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リフィル処方箋のルールは?どんな患者に適している?【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第85回

2022年4月からの報酬改定が間近に迫ってきました。皆さんの薬局でも対応に追われているのではないでしょうか。今回は賛否両論が巻き起こっているリフィル処方箋について詳しく見ていきましょう。リフィル処方箋は、症状が安定している患者さんに対して、医師および薬剤師の適切な連携のもと、一定期間内は処方箋を反復利用できるというものです。議論自体は10年以上前からなされてきましたが、今回の改定でいよいよ導入が決まりました。一見紛らわしい制度に、2016年度から始まった分割調剤があります。これは医師が指定した日数・量の範囲内の薬剤を分割して患者さんに渡す制度ですので、繰り返し使用できるリフィル処方箋とはまったく異なります。そして、残念ながら分割調剤は浸透しませんでした…。このリフィル処方箋は患者さんの通院負担の軽減になり、またその普及度合いは医師がどのくらい薬局を信頼しているのかということに比例すると思っていますので、ぜひ普及してほしいです。リフィル処方箋のルールは以下のように定められました。(1)処方箋の使用回数の上限は3回。(2)29日以内/回のリフィル処方を行えば、現行ルールにある30日以上の投薬による処方箋料の減算を受けない。(3)リフィル処方箋による調剤は同一の薬局で行うべきである旨を薬剤師が患者に説明する。(4)薬剤師は患者の服薬状況などの確認を行い、リフィル処方箋による調剤が不適切と判断した場合は受診勧奨を行い、処方医に速やかに情報提供を行う。(5)リフィル処方箋により調剤した場合、薬剤師が調剤した内容や患者の服薬状況などについて必要に応じて処方医に情報提供を行う。(2)のとおり、長期処方に対する減算からは除外されており、処方医側のデメリットを減らして普及を促す工夫がなされています。そして、(5)にあるように、リフィル処方でとくに問題がなかった場合は、原則として医師に情報提供する必要はありません。しかし、医師もせっかく患者さんと薬剤師を信用してリフィル処方箋を発行しているわけですので、リフィル処方後の患者さんの状態や問題がなかったことなどを積極的に報告することで、医師の不安も軽減されてリフィル処方箋の普及につながっていくのではないでしょうか。どのような方にリフィル処方箋が適するかについては、症状が安定している患者さんであることは言うまでもありませんが、すでに長期処方を受けている患者さんではメリットは少ないでしょう。それほど長期処方ではない患者さんに対して、「まずは体調に問題がないかリフィル処方箋で確認」となるのかもしれません。しばらくは医師もどのような場合にリフィル処方箋が適するのかを探りながらの導入になることが予想されます。処方医とコミュニケーションを取って、医師の不安や患者さんの不利益がないようにフォローアップできたらなと思います。前回と今回の改定内容を見る限り、今後も「薬局は地域に貢献すべし。調剤後のフォローを行う役割を負う」という流れは変わらないと確信しています。先のことを言い過ぎて鬼が笑いそうですが、次の2024年は診療報酬・介護報酬の同時改定です。同時改定の際は大幅な変更があると言われています。どのような状況でリフィル処方が行われ、薬剤師がどのような対応を取ったのか、そして患者さんにどのような変化があったのかが次回の議論の的になるのではないかと思います。

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ロタウイルスワクチン【今、知っておきたいワクチンの話】各論 第12回

ワクチンで予防できる疾患ロタウイルスは、乳幼児の急性胃腸炎を引き起こす代表的な病原体である。発熱と嘔吐から症状が始まり、水様性下痢を伴うようになる。ほとんどの場合は1週間程度で自然軽快するが、激しい嘔吐や下痢のために脱水症を起こし、点滴治療や入院が必要になる場合もある。5歳未満の急性胃腸炎の入院患者のうち、40〜50%はロタウイルスが原因である。また、脱水症の他にも、けいれん、腎不全、脳症などを起こすことがあり、5歳未満児の急性脳症の起因病原体としては、インフルエンザウイルス、ヒトヘルペスウイルス-6に次いで3番目に多い1)。ロタウイルスは糞口(経口)感染により拡大するが、非常に感染力が強く、衛生状態に関係なく5歳までにほとんどすべての乳幼児が感染すると言われている。重症例は初感染時に起こりやすく、繰り返し感染することで徐々に軽症化するため、年長児以降では不顕性感染になることも多い。わが国でのロタウイルス胃腸炎は冬から春に多く報告されているが、新型コロナウイルス感染症の流行が始まった2020年以降はロタウイルスによる感染性胃腸炎の患者報告数は激減している(図)。図 定点あたり報告数画像を拡大する国立感染症研究所. 感染症発生動向調査2022年第3週より抜粋ロタウイルス感染症には抗ウイルス薬などの特異的な治療方法はなく、対症療法が中心となる。また、感染力が非常に強いため、適切な感染対策を行っても完全に予防することが困難である。そのため、乳児へのワクチン接種によるロタウイルス感染予防および重症化予防が重要となる。ロタウイルスワクチンの概要わが国では、1価ロタウイルスワクチン(商品名:ロタリックス)および5価ロタウイルスワクチン(同:ロタテック)の2種類の経口生ワクチンが認可されている(表)。表 ロタウイルスワクチン接種スケジュール画像を拡大するカバーする血清型は異なるが、1価ワクチンは交差免疫により他の血清型にも効果を発揮するため、同等の有効性が認められている2)。ロタウイルスワクチンは、前述のようにロタウイルス胃腸炎が2回目以降は軽症化するという性質を応用したものであり、その効果は、胃腸炎感染予防74~87%、重症化予防85~98%と非常に高い3)。効果の持続期間も生後2~3年まで確認されている。また、国内においてもワクチン接種による5歳未満児の入院率減少の効果が報告されている4)。ワクチン接種後に易刺激性、下痢、嘔吐などの副反応が国内で報告されているが、いずれも数日以内に回復し、重篤なものはまれである。頻度は非常に低いが(2~10万人に1人3))、初回接種後に腸重積を起こすことがある。第一世代のロタウイルスワクチン(同:RotaShield)が導入された際に、腸重積発症頻度の増加が確認されたため販売中止となった。現在使用されているワクチンは、腸重積発症リスクがRotaShieldの1/5~1/10と低くワクチン接種のメリットがリスクをはるかに上回る4)が、注意深く観察する必要がある。接種のスケジュールロタウイルスワクチンの接種スケジュールを表に示す。1価ロタウイルスワクチンと5価ロタウイルスワクチンでは接種回数が異なるため注意が必要である。原則として同じ種類のワクチンでスケジュールを完遂することが望ましい。しかし、転居後にいずれか一方のワクチンしか実施されていないなどの理由により、原則によることができないやむを得ない事情があると当該市町村長が認めた場合には、他方のワクチンにて接種することが可能である(具体的な接種方法については定期接種実施要領を参照5))。また、月齢3ヵ月以降に腸重積の発症率が増加するため、ワクチンの初回接種はできるだけ早い時期に実施することが必要である。出生15週0日以降の初回接種については安全性が確立されていないため、出生14週6日までに初回接種を完了させることが望ましい。日常診療で役立つ接種ポイントロタウイルスワクチンは経口生ワクチンであり、接種後1週間程度は便中にウイルスが排出されるため、おむつ交換時の手洗いなどの感染対策について説明しておくと良い。また、接種後の吐き出しを避けるために、接種前後は授乳を控えるように説明する。少量でも飲み込んでいれば一定の効果があり、ロタウイルスワクチンは複数回接種することから、万が一吐き出した場合でも1回投与と考え、追加の投与は必要ない5)。ロタリックスについては添付文書上、任意接種としての再投与が可能となっているが推奨はされていない。重篤な副反応として腸重積の可能性についても事前に保護者などに説明しておく必要がある。接種後1週間以内に、激しく泣く、機嫌が良かったり悪かったりを繰り返す、嘔吐を繰り返す、血便が出るなどの症状があった場合には、必ず医療機関を受診するように伝えておく。今後の課題・展望ロタウイルスワクチンは非常に効果の高いワクチンであるが、わが国では長年任意接種のために接種率が上がらなかった。ようやく2020年10月より定期接種化され、今後のロタウイルス胃腸炎および合併症の減少が期待されるところである。参考となるサイトこどもとおとなのワクチンサイト予防接種Q&A1)国立感染症研究所. IASR. 2019;40:209-210.2)Jonesteller CL, et al. Clin Infect Dis. 2017;65:840-850.3)CDC. The Pink Book. Chapter19:Rotavirus. 4)国立感染症研究所. 日本におけるロタウイルスワクチンの効果. 2019;40:212-213.5)厚生労働省. 定期接種実施要領.講師紹介

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円錐角膜〔keratoconus〕

1 疾患概要■ 定義円錐角膜は、進行性の両眼角膜中央部もしくは下方の菲薄化と突出を来す疾患であり、近視化と不正乱視による視力低下を来す。■ 疫学円錐角膜の発症頻度は、450〜2,000人に1人とされてきた。しかし、診断技術の進歩により、軽症の円錐角膜の検出頻度が上がっている。屈折矯正外来を訪れる患者のうち円錐角膜または円錐角膜疑い患者は5%前後にみられる。また、難波らの調査からは、疑い例も含めると日本人の約100人に1人程度の有病率であるという結果が報告されていることから、軽症例も含めると従来考えられているよりも罹患人口が多い可能性が高い。性差については報告により異なるが、わが国では男性に多いという報告が多数ある。■ 病因明らかな病因はいまだに不明である。数多くの遺伝子変異が報告されているが、実際に遺伝的素因が明らかな例はあまり多くない。ダウン症候群やレーバー先天盲、エーラス・ダンロス症候群、マルファン症候群などでは円錐角膜の発症率が高いことが知られている。その他リスクファクターとしては、アトピーなどのアレルギー眼疾患、頻繁に目をこする、などが挙げられる。■ 症状軽度の症例では自覚症状はほとんどない場合もあるが、中等度以上になると近視性乱視と不正乱視が出現する。そのために眼鏡矯正視力が不良になりハードコンタクトレンズによる矯正が必要になる。ほとんどの場合両眼性に生じるが、程度に左右差があることも多い。■ 分類角膜の突出部位別の分類としては、以下のものがある。Nipple角膜中央の狭い範囲(5ミリ以下)に突出がみられるもの。Oval     突出部位が中央やや下方にみられるもの。最も頻度が高い。Globus突出部位が角膜の4分の3の範囲に及ぶもの。また、重症度分類としては、Amsler分類(表)が古くから用いられているが、測定機器の進歩によって、細隙灯顕微鏡で検出できない初期の変化が捉えられるようになってきたために、見直す必要がある。表 Amsler-Krumeich分類画像を拡大する■ 予後円錐角膜の多くは思春期から青年期にかけて発症し、その後加齢とともに進行するが、中年以降になると進行速度が緩やかになってやがて停止する。しかしながら、進行の有無やスピードには個人差が大きく、近年の報告によれば30歳以降でも進行する症例もみられることが明らかになっている。経過中に、デスメ膜破裂を来す場合がある。局所的な実質の浮腫と、それに伴う急速な視力低下と軽度の眼痛を認める(急性水腫:図1)。浮腫は自然に軽快するが、実質瘢痕を残すと視力が回復せずに角膜移植が必要となることもあるので、急性水腫を来さないような治療方針を建てることが重要となる。図1 急性水腫の前眼部所見急激に発症する角膜中央部の浮腫で、スリットランプでしばしば実質の裂隙とデスメ膜の断裂を認める。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)円錐角膜の診断には、正確な視力検査、自覚的屈折検査と角膜形状解析検査を行う必要がある。細隙顕微鏡での異常所見としては、角膜中央〜Vogt’s striae(角膜実質の線状の皺壁:図2)、Fleisher ring(突出部の周辺に認められるリング状のヘモジデリン沈着)、上皮化の瘢痕などが挙げられ、主として中等症以上で初めて認められる。図2 Vogt’s striae突出部に生じる細かい実質の皺壁。初期の円錐角膜の診断には、角膜トポグラフィー(形状解析検査)が有用であり、角膜中央から下方の前方突出が特徴的である(図3)。図3 典型的な円錐角膜の角膜トポグラフィー像下方角膜曲率の急峻化を認める。近年では、多くの機器で円錐角膜のスクリーニングプログラムが搭載されている。より初期の診断には、角膜前面だけではなく後面も評価でき、角膜厚の分布も検出できる角膜トモグラフィー(断層撮影)の感度が高い。さらに、角膜形状でなく生体力学的特性を調べる検査の有用性も報告されている。鑑別疾患としては、円錐角膜よりも周辺部角膜の菲薄化と突出を来たすペルーシド角膜辺縁変性が挙げられる。円錐角膜よりも発症が遅く進行が停止するまでの期間も長い。その他、レーシックなどの角膜屈折矯正手術後の角膜拡張症(エクタジア)も円錐角膜と同様の所見を呈する。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)円錐角膜の治療は、視力矯正と進行予防の2つの目的があり、前者はさらに保存的治療と外科的治療に分かれる。■ 視力矯正1)保存的治療軽度の場合は眼鏡やソフトコンタクトレンズも用いられるが、一般的には酸素透過性ハードコンタクトレンズによる矯正が中心となる。角膜突出の程度が強くなると、多段階のベースカーブを有する円錐角膜用のハードコンタクトレンズが必要となる場合もある。ハードコンタクトレンズに伴う異物感が強い場合は、ソフトコンタクトレンズの上にハードコンタクトレンズを乗せる“piggy-back”とよばれる装用法や、中心部がハードレンズで周辺部がソフトレンズのハイブリッドレンズ、あるいは強膜レンズが用いられることもある。2)外科的治療軽度の非進行例については、有水晶体眼内レンズによる近視・乱視の矯正も試みられている。近年、角膜実質の混濁をともなわない例については、角膜実質にPMMA製のリングを入れる「角膜内リング」も一部で行われるようになった(国内未承認)。これによって角膜形状の改善とハードコンタクトレンズ装用感の向上が得られる場合がある。保存的治療で充分な視力矯正が得られない場合、角膜移植が1つの選択となりうる。かつては角膜全層を移植する「全層角膜移植」が広く行われたが、術後合併症への対策が欠かせないという欠点があり、それを補うために角膜実質をデスメ膜の直上まで切除して移植する「深層層状角膜移植」が行われているが、手術手技が難しいという欠点を持つ。■ 進行抑制約20年前から、「角膜クロスリンキング」という円錐角膜の進行抑制を目的とした治療が、諸外国で広く行われるようになった(国内未承認)。角膜実質内にリボフラビン(ビタミンB12)を浸透させた後に、紫外線を照射することで角膜実質のコラーゲン線維の架橋を促して強度を向上させる。これまでの研究で、円錐角膜の進行抑制が大半の例で得られ、若干の形状改善効果もあることが報告されている。進行抑制が得られれば、角膜移植などの外科的治療を受けずに済む可能性が高く、患者の生活の質の向上に役立つ。4 今後の展望上に挙げた治療法のいくつかは保険未収載であったり、機器の承認が取れていないため、治療は多くの場合が自費診療として行われる。特に角膜クロスリンキングは、疾患の進行抑制を効率で得られるために患者のQOLを長期にわたって改善できることが海外で報告されており、わが国でも早急に実施体制が整うことが求められる。また、多くの円錐角膜患者にとってハードコンタクトレンズは生活に欠かせないが、市町村によってはその購入に対する補助がなされないなど、患者負担が大きいことが問題となっている。5 主たる診療科眼科。しかし多くの例では、眼鏡店やコンタクトレンズ販売店、あるいは屈折矯正手術施行施設を訪れることも多く、これらの施設で適切に円錐角膜の診断をつけることが重要である。※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報円錐角膜研究会(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)National Keratoconus Foundation(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Amsler M. Ophtalmologica. 1946;111:96–101.公開履歴初回2023年3月8日

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英語で「吐き戻す」は?【1分★医療英語】第18回

第18回 英語で「吐き戻す」は?I am worried about my daughter because she spit up milk a lot yesterday.(娘が昨日何度もミルクを吐き戻したので心配です)Okay, what is her baseline?(なるほど、通常はどの程度[吐き戻すの]ですか?)《例文》医師Helping her burp during and after feeding will prevent from spitting up.(授乳中や授乳後にげっぷをさせてあげると、吐き戻しを防げますよ)患者Oh, that is good to know!(そうなのですね、良いことを伺いました!)《解説》今回は小児医療でよく使われる「吐き戻す」という表現をお伝えします。AAP(米国小児科学会)のサイトでは、“vomiting”は胃の内容物が口から体外に強制的に吐き戻されること、“spitting up”は強制的な筋収縮は関与せず、しばしばげっぷに伴い胃の内容物が口から出てくること、と説明されています。母乳や人工乳を飲んだ赤ちゃんが、食後にミルクを口から吐き出してしまうことがあるのですが、これがまさに“spitting up”(吐き戻す)に当たります。大人が悪心を伴って嘔吐するときのニュアンスとは大きく異なります。“spit”を単体で使う際には、「唾を吐く」もしくは「口に入れたものを飲み込まずに出す」という意味合いとなり、こちらもまた上記とはニュアンスが異なります。小児領域で言えば、子供が食べようとしたものが口に合わず、すぐに「ぺっ」と外に出すような状況です。米国で小児医療に携わっていると、赤ちゃんの“spit up”を心配して救急やクリニックを訪れる家族が非常に多く、たびたび耳にする言葉です。英語圏の方は“spit up”“vomit”“spit”といった表現を自然に使い分けていますので、ニュアンスの違いを理解して、患者の年齢や症状に応じて使い分けてみてください。講師紹介

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第102回 ファイザーCOVID-19ワクチンの5~11歳での感染予防効果、相次ぐ報告

小学生(5~11歳)ごろを含む小児の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの感染予防効果はかなり低いようで、オミクロン株優勢の昨今においては追加接種の出番が必要なようです。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株出現後の米国ニューヨーク州のデータを調べた査読前のmedrxiv掲載報告によると、5~11歳小児へのPfizer/BioNTechワクチンBNT162b2接種の感染(COVID-19)予防効果は接種が済んでから僅か1ヵ月ばかりで激減していました1,2)。先週末4日にMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)に発表された米国疾病管理センター(CDC)主催VISION Network試験の査読済み(reviewed)結果報告3)でもニューヨーク州データほどではないもののその年齢層の小児へのBNT162b2の効果の衰えは比較的早いらしいことが示唆されています。試験では救急や急診(emergency department and urgent care)を要した小児のCOVID-19とワクチン接種歴が検討され、5~11歳小児の2回目接種から2週後(14日後)~およそ2ヵ月後(67日後)のCOVID-19予防効果は46%でした。ニューヨーク州の試験では去年12月13日から今年1月2日までにBNT162b2接種済みの5~11歳小児の検討が含まれ、それら小児のSARS-CoV-2感染予防効果は接種が済んでから2週間(13日間)以内では65%だったのが約1ヵ月(28~34日)後には12%に低下していました(medrxiv報告1)のFigure 2)。より年長の12~17歳小児のBNT162b2接種の同期間の感染予防効果は76%と56%であり、5~11歳小児ほどは低下しませんでした。5~11歳小児への投与量はそれより年長の小児に比べて少ないことが効果の大方の消滅の原因かもしれないと著者は考えています。12~17歳小児への投与量は30μgで、5~11歳小児への投与量はその3分の1の10μgです。5~11歳小児のCOVID-19入院予防効果は感染予防の大方の消失とは対照的に比較的保たれました。オミクロン株検出が感染の19%であった去年12月13~19日の入院予防効果は100%、オミクロン株検出が感染のほぼ100%(99%超)を占めるようになった今年1月24~30日では48%でした。効果はおよそ半減したとはいえワクチンは重病を防いだ(was protective)と著者は判断しており、5~11歳小児への接種普及の取り組みを続けるべきと言っています。報告時点での米国のそれら幼い小児のワクチン接種率は4人に1人に満たない25%未満でした。同様にVISION Network試験でも5~11歳小児のBNT162b2接種の入院予防効果は感染予防効果よりどうやら高いと示唆されています。2回目接種から14~67日間のCOVID-19関連入院予防効果は74%でした。ただし、統計解析にデータは不十分でその95%信頼区間は0をまたぐ-35%~+95%であり、BNT162b2が5~11歳小児のCOVID-19関連入院をどれほど防ぐのかを更にデータを集めて検討する必要があります。加えて、5~11歳小児にワクチンをどう投与するかの検討も必要でしょう。感染予防効果は現状ではどうやら早く低下するようであり、工夫した投与方針を考えてその試験を実施すべきとニューヨーク州試験の著者は言っています1)。Pfizer/BioNTechはすでにその方向で事を進めています。去年12月の両社の発表4)によると、2歳以上5歳未満小児への両社のワクチン2回接種後1ヵ月間の免疫反応はワクチンの確かな効果が判明している青少年(16~25歳)の人のそれに残念ながら及ぶものではありませんでした。この結果を受けて両社は生後6ヵ月から5歳未満の小児を対象にした進行中の試験に3回目投与を含めることを決めています。3回目の用量は1回目と2回目と同量の3μgで、2回目から2ヵ月過ぎてから投与されます。3回目接種の検討が成功したら生後6ヵ月以上5歳未満小児への同ワクチン使用の米国FDAの取り急ぎの認可を今年前半に手にするのに必要なデータが揃うと両社は見込んでいます。その発表の際に両社は5~11歳の小児への3回目接種も検討することを明らかにしています。それら小児への3回目接種の用量もより幼い小児への投与がそうであるように1回目と2回目と同じ10μgです。参考1)Effectiveness of the BNT162b2 vaccine among children 5-11 and 12-17 years in New York after the Emergence of the Omicron Variant. medRxiv. February 28, 20222)Vaccine’s protection for kids dives / Science3)Klein NP, et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Mar 4; 71;352-358.4)Pfizer and BioNTech Provide Update on Ongoing Studies of COVID-19 Vaccine / Pfizer

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オミクロン株亜種BA.2、短期間で再感染の可能性/デンマーク国立血清研究所

 現在、世界で最も優勢になっている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株は、変異の違いにより、いくつかの亜種に分類されている。日本ではBA.1と呼ばれる亜種が主流だが、BA.1より感染力が高いBA.2は「ステルスオミクロン」とも呼ばれ、英国や南アフリカ、ノルウェーなどで増加しており、日本国内でも感染が確認されている。デンマーク国立血清研究所は2月22日付のリリースで、BA.2の再感染に関する研究結果を発表した。同研究所が実施した全ゲノム解析の調査によると、まれではあるものの、オミクロン株のBA.1既感染者がBA.2に比較的短期間のうちに再感染し、とくにワクチン未接種の若年者に多く見られるという。オミクロン株は再感染までの期間が短い デンマークは、2月1日よりEU加盟国としては初めてコロナ関連の規制をほぼ全面的に解除しているが、同国では2022年初頭から、オミクロン株亜種BA.2の症例数が急激に増加し、2月中旬の段階では、BA.2が全体の88%を占めていることが確認されている。本研究は、査読前の論文のオンライン・アーカイブである「medRxiv」※2022年2月22日号1)にも掲載された。※今後、審査によっては論文内容が修正される場合あり 2021年11月21日~22年2月11日の間に、デンマークでは184万8,466例(デンマーク人口の32%)がPCR検査でSARS-CoV-2陽性と判定され、そのうち20~60日の期間中で2つの陽性検体があるものが1,739例確認された。全ゲノム解析に成功した263例中187例(71%)でオミクロン株亜種BA.2への再感染が確認された。このうち、140例(53%)がデルタ株からオミクロン株亜種BA.2への再感染、47例(18%)がBA.1からBA.2への再感染だった。 調査によると、デルタ株からオミクロン株亜種BA.2再感染140例の年齢中央値は16歳であり、95例(68%)がワクチン未接種だった。オミクロン株亜種BA.1からBA.2再感染47例の年齢中央値は15歳で、BA.1感染時に38歳以上の症例はなく、20歳以下が大多数で33例(70%)だった。ワクチン接種状況は、42例(89%)が未接種、3例(6%)が2回接種、2例(4%)が1回のみ接種だった。オミクロン株への再感染では、全体的に初感染と同程度の軽症であり、入院や死亡に至ることはなかったとしている。 研究期間中のSARS-CoV-2陽性者数が多いことから再感染率は低いと推定されるが、本研究によって、ワクチン接種による免疫の持続期間を継続的に評価する必要性を指摘している。また、最初の感染からオミクロン株亜種BA.2再感染まで期間が短いことから、欧州疾病予防管理センター(ECDC)が定める、60日以上の間隔を空けて2回の陽性を検出するという再感染の定義についても再評価すべきとしている。

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高齢者に対するベンゾジアゼピン使用の安全性

 高齢者に対するベンゾジアゼピン(BZD)使用については、とくに長期使用に関して、各ガイドラインで違いが認められる。カナダ・トロント大学のSimon Jc Davies氏らは、高齢者に対する継続的または断続的なBZD使用に関連するリスクの比較を、人口ベースのデータを用いて実施した。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2022年2月1日号の報告。 医療データベースよりBZDの初回使用で抽出されたカナダ・オンタリオ州の66歳以上の成人を対象に、人口ベースのレトロスペクティブコホート研究を実施した。初回使用から180日間の継続的および断続的なBZD使用は、性別、年齢、傾向スコアでマッチ(比率1:2)させ、その後最大360日フォローアップを行った。主要アウトカムは、転倒に伴う入院および救急受診とした。アウトカムのハザード比(HR)は、Cox回帰モデルを用い算出した。 主な結果は以下のとおり。・分析対象は、継続的なBZD使用患者5万7,041例およびマッチさせた断続的なBZD使用患者11万3,839例。・フォローアップ期間中の転倒に伴う入院および救急受診率は、継続的なBZD使用患者で4.6%、断続的なBZD使用患者で3.2%であった(HR:1.13、95%信頼区間:1.08~1.19、p<0.0001)。・股関節骨折、入院および救急受診、要介護による入院、死亡などのほとんどの副次的アウトカムリスクは、継続的なBZD使用患者で有意に高かった。手首の骨折では、有意な差は認められなかった。・BZD使用量の調整により、HRへの影響を最小限に抑制することが可能であった。 著者らは「継続的なBZD使用は、断続的なBZD使用と比較し、BZD関連の有害リスクが有意に上昇することが示唆された。有害リスクの評価は、BZDの使用期間が症状に対する合理的な選択肢であるかを検討するうえで、患者および臨床医の意思決定に役立つ可能性がある」としている。

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ナノリポソーム型イリノテカン、膵がん2次治療の新しい選択肢/日本臨床腫瘍学会

 膵がん治療においては、1次治療でゲムシタビンを含む化学療法を行った場合、2次治療の選択肢はFOLFIRINOX療法もしくはS-1単独療法の2つが選択肢であった。 昨年、イリノテカンをリポソームのナノ粒子に封入したオニバイドが発売されたことで、膵がんの2次治療に新しい選択肢が加わった。長期間新薬の承認がなかった膵臓がん領域における新規治療薬の実力は? 日本臨床腫瘍学会メディカルセミナーにおいて、国立がん研究センター東病院の今岡 大氏がオニバイドの海外第III相試験であるNAPOLI-1試験について解説した。 NAPOLI-1試験ではゲムシタビンを含む化学療法後に増悪した遠隔転移を有する膵がん患者417例を対象に、オニバイド+5-FU/LV群と5-FU/LV群を比較した。 主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は治験担当医指標化に基づく無増悪生存期間(PFS)などであった。 主な結果は以下のとおりである。 OS中央値はオニバイド+5-FU/LV群で6.1ヵ月、5-FU/LV群で4.2ヵ月であり、オニバイド+5-FU/LV群で有意な延長が検証された。[ハザード比0.67(95%CI:0.49~0.92)] また、PFS中央値はオニバイド+5-FU/LV群で3.1ヵ月、5-FU/LV群で1.5ヵ月であり、PFSにおいてもオニバイド+5-FU/LV群で有意な延長が検証されている。[ハザード比0.56(95%CI:0.41~.75)]待望の新治療、気を付ける点は? 医療従事者だけでなく患者からのニーズも高かった新しい治療選択肢であるオニバイドであるが、適切な副作用マネジメントが必要である。 NAPOLI-1試験での副作用は5-FU/LV群で134例中93例、69.4%に対してオニバイド+5-FU/LV群では117例中107例、91.5%に認められている。オニバイド+5-FU/LV群での主な副作用は下痢、悪心、嘔吐であった。 Grade3以上の有害事象はオニバイド+5-FU/LV群で117例中90例、76.9%で認められ、主なGrade3以上の有害事象は好中球減少症や疲労、下痢などであった。 対応について、適切な支持療法を行うとともに、患者の状態を見極めて適宜オニバイドの減量を考慮する。その際の投与量について添付文書に記載されており、それらを参考に投与量を決定できる点もイリノテカンとの違いだと今岡氏は述べている。

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日本人再発・進行子宮頸がん患者に対するtisotumab vedotinの効果~innovaTV206試験~/日本臨床腫瘍学会

 子宮頸がんは子宮がんの約7割程度を占めるがんであり、日本国内では、毎年約1万人の女性が罹患し、約3,000人が死亡している。2000年以降、患者数も死亡率も増加しており、新しい治療薬の登場が待たれていた。 tisotumab vedotinは子宮頸がん細胞に発現するタンパク質である組織因子を標的とした、抗体薬物複合体(ADC)である。化学療法による治療中または治療後に病勢進行がみられる再発または転移性子宮頸がんを適応として、2021年に米国食品医薬品局(FDA)から迅速承認を取得している。 今回、日本人再発・進行子宮頸がん患者を対象としたinnovaTV206試験の結果が、国立がん研究センター中央病院の米盛 勧氏より発表された。注目のADC、その効果は?~innovaTV206試験~ innovaTV206試験の概要は以下の通り。・対象:標準治療中、または標準治療後に進行した、もしくは1~2つの前治療を行った日本人再発・進行子宮頸がん患者17例・方法:腫瘍の進行、許容できない毒性、または何らかの理由で患者が離脱するまで、推奨される第II相試験で推奨された用量(tisotumab vedotin 2.0mg/kg)を投与・目的:安全性と忍容性、薬物動態と免疫原性、日本人の再発・進行子宮頸がん患者における抗腫瘍活性の評価 年齢の中央値は47.0歳、1次治療でベバシズマブの治療を受けていた患者は47.1%であった。 結果は以下の通りである。・奏効率(ORR)は29.4%(95%信頼区間:10.3~56.0)、病勢コントロール率(DCR)は70.6%(95%信頼区間:44.0~89.7)、奏効持続期間(DOR)は中央値で7.1ヵ月であった。・安全性については治験薬投与下で発現した有害事象(TEAE)が全例で見られた。Grade3以上のTEAEでtisotumab vedotinが関連している副作用は52.9%であった。多く見られたTEAEは貧血、吐き気、脱毛症などであった。今回の試験から示されたこと 米盛氏はこれらの結果から、tisotumab vedotinの安全性プロファイルは管理可能であり、臨床的に意義のある結果が示された、と述べた。 今回発表されたinnnovaTV206の結果は、欧州・米国で行われたinnnovaTV204試験の結果とも一致しており、現在進行中の第III相試験、innnovaTV301試験の結果が待たれる。

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ニボルマブ+化学療法の非小細胞肺がんネオアジュバント、FDAが承認/BMS

 ブリストルマイヤーズスクイブは、2022年3月4日、切除可能非小細胞肺がん(腫瘍径≧4cmまたはリンパ節転移陽性)成人患者に対する、プラチナダブレット化学療法+ニボルマブ(3週間ごとに3サイクル)のネオアジュバント療法について、米国食品医薬品局(FDA)が承認したと発表した。承認条件にPD-L1の状態は問われていない。 今回の承認は、非小細胞肺がんに対する免疫治療薬ベースのネオアジュバントで初めての肯定的な結果を出した、第III相CheckMate-816試験に基づいたもの。 CheckMate-816試験の主要評価項目は、無イベント生存期間(EFS)と病理学的完全奏効(pCR)などである。中間解析におけるEFS中央値は、ニボルマブ+化学療法群で31.6ヵ月、化学療法群は20.8ヵ月で、ニボルマブ+化学療法群が統計学的に有意な改善を示した(ハザード比[HR] 0.63、95%信頼区間[CI]:0.45〜0.87、p=0.0052) 。また、pCRはニボルマブ+化学療法群の24%に対し、化学療法群は2.2%であった(p<0.0001)。OSのHRは0.57(95%CI:0.38〜0.87)とニボルマブ+化学療法群で良好だが、統計学的有意差は示していない。 同試験のEFSの解析結果は、2022年4月に開催されるAACR2022で発表される。

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新型コロナ抗原定性検査(LFT)、感染見逃しが多い可能性/BMJ

 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)抗原のラテラルフロー検査(LFT)は、SARS-CoV-2感染者の検出において臨床的に重要な見逃しの割合が高く、この割合は検査の環境によってウイルス量の分布が異なるためばらつきが大きく、無症状者でより高い可能性があることが、英国・バーミンガム大学のJonathan J. Deeks氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年2月23日号で報告された。英国の抗原検査による感染見逃しのlinked data解析 本研究は、SARS-CoV-2感染リスクが高い集団におけるLFTの陰性率、およびこれに対する病期や重症度の影響を調査し、2つの有力な数理モデル(英国のEdmundsモデル、米国のMinaモデル)による予測と実証的研究の知見の比較を目的とするlinked data解析である(筆頭著者らは英国国立健康研究所[NIHR]の助成を受けた)。 解析データには、Innova LFT(英国で広く普及)の精度、ウイルス培養陽性の割合や第2次症例への伝播(2次感染)、異なる環境下におけるSARS-CoV-2のウイルス量の分布に関する実証的なエビデンスが含まれた。 次の3つの環境でLFT検査が実施された。(1)英国各地の国民保健サービス(NHS)の検査・追跡センターを受診した有症状者、(2)リバプール市の市営集団検査センターを受診した無症状の住民、(3)バーミンガム大学でスクリーニングを受けた無症状の学生。 主要アウトカムは、3つの環境下における、LFTで見逃されたウイルス培養陽性者と、LFTで見逃され2次感染の原因となった者の予測値とされた。これらの結果は、数理モデルによる予測値と比較された。数理モデルはLFTの感度を大幅に過大評価 解析の結果、ウイルス培養陽性者のうちLFTで見逃された者の割合は、NHS検査・追跡センターの有症状者が20%、リバプール市の集団検査センターの無症状者が29%、バーミンガム大学でスクリーニングを受けた無症状者では81%であった。また、LFTで見逃され2次感染の原因となった者の割合は、それぞれ38%、47%、90%だった。 2つの数理モデルはいずれも、見逃された感染者の数を過小に評価していた。すなわち、Edmundsモデルでは、LFTで見逃された者の割合はNHS検査・追跡センターの有症状者が8%、リバプール市の無症状者が10%、バーミンガム大学の無症状者は32%であったのに対し、Minaモデルでは、前提として感染者の見逃しは起こりえないとされていた。 著者は、「Innova LFTで見逃される感染性マーカーを有する者の割合は、検査対象集団のウイルス量の分布に依存し、無症状者の検査では感染者の割合が高いほど見逃される可能性が高いことがわかった。今回の実証的なデータの解析では、ウイルス量と感染性の関連に関する主要な数理モデルによる仮説の精度が低く、結果としてLFTの検査感度が過大に評価されていることが明らかとなった」としている。

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塩野義ワクチン、追加接種試験中間報告でコミナティに非劣性

 2022年3月4日、塩野義製薬は開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンS-268019のPhase 2/3追加免疫比較試験の中間報告の結果速報に関する説明会を開催し、東京品川病院副院長兼治験開発・研究センター長 新海 正晴氏より、中間報告においてS-268019群のコミナティ群に対する非劣性が確認されたことが報告された。 Phase 2/3追加免疫比較試験は、コミナティ筋注2回接種後6ヵ月以上経過した20歳以上の成人を対象として、3回目の追加接種に関してコミナティに対する非劣性を検証する目的で実施された。試験デザインは無作為化、オブザーバーブラインド、実薬対照であり、統計学的仮説検定は次の条件で行われた。<統計学的仮説検定> コミナティ群に対するS-268019群の中和抗体価の幾何平均抗体価(GMT)比の95%信頼区間[CI]の下限値が0.67よりも大きい、かつ、コミナティ群に対するS-268019群の中和抗体価の抗体応答率の差の95%CIの下限値が-10%よりも大きい場合、コミナティに対する免疫原性の非劣性が検証されたとする。 参加者の患者背景はS-268019群 103例、コミナティ群 102例であり、主要評価項目はDay29のSARS-CoV-2中和抗体価のGMTおよび抗体応答率であった。 以下の結果より、中間報告における主要評価項目の達成が確認された。・Day29のSARS-CoV-2中和抗体価のGMTはS-268019群 126.42、コミナティ群 108.20(95%CI:0.96~1.42)であり、S-268019群のコミナティ群に対する非劣性が検証された。・Day29のSARS-CoV-2中和抗体価の抗体応答率はS-268019群 100.0%、コミナティ群 100.0%(95%CI:-5.8~5.8)であり、S-268019群のコミナティ群に対する非劣性が検証された。 また、オミクロン株を含む変異株に対して、S-268019群はコミナティ群と同等の中和抗体価を示した。安全性についてはS-268019群、コミナティ群ともにほとんどがGrade 1あるいは2であり、コミナティ群と比較して、S-268019は特定全身/局所副反応の発現率が同等以下であった。

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第92回 オミクロン株の致死率はインフルエンザより高い/厚労省

<先週の動き>1.オミクロン株の致死率はインフルエンザより高い/厚労省2.2022年度診療報酬改定の柱は?留意事項など通知/厚労省3.勤務医不足は自由開業制が原因と指摘/社会保障審議会4.すべての病院は2023年度までに自院の機能・規模の再検証を/厚労省5.2022年度介護報酬改定、ベースアップ等支援加算で賃上げへ/社会保障審議会6.医師高齢化、2018年時点で開業医の約半数が60歳以上/厚労省1.オミクロン株の致死率はインフルエンザより高い/厚労省厚生労働省は2日に新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードを開催し、オミクロン型の致死率について「季節性インフルエンザよりも高い」とする暫定的な見解を公表した。今年1月〜2月下旬までのオミクロン型の致死率は約0.13%であり、野田 龍也准教授ら(奈良県立医科大学の公衆衛生学講座)は、オミクロン株と季節性インフルエンザの致死率の比較を試みた。「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)」を用いて、2017年9月~2020年8月の3年間に季節性インフルエンザで医療機関を受診した患者を特定した結果、致死率は少なくとも0.006~0.018%と推計され、関連死を含めても0.01~0.052%だった。受診後28日以内の致死率は0.09%で、いずれもコロナの方が高い。オミクロン株は従来株(2020年1月〜2021年10月)の致死率4.25%と比較すると低い一方、季節性インフルエンザの致死率は依然として上回っており、感染対策の緩和には慎重になるべきだろう。(参考)オミクロン致死率「インフルより高い」専門家が見解(日経新聞)オミクロン感染の致死率は「インフルより高い」0.13%程度…厚労省助言機関(読売新聞)日本の医療データベースから算出された季節性インフルエンザの重症化率(奈良県立医科大学)2.2022年度診療報酬改定の柱は?留意事項など通知/厚労省厚労省は4日、2022年度の診療報酬改定を告示するとともに、診療報酬の算定の留意事項などを地方厚生局に通知した。新たな点数は原則4月1日から適用される。今回の大きな柱は、感染症対策の充実と機能分化による医療の効率化だ。新型コロナウイルスによってあらためてフォーカスされた感染症対策では、平時からの感染防止策を実施し、発熱患者の受け入れを促すため、院内感染対策に取り組んだ診療所への報酬を手厚くする。一方、重症患者への対応で、人工心肺装置(ECMO)を使用可能な経験豊かなスタッフを配置した集中治療室(ICU)を備えた高度急性期病院への報酬を充実させる内容となっている。さらに看護必要度では、心電図モニターを項目から外し、急性期一般入院基本料の段階的な評価に基づいて、軽症患者が多い急性期一般病棟に対して厳しいハードルを設け、入院単価が引き下がる内容となっている。また、医療の効率化のために1枚の処方箋を3回まで繰り返し使える「リフィル処方箋」を導入し、病状の安定した患者の受診回数を減らし、患者の外来受診の回数減少を目指す。紹介状なしで大病院に来院した患者に対する初診時の特別徴収は、今年の10月から7,000円以上に引き上げられる。大病院には高度な入院診療に特化するように求めており、より機能分化を進める内容となっている。(参考)22年度診療報酬改定を告示、留意事項通知も発出 厚労省、看護必要度の評価項目など見直し(CB news)スーパーICU評価する【重症患者対応体制強化加算】を新設、ECMOの処置料・管理料を設定―厚労省(Gem Med)令和4年度診療報酬改定内容説明動画(厚労省)3.勤務医不足は自由開業制が原因と指摘/社会保障審議会厚労省は28日に社会保障審議会・医療部会を開催し、医療従事者の需給に関する「第5次中間とりまとめ」をめぐって議論した。医師養成数は、2008年度から地域枠の医学部定員増により、全国で毎年3,500~4,000人ずつ増加しており、今後もこの傾向が続けば2029年頃に医師の需給が均衡する見込み。その後は人口の減少に伴って、医師の需要が減少するため、医師増加ペースの見直しが必要とされた。一部の委員からは自由開業制が続く限り病院の勤務医師不足が指摘されたが、日本医師会からは「開業医の数がどんどん増えているわけではない」と反論した。(参考)病院医師不足、自由開業制が続く限り「解消せず」社保審・医療部会で委員(CB news)第86回社会保障審議会医療部会(厚労省)4.すべての病院は2023年度までに自院の機能・規模の再検証を/厚労省厚労省は、2日に「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開催した。2025年までに全国すべての二次医療圏で地域医療構想の実現を求めてきたが、今後はとくに生産年齢人口の減少に対応するマンパワーの確保や、2024年度から医師の働き方改革に伴う対応が必要になるため、地域医療構想を引き続き着実に推進し、人口構造の変化への対応を図ることが必要であるとした。今後は各都道府県で、第8次医療計画(2024~2029年度)の策定にあわせて、2022~2023年度中に民間医療機関も含めてすべての医療機関が、「自院の機能・規模が、地域医療構想に照らして妥当なものとなっているのか」の再検証を行い、検討状況について定期的に公表を行することについて合意がなされた。(参考)2022・23年度中に、民間含め全病院で「自院の機能・規模が妥当か」再検証を―地域医療構想・医師確保計画WG(1)(Gem Med)第8次医療計画、地域医療構想等について(厚労省)5.2022年度介護報酬改定、ベースアップ等支援加算で賃上げへ/社会保障審議会厚労省は28日に社会保障審議会の介護給付費分科会が持ち回りで開催され、2022年度介護報酬改定について答申を行った。その結果、2022年10月から「介護職員等ベースアップ等支援加算」を新設し、介護報酬で処遇改善(介護職員の収入を3%程度改善)を行うことについて承認された。ただし、加算を取得できるのは、【特定処遇改善加算】と同様に「現行の【介護職員処遇改善加算】(I)から(III)までを取得している事業所で、2022年8月から申請受付がスタートし、10月分からの支給開始となる。(参考)社会保障審議会が答申、22年度介護報酬改定 10月新加算「介護職員等ベースアップ等支援加算」に(CB news)介護職員の給与アップ新加算「介護職員等ベースアップ等支援加算」スタートに向けた審議へ(介護求人ナビ)2022年10月からの新たな【介護職員等ベースアップ等支援加算】の枠組み決定―社保審・介護給付費分科会(Gem Med)6.医師高齢化、2018年時点で開業医の約半数が60歳以上/厚労省2018年時点で診療所に従事する医師の約半数、病院では約15%が60歳以上だったとする集計結果を厚労省が明らかにした。過去20年で、病院の医師数は5.5万人、診療所の医師数は2.0万人増加しているものの、医師の平均年齢は診療所が60.0歳、病院は44.8歳で、診療を行う側も高齢化が進んでいる。2025年以降は、高齢者の減少と現役世代の急減が同時に起こる2次医療圏が数多く発生し、2040年には就業者数が大きく減少する中で、医療・福祉職種の人材は現在より多く必要となる中、どう対応できるだろうか。今後は、医師の働き方改革への対応と地域医療の確保の両立が必須となるだろう。(参考)診療所医師、60歳以上が約半数 病院では約15%、厚労省集計(CB news)第3回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ(厚労省)

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059)皮膚科医を悩ませる写真と実物との差【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第59回 皮膚科医を悩ませる写真と実物との差ゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆私の勤めるクリニックは、外来のほかに内科医が訪問診療を行っており、時折在宅患者さんの皮疹について相談を受けることがあります。普段、往診医とは電子カルテを介してやりとりをしていますが、「皮膚を診る」という皮膚科の特性上、非常に大事なポイントとなるのが、患者さんの臨床写真です。…なのですが、カルテの仕様上、写真を取り込む際に画像データが圧縮されてしまうようで、解像度が大幅に落ち、拡大して見たときに非常に残念なことになってしまいます。在宅の現場では、専用のカメラや照明がない所で写真を撮るので、自分が撮ってもおそらく満足のいく写真にはならないであろう、とは思うのですが、それにしても…な例が多くて困ってしまいます。こと写真に関しては、訪問看護師さんが渡してくれるデジタル写真の元データが頼りで、入手できない場合はカルテ上の粗い画像を拡大したり縮小したりしながら、最終的には心の目で診察しています。なかなか判断の難しい患者さんは、実際に受診してもらうこともあり、写真と実際の症状との違いに驚かされることも…。「見る」だけの科と思われがちな皮膚科ですが、意外と3次元(実物)から2次元(写真)に落とし込まれた際に、失われる情報は大きいなぁと痛感する瞬間です。こんなカルテ診も良い経験と思い、今後も日々精進いたします。それでは、また~!

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高血圧:脳心血管疾患の危険因子【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q5

高血圧:脳心血管疾患の危険因子Q5血圧レベル以外の脳心血管疾患の危険因子として、高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)で新たに追記されたのは次のうちどれか?男性喫煙アルコール多飲メタボリックシンドローム不眠症

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コロナ禍の生活変化の第1位は「毎日のストレス」/アイスタット

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染増加により、約3年にわたり私たちの生活には、さまざまな制約が発生した。これにより、私たちの日常生活に大きな変化は起こったのであろうか。 株式会社アイスタットは2月18日に全国アンケートを行った。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員30~69歳の300人が対象。調査概要形式:WEBアンケート方式期日:2022年2月18日対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(30~69歳/全国)を対象アンケート結果の概要・コロナ第1波(2020年3月~5月頃)~第6波(2022年1月頃~)のうち、生活に影響があった時期は「第1波」の39%が最多・コロナ禍生活で失ったものがある(ダメージを受けたものがある)割合は8割を超える・コロナ禍前と比べ、生活が変化(悪化)したこと第1位:日常生活のストレスの増加(54.7%)第2位:収入の減少(31.7%)第3位:体重の増加(28.7%)第4位:雇用・働き方の悪化(28.0%)第5位:食費・食生活の悪化(20.7%)第6位:同居者・家族との関係、コミュニケーション(17.7%)日常生活のストレスはいまだに解消されていない 質問1で「生活に影響があった時期」(複数回答)を聞いたところ、「第1波」(2020年3月~5月頃)の39.0%が最も多く、「第5波」(2021年7月~9月頃)が29.3%、「影響した時期はない」が29.0%の順で多かった。また、「生活に影響があった人」を回答データから分類してみたところ、「影響あり」は71%、「影響なし」は29%で、約7割の人が生活に「影響あり」と回答していた。 質問2として「コロナ禍生活で失ったもの(ダメージを受けたもの)」(単回答)について聞いたところ、「ややある」が36.0%で最も多く、「しいて言えばある」が25.3%、「まったくない」が15.7%の順だった。大きく有無別に分類すると「ある」は84.3%、「ない」は15.7%で回答者の多くが犠牲を強いられている結果だった。また、属性別に「とてもある」と回答した人は「30代」、「無職・主婦・その他」、「生活に影響があった時期は第3波(2020年11月~2021年3月頃)」が最も多かった。いわゆる社会的弱者などへの影響が考えられた。 質問3として「コロナ禍前との比較での生活の変化」について、6つの質問(単回答)を聞いたところ以下の結果だった。1)日常生活のストレス「増えた」(54.7%)、「変わらない」(42.0%)、「減った」(3.3%)2)収入「変わらない」(64.7%)、「減った」(31.7%)、「増えた」(3.7%)3)体重「変わらない」(63.0%)、「増えた」(28.7%)、「減った」(8.3%)4)雇用・働き方(無職・主婦は生活様式)「変わらない」(67.7%)、「悪くなった」(28.0%)、「良くなった」(4.3%)5)食費・食生活「変わらない」(69.7%)、「悪くなった」(20.7%)、「良くなった」(9.7%)6)同居者・家族との関係、コミュニケーション(単身では知人・友人との関係)「変わらない」(73.7%)、「悪くなった」(17.7%)、「良くなった」(8.7%) 生活の変化についてマイナス志向(悪化)の回答に着目すると、悪化率が最も高かった内容は「日常生活のストレスの増加」(54.7%)、「収入の減少」(31.7%)、「体重の増加」(28.7%)だった。 アンケートの結果から今後COVID-19そのものの治療だけでなく、心の治療への転換も待たれるところである。

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南アフリカ、オミクロン株流行前にIgG抗体陽性者が7割以上/NEJM

 南アフリカ共和国ハウテン州では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)B.1.1.529(オミクロン株)が優勢の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大前に、潜在的なSARS-CoV-2血清陽性が州全体に広がっていたことが確認され、オミクロン株感染増加とCOVID-19による入院や死亡は関連していないことが示されたという。南アフリカ共和国・ウィットウォーターズランド大学のShabir A. Madhi氏らが、ハウテン州で実施した血清疫学調査の結果を報告した。オミクロン株は、2021年11月25日に世界で初めてハウテン州で確認され、オミクロン株が優勢となったCOVID-19第4波以前のハウテン州におけるSARS-CoV-2 IgGの血清陽性率に関するデータが必要とされていた。NEJM誌オンライン版2022年2月23日号掲載の報告。オミクロン株流行前の血清疫学調査を実施 研究グループは、2021年10月22日~12月9日の期間に、ハウテン州において血清疫学調査を実施した。対象世帯は、2020年11月~2021年1月に実施した前回の血清疫学調査時と同じ世帯とし、さらに、前回調査以降の転出や死亡等の可能性を考慮して前回と同じクラスターでのサンプリング対象世帯を10%増やした。 参加者から乾燥血液スポットを採取し、SARS-CoV-2スパイクタンパクとヌクレオカプシドタンパクに対するIgGについて検査した。 また、研究グループは、DATCOV(COVID-19による入院に関する積極的サーベイランスシステム)を含む南アフリカ共和国国立感染症研究所のデータベース等を用い、パンデミック開始から2022年1月12日までの患者数、入院、死亡、超過死亡を調査し、ハウテン州におけるCOVID-19の疫学的傾向について評価した。ワクチン非接種者でも68.4%がSARS-CoV-2血清陽性 検体を採取し分析された参加者は7,010例で、このうちCOVID-19のワクチン接種を受けていたのは1,319例(18.8%)であった。 SARS-CoV-2 IgGの血清陽性率は、全体で73.1%(95%信頼区間[CI]:72.0~74.1)であり、12歳未満の56.2%(52.6~59.7)から50歳以上の79.7%(77.6~81.5)の範囲にわたっていた。また、女性のほうが男性より(76.9% vs.67.9%)、ワクチン接種者のほうが非接種者より(93.1% vs.68.4%)、血清陽性率が高かった。 オミクロン株優勢のCOVID-19第4波では、第1~3波と比較して1日の患者数(人口10万人当たり)の増加が急激で、1ヵ月でピークに達した後、急速に減少していた。第4波の患者数(22万6,932例)は、第2波(18万2,564例)より多く、第3波(51万1,638例)より少ないが、第4波におけるCOVID-19による入院、死亡および超過死亡数は第3波以前より一貫して少なく、それぞれのピーク数も低かった。 すべての入院、死亡および超過死亡のうちCOVID-19が占める割合は、デルタ株が優勢の第3波では43.6%、49.3%および52.7%であったが、オミクロン株優勢の第4波ではそれぞれ11.2%、3.9%および3.3%だった。

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ニボルマブ+イピリムマブの食道扁平上皮がん1次治療、CHMPで推奨/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年2月25日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、PD-L1発現1%以上の切除不能な進行・再発または転移のある食道扁平上皮がん(ESCC)の成人患者の1次治療薬として、ニボルマブとイピリムマブの併用療法の承認を推奨したことを発表した。 この肯定的な見解は、第III相CheckMate-648試験の中間解析に基づくもの。同試験で、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、フルオロピリミジン系およびプラチナ系薬剤を含む化学療法と比較して、PD-L1発現1%以上の切除不能な進行、再発または転移性ESCC患者において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)のベネフィットを示した(OSの中央値:13.7ヵ月 vs .9.1ヵ月、ハザード比:0.64、98.6%信頼区間:0.46~0.90、p=0.001)。 ニボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告された試験のものと一貫していた。

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