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ATG7変異によるオートファジー障害が神経発達障害の原因?/NEJM

 オートファジー(自食作用)は哺乳類細胞における主要な細胞内分解経路であり、その異常は神経変性からがんまで、複雑なヒトの疾患と広く関連しているが、先天性のオートファジー障害はまれだという。英国・ニューカッスル大学のJack J. Collier氏らは、オートファジーに必須のエフェクター酵素で、既知の機能を持つパラログのないオートファジー関連(ATG7)遺伝子が、著しく減少あるいは完全に欠損した状態で生存している神経発達障害の患者を特定した。NEJM誌2021年6月24日号掲載の報告。血縁関係のない5家族の12例で、治療に結び付く知見 研究グループは、血縁関係のない5つの家族の、運動失調と発育遅延がみられる12例を対象に、遺伝学的解析、臨床的解析および神経画像解析を行い、患者由来の線維芽細胞と骨格筋生検標本、マウス胚性線維芽細胞、酵母を用いて病態の発生機序を検討した(英国・ウェルカム・トラスト・ミトコンドリア研究センターなどの助成による)。 ヒトATG7は、古典的な分解型オートファジーに不可欠の蛋白をコードする中心的なオートファジー関連遺伝子であるが、エクソームシークエンス解析により、この遺伝子に有害な劣性変異が見つかった。 5家族の12例は、それぞれ異なるATG7変異を持っており、脳や筋肉、内分泌の複雑な神経発達障害がみられた。また、小脳および脳梁の異常や、さまざまな程度の顔面異形症が認められた。これらの患者は、ATG7蛋白の減少または欠損によって、オートファジーフラックス(autophagic flux)が障害された状態で生存していた。 一方、オートファジーによる異物の隔離は著しく減少していたが、基底レベルのオートファジーが機能している証拠は、ATG7を欠損した線維芽細胞や骨格筋で容易に特定された。また、さまざまなモデル系において、有害なATG7変異で相補すると、野生型ATG7の再導入に比べて、オートファジー機能は低下または欠損した。 著者は、「これらのデータは、ATG7の有害な二対立遺伝子変異によるオートファジーの障害が、神経系、筋肉系、内分泌系の機能低下を伴う神経発達障害の原因であることを示唆する。マウスでは、神経系のオートファジーを選択的に回復させることで、周産期致死が回避可能との報告があり、これを考慮すると、オートファジー障害に起因する疾患を持つ患者においても、同様の神経系オートファジーの回復が、重要な治療戦略となる可能性がある」としている。

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アトピー性皮膚炎、黄色ブドウ球菌自家株を用いた細菌療法で重症度改善

 近年、アトピー性皮膚炎(AD)患者の皮膚マイクロバイオーム(微生物叢)に注目した研究が進んでおり、その中でも検出頻度の高い黄色ブドウ球菌(S. aureus)について、繰り返す皮膚炎症状との関連が指摘されるようになっている。 米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のTeruaki Nakatsuji氏らは、成人11例を対象とした無作為化二重盲検試験において、AD患者の皮膚から培養したS. aureus自家株を用いた細菌療法が、S. aureusのコロニー形成を安全に減少し、疾患重症度を改善する可能性が示されたと報告した。著者は、「より大規模な研究が必要だが、S. aureusを減らすというこの個別化アプローチは、抗菌薬、免疫抑制剤、免疫モジュレーションに代わるAD患者の治療法となりうるだろう」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年6月16日号掲載の報告。 研究グループは、AD患者各人のS. aureusに特異的な抗菌活性を有するコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CoNS)を用いて製剤化した個別化外用クリーム(自家抗菌性CoNS[自家CoNS-AM+]クリーム)が、S. aureusのコロニー形成を減じ、疾患重症度を改善するか否かを評価するため、無作為化二重盲検プラセボ対照試験を単施設にて行った。 被験者は、成人の中等度~重症AD患者11例で、無作為に自家CoNS-AM+クリームを塗布する群(5例)またはプラセボクリームを塗布する群(6例)に割り付けられた。自家CoNS-AM+は、AD患者各人の非病変皮膚から採取したスワブ検体からの分離株で、培養増殖した後、107コロニー形成単位/gの濃度で採取した患者の前腕部に局所的に塗布された。 主要評価項目は、自家CoNS-AM+治療1週間後のS. aureus量で、株ベース法およびDNAベース法で評価した。副次評価項目として、安全性と臨床的アウトカムを評価した。試験は2016年4月~2018年5月に実施、データ解析は2018年5月~2019年7月に行われた。 主な結果は以下のとおり。・被験者11例のうち男性が4例(36.4%)、女性は7例(63.6%)であった。・自家CoNS-AM+群およびプラセボ群に重篤な有害事象はなかった。・治療終了時点で、病変部のS. aureus株は、自家CoNS-AM+群(log10でみた対ベースライン比中央値:-1.702[95%信頼区間[CI]:-2.882~-0.523])が、プラセボ群(0.671[-0.289~1.613])と比べて99.2%減少した(p=0.01)。・減少は、治療後4日時点でも持続していた(p=0.03)。自家CoNS-AM+群-1.752(95%CI:-3.051~-0.453)、プラセボ群-0.003(-1.083~1.076)。・重要な点は、11日時点で評価した病変部のEczema Area And Severity Indexスコアで、自家CoNS-AM+群(平均変化割合:-48.45[95%CI:-84.34~-12.55])の、プラセボ群(-4.52[-36.25~27.22])に対する有意な改善が認められたことであった(p=0.04)。

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医師のふるさと納税、最も高額な寄付金と返礼品は?/1,000人に聞きました

 2008年から始まった「ふるさと納税」。言葉としては定着しているようだが、実際に医師の間にはどの程度浸透しているのだろうか。今回、医師の1回あたりの最高寄付金額や申込みの多い返礼品についてアンケート調査を行った。その結果、利用率は83%、人気の返礼品は肉類であることが明らかになった。また、1回の寄付金額が100万円以上と回答した医師は14人(利用者の1.7%)だった。一方、ふるさと納税を利用していない17%における大半の理由は“面倒くさい”だったが、「地元の税収を減らしたくない」「趣旨に賛同できない」などの意見も挙げられた。医師によるふるさと納税の平均寄付金額 今回の医師によるふるさと納税の平均寄付金額は50,001~100,000円が最多で、その回答者の多くは肉類(和牛、ブランド牛など)や魚介類(かに、うなぎ、いくら)などを受け取っていた。一般に目を向けると、NTTコム リサーチが昨年9月に全国20歳以上の男女1,122人に行ったふるさと納税の調査1)では、寄付金額は1回あたり5,001~10,000円が最多で、平均寄付回数は10.5回。回答者の6割強が肉類を、5割が魚介・海産物類を選んでいた。寄付金額は違えども肉類は最も人気の返礼品だと言えそうだ。<主な返礼品と1回あたりの平均寄付金額>・肉類(平均:7万5,163円、範囲:1万~65万円)・魚介・海産物類(同:5万9,560円、同:1万2,000~100万円)・家電・電子機器*(同:24万409円、同:2万~300万円)・家具/寝具(同:24万4,651円、同:2万~300万円)・お米(同:10万6,759円、同:1万~20万円)・果物**(同:4万5,628円、同:5,000~30万円)*パソコン、iPad、テレビなど**いちご、メロン、ぶどう、マンゴーなど[ケアネットふるさと納税で人気の返礼品を見る]ふるさと納税で日本の伝統工芸品を入手する医師も ふるさと納税に関しては、泉佐野市をはじめとする複数自治体で、特産物とは無関係なAmazonギフト券などを寄付金額以上の品物として返礼していたことが一時騒然となった。この問題を受け総務省は「2019年6月1日以降の返礼品は“寄付金に占める返礼品割合が3割以下”かつ“地場産品のみとする”」と厳格に定めている。これを機に各自治体は試行錯誤を重ね、各地の特色を生かしたさまざまな返礼品を用意しており、今回のふるさと納税アンケートに回答した医師の中にも日本の伝統工芸品やマニアにはたまらない体験型の商品を受け取っている人がいた。<一例>カッコ内は寄付金額・真珠(30万円)・切子細工(7万円)・マラソン出走権(10万円)・二条城10年入場証(100万円)医師がふるさと納税を始めたタイミング ふるさと納税を行っている医師は全体の8割強を占めているが、臨床研修医の多い20代を除く各世代のおよそ1割が2020年以降に始めていた。たまたまそのタイミングだったのか、はたまたコロナ禍が影響したのかは不明であるが、ふるさと納税に対してコロナが追い風になったことは1つの要因として考えられるのではないだろうか。また、近年ではふるさと納税をお中元やお歳暮として贈答する例も増えている。ただし、返礼品だとわかってしまうため家族間や親しい間柄の贈り物に限定したほうが良さそうだ。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。『ふるさと納税、医師はいくら寄付してる?』医師のためのふるさと納税サイト[ケアネットふるさと納税はこちら]

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PTSDの悪夢やフラッシュバックに対するトリヘキシフェニジル治療の有効性

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、悪夢やフラッシュバックを特徴とする、外傷性イベント後に発症する可能性のある不安障害である。この悪夢やフラッシュバックの根底にあるPTSDのメカニズムは解明されておらず、抗うつ薬や抗精神病薬を含むいくつかの薬剤が治療に用いられている。そごうPTSD研究所の十河 勝正氏らは、抗コリン薬ブチルスコポラミン臭化物によるケーススタディに続いて、PTSD関連の悪夢やフラッシュバックに対する中枢性抗コリン薬の効果について、検討を行った。Brain and Behavior誌2021年6月号の報告。PTSDの悪夢やフラッシュバックの治療、中枢性抗コリン薬の有効性を証明 過去(約2~15年)の精神医学的治療に奏効しなかった難治性のPTSD関連の悪夢やフラッシュバックを有する患者34例を対象に、トリヘキシフェニジルによる治療を行った(オープンラベル試験:22例、単盲検試験:12例)。トリヘキシフェニジルの効果を測定するため、PTSD臨床診断面接尺度(Clinician-Administered PTSD Scale:CAPS)および出来事インパクト尺度改訂版(Impact of Event Scale-Revised:IES-R)を用いた。 PTSD関連の悪夢やフラッシュバックに対する中枢性抗コリン薬の効果について検討した主な結果は以下のとおり。・治療開始2週間以内に、悪夢やフラッシュバックに対する顕著な改善が確認された。・オープンラベル(各々:p<0.001)および単盲検試験(各々:p=0.001)のいずれにおいても、悪夢やフラッシュバックの有意な改善効果が認められた。 ●悪夢の頻度:治療前3.24(週に数回~ほぼ毎日)→治療後0.45(なし~月に1、2回) ●悪夢の重症度:治療前3.45(重度以上)→治療後0.56(なしまたは軽度) ●フラッシュバックの頻度:治療前3.36(週に数回~ほぼ毎日)→治療後0.48(まったくないまたは月に1、2回) ●フラッシュバックの重症度:治療前3.32(重度以上)→治療後0.61(なしまたは軽度)・全体として、CAPSサブスコアの悪夢やフラッシュバックについて、「なし」または「軽度(月に1、2回)」への改善が認められた。 ●悪夢の改善率:88%(34例中30例) ●フラッシュバックの改善率:79%(34例中27例) 著者らは「本研究は、難治性のPTSD関連の悪夢やフラッシュバックの治療におけるトリヘキシフェニジルの潜在的な有効性を証明した最初の研究である。PTSDに対するトリヘキシフェニジルの臨床的ベネフィットをさらに調査するためにも、二重盲検ランダム化比較試験の実施が望まれる」としている。

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治療抵抗性高血圧に対する超音波腎デナベーションの効果(解説:石川讓治氏)

 腎デナベーションによる降圧効果を評価する臨床試験が行われてきた。ラジオ波(radiofrequency)を用いた焼灼法を用いた過去の研究においては、外来血圧を用いて評価されていたため、血圧低下度が過大評価されていたことが問題であったとされ、治療抵抗性高血圧患者を対象にラジオ波を用いた腎デナベーション群とShamコントロール群とを比較した大規模臨床試験(SYMPLICITY HTN-3)1)では、外来血圧や自由行動下血圧に有意な血圧低下は認められなかった。その原因として、降圧薬の服薬アドヒアランス、降圧薬の投与方法、手技の精度、エンドポイントの確認法などの問題点が指摘されていた。 RADIANCE-HTN SOLO研究では2)、軽度~中等度の高血圧患者を対象とし、以前の問題点であった服薬アドヒアランス、超音波腎デナベーションによる手技の精度、血圧測定方法(より正確な血圧である自由行動下血圧をエンドポイントにする)などの改善を行い、腎デナベーション群においてShamコントロール群と比較して2ヵ月後に6.3mmHg大きく自由行動下血圧の低下が認められたことが報告された。その効果は6ヵ月後、12ヵ月後にも持続していた。 本研究(RADIANCE-HTN TRIO研究)3)においては、3剤合剤(アムロジピン、バルサルタンまたはオルメサルタン、サイアザイド系利尿薬)を使用下でも自由行動下血圧135/85mmHg以上であった治療抵抗性高血圧患者においても、超音波腎デナベーション群で2ヵ月後の自由行動下血圧が、Shamコントロール群と比較して、収縮期血圧で8.0mmHg、拡張期血圧で3.0mmHg大きく低下していたことを報告した。服薬アドヒアランスに関しても、尿中の降圧薬濃度を分析して2群間に差がなかったことを確認している。2ヵ月の追跡期間における有害事象に関しても大きな差は認められなかったが、数が少なかったため、長期的な降圧効果と安全性に関しては今後の研究結果の報告を待つ必要がある。 一度は有効性が疑われた腎デナベーションではあるが、手技やデバイスを改善し、患者条件を群間で一致させ、評価方法を改善することにより、超音波腎デナベーションが将来的に降圧治療の1つの選択肢となる可能性が残された。しかし、侵襲的治療であるがゆえに対象患者は限られてくる可能性がある。最初は、降圧薬が副作用などで内服困難、若年女性で降圧薬の内服に制限がある、治療抵抗性高血圧などの患者が対象になるかもしれない。現在のところ手技における降圧度の調整も困難である。今後、超音波腎デナベーションがより有効である患者の特徴を明らかにする必要もある。腎障害、肥満、高齢者、糖尿病、2次性高血圧などの患者における降圧効果は不明である。降圧効果の持続期間の検討、長期的に腎動脈に与える影響、費用対効果の問題、高血圧性臓器障害や心血管イベントの抑制効果に対する検討も必要に思われる。

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必ず読めるようになる医学英語論文 究極の検索術×読解術

英語論文検索・読解のノウハウを徹底解説。読まなければ、何も始まらない医学英語論文を読む目的は何か? その一つは、EBMの考え方に基づいてクリニカル・クエスチョンに答え、日常診療に役立てるためであり、もう一つは自ら研究を実践し、学会発表や論文執筆に備えるためである。本書ではPubMedを使った論文の検索方法とともに、斜め読みではなく論文全体を「精読」するために必要となる“予測読み”などの実践的な読解方法を詳細に解説。これから論文を読むすべての臨床家必読の書。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    必ず読めるようになる医学英語論文定価3,520円(税込)判型A5判頁数160頁発行2021年4月著者康永 秀生電子版でご購入の場合はこちら

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週1回投与のヒト成長ホルモン製剤「ソグルーヤ皮下注5mg/10mg」【下平博士のDIノート】第77回

週1回投与のヒト成長ホルモン製剤「ソグルーヤ皮下注5mg/10mg」今回は、長時間作用型ヒト成長ホルモンアナログ製剤「ソマプシタン(遺伝子組換え)(商品名:ソグルーヤ皮下注5mg/10mg、製造販売元:ノボ ノルディスク ファーマ)」を紹介します。本剤は、重症の成人成長ホルモン分泌不全症患者に週1回投与することで、体脂肪量の減少と筋肉・骨組織の成長を促し、体組成のバランスを改善します。<効能・効果>本剤は、成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)の適応で、2021年1月22日に承認されました。診断および重症の基準は、最新の「成人成長ホルモン分泌不全症の診断と治療の手引き」の病型分類を参照することとされています。<用法・用量>通常、ソマプシタン(遺伝子組換え)として1.5mgを開始用量とし、週1回、同一曜日に皮下注射します。開始用量は年齢、性別、合併症などに応じて適宜増減します。60歳超の患者では1.0mg、経口エストロゲン服用中の女性患者では2.0mgが目安となっています。その後の投与量は、患者の臨床症状および血清インスリン様成長因子-I(IGF-I)濃度などの検査所見に応じて、最高用量8.0mgを超えない範囲で調整します。なお、投与量の調整は投与開始後2~4週間に1回を目安に行い、増量する場合は1回当たり0.5~1.5mgを目安とします。副作用の発現や血清IGF-I濃度が基準範囲上限を超えた場合は、投与量の減量や一時的な投与中止など適切な処置を行います。<安全性>第III相試験の併合結果333例中85例(25.5%)で副作用が確認され、主な副作用として、頭痛11例(3.3%)、関節痛、疲労各9例(2.7%)、末梢性浮腫7例(2.1%)、浮動性めまい、感覚鈍麻、体重増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加各4例(1.2%)などが報告されています。重大な副作用として、甲状腺機能亢進症および糖尿病(いずれも頻度不明)が設定されています。<患者さんへの指導例>1.週1回投与する持続性の成長ホルモン製剤です。肝臓に働き掛け、体脂肪量を減少させ、筋肉や骨組織の成長を促し、体組成のバランスを改善します。2.大腿部、腹部などに皮下注射してください。注射箇所は毎回変更し、同一部位に短期間に繰り返し注射しないでください。3.浮腫、関節痛、視覚異常、頭痛、悪心または嘔吐、頻尿などの症状が見られたらご連絡ください。4.投与を忘れた場合は、あらかじめ定められた投与日から3日以内であれば、気付いた時点でただちに投与し、その後は元の曜日に投与してください。投与日から3日を超えていた場合は1回分スキップして、次の投与日に投与します。なお、曜日を変更する必要がある場合は、前回の投与から少なくとも4日間以上の間隔を空けてください。5.使用開始前後にかかわらず冷蔵庫で保管し、開封したものは6週間以内に使用してください。冷蔵庫がない環境での保管は、遮光・室温(30℃以下)で通算3日間(72時間)までとしてください。<Shimo's eyes>成人成長ホルモン分泌不全症(AGHD)とは、成人において成長ホルモン(GH)の分泌が損なわれることで、易疲労感やスタミナ低下、体脂肪の増加、筋肉・骨塩量の低下、血中脂質高値などさまざまな自覚症状や代謝異常を来す慢性疾患です。通常、GH補充療法が行われますが、GH分泌不全は生涯続くことが多いため、長期または生涯にわたる治療が必要です。従来のソマトロピン製剤(商品名:ノルディトロピン注、ジェノトロピン注、ヒューマトロープ注、グロウジェクト注、ソマトロピンBS注)は、主に1日1回の皮下投与製剤であることから、毎日の治療に負担を感じる患者も少なくないことが課題となっています。本剤は週1回投与の長時間作用型ヒト成長ホルモン誘導体であり、内分泌専門医の管理指導の下、自己注射が可能な製剤です。1.5mLカートリッジに入った溶解操作が不要なリキッドタイプで、複数回投与可能な使い捨てプレフィルドペン型注入器に装填されています。1回の投与量は、5mg剤が0.025~2mgまで0.025mg刻み、10mg剤が0.05~4mgまで0.05mg刻みで設定可能です。ソマプシタンの構造としては、101位のロイシン残基をシステイン残基に置換したアミノ酸骨格に、アルブミン側鎖が接合しており、内因性アルブミンとの可逆的な非共有結合により、本剤の消失が遅延することで作用持続時間が延長されます。注意すべきポイントとして、GHはインスリン感受性と耐糖能を低下させるため、血糖値とHbA1cなどのモニタリングが必要な点が挙げられます。また、甲状腺機能の低下や良性頭蓋内圧の亢進、血清コルチゾール値の低下、中枢性副腎皮質機能低下症が顕在化する可能性があるので注意が必要です。GHの体液貯留作用により、本剤による治療開始時に手足の浮腫、手根管症候群、関節痛、筋肉痛などが見られる場合がありますが、治療継続中に消失することも多いため、軽度であれば経過観察となることもあります。自己注射は、基本的にはインスリン注射と同様の手順で行います。使用済みの注射器・針の廃棄方法は、かかりつけ医や主治医、薬剤師に相談するよう伝えましょう。参考1)PMDA 添付文書 ソグルーヤ皮下注5mg/ソグルーヤ皮下注10mg

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デジタル手術イラストの描き方(着色~仕上げ編)【誰も教えてくれない手術記録 】第4回

第4回 デジタル手術イラストの描き方(着色~仕上げ編)こんにちは! 手術を描く外科医おぺなかです。今回は前回の続きで、手術イラストの着色~仕上げまでをお伝えします。前回は、下書き~線画を軸に、デジタルイラストの特徴である「レイヤー機能」について、少し掘り下げて紹介しました。今回もレイヤー機能の活用を中心に、イラスト完成までの流れを説明しますので、「レイヤーって何のこと?」と思われた方は、前回のコラムを先にご一読いただけると理解が深まるかと思います!(3)着色:色や構造ごとにレイヤーを分けるのがポイント!線画だけで着色をしなくても、手術イラストとしては成り立ちますが、やはり色が付いていたほうがより見やすくて伝わるイラストになります。私は、色塗りに「ソフトエアーブラシ」を愛用していますが、着色にもさまざまな質感のブラシが使えるので、いろいろと試してみてください。まず、線画レイヤーの下に、新規レイヤーを作成します。カラーパレットから塗りたい色を選択し、多少のはみ出しは気にせず大まかに塗っていきます。そして大体塗り終えたら、消しゴムツールを用いて線画からはみ出した部分を消していきましょう。広い面から塗って、不要な部分を後から消すほうが、早く簡単できれいに塗れると思います。大まかな着色⇒消しゴムで丁寧に消した図また、色が変わる隣り合った部分や構造でレイヤーを分けると、後から細かな修正がしやすくなるのでおすすめです。慣れるまでは、レイヤーに名前を付けて整理するといいですよ。各レイヤーに名前を付けた図色を塗った後は、影(黒、灰色)やハイライト(白)を重ねると、よりそれらしいイラストになると思います。これもレイヤーを分けて描くようにしましょう。レイヤーごとに透明度を調節できるので、影やハイライトが濃くなり過ぎてしまった場合は、透明度を下げると自然に仕上がりますよ。ポイントとしては、着色が終わったタイミングで線画と色のレイヤーをすべてグループ化しておきましょう(ソフトによってはフォルダに入れることでグループ化できるものもあります)。詳しいことは後で説明しますが、イラストの配置を調整するときなどに役立ちます。見本:着色後の完成図(4)仕上げ:手術の流れやポイントがわかるような矢印やテキストを書き込むさて、ついに最後のステップです。余白に矢印やテキストを書き込むことで、手術イラストから手術記録に仕上げていきます。付記する内容としては、病名、施行した術式解剖構造の名称術中所見(病変の様子、腫瘍であれば転移の有無、血管走行、癒着の程度など)手術操作の内容(郭清、剥離、血管/腸管切離など)手術に使用した道具(糸の種類・太さ、エネルギーデバイス、血管用クリップ、メッシュなど)などが一般的ですね。自分は手書き文字が好みですが、お絵描きソフトのテキストツールや、パワーポイントなどを使って仕上げる方法もよく用いられているようです。手書きの際は、グリッドなどの描画ガイドを用いると、字の大きさや傾きが整うのでおすすめです。また、文字を書く余白が足りない、何となく配置バランスが悪いなどと感じたら、各イラストの位置や大きさの調整をしましょう。ここで、先に説明したレイヤーのグループ化機能を活用します。グループ化した全レイヤーを選択した状態で、なげなわ(選択)ツールを用いて動かしたい範囲を指定すると、選択範囲の位置調整や拡大・縮小が可能です。なげなわツールで範囲指定⇒拡大・縮小した図最後に各工程の細かな調整を行って完成です! お疲れさまでした!見本:完成図(お絵かきソフトのテキストツールで文字入れ後)まとめここまで2回に分けて、手術イラストの下書きから完成までの過程を説明しましたが、いかがでしたか? 皆さんがデジタル手術イラストに挑戦するきっかけになればうれしいです。次回以降も、手術記録に関するいろいろな情報をお届けできたらと思っています。ではまた!

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ASCO2021レポート 乳がん

レポーター紹介2021年6月4日から8日まで5日間にわたり、2021 ASCO Annual Meetingが昨年と同じく完全バーチャルで実施された。昨年はプレナリーセッションのQAのみがライブ配信され、他の演題は口演を含め開会と同時にオンデマンドで見ることができたが、今年は口演の録画+リアルタイムQAが実施された。参加された方は実感されていると思うが、米国の日中はほぼ日本の深夜〜明け方である。日本からリアルタイムで参加するのに骨が折れるのは言うまでもない。2021年のテーマは“Equity: Every Patient. Every Day. Everywhere.”であった。COVID-19は世界中の日常を変えてしまったが、図らずも人種や地域によって受けられる治療に差があることを明らかにしてしまった。がん領域においても公平な治療は非常に重要な概念である(公平でないからこそテーマとなっている、ともいえる)。さて、乳がん領域ではプレナリーで日常臨床を変える結果が発表され、Local/Regional/Adjuvantで重要な演題が多く発表された。その一方で、Metastaticでは目玉となる発表は少なかったように思う。乳がんの演題について、プレナリーセッションの1題、Local/Adjuvantから3演題、Metastaticから1演題を紹介する。生殖細胞系列BRCA1/2遺伝子変異陽性のHER2陰性再発高リスク早期乳がんに対する周術期化学療法後の術後オラパリブ療法の二重盲検化比較第III相試験(OlympiA試験, LBA1)生殖細胞系列BRCA1/2遺伝子変異陽性(gBRCAmt)のHER2陰性転移乳がんに対しては、OlympiAD試験でオラパリブの主治医選択治療(化学療法)に対する無増悪生存期間(PFS)における優越性が示され、現在実臨床でも使用されている(Robson M, et al. N Engl J Med. 2017;377:523-533.)。オラパリブはPARP阻害薬であり、gBRCAmtの乳がん患者では合成致死と呼ばれる機序でがん細胞の細胞死を誘導する。OlympiA試験ではgBRCAmtを持つHER2陰性再発高リスク乳がん(術前化学療法を受けた患者では、トリプルネガティブ乳がん[TNBC]でnon-pCR、HR+でnon-pCRかつCPS-EG≧3、術後化学療法を受けた患者では、TNBCでpT2以上またはpN1以上、HR+でN≧4個)を、オラパリブ300mg 2回/日 内服1年間とプラセボに割り付けた。1,836例が登録され、オラパリブ921例、プラセボ915例に割り付けられた。遺伝子変異はBRCA1が70%強であり、ホルモン受容体は陽性が20%弱であった。主要評価項目の無浸潤疾患生存(iDFS)において、3年で85.9% vs.77.1%(ハザード比[HR]:0.58、95%CI:0.41~0.82、p<0.0001)と10%近い差をつけてオラパリブ群で良好であった。副次評価項目の遠隔無病生存(DDFS)においても、3年で87.5% vs.80.4%(HR:0.57、95%CI:0.39~0.83、p<0.0001)であり、iDFSと同様の傾向であった(DDFSとOSの評価ではαが再利用されている)。3年全生存(OS)では92.0% vs.88.3%(HR:0.68、95%CI:0.44~1.05、p=0.024)(有意水準はp<0.01)と統計学的有意差こそ示されなかったものの、オラパリブ群で良好な傾向であった。患者がリスク低減手術を受けたかどうかにもよるが、オラパリブがHBOC関連の他がんの発症を抑えていることが、OSで良好な傾向を認めた理由かもしれない。毒性については悪心、倦怠感、貧血が主なものであり、Grade3の貧血には注意が必要なものの、これまでに示されている有害事象と同様で、いずれも管理可能なものである。PARP阻害薬を早期がんに使用する際の懸念点としてMDS/AMLならびに2次がんの発症があるが、発表時点ではオラパリブでそれぞれ0.2%、2.2%、プラセボで0.3%、3.5%であり、とくにオラパリブ群での増加は認めなかった。ただし、こちらについてはより長期のフォローを経たデータを見て再度検討が必要であろう。またEORTC QLQ-C30を用いたQOL評価が実施されており、オラパリブ群とプラセボ群でQOLのスコアの差は認められなかった。本試験は今年のASCOの発表の中で間違いなく日常臨床を変える結果の1つであった。承認されるとBRCA1/2の遺伝学的検査の頻度が今以上に増えることが予想される。患者本人に対するリスク低減手術はもちろん、治療適応の判断を目的とした検査の結果として、未発症保因者が増えてくると考えられる。未発症保因者に対するサーベイランスや化学予防、リスク低減手術の体制や保険の整備がより重要となってくるであろう。gBRCAmt HER2陰性乳がんを対象としたtalazoparib術前薬物療法のphase II試験(NEOTALA試験)HBOC関連の話題をもうひとつ取り上げる。talazoparibはgBRCAmt転移乳がんに対して有効性の示されているもうひとつのPARP阻害薬である(本邦未承認)。NEOTALA試験はgBRCAmt HER2陰性早期乳がんを対象として、talazoparib 1mg/日を24週間術前薬物として内服する単アームのphase II試験である。病理学的完全奏効(pCR)率を主要評価項目とし、pCRは浸潤がんの遺残がないものと定義された。当初112例を予定症例数としていたが、進捗が悪かったため60例に修正された。最終的に61例が解析対象となり、78.7%がBRCA1を、21.3%がBRCA2を有していた。talazoparibを80%以上内服し、手術を受けてpCRの評価が可能であった症例がevaluable populationとされ、48例(78.7%)が該当した。evaluable populationにおけるpCR率は45.8%であり、通常の術前化学療法に匹敵するpCRが得られた。90%以上が20週以上talazoparibを内服できていた。有害事象は倦怠感、悪心、脱毛、貧血、頭痛が主なものであるが、Grade3の貧血を39.3%で認めており注意が必要である。あくまでphase IIの結果が得られた段階であるが、今後はgBRCAmtにおいてはPARP阻害薬による術前薬物療法の開発が期待される。70遺伝子シグネチャで超ローリスクであった症例の予後(MINDACT試験)早期乳がんでは術後薬物療法の適応が問題となる。とくにホルモン受容体陽性HER2陰性乳がんではホルモン療法感受性の高い集団と化学療法感受性の高い集団が存在し、化学療法の適応を検討する試験が多数行われている。早期乳がんにおいてmRNAを測定し遺伝子シグネチャによる予後予測ならびに治療効果予測が研究されている。MINDACT試験もその1つであり、臨床的なリスク層別と腫瘍の70遺伝子によるgenomic riskによる層別化を実施し、臨床的あるいはgenomicのどちらかでハイリスクとなった症例を術後化学療法あり・なしにランダム化し、化学療法の上乗せを検証する臨床試験である。この発表では70遺伝子シグネチャでハイリスク、ローリスク、超ローリスクと分類された症例の予後を比較した。8.7年の観察期間中央値で、8年生存率はハイリスクで89.2%、ローリスクで94.5%、超ローリスクで97.0%であった。超ローリスクとローリスクの比較ではHR 0.65(95%CI:0.45~0.94)と、ローリスクと比較しても超ローリスクは非常に良い予後を有していた。8年乳がん特異的生存は超ローリスクで99.6%(ローリスクでは98.2%)であり、きわめて良好であった。超ローリスクであった症例の特徴として、50歳以上、リンパ節転移陰性、腫瘍径2cm以下、グレード1 or 2、ホルモン受容体陽性HER2陰性のサブタイプなどが挙げられた。16%は一切の術後治療を受けていなかった。遺伝子シグネチャで超ローリスクであった場合に臨床的リスクがどのように影響するかについても検討され、遠隔転移については2.6%程度、乳がん特異的生存には差を認めなかった。超ローリスクで術後無治療の場合の8年無遠隔転移生存は97.8%、ホルモン療法のみでも97.4%であった。文字通り、超ローリスクは非常に良好な予後を持っており、再発のリスクはきわめて低いといえる。超ローリスクでは術後ホルモン療法すら不要である可能性があり、less toxicな治療開発(というよりも治療省略)が進む領域といえよう。術前化学療法でpCRが得られなかったトリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する術後プラチナ製剤とカペシタビンの比較第III相試験(EA1101試験)近年、術前化学療法の治療効果(pCRかnon-pCRか)によって術後治療を変更するレスポンスガイド治療が広く実施されるようになっている。HER2陰性乳がんではCREATE-X試験で、non-pCRの場合にカペシタビン1,250mg/m2 2週投与1週休薬6~8コースが、無治療と比較してDFS、OSを改善し、とくにTNBCにおいて良好な傾向であったことが示されており(Masuda N, et al. N Engl J Med. 2017;376:2147-2159.)、HER2陽性においてもnon-pCRの場合に術後治療をT-DM1に変更することが、DFS、OSを改善することが示されている(von Minckwitz G, et al. N Engl J Med. 2019;380:617-628.)。本試験はTNBCで有望とされているプラチナ製剤のnon-pCRにおける有効性を検証した試験である。PAM50を用いたTNBCのサブタイピング(basalとnon-basal)も実施されている。プラチナ製剤(CBDCA AUC 6またはCDDP 75mg/m2)4サイクルと、カペシタビン1,000mg/m2 2週投与1週休薬(米国で通常使用されている用量)6サイクルに1:1に割り付けられた。当初は無治療群が設定されていたが、CREATE-Xの結果を受けて2群比較とされた。主要評価項目はiDFSで、プラチナ製剤のカペシタビンに対する非劣性が証明された場合に優越性を検証するハイブリッドデザインが(なぜか)採用された。5回目の中間解析でプラチナ製剤とカペシタビンのHRは1.09であり、非劣性が示されないと判断され、効果安全性委員会に中止が勧告され試験中止となった。中止時点で308例が登録され、78%がbasalタイプであった。主要評価項目の3年iDFSにおいて、プラチナ群の42%に対しカペシタビン群は49%(HR:1.06、95%CI:0.62~1.81)であり、プラチナ群のカペシタビン群に対する非劣性は示されなかった。basalとnon-basalの比較では3年iDFSは45.8% vs.55.5%(HR:1.71、95%CI:1.10~.67)であり、non-basal群で有意に良好であった。また、non-basal群では、よりカペシタビンで良好な傾向を認めた。無再発生存やOSは両群間での差を認めなかった。有害事象はプラチナ群で貧血や白血球減少が多く、カペシタビンで下痢や手足症候群が多かったが、Grade3以上の有害事象の頻度は低かった。プラチナ製剤はTNBCにおいてpCR率を改善するなど、有効性が期待される薬剤であっただけに、本試験の結果は残念であった。今後もnon-pCRのTNBCに対してはカペシタビンの術後薬物療法が標準である。一方この領域では術前化学療法に免疫チェックポイント阻害薬の有効性が示されるなど、さまざまな薬剤の開発が活発に進んでいる。non-pCRの術後薬物療法についてもアンメットニーズが増加している。ホルモン受容体陽性HER2陰性転移乳がんに対するパルボシクリブ+フルベストラント療法のOSアップデート(PALOMA-3)ホルモン受容体陽性HER2陰性転移乳がんでは、ホルモン療法とCDK4/6阻害薬の併用が標準治療となっている。PALOMA-3試験は術後内分泌療法、あるいは転移乳がんに対する内分泌療法中に増悪を認めた症例を対象に、パルボシクリブ+フルベストラントの優越性を検証した二重盲検化比較第III相試験である。主要評価項目のPFSで優越性を示し、すでに本邦でも承認され日常臨床で使用されている。また、OSにおいては統計学的有意差を示せなかったものの、パルボシクリブ群で良好な傾向であった(Turner NC, et al. N Engl J Med. 2018;379:1926-1936.)。今回の発表はそのOSデータのアップデートである。44.8ヵ月の観察期間中央値で、全生存期間中央値(MST)は34.9ヵ月vs.28.0ヵ月(HR:0.81、95%CI:0.64~1.03、p=0.0429)であり有意差を認めなかったが、観察期間中央値73.3ヵ月では34.8ヵ月vs.28.0ヵ月(HR:0.81、95%CI:0.65~0.99、p=0.0221)であった。5年生存率はパルボシクリブ群で23.3%に対し、プラセボ群では16.8%であった。サブグループ解析では、前治療のホルモン療法に感受性がある、化学療法を受けたことがない、内臓転移がない、閉経後、無病期間24ヵ月以上などが挙げられた。これを基に、進行乳がんに対する化学療法のあり・なしでの追加解析が実施され、化学療法歴のない症例ではパルボシクリブ群でMST 39.3ヵ月に対しプラセボ群で29.7ヵ月(HR:0.72、95%CI:0.55~0.92、p=0.008)とパルボシクリブ群で良好であったが、化学療法歴がある場合は24.6ヵ月vs. 24.3ヵ月と両群間の差を認めなかった。また、この発表ではctDNAを用いたESR1、PIK3CA、TP53の変異の有無による探索的な解析が実施された。ESR1、PIK3CA、TP53変異はそれ自体が予後因子であるが、パルボシクリブはこれらの遺伝子変異の有無にかかわらずOSを改善させる傾向を認めた。今回の結果はこれまでの報告と同様であり、パルボシクリブ+フルベストラント療法は、変わらずホルモン療法2次治療の標準治療の1つであり続けるであろう。

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第67回 がん患者にmRNAワクチン有効/米国のCOVID-19死亡例の接種状況/ワクチン開発に役立つ発見

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの効果を裏付ける2つの報告と次世代のCOVID-19ワクチン開発で参考になりそうな研究成果を紹介します。がん患者の94%がCOVID-19のmRNAワクチンに応答Pfizer/BioNTech社やModerna社のmRNAワクチン・BNT162b2やmRNA-1273が投与されたがん患者のほとんどが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への抗体を幸いにも発現しました1)。2回目の接種を済ませたがん患者123人中116人(94%)にSARS-CoV-2への抗体が認められました。ただし、先立つ6ヵ月間に抗CD20抗体リツキシマブ治療経験がある4人にはSARS-CoV-2への抗体が認められませんでした。また、骨髄腫やホジキンリンパ腫などの血液がん患者の抗体発現率は77%であり、固形がん患者の98%に比べて低めでした。血液がん患者は抗体活性も低めでした。今後の課題として、そのような不安要素がある患者へのがん治療後の3回目の接種の検討などが必要です2)。米国では今やワクチン接種済みのCOVID-19死亡例は1%に満たないAP通信社が米国疾病予防管理センター(CDC)の5月のデータを独自に調べた結果によると同国のCOVID-19死亡のほぼすべてはワクチン接種が済んでいない人でした3)。5月のおよそ11万のCOVID-19入院患者にワクチン接種が済んだ人はほとんどおらず僅か約1.1%の1,200人足らずでした。また、5月にCOVID-19で死亡した1万8,000人超にもワクチン接種が済んでいる人はほとんどおらず1%にも満たない(およそ0.8%)約150人のみでした。好中球の投網でCOVID-19を一網打尽?Pfizer/BioNTechのmRNAワクチン接種でも発現4)しうることが知られるIgA抗体は粘膜表面に豊富でウイルス病原体の防御で重要な役割を担います。IgA抗体はウイルスに直接取り付いて細胞感染を阻止することに加え、免疫細胞表面にあるFc受容体と協力して抗菌活性を促しうることが知られています。Fc受容体を介したIgA抗体のウイルス感染への作用はこれまでよく分かっていませんでしたが、PNAS誌に掲載された新たな研究の結果5)、IgA抗体-ウイルス複合体は好中球のFc受容体に結びついてクモの巣状の仕掛け・NET(好中球細胞外トラップ)を投網の如く好中球に分泌させると分かりました。好中球が破裂(NETosis)して放たれるNETはウイルスを捉えて不活性化することも確認され、その抗ウイルス機能が裏付けられました。他の免疫活性がそうであるようにNETは有益である一方で行き過ぎると害をもたらします。IgA抗体が感染前に豊富に備わっていればNETは感染防御を担うでしょう。しかし感染でIgA抗体がたくさん作られてしまうとNETは炎症を引き起こしてむしろ病状を悪化させてしまう恐れがあります6)。SARS-CoV-2やインフルエンザウイルスなどに対抗するIgA抗体をあらかじめ備えておくための次世代のワクチン開発に今回の成果は参考になるでしょう。参考1)Addeo A, et al.Cancer Cell. 2021 Jun 18:S1535-6108,00330-5.2)94% of patients with cancer respond well to COVID-19 vaccines / Eurekalert3)Nearly all COVID deaths in US are now among unvaccinated / AP4)Turner JS, et al.Nature. 2021 Jun 28. [Epub ahead of print]5)Stacey HD, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2021 Jul 6;118.6)Researchers discover unique 'spider web' mechanism that traps, kills viruses / Eurekalert

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日本のトラック運転手の不眠症に関連する因子

 トラック運転手の不眠症は、交通事故リスクの増加につながる重大な問題である。秋田大学の宮地 貴士氏らは、日本のトラック運転手における不眠症の有病率を調査し、不眠症に関連する因子を特定するため、検討を行った。Nature and Science of Sleep誌2021年5月18日号の報告。 対象は、65歳未満の男性トラック運転手2,927人。自己記入式質問票を用いて、不眠症状、状態-特性不安尺度(State-Trait Anxiety Inventory:STAI)、飲酒・喫煙習慣、BMI、カフェイン摂取量、毎日の運転時間、連続して自宅から離れた日数、走行距離に関する情報を収集した。不眠症状には、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒を含め、これらいずれかの症状が毎日観察された場合を不眠症と定義した。 主な結果は以下のとおり。・不眠症有病率は、13.3%(356例)であった。不眠症のタイプ別の割合は、中途覚醒が最も多く78%、次いで早朝覚醒26.4%、入眠障害13.5%であった。・共変量で調整した後、不眠症と有意かつ直線的な関連が認められた因子は、飲酒習慣、毎日の運転時間、STAIスコアであった。 【飲酒習慣】非飲酒者と比較した調整オッズ比(aOR):1.74、95%信頼区間(CI):1.23~2.47、trend p<0.001 【毎日の運転時間】1日8時間未満と比較した12時間以上のaOR:1.87、95%CI:1.00~3.49、trend p<0.001 【STAIスコア】最低四分位と比較した最高四分位のaOR:5.30、95%CI:3.66~7.67、trend p<0.001 著者らは「日本のトラック運転手では、不眠症が蔓延している。そのリスク因子として、飲酒習慣、毎日の運転時間、不安症状が関連していることが示唆された」としている。

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新型コロナ家庭内感染におけるワクチンの効果/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの接種は、家庭内感染を減少させるのだろうか。英国の全国データを分析した結果、検査陽性となる21日以上前にワクチンを接種していた感染者では未接種の感染者に比べ、家庭内感染のオッズ比が0.52~0.54と低かった。また、14日以上前に接種していた場合に家庭内感染の予防効果が認められた。英国・Public Health EnglandのRoss J. Harris氏らが、NEJM誌オンライン版2021年6月23日号のCORRESPONDENCEに報告した。 本調査では、Household Transmission Evaluation Dataset(HOSTED)のデータを用いた。HOSTEDは、英国において検査で確認されたすべてのCovid-19症例に関する情報があり、住所が同じ人々のデータがリンクされている。これらのデータを、英国でのすべてのCovid-19ワクチン接種に関する個人レベルのデータにリンクさせた。 SARS-CoV-2検査陽性となる21日以上前にアストラゼネカ製ワクチン(ChAdOx1nCoV-19)またはファイザー製ワクチン(BNT162b2)を少なくとも1回受けたSARS-CoV-2感染者からワクチン未接種の家庭内接触者への2次感染(発端患者の検査陽性後2〜14日に検査陽性と定義)のリスクについて、ワクチン未接種の感染者からワクチン未接種の家庭内接触者への2次感染リスクと比較した。Covid-19の発端患者の年齢と性別、家庭内の接触、地域、発端感染の暦週、剥奪指標(社会経済および他の因子の複合スコア)、世帯の種類や規模を調整し、ロジスティック回帰モデルを実施した。 主な結果は以下のとおり。・2021年1月4日~2月28日における、ワクチン未接種だった発端患者の家庭内接触者は96万765人のうち、9万6,898人(10.1%)が家庭内で2次感染した。・ワクチン未接種だった発端患者の家庭内を基準とした、検査陽性の21日以上前にワクチン接種を受けた発端患者の家庭内での2次感染の調整オッズ比(95%信頼区間)は、接種ワクチンがアストラゼネカ製の場合で0.52(0.43~0.62)、ファイザー製ワクチンの場合で0.54(0.47~0.62)だった。・今回のデータセットにおいて、ワクチン接種を受けた発端患者の93%が、接種が1回のみだった。・発端患者のワクチン接種時期による家庭内接触者間の感染リスクの評価では、ワクチン接種が検査陽性の14日以上前だった場合に感染予防効果が示された。

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無症状直腸クラミジア、ドキシサイクリン vs.アジスロマイシン/NEJM

 男性間性交渉者における無症状の直腸クラミジア感染症の治療では、ドキシサイクリンの7日間投与はアジスロマイシンの単回投与と比較して、微生物学的治癒の達成割合が高く、有害事象の発現頻度は低いことが、オーストラリア・メルボルン大学のAndrew Lau氏らの検討で示された。研究の成果はNEJM誌2021年6月24日号で報告された。オーストラリア5施設の無作為化対照比較試験  本研究は、オーストラリア3州の5つのsexual healthクリニックが参加した二重盲検無作為化対照比較試験であり、2016年8月~2019年8月の期間に実施された(オーストラリア国立保健医療研究評議会[NHMRC]の助成による)。 対象は、年齢16歳以上、過去12ヵ月以内に男性との性交渉歴があり、核酸増幅検査(NAAT)で直腸クラミジアが確認された男性であった。直腸クラミジア感染症の男性の85%以上が無症状であり、オーストラリアの診療ガイドラインは有症状の感染症にはより長期の治療を推奨しているため、本試験の対象は無症状の直腸クラミジアの男性に限定された。 被験者は、ドキシサイクリン(100mg、1日2回、7日間)を投与する群またはアジスロマイシン(1g、単回)を投与する群に無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、4週の時点におけるNAATで直腸クラミジア陰性(微生物学的治癒)とされた。微生物学的治癒:96.9% vs.76.4%、下痢が少ない 625例が登録され、ドキシサイクリン群に314例、アジスロマイシン群に311例が割り付けられた。全体の平均年齢は32.4歳であった。主要アウトカムのデータは、ドキシサイクリン群が290例(92.4%)、アジスロマイシン群は297例(95.5%)で得られた。 修正intention-to-treat集団における微生物学的治癒は、ドキシサイクリン群が290例中281例(96.9%、95%信頼区間[CI]:94.9~98.9)、アジスロマイシン群は297例中227例(76.4%、73.8~79.1)で達成され、補正後リスク差は19.9ポイントであった(14.6~25.3、p<0.001)。 有害事象(悪心、下痢、嘔吐)は、ドキシサイクリン群が98例(33.8%)、アジスロマイシン群は134例(45.1%)で報告された(リスク差:-11.3ポイント、95%CI:-19.5~-3.2、p=0.006)。このうち嘔吐(1.0% vs.1.0%)と悪心(21.7% vs.20.5%)の頻度は両群で同程度であったが、下痢(25.5% vs.39.7%、リスク差:-14.2ポイント、95%CI:-20.7~-7.8、p<0.001)がドキシサイクリン群で少なかった。 著者は、「この結果は、2015年に発表された8つの観察研究のメタ解析(微生物学的治癒率:ドキシサイクリン群99.6% vs.アジスロマイシン群82.9%)と一致していた」としている。

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第61回 医療従事者は新型コロナワクチン接種を義務とすべきか/忽那賢志

<先週の動き>1.医療従事者は新型コロナワクチン接種を義務とすべきか/忽那賢志2.64歳未満の接種目前もワクチン供給にブレーキ、今後の見通しは?3.オンライン初診の恒久化、今秋にも指針改定/厚労省4.全医療機関で勤務医の労働時間の実態調査へ/働き方改革5.費用対効果見合わず、後発品体制加算廃止を求める/財務省6.重点医療機関でクラスター、非接種の看護師12人が感染/沖縄1.医療従事者は新型コロナワクチン接種を義務とすべきか/忽那賢志感染症専門医・忽那 賢志氏がYahoo!ニュースに寄稿した内容が話題となっている。わが国においての新型コロナワクチン接種は、あくまでも希望制として進められているが、「医療従事者であってもワクチンを接種しない権利は守られるべきか、医療従事者は原則としてワクチンを接種すべきか」は、簡単に答えが出せない問題である。忽那氏は、国内におけるワクチン接種をしなかった医療従事者を含む医療機関でのクラスター発生事例を紹介し、「個人の『接種しない権利』は守られるべき」としながらも、「しかし医療従事者の場合は、ワクチン接種をしないことが直接患者さんへの被害につながることがあり、一般の方とは少し分けて考えるべきなのではないかと思います」と意見を綴った。同氏は、自身のTwitterアカウントで「こういう意見もあるよという程度のものですので議論のきっかけになれば幸いです」とコメントしている。(参考)医療従事者は新型コロナワクチン接種を義務とすべきか(Yahoo!ニュース)忽那賢志氏 Twitter(@kutsunasatoshi)2.64歳未満の接種目前もワクチン供給にブレーキ、今後の見通しは?河野規制改革担当相は、各自治体への新型コロナウイルスワクチン供給が、7月下旬以降、希望している量の3分の1程度になるとの見通しを明らかにした。これは、6月末までに1億回分が供給されたファイザー製ワクチンの供給量が今後減少するため。ワクチンの供給不足を理由に、新規予約を停止する自治体もあり、その影響で予約患者のキャンセル手続きに入った医療機関も出ている。当初伸び悩んでいたワクチン接種件数だが、「オリンピック開催の7月までに65歳以上の接種を完了させる」という目標達成のため、1日100万件接種の実施を推進してきた。各自治体は、国からの供給量が減少する中、接種計画の見直しを迫られる。(参考)ブレーキかかるワクチン接種 募る不満「政府も手探り」(朝日新聞)ワクチン供給に不安が94% 都道府県庁市区、共同通信調査(共同通信)ワクチン供給 “減少の見通し” 自治体の接種に影響も(NHK)3.オンライン初診の恒久化、今秋にも指針改定/厚労省25日、「経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太の方針)」と「規制改革実施計画」が閣議決定された。規制改革実施計画には、「デジタル時代に向けた規制の見直し」としてオンライン診療・服薬指導の特例措置の恒久化が含まれており、今秋までに対象となる症状などを定める見込み。なお、オンライン診療での初診はかかりつけ医を原則としているが、カルテで患者状態が把握できる場合や、事前に基礎疾患などを確認して、オンライン診療が可能と医師と患者が判断した場合は、初診からのオンライン診療を認める方針。(参考)初診からオンライン診療 恒久化へ秋にも指針改定 厚労省(NHK)オンライン初診、秋にも対象症状を線引き 厚労省(日経新聞)資料 令和3年「規制改革実施計画」(内閣府)4.全医療機関で勤務医の労働時間の実態調査へ/働き方改革厚労省は、1日に開催された「医師の働き方改革の推進に関する検討会」で、医療機関における医師労働時間短縮計画の作成ガイドライン案を修正し、2023年度末までは努力目標とすることを発表した。今年2月に成立した改正医療法により、2024年4月から診療に従事する勤務医に対して時間外労働の上限規制が適用される。このため、2021年からすべての医療機関に対して、医師の労働時間の調査を行い、各都道府県に設けられた医療機関勤務環境評価センターへの報告が求められる。また、現状で時間外労働が960時間を超える医師がいる病院で、2024年以降も特例のB・C水準の取得を希望する場合は、医師労働時間短縮の作成と医療機関勤務環境評価センターによる評価の受審が必須となる。(参考)23年度末までの医師時短計画は努力義務に 厚労省、作成ガイドライン案修正(CBnewsマネジメント)医師の労働時間把握へ、全病院に調査 21年度、厚労省(同)医師時短計画作成は努力義務だが「B水準等指定の前提」な点に変化なし、急ぎの作成・提出を―医師働き方改革推進検討会(1)(GemMed)第12回医師の働き方改革の推進に関する検討会 資料(厚労省)5.費用対効果見合わず、後発品体制加算廃止を求める/財務省財務省は29日に、国の事業に無駄がないか調べる予算執行調査について公表した。これまで、後発医薬品については、保険薬局を対象に「後発医薬品調剤体制加算」を設けて使用促進を図っており、2023年度末までに後発品の使用割合を、すべての都道府県で80%以上とする目標を設定している。現状では、保険薬局の7割超が加算を取得し、減算制度の適用はわずか0.3%。残りの薬局が目標を達成すると200億円の抑制効果がある一方、加算は年1,200億円に上るため、費用対効果が極めて薄いと財務省は主張している。来年の予算編成に向け、厚労省に見直しを求める。(参考)後発薬の診療報酬加算、廃止求める 財務省が調査(日経新聞)後発医薬品調剤体制加算、廃止を含めた見直し要請 財務省・調査「費用対効果も見合っていない」(CBnewsマネジメント)資料 令和3年度 予算執行調査の調査結果の概要(6月公表分)(財務省)6.重点医療機関でクラスター、非接種の看護師12人が感染/沖縄沖縄県は30日に、重点医療機関である沖縄県立中部病院において新型コロナウイルスのクラスターが発生したことを発表した。クラスターは5月24日~6月17日にかけて発生。7月1日時点で患者36人(うち死亡は17人)と職員15人の計51人の感染が報告された。このうち、ワクチン接種を希望しなかった看護師12人が感染したことが明らかになった。同院では6月17日を最後に新たな感染者は確認されていない。(参考)ワクチン非接種の看護師12人が感染 沖縄の県立病院(産経新聞)沖縄県立中部病院でクラスター 患者ら50人感染(毎日新聞)

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患者さん向け耳鳴診療Q&A

専門家が心を込めて解説。あなたの耳鳴りの悩みを解消します!耳鳴り診療のエキスパートたちによる患者さん向けの解説書が誕生しました。耳鳴り患者さんの抱く疑問などを、80のQ&Aにまとめました。耳鳴りのしくみ、検査・診断・治療、生活上の注意など、患者さんが持つあらゆる悩みに向き合います。効果の期待できる治療方法など、エビデンス(効果を示す証拠)をもとに丁寧に解説します。あなたの耳鳴りの悩みを解消するために、多くの専門家が力と知恵を寄せ合った渾身の1冊です。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    患者さん向け耳鳴診療Q&A定価2,200円(税込)判型B5判頁数180頁発行2021年5月編集日本聴覚医学会電子版でご購入の場合はこちら

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事例029 ベシケアOD錠の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説神経因性膀胱にて当診療所に通院する患者に、抗コリン剤のベシケアOD錠(一般名:コハク酸ソリフェナシン)を処方したところ、主に病名不足を理由とされるA事由(医学的に適応と認められないもの)にて査定となりました。査定理由を調べるためにカルテを参照したところ、神経因性膀胱に伴う頻尿に対し、初診翌月に薬剤の処方変更を実施されたことが記載されていました。抗コリン剤は「神経因性膀胱に伴う頻尿に適応があるはず」と添付文書を確認してみました。効能または効果には「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁」と記載されています。しかし、「神経因性膀胱」の文字はありませんでした。神経因性膀胱に伴う症状としての過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁に対して適用となることが読み取れます。したがって、神経因性膀胱のみでは、薬剤投与の説明に不十分と判断されてA事由にて査定となったことが推測できます。この診療所では、過去に「余分な病名を付けてレセプト請求はしない」との指導があったために、「神経因性膀胱」のみの病名でレセプト提出をしていました。症状を補記して再審査をしましたが原審通りとなりました。限定された症状に対する薬剤を投与する場合には、添付文書に記載された適応となる症状が説明できる病名や症状詳記が必要とされたようです。医療安全を考え、医師に対しては、投薬後のチェックではなく同剤処方時に留意されるようにご理解をいただき、処方時に適用とされる症状にそった病名が入力されていない場合にはアラートが表示されるように薬剤処方システムに登録し、レセプトチェックシステムにも同様の注意が表示されるように改修して査定対策としました。

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誕生日会のCOVID-19リスクは?

 COVID-19の蔓延阻止のための政策の多くは、職場や食事の場などの集いに対応しているが、身内の集いが感染の場として重要かもしれない。米国・ランド研究所のChristopher M. Whaley氏らは、家族の誕生日後にCOVID-19が増加するかどうか調査することにより、パーティーと新型コロナウイルス感染との関連を調べた。その結果、COVID-19有病率の高い郡(county)の世帯において、誕生日がCOVID-19診断の増加と関連していることが示唆された。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2021年6月21日号に掲載。 本研究は、米国で民間保険に入っている290万世帯について、2020年1月1日~11月8日の全国的データを使用した横断的研究で、過去2週間に誕生日があった世帯とない世帯の新型コロナウイルス感染を比較した。その週における郡レベルのCOVID-19有病率によって層別化し、世帯の大きさ、週および郡による違いを調整した。本研究では、誕生日に関連した世帯レベルの感染率が、誕生日の種類(例:子供の誕生日/大人の誕生日、50歳の誕生日などの節目の誕生日)、毎週土曜日の郡レベルの降水量(パーティーを屋内にする可能性を考慮)、郡における政治的傾向、州における自宅待機の方針でどう異なるかについても比較した。 主な結果は以下のとおり。・研究対象の290万世帯のうち、COVID-19有病率が最も高い十分位数だった群において、過去2週間以内に誕生日があった世帯はなかった世帯に比べ、COVID-19診断が1万人当たり8.6人(95%CI:6.6~10.7)多く、郡レベルの有病率(1万人当たり27.8人)に対して31%増加していた。一方、COVID-19有病率が第5十分位数だった群では、誕生日があった世帯はなかった世帯に比べ、COVID-19診断が1万人当たり0.9人(95%CI:0.6~1.3)多かった(相互作用のp<0.001)。・COVID-19有病率が最も高い十分位数の世帯におけるCOVID-19の診断の増加は、子供の誕生日の後では1万人当たり15.8人(95%CI:11.7〜19.9)だったのに対し、大人の誕生日の後は1万人当たり5.8人(95%CI:3.7~7.9)だった(相互作用のp<0.001)。・節目の誕生日、郡の政治的傾向、降水量、自宅待機の方針による違いは認められなかった。

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東洋人のうつ病関連因子~日本での調査

 地域コミュニティにおけるうつ病に対する効果的な対策を検討するうえで、国や文化圏において、うつ病に関連する個人的および社会経済的要因を包括的に特定する必要がある。しかし、日本および東洋諸国の中年住民を対象とした研究は、十分ではない。慶應義塾大学の吹田 晋氏らは、東洋の日本における中年住民のうつ病に関連する要因を特定するため、横断研究を行った。Medicine誌2021年5月14日号の報告。 西日本の地方自治体で生活する40~59歳のすべての地域住民を対象に、アンケート調査を実施した。アンケートには、人口統計学的特徴、心理的要因、健康関連行動、社会経済的要因に関する項目を含めた。まず、うつ病と各因子との関連を分析するため、カイ二乗検定またはフィッシャーの正確確率検定を行った。次に、うつ病と関連因子の包括的な関連を特定するため、ロジスティック回帰分析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・分析対象者数は362人であった(平均年齢:51.5歳、男性:148人)。・カイ二乗検定またはフィッシャーの正確確率検定では、多くの心理的要因、健康関連行動、社会経済的要因がうつ病と有意に関連していることが示唆された。・ロジスティック回帰分析により、うつ病と有意な関連が認められた因子は以下のとおりであった。 ●男性 ●首尾一貫感覚(sense of coherence)の低さ ●認知ストレスレベルの高さ ●援助要請行動(help-seeking behavior)の少なさ ●睡眠の質の悪さ ●趣味の欠如・Nagelkerke R2は、51%であった。 著者らは「多変量解析により、日本における中年期のうつ病は、主に個人の行動的および心理的要因と関連していることが明らかとなった。この結果は、西洋諸国での調査結果と一致している」とし「本結果は、個人の行動的および心理的要因に焦点を当てた東洋文化におけるうつ病予防対策の促進や評価に貢献できるであろう」としている。

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