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FDA、非小細胞肺がんにamivantamab-vmjwを迅速承認

 米国食品医薬品局(FDA)は、2021年5月21日、プラチナベース化学療法で疾患進行した局所進行または転移を有するEGFR exon 20変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、EGFとMET受容体の二重特異性抗体amivantamab-vmjwを迅速承認。さらに、同剤のコンパニオン診断としてGuardant360 CDx(Guardant Health)を承認した。 今回の承認は、EGFR exon 20挿入変異を伴う局所進行または転移のあるNSCLCを対象とした多施設非無作為化非盲検マルチコホート臨床試験CHRYSALISに基づくもの。患者は、amivantamab-vmjwを週1回4週間投与された後、疾患の進行または許容できない毒性が生じるまで2週間ごとに投与された。 主要有効性評価項目は、盲検化独立中央レビュー(BICR)と評価による全奏効率(ORR)と奏効期間(DoR)。有効性が81例で評価され、ORRは40%、DoR中央値は11.1ヵ月であった。 一般的な副作用(20%以上)は、発疹、インフュージョンリアクション、爪囲炎、筋骨格痛、呼吸困難、悪心、倦怠感、浮腫、口内炎、咳、便秘、および嘔吐であった。 amivantamab-vmjwの推奨用量は体重80kg未満の患者では1,050mg、80kg以上では1,400mg。週1回4週間投与した後、2週間ごとに疾患進行または許容できない毒性の発現まで投与する。 この適応はORRとDoRの結果に基づき迅速承認される。適応の継続は確認試験による臨床的利益の検証を条件とする可能性がある。

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AZ社・モデルナ社の新型コロナワクチン、特例承認を取得

 アストラゼネカ社は5月21日、コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン「バキスゼブリア筋注」の製造販売について、日本国内における特例承認を取得したと発表した。SARS-CoV-2 ウイルスによる感染症の予防を適応とし、18 歳以上を対象とする。 英国・オックスフォード大学が主導する英国・ブラジル・南アフリカにおける第III相臨床試験の有効性および安全性に関する良好なデータと、国内第I/II相臨床試験結果を基に厚生労働省が同日、承認した。 PMDAは「バキスゼブリア筋注」について、成人には0.5mLを4~12週間の間隔をおいて2回筋肉内に接種することと定められており、最大の効果を得るためには8週以上の間隔をおいて接種することが望ましいと注意喚起している。この用法・用量は、臨床試験において良好な忍容性を示し、2回目接種後15日以降の症候性COVID-19を予防。COVID-19関連した重症例及び入院例も見られなかったという。 日本における同ワクチンはすでに生産を開始しており、数週間以内に出荷を開始する予定だ。 一方、米国・モデルナ社製のコロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」についても、同日に特例承認された。2021年前半より日本国内においてモデルナ筋注5,000万回接種分を供給することを目的としたモデルナ社および厚労省との契約に基づき、武田薬品工業が申請していた。 同社は、日本において「モデルナ筋注」を28日間の間隔をあけて2回接種した際の、安全性および免疫原性の評価を行うプラセボ対照臨床第I/II相試験を実施。20歳以上の日本人成人200例を被験者として登録した。本試験の結果では、28日間隔で同ワクチン0.5mLを2回接種した被験者の100%において、2回目接種から28日後に結合抗体と中和抗体の上昇が確認された。重大な安全性の懸念は報告されず、忍容性はおおむね良好で、これまでに公表されたモデルナ社の臨床第III相COVE試験の免疫反応と同様の結果だった。 武田薬品工業では、国内における供給を速やかに開始する予定。 両ワクチンの概要および添付文書は、厚生労働省のホームページに掲載されている。

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tezepelumab、コントロール不良の重症喘息患者に有効/NEJM

 コントロール不良の重症喘息成人/思春期患者の治療において、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)のヒト型モノクローナル抗体であるtezepelumabはプラセボと比較して、喘息の増悪が少なく、肺機能や喘息コントロール、健康関連QOLの改善効果が良好であることが、英国・Royal Brompton HospitalのAndrew Menzies-Gow氏らが実施した「NAVIGATOR試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2021年5月13日号で報告された。18ヵ国297施設の無作為化プラセボ対照第III相試験 本研究は、18ヵ国297施設が参加した二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2017年11月~2020年9月の期間に行われた(AstraZenecaとAmgenの助成による)。 対象は、年齢12~80歳で喘息と診断され、スクリーニングの12ヵ月以上前の期間に、中~高用量の吸入グルココルチコイドの投与を受け、インフォームドコンセントの3ヵ月以上前の期間に、経口グルココルチコイドの有無を問わず、少なくとも1剤の長期管理薬の投与を受けていた患者であった。 被験者は、tezepelumab(210mg)の4週ごとの皮下投与を52週間行う群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。主要エンドポイントは、52週時の喘息増悪の年間発生率とした。 1,061例が無作為化の対象となった。tezepelumab群に529例、プラセボ群に532例が割り付けられ、それぞれ528例(平均年齢±SD 49.9±16.3歳、男性36.6%)および531例(49.0±15.9歳、36.5%)が有効性と安全性の評価に含まれた。好酸球数低値例でも年間発生率を抑制 喘息増悪の年間発生率は、tezepelumab群が0.93(95%信頼区間[CI]:0.80~1.07)で、プラセボ群の2.10(1.84~2.39)に比べ良好であった(率比:0.44、95%CI:0.37~0.53、p<0.001)。また、ベースラインの血中好酸球数が300/μL未満の患者における喘息増悪の年間発生率は、tezepelumab群が1.02(95%CI:0.84~1.23)、プラセボ群は1.73(1.46~2.05)であり、有意な差が認められた(率比:0.59、95%CI:0.46~0.75、p<0.001)。 tezepelumab群はプラセボ群に比べ、ベースラインから52週までの気管支拡張薬投与前の1秒量(FEV1)の変化(臨床的に意義のある最小変化量[MCID]:0.1L)が大きく改善された(0.23L vs.0.09L、群間差:0.13L、95%CI:0.08~0.18、p<0.001)。 さらに、tezepelumab群では、6項目喘息コントロール質問票(ACQ-6、0[障害なし]~6[最大限の障害]点、MCID:0.5点)のスコアのベースラインからの変化(最小二乗平均値:-1.55点vs.-1.22点、最小二乗平均値の差:-0.33点、95%CI:-0.46~-0.20、p<0.001)が良好で、喘息QOL質問票(AQLQ、1[最大限の障害]~7[障害なし]点、MCID:0.5点)のスコアの変化(1.49点vs.1.15点、0.34点、0.20~0.47、p<0.001)、および喘息症状日誌(ASD、0[症状なし]~4[起こりうる最悪の症状]点、MCID:0.5点)の週平均スコアの変化(-0.71点vs.-0.59点、-0.12点、-0.19~-0.04、p=0.002)についても、大幅に改善された。 有害事象は、tezepelumab群が77.1%、プラセボ群は80.8%で発現し、重篤な有害事象はそれぞれ9.8%および13.7%に認められた。有害事象で試験薬の投与を中止した患者は、tezepelumab群が2.1%、プラセボ群は3.6%だった。頻度の高い有害事象は、鼻咽頭炎、上気道感染症、頭痛、喘息などであった。重症感染症(8.7% vs.8.7%)や注射部位反応(3.6% vs.2.6%)の頻度は両群で同程度であり、治療関連のアナフィラキシー反応やギランバレー症候群はみられなかった。 著者は、「血中好酸球数と呼気中一酸化窒素(FENO)、IgEの値が同時に低下したことから、本薬は複数の炎症経路を抑制することが示唆される。TSLPの阻害は、2型サイトカイン(IL-4、IL-5、IL-13)を標的とするよりも、広範な生理学的効果をもたらす可能性がある」としている。

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メランコリアに特徴的な5つの主観的症状

 近年、うつ病と診断される患者には、さまざまな病態の抑うつ症状患者が含まれていることから、メランコリアが再評価されている。しかし、メランコリアのDSM-5基準(DSM-MEL)を用いて、メランコリーうつ病と非メランコリーうつ病を明確に鑑別することは困難であり、DSM-MELでは不十分であるともいわれている。メランコリアの特徴で唯一、定量的に評価できる精神運動障害は、重要な指標であると考えられる。虎の門病院分院の玉田 有氏らは、精神運動障害と関連する症状を分析し、メランコリアの主観的症状を客観的に特定する試みを行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2021年4月19日号の報告。 うつ病患者106例を対象に精神科医による検査を実施した。精神運動障害の評価には、Parker氏らが開発したCORE measureを用いた。CORE合計スコアを従属変数、DSM-MEL項目および特徴的なメランコリック病歴を独立変数とし、重回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・精神運動障害と関連のある主観的症状として、次の5項目が特定された。 (1)感情がわからなくなった (2)抑うつ性妄想 (3)当惑感 (4)決断困難 (5)他人への攻撃性がない・これら5項目は、DSM-MELよりもCORE合計スコアとより強い相関が認められた。・本研究の主な限界として、DSM以外のメランコリックな徴候や症状を選択する際、症状を包括的に評価および選択するのではなく、臨床的に重要な項目を選択した点が挙げられる。 著者らは「今回特定された精神運動障害に関連する5つの自覚症状は、メランコリアの診断基準として、臨床的に有用であると考えられる」としている。

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心不全の2人に1人は予防できる!(解説:有馬久富氏)-1393

 高齢者の増加に伴い、心不全患者さんが大幅に増加する「心不全パンデミック」が訪れると予想されている(Shimokawa H, et al. Eur J Heart Fail. 2015;17:884-892.)。心不全パンデミックを避けるためには、心不全の発症予防が急務である。 今回、Framingham研究・PREVEND研究およびMESA研究の統合解析から、年代別に心不全発症の危険因子およびその集団寄与危険割合を検討した結果がBMJに報告された(Tromp J, et al. BMJ. 2021;372:n461.)。その結果、すべての年代において、男性・肥満・高血圧・糖尿病・喫煙・心筋梗塞および心房細動の既往が重要な危険因子であり、それらすべての集団寄与危険割合は75歳未満で75~77%、75歳以上で53%であった。つまり、75歳未満における心不全の4分の3、75歳以上では2分の1が、これらの危険因子により引き起こされているということが明らかになった。 残念ながら制御できない危険因子(男性および心筋梗塞・心房細動の既往)が含まれているため、制御可能な危険因子のみに限定した場合の集団寄与危険割合は不明であるが、男性の集団寄与危険割合は10~25%であること、心筋梗塞・心房細動の多くは心不全と同じ危険因子をコントロールすることで予防できることを考えると、心不全の約2分の1は、制御可能な危険因子(肥満・高血圧・糖尿病および喫煙)により引き起こされているのではないかと推測する。つまり、肥満・高血圧・糖尿病および喫煙を完全にコントロールすることで心不全の2人に1人は予防できる可能性があると思われる。 心不全パンデミック対策においても、ほかの脳心血管病対策と同じように、肥満・高血圧・糖尿病および喫煙のコントロールが重要であろう。

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第55回 モデルナ、AZの新型コロナワクチン承認、その位置付けは?

<先週の動き>1.モデルナ、AZの新型コロナワクチン承認、その位置付けは?2.コロナ重症患者の急増で麻酔薬プロポフォールが供給不安定に3.改正医療法の成立で、救急医の「勤務間インターバル」など義務化4.骨太の方針へ声明「すべての病院に適切な支援を」/日本病院団体協議会5.地域医療構想で病院再編の支援を強化、外来機能報告制度の創設1.モデルナ、AZの新型コロナワクチン承認、その位置付けは?厚生労働省は、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会を21日に開催し、モデルナ製とアストラゼネカ製の新型コロナワクチンについて、製造販売を承認した。接種対象範囲や公的接種とするかどうかなどを検討した結果、モデルナ製ワクチンは公的接種の対象とされる一方で、AZ製ワクチンは海外で接種後にわずかながら血栓症が発症する事例が報告されていることから、現時点では公的接種の対象外となった。今回、審査を簡略化する「特例承認制度」を活用して行われたが、国内治験のため製造承認が遅れ、アメリカに比べると3ヵ月ほど発売までの時間を要した。政府は国産ワクチンの研究開発を後押しする基金を創設し、開発能力の向上を目指すことを明らかにしている。(参考)厚労省 モデルナとアストラゼネカの新型コロナワクチンを特例承認 モデルナ製のみ公的接種の対象(ミクスonline)国産ワクチン開発へ、大学や製薬会社に資金…政府が基金創設の方針(読売新聞)第21回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 資料(厚労省)2.コロナ重症患者の急増で麻酔薬プロポフォールが供給不安定に人工呼吸器を必要とする新型コロナ重症患者の増加に伴い、手術患者の鎮静に用いる「プロポフォール」の需要が高まったため、国内の製薬メーカーは今月から出荷調整を行なっている。これに対して厚労省は、14日に事務連絡を発出し、プロポフォール製剤およびその代替薬について、「返品が生じないよう必要量に見合う量のみの購入」「臨床上問題なければ麻酔の維持においては揮発性吸入麻酔薬の使用を考慮」など適正使用を呼び掛けている。(参考)コロナ重症治療の麻酔薬がピンチ 患者急増の影響で (朝日新聞)資料 プロポフォール製剤が安定供給されるまでの対応について(周知依頼)(厚労省)3.改正医療法の成立で、救急医の「勤務間インターバル」など義務化21日に開催された参議院本会議で、医師の働き方改革案が盛り込まれた改正医療法が可決・成立した。これにより、救急医療などを担う医師に一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」や、医師による面接指導による健康確保措置、医師労働時間短縮計画の作成が病院に義務づけられることになった。2024年4月から、医師の時間外労働の上限は原則「年960時間以内」となるが、3次救急医療機関、2次救急医療機関のうち年間救急車受入台数1,000台以上または年間の夜間・休日・時間外入院件数500件以上かつ、医療計画で5疾病5事業確保のために必要と位置付けられた医療機関や在宅医療においては、「年1,860時間」の範囲で規制される。なお、新型コロナウイルスの感染拡大で医療提供体制がひっ迫したことも踏まえて、都道府県が策定する医療計画に、新たに感染症対策を追加し、5疾病6事業として改められる見込み。(参考)勤務医らの働き方改革推進 改正医療法 参院本会議で可決・成立(NHK)改正医療法が成立、医師の健康確保を義務化 病院再編支援なども(CBnewsマネジメント)資料 良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等改正の趣旨の一部を改正する法律案の概要(厚労省)4.骨太の方針へ声明「すべての病院に適切な支援を」/日本病院団体協議会21日、財務省の財政制度等審議会は、社会保障費の伸びを2022年度から3年間、高齢化に伴う患者の分までに抑えるよう求める意見書(建議)を取りまとめており、さらに議論を経て7月に新たな骨太の方針としてまとめられる。中には、診療所の「かかりつけ医」機能の制度化、処方箋を繰り返し利用する「リフィル制度」の導入なども盛り込まれている。これに対し、国立大学附属病院長会議、独立行政法人 国立病院機構、全国公私病院連盟、全国自治体病院協議会、全日本病院協会など15団体から構成される「日本病院団体協議会」は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、過去の実績に基づく診療報酬の補填のみでは十分ではなく、すべての病院を支援する対策を求めた。(参考)新型コロナ支援は診療報酬概算払いに、財政審 社保費の伸び引き続き「高齢化分」に(CBnewsマネジメント)民間病院にもっと支援を…コロナ患者受け入れで収入減 減収補填など使途拡大訴え(東京新聞)資料 社会保障改革~新型感染症を踏まえた当面の重点課題~(経済財政諮問会議)資料 経済財政諮問会議等の議論にかかる声明(日本病院団体協議会)5.地域医療構想で病院再編の支援を強化、外来機能報告制度の創設21日に参議院本会議で可決・成立した改正医療法では、地方で進む人口減少や高齢化に備え、必要な病床の数や機能を見直す「地域医療構想」の実現を後押しするため、医療機関の取り組み支援を地域医療介護総合確保基金に位置付けて、国が全額負担する税制優遇措置などを講じることが明らかになった。また、外来医療の機能の明確化・連携を強化するために、一般病床や療養病床を有する医療機関に対し、医療資源を重点的に活用する外来などについて報告を求める「外来機能報告制度」の創設などを行うことになっている。(参考)病院再編の支援恒久化 改正案、国会成立へ(中日新聞)外来機能報告の義務化、遅くとも22年度初めから(CBnewsマネジメント)

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「もっと高く売れるはず…」、その思い込みが売れ残りにつながる【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第18回

第18回 「もっと高く売れるはず…」、その思い込みが売れ残りにつながる漫画・イラスト:かたぎりもとこ「譲渡額の設定方法」は、売り手の方から最も多く頂く質問です。実際、診療所の譲渡額の設定は、成約率を最も大きく左右する要素となります。診療所の譲渡額の設定方法を、簡単に式にすると下記になります。(院長の前年度の年間所得×1年分)+固定資産額たとえば、年収1,500万円の開業医の方が自院を売却する場合、基本的な譲渡額は1,500万円になります。ここに「最近購入した医療機器」の価値が300万円ある場合には、1,500万円+300万円=1,800万円が譲渡額となります。これに加えて、東京都世田谷区といった、医師の開業人気エリアにおいては、「プレミアム」という考え方があり、決まったロジックなしに数百万円が上乗せされるケースもあります。このように、譲渡額は設定にいくつかの要素があり、これらを総合的に判断して算出する必要があります。(譲渡額設定に関する詳細は下記をご参照ください)知っておきたい 医院承継・売却時の売値の相場とは?上記のようなロジックを無視して、売り手側の院長の言い値で譲渡額を設定するケースもありますが、そうした適正価格から外れた案件はなかなか成約に至らず、売り時を逃すことにつながります。譲渡額の妥当性は成約率に大きく影響するため、思い込みを排除し、ロジックに従った決め方をしたほうが、結局は売り手のためにもなるのです。

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ワクチン接種後の手のしびれ、痛みをどう診るか(1)

前回、ワクチン接種後に生じる可能性のある末梢神経障害や、SIRVA(Shoulder Injury Related to Vaccine Administration:ワクチン接種に関連する肩関節傷害)について解説しました。今回はワクチン接種後にこれらを疑う症例について、より実際に即したお話をしたいと思います。<今回のポイント>神経に穿刺した場合、“どこに注射したか”“何を注射したか”“損傷の形態”さらに“心因的な要素”などによって症状は異なる。神経を損傷したわけではなくても、注射の後に手の痺れを訴えることがある。末梢神経損傷やSIRVAについて、ワクチン接種に従事する医療者は知っておいたほうが良いのでしょうか?前回も述べたように、私たちが提案した安全なワクチンの筋注方法に従って注射する限り、末梢神経損傷やSIRVAは心配しなくても良いと考えています。とくに今回のような状況下では末梢神経損傷やSIRVAについては、せいぜい「そんな副反応もあるのだな」程度の知識で十分ではないでしょうか。それよりもワクチン接種会場では適切な問診の対応ができること、さらに厚生労働省が示すように、「アナフィラキシー」「血管迷走神経反射」といった副反応への対処のほうが大切でしょう。しかし、従来通り肩峰下三横指以内に筋肉注射する手技を選択するのであれば、少なくともSIRVAという疾患概念については知っておくべきではと思います。その部位に接種することによって障害が発生するリスクが指摘されているからです。針で神経を刺してしまうと、必ず麻痺が起こるのでしょうか?“どこに注射したか”“何を注入したか”“神経損傷の形態”さらに“心因的な要素”などによって症状は大きく異なると考えます。まず“どこに注射したか”ですが、たとえば、手関節の橈側での静脈穿刺は、橈骨神経浅枝損傷のリスクがあります1)(図1)。(図1)画像を拡大する2021年現在、判例等によると、手関節から12cm以内の前腕橈側での静脈穿刺は、橈骨神経浅枝の損傷に対して医療側の過失を問われる可能性が高い。実際にCRPS(複合性局所疼痛症候群)を発症し、病院側が敗訴した判例もあります2)。この部位での採血や静脈路確保による橈骨神経障害は、ほかの部位と比べると症状が強く発現しやすくトラブルに発展しやすいため、極力避けるべきだと個人的にも思います。ワクチン接種と関連した上腕の部位だと、腋窩神経は終末近くを分岐する運動神経で症状が出にくく、橈骨神経では手の一部を支配する感覚神経と運動神経双方の線維を含むことから症状が現れやすいと言えます。一方で、私たち整形外科医や麻酔科医は腕神経叢や坐骨神経に対して神経ブロックを行う際に末梢神経を針で刺し、局所麻酔薬を注入します。確かに神経に針を刺せば、部分的な軸索の損傷を生じる可能性があります。しかし、通常神経ブロックを行う部位への局所麻酔薬の注射では、永続的な神経障害の危険性はかなり低いと考えられています。もちろん注入する薬剤の種類や濃度によっては、注射部位によらず神経の障害を起こしうるでしょう。“何を注射したか”薬剤の種類によって神経毒性はまったく異なります。とくにワクチンは局所の炎症を引き起こすので、誤って末梢神経に注入するようなことは避けるべきでしょう(図2)。(図2)画像を拡大する末梢神経に対する局所の毒性は薬剤によって大きく異なる。「神経ブロックでよく穿刺しているから、ワクチン接種で穿刺しても大丈夫」とはならない。さらに知っておきたいのは、実際にはさまざまな“神経損傷の形態”があるということです。古典的なSeddon分類に従って考えても、一時的な圧迫による伝導障害、神経幹は断裂していないが軸索が損傷している状態、神経幹自体が断裂している状態など、神経損傷の程度や回復の見込みもさまざまです(図3)。(図3)画像を拡大するそれぞれの末梢神経は、図に示す神経線維の束である神経束がさらに束になったものである。実際には部分的な神経束の損傷など、さまざまな形態が存在する。ですから実際の患者さんが教科書に書いてあるような典型的な麻痺の症状を必ず呈するとは限りません。たとえば、単純に『肩が自動運動で挙上できるので、腋窩神経損傷は否定できます』などとは言えないわけです。末梢神経を傷つけた場合、ほとんど無症状の場合から、異常な感覚を訴える場合、あるいは筋力低下を明らかに示す場合など、さまざまな症状が生じ、整形外科医でも判断に迷うことはよくあります。注射後に手の痺れを訴える人もいるようですが、神経損傷あるいは気のせいでしょうか。神経損傷やSIRVAを生じる可能性は、全体的に見ると低いものです。SIRVAの場合、4月30日時点での厚生労働省の「医療機関からの副反応疑い報告について」3)を参照すると2件の副反応疑いとして報告(ワクチン接種関連肩損傷[ワクチン投与関連肩損傷])があります。もちろん何千万という単位で行われる集団ワクチン接種が今回日本で初めて筋肉注射という形で行われているので、確率の低い合併症であっても日本全体で見ると今後問題となるかもしれません。神経障害については、まだはっきりとした発生頻度は分かりません。上記の厚労省報告では、さまざまな症状の中で「感覚異常(感覚鈍麻)」と記載されているものは100例以上あるようです。しかし、ワクチン接種後に腕のしびれや肩の痛みなどの症状があっても、それをすぐに末梢神経損傷やSIRVAといった診断や被接種者への説明に結びつけるべきではないとも思います。 奈良県立医科大学附属病院では、これまで約4,000人の医療従事者に対して2回の新型コロナウイルスワクチン接種が研修医によって行われました。副反応のうち、肩や腕など接種部位に関連する症状について診察を必要とすると判断された被接種者については、私の外来を受診してもらっています。本病院ではわれわれが作成した筋肉注射手技マニュアルに従った接種方法を研修医に行ってもらいましたが、現在のところ末梢神経損傷やSIRVAを疑う被接種者はおりません。しかし、腕のしびれや痛みを訴えて受診された方は数名いました。実はインフルエンザワクチン接種や採血、あるいは研修医同士の採血の練習などにおいて、明らかな末梢神経の損傷を示す所見はないのに、「腕や手の痺れを訴える」というケースが毎年あり、珍しいものではありません。腕に注射をされた際、一時的に「なんとなく腕や手に軽い違和感」を自覚したものの、そのあとは「とくに何もしなくても元に戻った」と感じたことがある人は多いのではないでしょうか。このような一時的な痛みや痺れは、ほとんどの場合臨床上問題なく自然治癒するものなのですが、中には医療従事者の対応も含めた“心因的な要素”も重なり、CRPS(複合性局所疼痛症候群)を疑うような強い痛みに発展してしまう患者さんもいます。ただし、稀に本当の神経損傷がまぎれ込むこともあるので、慎重な診察が必要です。このあたりの問題については、次稿で解説します。1)渡邉 卓編. 日本臨床検査標準協議会. 標準採血法ガイドライン(GP4-A3). 2019.2)Medsafe.Net: No.400「点滴ルートの確保のために左腕に末梢静脈留置針の穿刺を受けた患者が複合性局所疼痛症候群(CRPS)を発症。看護師が、深く穿刺しないようにする注意義務を怠った結果、橈骨神経浅枝を損傷したと認定した高裁判決」3)厚生労働省:医療機関からの副反応疑い報告について(予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について [令和3年2月17日から令和3年4月25日報告分まで])

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第66回日本透析医学会学術集会・総会の開催について【ご案内】

 第66回日本透析医学会学術集会・総会が2021年6月4日~6月6日にパシフィコ横浜において開催される。今回もチーム医療、アドバンス・ケア・プランニング、共同意思決定、コミュニケーションなど多くのプログラムが用意されており、もちろん、新型コロナに関する話題も盛り込まれている。主要プログラムは、十分な感染対策を講じLIVE配信を併用するハイブリッド形式とし、来場しなくても全国どこからでも視聴できる。なお、学術集会終了後のオンデマンド配信は実施されない。 開催概要は以下のとおり。【日時】2021年6月4日(金)~6日(日)【参加条件】登録方法:オンライン参加登録[6月6日(日)16:00まで]参加費:ホームページ参照【テーマ】チームの俯瞰・発想・行動力~良質な医療とケアの発信~【大会長】岡田 一義氏(社会医療法人川島会川島病院 副院長)【大会概要】本学術集会・総会のテーマは「チームの俯瞰・発想・行動力~良質な医療とケアの発信~」。透析チームが力を結集して良質な医療とケアを提供するために、グローバルな視野で、客観的な視点で現状を見渡して新しい課題を考え、豊かな発想力でその課題を克服するための研究を行い、その成果を世界に向けて発信することを目指す。【会長講演】6月6日(日)11:00~12:00[現地開催+LIVE配信]「良質な医療とケアを提供するコミュニケーションの実践」岡田 一義氏(社会医療法人川島会川島病院)【招待講演1】6月4日(金)~ 6日(日) 9:15~9:50[WEB動画配信]「A Black Swan Visits Nephrology: the Impact of COVID-19 on ESKD Incidence and Outcomes in the United States」Eric D. Weinhandl氏(Chronic Disease Research Group, Hennepin Healthcare Research Institute, USA/Department of Pharmaceutical Care and Health Systems, University of Minnesota, USA)【招待講演5】6月6日(日) 8:00~8:45[WEB動画配信]「Current Status of the COVID-19 Pandemic in the United States and CDC Recommended Practices/Diabetes and Chronic Kidney Disease: US trends and public health programs to improve outcomes」Nilka Rios Burrows氏(Centers for Disease Control and Prevention, Division of Diabetes Translation, USA)【会長特別企画3】6月5日(土) 10:05~12:00[現地開催+LIVE配信]「良質な医療とケアを提供する『透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言』の正しい理解と普及を目指して」小松 康宏氏(群馬大学大学院医学系研究科医療の質・安全学講座)ほか【特別講演1】6月4日(金) 8:20~9:20[現地開催+LIVE配信] 「医療技術とシステム(COVID-19対策を含む)のグローバル展開」横倉 義武氏(弘恵会ヨコクラ病院)【特別講演4】6月5日(土) 10:00~10:50[現地開催+LIVE配信]「虚血性心疾患を有する慢性腎不全症例に対する治療戦略」天野 篤氏(順天堂大学医学部附属順天堂医院心臓血管外科)【特別講演6】6月5日(土) 15:55~16:45[現地開催+LIVE配信] COVID-19のこれまで、そしてこれから」尾身 茂氏(独立行政法人地域医療機能推進機構本部)【特別講演13】6月6日(日) 10:00~10:50[現地開催+LIVE配信]「チーム育成とコミュニケーションのコツ」武田 美保氏(アテネ五輪シンクロナイズドスイミング銀メダリスト)【ワークショップ8】6月6日(日) 14:40~16:35[現地開催+LIVE配信]「透析に関する共同意思決定とアドバンス・ケア・プランニングの実践」岡田 一義氏(社会医療法人川島会川島病院)ほか詳細はこちら【お問い合わせ】第66回日本透析医学会学術集会・総会 運営事務局株式会社コングレ内〒103-8276 東京都中央区日本橋3-10-5 オンワードビルディングE-mail:jsdt2021@congre.co.jp

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ファイザー新型コロナワクチン、がん患者ではとくに2回接種を/Lancet Oncol

 がん患者に対する新型コロナワクチンBNT162b2(ファイザー)の安全性と免疫原性をがん患者における評価を目的とした前向き観察研究の結果が発表された。 対象は、2020年12月8日~2021年2月18日に、ロンドンの3つの病院でBNT162b2接種を受けたがん患者と健康成人(主に医療従事者)。複合主要評価項目は、がん患者におけるBNT162b2ワクチンの初回接種後のSARS-CoV-2スパイク(S)タンパク質IgG陽性の割合、2回目(初回から21日後)接種後の同陽性例の割合であった。 主な結果は以下のとおり。・期間中に151例のがん患者(固形がん95例、血液がん56例)と健康成人54例が対照群として登録された。・2回目の接種を受けたのは対照群16例、固形がん患者25例、血液がん6例であった。・SARS-CoV-2に曝露された17例を除外した、ワクチン初回接種21日後のSARS-CoV-2スパイク(S)タンパク質IgG陽性の割合は、対照群94%(34例中32例)、固形がん患者38%(56例中21例)、血液がん患者18%(44例中8例)であった。・2回目接種2週間後のSARS-CoV-2スパイク(S)タンパク質IgG陽性の割合は、対照群100%(12例中12例)、固形がん患者95%(19例中18例)、血液がん患者60%(5例中3例)であった。・BNT162b2ワクチンの忍容性は良好で、初回接種後毒性がなかったものはがん患者では54%、対照群では38%、2回目の接種後毒性がなかったものはがん患者では71%、対照群では31%であった。・毒性は初回接種後7日以内の注射部位の痛みがもっとも多く、がん患者では35%、対照群では48%に発現した。ワクチン関連の死亡は報告されていない。 健康成人例に比べ、がん患者では1回接種でのBNT162b2ワクチンの効果は低いことが示された。一方、固形がん患者においては、2回目ブースト接種から2週間以内に免疫原性が有意に増加した。筆者は、これらのデータは、がん患者におけるBNT162b2ワクチン2回目接種の優先を支持するものだとしている。

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TNF阻害薬治療中のIBD患者、新型コロナワクチン単回接種では抗体応答が不良

 新型コロナワクチンを巡っては、世界的に需要が高まり、限られた供給量をどう配分するかが各国における喫緊の課題になっており、単回接種の有効性についての研究も進んでいる。一方で、炎症性腸疾患(IBD)など全身免疫を抑制する治療を行っている患者では、免疫応答が十分に得られず、ワクチンの有効性が落ちるのではないかという懸念がある。英国・Royal Devon and Exeter NHS Foundation TrustのNicholas A Kennedy氏らは、インフリキシマブもしくはベドリズマブ治療中のIBD患者に対し、2種類の新型コロナワクチン(ファイザー製BNT162b2、アストラゼネカ製ChAdOx1 nCoV-19)接種後の抗体価を比較。その結果、インフリキシマブ治療患者では、ベドリズマブと比べワクチン単回接種後の抗体価が有意に低かった。ただし、SARS-CoV-2感染後のワクチン接種、もしくは規定通り2回接種後は、ほとんどの患者でセロコンバージョンが認められた。著者らは、「インフリキシマブ治療患者においては、ワクチンの単回投与に対する抗体応答が悪く、SARS-CoV-2感染のリスクが高まる可能性があり、2回目接種の遅延は避けるべき」と述べている。Gut誌オンライン版2021年4月26日号の報告。 研究グループは、2020年9月22日~12月23日の間に、英国の92医療機関に来院したIBD患者(5歳以上、インフリキシマブまたはベドリズマブ治療を6週間以上実施、過去16週間に少なくとも1回の薬物治療を受けている)7,226例を連続して登録。インフリキシマブ治療中の865例とベドリズマブ治療中の428例を対象とした。 主な結果は以下のとおり。・1回目のワクチン接種後3~10週間で測定した抗SARS-CoV-2スパイクタンパク抗体濃度は、ベドリズマブ治療群と比べ、インフリキシマブ治療群でBNT162b2およびChAdOx1 nCoV-19ワクチンのいずれにおいても低かった。・ワクチンの種類に関係なく、ベドリズマブ単剤の治療患者におけるセロコンバージョン率が最も高く、インフリキシマブと免疫抑制剤を併用した患者において最も低いセロコンバージョン率が観察された。・SARS-CoV-2感染歴がある患者において、いずれかのワクチンの1回目接種前およびBNT162b2ワクチンの2回投与後でより高い抗体濃度およびセロコンバージョン率が認められた。・インフリキシマブ治療群においても、2回接種後の患者では抗体価の上昇が認められた。

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新型コロナワクチン戦略、65歳未満は1回目接種優先が有益/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンは、PfizerのBNT162b2およびModernaのmRNA-1273共に2回接種が標準となっているが、米国・メイヨー・クリニックのSantiago Romero-Brufau氏らは、エージェント・ベース・モデリングによるシミュレーションの結果、65歳未満の人々には1回目の接種を優先して行い2回目の接種を遅らせるワクチン接種戦略が、有益であることを明らかにした。同戦略で1日当たりのワクチン接種率が人口の0.1~0.3%で死亡率は最大20%低下し、1回接種のワクチン有効率が80%以上になる可能性があるという。BMJ誌2021年5月12日号掲載の報告。エージェント・ベース・モデリングによるシミュレーションを実施 研究グループは、米国の実際の人口統計および職業分布を代表する10万人をエージェント(模擬集団)とし、3種類の接触ネットワーク(仕事、家庭およびランダムな遭遇)を介したエージェントの相互作用による感染をモデル化した。標準的なスケジュールでワクチン接種を行った場合と、1回目の接種を優先し2回目の接種を遅らせる場合とで、1回目のワクチン接種後180日間におけるCOVID-19による累積死亡率、SARS-CoV-2累積感染率およびCOVID-19による累積入院率をシミュレーションにより比較した。 シミュレーションは10回繰り返し、平均として結果を示した。また、1回目のワクチンの有効率を接種後12日目で50%、60%、70%、80%、90%、1日当たりの接種率を人口の0.1%、0.3%、1%、ワクチンは無症候性感染ではなく症候性感染のみを予防すると仮定し、65歳以上のすべての人々がワクチン接種を終えた後に65歳未満の人には2回目の接種を遅らせるというワクチン接種戦略を採用することとして、感度分析を行った。2回目接種を遅らせ1回目接種を優先することで、全体の死亡率は最大2割低下 すべてのシミュレーションにおいて、標準接種vs.2回目遅延接種の10万人当たりの累積死亡率中央値は、1回目接種の有効性が90%の場合226 vs.179、同80%の場合233 vs.207、同70%の場合235 vs.236であった。 2回目遅延接種戦略は、ワクチンの有効率が80%以上、1日当たりのワクチン接種率が人口の0.3%以下の場合に最適となり、絶対累積死亡率が10万人当たり26~47減少することが示された。65歳未満の人々に対する2回目遅延接種戦略は、検討したすべてのワクチン接種率において一貫して良好な結果であった。

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心房細動後1年以内のリズムコントロールで心血管転帰良好/BMJ

 心房細動の診断から1年以内の患者では、リズムコントロール治療の早期開始により、レートコントロールに比べ有害心血管イベントのリスクが有意に低下したが、この関連性は心房細動を発症して1年以上経過した患者では認められなかった。韓国・延世大学校医科大学のDaehoon Kim氏らが、長期観察コホート研究の結果を報告した。心房細動患者の予後に対するレートコントロールとリズムコントロールの効果の比較については結論が得られておらず、最近発表されたEAST-AFNET 4試験では、発症後1年以内の心房細動患者の場合、リズムコントロール治療は通常治療より有害心血管イベントのリスクが低いことが示されていた。BMJ誌2021年5月11日号掲載の報告。約2万3,000例でリズムコントロールとレートコントロールを比較 研究グループは、韓国・国民健康保険公団のデータベースを用い、2011年7月28日~2015年12月31日に、リズムコントロール(抗不整脈薬またはアブレーション)またはレートコントロール戦略で新たに治療を受けた心房細動および心血管疾患の成人患者2万2,635例を特定し、心血管疾患による死亡、虚血性脳卒中、心不全による入院、または急性心筋梗塞の主要複合エンドポイントについて解析した。心房細動診断1年以内のリズムコントロール開始は、心血管イベントのハザード比が0.81で有意に低い 2万2,635例の患者背景は、1万2,200例(53.9%)が男性で、年齢中央値は70歳、追跡期間中央値2.1年であった。 心房細動の診断から1年以内に治療が開始された早期治療患者では、レートコントロールと比較してリズムコントロールで、主要複合エンドポイントのイベント発生リスクが低かった。100人年当たりの重み付き発生率は、リズムコントロール7.42 vs.レートコントロール9.25であった(ハザード比[HR]:0.81、95%信頼区間[CI]:0.71~0.93、p=0.002)。 一方、心房細動の診断から1年経過した後に治療が開始された治療遅延患者では、リズムコントロールとレートコントロールの間に主要複合エンドポイントの差は認められなかった。100人年当たりの重み付き発生率は、リズムコントロール8.67 vs.レートコントロール8.99だった(HR:0.97、95%CI:0.78~1.20、p=0.76)。 心房細動の診断から1年以内では、治療開始時期が早いほどレートコントロールよりリズムコントロールで心血管転帰が良好であった。 安全性については、治療開始時期の違いで、リズムコントロールとレートコントロールの間に差はみられなかった。

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モデルナ製ワクチンの副反応、ファイザー製との違いは?/JAMA

 モデルナ社の新型コロナウイルスワクチン(mRNA-1273)が日本でも特例承認され、大規模接種会場を中心に接種が始まる。商品名はCOVID-19ワクチンモデルナ筋注。既存株に対するワクチン有効率は約94%*でファイザー社ワクチン(BNT162b2mRNA、有効率:95%)とほぼ同等だが、副反応疑い症状の発症率についてはどうだろうかー。 今回、米国疾病予防管理センター(CDC)のCOVID-19レスポンスチームに所属するJohanna Chapin-Bardales氏らは、「BNT162b2mRNA」と「mRNA-1273」の接種者からの局所的・全身性の症状に関する報告の詳細を明らかにした。 その結果、両ワクチンともに接種部位の痛み、倦怠感、頭痛が多かった。また、いずれも副反応報告は2回目接種後のほうが多く、とくにmRNA-1273ワクチン接種者はBNT162b2mRNAと比べ、悪寒(40.0% vs.22.7%)、発熱(37.6% vs.21.5%)、筋肉痛(51.4% vs.36.8%)、頭痛(53.2% vs.40.4%)、倦怠感(60.0% vs.47.8%)、接種部位の疼痛(78.3% vs.66.5%)、関節痛(31.5% vs.19.9%)を多く報告していた。JAMA誌2021年4月5日号オンライン版に掲載の報告。 この報告は、2020年12月14日~2021年2月28日の期間、v-safe**登録者が各ワクチン接種後0~7日目にv-safeへ自己申告した局所的および全身性の症状を収集したもの。2021年2月21日までに4,600万人以上が新型コロナウイルス感染症に対するmRNAワクチンを1回以上接種し、計364万3,918例がv-safeに登録されていた。登録者は1回目のワクチン接種後7日以内に1回以上の毎日の健康調査を完了し、そのうち192万872例は2回目のワクチン接種も受け、接種後7日以内に1回以上の健康調査を完了した。 主な結果は以下のとおり。・BNT162b2mRNAワクチンは1回目に165万9,724例、2回目に97万1,375例が接種し、mRNA-1273ワクチンは1回目に198万4,194例、2回目に94万9,497例が接種した。・v-safe登録者のほとんどは、ワクチン接種後0〜7日目に局所的な症状(接種1回目:70.0%、接種2回目:75.2%)または全身性の症状(同:50.0%、同:69.4%)を報告した。・両ワクチンの報告を合算した場合、1回目の接種後に最も報告されたのは、接種部位の疼痛(67.8%)、倦怠感(30.9%)、頭痛(25.9%)、および筋肉痛(19.4%)だった。・両ワクチンともに、2回目接種後に増えた報告は、倦怠感、頭痛、筋肉痛、悪寒、発熱、関節痛だった。・mRNA-1273ワクチン接種者はBNT162b2mRNAワクチンと比較して、反応原性の割合が高いと報告され、2回目接種でその差は顕著に現れた[悪寒(40.0% vs.22.7%)、発熱(37.6% vs.21.5%)、筋肉痛(51.4% vs.36.8%)、頭痛(53.2% vs.40.4%)、倦怠感(60.0% vs.47.8%)接種部位の疼痛(78.3% vs.66.5%)、関節痛(31.5% vs.19.9%)]。・65歳以上の登録者は局所反応、全身性の反応いずれにおいてもあまり報告していなかった。・v-safe登録者による症状発現の報告割合は、ワクチン接種後1日目で最も高く、7日目までに著しく減少した。 研究者らは「いずれのワクチンにも局所反応および全身性の反応が予想され、大半は一過性のものだが、それらの経験が被接種者の認識に最も直接的な影響を与える可能性がある。そのため、臨床医はワクチン被接種者に具体的な副反応症状を伝えるとともに、副反応症状がとくに2回目接種当日~翌日に出現しやすいこと、また、症状は短期間で解消することを助言する必要がある」とも結論づけている。* 感染歴がない被験者では94.1%、感染歴を問わない被験者では93.6%1)** v-safeとは、 CDCが新型コロナワクチン接種プログラムのために特別に確立した安全監視システム。ワクチン接種後の個々の健康状態を把握するため、テキストメッセージとWebで調査するためのスマートフォンベースのツール。ワクチン接種後の最初の週に、登録者は局所注射部位と全身反応に関する調査を毎日行う。登録者は、欠勤の有無、日常生活の可否、症状が出現した場合に医療者からケアを受けたかなどを尋ねられる。患者説明用スライドはこちら『ファイザー社とモデルナ社のワクチン副反応比較』

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治療抵抗性統合失調症患者におけるオキシトシン系機能障害

 治療抵抗性統合失調症(TRS)は、重度の陽性症状のみならず他の症状とも関連する非常に複雑な病態生理を有している。また、統合失調症では、自閉スペクトラム症と重複する心理的および生物学的プロファイルが注目されている。千葉大学の仲田 祐介氏らは、治療抵抗性統合失調症患者におけるオキシトシン系機能障害について、検討を行った。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2021年3月30日号の報告。 TRS患者30例、寛解期統合失調症(RemSZ)患者28例、ASD患者28例を対象に、一般的な認知機能および社会的認知機能障害とオキシトシン系機能障害との関連について、比較検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・3群間でオキシトシン濃度に差は認められなかった。・TRS群の血中オキシトシン濃度は、処理速度および心の理論のスコアと正の相関が認められたが、RemSZ群およびASD群では、いずれのスコアにおいても有意な関連は認められなかった。・オキシトシン受容体遺伝子の一塩基多型であるRs53576は、統合失調症患者の社会的認知機能に影響を及ぼしていた。 著者らは「全体的な調査結果は予備的なものである」としながらも「TRS患者の重篤な認知機能障害にオキシトシンシステムの機能障害が関連していると考えられる」とし「この結果は、TRS患者がASD患者と共通の生物学的特性に基づいて初期の神経発達異常を有している可能性を示唆している」としている。

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直腸と膀胱を貫通させた、ある行為【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第187回

直腸と膀胱を貫通させた、ある行為Photo-acより使用おどろき医学論文の連載も200回近くになってきました。ここまで来ると、膀胱や直腸の異物ごときでは驚かなくなります。ただ、その両方の臓器がやられてしまった、となると話は別ッ!Hosni A, et al.A rectal foreign body: An unexpected cause of a rectovesical fistula with hematuriaUrol Case Rep . 2021 Feb 4;36:101596.50歳の男性が、尿閉を訴えて救急外来を受診しました。排尿障害の病歴はなく、とくにこれといった既往歴もなさそうです。とりあえず導尿をしてから、泌尿器科へコンサルトされました。尿閉どころか、肉眼的血尿が出てくるようになり、これはいよいよおかしいぞということで造影剤を用いてCT尿路検査が行われました。おや……おやや!ぞ、造影剤が、膀胱から直腸に流れているぞ……?――こ、これは「膀胱直腸瘻」だっ!患者に直腸出血の可能性はないかと尋ねましたが、答えはNOでした。また、骨盤内手術や結核などの慢性炎症の既往もありませんでした。直腸診でも、これといった異常もありませんでした。いや、なぜ直腸と膀胱に穴が開いているんだ。頼むから、隠していることを言ってくれ。そうお願いしたのでしょうか、再び患者に詳しい問診と検査を開始し始めたとき、こんな回答が返ってきました。「便秘の自己治療のために、長いブラシを肛門に突っ込んで使っていた」おかしな性癖があって異物を入れる症例は、過去何度も紹介してきましたが、便秘治療でブラシを突っ込んで膀胱直腸瘻をつくるって、あーた、どんなに強く入れたの!しかも、普通のブラシではなく、排水管の詰まりを取るような、長いアレです。あれを膀胱が貫通するほど突っ込んでいたということになります。膿瘍化したり重症化したりせずにこの症例は治癒に至りましたが、便秘のときに摘便するがごとくブラシを突っ込んでしまう事態、高齢者では起こる可能性があるため、注意が必要です。

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まず手に取るべき「1冊目の臨床問題集」THE内科専門医問題集1&2

いつでも・どこでも専門医試験対策が可能に内科専門医をめざす研修医・専攻医のための臨床トレーニング問題集&WEBアプリ。トップ指導医たちがレビューを重ねて磨き上げた「スタンダード430問」(1&2巻合計)により内科臨床の基礎を一通り学ぶことができる。スマホ、タブレット、PCで「いつでも、どこでも」専門医試験対策が可能になるWEB版付。内科全領域のスタンダードをスキマ時間に効率的に学ぶことができる。まず手に取るべき「1冊目の臨床問題集」。呼吸器内科医・田中 希宇人氏による書評このコロナ禍で内科、特に全身を診ることができる内科専門医の必要性が上がっています。そしてコロナに対応すべく、実臨床に即した問題対応能力や知識の習得が必須となっています。内科専門医を取得することも大事ですが、専門医として相応しい幅広い知識を勉強することが極めて重要です。本書は、内科専門医として身につけておくべき専門医カリキュラムの中から、内科専門医試験に必要なトピック・疾患・治療などを厳選して430問の臨床実地問題にまとめられています。特筆すべきはチーフエディターである筒泉先生・山田先生と各専門分野で活躍されるパートエディターの先生方の重厚さでしょう。中身を読んで頂ければすぐに分かりますが、各問題の解説が詳しく、かつ分かりやすく記載されています。私も呼吸器専門医や内科専門医の資格を持っていますが、自分が専門医試験を受ける時にも持っていたかったと思わせる本書。試験を受ける先生は勉強すべき内容がほぼ網羅されておりますし、試験に関係ない先生方も知識のアップデートとしてぜひ熟読して頭に入れておきたい、内科医必読かつ最強の2冊組です。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。THE内科専門医問題集1THE内科専門医問題集2画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。THE内科専門医問題集1THE内科専門医問題集2 THE内科専門医問題集1 [WEB版付]総合内科I II III・消化器・循環器・内分泌・代謝・腎臓定価7,480円(税込)判型B5判頁数422頁発行2021年4月編集筒泉 貴彦 / 山田 悠史THE内科専門医問題集2[WEB版付]呼吸器・血液・神経・アレルギー・膠原病・感染症・救急・集中治療定価7,480円(税込)判型B5判頁数462頁発行2021年4月編集筒泉 貴彦 / 山田 悠史

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第58回 防衛省の逆ギレは誰のため?ワクチン接種センターの予約システム不備の件

高齢者に対する新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下、新型コロナ)のワクチン優先接種が本格化している。1日100万回接種で7月末までに高齢者への接種を完了させると菅 義偉首相が宣言したこともあり、防衛省が運営する大規模接種センターも東京、大阪に設置されることになった。ところが、その大規模接種センターの予約システムが穴だらけということが朝日新聞出版の雑誌「AERA」のwebニュースサイト「AERA.dot」で報じられ、その取材手法を巡って岸 信夫防衛大臣と報じたメディア側とのつばぜり合いがまた報じられるという泥仕合になっている。同じような検証は毎日新聞、日経XTECHも報じている。まず、予約システムでは、ホームページにアクセスした後、対象の高齢者に送付されている接種券に記載の市町村コード(6桁)と接種券番号(10桁)、接種希望者の生年月日を入力後、接種希望日時を選ぶ画面で空きがある日時を予約する。報道によると、この市町村コード、接種券番号、生年月日を架空の数字を入力しても予約が成立するという。この問題が報じられると岸大臣はTwitter上で次のようにつぶやいた。「自衛隊大規模接種センター予約の報道について。今回、朝日新聞出版AERAドット及び毎日新聞の記者が不正な手段により予約を実施した行為は、本来のワクチン接種を希望する65歳以上の方の接種機会を奪い、貴重なワクチンそのものが無駄になりかねない極めて悪質な行為です」さてこの件、医療従事者の方々の中では「メディアはけしからん!」という声も少なくないと聞く。私の見解を言うと、ポジショントークと言われてしまいかねないが、ほぼ問題ないと思っている。もし私自身が同じような情報を得たら同じように入力して検証し、その通りならば報道したと思う。AERA.dotの記事を読めば分かるが、今回の記事の発端は防衛省関係者からの内部告発、つまり内部で今回の問題に懸念を持った人がいたということだ。私も報道の世界に27年いて思うことだが、内部告発が行われる場合、大概は内部での意見具申が無視される、あるいは告発者がしがらみなどで意見具申がしにくい立場にあるなどの事情からやむにやまれず外部を頼ってくる場合がほとんどである。「そもそも内部告発者が愉快犯や怨恨で情報提供している可能性もあるだろう」と言う指摘もある。その可能性は常にある。ただ、さすがにわれわれも馬鹿ではない。例え短時間であっても情報提供者のバックグラウンドは可能な限りチェックする。さらに怨恨のケースは提供してくる情報につじつまが合わないことも多く、裏取りの過程でもおのずとその辺の状況は明らかになる。また、多少怨恨が背後にあったとしても、提供された情報で明らかになった問題点が多くの人に不利益をもたらす可能性が高いならば、それは慎重に裏取りをしたうえで報じることになる。さて話を今回の一件に戻そう。まず架空の予約を入れたことは問題なのか? 少なくともほかの手段で事実検証が代替できなければ、この手法は選択肢の1つである。ただ、それを実行するか否かのカギを握るのは、予約キャンセルの可否である。キャンセルが可能であるならば、システムや現場に与える負荷はほぼ無視できるので、入力による検証作業が岸大臣の言うところの「不正な手段によって予約することは、貴重なワクチンを無駄にしかねない悪質な行為」には当たらないと考える。また、この件で「わざわざ予約をしてなくとも、防衛省やシステム開発会社に情報提供者の言うことの真偽を問い合わせすれば代替できるではないか」という意見もあるかもしれない。この意見は一見すると論理的に聞こえるものの、実は物事の本質を見失う可能性がある。そもそも内部にシステムの脆弱性を認識した人がいながら、このシステムがリリースされてしまう組織体制が本質的に問題なのである。その組織に対してこちらが検証結果も持たずに取材をかければ相手側は不適切な隠ぺいに走る恐れがある。ちなみに、この報道について防衛省に抗議された朝日新聞出版の見解が公開されている。これを読むと、検証の上で防衛省に見解を問い合わせたものの回答はなかった旨が記載されている。防衛省はこの段階で事実を公表し、システムを一時停止するなどの措置が取れたはずである。経験上、こうした反応の場合は決定的な証拠を提示しない限り、隠ぺいが行われる可能性がある。にもかかわらず上述の岸大臣のツイートである。このツイートは直訳すれば、「お前らは気にくわない」の逆ギレに過ぎない。ちなみにこのシステムの穴に関して岸大臣はこのようなツイートもしている。「本センターの予約システムで、不正な手段による虚偽予約を完全に防止する為には、全市長区町村が管理する接種券番号を含む個人情報を予め防衛省が把握し、予約番号と照合する必要があり、実施まで短期間等の観点から困難かつ、全国民の個人情報を防衛省が把握する事は適切でないと判断いたしました」さてこれは個人情報に関してはそうかもしれない。しかし、6桁の市町村コードすら適当な数字の入力でよかったことの言い訳としては苦しい。そして事の真相についてはこんな記事も出ている。結局のところ非常に大雑把で掛け声だけの「1日100万回接種」の無理がたたったということである。そして今回の報道、まさに大規模接種のスタート前で本当に良かったと思う。一部にはワクチン接種前の関係者の努力に水を差したという指摘もあるが、もしこれが本格的にスタートしてから実際に悪意を持った入力が大量に行われていたらどうなるのか? そちらのほうが想像するだけでぞっとする。幸いにして大規模接種会場で使うモデルナのワクチンは、ファイザーのコミナティと違って解凍から有効期間が30日あるので、ニセの予約を大量に入れられても大量廃棄に至る可能性は低いだろう。しかし、虚偽予約があれば現場のマンパワーはかなり疲弊する。いずれにせよ今回は不幸中の幸いだったというべきだ。それでも中には防衛省とのやり取りも含め全部修正が済んでから報道すればという御仁もいるかもしれない。しかし、それは「万引きした人はモノを基に戻すか、お金を払えば無罪」という論理と同じだ。さて、そうはいってもちょっとだけAERA.dotには物申したいところがある。上述の記事を読めばわかるが、この記事ではこの穴だらけのシステムの運営会社の経営顧問が菅首相の盟友で、自民党の小泉 純一郎政権時の特命大臣を務めた竹中 平蔵氏であることに言及している。まあ、私もメディアの側にいるのでこの手の補足情報の記述に理解を示さないわけではないが、なくても良い情報かとも思う。この辺で「色」がついて、逆に変に嫌味っぽく受け取られかねないのだ。まあ、もっとも今回の報道で指摘されたことは事実無根のことではないことや、岸大臣があくまで権力者という前提に立てば大臣のツイートのほうがはるかに大人げない。そしてそのツイートをわざわざ引用して次のようにツイートしたのが、岸大臣の実兄・安倍 晋三元首相である。「朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える。防衛省の抗議に両社がどう答えるか注目」日本歴代最長政権を司った元首相のツイートとしてはかなり粗雑で品性に欠けると私には映ってしまうのだが。まあ、遡って考えればご両人のツイートも、安倍元首相の政治姿勢に厳しい目を向け続けた、朝日新聞、毎日新聞への恨み節がにじんで見えるといううがった見方も成り立つかもしれない。もちろんこうした見方はある種、私個人のバイアスともいえる。ただ、同時にこの一件に関して「メディアはけしからん」と思った方は、実はメディアの好き嫌いというバイアスが混入している可能性はある。というのも両社ともメディアとしては一般人から好き嫌いが分かれやすいからである。もちろんそのスタンスは自由だが、この件で「メディアはけしからん」と公言するならば、「朝日、毎日はけしからん」のバイアスが混じってないか否かはご自身で検証してみる必要はあるだろう。

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妊婦のストレス症状、COVID-19パンデミック前後の比較

 コロナウイルス感染症(COVID-19)関連のストレスを受けている妊婦は、そうでない妊婦と比較してストレスレベルが有意に高いことが、オランダ・Amsterdam Reproduction & Development Research InstituteのSanne J. M. Zilver氏らによって明らかにされた。COVID-19ストレスの軽減を目的とする介入は、パンデミック下における妊婦の全体的なストレスレベルを減らす可能性がある。Journal of Psychosomatic Obstetrics & Gynecology誌オンライン版2021年4月26日号の報告。 COVID-19のパンデミックは、多くの人々のメンタルヘルスに悪影響を及ぼし、ストレス、不安、うつ病の症状を抱える人々が増加している。不安やうつ病は、妊婦に良からぬ影響をもたらし、新生児の転帰を悪化させる可能性がある。 本研究は、妊婦のストレスや不安、うつ病について、COVID-19流行前に妊娠した女性とCOVID-19流行下で妊娠した女性を比較したコホート研究。対象は、2020年5月21日~6月22日にソーシャルメディアプラットフォームを通じて募集された、オランダ語を習得している18歳以上の妊婦。精神症状の評価はHADS※1とPSS-10※2を用いた。記述統計により人口統計学的特徴を評価し、グループ間の人口統計学的変数の潜在的な相違は、Mann-WhitneyのU検定およびカイ二乗検定によって比較した。ロジスティック回帰分析または独立した一元配置共分散分析により、両グループの連続的なHADS合計スコアとサブスコア(HADS-AおよびHADS-D)を解析した。 主な結果は以下のとおり。・質問票の回答が得られたのは、COVID-19流行下の妊婦1,102人、COVID-19流行前の妊婦364人だった。・臨床的に高レベルな不安(HADS-A≧8)とうつ病(HADS-D≧8)について、COVID-19流行下の妊婦(それぞれ19.5%と13.2%)とCOVID-19流行前の妊婦(それぞれ23.1%と19.5%)で差は認められなかった。・COVID-19関連のストレスを受けている妊婦は、COVID-19に関連しないストレスを感じている妊婦と比較して、PSS-10の全体的なストレスレベルが有意に高かった(平均15.62[標準偏差6.44]vs.平均10.28[標準偏差5.48]、p<0.001)。※1:HADS(Hospital Anxiety and Depression Scale):14の精神症状に関する項目から、身体的疾患を有する患者の抑うつと不安の測定に用いる尺度※2:PSS-10(Perceived Stress Scale-10):10項目の設問から、包括的なストレスレベルを評価する尺度

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