サイト内検索|page:549

検索結果 合計:35638件 表示位置:10961 - 10980

10961.

脊髄性筋萎縮症、治療の進歩と新生児スクリーニング

 2022年6月20日、「マススクリーニングが変える脊髄性筋萎縮症(SMA)の未来」と題して、都医学研都民講座が開催され、齋藤 加代子氏(東京女子医科大学 ゲノム診療科 特任教授)から、SMAの概要と治療の進歩、新生児スクリーニングの必要性について、水野 朋子氏(東京医科歯科大学 小児科 助教)から、新生児スクリーニングの現状・課題について講演が行われた。小児科に求められる役割 SMAは、脊髄の運動神経細胞の変性により、全身の筋肉が萎縮し、筋力低下、嚥下障害、呼吸障害などを来す進行性の疾患である。病型は、胎児期に発症する0型、6ヵ月ごろまでに発症するI型、18ヵ月ごろまでに発症するII型、それ以降に発症するIII型、成人期に発症するIV型に分類される(0型とIV型はまれ)。I型は、最重症で進行が速く、気管切開と人工呼吸器なしでは2歳までに90%以上が死亡するとされている。II型は、成長に伴い脊柱変形や関節拘縮がみられるようになり、やがて車いすでの生活を余儀なくされる。比較的軽症なIII型であっても、X脚や外反足などの症状がみられ、転びやすくなり、多くの患者さんで車いすが必要となるケースが多いという。発症年齢は、大部分が小児期であり、生後2ヵ月前後までに20%、2歳未満までに82.7%、16歳未満までに97%が発症することが全国調査の結果から明らかになっており、齋藤氏は、「SMAでは、小児科が診断において重要な役割を担う」と述べた。進歩した治療、開始のタイミングがカギ SMAは、SMN1遺伝子の変異によって引き起こされることがわかっている。このSMNを標的とした薬剤の有効性が相次いで報告され、現在日本国内では3剤(ヌシネルセン、オナセムノゲン、リスジプラム)が使用可能となっている。ヌシネルセンは、アンチセンス核酸医薬(SMN1とよく似た構造を持つ遺伝子であるSMN2をスプライシング修飾)であり、全年齢に対して髄腔内投与が可能である。オナセムノゲンは、遺伝子治療薬(アデノ随伴ウイルスを利用してSMN遺伝子を導入)であり、2歳未満に対して静脈点滴、リスジプラムは、低分子薬(SMN2をスプライシング修飾)であり、生後2ヵ月以上に対して経口投与が可能な薬剤である。このうち、ヌシネルセンとオナセムノゲンは、未発症の投与が可能となっている。 SMAに対する治療効果は、治療を開始した時期と患者さんに残されている運動ニューロンの割合に依存するといわれており、治療は早ければ早いほど効果が高く、発症前における有効性も報告されている。一方で、症状が進んだ状態で投与しても効果が限定的ともいわれている。こういったことから「可能な限り早期に診断し、早期に治療を開始することが極めて重要、“Time is Neuron”だ」と齋藤氏は訴えた。早期発見、早期治療のため、新生児スクリーニングを SMAのI型は、発症後神経の変性が急激に進行するため、本来であれば、生後1週間以内に治療を開始することがベストだが、一般診療では、生後6ヵ月ごろ(運動ニューロンが急速に消失し、ほぼ残されていない状態)に診断されることが多いという。これは、SMAが希少疾患であるために、医療者であっても認識が低いことや、病初期は症状がわかりにくく、とくにII型やIII型は、呼吸障害がなく緩徐に進行するため経過観察になりやすいことなどが理由として挙げられる。こうしたことからも、「新生児スクリーニングを行い、早期発見を目指すことが重要である」と、水野氏は強調した。 新生児スクリーニングは、先天性の疾患を早期に発見し、早期管理・治療することで発症を防ぎ、正常な成長発達を獲得することを目的としている。現在、米国では新生児の95%がSMAの新生児スクリーニングを受け、治療が受けられるようになっているが、日本ではまだ一部の自治体しか実施できていないのが現状であるという。SMAの新生児スクリーニングを普及させるためには、現行のスクリーニング検査に組み込む必要があるため、各自治体や検査機関などへの協力依頼や、分娩施設への協力依頼、産科医、小児科医への周知と理解、検査費用の公費負担化、診断後のフォロー体制などの課題が挙げられている。これに対し、日本小児神経学会では、SMAの新生児スクリーニング検討ワーキンググループを立ち上げ、対策を講じている。 水野氏は、「SMAは、適切なスクリーニング検査や確定診断方法、目覚ましい進歩を遂げた治療法により、早期発見、早期治療が可能な環境が整いつつある。だからこそ、診断後の疾患・治療説明や遺伝カウンセリング、新生児スクリーニングの普及といった課題を各団体と協力して解決していくことが重要だ」と述べ、講演を締めくくった。

10962.

日本人双極性障害外来患者の3年間の臨床アウトカムに影響を及ぼす要因~MUSUBI研究

 双極性障害患者の長期的な臨床アウトカムの予測因子に関するエビデンスは限られている。獨協医科大学の菅原 典夫氏らは、日本の精神科クリニックにおける双極性障害の多施設治療調査「MUSUBI研究」に参加した双極性障害患者を対象に、3年間の臨床アウトカムに影響を及ぼす予測因子を特定しようと試みた。その結果、フォローアップ期間中に持続的な寛解が得られる患者は少なく、臨床アウトカムに個々の人口統計学的および臨床的特徴が影響を及ぼしていることが示唆された。Journal of Psychiatric Research誌2022年7月号の報告。双極性障害の外来患者1,647例を対象にした研究 MUSUBI研究は、実臨床における双極性障害患者を調査するための自然主義的な多施設共同研究である。本研究では、2016年、2017年、2019年に登録された双極性障害の外来患者1,647例を対象に、ベースライン時、1年後および3年後のデータを抽出し評価を行った。臨床アウトカムとして、フォローアップ期間中における1年間のうつおよび躁症状の存在、53週以上の持続的な寛解を評価した。 MUSUBI研究に参加した双極性障害患者を対象に3年間の臨床アウトカムに影響を及ぼす予測因子を特定しようと試みた主な結果は以下のとおり。・3年間の評価期間中に持続的な寛解が得られた患者では、ベースライン時のパーソナリティ障害の診断および持続的な寛解期間と有意な関連が認められた。・フォローアップ期間中における1年間にうつ症状が認められた患者では、ベースライン時の仕事の状態、機能の全体的評定(GAF)尺度、自殺念慮、持続的な寛解期間と有意な関連が認められた。・3年間の評価期間中、持続的な寛解が得られた患者は318例(19.3%)、寛解に到達しなかった患者は782例(47.5%)であった。

10963.

6~17歳におけるAZ製ワクチンの安全性と免疫原性/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンChAdOx1 nCoV-19(AZD1222、アストラゼネカ製)は、6~17歳の小児において忍容性と免疫原性が高く、成人を対象とした第III相試験で示された高い有効性と関連する抗体濃度と同程度の抗体を誘導することができ、安全性に関する懸念は認められなかった。英国・チャーチル病院のGrace Li氏らが、英国の4施設で実施した第II相単盲検無作為化比較試験「COV006試験」の結果を報告した。COVID-19ワクチンについては、小児および若年者への接種を推奨している国もあるが、18歳未満におけるCOVID-19ワクチンの免疫反応に関するデータは成人と比較して十分ではなかった。Lancet誌オンライン版2022年6月11日号掲載の報告。2回目接種4週後と12週後(実際は16週後)の2群を設定 研究グループは、慢性呼吸器疾患および検査で確認されたCOVID-19の既往がなく、莢膜B群髄膜炎菌ワクチン(対照)未接種の6~17歳の健康小児を、AZD1222(ウイルス粒子量5×1010)を28日間隔、対照ワクチンを28日間隔、AZD1222を84日間隔、対照ワクチンを84日間隔でそれぞれ2回接種する群に、4対1対4対1の割合で無作為に割り付け筋肉内投与した。 参加者は年齢で層別化され、12~17歳群が6~11歳群より先に登録された。試験期間中に30歳未満へのAZD1222接種制限が導入されたため、28日間隔群に割り付けられた12~17歳の参加者のみが、計画された間隔(28日目)でAZD1222接種を受けた。残りの参加者は112日目に2回目の接種を受けた。 主要評価項目は、安全性解析対象集団(試験薬を少なくとも1回投与されたすべての参加者)における安全性と忍容性であった。副次評価項目は免疫原性で、ベースラインでSARS-CoV-2(ヌクレオカプシドタンパク質)血清陰性者およびワクチン2回接種者を対象に評価した。 2021年2月15日~4月2日の間に、262例がAZD1222群(211例[28日間隔群105例、84日間隔群106例])または対照群(51例[26例、25例])に割り付けられた(12~17歳150例[57%]、6~11歳112例[43%]、英国のワクチン接種方針の変更により予定人数に達する前に低年齢層の募集を終了)。AZD1222の若年層28日間隔群の1例が、初回接種前に同意を取り下げた。2回目接種後抗体価、6~11歳16週後>12~17歳16週後>12~17歳4週後の順で高い AZD1222群において、局所性および全身性の特定有害事象(solicited adverse event)は、初回接種後7日目までで210例中169例(80%)に、2回目接種後で193例中146例(76%)に認められた。 AZD1222接種に関連する重篤な有害事象は、データカットオフ日(2021年10月28日)までに報告されなかった。また、いずれかの接種後28日までの非特定有害事象の発現頻度は40%(83/210例、計128件)であった。 AZD1222の6~11歳群で、初回接種後1日目のGrade4の発熱(40.2℃)が1例報告されたが、24時間以内に消失した。AZD1222接種あるいは対照ワクチン接種でよくみられた有害事象は、疼痛および圧痛であった。 全参加者262例中20例(8%)は血清データを入手できず、血清データのある242例中14例(6%)はベースライン時に血清陽性であった。AZD1222群のベースライン時血清陰性者において、2回目接種後28日目の抗SARS-CoV-2 IgG抗体濃度および中和抗体濃度(IC50)(いずれも幾何平均値)は、投与間隔が長い(112日)12~17歳群ではそれぞれ73,371 AU/mL[95%CI:58,685~91,733]および299[95%CI:230~390])であり、投与間隔が短い(28日)12~17歳群(それぞれ4万3,280 AU/mL[95%CI:3万5,852~5万2,246]および150[95%CI:116~194])と比較して高かった。 2回目接種後の液性免疫応答は同じ投与間隔が長い(112日)群でも、6~11歳群が12~17歳群より高かった(幾何平均比:抗SARS-CoV-2 IgG抗体1.48[95%CI:1.07~2.07]、中和抗体2.96[95%CI:1.89~4.62])。また、細胞性免疫応答(IFN-γ ELISpot法)は、すべての年齢群および間隔群においてAZD1222の1回目接種後にピークに達し、2回目接種後もベースラインより高く維持された。

10964.

中等症~重症クローン病、ウステキヌマブvs.アダリムマブ/Lancet

 生物学的製剤未使用の中等症~重症活動期クローン病患者に対する導入療法および維持療法として、ウステキヌマブ単剤療法とアダリムマブ単剤療法はいずれも高い有効性を示し、主要評価項目に両群で有意差はなかった。米国・マウントサイナイ医科大学のBruce E. Sands氏らが、18ヵ国121施設で実施した無作為化二重盲検並行群間比較第IIIb相試験「SEAVUE試験」の結果を報告した。ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体ウステキヌマブと、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体アダリムマブは、いずれもクローン病の治療薬として承認されているが、どちらもプラセボ対照比較試験の結果に基づいており、患者への説明や医師の治療選択にとっては直接比較する実薬対照試験が必要であった。Lancet誌オンライン版2022年6月11日号掲載の報告。386例をウステキヌマブ群とアダリムマブ群に無作為化 研究グループは、生物学的製剤による治療歴のない18歳以上の中等症~重症活動期クローン病患者を、ウステキヌマブ群またはアダリムマブ群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。適格基準は、クローン病活動指数(CDAI)スコアが220~450点、生物学的製剤未使用で従来の治療が無効または不耐容(あるいは副腎皮質ステロイド依存性)、ベースラインの内視鏡評価で1つ以上の潰瘍を有する患者とした。 ウステキヌマブ群は、約6mg/kgを初日(Day 0)に静脈内投与し、その後56週まで8週に1回90mgを皮下投与した。また、アダリムマブ群は、初日に160mg、2週目に80mg、その後56週まで2週に1回40mgを皮下投与した。いずれも単剤投与とし、投与量は変更しないこととした。 主要評価項目は、無作為割り付けされた全患者(intention-to-treat集団)における52週時の臨床的寛解率(CDAIスコア<150を達成した患者の割合)であった。 2018年6月28日~2019年12月12日の間に、633例が適格性を評価され、386例がウステキヌマブ群(191例)またはアダリムマブ群(195例)に割り付けられた。52週時の臨床的寛解率はウステキヌマブ群65%、アダリムマブ群61% ウステキヌマブ群では191例中29例(15%)、アダリムマブ群では195例中46例(24%)が52週時までに治療を中止した。 52週時の臨床的寛解率は、ウステキヌマブ群65%(124/191例)、アダリムマブ群61%(119/195例)であり、両群間に有意差は認められなかった(群間差4%、95%信頼区間[CI]:-6~14、p=0.42)。 安全性については、両群ともこれまでの報告と一致していた。重篤な感染症は、ウステキヌマブ群で191例中4例(2%)、アダリムマブ群で195例中5例(3%)が報告された。試験開始後52週時までの死亡例はなかった。

10965.

第114回 コロナ治療薬の「緊急承認」、日米における決定的な違いとは

ほっとしたと言うのが正直なところだ。厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は22日、塩野義製薬が製造販売を申請していた新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)治療薬候補で3CLプロテアーゼ阻害薬の「エンシトレルビル (商品名:ゾコーバ)」の緊急承認審議で当座の承認を見送ったというニュースについてである。従来の国内の新薬承認制度は、通常の承認に加え、条件付き早期承認制度、コロナ禍で何度も発動されてきた特例承認制度があったが、今年5月の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)改正で緊急承認制度が新設された。今回のエンシトレルビルはこの緊急承認制度を初めて利用したものだった。当初は今年2月に条件付き早期承認制度を使って承認申請が行われたが、緊急承認制度の新設に伴いこちらの制度適応に切り替えられた。この1件は週刊誌の記者などから、「塩野義の件は特例承認で対応できないのですか?」と聞かれることが多い。しかし、読者の皆さんもご存じかと思うが、結論から言えば「イエスでもあり、ノーでもある」が正解である。特例承認は薬機法第14 条の3の第1項で定めた(1)疾病のまん延防止等のために緊急の使用が必要、(2)当該医薬品の使用以外に適切な方法がない、(3)海外で販売等が認められている、の3要件を満たすことが条件となる。ちなみに(3)については、正式な製造承認ではない米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可(EUA)なども該当する。内資系製薬企業の多くにとって、特例承認制度は決定的に「不利」な部分がある。具体的には(3)だ。もしエンシトレルビルが日本に先んじて海外で何らかの形で承認されていれば、制度活用は可能である。しかし、日本より先に海外で承認を取れるようなパワー、具体的には海外で大規模臨床試験を迅速に実施できる体制がある内資系製薬企業は、かなりひいき目に見てようやく武田薬品が該当するくらいである。つまり内資系製薬企業にとって特例承認制度は「絵に描いた餅」である。では当初、塩野義製薬が目指した条件付き早期承認制度はどうか? これは以下の4条件すべてを満たすことが求められる。致死的疾患、進行が不可逆的で日常生活に著しい影響を及ぼす疾患、その他も含め総合的に評価して適応疾患が重篤既存の治療法、予防法または診断法がない、あるいは有効性、安全性、肉体的・精神的な患者負担の観点から、既存の治療法、予防法または診断法よりも医療上の有用性が優れている検証的臨床試験(すなわち第III相試験)が実施困難、実施可能でも患者数が少ないことなどで実施に相当期間を要する検証的臨床試験以外の臨床試験などの成績により、一定の有効性、安全性が示されている4条件を注意深く見ればわかるが、塩野義製薬によるエンシトレルビルに関する条件付き早期承認制度を通じた申請は、そもそもがかなりの拡大解釈、言ってしまえば「無理筋」である。まずこの制度が想定している疾患は、パンデミックを引き起こす感染症のような緊急性のある疾患よりはむしろ希少疾患であり、新型コロナは限りなくシロ(該当しない)に近いグレーである。しかも、新型コロナの経口治療薬は塩野義製薬による申請時点で、モルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)、ニルマトレルビル/リトナビル(同:パキロビッド)が存在している。そして何よりも決定的なのは本連載第101回でも触れたように、第IIb相臨床試験で有意なウイルス量の減少は認められたものの、総合的な臨床症状改善(12症状スコア)では有意差は認められていない。後者については重症化しにくいオミクロン株感染者、かつ重症化リスクの有無は関係無しで行われた試験であるため、それでも同株に特徴的な呼吸器症状部分だけでは有意差があった点を考慮すべきとの意見もあるが、それはやや我田引水である。その意味では新設された緊急承認制度は、ほぼFDAのEUAのようなもので少なくとも申請条件だけでみれば現在のエンシトレルビルにとっては好都合だ。まず特例承認制度で必須の海外での承認は不要である。既存の治療法などの有無についても、ご丁寧にも「対象患者の重症度や投与方法等が同一であっても、作用機序が異なる場合には、既承認薬が効果不十分である患者に対する有効性が期待できる可能性があるため、臨床的に必要であると判断できる場合がある」と厚生労働省の通知に記載されている。また、条件付き早期承認では第III相以前の試験で「一定の有効性、安全性が示される」ことが必須だが、緊急承認制度は安全性については条件付き早期承認制度と同基準であるものの、有効性は既存のデータや医学的知見から、合理的に推定できれば良い。ウイルス量の減少は確認されながら、臨床症状改善では有意差が認められたとは言い難い、現状「いまいち感」のエンシトレルビルにとってはまさに救世主的な制度だ。踏み込んで言えば、エンシトレルビルのためのような制度と言っても良い。しかし、冒頭で触れたように22日の審議では承認は先送りとなった。審議会では「今は流行が落ち着いているが、今後第7波や新たな変異株が登場する懸念もあるなかで、治療の選択肢を持っておくことは重要」「ウイルス量が減少すれば、実効再生産数が小さくなることが期待できる」と前向きなコメントがあった一方、「ウイルス量を減せても、臨床症状の改善は示されていないような曖昧な状況でこの薬を使うのはどうなのか」「経口薬は3つ目、プロテアーゼ阻害薬としても2つ目で緊急承認制度の要件を満たしていると言えるのか」と消極的な意見もあり、結論を得るに至らなかったという。私自身は今回の緊急承認制度について、日本になかったFDAのEUAとほぼ同等の緊急時に即した制度ができたという点では喜ばしいとは考えている。もっとも緊急承認制度とEUAは同じ仮免許でも抱えている社会背景が違う点では悩ましいとも考えている。というのも緊急承認制度は薬機法第14条の2の2の第1項で「その適正な使用の確保のために必要な条件及び2年を超えない範囲内の期限を付して」承認を与えることができるとし、この期限について同条第3項で「1年を超えない範囲内において延長することができる」と定めている。単純に言えば、2年以内、遅くとも3年未満で第III相臨床試験の結果を提出せよということだ。一見それほど高くないハードルにも思えそうだが、そうとは言い切れない。ファイザーの新型コロナワクチン(同:コミナティ)はアメリカを中心とする地域で、わずか4ヵ月程度で4万人を超える第III相試験の被検者を集めることができた。また、新型コロナパンデミック当初の2020年3月、FDAは抗マラリア薬のクロロキン、ヒドロキシクロロキンに新型コロナ治療薬としてのEUAを与えながら、わずか3ヵ月弱でそれを取り消している。大規模臨床試験の結果が短期間で得られたからである。しかし、日本の臨床試験環境はアメリカとはまったく違う。日本の製薬企業のパワーと日本の臨床試験に対する国民意識を考えれば、疾患の種類にかかわらず2年で第III相試験の結果を得るのはなかなか厳しいのではないだろうか。つまり日本では、緊急承認された治療薬は最悪2年前後の期間を目一杯現場で使用したうえで、最終的に「有効性は認められませんでした」という結果もありうる。しかも、過去に使われた薬剤費はかなりの部分を公的に負担する。その意味で実は緊急承認制度とは謳っていてもかなり慎重な議論が必要だろう。こうした懸念を持っているからこそ、今回の審議の結果を一定の安堵感を持って受け止めている。むしろこの薬については現在進行中と言われる試験結果を待ち、それがボジティブだった時に満を持して登場して欲しいと切に願う。

10967.

脳腫瘍診療ガイドライン 小児脳腫瘍編 2022年版

小児脳腫瘍編として代表的な6腫瘍型を収載!2019年版に収載されたSEGAを含め、代表的な6腫瘍型を収載した。小児がん領域では、脳腫瘍は白血病に次いで2番目に発症頻度が高く、最も予後不良である。また、腫瘍型によって生物学的悪性度や好発年齢・好発部位、治療反応性に大きく異なることから、小児脳腫瘍の適切な治療法に関する情報提供を目的として作成された。関連学会、患者団体にもご協力いただき、脳腫瘍診療に臨む医療者に役立つ内容となっている。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    脳腫瘍診療ガイドライン 小児脳腫瘍編 2022年版定価4,400円(税込)判型B5判頁数272頁・図数:10枚・カラー図数:1枚発行2022年5月編集日本脳腫瘍学会監修日本脳神経外科学会電子版でご購入の場合はこちら

10968.

NSCLCに対するペムブロリズマブ術後補助療法の第III相試験サブグループ解析(KEYNOTE-091/PEARLS)/ASCO2022

 KEYNOTE-091試験(EORTC-1416-LCG/ETOP-8-15-PEARLS)のサブグループ解析から、ペムブロリズマブの非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法は、術式や腫瘍サイズ、リンパ節転移や術前補助療法などを問わずに有用であることが示された。英国・The Royal Marsden NHS Foundation TrustのMary E.R. O'Brien氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2022)で報告した。 KEYNOTE-091試験は、Stage IB~IIIAの切除後NSCLCに対する術後補助療法としてのペムブロリズマブの有用性を評価した無作為化第III相試験である。中間解析においてPD-L1の発現状態に関わらず無病生存期間(DFS)を有意に延長した一方、TPS≧50%集団では有意な差を認めなかったことがプレスリリースで発表されている。今回は、術式、がんの状態、術前補助療法の有無などのサブグループ解析とともに具体的な結果も示されている。・対象:(TMN第7班による)Stage IB(≧4cm)からStage IIIAの完全切除NSCLC(1,117例)・試験群:外科的切除後にペムブロリズマブ200mg 3週ごと18回まで投与(590例)・対照群:治療薬と同様のスケジュールでプラセボを投与(587例)[主要評価項目]全集団のDFS、PD-L1 TPS≧50%のDFS[副次評価項目]PD-L1 TPS≧1%のDFS、全集団、PD-L1 TPS≧50%、≧1%の全生存期間(OS)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・全体集団DFS中央値は、ペムブロリズマブ群53.6ヵ月、プラセボ群42.0ヵ月、18ヵ月DFSはそれぞれ73.4%と64.3%であった(ハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.63~0.91、p=0.0014)。・PD-L1 TPS≧50%のDFS中央値はペムブロリズマブ群、プラセボ群とも未到達、18ヵ月DFSはそれぞれ71.7%と70.2%であった(HR:0.82、95%CI:0.57~01.18、p=0.14)。・全集団のOS中央値はペムブロリズマブ群、プラセボ群とも未到達、18ヵ月OSはそれぞれ91.7%と91.3%であった(HR:0.87 、95%CI:0.67~1.15、p=0.17)。・DFSのサブグループ解析では、術後補助療法なし、術後補助療法がカルボプラチン+パクリタキセルの集団を除き、術式タイプ、pNステータス、腫瘍サイズなど一貫してペムブロリズマブ群で良好な傾向が認められていた。 著者のO'Brien氏はポスター発表の中で、全集団の有効性と安全性の結果は、Stage IB(≧4cm)からStage IIIAに対するペムブロリズマブの術後補助療法のベネフィットを支持するものだと結んでいる。

10969.

トリフルリジン・チピラシル+ベバシズマブとトリフルリジン・チピラシル単剤の比較/ASCO2022

 転移のある大腸がん(mCRC)に対するトリフルリジン・チピラシルと抗VEGF抗体ベバシズマブの併用療法(FTD/TPI+BEV)は、トリフルリジン・チピラシル単剤療法(FTD/TPI)に比べて優れた有用性を認めるが、好中球減少症のリスクが高いことがメタ解析の結果から示された。国立がん研究センター東病院の吉野 孝之氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2022)で報告した。トリフルリジン・チピラシルの併用療法は単剤療法に比べて良好な結果 トリフルリジン・チピラシル単剤療法は、難治性のmCRCに対する標準治療として広く普及している。一方で、トリフルリジン・チピラシルと抗VEGF抗体ベバシズマブの併用療法については、難治性mCRC患者を対象とした第I相および第II相試験においてその有用性と忍容性が示されている。しかし、トリフルリジン・チピラシル単剤療法とトリフルリジン・チピラシルと抗VEGF抗体ベバシズマブの併用療法を直接した臨床研究はほとんどない。本検討では、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Libraryから検索した875文献から、PRISMフローチャートを用いて29の文献(RCT:5文献、非RCT:11文献、前向き観察研究:10文献を含む)を抽出してメタ解析を行い、両治療法の有効性と安全性について評価した。・対象:トリフルリジン・チピラシル単剤療法またはトリフルリジン・チピラシルと抗VEGF抗体ベバシズマブの併用療法が投与されたmCRC 患者、1万285例・試験群:トリフルリジン・チピラシルと抗VEGF抗体ベバシズマブの併用療法・対照群:トリフルリジン・チピラシル単剤療法・評価項目:病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、有害事象(AE)など トリフルリジン・チピラシル単剤療法とトリフルリジン・チピラシルと抗VEGF抗体ベバシズマブの併用療法の有効性と安全性について評価した主な結果は以下のとおり。・有効性の情報がプールされたデータ解析からは、試験群は対照群に比べて良好なDCR、PFS、OSの結果が示されていた。・両群の有効性について比較した唯一のRCT(第II相EudraCT試験:n=93)において、試験群と対照群のDCRはそれぞれ67%、51%で、リスク比(RR)は1.32(95%信頼区間[CI]:0.94~1.86、p=0.11)であった。・PFS中央値はそれぞれ4.6ヵ月と2.6ヵ月で、ハザード比(HR)は0.45(95%CI:0.29~0.72、p=0.0015)であった。・OSの中央値はそれぞれ9.4ヵ月と6.7ヵ月で、HRは0.55(95%CI:0.32~0.94、p=0.03)であった。・安全性の情報の事後解析からは、試験群と対照群でGrade3以上の発熱性好中球減少症(7% vs.3%)、無力症/倦怠感(4% vs.4%)、下痢(6% vs.2%)、悪心(5% vs.1%)、および嘔吐(3% vs.1%)の発現率は同程度だったが、Grade3以上の好中球減少症に関しては、対照群に比べて試験群で発現頻度が高かった(43% vs.29%)。また、AEによる中止率は、両群間で差は認められなかった。

10970.

思春期女性の食事行動とうつ病との関連

 うつ病の増加は、公衆衛生上の重大な問題となっている。うつ病と食事行動との関連が示唆されているものの、そのエビデンスは限られている。イラン・Shahid Sadoughi University of Medical SciencesのAbbas Ali Sangouni氏らは、食事行動とうつ病スコアとの関連を評価するため、横断的研究を実施した。その結果、いくつかの摂食行動とうつ病スコアとの有意な関連が認められたことを報告した。BMC Public Health誌2022年6月11日号の報告。 対象は、12~18歳のイラン人の思春期女性933人。うつ病重症度スコアにはベックうつ病評価尺度のペルシャ語版を用いて評価した。食事行動は事前に定義し、10項目の標準的な質問票を用いて評価した。食事行動とうつ病スコアとの関連を評価するため、租分および調整済みモデル線形回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・軽度~重度のうつ症状が認められた女性は32.3%、うつ症状がないまたは非常に軽度であった女性は67.7%であった。・うつ病スコアとの有意な逆相関が認められた因子は、以下のとおりであった。 ●メインディッシュの消費量:β=-0.141(95%CI:-3.644~-1.000)、p=0.001 ●スナック菓子の消費量:β=-0.100(95%CI:-2.400~-0.317)、p=0.002 ●通常の食事摂取量:β=0.23(95%CI:0.13~0.42)、p=0.001 ●咀嚼:β=-0.152(95%CI:-2.279~-0.753)、p=0.03これらの関連は、交絡因子で調整した後でも有意なままであった。・租分モデルにおいて、うつ病スコアとの直接的な関連が認められた因子は、以下のとおりであった。 ●食事内水分摂取の頻度:β=0.096(95%CI:0.288~1.535)、p=0.004 ●辛い食品の消費量:β=0.076(95%CI:0.098~1.508)、p=0.02これらの関連は、完全に調整されたモデルでは消失した。・朝食の摂取量、揚げ物の摂取量、咀嚼能力、歯の喪失は、うつ病スコアとの有意な関連は認められなかった(p>0.05)。

10971.

mRNAワクチン後の心筋炎/心膜炎リスク、何回目が高いか/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチン接種後に、稀ではあるが心筋炎または心膜炎のリスク増加が認められ、とくに18~25歳の男性で2回目接種後に最も高いことが、米国食品医薬品局(FDA)のHui-Lee Wong氏らによる後ろ向きコホート研究で示された。米国の医療保険請求データベースを用い、mRNA-1273(モデルナ製)とBNT162b2(ファイザー製)の接種後における心筋炎または心膜炎のリスクを定量的に直接比較した。これまで、いくつかの受動的サーベイランスシステムにより、とくに若年男性において、COVID-19 mRNAワクチン接種後の心筋炎または心膜炎のリスク増加が報告されていた。著者は、「今回の結果は、mRNA-1273とBNT162b2との間に統計学的に有意なリスク差があることを示していないが、差が存在する可能性は除外されるべきではない。また、ベネフィット-リスクプロファイルに従い、いずれかのmRNAワクチンの接種は引き続き支持される」とまとめている。Lancet誌2022年6月11日号掲載の報告。大規模医療保険請求データベースを用いて心筋炎/心膜炎とワクチンとの関連を解析 研究グループは、米国の4つの医療保険請求データベース(Optum、HealthCore、Blue Health Intelligence、CVS Health)を用い、後ろ向きコホート研究を行った。対象は、COVID-19 mRNAワクチン(BNT162b2またはmRNA-1273)を1回以上接種し、初回接種時の年齢が18~64歳のすべての個人で、国際疾病分類(ICD)コードを用いて、ワクチン接種後1~7日に発症した心筋炎または心膜炎を特定した。 心筋炎または心膜炎と各ワクチンとの関連を評価するため、ワクチン接種後の心筋炎または心膜炎の発生率(観察値:O)と、ワクチン非接種時の心筋炎または心膜炎の発生率の代理として、同データベースの過去(ワクチンが提供される1年前の2019年)のコホートから推定された発生率(期待値:E)を比較した。また、多変量ポアソン回帰モデルを用い、ワクチンの製品別の発生率と、mRNA-1273とBNT162b2を比較した発生率比(IRR)を推定し、メタ解析によりデータベースごとの発生率とIRRを統合した。18~25歳の男性で高リスクだが、製品別で心筋炎/心膜炎の発生に有意差なし 2020年12月18日~2021年12月25日の間に、18~64歳の1,514万8,369人がワクチン接種(BNT162b2が1,691万2,716回、mRNA-1273が1,063万1,554回)を受けた。 ワクチン接種後の心筋炎または心膜炎あるいはその両方が、計411例確認された。411例の背景(各データベースにおける割合)は、18~25歳が33~42%、男性が58~73%であった。 18~25歳の男性において、統合発生率は2回目接種後が最も高く、発生率(10万人日当たり)は、BNT162b2で1.71(95%信頼区間[CI]:1.31~2.23)、mRNA-1273で2.17(1.55~3.04)であった。 また、18~25歳の男性において、mRNA-1273のあらゆる接種回数後の心筋炎または心膜炎の発生率は、BNT162b2の同発生率と比較して有意差は認められなかった(統合補正後IRR:1.43、95%CI:0.88~2.34)。BNT162b2接種者と比較したmRNA-1273接種者の心筋炎または心膜炎の過剰リスクは、100万回接種当たり27.80(95%CI:-21.88~77.48)であった。

10972.

乳がん検出の違い、3Dマンモvs.デジタルマンモ/JAMA

 乳がんスクリーニングにおける、デジタル乳房トモシンセシス(DBT)とマンモグラフィの検出の違いを比較した結果、浸潤性中間期乳がんリスクについては有意差が認められなかったが、「きわめて高濃度乳房で乳がんリスクが高い」女性(試験集団の3.6%)の進行乳がんリスク低下については有意な関連が示された。一方で、試験集団の96.4%の女性(非高濃度乳房、不均一な高濃度乳房、またはきわめて高濃度乳房だがリスクが高くない)で、有意差は観察されなかった。米国・カリフォルニア大学のKarla Kerlikowske氏らが、コホート研究の結果を報告した。DBTは女性の高濃度乳房のがん検出を改善することを期待して開発されたものだが、浸潤性中間期乳がんおよび進行乳がん、乳がん死亡と関連する中間アウトカムについて、高濃度乳房および乳がんリスク別に評価する研究が必要とされていた。JAMA誌2022年6月14日号掲載の報告。浸潤性中間期乳がんと進行乳がんの発生率を高濃度乳房と乳がんリスクで検討 研究グループは、米国乳がんサーベイランス・コンソーシアム(BCSC)の44施設において、2011~18年にデジタルマンモグラフィまたはDBTによるスクリーニングを受け、2019年まで州または地域のがん登録との連携によりがん診断の追跡調査を受けた、乳がんまたは乳腺切除の既往がない40~79歳の女性50万4,427例について解析した。 BI-RADS分類(ほぼ全体が脂肪性、散在性(線維腺)、不均一な高濃度乳房、きわめて高濃度乳房の4区分)とBCSC 5年乳がんリスク指標(1.67%未満[乳がん低~平均リスク]、1.67%以上[乳がん高リスク]の2区分)を用い、マンモグラフィ検査後12ヵ月以内の浸潤性中間期乳がんおよび進行乳がん(病理学的ステージがII以上)の発生頻度(スクリーニング1,000件当たり)を、いずれも逆確率重み付け法により推定した。 解析対象の女性50万4,427例におけるスクリーニング件数は、デジタルマンモグラフィが100万3,900件、DBTが37万5,189件で、マンモグラフィ検査時の年齢中央値は58歳(IQR:50~65)であった。DBTとマンモグラフィで有意差なし、一部でDBTは進行乳がんのリスク低下に有用 スクリーニング件数1,000件当たりの浸潤性中間期乳がんの発生率は、DBT vs.デジタルマンモグラフィの比較において有意差は認められなかった(全体でそれぞれ0.57 vs.0.61、群間差:-0.04、95%信頼区間[CI]:-0.14~0.06、p=0.43)。また、高濃度乳房で乳がん低~平均リスクの83万6,250件すべて、または乳がん高リスクの41万3,061件すべてにおいても、有意差は認められなかった。 進行乳がんの発生頻度は、BI-RADS分類の「ほぼ全体が脂肪性」「散在性(線維腺)」「不均一な高濃度乳房」に該当する女性では、乳がん低~平均リスクまたは高リスクを問わず、DBTとマンモグラフィで有意差は確認されなかった。しかし、「きわめて高濃度乳房」で乳がん高リスクの女性(試験集団の3.6%)では、DBTのほうがマンモグラフィより有意に低かった(DBT群1万3,291件vs.マンモグラフィ群3万1,300件、1,000件当たり0.27 vs.0.80、群間差:-0.53[95%CI:-0.97~-0.10])。「きわめて高濃度乳房」で乳がん低~平均リスクの女性では、有意差は確認されなかった(1万611件vs.3万7,796件、0.54 vs.0.42、0.12[-0.09~0.32])。

10973.

カナグル、「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病」の適応追加承認を取得/田辺三菱

 田辺三菱製薬は、6月21日、同社のSGLT2阻害薬カナグル(一般名:カナグリフロジン)が、「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く)」の適応追加承認を取得したことを発表した。カナグルは、2型糖尿病治療薬として2014年に製造販売承認を取得し、販売を開始している。カナグルの適応追加で慢性腎臓病患者QOL向上に寄与 2型糖尿病は、慢性腎臓病の発症や進展のリスク因子であり、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者は多く存在する。病態の進行に伴い腎機能が低下し、腎不全に至った場合には透析療法への移行が必要となるが、透析療法は患者のQOLを低下させるだけでなく、医療経済的な観点からも重要な課題となっている。 同社は、「今回のカナグル錠の適応追加承認の取得は、これらの課題を解決する選択肢の1つとなり、2020年に発売した腎性貧血治療剤バフセオ錠と共に、腎臓疾患に苦しんでいる患者さんのQOL向上に寄与するものと考えている」としている。

10974.

再発難治DLBCLに対する二重抗体薬glofitamabの有効性/ASCO2022

 再発・難治のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(R/R DLBCL)は近年、CAR-T細胞療法や薬物複合体であるポラツズマブ ベドチンなどの新薬が登場し、治療成績は向上しているが、それらの治療を経ても再発・難治となる場合もあり、さらなる新薬の開発が望まれている。新たに開発されているglofitamabは、CD20(B細胞)に二価性、CD3(T細胞)に一価性を与える新たな2:1構成のT細胞結合二重特異性抗体薬である。このglofitamabの第II相試験の結果について、オーストラリア・メルボルン大学のMichael Dickinson氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2022 ASCO Annual Meeting)で発表した。再発・難治のDLBCL患者においてglofitamabの完全奏効率は39.4%・対象:2ライン以上の前治療歴のある再発・難治のDLBCL患者・試験群:オビヌツズマブ(1,000mg)の前治療後、glofitamabを8日目2.5mg、15日目10mg、2サイクル目から目標用量30mgで投与。21日ごとに最大12サイクル。・評価項目:[主要評価項目]独立審査委員会(IRC)によるCR(完全奏効)率[副次評価項目]奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)など 主な結果は以下のとおり。・再発・難治のDLBCL患者155例が組み込まれた(年齢中央値66[21-90]歳、男性65%)。60%が3回以上の前治療、33%がCAR-T治療を受けていた。・ほとんどの再発・難治のDLBCL患者がCD20 抗体を含む前治療(86%)に抵抗性で、CAR-T療法(30%)抵抗性の患者も含まれた。・追跡期間中央値12.6ヵ月後、ORRは51.6%(95%信頼区間[CI]:43.5~59.7)、CR率は39.4%(95%CI:31.6~47.5)だった。CAR-T療法による前治療のあり・なしでCR率に大きな差はなかった(35%対42%)。・CRまでの期間中央値は42(41~48)日だった。・PFS中央値は4.9(95%CI:3.4~8.1)ヵ月、OS中央値は11.5(95%CI:7.9~15.7)ヵ月だった。・有害事象は、サイトカイン放出症候群(CRS)が63%で発生したが、ほとんどがGrade1(48%)または 2(12%)だった。感染症(39%、Grade3以上は15%)、好中球減少症(38%、同27%)などが比較的多く見られたが、治療中止につながるものは稀だった。 これらの結果を踏まえ、著者らは「glofitamabは前治療に耐性のある再発・難治のDLBCLにおいて有用性を示し、新たな治療薬として期待できる」としている。

10975.

興味のある病気、ない病気【Dr. 中島の 新・徒然草】(431)

四百三十一の段 興味のある病気、ない病気その患者さんは70代だったか80代だったか。なぜ脳外科外来に通院しているのかも、もはや不明。私の外来はそんな人ばかりです。半年に1回くらいであればいいかと思って、そのまま通院してもらっています。で、今回の彼女の相談は何かというと……、患者「中島先生、耳鼻科で診てもらうことはできるかな?」中島「どうされました」患者「声がかすれてきたのよ」中島「いつ頃からですか?」患者「気になりだしたのは最近だけど、1年ほど前から違和感はあったのよね」このような訴えを適当にあしらってしまって、後で喉頭がんなんかが見つかったら最悪です。中島「じゃあ、ウチの耳鼻科で診てもらうよう手配しましょうか」患者「お願いできる?」中島「喉頭がんで声がかれるってこともありますからね」患者「ええっ!」いやいや、それが心配で相談したのではないですか?患者「声がかれるだけじゃなくて、ちょっと痰も絡むのよ」中島「今日は耳鼻科に行く時間ありますか?」患者「ええ、大丈夫」というわけで、耳鼻科にコンサルを入れました。ファイバーで覗いたりするのでしょうね、たぶん。中島「それでね、あらかじめお伝えしておきたいことがあるんですけど」患者「何かしら」中島「もしいろいろ検査して、何も悪い病気はありませんと言われたら」患者「そうであって欲しいわ」中島「次は、どうして声はかすれたり痰がからんだりするのか、という疑問を持ちますよね」患者「ええ」中島「ちょっと尋ねてみて、耳鼻科の先生が『うーん、何ででしょうね』と言ったら、もうそれ以上食い下がらないほうがいいと思いますよ」彼女は「どうして?」という表情になっています。中島「たぶんその先生は、あまり痰には興味もないし、得意でもないからです」患者「そうなんですか」中島「だから不毛な論争をするよりも、開業医の先生に診てもらうほうがいいですよ」読者の皆様、心当たりがありすぎだと思いますが、これは本当の事ですね。お医者さんにとって、世の中の病気は2種類しかありません。興味があるか、興味がないか。中島「もし必要だったら、私がクリニックを紹介しますから、また来てください」そう言いながら、私は何人かの知り合いの先生の顔を思い浮かべました。耳鼻科なら医師会の知り合いの先生か、当院OBの先生。内科だったら近所の先生方かな。そう言うと、患者さんはちょっと安心されたようです。患者さんのニーズとお医者さんの興味を一致させるのも一苦労ですね。最後に1句声かれて 耳鼻科訪ねる 夏至の午後

10976.

高齢患者の「薬が飲めなくなった」という状況に使えるのは?【非専門医のための緩和ケアTips】第30回

第30回 高齢患者の「薬が飲めなくなった」という状況に使えるのは?緩和ケアを実践していると、よく遭遇するのが「薬が飲めなくなった」という状況です。こんなとき、皆さんはどうしていますか? 症状緩和に必要な薬剤の投与を継続するための強い味方、皮下投与に関するお話です。今日の質問終末期、多くの患者さんは内服が難しくなります。がん疼痛などでオピオイドを使用していると、静脈投与に切り替えようと思っても末梢ルートが取れないことも多いです。貼付剤もあるのは知っていますが、レスキューが必要な場合、どのように対応すればよいのでしょうか?今回いただいた質問のような状況は、非常に多く経験します。終末期であれば内服ができなくなるのは当然のことです。また、がん患者や高齢者では、抗がん剤の影響や皮膚の脆弱性によって末梢ルートの確保が難しいこともよくあります。何度もルート確保に失敗すると、苦痛緩和のために行う処置が苦痛の原因になってしまう……。避けたい事態です。では、そんな時にどのようにすればよいのでしょうか? 緩和ケア領域では、しばしば皮下投与が行われます。今回の状況であれば、モルヒネやオキシコドンの注射薬がありますので、それらの持続皮下投与が使えます。皮下投与は静脈ルートの確保が必要ないので、手技的には非常に簡便です。認知症高齢者やせん妄患者が自己抜去してしまった際も、出血が少ないので安全です。また、投与可能な薬剤もオピオイドだけでなく、ハロペリドールや腸閉塞に対して使用するオクトレオチド、セフトリアキソンといった一部の抗菌薬も皮下投与が可能です。皮下投与には注意が必要な面もあります。一つは、静脈投与に比べて効果発現までに時間がかかる、という点です。非常に強い症状に対して急速な鎮静が必要、といった場合には向きません。また、皮下投与が可能な薬剤の多くは適応外使用となります。「経験上、安全かつ有効な投与が可能と見なされる」という位置づけで、この点は理解しておく必要があります。このあたりは皮下投与に限らず、緩和ケア領域で使用する薬剤では常に出てくる懸念です。オピオイドを皮下投与で行う場合は、少量ずつ持続投与します。そのために皮下投与用のデバイスが必要となり、多くの施設の緩和ケア病棟で利用されています。在宅医療の場合には、持続皮下投与のためのシリンジポンプが必要です。皮下投与が使えると、緩和ケアの対応の幅がぐっと広がります。デバイスが必要にはなりますが、ぜひ活用してください。今回のTips今回のTips内服が難しくなった患者さんには、皮下投与が有効です。

10977.

頭頸部診療ガイドライン 2022年版

治療法の変化や新知見に対応した改訂版。実臨床を強くサポート!頭頸部診療の指針となる診療ガイドラインの改訂第4版。化学放射線療法、センチネルリンパ節生検、術後の放射線治療に併用するシスプラチンの投与法、再発転移例へのfirst lineの薬物療法など、近年の重要な臨床試験結果や、遺伝子情報に基づく個別化治療の知見について対応している。新項目として治療各論に「嗅神経芽細胞腫」、CQに「緩和ケア」が追加された。解説項目、CQともにさらに充実した、実臨床を強くサポートする1冊。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    頭頸部診療ガイドライン 2022年版定価3,960円(税込)判型B5判頁数252頁・図数:11枚発行2022年5月編集日本頭頸部学会電子版でご購入の場合はこちら

10978.

第114回 療養病床の終焉、実態に即した「慢性期重症治療病床」へ

「療養病床の終焉がすぐそこに近づいてきた」。日本慢性期医療協会(日慢協)の武久 洋三会長は、会長職としては最後の定例記者会見となる5月19日、刺激的な発言をした。「今では療養病床は、病床の実態が療養ではなく、慢性期重症治療病床となっている。もはやこのような病床は療養病床とは言えない」との見解を述べた。療養病床の入院患者は、決して療養が必要な患者ではなく、むしろICU(集中治療室)に近いような重度の高齢者がほとんどであるとの現状認識を示したうえで、病床の名前を実態に即した「慢性期重症治療病床」にただちに変更すべきであると提案した。重症高齢患者を短期間の治療で日常生活に戻す役割に療養病床の変遷を見ると、まず1983年に特例許可老人病棟が導入され、1992年に療養型病床群が創設された。2000年には療養病棟入院基本料が新設され、現在に至っている。以前は療養が必要な病床として、高齢の寝たきり患者の受け入れを主に担っていたが、2006年に医療区分が導入され、重症である医療区分2・3患者の割合は「療養病棟入院基本料1」(以下、療養1)で8割以上、「療養病棟入院基本料2」(以下、療養2)で5割以上が求められている。2010年には療養病棟入院基本料が再編され、20対1の療養1と、25対1の療養2という看護師配置基準が入った。2018年に、25対1をやめ、20対1に一本化することが決定。介護保険制度の施行などにより、療養病床の役割は「重度の高齢患者を受け入れ、短期間の治療で日常生活に戻す」ことになっている。実際、日慢協会員病院は、療養1で50%以上の患者を日常生活に戻している実績がある。療養病床の「療養」という言葉には「養生」のイメージが強いが、現状は「治療」の要素が強い。それにもかかわらず、療養病床と呼ばれていることに対して、武久会長は異を唱えたわけだ。「療養的な病床はもうやめなさいということ」2022年度診療報酬改定も、療養病床が「治療」の病床でない場合は評価しない方針を示している。療養病床である地域包括ケア病棟に対して、救急医療提供などを行わない場合は入院料を5%減算するなど、複数の減算規定が盛り込まれた。「5%減算されたら、病院によっては収支トントン状態が少々赤字に転じる可能性がある。10%減算されると、完全に赤字になる」と武久会長。療養病棟入院基本料の経過措置病棟は、今回の改定でそれまでの15~25%減算となった。武久会長は「要するに、もうやめなさいということだ」と述べた。武久会長が2008年に日本療養病床協会の会長に推挙された際の条件として、協会名を日本慢性期医療協会にすることをお願いして現在の協会名に改称された。そして14年が経過し、武久会長は「会の名称を変えたのは正しかった。療養病床という病床名を慢性期重症治療病床に変えるべきだ」と訴えた。目指すは地域の医療ニーズに応えられる多機能化そのうえで、「急性期医療だけでは日本の医療制度は完遂しない。そして全床療養病床だけの病院は消滅するだろう。地域の高齢の慢性期患者や要介護者の急変も治療できないような病院は、地域で必要とされなくなる」と指摘。「これからの会員病院は慢性期多機能病院として、地域包括ケア病棟と回復期リハビリテーション病棟を配置し、2次救急指定を取って自宅・居住系施設などの入所者の急変時対応を行い、地域多機能病院として地域の信頼を得る努力をするべきだ」と提言した。病院は看取りの場ではない。病院は治療の場である。治る見込みがある患者を治療する場である。看取りは介護医療院などで慎重に行うべきだろう。武久会長の考えは、療養病床を持つ病院に対して、地域の医療ニーズに応じた多機能化を求めている。

10979.

ctDNAは再発率を上げずに結腸がんの術後補助療法を減らせるか(DYNAMIC)/ASCO2022

 StageII結腸がんの術後補助療法において、循環腫瘍DNA(ctDNA)ガイド下でのアプローチは、標準アプローチと比べ、再発リスクの非劣性を示すとともに、同療法の実施率を減らすことが示された。オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのJeanne Tie氏が米国臨床腫瘍学会年次集会(ASCO2022)で発表した。ctDNAはStageII結腸がん術後症例の再発リスクををより正確に同定できるか StageII結腸がんは手術のみで80%が治癒する。一方、術後補助療法については生存ベネフィットが明らかでないため、ガイドラインでは高リスク症例に考慮するよう推めている。しかし、高リスク症例では術後補助療法の成績は良好ではない。そのため、再発リスクをより正確に予測し、術後補助療法の恩恵が高い症例を明らかにしていくことが求められている。同時に恩恵が低い症例には不必要な治療を回避することも重要だとされる。  そのような中、ctDNAによる術後再発リスク評価の研究が進んでいる。固形がんでは根治切除後にctDNA陽性を示す症例の場合、術後療法なしでの再発は80%以上とされている。このように術後のctDNA陽性と再発リスクの相関は認められているが、同集団への術後補助療法の意義は証明されていない。 DYNAMIC試験は術後ctDNAガイド下で術後補助療法を行うことで、再発リスクを損なうことなく術後補助療法の使用を減らせる、という仮説を評価する多施設無作為化第II相試験である。 対象は術後補助療法適用可能なR0切除後のStageIIの結腸がん患者。患者はctDNAガイド下または標準ガイド下に2対1で無作為に割り付けられた。ctDNAガイド下群では、手術後4週、7週のctDNAを検査し、陽性であれはオキサリプラチンベースまたはフルオロピリミジンの術後補助療法が行われた。 ctDNA陰性症例には術後補助療法は行われていない。標準ガイド下群では、従来どおり臨床病理に基づき術後補助療法が行われた。有効性評価項目は2年無再発生存(RFS)率の非劣性、重要な副次的評価項目は術後補助療法の使用などである。 ctDNAガイド下アプローチで下がった術後補助療法実施率、再発リスクは変わらず 2015年8月~2019年8月に455例無作為化され、302例がctDNAガイド下に、153例が標準ガイド下に割り付けられた。 追跡期間中央値37ヵ月の術後補助療法の実施率は、ctDNAガイド下群で15.3%、標準ガイド下では27.9%で、ctDNAガイド下群の術後補助療法実施が少なかった(オッズ比:2.14、p=0.002)。術後補助療法のレジメンは、ctDNAガイド下群では、フルオロピリミジンよりも有意にオキサリプラチンベースレジメンが多かった(62.2%対9.8%; p<0.001)。 2年RFS率は、ctDNAガイド下群では93.5%、標準ガイド下群では92.4%であった(差:1.1%、95%信頼区間[CI]:4.1〜6.2)。事前に設定された群間差の95%CI下限値である-8.5%を達成し、ctDNAガイド下群の非劣性が証明された。 サブグループ解析でもほとんどの項目で同等であったが、T4症例ではctCNAガイド下群が優勢だった。 さらに術後ctDNA陽性例と陰性例の3年RFSを比較した。術後ctDNA陽性例の3年RFSは術後補助療法を行って86.4%、ctDNA陰性例の3年RFSは術後補助療法行わずに92.5%であった。 StageIIの結腸がんへのctDNAガイド下のアプローチは、再発率を損なうことなく術後補助療法の使用を減らした。また、術後療法なしでは80%以上が再発するとされている術後ctDNA陽性例において、術後補助療法を受けた症例の3年RFSは8.4%と良好であることから、この集団は術後補助療法の恩恵を受けると考えられる。術後ctDNA陰性例では術後補助療法を行わなくても、3年RFSは92.5%と再発は少なかった。 StageII結腸がん術後補助療法におけるctDNAの役割を探る、今後の臨床試験の結果を待ち望む、と発表者のTie氏は締めくくった。

10980.

NSCLC1次治療でのLAG-3タンパク+ペムブロリズマブの効果(TACTI-002)/ASCO2022

 LAG-3タンパクeftilagimod alpha(efti)とペムブロリズマブとの併用は、PD-L1の発現状態にかかわらず非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療に有効である可能性が示された。スペイン・Vall d’Hebron Institute of OncologyのEnriqueta Felip氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2022)で報告した。 eftiは、MHCクラスII分子のサブセットに結合して抗原提示細胞(APC)の活性化とCD8T細胞の活性化を仲介する可溶性LAG-3タンパクで、抗PD-1抗体薬とは異なる免疫チェックポイント阻害薬として注目されている。eftiの併用によるAPCの刺激とT細胞の活性化は、抗PD-1抗体薬の単独療法よりも強い抗腫瘍効果をもたらす可能性がある。そこで、NSCLC患者を対象にeftiとペムブロリズマブとの併用効果について評価する第II相試験(TACTI-002)が現在進行している。今回は、同試験におけるPD-L1の発現状態を問わないコホート集団の結果から、両薬剤の併用効果について評価した。・対象:PD-L1 の発現状態を問わない進行 NSCLC患者(114例)・方法:efti 30mg 2週ごと+ペムブロリズマブ200mg 3週ごと8サイクル→両剤を3週ごと9サイクル→ペムブロリズマブ3週ごと16サイクル・評価項目: [主要評価項目]iRECISTに基づく奏効率(ORR) [副次評価項目]RECIST v1.1に基づくORR、病勢コントロール率(DCR)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・患者の年齢中央値は67歳、男性74%、95%喫煙歴あり、PD-L1陽性率(TPS)1%未満は32.5%、1~49%が35.1%、70%超が27.2%であった。・iRECISTに基づくORRは38.6%であった。すべてのPD-L1サブグループで効果がみられ、TPS 50%以上のORRは52.6%であった。・RECIST v1.1に基づくORRは37.7%で、DCRは71.9%であった。・11例(9.6%)の患者が有害事象のために治療を中止していた。

検索結果 合計:35638件 表示位置:10961 - 10980