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こんにちは。自由気ままな整形外科医です。今は空前の株高です。ニュースになるので、株式投資に関心を持っている方も多いことでしょう。しかし、コロナ禍における株式投資は、昨年の3月ごろが最も“おいしい”時期でした。私はこの時期に過去最大級の資金を株式市場に投入しましたが、現在は一切投資をせずに静観しています。その理由は単純で、株価が高騰した今は、投資の旬は過ぎ去ったと判断しているからです。一方で、今時点で虎視眈々と狙っている投資対象の1つが不動産です。一般的に不動産市場の値動きは株式市場から半年~1年ほど遅行する、といわれています。つまり、2021年3月現在は、コロナ禍の傷が癒えて不動産価格が上昇しはじめた時期だと考えているのです。そうは言っても、不動産投資って何だか敷居が高いなあ、と感じている人は多いのではないでしょうか? 株式投資や仮想通貨なら、あっという間にスマホで取引できちゃいます。しかも数万円といった少額取引からOKです。そんな手軽な投資がスタンダードになったため、扱う金額が大きく、対面取引となる不動産投資には二の足を踏む人が多いでしょう。しかも、不動産業者さんはうさんくさいイメージ満載です。何だか話をするだけでカモられそう…。そんな不安感でいっぱいの人のために、私が実践している不動産投資がどんな感じなのかを公開しましょう!希望ピッタリの物件で即決2011年の年末に、懇意の不動産業者さんから電話がかかってきました。いわく、先ほど媒介契約を締結して賃貸マンションの物件を預かったのだけど、購入する意思はありますか? とのことです。電話越しに物件の概要をお伺いすると、私がメインで投資しているドンピシャのエリアです。しかも相続物件とのことで、売り主さんは売り急いでいるようです。売却希望価格は5,400万円で、当時としてもやや安い価格でした。築25年のRC造ではあるものの、見たこともない希少立地の物件だったため、「その価格で購入させていただきます!」と即答しました。しかし、当時は不動産市況が悪く、銀行融資も難しい時代でした。今と違って手元資金も少なかったため、銀行融資が必須の状況です。必死で現金をかき集めて手付金をつくり、同時に3つの銀行に融資の申し込みをしました。3行から融資内諾を勝ち取り当時の私は、すでに投資用不動産を何棟か所有していたものの、借入比率が高くて手元資金も薄い状況です。医師免許を持っていることだけが取りえの不動産投資家であり、優良顧客ではなかったはずです。一部の金融機関を除き、融資内諾には早くても3~4週間程度かかります。融資特約を付ける場合でも、その期限は1ヵ月のことが多いです。このため、融資内諾が下りるのは融資特約期限の直前のことが多く、精神的に追い詰められてしまいます。この物件では申し込みから3週間後に担当者から架電がありました。電話を受けたのは職場からの帰宅途中でしたが、融資内諾の一報に、人目もはばからずにガッツポーズしたことを鮮明に覚えています。さっそく融資内諾が下りたことを伝えたところ、残りの2行もすぐに融資内諾となりました。銀行も現金なものです(笑)。そうなると、今度は融資条件の交渉のステージに進みます。私と銀行の立場は逆転しました。私は金利リスクを回避したいので、長期固定金利を最優先にしています。このため、10年以上の固定期間、金利水準、および銀行の店格を基準に選択しました。最終的に第一地銀の本店で、融資期間25年、うち固定期間10年、金利1.5%で融資を受けることになりました。最初に融資内諾をくれた銀行ではなかったのが心に引っ掛かりましたが、ビジネスなので仕方ない、と考えることにしました…。普通レベルの物件運営でも利回りは向上するこのようにして苦労して手に入れた物件ですが、当時の満室賃料収入は44万円/月で、表面利回りは9.8%でした。当時からかなり良い利回りでしたが、これは売り主さんが売り急いでいたため、割安で購入できたことが要因です。さて、投資物件としての運営を始めると、いろいろとあらが目に付いてきます。まず売り主さんはあまり原状回復工事に積極的ではなく、内装等に汚れが目立っていたため、賃料は周辺よりもかなり低い水準でした。普通レベルの工事をするだけで賃料を上げることができました。さらに他の物件を売却して利益が出た年度に、節税目的で大規模修繕を行いました。この工事のおかげで入居者確保がさらに容易になりました。そして現在の賃料収入は56万円/月で、表面利回りは12.4%まで上昇しています。仮に売却すれば約1億円の利益この物件は希少立地にあるため、私としては永久に保有する予定です。売却意思はないのですが、購入時と現在の価値を算出してみました。まずは路線価です。2012年は32万円/m2でしたが、2020年には60万円/m2にまで上昇しています。8年間で約2倍になりました。建物の築年数が増したものの、銀行評価は主に土地に対して行われるので、積算価格は約2倍になったことになります。そして、現在の周辺エリアでの流通利回りは約5%です。収益還元法で簡易的に計算すると、1億3,440万円の評価となります。もちろん、築33年なので法廷耐用年数は20年となり、多少割り引かれた物件評価となりますが、この程度の価格であればいつでも売却できる可能性が高いことは非常に安心感があります。さらに所有している9年間で得られた賃料収入は、経費を控除すると約1,800万円です。大規模修繕費用500万円を控除しても、この物件を所有することで1,300万円を得たことになります。そして2021年3月末の融資残高は約3,000万円で、9年間で1,500万円を返済しました。現時点の実質的残債は1,700万円なので、仮に売却すれば約1億円の利益を手にすることができます。このような物件をいくつか所有していると、人生の幅が広がることは容易に想像できることでしょう。もちろん、経験値がなければ今回のような芸当はできませんが、これまで見てきたように私は特殊なことをしたわけではありません。「適切なタイミング」で、「適切な立地と価格の物件」を購入しただけです。たったそれだけのことで、大きな利益を得ることができるのが不動産投資の醍醐味なのです。