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新型コロナ、抗原検出用キットの活用に関するガイドライン発表/厚労省

 5月13日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗原検査キット「エスプライン SARS-CoV-2」(富士レビオ)が製造販売承認を取得した。これを受け、厚生労働省では同日開催された第40回厚生科学審議会感染症部会において、「SARS-CoV-2 抗原検出用キットの活用に関するガイドライン」について審議、了承した。ガイドラインでは、これまでに得られている科学的知見に基づき、同キットの最適な使用を推進する観点から、考え方や留意事項が示されている。陽性の場合は確定診断に使用可、無症状者や陰性確認には適さない 同キットは、酵素免疫反応を測定原理としたイムノクロマト法による、鼻咽頭ぬぐい液中に含まれるSARS-CoV-2の抗原を、迅速かつ簡便に検出するもの。特別な検査機器を要さず、簡便かつ短時間(約30分間)で検査結果を得ることができる。使用対象となる患者については、「医師が、新型コロナウイルス感染症を疑う症状があると判断した者に対して、必要性を認めた時に使用する」と明記。同キットで陽性となった場合は、確定診断とすることができる。 一方で、核酸増幅法(PCR)と比較して検出に一定以上のウイルス量が必要であることから、「現時点では、無症状者に対する使用、無症状者に対するスクリーニング検査目的の使用、陰性確認等目的の使用は、適切な検出性能を発揮できず、適さない」とされている。ただし、緊急入院を要する患者で症状の有無の判断が困難な場合については、症状があるものと判断される。また、陰性の場合には、確定診断のため、医師の判断においてPCR検査を行う必要があるとされ、当面は、PCR検査と抗原検査を併用して使用することを求めている。 退院判定の際の活用については、検出にPCR検査と比較して一定以上のウイルス量が必要なこと、PCR検査との一致性に関するエビデンスが十分ではないことから、適さないとされている。クラスターが発生している医療機関、施設等の濃厚接触者等に対する検査については、感染の疑いが高い者はPCR検査との併用、それ以外の者は抗原検査を実施することも検討されるとしている。臨床試験でのPCR検査との陽性一致率は? RT-PCR法と性能を比較した2つの試験結果が示されており、国内臨床検体(72例)を用いた試験では、陽性一致率37%(10/27例)、陰性一致率98%(44/45例)、であった。陽性検体についての陽性一致率を、RT-PCR法テスト試料中の換算RNAコピー数(推定値)に応じて比較すると、100コピー/テスト以上の検体に対して一致率83%(5/6例)、30コピー/テスト以上の検体に対しては一致率50%(6/12例)であった。  行政検査検体(124例)を用いた試験では、陽性一致率66.7%(16/24例)、陰性一致率 100%(100例/100例)、全体一致率94%(116例/12例)であった。1,600コピー/テスト以上の検体に対して一致率100%(12/1例)、400コピー/テスト以上の検体に対しては一致率93%(14/15例)、100コピー/テスト以上の検体に対しては 一致率83%(15/18例)であった。 本キットでは承認条件として、・承認時のデータが極めて限られていることから、製造販売後に臨床性能を評価可能な適切な試験を実施すること。・製造販売後に実保存条件での安定性試験を実施すること。 の2点が求められており1)、ガイドラインでも、今後、臨床研究によりさらなる評価を実施することとしており、評価結果が得られた場合には、速やかに反映させると明記されている。まずは発生数の多い地域の帰国者・接触者外来、特定機能病院から供給開始 本キットの供給が十分になるまでは、検査の需給がひっ迫することを想定し、また、陰性時はPCR検査での確認が必要になるケースも想定されることから、患者発生数の多い都道府県における帰国者・接触者外来(地域・外来検査センターを含む)および全国の特定機能病院から供給を開始し、生産量の拡大状況を確認しつつ、対象地域およびPCR検査を実施できる医療機関を中心に供給対象を拡大していく。富士レビオのプレスリリースによると、週20万テストの生産体制を国内に構築しているという2)。 ガイドラインでは上記のほか、検体採取方法なども図示されている、また、今回示された運用は、当面の間のものであり、本キットに係る知見等は、引き続き研究により、知見を収集すると明記され、最新の知見をもとにガイドラインの見直しが適宜行われるとされている。

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リキッドバイオプシーによるEGFR T790M同定の信頼度を評価するWJOG8815L/LPS試験【肺がんインタビュー】 第46回

第46回 リキッドバイオプシーによるEGFR T790M同定の信頼度を評価するWJOG8815L/LPS試験出演:近畿大学奈良病院 腫瘍内科 高濱 隆幸氏リキッドバイオプシーによるEGFR T790Mの同定の信頼度はどの程度か。その検出頻度と効果の関係を評価した前向き研究はない。Cancer誌で発表された、前向きに第II相WJOG8815L/LPS試験について筆頭著者である近畿大学奈良病院の高濱 隆幸氏に聞いた。参考Takahama T, et al. Cancer. 2020 Jan 01;126(9);1940-1948. Plasma screening for the T790M mutation of EGFR and phase 2 study of osimertinib efficacy in plasma T790M-positive non-small cell lung cancer: West Japan Oncology Group 8815L/LPS study.Cancer. 2020;126;1940-1948.Cancer.

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第36回 三叉神経痛の特効薬カルバマゼピンは安全性には要注意【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 顔面に痛みが生じる疾患はいくつかありますが、その1つに三叉神経が障害されて特徴的な症状を呈する三叉神経痛があります。食事、会話、歯磨きといった日常生活の支障になるケースも多く、悩んでいる方が多い疾患ですが、部位や症状から耳鼻科、皮膚科などに行っても病名がわからず、歯科、脳神経外科、ペインクリニックなどでやっと診断がついたという話も聞きます。実際、耳から顎の関節周辺にかけて痛みが強いという患者さんから相談を受け、神経科に受診勧奨したところ三叉神経痛だったということもありました。症状にぴんとこないと受診を提案すべき科のあたりがつけづらいので、痛みの特徴を知っておくことは有用です。三叉神経痛には、次のような特徴があるとされています。・顔の片側に生じる・実際に傷などがあるわけではない・痛みはほんの一瞬から数秒、長い場合でも数分程度・電気ショックや針で刺されているような鋭い痛みが生じる重度の場合は、手術を行うケースもありますが、まずは薬物治療として適応のあるカルバマゼピンが第1選択で用いられます。米国神経学会によると、三叉神経痛の薬物治療を行ったランダム化比較試験のうち、カルバマゼピンを比較対象としたプラセボ対照試験が4件あり、147例の患者を対象にカルバマゼピンの有効性が検討されています1)。いずれも古い試験ではありますが、明確な効果が示されていて、カルバマゼピン300~2,400mgを投与された患者の58~100%が良好な疼痛コントロールを達成した一方で、プラセボを投与された患者では0~40%でした。疼痛緩和を達成するために必要な治療数(NNT)は2未満と良好で、疼痛発作の頻度と強度の両方を軽減させ、自発発作や誘発発作に対しても同様の効果を示しています。バクロフェン、ラモトリギンなども有効である可能性が示唆されているものの、カルバマゼピンが特効薬ともいえるほど著効します。ただし、忍容性も高いというわけではなく、軽度の有害事象は3例、重度の有害事象は24例報告されていますので注意が必要です。無痛かつADLに支障がなかったのは約7%2019年には、日本ペインクリニック学会誌に三叉神経痛におけるカルバマゼピン療法の現状に関する短報が掲載されました。それによると、三叉神経痛で受診した患者556例中547例にカルバマゼピンの服用歴がありました。うち263例には何らかの副作用があり(有害必要数[NNH]=2.11)、来院前の服用中止指示が129例(NNH=4.31)、重篤な副作用発生が13例(NNH=41.6)となっており、内訳は薬剤過敏症症候群、中毒性表皮壊死症(TEN)などの重症薬疹、白血球減少、顆粒球減少、徐脈・失神などで、生命に危機を及ぼすほどではないものの危険な副作用は、めまい82例(うち骨折6例)、薬疹76例、肝機能異常19例でした。カルバマゼピンで無痛または食事、洗面、会話などのADLに支障がなく良好な疼痛管理ができていたのは約7%の39例(NNT=14.3、うちカルバマゼピン単独服用は20例)でした2)。重篤な副作用は気になりますが、皮膚粘膜眼症候群(SJS)や中毒性表皮壊死融解症(TEN)などの重症薬疹に関しては、HLAの遺伝子多型により頻度が変わる可能性が示唆されており、HLA-A*31:01スクリーニングにより安全に使える可能性はあります3)。ただし、日常診療に取り入れられているかは現時点で何とも言えません。薬局実務としては、診療科や処方薬から三叉神経痛の診断だと察して、症状から使用目的とその有用性を説明する必要があるでしょう。低用量から増量するケースが多いので、方針を聴き取っておく必要もあるかと思います。眠気、めまいなどが比較的多いことに留意することも重要ですが、症状やADLが改善しているか確認し、不十分ならどのような選択肢があるかまで説明できるとよいかと思います。1) Gronseth G, et al. Neurology. 2008;71:1183-1190.2)長沼 芳和. 日本ペインクリニック学会誌, 2019;26:67-69.3)Mushiroda T, et al. JAMA Neurol. 2018;75:842-849.

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新型コロナ、自粛解除すべきか?【Dr. 中島の 新・徒然草】(323)

三百二十三の段 新型コロナ、自粛解除すべきか?新型コロナウイルスが下火になったのか、日本中が自粛解除ムードです。日曜日に外に出ると、近所のケーキ屋さんには行列ができていました。しかも2軒とも!黙って並んでいるだけなら、感染が拡がらないと信じたいですね。さて、コロナ関係の統計で興味深いものを2つ見つけました。1つは実効再生産数、もう1つは超過死亡数です。実効再生産数は、1人の感染者がほかの何人に感染させるか、という数値です。人と人の接触が多ければ数値が高くなり、少なければ低くなります。そして、実効再生産数が1未満になれば感染者は減っていきます。ということで、エクセルを使って実効再生産数を計算してみました。(我流なので多少の誤差は御容赦ください)すると、ニューヨークは4月8日に実効再生産数が1を切りました。東京は4月12日に1未満になったものの再度1を超え、5月1日に1を切りました。(東京都の感染者数報告漏れは反映していません)一方、大阪の方は4月18日に1を切ってから低下する一方。大阪の人が素直に自粛しているとは驚きました。ともあれ、実効再生産数は自粛要請のいい指標になりそうです。もう1つの興味深い統計は超過死亡数です。こちらは、2020年4月27日の Financial Times に出ています。彼らは、ヨーロッパ各国の2015年~19年の死亡者数の平均を計算しました。そして2020年のそれと比較したのです。図を見れば、2020年の年初からの累積超過死亡者数が、イタリア 2万1,500人スペイン 2万7,600人フランス 1万6,500人になっています。普段より余分に亡くなっている人の数です。おそらくこの大部分が、新型コロナに関連する死亡なのでしょう。一方、何かと話題になるのが日本の新型コロナ死亡者数です。本当に少ないのか、単にPCR検査数の関係で少なく見えているのか。超過死亡数がわかれば一目瞭然のはず。どこかに日本の超過死亡数のデータは発表されているのでしょうか?是非知りたいところです。これからも色々なパンデミックが起こり得るわけですから。ということで、日々のニュースを見ながら頭を悩ませております。市民の皆様には、今しばらくの自粛をお願いしたいですね。最後に1句下火とて 油断禁物 また来るぞ!

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第6回 “ロックダウン”招きかねない、コロナ以外のもう1つの懸念

新型コロナウイルスの感染拡大に収束の見通しが立たない中、いま一番起きてほしくないのが巨大災害だ。被災者が集まる避難所は究極の「3密」状態となり、クラスターの発生は避けられないだろう。しかし、そんな不安を増幅する予兆が出ている。日本各地における震度1以上の地震は、4月29日~5月6日までのゴールデンウイーク期間だけで31回、震度3以上は5回発生していた。このうち、千葉県では震度4の地震が2回発生した。小さな地震の多発は巨大地震の前兆と言われる。コロナ禍の最中、政府機関も巨大災害の予測を相次いで出している。政府の中央防災会議作業部会は3月31日、富士山噴火の想定結果を発表した。過去の富士山噴火のうち、宝永噴火(1707年)をモデルに想定。その結果、噴火から3時間で首都圏の広範囲に火山灰が降り積もり、鉄道や道路が不通となり、停電や断水も起きる。数時間でいわゆる“ロックダウン”の状態になるという。また、内閣府の有識者会議は4月21日、東北から北海道の太平洋沖の日本海溝・千島海溝沿いを震源とする巨大地震で想定される津波の高さや浸水域を公表した。最大震度7、最大30m弱の津波が襲来するという。これら以外にも、首都直下型地震と南海トラフ地震が予想されている。首都直下型地震はマグニチュード(M)7クラスが30年以内に70%の確率で、南海トラフ地震はM8~9クラスが30年以内に70~80%の確率で起きると見られている。確度の高い地震予知が難しいとはいえ、これらの巨大災害はいつ起きても不思議ではない。新型コロナ収束前に起きる可能性だってある。これに加え、例年の台風被害もある。危機管理能力に疑問符が付く政府がアテにならないことは、今回のコロナ対応で証明済みだ。避難所での新型コロナ感染や医療崩壊が起きる場合に備え、一般市民は友人や親戚宅など身を寄せる場所を事前に確保したり、食料や薬などの備蓄を行ったり、ソーラーパネル型自家発電装置を導入したりといった自助努力も必要となるだろう。近年、世界的に頻発している異常気象や自然災害の背景に、太陽の活動低下を指摘する説がある。現在、太陽活動の強さを示す黒点の数が極めて少なく、活動は「極小期」にある。黒点数が減ることで太陽から生じる磁場が減少し、磁場によるバリア機能が低下するため、地球に届く宇宙線量が増加。宇宙線は水蒸気の核となり、大量の雲を発生させ、地球を寒冷化させると共に大雨を降らせるという。思い返せば、今春は例年と比べて寒暖差が激しくなかっただろうか。九州大学宙空環境研究センター(現・九州大学国際宇宙天気科学・教育センター)の調査では、太陽黒点数が少ない時期ほど巨大地震の発生頻度が高いという。また、太陽黒点数が増減と景気循環が連動しているという太陽黒点説もある。過去30年ほどに起きた金融危機を見ると、ブラックマンデー(1987年)、アジア通貨危機(1997年)、リーマンショック(2008年)はいずれも黒点数がゼロになった日数がとくに多かった時期に当たるという。黒点数の減少がもたらす影響はそれだけではない。農作物の成育や人間の心身にも影響を及ぼすようだ。ある医療関係者は「コロナ禍以前から体調の不調を訴える人が増えている。不定愁訴といえる症状だ」と打ち明ける。図らずも、新型コロナに感染しやすい下地ができてしまったのだろうか。また、太陽活動と社会・人間の“イラつき”の相関関係について研究してきた人は「太陽活動の極小期には、訳のわからない凶悪犯罪が増える」と言う。太陽活動が地球に及ぼす影響について、もっと研究を進める必要があるのではないか。新型コロナに関する研究はもとより、「宇宙気象学」の進展も待たれる。

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アルツハイマー病在宅ケア患者に対する抗認知症薬使用と有害事象の調査

 東京大学の今井 博久氏らは、抗認知症薬を使用している患者でみられる有害事象について、その種類、発生率、リスク因子を明らかにするため調査を行った。PLOS ONE誌2020年4月6日号の報告。 抗認知症薬を調剤している薬剤師を対象に、アンケート調査を実施した。薬剤師が自宅を訪問し、届けた抗認知症薬を使用している患者に関する設問に回答した。設問内容には、患者の薬剤による副作用経験、患者背景、最初に訪問した際に患者が服薬していた薬剤数、薬剤師による抗認知症薬使用の妥当性の評価が含まれた。 主な結果は以下のとおり。・全国の薬局1,673施設より、3,712例のデータを収集した。・そのうち、863例に抗認知症薬が使用されていた。・75歳以上の患者は、801例(92.8%)であった。・有害事象が確認された患者は、170例(21%)であった。・最も一般的な有害事象は、興奮/不安(45.1%)であった。・多変量解析では、リスク因子は以下のとおりであった。 ●1日10種類以上の多剤併用(p=0.030) ●不適切な使用(p=0.002) ●不規則な使用(p=0.034) 著者らは「抗認知症薬を使用する際の有害事象を回避するためには、併用薬、抗認知症薬使用の妥当性、薬剤使用を最適にマネジメントする方法を医師および薬剤師で調査する必要がある」としている。

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COVID-19、医師のツイートから行政手続きが効率化

 医療現場は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対応と感染対策に追われているが、そこに拍車を掛けているのが非効率な行政手続きだ。新型コロナウイルス感染症は指定感染症となっており、患者が出た場合には感染症法に基づき保健所への届け出が必要となる。このやり取りに使われる「新型コロナウイルス感染症発生届」は医師が所定の用紙を埋めてFAXで送付し、電話で確認するという形式。PCR検査実施を依頼する際にも同様の電話連絡と紙伝票のやり取りが必要となる。 4月23日、川崎市立川崎病院で呼吸器内科医として診療の最前線に立つ田中 希宇人氏は「手書き・FAX」という届け出の非効率性について、自身のTwitterに嘆く投稿をした。「もう止めようよ‥。手書きの発生届‥。こんなん昭和ですよ‥。もう止めようよ‥(一部抜粋)」。 この投稿が反響を呼び、リツイートが繰り返されるうちに河野太郎防衛大臣の目に留まり、大臣が自身のアカウントで反応。Twitter上で担当する副大臣につながり、投稿の翌日には田中氏が改善点についてメールで意見を伝えることとなった。以降、関連閣僚・官僚がデジタル化による医療現場と保健所の負担軽減を言及するようになり、4月30日には「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(仮称)」が導入されることが正式に発表された。田中氏の投稿からわずか1週間、システム稼働も5月17日の週を目処に開始されるというスピード感ある展開に、現場の医療者からは一様に歓迎の声が上がった。一連の経緯は海外メディアの注目も集め、5月1日付けのニューヨーク・タイムズはロイター発として「FAXを愛する日本がコロナウイルス報告のオンラインシステムを導入」と紹介した。 田中氏は、今回の経緯について自身のnoteに詳しくまとめている。 https://note.com/cutetanaka/n/nbac8c07a1455 大きく行政を動かすことになった田中氏は、「今回はたまたま河野大臣にツイートを拾われる形となった。本当に偶然だが、医療現場での非効率な古い慣習は『発生届』以外にも数多く存在しており、改善を諦めず、声を上げ続けることが大事だと感じた」と語る。田中氏は以前からTwitterをはじめ、肺がんに関するブログでも医療情報を積極的に発信してきた。そうした発信力と影響力の積み重ねが今回の成果につながった面も大きい。田中氏は「今回、SNSはただの発信/連絡のツールではなく、使い方次第で大きな可能性と将来性があるとわかった」とし、今後も積極的な発信を続けていくという。

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capmatinib、METΔexon14変異肺がんのFDA承認取得

 米国食品医薬品局(FDA)は、2020年5月7日、METexon14スキッピング変異が検出された転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者に対しMET阻害薬capmatinibを承認した。 capmatinibは、METexon14スキッピング変異陽性のNSCLC患者97例を対象にしたGEOMETRYmono1試験の結果に基づき、2020年2月から優先審査対象となっていたが、今回の承認も同試験に基づくもの。 GEOMETRYmono1試験は、7つのコホ-トに分けられるが、7コホート中の2コホートの結果が発表されている。コホート4は、1つ以上の前治療を受けた患者(69例)、コホート5では、治療歴のない患者(28例)が対象。 コホート4の盲検独立審査委員会(BIRC)評価による全奏効率は40.6%、コホート5bのORRは67.9%だった。奏効期間(DOR)中央値は、コホート4で9.72ヵ月、5bでは11.14ヵ月であった。無増悪生存期間(PFS)の中央値は、コホート4で5.42ヵ月、コホート5bでは9.69ヵ月であった。頭蓋内病変の中間解析では、54%(13人中7人)に奏効が観察された。 第II相マルチコホート研究に登録されたStage IIIB/IVの患者では、コホート4のBIRC評価のORRは42.0%、病勢制御率(DCR)は78.3%(治験担当医評価76.8%)。コホート5bのBIRC評価のORRは60.7%、DCRは96.4%(治験担当医評価96.4%)であった。評価可能な脳転移症例13例のうち4例の脳病変がCRであった。 Grade3/4の有害事象(AE)の発現は全体で35.6%、重篤な治療関連AEの発現は12.9%であった。最も頻度の多いAEは末梢浮腫で、全Gradeで41.6%、Grade3/4は7.5%の発現率であった。治療関連死亡は認められなかった。

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COVID-19患者の自宅などでの健康観察/厚生労働省

 4月27日、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養・自宅療養における健康観察における留意点について」の事務連絡を全国の関係機関に発出した。 この連絡では、新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」と略す)の無症状原体保有者と軽症患者(以下「軽症者など」と略す)の宿泊療養および自宅療養で、軽症者などの状態が急変する可能性があることから、軽症者などの本人が自ら経過観察(セルフチェック)を行う際に留意すべき「緊急性の高い症状」と下記の項目に該当したときの対応を整理し、宿泊療養・自宅療養での健康観察の際に活用できるようにしたものである。表情、呼吸状態、意識状態でチェック 具体的な手順として、経過観察(セルフチェック)を行う軽症者などの本人に対し、「緊急性の高い症状」の項目を伝え、併せて注意事項を伝えることが重要となる。【緊急性の高い症状】 *は家族などが以下の項目を確認した場合〔表情・外見〕・顔色が明らかに悪い*・唇が紫色になっている・いつもと違う、様子がおかしい*〔息苦しさなど〕・息が荒くなった(呼吸数が多くなった)・急に息苦しくなった・生活をしていて少し動くと息苦しい・胸の痛みがある・横になれない。座らないと息ができない・肩で息をしている・突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた〔意識障害など〕・ぼんやりしている(反応が弱い)*・もうろうとしている(返事がない)*・脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする セルフチェックの回数は原則1日2回だが、軽症者などの症状や状態に応じ、1日3回(朝・昼・夜)または4回(朝・昼・夕・寝る前など)を目安として設定するほか、健康状態の聴取のために連絡する回数を1日2回に増やすなど、より症状の変化に留意して健康観察し、必要に応じてすみやかに医師に相談する。 上記の症状に該当したときには、看護師などからの定期的な連絡を待たず、次の窓口にただちに連絡する。 ・宿泊療養の場合:宿泊施設に配置された看護師などへ ・自宅療養の場合:各都道府県などの連絡・相談窓口へ また、セルフチェックのタイミング以外においても、上記の症状を認識したときは同様に窓口にただちに連絡するよう指示をしている。

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ARBとACE阻害薬、COVID-19への影響みられず/NEJM

 ARBおよびACE阻害薬が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクに影響を及ぼすとのエビデンスは示されなかったことが、イタリア・University of Milano-BicoccaのGiuseppe Mancia氏らが同国ロンバルディア地方で行った、住民ベースの症例対照試験で示された。症例群の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染確認群は対照群と比べて、心血管疾患の有病率が30.1%と高く、ARB(22.2% vs.19.2%)やACE阻害薬(23.9% vs.21.4%)の使用率も高かったが、両薬とCOVID-19にいかなる関連性も認められず、重症化や死亡との関連性もみられなかった。NEJM誌オンライン版2020年5月1日号掲載の報告。イタリア・ロンバルディア地方で住民ベースの症例対照試験 イタリア・ロンバルディア地方で行われた住民ベースの症例対照試験は、2020年2月21日~3月11日の間に、SARS-CoV-2感染患者6,272例と、性別・年齢・居住市町村でマッチングしたRegional Health Service加入者3万759例を対象に行われた。 被験者の選択的薬物の使用情報と臨床プロファイルを、地域の医療サービス利用データベースから入手し、薬物と感染症の関連についてオッズ比(OR)とその95%信頼区間(CI)を、交絡因子を補正し、ロジスティック回帰分析により求めて評価した。性差による違いもなし 被験者の平均年齢は68±13歳、女性は約37%であった。心血管疾患の有病率は、症例群30.1%、対照群21.7%(相対差:28.0%)で症例群が高く、ARB(22.2% vs.19.2%、相対差:13.3%)およびACE阻害薬(23.9% vs.21.4%、10.5%)の使用率も症例群が高かった。 症例群全体において、ARBおよびACE阻害薬の使用とCOVID-19にいかなる関連性も認められなかった(ARBの補正後OR:0.95[95%CI:0.86~1.05]、ACE阻害薬の補正後OR:0.96[0.87~1.07])。重症患者や致死的経過をたどった患者においても同様であった(ARBの補正後OR:0.83[95%CI:0.63~1.10]、ACE阻害薬の補正後OR:0.91[0.69~1.21])。また、これらの変数の関連性について、性差はみられなかった。

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血管内血栓摘出術前のrt-PA静注、有益かリスクか/NEJM

 大血管閉塞による急性虚血性脳卒中を呈した中国人の患者において、血管内血栓摘出術の単独施行は、症状の発症4.5時間以内にアルテプラーゼ静脈内投与を行ったうえでの血管内血栓摘出術施行と比べて、機能的アウトカムに関して非劣性であることが示された。中国・Naval Medical University Changhai HospitalのPengfei Yang氏らが、同国内41の大学関連医療施設で行った無作為化試験の結果を報告した。急性虚血性脳卒中において、血管内血栓摘出術の前にアルテプラーゼ静脈内投与を行うベネフィットとリスクについては、不確実性があると指摘されている。NEJM誌オンライン版2020年5月6日号掲載の報告。中国41施設で、摘出術単独群vs.併用群、90日時点の修正Rankinスコアを評価 研究グループは、中国国内41の大学関連3次医療施設において、急性虚血性脳卒中患者における血管内血栓摘出術について、アルテプラーゼ静脈内投与の有無を評価する無作為化試験を行った。前方循環系大血管閉塞を来した急性虚血性脳卒中患者を1対1の割合で無作為に2群に割り付け、一方には血管内血栓摘出術のみを(血管内血栓摘出術単独群)、もう一方には血管内血栓摘出術に先行してアルテプラーゼ0.9mg/kg体重を、症状発症から4.5時間以内に静脈内投与した(併用群)。 主要アウトカムは、無作為化後90日時点で評価した修正Rankinスケールスコア(範囲:0[症状なし]~6[死亡])で、血管内血栓摘出術単独群と併用群の差を評価し非劣性について解析した。非劣性の基準は、補正後共通オッズ比の95%信頼区間(CI)の下限値が0.8%以上とした。 また、死亡や虚血部再灌流などさまざまな副次アウトカムの評価も行った。単独群の非劣性を確認、死亡率は17.7% vs.18.8% 2018年2月23日~2019年7月2日に1,586例がスクリーニングを受け、656例が無作為化を受けた(327例が血管内血栓摘出術単独群、329例が併用群)。被験者の年齢中央値は69歳(四分位範囲:61~76)、男性は370例(56.4%)であった。症状発症から無作為化までの時間中央値は単独群167分(四分位範囲:125~206)、併用群177分(126~215)、無作為化から血栓摘出までの時間中央値はそれぞれ31分、36分であった。 主要アウトカムの修正Rankinスケールスコアに関する補正後共通オッズ比は、1.07(95%CI:0.81~1.40、p=0.04)で、単独群の併用群に対する非劣性が認められた。 しかし、血栓摘出術前の再灌流成功率(2.4% vs.7.0%)、全体的な再灌流成功率(79.4% vs.84.5%)は単独群で低かった。90日時点の死亡率は、単独群17.7%、併用群18.8%であった。 結果を踏まえて著者は、「その他の集団で大規模な検討を行う必要がある」と述べている。

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後期研修医向け医療小説【Dr.倉原の“俺の本棚”】第30回

【第30回】後期研修医向け医療小説世の中に後期研修医が主人公になった小説なんて、あっただろうか? いや思いつかない。初期研修医の頃も現場で葛藤し悩みますが、ちょっと成長した後期研修医ならではの悩みを小説にしてしまったのがこの本。ただし、前作『泣くな研修医』を読んでから、これに目を通すようにしてください。さすがに登場人物の事前情報があったほうが絶対に面白いですから。『逃げるな新人外科医 泣くな研修医2』中山 祐次郎/著. 幻冬舎文庫. 2020年著者の中山 祐次郎先生は、過去に一度対談したことがあって(第18回 特別編 ジェラシー全開で中山 祐次郎氏と話してみた!)、酔っぱらって鍋をつつきながら私に向かって放った、印象に残っている言葉があります。「祐次郎と裕次郎をよく間違えられるんですが、どっちでもいいですよ」という一言。漢字を間違えられても構わないとか、どんだけ器大きいんやこの人は。たぶんね、森羅万象を吸収しようとする人は、そうなっちゃうんでしょう。彼は自分でも言っていますが、作家としてはまだ新人です。しかし、おそらくこれから、何作も小説を出すに違いありません。さらなるページターナーになっている2作目、成長を感じさせます。小説を書く技術も、死ぬほど勉強されたんでしょう。読んでいて、周囲の風景が前よりも際立って“見える”ようになったもの。後期研修医の悩みは、初期研修医のそれとは少し異なります。初期研修医のときは、医療ってこんなんでいいのか、生死ってなんだ、みたいなフワっとした哲学的なものが多いですが、後期研修医はもっと具体的。あのときどういう言葉で説明すればよかったのか、指導医にいいところを見せたくて無理してしまった、とか。恋愛テイストもちょっと強めの第2作。「え、もうちょっと続きが読みたいんですけど!」というところで物語は終わります。中山先生、これは次回作に期待してもいいんでしょうね。雨野先生が、院長になるまで続けてもらいましょうか。医療界の「島耕作」みたいになっていったりして……。『逃げるな新人外科医 泣くな研修医2』中山 祐次郎 /著出版社名幻冬舎定価本体675円+税サイズA6判刊行年2020年

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コロナ危機が医師の収入を直撃!生活防衛策あれこれ【医師のためのお金の話】第32回

こんにちは。自由気ままな整形外科医です。新型コロナウイルス感染症に端を発した経済危機は、未曽有のものになる可能性が高まってきました。今回の経済危機とよく比較されるのは2008年のリーマンショックです。リーマンショックは百年に一度の経済危機、といわれましたが、当時、多くの医師は経済危機を実感することなく日常生活を過ごしていたと思います。私自身は株式投資を通じて人生を賭けた戦いをしていたので、経済が壊れていく状況を、悲壮感をもって体験していました。しかし、そんな私でも1997年のアジア通貨危機はまったく記憶にありません。それほど一般的な医師は経済危機とは無縁の存在ですが、今回のコロナ危機は今までとは様相が異なるようです。新型コロナの影で進行する経営不振感染症指定医療機関は人員を総動員して新型コロナウイルス感染症に対応していますが、周知のように開業医や一般医療機関は患者さんの受診抑制の影響で患者数が激減しています。感染を恐れた患者さんが受診しないために外来は閑古鳥が鳴いており、医療機関側も院内の感染リスクを恐れて受診抑制を推進しています。また、感染症指定医療機関や公的基幹病院の多くは、新型コロナに対応するために、それ以外の医療を縮小しています。私は整形外科医ですが、外傷や腫瘍以外の予定手術を延期する医療機関が増加したため、整形外科医としての本来の業務量は劇的に減少しています。医師になってから20年以上経ちますが、医療業界全体がこれほど大きな負の影響を受けたことは一度もなかったでしょう。医師の収入が劇的に減少医療業界がこのような状況なので、必然的に医師の収入も大きな影響を受けます。最も脆弱なのは大学関係者です。高度医療に携わっているにもかかわらず、外勤禁止や出張先の外来閉鎖などで収入は減る一方です。今回のような急激な変化は予想することさえできませんでした。一方、開業医も受診抑制の影響をもろに受けて悪戦苦闘しています。経営難に追い込まれるところも多く、医業収入の減少を避けることは難しいでしょう。このようにほぼすべての医師が収入面でも大きな負の影響を受けることも、かつてなかった状況です。生活防衛策として「固定費」削減をこのような状況下では、経済的に安定しているといわれる医師でも、生活防衛を真剣に考える必要があります。現状では収入を増やすことは難しいので、いかにして支出を減らすのかが重要なポイントです。支出を減らすためには家計の把握が必要です。医師は忙しいので、家計がどうなっているのかを詳細に知らない人が多いのではないでしょうか。しかし、支出を減らすためには家計の把握は必須。この際、まず見るべきポイントは「固定費」です。固定費とは「毎月継続的に支出する費用」のことで、具体的には下記が主なものとなります。住居費(住宅ローン、家賃)生命保険車関連費(自動車ローン、駐車場代)教育費(学費、習い事の月謝)定期購入しているもの定期支払いしているもの(スポーツジムの月会費など)通信費(携帯電話、インターネットなど)固定費は毎月支出するものなので、一度削減するとその効果は永続します。そして数ある固定費の中でも影響が大きいのは「大きな固定費」です。具体的には、住居費、生命保険、車関連費、教育費です。固定費削減の知恵あれこれ住居費は住宅ローンの借り換えで月々の返済金額を減らすことができるかもしれません。各社からいろいろな借り換えプランが出ているので検討してみましょう。一方で、生命保険は掛け過ぎになりがちです。生命保険が最も必要となるのは第1子が誕生した瞬間です。独身や夫婦だけの世帯に高額な生命保険は必要ありません。そして、これだけ低金利の環境では、貯蓄型ではなく掛け捨て型を選択するほうが望ましいでしょう。ちなみに私の生命保険は共済の掛け捨て型です。掛け捨て型は保険料が安いので、終身保険や養老保険と比較して大幅な固定費削減効果を見込めます。車関連費は都市部になるほどコスパが悪くなりがちです。公共交通機関が発達しているのであれば、思い切って車を手放すのもありでしょう。最近は「ちょい乗り」できるレンタカーサービスも増えました。また、配車アプリが普及してタクシーを利用しやすい環境も整いつつあります。決断するのにエネルギーが必要ですが、思い切って自動車を手放せば洗車の手間も省けて気持ちがラクになるかもしれません。教育費は削りづらいものですが、多くの教室や塾が閉鎖されている今の時期に「その習い事は本当に必要なのか?」を親子で考えてみましょう。新型コロナは大きな災難ですが、固定費削減を考えるきっかけにすることができれば、「禍を転じて福と為す」かもしれません。

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第6回 新型コロナ感染症、今後の主戦場は高齢者施設か

高齢者施設550人余り感染、約1割の60人死亡こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件について、あれやこれや書いていきたいと思います。ゴールデンウィーク、皆さんはどう過ごされたでしょうか。結局私は、恒例の友人との春山山行は諦め、車で実家の父親(88歳・1人暮らし)に会いに行こうと考えたのですが、その父親から電話で「こんな時に来んでええ!」と叱られ、ずっと”巣ごもり”をしていました。と書いているうちに連休も終わり、東京の街は少しずつ活気が戻ってきています。ラーメン屋や焼鳥店、定食屋などがポツリポツリと営業を再開しているのです。営業自粛が飲食店経営に与える影響は大きなものがありますが、北海道や韓国のように東京も感染流行がぶり返しはしないか、とても心配です。そんな中、気になったのは5月8日にNHKが報じた「新型コロナで“介護崩壊”の危機? 高齢者施設でいま何が」のニュースでした。新型コロナウイルスの感染が深刻化した欧米で高齢者施設の入所者の死亡者数が多かったことから、NHKは全国の自治体に対し、4月末時点での高齢者施設での感染状況を取材し、その結果を詳細に報道したのです。それによれば、特別養護老人ホームや老人保健施設、それに有料老人ホームやグループホームなどの入所系高齢者施設では少なくとも利用者約380名、職員約170名、あわせて約550名が感染、このうち1割強にあたる60人が死亡していた、とのことです。高齢者施設における感染でとくに大きく報道されたのは、富山県富山市の老人保健施設のクラスター感染です。4月17日に入所者の感染が初めて確認されてから、5月8日までに入所者と職員計58名が感染し、このうち入所者8名が死亡しています。富山県は人口10万人当たりの感染者が全国で3番目に多い県となっていますが、累計221名(5月9日現在)の感染者の4分の1以上がこの施設の感染によるものでした。「3密」が瞬時に出来上がる環境高齢者施設で死亡者が出やすいのは、元々超高齢で虚弱、かつ持病を持つ方が多く入所している点に加え、あとから述べるように「クラスターが発生しやすい施設環境」が理由として考えられます。病院内の感染対策は国・自治体を含め多くの施策がとられていますが、介護系の施設はどうしても二の次となり、具体的な支援策も十分ではありません。医療スタッフも、老健施設には医師(医療機関をリタイアした医師が多い)がいますが、ほかの高齢者施設では現場の医療担当は看護師です。加えて、感染対策を専門に学んだ看護師は少ないでしょうから、国や自治体からの通達された感染防止策をどこまで徹底できるかも疑問です。さらに介護現場はどこも人手不足で、スタッフの入れ替わりが激しい施設が大半です。入職したばかりのスタッフに感染防止策を徹底させることは、とても難しいでしょう。施設のつくりや環境も問題です。病院とは異なり、多くの高齢者施設では食堂で入居者が一緒に食事をとります。高級有料老人ホームは別として風呂も基本的に共用です。さらに多人数の居室が多く、ベッドとベッドの間はカーテンだけで仕切られている施設がほとんどです。入居者の家族が複数人面会に訪れただけで、密閉・密集・密接の「3密」が瞬時に出来上がる環境なのです。やっかいなのは、新型コロナウイルスの他人への感染性は発症の数日前から始まり、「発症直前がピーク」と言われている点です。他人への感染の約4割は無症状期間に生じている、とのデータもあります。発症直前のスタッフ・家族が自覚もないまま高齢者施設でウイルスを撒き散らすと、死亡リスクの高い要介護状態の高齢者はひとたまりもありません。今後、各都道府県の感染者数が減っていき、緊急事態宣言が解除されていったとしても、高齢者施設のクラスター発生はポツリポツリと発生し続け、その度ごとに一定数の死亡者が出てしまうでしょう。半年~1年後には、新型コロナ感染症の主戦場は高齢者施設になっているのではないでしょうか。その頃には、大不況を背景に介護現場に多少なりとも働き手が戻り、十分な対策がとれるだけの介護報酬が手当てされていればいいのですが…。

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第20回 対人業務が三方良しの理由【噂の狭研ラヂオ】

動画解説ミスが怖いから、まだ早いからという言い訳で対人業務から逃げるのはもう終わり!商売は「売り手」「買い手」「世間」の3つにとって良くあるべきという近江商人の心得である三方良し。薬剤師が対物業務を離れて対人業務にシフトすることで、患者も、医療社会も、あなたも、三方良しとなる理由とは?

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双極性障害とアルコール使用障害

 これまでの研究において、双極性障害(BD)患者のアルコール使用障害(AUD)の合併が報告されているが、BD患者のアルコール使用パターンはよくわかっていない。英国・ウスター大学のKatherine Gordon-Smith氏らは、大規模英国サンプルを用いて、生涯で最も大きい平均週間アルコール消費量の調査を行った。Bipolar Disorders誌オンライン版2020年4月2日号の報告。 定期的な飲酒経験のある双極I型障害の女性1,203例および男性673例を対象に、半構造化インタビューを実施した。 主な結果は以下のとおり。・現在の英国推奨アルコール摂取ガイドラインの2倍以上定期的に飲酒していた患者は、女性で52.3%、男性で73.6%であった。・男女ともに、生涯アルコール消費量の増加と有意な関連が認められたのは以下の項目であった。 ●自殺企図:女性(OR:1.82、p<0.001)、男性(OR:1.48、p=0.005) ●ラピッドサイクリング:女性(OR:1.89、p<0.001)、男性(OR:1.88、p<0.001)・女性のみで、アルコール消費量の増加と有意な関連が認められたのは以下の項目であった。 ●うつ病エピソード(OR:1.35、p<0.001) ●躁病エピソード(OR:1.30、p<0.004) ●最も悪い躁病エピソード中の機能障害の少なさ(OR:1.02、p<0.001) ●精神科入院の減少(OR:0.51、p<0.001) ●パニック症の合併(OR:2.16、p<0.001) ●摂食障害の合併(OR:2.37、p<0.001) 著者らは「実臨床において、BD患者のアルコール消費量に関する詳細な情報を収集する意義は大きいと考えられる。アルコール消費量が多いからといって、必ずしもAUDの基準に達しているわけではないが、BDの疾患経過、とくに女性の摂食障害の合併を予測するうえで役立つであろう」としている。

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DS-8201をHER2陽性胃がんに国内申請/第一三共

 第一三共株式会社は、2020年5月7日、トラスツズマブ デルクステカン(開発コード:DS-8201、商品名:エンハーツ)について、HER2陽性の胃がんに係る効能又は効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請を国内において行った。 この申請は、トラスツズマブを含む2つ以上の前治療を受けたHER2陽性の進行・再発胃がん患者または胃食道接合部腺がん患者を対象とした第2相臨床試験(DESTINY-Gastric01)および日米共同第I相臨床試験の結果に基づくもの。 同剤は、厚生労働省よりがん化学療法後に増悪したHER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する治療として、先駆け審査指定を受けている。

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COVID-19、抗HIV薬と脱毛症薬併用に可能性/東京理科大など

 抗HIV治療薬ネルフィナビルと白血球減少症や脱毛症、まむし咬傷などの治療薬セファランチンという2つの既存薬の併用が、新型コロナウイルス増殖を効果的に排除する可能性が示唆された。東京理科大学/国立感染症研究所の渡士 幸一氏らの研究グループによるもので、4月22日に発表された。 研究者らは、国立感染症研究所で分離された新型コロナウイルスと、これを実験室で感染増殖できる培養系技術を利用し、すでに何らかの疾患に対して臨床で使用認可されている約300のFDA/EMA/PMDA承認薬のウイルス増殖への効果を検証。調べた承認薬の中で5剤がウイルス増殖による細胞傷害を抑えることを見出し、この中からとくにネルフィナビル、セファランチンに着目した。 両剤はそれぞれ感染細胞から放出されるウイルスRNAを1日で最大0.01%以下にまで強く減少させ、現在治療薬候補となっているロピナビルやクロロキン、ファビピラビルよりも強い活性を持っていた。またネルフィナビルとセファランチンの併用により、1日で感染細胞からのウイルスを検出限界以下に排除することができた。作用機序としては、薬剤ドッキングシミュレーションによって、ネルフィナビルは新型コロナウイルス複製に必須のメインプロテアーゼ、セファランチンはウイルスと細胞の吸着に必要なウイルススパイクタンパク質にそれぞれ結合する可能性が示されている。 併用によって強い抗ウイルス活性が示されたことを受け、実際に臨床で使用される投与量でどの程度ウイルス排除に有効かを数理解析で予測。その結果、ネルフィナビル(経口投与)単独治療で累積ウイルス量が約9%に減少し、ウイルス排除までの期間が約4日短縮された。またネルフィナビル(経口投与)とセファランチン(点滴投与)の併用治療ではさらに効果が増強し、累積ウイルス量が約7%に、ウイルス排除までの短縮期間が約5.5日となった。 本研究結果をまとめた論文は、現在preprintとしてBioRxivサーバへ登録、公開されている。

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COVID-19、ICU入室患者の臨床的特徴/JAMA

 集中治療を要する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染患者の臨床的特徴の情報は限られている。イタリア・Fondazione IRCCS Ca' Granda Ospedale Maggiore PoliclinicoのGiacomo Grasselli氏らCOVID-19 Lombardy ICU Networkの研究グループは、同国ロンバルディア州の集中治療室(ICU)に入室した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の調査を行った。その結果、ICU入室患者の多くは高齢男性で、機械的換気を要する患者が9割近くに及び、呼気終末陽圧(PEEP)値が高く、ICU内死亡率は26%に達したことがわかった。研究の詳細は、JAMA誌2020年4月28日号で報告された。ICUベッドの利用や集中治療の提供の状況は国によって異なるが、ICU治療を要する重篤なCOVID-19患者のベースラインの特徴やアウトカムに関する情報は、地域の集団発生に対処するための取り組みの計画に従事する保健当局や政府関係者にとってきわめて重要である。確定例の9%が入室、年齢中央値63歳、82%が男性 本研究は、2020年2月20日~3月18日の期間に、ロンバルディア州の72のICUに入室したCOVID-19確定例を後ろ向きに評価した症例集積研究である(イタリアFondazione IRCCS Ca’ Granda Ospedale Maggiore Policlinicoの助成による)。最終フォローアップ日は2020年3月25日であった。 この期間に、鼻咽頭拭い液を検体とし、リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT-PCR)で確定されたSARS-CoV-2感染患者は1万7,713例で、1,593例(9%)がICUに入室した。データが得られなかった2例を除く1,591例が解析に含まれ、人口統計学データと臨床データが収集された。 1,591例の年齢中央値は63歳(四分位範囲[IQR]:56~70、範囲:14~91)で、1,304例(82%)が男性であった。また、363例(23%)が71歳以上、203例(13%)は51歳未満だった。高血圧が多くCOPDは少ない、88%で機械的換気 データが得られた1,043例中、709例(68%)で1つ以上の併存疾患が認められた。最も多かったのは高血圧で、509例(49%)にみられ、次いで心血管疾患が223例(21%)、脂質異常症が188例(18%)、2型糖尿病が180例(17%)の順であり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)は42例(4%)と少なかった。80歳以上は全例が、60歳以上は76%が、何らかの併存疾患を有していた。 呼吸補助のデータが得られた1,300例中、1,287例(99%)がICUで呼吸補助を必要とし、このうち1,150例(88%)は気管内挿管と機械的換気を、137例(11%)は非侵襲的換気を要した。また、データが得られた1,017例のPEEP中央値は14cmH2O(IQR:12~16)で、999例中887例(89%)で吸入気酸素濃度(FIO2)が50%以上であった。781例の動脈血酸素分圧(PaO2)/FIO2比中央値は160(IQR:114~220)だった。 年齢中央値(63歳)で2群に分けると、PEEP中央値は63歳以下(503例)が14cmH2O(IQR:12~15)、64歳以上(514例)も14cmH2O(12~16)であり、両群間に差は認められなかった(群間差:0、95%信頼区間[CI]:0~0)。また、FIO2中央値は63歳以下が60%(IQR:50~80)、64歳以上は70%(50~80)(群間差:-10%、95%CI:-14~-6)で、PaO2/FIO2比中央値は63歳以下が163.5(IQR:120~230)、64歳以上は156(110~205)であった(7、-8~22)。入室時27%で腹臥位換気、1%でECMO、高血圧患者は高齢 入室時に、875例中240例(27%)が腹臥位換気による治療を受け、498例中5例(1%、51~60歳が2例、61~70歳が3例)が体外式膜型人工肺(ECMO)による治療を要した。 高血圧患者(509例)は、非高血圧患者(526例)に比べ高齢であった(年齢中央値[IQR]:66歳[60~72]vs.62歳[54~68]、群間差:4、95%CI:2~6、p<0.001)。また、高血圧患者は、PaO2/FIO2比が低かった(中央値[IQR]:146[105~214]vs.173[120~222]、中央値の群間差:-27、95%CI:-42~-12、p=0.005)。64歳以上のICU内死亡率は36%、全体の入室期間中央値は9日 2020年3月25日の時点で、データが得られた1,581例のうち920例(58%)がICU入室中で、256例(16%)がICUから退室しており、405例(26%)はICU内で死亡した。また、ICU内死亡率は高齢患者で高かった(21~40歳:4/56例[7%]、41~50歳:16/142例[11%]、51~60歳:63/423例[15%]、61~70歳:174/596例[29%]、71~80歳:136/340例[40%]、81~90歳:11/21例[52%]、91~100歳:1/1例[100%])。高齢患者(64歳以上、786例)は、若年患者(63歳以下、795例)に比べICU内死亡率が高かった(36% vs.15%、群間差:21%、95%CI:17~26、p<0.001)。ICU退室患者の割合は、若年患者のほうが高かった(11% vs.21%、-9%、-13~-6、p<0.001)。 2020年3月25日の時点で、ICU入室期間中央値は9日(IQR:6~13)であった(1,591例)。内訳は、ICU入室中の患者(920例)が10日(8~14)、退室患者(256例)が8日(5~12)、ICU内死亡例(405例)は7日(5~11)だった。また、高血圧の有病率は、ICU内死亡患者が退室患者よりも高かった(63% vs.40%、群間差:23%、95%CI:15~32、p<0.001)。 著者は、「患者の多くは、呼吸補助を要する急性低酸素性呼吸不全のためICUへ入室となった。機械的換気の割合(88%)は、最近の中国や米国からの報告(30~71%)よりも高かった」としている。

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早期乳がん術後放射線療法、26Gy/5回/1週が有用か/Lancet

 早期乳がんの初回手術後の局所放射線療法では、5年後の局所コントロールおよび正常組織への影響に関する安全性について、総線量26Gyの5分割1週間照射は、標準的な40Gyの15分割3週間照射に対し非劣性であることが、英国・ノースミッドランズ大学病院のAdrian Murray Brunt氏らの「FAST-Forward試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年4月28日号に掲載された。早期乳がんの術後放射線療法は、従来、1.8~2.0Gy/日を週5日間、5週間以上照射する方法が標準であったが、カナダや英国、次いで中国とデンマークの無作為化第III相試験により、2.7Gy/日の15または16分割照射の安全性と有効性が示されている。さらに、最近では、5分割の1週間照射の長期アウトカムが報告され、早期乳がんにおける根治的放射線療法のいっそうの簡便化の可能性が示唆されている。再発率を比較する英国の無作為化非劣性試験 本研究は、英国の97施設(放射線センター47施設、紹介先病院50施設)が参加した非盲検無作為化第III相非劣性試験であり、2011年11月~2014年6月の期間に患者登録が行われた(英国国立衛生研究所[NIHR]医療技術評価プログラムの助成による)。 対象は、年齢18歳以上の男女で、浸潤性乳がん(pT1~3、pN0~1、M0)に対して、乳房温存術または乳房切除術(乳房再建術も可)を受けた患者であった。 被験者は、次の3群に1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、全乳房と胸壁への照射が行われた。1)総線量40Gy/15分割(1回2.67Gy)/3週間、2)総線量27Gy/5分割(1回5.4Gy)/1週間、3)総線量26Gy/5分割(1回5.2Gy)/1週間。 主要エンドポイントは同側乳房の腫瘍再発とし、同側乳腺、皮膚、切除後の胸壁に発生した浸潤性乳がんまたは非浸潤性乳管がん(DCIS)と定義された。40Gy照射で主要エンドポイントが5年間で2%に発生すると推定し、5分割スケジュールの5年発生率の増加が1.6%を超えない場合に非劣性と判定することとした。また、正常組織への影響を、医師と患者が評価し、写真を用いた評価も行った。5年再発率:2.1% vs.1.7% vs.1.4% 4,096例が登録され、40Gy群に1,361例(年齢中央値60歳[IQR:53~66、範囲:29~89]、男性6例[0.4%])、27Gy群に1,367例(61歳[53~67、25~90]、2例[0.1%])、26Gy群に1,368例(61歳[52~66、25~89]、4例[0.3%])が割り付けられた。 フォローアップ期間中央値71.5ヵ月(IQR:71.3~71.7)の時点で、同側乳がん再発は79例(40Gy群31例、27Gy群27例、26Gy群21例)に認められた。40Gy群との比較におけるハザード比(HR)は、27Gy群が0.86(95%信頼区間[CI]:0.51~1.44)、26Gy群は0.67(0.38~1.16)であった。 40Gy群の5年同側乳がん再発率は2.1%(95%CI:1.4~3.1)であり(予測された再発率は2%)、27Gy群は1.7%(1.2~2.6)、26Gy群は1.4%(0.9~2.2)であった。40Gy群と27Gy群との推定絶対差は-0.3%(-1.0~0.9)(非劣性:p=0.0022)、26Gy群との推定絶対差は-0.7%(-1.3~0.3)(非劣性:p=0.00019)であった。これらの上限信頼限界は、27Gy群と26Gy群は40Gy群と比較して、同側乳がんの再発率が1.6%を超えて増加しないことを示しており、2つの5分割スケジュールの40Gy/15分割に対する非劣性が確かめられた。 局所領域再発、遠隔再発、無病生存、全生存は、3群で類似しており、有意な差は認められなかった。 5年後の時点で、医師評価による乳房と胸壁の正常組織への中等度~著明な影響は、40Gy群が986例中98例(9.9%)、27Gy群は1,005例中155例(15.4%)、26Gy群は1,020例中121例(11.9%)で報告された。40Gy群と27Gy群の間には有意差がみられた(p=0.0003)が、40Gy群と26Gy群には有意な差はなかった(p=0.17)。 1~5年の期間における、医師評価による乳房と胸壁の正常組織への中等度~著明な晩発性の影響(萎縮、硬化、毛細血管拡張症、浮腫)のリスクに関して、40Gy群と比較したオッズ比(OR)は、27Gy群が1.55(95%CI:1.32~1.83、p<0.0001)と有意に増加したが、26Gy群は1.12(0.94~1.34、p=0.20)であり、有意な差はみられなかった。また、患者および写真による正常組織への晩発性の影響の評価では、40Gy群に比べ27Gy群はリスクが高かったが、26Gy群は高くなかった。 著者は、「本試験と以前の寡分割照射の試験の一貫した結果は、部分または全乳房への術後放射線療法を要する切除可能な乳がん女性の新たな標準治療として、総線量26Gyの5日間分割照射の選択を支持する」としている。

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