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2022年の消化器がん薬物療法の進歩を振り返る!【Oncology主要トピックス2022 消化器がん編】【消化器がんインタビュー】第12回

がんに対する薬物療法の開発は日進月歩の勢いで進んでおり、新たなエビデンスが日々生み出されている。かつて、消化器がんに対する薬物療法は、選択肢やその治療効果が限定的であったが、近年では分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が実臨床に導入され、さらには抗体薬物複合体も標準治療に組み込まれるなど、目覚ましい進歩を遂げている。2022年はCheckMate 648試験を皮切りに、消化器がん薬物療法に関する学会発表や論文を含め多くの新知見が報告された印象的な1年であった。本稿ではその中でも実臨床に直結し得るインパクトのあった報告を、がん種ごとにまとめて概説する。がん種ごとのエビデンス1. 食道がん・CheckMate 648試験(Doki Y, et al. N Engl J Med 2022;386:449-462.)CheckMate 648試験は、未治療の根治切除不能な進行・再発食道扁平上皮がんを対象に、シスプラチン+5-FU(CF)療法を対照として、CFとニボルマブ併用療法の優越性、ニボルマブとイピリムマブ併用療法の優越性を検証した国際共同第III相試験である。主要評価項目はPD-L1陽性(TPS≧1)例における全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)と設定された。本試験には970例が登録され、PD-L1陽性例におけるOS中央値はCF療法群が9.1ヵ月、ニボルマブ併用群が15.4ヵ月と優越性(ハザード比[HR]:0.54、95%信頼区間[CI]:0.37~0.80、p

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長時間労働に関連するうつ病リスクに対する身体活動の影響

 長時間労働がうつ病発症率の増加と関連していることを示唆する研究が増加している。しかし、長時間労働に関連するうつ病リスクに対する身体活動(PA)の影響を調査した研究はほとんどなかった。中国・Beijing Institute of Occupational Disease Prevention and TreatmentのTenglong Yan氏らは、PAが長時間労働に関連するうつ病リスクの修正可能な因子であるかを検討した。その結果、長時間労働はうつ病リスクと関連しており、PAはうつ病リスクをある程度修正可能であることが示唆された。Journal of Affective Disorders誌2023年1月15日号の報告。 2015~18年の国民健康栄養調査より得られた横断的データを分析した。国際労働機関(ILO)の基準により、長時間労働は、1週間当たり40時間以上と定義した。うつ病の特定には、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いた。長時間労働とうつ病との関連を推測し、PAとの関連を明らかにするため、バイナリロジスティック回帰および制限付き3次スプライン(RCS)モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・分析対象5,958人のうち、3,074人(51.6%)が長時間労働に該当していた。・うつ病の有病率は、7.7%であった。・ロジスティック回帰分析では、長時間労働とうつ病リスクとの関連が認められ(オッズ比[OR]:1.738、95%信頼区間[CI]:1.427~2.117)、他の交絡因子で調整した後でも、この関連は維持されていた。・RCSモデルでは、高度なPA群でうつ病リスクが最も低く、次いで低度PA群および非PA群であることが確認された。

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モデルナ製COVID-19ワクチン、追加免疫の接種対象が12歳以上に拡大

 モデルナは2022年12月12日付のプレスリリースで、「スパイクバックス筋注」(1価:起源株)、「スパイクバックス筋注」(2価:起源株/オミクロン株BA.1)および「スパイクバックス筋注」(2価:起源株/オミクロン株BA.4/5)の追加免疫について、日本における添付文書を改訂し、接種対象年齢が12歳以上に拡大されたことを発表した。 これについてモデルナ・ジャパン代表取締役社長の鈴木 蘭美氏は「オミクロン株とその亜系統による感染が拡大する中、モデルナのCOVID-19ワクチンにより進学や受験といったイベントを控える方の多い12~17歳の年齢層をCOVID-19から守れることを嬉しく思います」と述べている。 なお、日本小児科学会(会長:岡 明氏[埼玉県立小児医療センター])の予防接種・感染症対策委員会は、同学会のホームページで「5~17歳の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方」を発表しており、COVID-19の重症化予防に寄与することが確認されたことを踏まえ、メリットがデメリットを大きく上回ると判断し、小児へのワクチン接種を推奨している。

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妊娠希望で乳がん術後内分泌療法を一時中断した場合の再発リスク(POSITIVE)/SABCS2022

 HR陽性早期乳がんの若年女性において、妊娠を希望して術後補助内分泌療法を一時中断した場合のアウトカムを検討した前向き試験はない。今回、内分泌療法を2年間中断した場合の乳がん再発の観点から見た安全性について、前向き単群試験のPOSITIVE試験で検討した結果、短期的には再発リスクに影響がないことが示唆された。米国・Dana-Farber Cancer InstituteのAnn H. Partridge氏が、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2022)で発表した。・対象:術後補助内分泌療法を18~30ヵ月間受けたStageI~IIIのHR陽性乳がん患者で、妊娠を希望し内分泌療法を中断する42歳以下の閉経前女性・方法:内分泌療法を、wash out期間(3ヵ月)を含み、妊娠企図、妊娠、出産、授乳で2年間中断し、再開後5~10年追跡・評価項目:[主要評価項目]乳がん無発症期間(BCFI)[副次評価項目]妊娠および出生児のアウトカムなど 主な結果は以下のとおり。・2014年12月~2019年12月に518例が登録された。登録時の年齢中央値は37歳(範囲:27~43歳)、75%が出産歴がなく、94%がStage I/IIであった。内分泌療法はタモキシフェン単独が最も多く(42%)、次いでタモキシフェン+卵巣機能抑制(36%)で、62%が術前もしくは術後化学療法を受けていた。・追跡期間中央値41ヵ月においてBCFIイベントが44例に発生し、3年間累積発生率は8.9%だった。これはSOFT/TEXT試験(Breast. 2020)の対照コホートで算出した9.2%と同様だった。・妊娠アウトカムを評価した497例中368例(74%)が1回以上妊娠し、317例(64%)が1回以上出産し、365児が誕生した。・その後の内分泌療法は、競合リスク分析によると76%が再開し、8%は再開前に再発/死亡し、15%は再開していなかった。 Partridge氏は「これらのデータは、若年の乳がん女性の治療とフォローアップに、患者中心の生殖医療を取り入れる必要があることを強調している」と述べた。なお、本試験は、内分泌療法の再開と乳がんのアウトカムをモニターするために、2029年までフォローアップ予定という。

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前立腺がんスクリーニング、MRI後標的生検のみは有用か?/NEJM

 前立腺特異抗原(PSA)高値者でのスクリーニングと早期発見に関して、系統的生検を避けMRIを用いた標的生検の実施は、過剰診断のリスクを半減するが、少数の患者で中リスクのがん発見が遅れるという代償を伴うことが、スウェーデン・Sahlgrenska University HospitalのJonas Hugosson氏らが行った無作為化試験「GOTEBORG-2試験」の結果、示された。前立腺がんのスクリーニングは過剰診断率の高さが難点で、住民ベースのスクリーニングに最適なアルゴリズムは明らかになっていない。NEJM誌2022年12月8日号掲載の報告。系統的生検と、MRI後に疑わしい場合に標的生検のみ実施を比較 研究グループは、PSA検査後、MRI検査陽性者に標的生検のみを行うスクリーニングアルゴリズムが、現在推奨されているスクリーニングと比較して過剰診断が少ないかどうかを検証した。Swedish Population Registerを用いて、2015~20年にスウェーデンのヨーテボリまたはその周辺の10の自治体に居住していた50~60歳の男性3万7,887例に対し、定期的PSAスクリーニングへの参加を促した。PSA検査を受け、試験への参加に同意した1万7,980例(47%)を、対照群、実験群1および2の3群に1対1対1の割合で割り付けた。 対照群では、PSA値3ng/mL以上の男性について全例MRIによる評価と系統的生検を行い、前立腺画像報告データシステム(PI-RADS)version 2のスコアが3~5点の場合は標的生検を追加した。実験群1では、PSA値3ng/mL以上の男性について、MRIによる評価を行い、疑わしい病変が発見された場合に標的生検のみを行った。また、PSA値10ng/mL以上の場合は、MRIの結果にかかわらず系統的生検(±標的生検)を実施した。実験群2は、実験群1と同様であるが、MRI実施のPSAカットオフ値を1.8ng/mLとした。 主要評価項目は、臨床的に重要でない前立腺がん(グリソンスコア3+3と定義)、副次評価項目は臨床的に重要な前立腺がん(グリソンスコア3+4以上と定義)とし、そのほかに安全性も評価した。 本試験の主要目的は、PSA値3ng/mL以上の男性について、系統的生検を避けMRI陽性病変のみの標的生検の有用性を評価することであった。そのため本論では、対照群(5,994例)vs.実験群(1、2の計1万1,986例)のうち、PSA値3ng/mL以上男性に関するスクリーニングの分析結果のみが報告されている。MRI後標的生検で過剰診断は半減するが、臨床的に重要ながんの検出も微減 臨床的に重要でない前立腺がんと診断されたのは、実験群では計1万1,986例中66例(0.6%)、対照群では5,994例中72例(1.2%)で、群間差は-0.7ポイント(95%信頼区間[CI]:-1.0~-0.4)であった(相対リスク[RR]:0.46、95%CI:0.33~0.64、p<0.001)。 臨床的に重要な前立腺がんの検出は、実験群110例(0.9%)、対照群68例(1.1%)であった(RR:0.81、95%CI:0.60~1.10)。 系統的生検のみによって検出された臨床的に重要な前立腺がんは、対照群では10例診断された。臨床病期T1cが7例、T2aまたはT2bが3例であり、6例は主に積極的サーベイランスで管理され、3例は根治的前立腺摘除術、1例は放射線療法で治療された。 重篤な有害事象は、両群共にまれ(0.1%未満)であった。 なお、著者は研究の限界として、参加者の年齢が比較的若いこと、単施設での試験であり一般化は制限される可能性があること、経会陰生検や画像ガイド下生検など新しい生検技術がスクリーニングアルゴリズムの診断性能を改善するかどうかは不明な点などを挙げている。

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bDMARD未治療の乾癬性関節炎、ビメキズマブの有効性は?/Lancet

 生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(bDMARD)による治療歴がない乾癬性関節炎患者において、ビメキズマブはプラセボと比較して、16週時の関節、皮膚、画像的な有効性アウトカムについて有意な改善が認められた。真菌感染の発現を含むビメキズマブの安全性プロファイルは、尋常性乾癬患者を対象にしたIL-17A阻害薬のこれまでの第III相試験結果と一致していた。英国・グラスゴー大学のIain B. Mclnnes氏らが、14ヵ国135施設で実施された52週間の第III相無作為化二重盲検プラセボ対照実薬(アダリムマブ)参照試験「BE OPTIMAL試験」の結果を報告した。ビメキズマブは、IL-17AおよびIL-17Fを選択的に阻害するモノクローナルIgG1抗体で、ビメキズマブの有効性と安全性は並行して実施されたBE OPTIMAL試験とBE COMPLETE試験の2つの第III相試験で検証された。Lancet誌オンライン版2022年12月6日号掲載の報告。ビメキズマブの有効性と安全性を対プラセボで検証 BE OPTIMAL試験は、52週間の無作為化二重盲検プラセボ対照実薬(アダリムマブ)参照試験で、16週間のプラセボ対照二重盲検期と、36週間の治療盲検期で構成される。本論では、事前に計画された24週時の主要解析結果が報告された。 適格基準は、18歳以上でスクリーニングの6ヵ月以上前から国際的な乾癬性関節炎の分類基準(CASPAR)を満たし、圧痛関節数(TJC)が3関節以上(68関節中)、腫脹関節数(SJC)が3関節以上(66関節中)、1ヵ所以上の活動性の乾癬病変または乾癬の既往患者で、乾癬性関節炎または乾癬に対して生物学的製剤の投与歴がある患者は除外した。 患者を、ビメキズマブ(1回160mgを4週ごとに皮下投与)群、プラセボ(2週ごとに皮下投与)群、アダリムマブ(1回40mgを2週ごとに皮下投与)群に3:2:1の割合で無作為に割り付けた(地域[北米、西ヨーロッパ、東ヨーロッパ、アジア]および骨びらん数[0または1以上]で層別化)。プラセボ群は、16週時にビメキズマブ(1回160mgを4週ごとに皮下投与)に切り替え、52週まで投与した。なお、本試験では、ビメキズマブ群またはプラセボ群と、アダリムマブ群を比較するための検出力はなかった。 主要エンドポイントは、米国リウマチ学会分類基準の50%以上改善(ACR50)を達成した患者の割合とし、解析にはnon-responder imputation法(評価が得られなかった症例はノンレスポンダーとして補完)を用いた。有効性解析対象集団は無作為化された全患者(intention-to-treat集団)、安全性解析集団は治験薬の投与を1回以上受けた患者とした。ACR50達成率はビメキズマブ群44%、プラセボ群10% 2019年4月3日~2021年10月25日の期間に、1,163例がスクリーニングを受け、852例がビメキズマブ群(431例)、プラセボ群(281例)、アダリムマブ群(140例)に無作為に割り付けられた。 16週時のACR50達成率は、ビメキズマブ群44%(189/431例)、プラセボ群10%(28/281例)、アダリムマブ群46%(64/140例)であり、プラセボ群と比較してビメキズマブ群で有意に高かった(オッズ比:7.1、95%信頼区間:4.6~10.9、p<0.0001)。 16週時までに治療下で発現した有害事象は、ビメキズマブ群で431例中258例(60%)、プラセボ群で281例中139例(49%)、アダリムマブ群で140例中83例(59%)報告された。死亡例はなかった。

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068)皮膚が教えてくれること。【Dr.デルぽんの診察室観察日記】(ブログより転載)

第68回 皮膚が教えてくれること。(『デルマな日常』より転載)デルにちわー!今日はちょっと頭痛いデルぽんだよ~☆このブログは、皮膚科勤務医デルぽんの正直どうでもいい日常をたまに熱っぽく語るお気楽絵日記漫画ブログです!以後お見知りおきを~☆さてさて。本日のデル日は。なんかちょっとメロドラマ風の三文記事タイトルにしてみました~☆どうぞ~~~えー。前回ちょっぴりいじけた漫画を描いてしまいましたが。皮膚は実に色んな物事を雄弁に語ってくれます。その人の癖や趣味、職業、年齢、幼少期の既往、生活環境や体調、この1週間に何をした・何処へ行った等々…長年皮膚と向き合っていると、色んなことがわかるようになり、それが皮膚科の楽しみのひとつかなあとおもっています。まあ、もちろんわかんないことも、沢山あるけどね!!!電車のなかとかは、比較的暇なので、気がついたら皮膚観察をしていることがままあります。美容師さんというのは本当にわかりやすく。パーマ液やシャンプーでなかなか治りにくい手湿疹をお持ちの方が多いです。まあ皮膚以前に見た目でわかるだろ、というツッコミは甘んじて受けます☆あと看護師さんや介護士さんなど手をとくに使うかたはそう。※とくにオペ看さん(たぶんストレスもある)アトピーの方というのは大人になり全身が綺麗になってきても手湿疹だけが残るという人がけっこう多い。この人はどんな背景を持った人かな~と思いながら皮膚を診ると、きっと皮膚科はもっと楽しくなるは・ず・・・☆ああ!頭痛いからこの辺で!それではまた~☆★ BYE~~☆※この記事は、Dr.デルぽんのご厚意により『デルマな日常』から転載させていただきました。(転載元:『デルマな日常』2016年06月23日 皮膚が教えてくれること。)

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名前が出てこない!【Dr. 中島の 新・徒然草】(456)

四百五十六の段 名前が出てこない!先日、脳外科外来を受診した患者さん。会社で悔しいことがあったりしたら、帰路にはオフコースを聴いていたのだとか。「オフコースの全盛期って、私はまだ小学生だったんですよ。でも子供心にも小田さんの声って素敵だなって思って」彼女は心の問題で出勤できなくなっていました。病気やら家庭のことやら、それはもう人生の大変なことが、一度に降りかかってきたわけです。それでしばらく病欠しておられました。「心療内科の先生のアドバイスで、少しずつ会社の近くまで行けるようになって、ついに裏門まで到達できました」そういう治療法があると耳にしたような気もしますが、実際にやっているんですね。「で、次は出勤して1時間だけ自分の机に座って何もせずに帰る、というのに挑戦しました」まだ病欠期間のことだったそうです。「人事部からは『前例がない』と許可が出なかったのですが、上司が味方になってくれて実現したんです」でも、机に座っているのに何もしない、というのは周囲からずいぶん奇異な目で見られたのだとか。「私がいないと思って、若い人が悪口を言っているのが聞こえてきたりして、つらかったです」そんな時に彼女の慰めになったのが、オフコースの歌でした。患者「心療内科の先生には『言いたい奴には言わせておけ』と言われました」中島「おお、ピッタリその通りの歌詞の歌がありますよ」患者「えっ、何ですか。ぜひ聴きたいです!」中島「えっと、テレビドラマで使われていて、SMAPの中居くんと篠原 涼子が出演していた医学もので、90年代の……うーん」患者「その頃の医学ものと言えば、『振り返れば奴がいる』ですか?」中島「いや、そっちじゃないです。うーん、うーん」こういうのが出てこなくなったんですよね、年を取ってから。後で調べてみると「輝く季節(とき)の中で」というテレビドラマで、「君がいたから」という曲でした。それと「言いたい奴」ではなく「笑いたい奴」でした。すみません。患者「じゃあ、帰りの地下鉄の中ででも、そのキーワードで調べてみます」中島「そうしてください。僕も年を取ったなあ」患者「先生も嫌なことがあった時に聴く曲がありますか?」中島「もちろんありますよ」患者「なになに? 教えてください!」またしても曲名が出てこない。中島「あの、ポカリスエットのコマーシャルで使われていた……一色 紗英の出ていたやつで」患者「YouTubeで探してみます」後で調べたら、織田 哲郎の「いつまでも変わらぬ愛を」でした。情けない。ちなみに彼女によるオフコースのベスト3は、「YES-YES-YES」「愛を止めないで」「眠れぬ夜」なのだそうです。患者「それで何ヵ月も掛かって、ようやくフルタイムで働けるようになりました」中島「すごいですね、それは!」患者「すごいですか?」中島「それはもう、白血病を克服してオリンピックに出場した、水泳の池江選手くらい立派ですよ」池江 璃花子選手ですね、今度は名前が出ました。それにしても、物忘れがひどくなったという患者さんの訴えを、自ら経験する日が来るとは!果たして次は、何を経験させられることになるのか?ということで最後に1句師走きて みんな忘れて 出てこない

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第24回 新型コロナ抗体薬の栄枯盛衰

どんどん効かなくなる抗体薬臨床現場で最も使った抗体薬といえば、ソトロビマブ(商品名:ゼビュディ)です。2022年の初頭あたりは、モルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)とソトロビマブを大事に使っていました。当時院内在庫が3本しかなくて、結局のところ、軽症例で海外のようにレムデシビル(商品名:ベクルリー)が使えないかと声が上がり、軽症の入院患者さんの抗ウイルス薬は、基本的にレムデシビルという流れになったと記憶しています。オミクロン株がBA.2になって、スパイクタンパクのS371F変異が影響し、これまで効果的と考えられたソトロビマブも有効性が低下していきました1)。主に血液悪性腫瘍などの抗体価が得られにくい患者さんに対して、チキサゲビマブ/シルガビマブ(商品名:エバシェルド)が予防的に用いられてきましたが、ここにきて再び変異ウイルスがBA.5からBQ.1.1などに変わりつつあります。最近、分離したBQ.1.1とXBBに対する抗体薬の効果は期待できないとする報告がありました2)。FRNT50(ウイルスの50%を中和する血清の希釈率の逆数)は表のとおりです。表. 抗体薬の効果(参考資料2をもとに筆者作成)もはや現在流通している抗体薬のすべてがBQ.1.1やXBBに効果を持たないことから、今後抗体薬が登場しても、またウイルスが変異して、といういたちごっこになる可能性があります。抗体薬はこのような変異が起こると、効果を失っていくのかと正直驚かざるを得ませんでした。頑張ってコマースした製剤が過去の薬剤になっていく構図は、製薬会社としてもつらいだろうなと思います。抗ウイルス薬は効果を保っている幸いにも抗ウイルス薬は変異ウイルスにも効果があることがわかっており、今後も使用されていくと思われます。塩野義製薬のエンシトレルビル(商品名:ゾコーバ)は国際的には認められていませんが、重症化予防効果などのエビデンスが示されれば、使用が増えてくるかもしれません。現時点では、レムデシビル、モルヌピラビル、ニルマトレルビル/リトナビル(商品名:パキロビッド)に先んじて使用することは推奨されていません。12月9日に塩野義製薬から、エンシトレルビルの使用状況や副作用データをまとめた報告がありましたが、1,024人に処方されているものの、とくに重篤な副作用は報告されていないとのことです。参考文献・参考サイト1)Iketani S, et al. Antibody evasion properties of SARS-CoV-2 Omicron sublineages. Nature. 2022 Apr;604(7906):553-556.2)Imai M, et al. Efficacy of Antiviral Agents against Omicron Subvariants BQ.1.1 and XBB. N Engl J Med. 2022 Dec 7. [Epub ahead of print]

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双極性障害に対する多剤併用療法~リアルワールドデータ

 双極性障害に対する薬物治療は、多剤併用で行われることが少なくない。イタリア・ジェノバ大学のAndrea Aguglia氏らは、双極性障害患者に対する複雑な多剤併用に関連する社会人口学的および臨床的特徴を明らかにするため、検討を行った。結果を踏まえて著者らは、とくに薬物治療の中止が必要な場合においては、双極性障害の長期マネジメントのための明確なガイドラインを作成する必要があることを報告した。Psychiatry Research誌2022年12月号の報告。 対象は、双極性障害患者556例。社会人口学的および臨床的特徴、薬理学的治療に関する情報は、半構造化インタビューを用いて収集した。対象患者を複雑な多剤併用(4剤以上の向精神薬の併用)の状況に応じて2群に分類した。両群間の比較は、t検定およびカイ二乗検定を用いて評価した。また、複雑な多剤併用に関連する因子を特定するため、ステップワイズロジスティック回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・複雑な多剤併用が行われている双極性障害患者は、独身および失業している傾向があった。・さらに、複雑な多剤併用と関連していた因子として、発症年齢の低さ、罹病期間の長さ、入院回数の多さ、医学的および精神医学的合併症の多さ、違法物質(ヘロインを除く)の使用が挙げられた。・ロジスティック回帰モデルでは、複雑な多剤併用と関連している因子として、独身、高齢、入院回数、精神医学的合併症が特定された。

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スマホアプリで食事のカリウム含有量を測定/AZ

 2022年12月8日、アストラゼネカは、都内にて「高カリウム血症合併慢性腎臓病(CKD)・透析患者さんの食事管理の進化」をテーマにメディアセミナーを開催した。CKDにおけるカリウム管理の重要性 カリウムは、生体内において細胞の環境維持や筋収縮の調節などの重要な役割を担っている。適切な血中濃度は3.5~5.0mmol/Lと安全域が非常に狭いため、適切に管理することが求められる。 東京医科大学 腎臓内科学分野 主任教授 菅野 義彦氏は、カリウム管理の重要性について「通常、カリウムは食事により摂取され、尿中に排泄される。しかしCKD患者ではカリウムの排泄量が少なくなることで高カリウム血症を起こし、比較的軽度の症状で手足のしびれ、重度なものでは致死的な不整脈などを来す恐れがある」と解説した。カリウムの定期的な検査と摂取量の見直しを さらに菅野氏は、一般の方では高カリウム血症に気付かないリスクがある、と続けた。高カリウム血症と密接な関係にある腎機能は、血清クレアチニン値を測定しeGFRを算出して評価される。しかし近年では、健康診断においてカリウムや血清クレアチニン値をルーチンに測定しないことが多く、CKDや高カリウム血症に気付かないことがある、という。一方で、カリウムが多く含まれる野菜や果物を健康のためと摂取し過ぎる方がいるため、「年齢によっては最低でも年1回は血液中のカリウム濃度をチェックしたほうがよい。そのうえで摂取量などバランスを考慮することが重要だ」と菅野氏は強調した。スマホで撮影するだけで測れる「ハカリウム」 CKD患者の食事療法におけるカリウムの管理については、東京医科大学病院 栄養管理科 科長 宮澤 靖氏が解説した。健康な成人におけるカリウム摂取の目安量は男性で1日2,500mg、女性で2,000mgであるが、CKDがステージ3bより進行している患者ではカリウム制限が必要である。そこで医療施設によっては、CKD患者に自宅での食事摂取量をノートなどに記録してもらい食事指導に活用している。しかしCKD患者は高齢であることが多く、細やかな記録が難しいため、より正確なカリウム摂取量の把握が課題であるという。 こうした背景の中、アストラゼネカとエクサウィザーズが共同で開発したアプリケーション「ハカリウム」に期待が寄せられている。ハカリウムはスマートフォンのカメラで食事を撮影するだけで、食事に含まれるカリウムなどの栄養素を測定することが可能である。「ハカリウムは、ノートの記録に比べてより正確なカリウム摂取量が把握できる。加えて、患者さんにとって食事の記録を取ることが手間となり、毎日の食の楽しみを損なう恐れがあったが、ハカリウムで簡単に記録できれば、食事本来の楽しみを損なうことなく食事・栄養管理に係る適切なコミュニケーションができると期待している」と宮澤氏は締めくくった。

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術前化療でリンパ節転移が陰性化した乳がんのALND省略後の再発、SLNBとTADの比較(OPBC-04/EUBREAST-06/OMA)/SABCS2022

 リンパ節転移陽性乳がんで術前化学療法により転移が陰性化した患者において、診断がセンチネルリンパ節生検(SLNB)単独または標的腋窩郭清(TAD)併用のいずれであっても、腋窩リンパ節郭清(ALND)省略後の早期腋窩再発が非常にまれであったことを、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのGiacomo Montagna氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2022)で発表した。再発率は、標的腋窩郭清併用でもセンチネルリンパ節生検単独より有意に低くはなかったという。 4つの前向き試験で、術前化学療法後にリンパ節転移陽性の患者においてセンチネルリンパ節生検の偽陰性率が10%を超えることが示されているが、これらの試験では全例が腋窩リンパ節郭清を実施しているため腋窩再発のデータはない。標的腋窩郭清により偽陰性率の低下が報告されているが、腋窩再発率の低下につながるかどうかは不明である。またこの設定で、腋窩病期診断のためにセンチネルリンパ節生検単独と標的腋窩郭清併用のいずれを用いるべきかコンセンサスは得られていない。今回Montagna氏らは、術前化学療法でリンパ節の病理学的完全奏効を達成し腋窩リンパ節郭清を省略した、リンパ節転移陽性乳がん患者の大規模なリアルワールド集団において、腋窩の局所浸潤再発率を評価し、さらにデュアルトレーサーマッピングによるセンチネルリンパ節生検もしくは標的腋窩郭清後の腋窩再発率を比較した。 本研究の対象は、T1-4かつN1-3(生検による)で、術前化学療法後にデュアルトレーサーマッピングによるセンチネルリンパ節生検もしくは標的腋窩郭清(センチネルリンパ節生検との併用、デュアルトレーサーマッピングの有無は問わない)による診断で病理学的にリンパ節転移陰性だった乳がん患者。腋窩再発、局所再発、あらゆる浸潤性再発(局所もしくは遠隔)の累積発生率を競合リスク分析で解析し、さらにセンチネルリンパ節生検と標的腋窩郭清の3年累積発生率をGray検定で比較した。 主な結果は以下のとおり。・2013年4月~2020年12月に適格となった1,144例(センチネルリンパ節生検666例、標的腋窩郭清478例)を評価した。年齢中央値は50歳、臨床的T2が57%、臨床的N1が95%、HER2陽性が54%であった。・術前化学療法レジメンはセンチネルリンパ節生検群と標的腋窩郭清群で違いが見られた。・センチネルリンパ節の摘出個数の中央値は、センチネルリンパ節生検群4個(IQR:3~5)、標的腋窩郭清群3個(四分位範囲[IQR]:2~4)だった(p<0.001)。リンパ節の平均摘出個数も同様に標的腋窩郭清群が少なかった。・リンパ節放射線治療実施は、センチネルリンパ節生検78%、標的腋窩郭清85%だった(p=0.005)。・腋窩再発率は、全体で3年時0.65%(95%信頼区間[CI]:0.29~1.3)、5年時1.0%(同:0.49~2.0)だった。3年腋窩再発率はセンチネルリンパ節生検(0.8%)と標的腋窩郭清(0.5%)で差がなかった(p=0.55)。・局所再発率は、全体で3年時1.5%(95%CI:0.83~2.4)、5年時2.7%(同:1.6~4.1)だった。3年局所再発率はセンチネルリンパ節生検(1.9%)と標的腋窩郭清(0.8%)で差がなかった(p=0.19)。・浸潤性再発率は、全体で3年時7.5%(95%CI:5.9~9.3)で、5年時10%(同:8.3~13)だった。3年浸潤性再発率はセンチネルリンパ節生検(7.3%)と標的腋窩郭清(7.3%)で差がなかった(p=0.60)。 Montagna氏は「これらの結果は、術前化学療法でリンパ節転移陰性となった患者でのリンパ節郭清省略を支持している」と結論した。

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長年の謎。ウイルス感染はなぜ寒い時期に増える?

 ウイルス性気道感染症は、冬の時期に増えることが知られているが、そのメカニズムはこれまで明らかになっていなかった。ハーバード大学のDi Huang氏らの研究グループは、上気道感染症の原因となるウイルスを撃退する鼻の中の免疫反応を発見した。さらに、この免疫反応は気温が低くなると抑制され、感染症が発生しやすくなることを明らかにした。本研究結果は、The Journal of Allergy and Clinical Immunologyオンライン版2022年12月6日に掲載された。 先行研究により、鼻孔の細胞が細菌やウイルスなどの病原体を検出すると、細胞外小胞(EV)が粘液中に放出され攻撃することが報告されている。そこで、健康人や手術を受ける患者から採取した鼻粘膜組織を用いて、Toll様受容体3(TLR3)を介した免疫応答における鼻腔上皮細胞由来EVの役割が検討された。具体的には、TLR3刺激による鼻腔上皮細胞由来EVの分泌や組成、EVの呼吸器ウイルス(コロナウイルス、ライノウイルス)に対する抗ウイルス活性とそのメカニズム、TLR3を介した抗ウイルス免疫に及ぼす低温の影響などが検討された。 主な結果は以下のとおり。・TLR3アゴニストのpoly(I:C)(polyinosinic-polycytidylic acid)への曝露により、TLR3シグナルを介して鼻腔上皮細胞由来EVの分泌が増加した。・鼻腔上皮細胞由来EVは、マイクロRNA(miR-17)の送達およびLDL受容体(LDLR)、接着分子ICAM-1などの表面受容体を介したウイルスとの結合・中和による抗ウイルス活性を通じて宿主をウイルス感染から保護することが示された。・健康人を室温の環境(23.3℃)から寒い環境(4.4℃)に移動させて15分経過すると、鼻の中の温度が約5℃低下した。そして、この温度低下を鼻粘膜組織に適用したところ、EVの総分泌量の減少、EV中のmiR-17量の低下、EV上のLDLR、ICAM-1の発現量の低下がみられ、EVの抗ウイルス活性が低下した。 著者らは、本研究の重要なポイントとして、「鼻腔上皮細胞由来EVが、TLR3を介した抗ウイルス免疫に関与していること」「鼻腔上皮細胞由来EVが、マイクロRNAの輸送および直接的にウイルスを中和することにより、感染を抑制していること」「寒い環境では、鼻腔上皮細胞由来EVを介した抗ウイルス活性が低下すること」の3点を挙げている。

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米国でのAMIの30日死亡率、保険プランでの差は?/JAMA

 米国高齢者向けの公的医療保険・メディケアの、マネジドケア型でカバーする健康保険プラン「メディケアアドバンテージ」加入者と、従来型の出来高払いでカバーするプラン加入者について、2009~18年の急性心筋梗塞(AMI)のアウトカムを比較したところ、30日死亡率は、2009年時点ではメディケアアドバンテージ加入者が従来型メディケア加入者より、わずかながら統計学的に低かったが、2018年までに統計学的有意差は認められなくなっていた。米国・ハーバード大学医学大学院のBruce E. Landon氏らが、メディケアプログラムのデータを基に行った後ろ向きコホート試験の結果で、JAMA誌2022年12月6日号で発表された。メディケアアドバンテージプラン加入者の支払いカバー率は、2018年は37%だったが、2022年には48%に増大している。メディケアアドバンテージプランにおいて、特定の臨床状態の患者に同質のケアを提供していたかどうかは明らかになっていないが、著者は「今回の結果は、他の結果も考慮したうえで、メディケアプランの違いによる治療とアウトカムの格差に関する見識を提供するものになるだろう」と述べている。STEMI約56万人、NSTEMI約167万人を対象に試験 研究グループは、メディケアアドバンテージ加入者と従来メディケア加入者で、2009~18年にAMIの治療を受けた患者について、後ろ向きコホート試験を行い、30日死亡率と治療内容について比較した(データの最終フォローアップは2019年12月31日)。 被験者数は、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)が55万7,309例、非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)が167万193例だった。 主要アウトカムは、補正後30日死亡率。副次アウトカムは、年齢・性別補正後の治療(カテーテル法、血行再建術)の施行率、退院後の処方とアドヒアランス、医療システムパフォーマンス指標(ICU入院率、30日再入院率)などだった。ICU入院率や30日再入院率はメディケアアドバンテージ群で低率 被験者総数は222万7,502例で、2018年の平均年齢はメディケアアドバンテージSTEMI群の76.9歳から、従来メディケアNSTEMI群の79.3歳の範囲にわたっていた。女性患者の割合は、メディケアアドバンテージ群と従来メディケア群で類似していた(2018年STEMIは41.4%、41.9%)。 2009年の30日死亡率は、メディケアアドバンテージ群が従来メディケア群より統計学的に有意に低かった。STEMI患者では、メディケアアドバンテージ群19.1% vs.従来メディケア群20.6%で群間差は-1.5ポイント(95%信頼区間[CI]:-2.2~-0.7)、NSTEMI患者では、それぞれ12.0% vs.12.5%で群間差は-0.5ポイント(-0.9~-0.1)だった。 しかし2018年までに、同死亡率はすべての群で低下が認められ、メディケアアドバンテージ群と従来メディケア群の統計学的有意差は認められなくなっていた。同死亡率は、STEMI患者でそれぞれ17.7%と17.8%(群間差:0.0ポイント[95%CI:-0.7~0.6])、NSTEMI患者で10.9%と11.1%(-0.2ポイント[-0.4~0.1])だった。また、2018年までに、標準化90日血行再建術施行率についても両群間で有意差はなくなっていた。 ガイドライン推奨の薬物処方について、2018年のSTEMI患者に対する退院後スタチン処方率は、メディケアアドバンテージ群(91.7%)が従来メディケア群(89.0%)より有意に高率だった(群間差:2.7ポイント、95%CI:1.2~4.2)。 また、メディケアアドバンテージ群は従来メディケア群に比べ、2018年のICU入院率が低く(STEMI患者について50.3% vs.51.2%、群間差:-0.9ポイント[95%CI:-1.8~0.0])、自宅への退院率が亜急性期施設への退院率に比べ高率だった(STEMI患者について71.5% vs.70.2%、1.3ポイント[0.5~2.1])。 30日再入院率は、2009年、2018年共にメディケアアドバンテージ群が従来メディケア群に比べ低率だった(2009年STEMI患者:13.8% vs.15.2%、群間差:-1.3ポイント[95%CI:-2.0~-0.6]、2018年STEMI患者:11.2% vs.11.9%、-0.6ポイント[-1.2~0.0])。

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3~17歳へのコロナワクチン、オミクロン優勢期の効果は?/BMJ

 アルゼンチンで、3~17歳の小児・青少年に対する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン(mRNA-1273[モデルナ製]、BNT162b2[ファイザー製]、BBIBP-CorV[Sinopharm製])2回接種の有効性について調べたところ、死亡に対する予防効果は、優勢となっている変異株の種類にかかわらず、小児・青少年ともに高値を維持していたことが明らかにされた。ワクチン接種後の短期間におけるSARS-CoV-2感染予防効果については、オミクロン変異株が優勢であった間は低かったこと、また時間の経過とともに同効果は急激に低下することも明らかにされた。アルゼンチン・保健省のJuan Manuel Castelli氏らが、約14万人のケースとそのマッチング対照を解析した、診断陰性例コントロール試験の結果で、BMJ誌2022年11月30日号で発表された。アルゼンチンで84万例超を対象に診断陰性例コントロール試験 研究グループは、アルゼンチンの国内サーベイランス・システムのデータベースと、ワクチンレジストリを基に、診断陰性例コントロール試験を行い、小児(3~11歳)・青少年(12~17歳)へのCOVID-19ワクチン2回接種の、SARS-CoV-2感染やCOVID-19関連死に対する有効性を推定し評価した。 対象は、2回のCOVID-19ワクチンのプライマリ接種対象者で、SARS-CoV-2感染歴がなく、2021年9月~2022年4月にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査または迅速抗原検査を受けた3~17歳、84万4,460例。マッチング対照の照合を行い、23万1,181例のケースのうち13万9,321例(60.3%)について解析を行った。 主要アウトカムは、SARS-CoV-2感染とCOVID-19関連死だった。条件付きロジスティック回帰分析で、ワクチン2回接種者の非接種者に対するオッズ比(OR)を推算した。ワクチン有効率は、(1-OR)×100%で算出した。小児の対SARS-CoV-2感染有効率、デルタ株優勢期間は61%、オミクロン株では16% デルタ変異株優勢期間のSARS-CoV-2感染に対するCOVID-19ワクチン2回接種の有効率は、小児が61.2%(95%信頼区間[CI]:56.4~65.5)、青少年が66.8%(63.9~69.5)だった。オミクロン変異株優勢期間は、それぞれ15.9%(13.2~18.6)、26.0(23.2~28.8)だった。 ワクチン有効性は、接種後、日数経過とともに低下し、とくにオミクロン変異株優勢期間の低下は急激で、小児では、接種後15~30日で37.6%(95%CI:34.2~40.8)であったが、60日以降では2.0%(1.8~5.6)へと低下し、青少年ではそれぞれ55.8%(52.4~59.0)から12.4%(8.6~16.1%)への低下が認められた。 一方で、オミクロン変異株優勢期間の、SARS-CoV-2感染関連死に対するワクチン有効率は、小児が66.9%(95%CI:6.4~89.8)、青少年が97.6%(81.0~99.7)だった。

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年間50件!心臓移植の先進施設で学べること【臨床留学通信 from NY】第41回

第41回:年間50件!心臓移植の先進施設で学べることさて今回は、1ヵ月間行った重症心不全ローテーションについて報告します。私のいるMontefiore Medical Centerは、心臓移植をかなり積極的に行っており、年間40~50件ほどになります。日本での年間総数が50件前後であることを考えると多いとも言えますし、日本が極端に少ないとも言えます。移植前の患者さんにLVAD(左室補助人工心臓)の植え込みを行う場合もあり、その後移植になったり、また、移植を考慮しない、いわゆるDestination Therapyとして使われたりすることもあります。私は日本での移植やLVADの経験がまったくなかったので、たとえカテーテル治療に進むとしても、重症心不全が学べる施設での研修が望ましいと考え、Montefioreを選んだ経緯があります。術後患者のLVADのスピードの調整、LVADアラームの対応、はたまた移植前の患者さんの検査一式、移植後の免疫抑制剤の調整など、まったくもって未知の領域ですし、1人でそれに対応できるとは思えませんが、そういった患者さんのカテーテル検査等をすることを考えると、有意義なローテーションであったと思います。重症心不全ローテーション自体はフェローの中では忙しい部類であり、朝6時半頃に来て5~10人前後のICU一歩手前のような重症患者を自分でプレラウンドし、9時から心不全の指導医とのラウンドを2時間ほど行います。その後カルテ書き等を行い、概して夕方5時にはしっかり終わる形です。移植のスケジュールはやはり読めないもので、急に移植を始めるとなると、心臓外科ICUに入院となります。高度専門医療のアメリカでは、重症心不全の専門医もしっかりと術後管理をしていきます。これは、外科医が手術に集中できる仕組みでもあります。私は移植の専門家ではありませんが、日本とアメリカにはかなりの仕組みの違いがあります。アメリカは残念ながら薬物中毒死が多く、それによるドナーも多いのが実情です1)。待機期間も日本の3年に比べて、50日強です。それ以外に、米国ではDCD(Donation after Circulatory Death)といった方法でドナーを増やしたりもしています。実際に私のいるMontefioreのグループから、DCDドナーがDBD(Donation after Brain Death)ドナーと比べて遜色がないのではというデータを出しています2)。このような技術の進歩で救える命が広がることを期待します。参考1)NHKハートネット“臓器移植”について語りやすい世の中に2)Madan S, et al. Feasibility and Potential Impact of Heart Transplantation From Adult Donors After Circulatory Death. J Am Coll Cardiol. 2022;79:148-162.ColumnMontefioreは移植の件数がそれなりにあるので、スペインなど他国から見学者が来て、4~8週間ほど滞在しています。残念ながら、カルテの閲覧や患者さんの診察の権限はないのですが、病棟ラウンドなどオブザーバーとして参加しています。物価高もあって、滞在には金銭的負担もありますが、それぞれ自国との違いを熱心に勉強しています。ここ最近は、そんな彼らと仲良くサッカーワールドカップを観戦しています。同じ病院の循環器にドイツの人もいれば、中南米出身の人もいて、なかなか国際色豊かです。日本が勝っても迂闊に大声では喜びにくいものがあります(笑)。

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映画「二つの真実、三つの嘘」(前編)【なんで病気になりたがるの? 実はよくある訳は?(同情中毒)】Part 1

今回のキーワードミュンヒハウゼン症候群作為症(虚偽性障害)詐病疾病利得対人希求演技性パーソナリティ障害シックロールイエス・バット・ゲーム皆さんは、とくに休みやお金がもらえる訳ではないのに、病気になりたいと思ったことはありますか? 「そんな訳ない」と思いますよね。しかし、世の中には、症状をねつ造してまで、病気になりたがる人がいます。いわゆるミュンヒハウゼン症候群です。今回は、これをテーマに、サスペンス映画「二つの真実、三つの嘘」を取り上げます。病気になりたがる原因を解き明かし、嘘つきの心理を掘り下げます。そして、嘘をつくほどでなければ、病気になりたがるのは実はよくある訳を解説します。さらに、病気になりたがる人の見分け方やその対策を探ります。なお、ミュンヒハウゼン症候群への理解を深めると、この映画のキャラ設定や展開をよりリアルに見ることができ、B級ホラーらしからぬこの映画の魅力を見いだすことができます。サスペンスではありますが、この前編はネタバレなしです。ホラーOKなら、とくに医療関係者をはじめとする援助職の方々にぜひ見て欲しい映画です。1つ目の真実は?主人公はメラニーとエスター。2人は子どもを亡くした女性向けの自助グループで出会います。メラニーは、以前からこの自助グループに通っており、初めて参加するエスターに、夫と小さい息子が以前に交通事故で亡くなっていたことを打ち明けます。ところが、後日、エスターがデパートに行くと、たまたまメラニーが一人で歩いているのを見かけます。そして、突然、慌てふためいて息子の名前を叫び出し、店員に子どもが誘拐されたと言い出すのです。エスターは、駐車場に行って探そうとするメラニーを隠れて追いかけます。すると、メラニーが自分の車から息子を降ろして店に連れていくのを目撃してしまうのです。その後、夫も普通に一緒に暮らしていることを目撃します。ここで、タイトルである「二つの真実、三つの嘘」の1つ目の真実が分かります。それは、メラニーがミュンヒハウゼン症候群であるということです。彼女は、夫と息子が交通事故で亡くなったり息子が誘拐されたと嘘をつき、その悲嘆や動揺などの辛い精神症状を真に迫って演じています。このように、症状をねつ造すること、周りにアピールすること、金銭目的ではないことなどがポイントになります。なお、ミュンヒハウゼン症候群は、従来の病名であり、この現在の正式な病名は、作為症または虚偽性障害(DSM-5)です。この診断基準は、表1をご覧ください。ちなみに、息子や夫が嘘の内容の対象になっている点で、表1の右欄の代理ミュンヒハウゼン症候群であると思われるかもしれません。しかし、厳密には、息子や夫に症状をねつ造している訳でなく、メラニーが自分自身に症状をねつ造している点で、左欄のただのミュンヒハウゼン症候群です。また、金銭を得たり仕事などの義務を免れたりするのが主な目的である場合は、詐病です。これは、ミュンヒハウゼン症候群とは区別します。なお、詐病については、関連記事1で詳しく説明しています。なんで症状をねつ造するの?メラニーはなんのためにこんなことをするのでしょうか? それは、同情されることが快感(社会的報酬)になっているからです。詐病に物理的な疾病利得(報酬)があるとすれば、ミュンヒハウゼン症候群には心理的な「疾病利得」があると言い換えられます。もちろん、私たちも同情されたいと思うことはあります。ただし、それは本当に同情されるほど辛い状態になった時だけです。自分から嘘をついてわざわざ同情される状態を作り出すのは、度が過ぎています。さらに、嘘を繰り返してまで同情されることが止められなくなっているのも、度が過ぎています。もはや、これは「同情中毒」と言えます。「中毒」とは、アルコール、ドラッグ、ギャンブルと同じように、止めたくても止められない嗜癖(アディクション)の古い言い回しですが、生々しくてインパクトがあるので、この記事ではあえてそう名付けました。なんでそんなに同情されたいの?メラニーは、そもそもなぜそこまでして同情されたいのでしょうか? それは、同情されることでしか人と関われなくなっているから、つまり同情を乱用した対人希求です。私たちは人と関わる時、「すごい」「さすが」とちやほやされたいという承認欲求があります。たとえば、映画のラストで、テレビ出演して周りから注目されることをメラニーが想像するシーンが分かりやすいです。しかし、現実のメラニーは、夫の稼ぎによってお金があるとは言え、専業主婦で家庭に閉じ込められて子育てに追われ、夫婦関係もうまく行っていません。そうなると、承認されることが子育てぐらいしかなく、しかもそれすら承認してくれる人がいないので、代わりに「かわいそう」「大丈夫よ」とよしよしされたいという「同情欲求」を満たそうとするのです。つまり、承認欲求がポジティブな対人希求だとすれば、同情欲求はネガティブな対人希求であり、対照的です。もちろん、この承認欲求も度が過ぎると、「承認中毒」という状態になります。これについては、関連記事2で詳しく説明しています。ちなみに、ミュンヒハウゼンとは、「ほら吹き男爵」のモデルとなった中世に実在した貴族の名前です。周りから注目されようと嘘をつく点では同じです。しかし、このミュンヒハウゼン伯爵は周りを楽しませて承認欲求を満たそうと嘘をつきましたが、ミュンヒハウゼン症候群は周りから気の毒がられて同情欲求を満たそうと嘘をついている点で違います。つまり、ミュンヒハウゼン伯爵は、症状をねつ造したというエピソードがとくにないので、実はミュンヒハウゼン症候群は当てはまりません。あえて言えば、注目されたいという特徴から、障害レベルではない演技性パーソナリティが当てはまります。なんで嘘をつくの?それでは、メラニーはなぜ次々と嘘がつけるのでしょうか? 私たちは、嘘をつく時に、無意識に落ち着かなくなります。その理由として、もちろん理屈で考えれば、嘘がばれた時に信用されなくなり自分が困るからです。そして、そもそも私たち人間は、嘘をつくなどの反社会的な行動をすると罪悪感を抱くように心が進化したからです。これは、社会脳と呼ばれています。逆に言えば、嘘つきの原因は、この社会脳が生まれながらうまく働かないという遺伝素因の問題か、社会脳が親によって十分に育まれてこなかったという生育環境の問題か、またはその両方が考えられます。これについては、関連記事3で詳しく説明しています。ただし、嘘をついても落ち着かなくならない例外があります。それは、相手を傷つけないための嘘、いわゆる「ホワイト・ライ」です。これも、相手とうまくやっていくための社会脳として進化しました。次のページへ >>

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映画「二つの真実、三つの嘘」(前編)【なんで病気になりたがるの? 実はよくある訳は?(同情中毒)】Part 2

病気になりたがることが実はよくある訳は?確かに、嘘をついてまで病気になりたがるのは、かなり度が過ぎています。しかし、嘘をつくほどでなければ、病気になりたがることは、心療内科・精神科や心理カウンセリングの現場で、実はよくあることです。その理由を大きく3つ挙げてみましょう。(1)もっとかまって欲しいから病気になりたがる1つ目の理由は、もっとかまって欲しいからです。そのために、嘘をつかなくても、困っていることや症状を大げさに訴えたり見せつけます。たとえば、毎回の診察で「死にたい」と訴え続けることです。また、急に倒れ込んだり、リストカットの傷痕を隠さずに出していることです。症状を伝えることは、かまってもらうためではなく、良くするためであるはずなのにです。なお、これらは、意識的に嘘をついている訳ではないので、ミュンヒハウゼン症候群ではなく、演技性パーソナリティ障害と診断されます。(2)病気のせいにしたいから病気になりたがる2つ目の理由は、病気のせいにしたいからです。仕事や人間関係でうまく行っていない時、それが自分の能力や性格によるものであれば、自分のせいになります。しかし、「うつ病」「自律神経失調症」などと診断されれば、その問題を病気のせいにすることができます。また、自分の能力の問題であっても、「ADHD(注意欠如・多動症)」「HSP(敏感な人)」などと指摘されれば、やはり病気のせいにできます。さらに、自分の性格の問題であっても、「毒親」「アダルトチルドレン」などと指摘されれば、家庭環境のせいにすることができます。病気になったのは本人の責任ではないかもしれませんが、病気を良くしていくのは本人の責任であるはずなのにです。もはや、自分で自分に嘘をついている状態です。なお、これらは、無意識に責任逃れや責任転嫁をしている点で、自己奉仕バイアスと呼ばれます。婚活でうまく行かない人が、良い相手がいないと嘆く心理に通じます。また、ひきこもりの人が親に謝罪をしつこく求める心理にも通じます。(3)病人として生きたいから病気になりたがる3つ目の理由は、病人として生きたいからです。病人でいる状況が長くなると、病気に立ち向かって頑張って生きている自分というアイデンティティが確立してしまいます。逆に言えば、病人ではなくなると、病気以外で頑張ること(役割)やその居場所を新しく探さなければならず、見つからなければ自分は何者でもなくなってしまうという恐怖が出てきます。よって、彼らにとって、たとえば精神障害者保健福祉手帳の取得はステータスになります。3級が2級になれば、資格試験で頑張った成果であるかのように納得した表情をします。やがて、「病気自慢」「不幸自慢」をするようになります。そもそも、病気や不幸を語ることは、健康や幸福になるための手段であって、目的そのものではないはずなのにです。なお、これは、無意識に治りたいと思っておらず、病人の役割(アイデンティティ)をまっとうしようとする点で、シックロールと呼ばれています。病気になりたがる人を見分けるには?病気になりたがることが実はよくある理由は、もっとかまって欲しい、病気のせいにしたい、そして病人として生きたいからであることが分かりました。それでは、これらの心理を踏まえて、彼らをどうやって見分ければいいでしょうか? 彼らの特徴を大きく3つ挙げてみましょう。(1)症状を語りたがる病気になりたがる人の特徴の1つ目は、症状を語りたがることです。たとえば、症状を次々と列挙して、その症状がどんなふうでどうなってきたかを、辛そうな表情を交えながらもよくしゃべります。また、医療機関での予診票では、症状のチェック欄には、ほぼすべての症状をチェックします。自己記入式の病状のスクリーニング検査では、病状が重く見られるようにチェックします。そして、こちらが、症状を語りたがっている意図を察知して、あえて話を切り上げようとすると、「話を聞いてくれない」「辛さを分かってくれない」と怒り出します。そもそも、本当に病気の人は、症状を伝えるにしても、一番辛い症状を何とか1つか2つあげるだけで、そんなに語れません。そして、治してもらえるなら、話が早くに終わっても気にしません。(2)病名や原因をはっきりさせたがる病気になりたがる人の特徴の2つ目は、病名や原因をはっきりさせたがることです。たとえば、病名や原因をしつこく聞いてきます。自分がネットで調べて見つけた病名が、厳密には違うと聞かされると、がっかりしたり食い下がってきます。わざわざ自分が持ち歩くだけのために、診断書の発行を希望する人もいます。そもそも、精神科医が病名や原因を伝えるのは、薬の処方をはじめとして今後のためになる場合に限られています。逆に言えば、今後のためにならない場合は積極的には伝えません。その理由は、そうすること自体が、決め付け(ラベリング)になってしまい、その病気や原因に本人がとらわれて、逆になかなか良くならないことがあるからです。(3)治療には乗ってこない病気になりたがる人の特徴の3つ目は、治療には乗ってこないことです。たとえば、病気を良くするためのさまざまな提案に対して、すべて「はい、いいんですけど…でもやっぱり私には無理です」と曖昧に返してきます。これは、心理学で「イエス・バット・ゲーム」と呼ばれています。一方で、「いいえ、そうじゃなくて(ノー・バット)」とはっきり返してくる場合は、「ということは何か考えがあるのですね」とその人なりの思いを掘り起こすことができます。また、「この病気さえなければ」と言い続ける人に、「じゃあ、もしもこの病気が良くなったら、どうしていますか?」と聞くと、「そんなこと考えられないです。だって、病気があることには変わりないじゃないですか」「そんなこと考えて、結局良くならなかったら、ますます辛いじゃないですか」と言い返してきます。さらに、ポジティブな面に目を向ける問いかけに対しては、「私のポジティブなところを聞かれても困ります」「前向きに考えてなんて言って欲しくない」「私はそんなんじゃない」「私の病気を軽く見ないでください」「それがうざいんですよ」と言う人もいます。確かに、とても弱っている時は前向きには考えられません。しかし、それがずっと続く場合は、もはやその人の考え方、生き方の問題になってきますので、治療として限界があることを理解する必要があります。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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映画「二つの真実、三つの嘘」(前編)【なんで病気になりたがるの? 実はよくある訳は?(同情中毒)】Part 3

病気になりたがる人にどう接する?病気になりたがる人の特徴は、症状を語りたがる、病名や原因をはっきりさせたがる、治療には乗ってこないことであることが分かりました。それでは、これらの見分け方を踏まえて、彼らにどう接すればいいでしょうか? その対策を大きく3つ挙げてみましょう。(1)ある程度は受容するメラニーは、症状をねつ造していたとは言え、長らく自助グループに通い、お互いに慰め合うことで、日常生活は安定していました。病気になりたがる人への対策の1つ目は、ある程度は受容することです。たとえば、「辛い気持ちを分かって欲しい」と自傷行為を繰り返す人に対しては、「そんなことするくらい辛かったんですね」とその気持ちを受け止めます。その理由は、まずは信頼関係を築く必要があるからです。そもそも信頼関係がなければ、治療が進まないからです。また、病気になりたがっているかは、最初に会った段階でははっきりと分からないことがあるからです。ただし、受容は、あくまで一定レベルで一定期間に留める必要があります。無制限に無期限に気持ちを受け止めると、病気になりたがる気持ちをただ煽る(強化する)だけになってしまうからです。つまり、皮肉にも、困った人の話を聞き続けると、ますます困った人にさせてしまうということです。(2)その気持ちそのものを考えさせる病気になりたがる人への対策の2つ目は、その気持ちそのものを考えさえることです。たとえば、「病気が良くなることを考えること自体が治療なんです。それでも考えたくないですか?」と問いかけ、「変な話、病気であることが生きがいになっている人もいます。私はあなたにそうなって欲しくないと思っています」と遠回しに伝えます。また、症状をねつ造している可能性があるとしても、まずはその矛盾している点を具体的に細かく指摘することに留めます。これらのやり方は、認知行動療法に通じます。注意点は、「あなたは病気になりたがってますね」「嘘をついていますね」とストレートには伝えないことです。心理学では、これを直面化と呼んでいます。そうしてしまうと、そういう人は激しく否認し、信頼関係を損ねます。なお、これは、子どもが嘘をついた時の対応にも通じます。(3)病気以外での人との関わりを促すもしもメラニーが想像した通りにテレビ出演して周りから注目されるようになると、承認によって対人希求が満たされます。すると、もはや同情によって対人希求を満たす必要はなくなるため、症状をねつ造することをしなくなるでしょう。病気になりたがる人への対策の3つ目は、病気以外での人との関わりを促すことです。たとえば、「病気が辛いことについてではなく、病気を良くすることについてなら話を聞きます」と伝え、話の方向付けをすることです。そして、「もしも病気が良くなったら」という先ほどの質問をもう一度して、「あなたの得意なことは?」「好きなことは?」「それを生かす場所は?」という質問につなげていくのです。それでも病気になりたがる人には?しかし、それでも病気になりたがる人もいます。聞き入れられずに堂々巡りになる場合は、もはや治療の限界です。そんな時は「診察の時間には制限があります」「これ以上は治療としてお役に立てることは難しいです」と伝える必要があります。なぜなら、現実問題として、医療現場で病気になりたがる人の話を聞き続けることは、その気持ちを強化する以前に、時間と労力の浪費となり、税金によって成り立っている医療資源の無駄遣いをしていることになるからです。もちろん、病院以外で、「病気自慢」を私小説としてブログで発信したり、自分語りとしてSNSのコミュニティ(自助グループ)で披露することをお勧めすることはできます。それは、自己表現であり、文学です。つまり、対人希求は、病院でネガティブに発揮するのではなく、病院以外でポジティブに発揮することを促すのです。また、自費による心理カウンセリングをお勧めすることもできます。なぜなら、お金を払って話を聞いてもらうのは、本人の自由だからです。ただし、今度は病気になりたがる人がカウンセリングビジネスに利用されないように、助言をする必要はあります。なぜなら、旧ソ連に「国は給料を払うふりをして国民は働くふりをする」というジョークがあるように、「クライエントは病気のふりをして、セラピストは治すふりをする」という関係性ができてしまうからです。それは、もはや治療ではなく、「治療」という衣をかぶった宗教でしょう。なお、カウンセリングビジネスは、関連記事4で詳しく説明しています。なお、次の後編からネタバレになります。この映画をネタバレなしで見たい方は、先に見てから後編に進んでいただき、残りの1つの真実と3つの嘘の答え合わせをしましょう。1)病気志願者―「死ぬほど」病気になりたがる人たち:マーク・D・フェルドマン、原書房、19982)うその心理学:こころの科学、日本評論社、20113)特集「うそと脳」:臨床精神医学、アークメディア、2009年11月号4)「隠す」心理を科学する:太幡直也/佐藤拓/菊池史倫、北大路書房、20215)平気でうそをつく人たち:M・スコット・ペック、1996<< 前のページへ■関連記事万引き家族(前編)【年金の財源を食いつぶす!?「障害年金ビジネス」とは?どうすればいいの?】Part 1ザ・サークル【「いいね!」を欲しがりすぎると?(承認中毒)】Part 1万引き家族(前編)【親が万引きするなら子どももするの?(犯罪心理)】Part 3M-1グランプリ(続編・その2)【ツッコミから学ぶこれからのセラピーとは?】Part 2

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医師の今年の旅行事情と“来年こそ行きたい場所”は?【CareNet.com会員アンケート結果発表】

2022年後半には入国時の条件を緩和する国が増え、国内では旅行支援の取り組みが始まりました。一方で11月からは第8波も到来し、まだまだコロナ禍以前と同じようには旅行を楽しむ状況になっていないかもしれませんが、CareNet.comの会員医師1,000人に、現在の状況と、来年こそ行きたい旅行先についてお聞きしました。行ったor行かない?/日帰りor宿泊? 今年1年の旅行事情は「今年1年どのような旅行(出張は除く)に行きましたか?」という問いに対し、約5割(471人)の医師が「住んでいる都道府県内で日帰りの旅行をした」と回答。「住んでいる都道府県外へ1泊以上の旅行をした」(364人)という回答、「住んでいる都道府県内で1泊以上の旅行をした」(159人)という回答が続いた。一方で約2割(235人)の医師が「旅行も帰省もしていない」と回答している。上記の問いについて年代別に回答をみてみると、「住んでいる都道府県内で日帰りの旅行をした」という回答は若い年代ほど多く、「旅行も帰省もしていない」という回答は年代が高くなるほど多い傾向がみられた。「万一の感染が気になる」「医療者だけ区別するのはおかしい」などさまざまな意見医療従事者が旅行に行くことについて、感じていることや意見があるかを聞いた問いでは、さまざまな意見が寄せられた。【院内の規定が厳しい/開業医や高齢者に対応していることの難しさ】勤務先の規定が厳しすぎる(50代、内科、200床以上)個人医院では医師の感染がそのまま医療経営に関係してくるので、まだまだ医師自身および同居家族は控えたほうがいい(60代、耳鼻咽喉科、0床)開業医は休診できない(60代、内科、0床)とくに高齢者施設に勤務しているものにとっては旅行にいける環境ではない(60代、脳神経外科、200床以上)【まわりの雰囲気や万一の感染が気になる】周りの目が気になる(30代、循環器内科、200床以上)行ける雰囲気ではない。ただし世間では行っており無力感を感じる(30代、内科、200床以上)万一感染し院内クラスターの原因になるようなことがあれば、非難は避けられない。インフルエンザなみの対応とならない限り、自主規制はやめられない(50代、放射線科、1~19床)万一感染した場合の影響を考えるとまだ旅行には行きづらい。人が少ない高級ホテル等に宿泊するなど工夫している(20代、内科、200床以上)【医療者を区別すべきでない/ストレスが爆発寸前】医療従事者とそれ以外を分ける必要はない(50代、眼科、0床)医療従事者だけ我慢するというのもおかしいと思うので、リスク管理をしたうえで自由にしたらいいと思う(40代、内科、0床)国民全体が緩和に動いている中、医療従事者に対してだけ厳しいのはよろしくない。クラスターすらも受け入れる世論が必要(30代、神経内科、100~199床)そろそろストレスが爆発してしまう。ある程度の感染対策をしてなら旅行はOKだと思う(60代、循環器内科、0床)【医療者だからこそ適切な感染対策ができる/旅行自体のリスクが高いとは思わない】医療従事者だからこそ、感染対策を適切に行いながら安全な旅行ができると思う(40代、呼吸器内科、1~19床)感染リスクを最小化した少人数のものならよいのでは? 医療従事者の感染リスクというだけで旅行を自粛していたらかなり長期間行けなくなると思う(50代、精神科、200床以上)医療従事者が世間から隔離されて生活しているわけではないので、自由に行ってよいと思う(50代、消化器外科、200床以上)マスクなどの対策、食事、大声でしゃべることを避けるなど基本的な対策を守り節度のある旅行なら大いに良いのではないか(60代、内科、20~99床)旅行自体の感染リスクが高いとは思わないので、構わない気がする。医療従事者だけが批判の対象になるのはもう違うかなという気がする(30代、精神科、0床)“来年こそ行きたい場所”ベスト51位 ハワイ最も多かった回答はやはり“ハワイ”。「暖かいところで安らぎたい」「リゾートの王様といえばやはりハワイ」「しがらみから解き放たれたい」「非日常を感じたい、綺麗な海を見たい」などの声が相次いだ。「コロナ禍以前は恒例の旅行先だったから」「新婚旅行にまだ行けていないから」といった声も。2位 海外2番目に多かったのは、「どこでもいいから海外に行きたい」という回答。「しばらく行けていないから」「withコロナになってきたからそろそろ行きたい」「ずっと行ってないので願望も込めて」などの声が聞かれた。「来年でなくてもよいが、コロナ禍が収束したら行きたい」という声も。ただし、円安を嘆く声も多く寄せられた。3位 沖縄「温暖な地域かつ国内旅行に行きたい」「国内でリゾートを感じたい」など、まずは国内で非日常を味わいたいという声とともに沖縄が3位にランクイン。「青い海が見たい!」「子供にとっては初めての海になるので、きれいな海を見せてあげたい」ときれいな海への渇望を感じさせる声も。4位 北海道北海道を挙げた医師から多く聞かれたのは「美味しいものが食べたい」「海産物が食べたい」「食べ歩きしたい」という北海道グルメに期待する声。「自然を満喫したい」「ゆっくりドライブしたい」「開放的な場所で家族とゆっくり過ごしたい」と沖縄同様国内で自然を満喫したいという意見も多かった。5位 温泉とにかくどこでもいいから温泉でゆっくりしたいという声も多数。具体的な地名が上がった中では、箱根や湯布院、乳頭温泉が人気だった。蔵王や別府に有馬や加賀、鬼怒川や和倉など、全国各地の温泉地の名前が寄せられた。アンケート概要アンケート名『2022年を総まとめ&来年へ!今年の漢字と来年こそ行きたい旅行先をお聞かせください』実施日   2022年11月3日調査方法  インターネット対象    CareNet.com会員医師有効回答数 1,000件

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