖尿病治療薬がガラッと変わった後の服薬指導【スーパー服薬指導(2)】

スーパー服薬指導(2)糖尿病治療薬がガラッと変わった後の服薬指導講師:近藤 剛弘氏 / 元 ファイン総合研究所 専務取締役動画解説病院を変え、初めて薬局を訪れた男性患者。処方薬も変わったことをお薬手帳で知った薬剤師がまず最初に確認したこととは?

2166.

知らないと悲劇?毎朝血糖値測定を欠かさない患者【スーパー服薬指導(5)】

スーパー服薬指導(5)知らないと悲劇?毎朝血糖値測定を欠かさない患者講師:近藤 剛弘氏 / 元 ファイン総合研究所 専務取締役動画解説脂質異常症を併発する糖尿病患者が来局。コレステロールと中性脂肪が改善しないと、スタチン系の処方が変更されたが、薬剤師は併用薬との相互作用に気づき…

2169.

ワクチン接種2回目で多い副反応疑い、主な症状と発症時期は?/厚労省

 厚生労働省は3月26日、医療機関や製造販売業者からの副反応疑い報告状況、国内アナフィラキシー発生状況などについての検討会*を開催し、「新型コロナワクチン投与開始初期の重点的調査(コホート調査)」の中間報告などを行った。それによるとファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを接種した場合、発熱、倦怠感、頭痛などの副反応が2回目に多くみられた。また、いずれの症状も接種当日~翌日に出現している場合が多かった。 報告によると、発熱の場合“1回目接種後の発熱(37.5℃以上)は3.3%であったのに対し、2回目は35.6%と高率だった。発熱する場合は翌日が多く、接種3日目には解熱した”とあり、また接種部位の疼痛は“1回目、2回目いずれでも90%超で、接種翌日が最も頻度が高く、接種3日後には軽快した”という。調査概要と結果詳細 この調査は伊藤 澄信氏(順天堂大学医学部臨床研究・治験センター)らによるワクチン接種者を対象とした前向き観察研究で、治験と同様の方法で1~2万人の安全性情報を収集し、厚労省の専門家会議を通じて国民に安全性情報を発信することを目的としている。 2月14日に特例承認となったファイザー製の新型コロナワクチン「コミナティ筋注」を2月17日から先行接種対象者に接種開始。2月25日に被接種者登録が終了、1万9,808例が1回目を接種しコホート調査に登録され、2回目接種者は1万7,579例だった。接種者の職種は医師17%、看護師47%、その他医療従事者36%(薬剤師・臨床検査技師・放射線技師は各3%、理学療法士2%ほか)。年代は20代:21%、30代:24%、40代:25%、50代:21%、60代以上:8.7%で、男性34%、女性66%だった。治療中疾患は高血圧が最も多く、次いで脂質異常症、糖尿病、気管支喘息の順に多かった。 症状の出現について、接種後8日目以降に回収した1回目接種1万9,035例(全体の96.1%) および2回目接種3,933例の健康観察日誌から調べた結果、1回目に比べると2回目接種では接種翌日に頭痛(約40%)、全身倦怠感(約60%)を自覚した。また、接種部位の疼痛については1回目、2回目ともに接種翌日時点で約90%の接種者が記録しており、これは2009年のH1N1pdmインフルエンザワクチンNHO 2万人調査での疼痛出現の割合(43.8%)と比較しても、頻度が明らかに高いことが示された。 主な症状と発症率は以下のとおり(1回目/2回目)。発熱(37.5℃以上):3.3%/35.6%発熱(38℃以上):0.9%/19.1%接種部位反応:92.9%/93.0%発赤:13.9%/16.0%疼痛:92.3%/91.9%腫脹:12.5%/16.9%硬結:10.6%/9.9%熱感:12.8%/16.6%かゆみ:7.9%/10.4%倦怠感:23.2%/67.3%頭痛:21.2%/49.0%*:第54回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、第14回薬事食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会合同開催(ケアネット 土井 舞子)患者説明用スライドはこちら『新型コロナワクチン副反応疑い症状』

2170.

過体重・肥満へのセマグルチド、中断で体重リバウンド/JAMA

 過体重または肥満の成人に対し、20週間のセマグルチド皮下投与後、2.4mg/週を48週間継続投与した群はプラセボに切り替えた群と比べて、体重減少が維持されていたことが示された。米国・Washington Center for Weight Management and ResearchのDomenica Rubino氏らが、約800例を対象に行った68週間の第III相無作為化二重盲検試験「STEP 4試験」で明らかにした。過体重または肥満者へのGLP-1受容体作動薬セマグルチドの投与について、投与を継続した場合と中断した場合の影響については、これまで明らかになっていなかった。JAMA誌オンライン版2021年3月23日号掲載の報告。10ヵ国73ヵ所の医療機関で試験 研究グループは2018年6月~2020年3月にかけて、10ヵ国73ヵ所の医療機関を通じて、BMI値30以上、または27以上で体重関連の併存疾患が1つ以上ある、非糖尿病成人を対象に試験を行った。 902例がrun-in期間中に週1回のセマグルチド皮下投与を受けた。20週間(16週は漸増投与、4週は維持投与)の実施後、803例(89.0%)が2対1の割合で無作為化され、2.4mg/週のセマグルチド継続投与(535例)またはプラセボへの切り替え投与(268例)を受け、体重減少効果などが検証された。両群ともに、専門家による毎月のカウンセリングを含む生活習慣への介入も行われた。 主要エンドポイントは、20週から68週の体重変化(%)だった。副次エンドポイントは、腹囲、収縮期血圧、身体機能(Short Form 36 Version 2 Health Survey, Acute Version[SF-36]を用いた評価)だった。セマグルチド継続群、対プラセボ群で腹囲-9.7cm、収縮期血圧-3.9mmHg 803例(平均年齢46歳[SD 12]、女性79%、平均体重107.2kg[SD 22.7])のうち、787例(98.0%)が試験を完了し、治療を完遂したのは741例(92.3%)だった。 20~68週の体重変化率は、プラセボ群は6.9%増加したのに対し、セマグルチド継続群は7.9%減少した(群間差:-14.8%、95%信頼区間[CI]:-16.0~-13.5、p<0.001)。 また、セマグルチド継続群はプラセボ群に比べ、腹囲(群間差:-9.7cm[95%CI:-10.9~-8.5])、収縮期血圧(-3.9mmHg[-5.8~-2.0])、SF-36身体機能スコア(2.5[1.6~3.3])のいずれも改善が認められた(すべてのp<0.001)。 なお、胃腸関連イベントの発生が、プラセボ群26.1%だったのに対しセマグルチド継続群では49.1%に認められた。有害事象による投与中断率は、セマグルチド継続群2.4%、プラセボ群2.2%で同程度だった。

2171.

円形脱毛症リスク、地毛の色で有意差

 円形脱毛症と地毛の色には有意な関連がみられ、より暗い色(黒髪や暗褐色の髪)のほうが有意にリスクが高い。米国・ウェストバージニア大学のAhmed Yousaf氏らが、英国の白人種男女を対象とした適合ケースコントロール試験の結果を報告した。円形脱毛症は、複合的な免疫異常によって非瘢痕性脱毛を引き起こすとされている。 先行研究では、病変部における白髪を形成する毛包の色素細胞、非色素細胞を標的とした報告がされ、メラノサイトおよびケラチノサイトにおけるメラニン形成に関連したタンパク質の免疫標的化が、円形脱毛症の成長期の毛髪を標的とする炎症のメカニズムを表すものと示唆されていた。著者は、「われわれの結果はそうしたモデルを支持するものである。ただし、円形脱毛症と髪の色の免疫原性の関連性をより正確に解き明かすには、さらなる研究が必要だ」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年3月10日号掲載の報告。 研究グループは2020年10月に、英国居住の白人種における円形脱毛症と髪の色の関連を調べる適合ケースコントロール試験を行った。試験には、前向きに収集された大規模コホートが用いられ、UK Biobank(成人の表現型および遺伝子型の決定因子を研究するためにデザインされた大規模前向きリソース)から集めたデータを包含した。 UK Biobankの被験者計50万2,510例をレビューし、髪の色が報告されていた円形脱毛症1,673例(ケース群)を抽出し、1対4のマッチング法を用いて年齢と性別で適合した非円形脱毛症6,692例(対照群)と比較検証した。 アウトカム変数は円形脱毛症、主な予測因子を白髪になる前の地毛の色として、条件付きロジスティック回帰分析にて評価した。考慮した変数は糖尿病、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、白斑などであった。 主な結果は以下のとおり。・被験者46万4,353例において、25万4,505例(54.8%)が女性であった。・円形脱毛症を呈した被験者の平均年齢(SD)は46.9(16.5)歳であった。・円形脱毛症は、薄茶色の髪の被験者と比較して、黒髪(補正後オッズ比[aOR]:2.97、95%信頼区間[CI]:2.38~3.71)、暗褐色(1.26、1.11~1.42)の被験者で有意に多く認められた。・対照的に、金髪の被験者では、薄茶色の髪の被験者と比較して、円形脱毛症が有意に少なかった(aOR:0.69、95%CI:0.56~0.85)。・赤毛の被験者と薄茶色の髪の被験者に、有意差はみられなかった。

2173.

リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用 その3【「実践的」臨床研究入門】第6回

「観察研究」と「介入研究」CQ 慢性腎臓病(CKD) の進行を抑制するためにたんぱく質摂取量を制限することは推奨されるか?推奨CKD の進行を抑制するためにたんぱく質摂取量を制限することを推奨する。ただし、画一的な指導は不適切であり、個々の患者の病態やリスク、アドヒアランスなどを総合的に判断し、腎臓専門医と管理栄養士を含む医療チームの管理の下で行うことが望ましい (推奨グレード B 1)。前回までに、設定したCQに類似する上記のCQの記載と回答(推奨)を、「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」で見つけ、本文の解説を読み込みました。解説文(筆者がまとめた概要)では、下記のように先行研究を引用して、CKD患者における食事療法(低たんぱく食)に関するエビデンスが述べられています。CKD患者におけるたんぱく質制限による腎保護効果は、これまで多くのランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)1-11)や、それらを統合(メタ解析)した、いくつかのシステマティック・レビュー12-18)で検討されている。CKD患者(とくに糖尿病非合併例)に対するたんぱく質制限は、腎機能低下抑制に有効な可能性がある。RCTやシステマティック・レビューといった臨床疫学用語が出てきたので、ここでは臨床研究の「型」について簡単に解説してみたいと思います。臨床研究の「型」は「観察研究」と「介入研究」に大別されます。「観察研究」では研究目的を意識した介入(I)は加えずに、ある疾患やそれに対する診療の実態をありのままに観察します。一方、「介入研究」は、研究者が研究の対象(P)に対して意図した介入(I)を加えたうえでアウトカム(O)を追跡します。「介入研究」は介入(I)をP(対象)にランダム(無作為)に割り付けるか否かによって、RCTとnon-RCTに分類されます。「介入」の効果を科学的に検証するためには介入(I)群と対照(C)群の「比較の妥当性」をできる限り担保する必要があります。「ランダム割付」によって、介入(I)群と対照(C)群の間でアウトカムに影響する可能性のある背景因子を揃えることが期待でき、高い「比較の妥当性」を得ることができます(non-RCTはこの「ランダム割付」という「介入研究」の最大の「強み」を活かしていないので、「介入研究」≒RCTと捉えて良いのではないか、と筆者は考えています)。「内的妥当性」と「外的妥当性」また、前回まとめたように、「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」では、上記のCQに対する推奨(回答)が根拠とするこれまでのエビデンスのひとつの限界として、以下のように言及されています。これらのエビデンスはほとんどが適格基準が厳しいRCTで示されたものである。また、腎臓専門医ならびに管理栄養士の指導の遵守率が高い状態の研究結果でもあり、CKD診療一般にあてはめることは難しい可能性がある。われわれが行おうとしている研究は「観察研究」です(連載第1回冒頭のダイアローグ参照)。「ランダム割付」した「介入研究」、いわゆるRCTは、介入(I)群と対照(C)群を公平に比較できることが期待されます。したがって、前述したとおりRCTは「比較の妥当性」が高く(別の言い方で、「内的妥当性」が高い、とも言います)、エビデンスレベルも「観察研究」より高く位置づけられています。それでは、「観察研究」の価値はRCTと比べて著しく低いのでしょうか、そんなことはありません。「内的妥当性」に対して「外的妥当性」という臨床疫学用語があります。「外的妥当性」とは、ざっくり言うと、ある特定の臨床研究で得られた結果を、その臨床研究で対象としたサンプル(研究対象集団)以外の集団に対しても当てはめることができるか、ということです(別の言い方で、「一般化可能性」、とも言います)。確かにRCTは前述したとおり「内的妥当性」には優れています。しかしRCTの適格基準を満たし、かつRCTの参加に同意する患者集団は、現実の一般的な診療で対象としている患者集団とかけ離れているかもしれません。なぜなら、RCTでは高齢者や重篤な併存疾患があるようなリスクの高い患者さんは適格基準を満たさず除外されてしまうことが多いからです。また、RCTへの参加に同意する患者さんは、そうでない患者さんに比べて健康意識が高く、日常の診療でも治療遵守の程度も高いかもしれません。このようなことから、一般にRCTは「内的妥当性」は高いけれども「外的妥当性」が低いことが多い、と言われます。「内的妥当性」と「外的妥当性」のバランスの観点から、われわれが行う「観察研究」でも新たなエビデンスを積み上げる余地(ニッチ)がはあると判断して、研究デザインの検討を前に進めて行きます。もちろん「観察研究」はRCTと比較して「内的妥当性」が低いことは否めません。研究デザインや統計解析計画で「観察研究」の「内的妥当性」を高める工夫についても、おいおい、解説して行きたいと思います。1)Ihle BU et al. N Engl J Med 1989;321:1773-7.2)Brouhard BH et al. Am J Med 1990;89:427-31.3)Zeller K et al. N Engl J Med 1991;324:78-84.4)Williams PS et al. Q J Med 1991;81:837-55.5)Klahr S et al. N Engl J Med 1994;330:877-84.6)Hansen HP et al. Kidney Int 2002;62:220-8.7)Pijls LT et al. Eur J Clin Nutr 2002;56:1200-7.8)Meloni C et al. J Ren Nutr 2004;14:208-13.9)Koya D et al. Diabetologia 2009;52:2037-45.10)Cianciaruso B et al. Am J Kidney Dis 2009;54:1052-61.11)Garneata L et al. J Am Soc Nephrol 2016;27:2164-76.12)Kasiske BL et al. Am J Kidney Dis 1998;31:954-61.13)Pan Y et al. Am J Clin Nutr 2008;88:660-6.14)Fouque D et al. Cochrane Database Syst Rev 2009:CD001892.15)Robertson L et al. Cochrane Database Syst Rev 2007:CD00218116)Nezu U et al. BMJ Open 2013;3:e002934.17)Rughooputh MS et al. PLoS One 2015;10:e0145505.18)Jiang Z et al. Int Urol Nephrol 2016;48:409-18.1)福原俊一. 臨床研究の道標 第2版. 健康医療評価研究機構;2017.2)木原雅子ほか訳. 医学的研究のデザイン 第4版. メディカル・サイエンス・インターナショナル;2014.3)矢野 栄二ほか訳. ロスマンの疫学 第2版. 篠原出版新社;2013.4)中村 好一. 基礎から学ぶ楽しい疫学 第4版. 医学書院;2020.5)片岡 裕貴. 日常診療で臨床疑問に出会ったときに何をすべきかがわかる本 第1版.中外医学社;2019.

2174.

医者にかかる10箇条に見る新たな医師と患者の関わり方

 インフォームド・コンセント(IC)の場において、医師の努力もさることながら患者にも自発性を促す必要がある。ではどのような方法が有力なのだろうかー。3月12日に開催された「カルテコいきいきPHRウェブセミナー」にて、山口 育子氏(NPO法人ささえあい医療人権センター[COML]理事長)が『新・医者にかかる10箇条』について解説し、病院受診する患者が持つべき心構えや責任について語った(主催:メディカル・データ・ビジョン[MDV])。医者にかかる10箇条で山口育子氏が挙げた項目 『新・医者にかかる10箇条』発刊の基盤は1998年に発表された小冊子『医者に聞こう10箇条』の作成にまで遡る。当時、厚生労働省はインフォームド・コンセントを普及させるため“患者から医師への質問内容・方法に関する研究”研究班を発足。医療者の立場、患者の立場の双方が集まり、本書にまとめ上げる予定だった。ところが、患者の状況や場面(初診か再診、薬のことか手術のことか など)によって患者の聞きたい内容はさまざまで、山口氏は「10個に絞り込むことに苦慮した」と当時を振り返った。そこで、研究班メンバーは患者の聞きたいことを想定するのではなく、“心構えであれば10にまとめることができるのでは”と着想を変え、作成されるに至った。 そしてリニューアルを迎えた『新・医者にかかる10箇条』は項目ごとにイラスト解説されており、巻末には実践編として、検査・治療・くすり・入院など具体的な質問内容33項目が収載されている。現在は同氏が理事長を務めるCOMLが『新・医者にかかる10箇条』発刊に関わり、厚生労働省経由で4万冊が無料配布された。あまりの人気ぶりに3ヵ月で在庫が底をついてしまったという。そこで、COLMが独自で『新・医者にかかる10箇条』の配布を開始し、現時点で延べ21万人が手にとっている。<新・医者にかかる10箇条> 1. 伝えたいことはメモして準備 2. 対話の始まりはあいさつから 3. よりよい関係づくりはあなたにも責任が 4. 自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報 5. これからの見通しを聞きましょう 6. その後の変化も伝える努力を 7. 大事なことはメモをとって確認 8. 納得できないときは何度でも質問を 9. 医療にも不確実なことや限界がある 10. 治療方法を決めるのはあなたです 医者にかかる10箇条のなかでも同氏は4項目(3、4、9、10)を挙げ、「医療者や相談者も人間であるため、相談する際の責任は自分にもあることを理解してもらうことが大切。また、自覚症状は患者しか知り得ないこと。これを医師が当てたら占いの館のよう」と話し、「どんなことができるか、どこまで回復することができるのかと考えることが大切」と述べた。また、「“患者は病院を修理工場と間違えている”とお話しされた医師がいた。実際、病気になる前の状態より良くすることはできない。“私のこの病気は医療の力でどこまで回復することができますか”という視点が、冷静に医療を受けることに繋がる」と持論を述べた。 治療選択肢が増えた今も、医師からみて最適な治療法ばかりではない。甲乙つけ難い選択肢がある一方で、生活や仕事、考え方、その人の基準によって選択が変わってくる。患者も治療を選択できる時代としつつ、「ただし、一人で悩まない。かかりつけ医、相談できる機関や周囲の人を見つけておくことが重要」と締めくくった。 このほか、MDVがカルテコ利用者に対して実施した“パーソナルヘルスレコード(PHR)をどのように活用しているか”に関するアンケートの結果を紹介。このアンケートは1月27日~2月8日までの13日間、同社が開発したPHRのカルテコ利用者を対象にWebで実施、110人から回答を得た。その結果、血液検査などの結果の確認(25.5%)が最も多く、健康診断結果の確認(12.7%)、検査画像の確認(11.8%)と続いた。カルテコ利用者はPHRを自身の病気・健康管理に生かしていることに加え、診察を受けた後に医師の説明や治療内容への理解を深めたり、家族やほかの医師に情報共有したりするために活用しているという。

2175.

サスティナブルな医療の一歩へ~新たな知識を何でものみこもう

『何でものみこむアンチエイジング』をテーマに掲げ、第21回日本抗加齢医学会総会が2021年6月25日(金)~27日(日)に国立京都国際会館で開催される。この一風変わったテーマの真意を大会長である内藤 裕二氏(京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 准教授)に聞くとともに、大会長一押しのシンポジウムについてインタビューした。何でも“のみこむ”ことがイノベーションの起爆剤今回の学会テーマを「何でものみこむ」にした理由は、飲食に限らず、多彩な学術情報を嫌わずに何でも受け入れ、その中から科学的基盤に基づいて新たなイノベーションを創造してほしいという意味を込めたからです。私自身の経験として、腸内細菌叢の研究をのみこんで消化してみようと思い立ったのは今から約5年前のこと。その当時、腸内細菌叢に関する遺伝子解析が可能になったり世間で腸内フローラに関する話題が沸騰したりと、“腸内細菌叢”が研究分野として脚光を浴びる大きなチャンスでした。また、消化器科専門医として食事で健康を維持することを大事にしていた私は、腸内環境と疾患の関連性にも惹きつけられていました。たとえば、多発性硬化症とクローン病は病態発症に縁もゆかりもないですが、それらの患者さんにおいて腸内細菌叢が類似していた症例に遭遇し、これは私に大きな影響を与えました。そして、この研究をさらに深く追求したその先に抗加齢医学があり、現在に至っているわけです。“身体にいい”は科学的にも良い?医学の枠を越えたシンポジウム今回、大会長を務めるにあたり、何でも嫌わず自身のものにするという観点で企画立てました。参加者に新たな知見を吸収・消化して各々の研究分野に役立ててほしいという思いを込め、抗加齢医学会に属していない方も演者にお招きしています。企画に注力した会長特別企画では、『機能性食品や機能性を有する農林水産物の今!(仮題)』と題し農業由来のアンチエイジング研究について発表していただきます。たとえば、「身体に良い」と言われる農林水産物は本当に身体に良いのかどうかを科学的に分析した例など、いわゆる“国プロ”(公的研究開発プロジェクト)を多数推進してきた農研機構の山本 万里氏らを招聘し“農林水産物をいかに社会実装していくか”というポイントでお話いただく予定です。抗加齢の意識がSDGsを導く手立てに抗加齢医学の根本は「何を食べるか」から始まり、持続性のある発展を目指すためには食物に関する研究が不可欠であると私は考えています。抗加齢医学は今、エピジェネティクスの影響を受け、人生100年時代を超え“人生120年続く時代”が囁かれているんですが、これは老化の時計を進めない、むしろ逆戻りさせるための老化メカニズム研究が目まぐるしく発展している成果とも言えます。しかし、医学が発展しているからといって「60歳になったから」とか「老化を感じるから」とその時だけ抗加齢を意識するのは見当違いなんです。人間は母体にいる時からさまざまな栄養や環境の変化を受け、生まれてきます。とくに腸内細菌叢は出産時の母体の体調が大きく影響しますし、そこを基盤に未来の食事摂取状態や環境変化にさらされていくのです。そのため、社会的な視点で注目されているSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)の概念は抗加齢医学にも非常に通じるところがあります。ぜひ、このような視点や感覚を本総会やこの会長特別企画で学んでもらいたいと考えています。このほかにも発がんリスク因子や免疫老化・細胞老化、コロナ関連、食物繊維に関する研究報告など多数の演題をご用意しています。新型コロナ感染対策に配慮し会場とWebを併用したハイブリッド形式で開催いたしますので、多くの皆さまのご参加をお待ちしております。

2177.

過体重・肥満におけるGLP-1受容体作動薬注射製剤の体重減少効果(解説:小川大輔氏)-1365

 肥満症の治療において食事療法と運動療法は重要であるが、実際には適切なカロリー摂取と適度な運動を実践し継続することは難しい。現在、肥満症の薬物療法として日本で認められている薬剤としてはマジンドールがあるが、BMI 35以上の高度肥満症に対象が限られており、投与期間も3ヵ月までと制限があるため実際にはほとんど使用されていない。また胃バイパス術という選択肢もあるが、外科療法ということもありハードルが高い。 過体重または肥満の成人に対し、食事療法と強化行動療法を行ったうえでGLP-1受容体作動薬セマグルチド2.4mgの週1回皮下投与により、プラセボと比較し有意な体重減少効果が示された(セマグルチド群-16.0%、プラセボ群-5.7%、p<0.001)1)。また有害事象としては消化器症状が最も多く認められた(セマグルチド群82.8%、プラセボ群63.2%)。本試験のポイントは、対象が肥満(BMIが30以上)、あるいは過体重(BMIが27以上)かつ体重関連の併存疾患(脂質異常症、高血圧症、SASなど)が1つ以上ある方となっており、糖尿病がないという点である。セマグルチドの臨床試験(STEP試験)は5つの試験で構成されており2)、本試験はその1つ(STEP 3)である。ちなみにSTEP 2で過体重・肥満の2型糖尿病成人患者を対象とした試験が行われている3)。 今回の試験により、ようやく過体重・肥満の有望な治療薬が出現したと思いたいところであるが、以下に述べる2つの理由によりこの結果をリアルワールドに当てはめることができない。 1つ目は、セマグルチド投与に加えて、栄養士による低カロリーの食事療法や厳格な行動療法のカウンセリングを68週間の投与期間中30回も併用することにより、16%の体重減少効果を認めたという点である。本試験のように、およそ毎月2回栄養士によるカウンセリングを継続して実施することは通常の診療では難しい。実臨床ではよくある食事・運動療法が不十分の状況で、セマグルチド投与によりどの程度の体重減少を認めるかは不明である。 2つ目は、日本ではセマグルチド2.4mgの注射製剤はまだないからである。2020年から2型糖尿病の治療薬としてセマグルチド1.0mgは使用できるようになってはいるが、保険適用はあくまでも2型糖尿病であり、本試験の対象のような非糖尿病の肥満者は適応外となる。もし日本人を対象としたセマグルチドの試験で安全性や有効性が認められれば、非糖尿病の過体重・肥満の治療の選択肢となる可能性があるだろう。

2178.

マスクと認知症【コロナ時代の認知症診療】第1回

診察室でまずマスクをはずす患者さん、背後にある特有の事情新型コロナウイルス感染症(以下:コロナと略)の問題は、高齢者全般に関わるものである。けれども認知症の高齢者には特有の問題がある。それはテレビなどの報道を見てこれが恐ろしい感染症だとその瞬間は分かっても、コロナ禍全体が把握できないことである。致死性が高い感染症と言われても、自分を守る、咳エチケットを守るといった現実的な行動がとれない。たとえばマスクをすぐに外してしまう、人前で咳をしても平気である。筆者がよく経験するのは、診察室に入って着席するなり「(先生の前で)失礼ですから」、とマスクを外す人である。家族が大慌てで、「だめだめ、今はマスクをしないのが失礼なの」などと言ってもキョトンとするか、逆に何が悪いのだ、という表情を浮かべるかのいずれかである。時には、「マスクをして喋ると苦しいから、ここでは外させていただく」と述べる患者さんもいる。また素手でどこでも触ってしまう。ご家族からいくら注意されても改めることは難しい。また失敗しても沁みない。あるいは強制と受けとめ怒りを炸裂させてしまうこともある。このように指摘されて、そのときはそうかなと思っても、それが覚えられず古いルールに固執してしまうのは認知症の主症状の一つかもしれない。それだけに感染症予防の基本理解が簡単ではない、まして対応策は容易でない。数字が示す認知症患者の新型コロナ感染リスクの高さところで2021年になって認知症患者のコロナ感染に関する実証的な報告がなされたが、ここでマスク問題に言及がなされている。以下に概要を説明する。アメリカの成人6,190万人のデータから、認知症患者が新型コロナウイルスに感染するリスクは一般集団より高く(オッズ比:2.0)、認知症性疾患の中でも脳血管性認知症の患者のオッズ比が3.17と最も高かった。さらに認知症ではない感染者と比べて、入院率は3倍弱、死亡率4倍とも報告されている。こうした背景に何があるかが重要である。まず認知症が、マスクを着用したり、人と距離を保ったり、手を頻繁に洗ったりする能力を妨げている可能性が指摘されている。また心血管疾患や糖尿病、肥満、高血圧症などの疾患は、認知症と新型コロナウイルスの両方に共通するリスク要因であり、それが転帰不良を招いているとも考えられている。さらにクラスターという観点からは、認知症患者の多くが長期療養施設に滞在している点も注目されている。というのは長期療養施設における新型コロナウイルス死亡者数は、米国全体の死亡者のほぼ半数を占めているのである。いずれもこの1年あまり見聞きしてきたことがなるほどと数字として納得できる。さて、何と声をかけるのが有効か?さてそこでどう対応するか? が問題だ。たとえば、外出に際してご家族がマスクを装着させた上で、マスクをつけた周囲の人々を指して「怖いばい菌にやられないよう、今は誰でもやるの」などとうまく常識として諭すご家族がある。要は、個人に対する否定や命令でなく「今時はこうするものよ」という一般化した言い方が望ましいことにある。またそうしてもらったら「さすが! 今風がわかっている」といった誉め言葉がさらなる効果をもたらすだろう。もっとも忘れてしまうのが認知症だから、この諭しと褒めは繰り返す必要があるだろう。マスクに限らず、感染から自身や社会を守る自粛とは、結局は行動制限だから認知症の当事者にとっては息が詰まり、愉快なものでない。そこで、ご家族には、気分転換を計画的にはかることが大切になる。たとえば、人のいない早朝や夕方の時間帯に公園に出かける、女性なら開店間もないデパートを歩いてみるのもいい。また休日、人の少ない時間帯に電車に乗り1時間以内の小旅行をしてみるのも面白い。さらにはお孫さんとお子さん、それに老夫婦が庭園に集って季節の美しさを楽しみながらのお弁当会も良さそうだ。月に1度の通院は電車利用をやめて、家族数人のドライブにすることが、まさに望外の喜びになることもある。以上はすべて私の周囲の方々の経験だが、このような非日常的な活動は、たとえ認知症があっても、多くの人が小さな生きがいを楽しめ、効果的な息抜きになる。参考文献・参考情報1)Wang Q, et al. et al.Alzheimer’s Dement 2021 Feb 9. [Epub ahead of print]

2179.

妊娠糖尿病スクリーニング、1段階法 vs.2段階法/NEJM

 妊娠糖尿病のユニバーサルスクリーニングでは、推奨されている2つの方法のうち、1段階法は2段階法と比較して妊娠糖尿病の診断の割合が約2倍に高くなるが、周産期合併症と母体合併症に関連する主要アウトカムのリスクには、両スクリーニング法に有意な差はないことが、米国・カイザーパーマネンテ・ノースウェストのTeresa A. Hillier氏らが実施した「ScreenR2GDM試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2021年3月11日号で報告された。妊娠糖尿病は頻度の高い疾患であり、母体と周産期の有害なアウトカムのリスクが増大する。米国では、妊娠女性に妊娠24~28週時の妊娠糖尿病ユニバーサルスクリーニングが推奨されているが、2つの推奨スクリーニング法のどちらを使用すべきかに関して専門家の合意は得られていないという。米国の2施設の実践的無作為化試験 本研究は、米国のカイザーパーマネンテ・ノースウェストとカイザーパーマネンテ・ハワイで行われた実践的な無作為化直接比較試験であり、2014年6月~2017年12月の期間に患者登録が行われ、新生児の出生(2018年)までアウトカムのデータが収集された(米国ユーニス・ケネディ・シュライバー国立小児保健人間発達研究所[NICHD]の助成による)。 対象は、2つの参加施設を受診したすべての妊娠女性であった。被験者は、1段階スクリーニング法または2段階スクリーニング法を受ける群に無作為に割り付けられた。 1段階スクリーニング法では、ブドウ糖負荷試験が行われ、空腹時にブドウ糖75gを経口投与後に血糖値が測定された。2段階スクリーニング法では、GCT(glucose challenge test)として非空腹時にブドウ糖50gを経口投与後に血糖値が測定され、陽性の場合は、引き続きブドウ糖負荷試験として空腹時にブドウ糖100gを経口投与後に血糖値が測定された。 主要アウトカムは、妊娠糖尿病の診断、在胎不当過大児(在胎期間の標準出生時体重の>90パーセンタイル)、周産期の複合アウトカム(死産、新生児死亡、肩甲難産、骨折、分娩外傷に関連する腕または手の神経麻痺)、妊娠高血圧症または妊娠高血圧腎症、初回帝王切開の5つであった。副次アウトカムや安全性アウトカムにも差はない 合計2万3,792例の女性が妊娠糖尿病の2つのスクリーニング法に無作為化された(試験中に複数回妊娠した女性は、1種類以上のスクリーニング法に割り付けられた可能性がある)。1段階群が1万1,922例(平均母体年齢[±SD]29.4±5.5歳)、2段階群は1万1,870例(29.3±5.5歳)であった。割り付けられたスクリーニング法を実際に受けた妊婦の割合は、1段階群が66%と、2段階群の92%に比べて低かった。 妊娠糖尿病の診断を受けた女性の割合は、1段階群が16.5%、2段階群は8.5%であった(未補正相対リスク[RR]:1.94、97.5%信頼区間[CI]:1.79~2.11)。 intention-to-treat解析による他の主要アウトカムの発生率はいずれも、両群間に有意な差は認められなかった。すなわち、在胎不当過大児は1段階群8.9%、2段階群9.2%(補正前RR:0.95、97.5%CI:0.87~1.05)、周産期の複合アウトカムはそれぞれ3.1%および3.0%(1.04、0.88~1.23)、妊娠高血圧症/妊娠高血圧腎症は13.6%および13.5%(1.00、0.93~1.08)、初回帝王切開は24.0%および24.6%(0.98、0.93~1.02)であった。 妊娠糖尿病で補正後の解析、および妊娠糖尿病、事前に規定された他の共変量、スクリーニングの順守状況で補正後の解析でも、妊娠糖尿病の診断を除き、いずれの主要アウトカムにも有意な差はなかった。また、逆確率重み付け(inverse probability weighting)を行ったintention-to-treat解析でも、結果はほとんど変わらなかった。 副次アウトカム(巨大児[出生時体重>4,000g]、在胎不当過小児[在胎期間の標準出生時体重の≦10パーセンタイル]、インスリンや経口血糖降下薬による治療を要する妊娠糖尿病など)の多く、および周産期複合アウトカムの個々の構成要素、安全性アウトカム(新生児敗血症、新生児集中治療室への入室、早産など)についても、両群間に有意な差はみられなかった。 著者は、「1段階スクリーニング法では順守率が低かったが、この違いを考慮した解析でも、結果はほぼ同様であった」とまとめ、「実践的な試験の性質として、医療従事者は割り付けられたスクリーニング法や診断結果を知りうるため、これがいくつかのアウトカムに影響を及ぼした可能性は排除できない」と指摘している。

2180.

心血管リスク因子のないSTEMIは死亡リスクが高い/Lancet

 標準的な心血管リスク因子(SMuRFs:高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、喫煙)のないST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者は、少なくとも1つのSMuRFsを有する患者と比較して全死因死亡のリスクが有意に高く、とくに女性で顕著である。オーストラリア・Royal North Shore HospitalのGemma A. Figtree氏らが、スウェーデンの心疾患登録研究であるSWEDEHEART研究を用いた後ろ向き解析結果を報告した。心血管疾患の予防戦略はSMuRFsを標的とすることが重要であるが、SMuRFsのない心筋梗塞はまれではなく、SMuRFsを有していない患者の転帰についてはよく知られていなかった。著者は、「早期死亡リスクの上昇は、ガイドラインで示された治療を追加することで弱まる。今回得られた所見は、ベースラインでのリスク因子や性別にかかわらず、心筋梗塞発症直後のエビデンスに基づいた薬物療法の必要性を強調するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2021年3月9日号掲載の報告。STEMI患者約6万2千例を対象にSMuRFsの有無別で死亡率を解析 研究グループはSWEDEHEART研究のデータを用い、SMuRFsの有無にかかわらずSTEMI成人患者の臨床特性と転帰について、全体および性別ごとに解析した。冠動脈疾患の既往歴がある患者は除外された。 主要評価項目は、STEMI発症後30日以内の全死因死亡、副次評価項目は30日以内の心血管死、心不全および心筋梗塞であった。各評価項目は、退院まで、ならびに12年間の追跡終了時まで調査。多変量ロジスティック回帰モデルを用いて院内死亡率を比較し、Cox比例ハザードモデルおよびカプランマイヤー法により長期転帰を比較した。 解析対象は、2005年1月1日~2018年5月25日の期間に登録されたSTEMI患者6万2,048例であった。このうち、診断を要するSMuRFsを認めなかったのは9,228例(14.9%)で、年齢中央値はSMuRFsあり群68歳(四分位範囲:59~78)、SMuRFsなし群69歳(60~78)であった。SMuRFsなしで30日死亡リスクは約1.5倍、とくに女性は一貫して死亡率が高い SMuRFsなし群はあり群と比較して、経皮的冠動脈インターベンション実施率は類似していたが(71.8% vs.71.3%)、退院時におけるスタチン、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)/アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、β遮断薬の投与率は有意に低かった。 発症後30日以内の全死因死亡リスクは、SMuRFsなし群で有意に高かった(ハザード比:1.47、95%信頼区間[CI]:1.37~1.57、p<0.0001)。30日以内の全死因死亡率が最も高かったのはSMuRFsがない女性(17.6%、381/2,164例)で、次いでSMuRFsあり女性(11.1%、2,032/1万8,220例)、SMuRFsなし男性(9.3%、660/7,064例)、SMuRFsあり男性(6.1%、2,117/3万4,600例)の順であった。 SMuRFsなし群における30日以内の全死因死亡リスクの上昇は、年齢、性別、左室駆出率、クレアチニン、血圧で補正後も有意であったが、退院時の薬物療法(ACEI/ARB、β遮断薬、スタチン)を組み込んだ場合は減弱した。 さらに、SMuRFsなし群はあり群と比較して、院内の全死因死亡率が有意に高かった(9.6% vs.6.5%、p<0.0001)。30日時点の心筋梗塞および心不全は、SMuRFsなし群で低かった。全死因死亡率は、男性では8年強、女性では追跡終了時である12年後まで、SMuRFsなし群が一貫して高いままであった。

検索結果 合計:5251件 表示位置:2161 - 2180