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末期腎不全患者の手術、透析からの日数が死亡リスクに影響/JAMA

 血液透析を受けている末期腎不全患者において、術前最後の血液透析から手術までの間隔が1日に比べて、2日および3日と長くなるほど術後90日死亡リスクが高まり、とくに手術当日に血液透析を実施していない場合に有意に高まることが、米国・スタンフォード大学のVikram Fielding-Singh氏らが行った、米国メディケア受給者を対象とした後ろ向きコホート研究の結果、示された。血液透析治療中の末期腎不全患者において、待機的手術前の適切な血液透析の時期は不明であった。ただし、今回の結果について著者は、「絶対リスクの差の程度は小さく、残余交絡の影響の可能性もある」と述べている。JAMA誌2022年11月8日号掲載の報告。血液透析~手術間隔(1日・2日・3日)、手術当日の血液透析有無の術後死亡を評価 研究グループは、末期腎不全のために血液透析を受けているすべての患者の全国登録であるUnited States Renal Data Systemを用い、血液透析治療中の末期腎不全患者で2011年1月1日~2018年9月30日の期間に外科手術(眼内注射、デブリードマン等の小手術を含む)を受けたメディケア受給者を特定し、2018年12月31日まで追跡調査した。 主要評価項目は術後90日死亡率で、手術と術前最後の血液透析との間隔が1日、2日、3日間で比較するとともに、手術当日の血液透析の有無でも評価した。血液透析から手術までの間隔と術後90日死亡率との関連性は、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。 解析対象は34万6,828例(年齢中央値65歳[四分位範囲[IQR]:56~73]、女性49万5,126例[43.1%])、手術件数114万7,846件であった。血液透析から手術までの期間が長いほど、術後90日死亡リスクが高い 114万7,846件の手術のうち、術前最後の血液透析と手術との間隔が1日間は75万163件(65.4%)、2日間が28万5,939件(24.9%)、3日間が11万1,744件(9.7%)であった。また、19万3,277件(16.8%)では、手術当日に血液透析が実施されていた。 90日死亡は、3万4,944件(3.0%)の術後に発生した。術前最後の血液透析から手術までの間隔が長いほど90日死亡リスクは高く、日数依存の有意な関連性が認められた。2日vs.1日(絶対リスク4.7% vs.4.2%、絶対リスク差0.6%[95%信頼区間[CI]:0.4~0.8])の補正後ハザード比(aHR)は1.14(95%CI:1.10~1.18)だが、3日vs.1日(5.2% vs.4.2%、1.0%[0.8~1.2])のaHRは1.25(1.19~1.31)であり、また3日vs.2日(5.2% vs.4.7%、0.4%[0.2~0.6])のaHRは1.09(1.04~1.13)であった。 手術当日の血液透析の実施は、実施なしと比較して死亡リスクの有意な低下と関連していることが認められた。手術当日の血液透析ありvs.なしは、絶対リスク4.0% vs.4.5%、絶対リスク差は-0.5%(95%CI:-0.7~-0.3)で、aHRは0.88(95%CI:0.84~0.91)であった。 血液透析から手術までの間隔と手術当日の血液透析との相互作用について解析した結果、手術当日の血液透析実施は、術前の血液透析から手術までの間隔の延長に関連するリスクを有意に低下させることが示された(相互作用のp<0.001)。

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サル痘、発症前の症例から感染の可能性も/BMJ

 英国健康安全保障庁(UKHSA)のThomas Ward氏らは、英国でのサル痘の感染動態を調べる目的で接触追跡研究を実施した。英国では、サル痘の流行は2022年7月9日時点でピークとなりその後に低下。発症間隔は潜伏期間より短い場合が一般的であったことから、症状発現前のサル痘症例からの感染伝播があったことが示唆されたとしている。また、症状発現前に感染が検出されたのは最大4日間であったことから、感染の可能性がある人々の95%を検出するためには16~23日の隔離期間が必要と考えられたこと、発症間隔の95パーセンタイル値は23~41日間であり、感染期間が長いことが示唆されたとしている。BMJ誌2022年11月2日号掲載の報告。サル痘症例2,746例の接触追跡を行い、潜伏期間と発症間隔を推定 研究グループは、UKHSAの症例質問票からデータを収集し、サル痘症例の接触追跡研究を実施した。対象は、2022年5月6日~8月1日の期間にPCR検査でサル痘と確定診断された症例2,746例で、接触追跡により症例と接触者のペアを特定した。 主要評価項目は、サル痘感染症の潜伏期間と発症間隔(1次感染者の症状発現日と2次接触者の症状発現日の間隔)で、2つのベイジアンモデル(区間打ち切り補正[ICC]、区間打ち切り右側切り捨て補正[ICRTC])を用いて推定した。また、サル痘ウイルス感染が確認されUKHSAに報告された日ごとの症例数の増加率について、一般化加法モデルを用いて推定した。発症間隔中央値は潜伏期間より短く、発症前の症例から感染伝播する可能性あり 2,746例の平均年齢は37.8歳で、95%がゲイ・バイセクシャル・男性間性交渉者であると報告した(1,160/1,213例)。 平均潜伏期間はICCモデルで7.6日(95%信用区間[CrI]:6.5~9.9)、ICRTCモデルで7.8日(6.6~9.2)、平均発症間隔はそれぞれ8.0日(95%CrI:6.5~9.8)、9.5日(7.4~12.3)と推定された。 両モデルとも平均発症間隔は潜伏期間より長かったが、短期発症間隔の頻度が短期潜伏期間よりも多く認められ、発症間隔の25パーセンタイル値および中央値は潜伏期間の同値より短かった。ICCとICRTCモデルにおいて、25パーセンタイル値は推定1.8日(95%CrI:1.5~1.8)~1.6日(1.4~1.6)短く、中央値は推定1.6日(1.5~1.7)~0.8日(0.3~1.2)短かった。 発症間隔と潜伏期間の連携データのある症例13例のうち、10例で発症前の感染が記録されていた。 症例の倍加時間は、英国で最初のサル痘症例が報告された5月6日には9.07日(95%信頼区間[CI]:12.63~7.08)と推定されたが、症例の増加率は7月9日までのアウトブレイク中に減衰し、その後は症例の半減期へと転じ、試験終了時の8月1日には半減期が29日(38.02~23.44)にまで減少していた。

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ヒドロクロロチアジド、アモキシシリンなどに「使用上の注意」改訂指示

 厚生労働省は11月16日付で、ヒドロクロロチアジド含有製剤、アモキシシリン水和物含有製剤などに対し、使用上の注意の改訂指示を発出した。 今回の改訂指示は、ヒドロクロロチアジド含有製剤4剤の「重大な副作用」の項に「急性呼吸窮迫症候群」を、アモキシシリン水和物含有製剤6剤の「重要な基本的注意」の項のショックに関する問診の注意喚起にアナフィラキシー・アレルギー反応に伴う急性冠症候群などを、ロキサデュスタットの「重要な基本的注意」の項に定期的に甲状腺機能検査を促す注意を、イマチニブメシル酸塩の「重大な副作用」の項「血栓性微小血管症」に関する注意喚起を、それぞれ追記する内容となっている。詳細は以下。●ヒドロクロロチアジド含有製剤1)ヒドロクロロチアジド(商品名:ヒドロクロロチアジド錠)2)ロサルタンカリウム・ヒドロクロロチアジド(商品名:プレミネント配合錠 LD、同配合錠HD)3)カンデサルタン シレキセチル・ヒドロクロロチアジド(商品名:エカード配合錠 LD、同配合錠 HD)4)バルサルタン・ヒドロクロロチアジド(商品名:コディオ配合錠 MD、同配合錠 EX)【改訂の概要】「重大な副作用」の項に「急性呼吸窮迫症候群」を追記●アモキシシリン水和物含有製剤1)アモキシシリン水和物(商品名:サワシリンカプセル、パセトシンカプセル)2)クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物(商品名:オーグメンチン配合錠、クラバモックス小児用配合ドライシロップ)3)ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン(商品名:ボノサップパック)4)ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール(商品名:ボノピオンパック)5)ラベプラゾールナトリウム・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン(商品名:ラベキュアパック)6)ラベプラゾールナトリウム・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール(商品名:ラベファインパック)【改訂の概要】1)、2)・「重要な基本的注意」の項のショックに関する問診の注意喚起に、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群を追記し、問診内容に関する注意を追記・「重大な副作用」の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記3)~6)・「重要な基本的注意」の〈アモキシシリン水和物〉の項のショックに関する問診の注意喚起に、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群を追記し、問診内容に関する注意を追記・「重大な副作用」の〈アモキシシリン水和物〉の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記●ロキサデュスタット(商品名:エベレンゾ錠)【改訂の概要】・「重要な基本的注意」の項に、定期的に甲状腺機能検査(TSH、遊離 T3、遊離 T4)を促す注意を追記・「重大な副作用」の項に「中枢性甲状腺機能低下症」を追記●イマチニブメシル酸塩(商品名:グリベック錠)【改訂の概要】「重大な副作用」の項に「血栓性微小血管症」に関する注意喚起を追記

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喪中はがきを巡るあれこれ【Dr. 中島の 新・徒然草】(452)

四百五十二の段 喪中はがきを巡るあれこれ皆さん、年賀状の準備はできていますか?私もそろそろ取り掛からなくては、と焦っております。とはいえ、何かと忙しいのもこの時期なんですよね。一方、毎日のように自宅の郵便受けに入っているのが喪中はがき。親族ではなく当の本人が亡くなったという知らせもチラホラあります。そのうちの1人は同門の大先輩。10年ほど前のこと。「ワシはもう寿命でアカンから、看護学校の授業を変わってくれ!」そう言われて引き継ぐことにしました。ご自身が受ける手術を控えて、すっかり弱気になっておられたようです。代わりに行くことになった看護学校の授業。年間9コマで、準備も合わせると結構な時間を費やすことになります。しかし、毎回の準備にかけた時間に比例して、学生の反応もよくなるのが不思議でした。看護学校で教えていたためか、私自身が大病を患ったときは、看護師になった教え子たちが、心配して病室を覗きに来てくれたものです。以来、授業をすることは徳を積むことである、と思うようになりました。一方、かの大先輩のほうも、病気が治るとすっかり元気になられたようです。この「新・徒然草」を読んでは、メールで感想を送ってくれていました。そのうちの1回は、二百七の段「現代の忠臣蔵」についてです。本文中の「符号」という言葉、単なる誤字だったのですが、「敢えて『符合』を『符号』にズラしているところが素晴らしい!」と言われてしまいました。そう褒められると修正するわけにもいきません。冷や汗タラリです。5年近く前のことですが、今となっては良い思い出になりました。しかし、大先輩は足腰のほうも年々弱っていったようです。会合の後などに車で駅までお送りすると「すまん、すまん!」とずいぶん喜んでいただきました。こちらとしては「今日もまた徳を積んだわい」くらいにしか思っていなかったので、あまり感謝されるのもかえって申し訳なく感じたものです。今年、あと何枚の喪中はがきを受け取ることになるのでしょうか。不意にいなくなってしまうのが人間の定めです。誰に対しても、できるだけ親切に接しておかなくては、と改めて思わされました。最後に1句過ぎた日を 喪中はがきで 思い出す

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スマホ充電器による皮膚潰瘍【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第222回

スマホ充電器による皮膚潰瘍Pixabayより使用iPhone14が発売されて、買おうと思ったら無茶苦茶高くて諦めました。スマホってそもそも3万円くらいじゃありませんでしたっけ?物価上昇、円安の影響などのせいか、20万円近い価格に手が出ず…。Nakagawa Y, et al.iPhone charger-induced chemical burn from overnight contact with sweat: Two cases.J Dermatol . 2020 Oct;47(10):1187-1190.iPhoneの充電器って、コンセントにつないだものから電極が露出していますよね。あれって触ったとしてもビリビリと感電するわけではないので、安全なのかなと思っていたのですが、どうやら皮膚科では注意が必要のようです。さて、iPhoneは、夜間ベッドの近くで充電されることが多いです。私も枕の下で充電しながら寝ています。iPhoneってどれだけ慎重に使っても、すぐにバッテリーが減っていくので、毎日充電しないと使いものにならないです。これは日本からの報告で、iPhoneの充電器であるLightningケーブルによる皮膚潰瘍の2例です。この論文には、顔に押し付けられた電極が潰瘍化した写真が掲載されています。そう、あの電極が顔に押し付けられると、次第に潰瘍化していくというのです。汗をかいていると、この部位に化学性の潰瘍を生じる可能性があるようです。私も、朝起きて頭皮に潰瘍ができていないか注意しないといけません。大事な髪の毛を守らねば…。ちなみに、リチウム電池を使用しているスマホの場合、過去に爆発事故もありました。今の製品はおそらく大丈夫でしょうが、みなさんもスマホ関連のトラブルには注意してください。

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屋久島で学んだ、株式投資を成功させるプラスアルファとは【医師のためのお金の話】第62回

先日、屋久島の縄文杉トレッキングに参加してきました。登山口から縄文杉に到達するルートは見どころ満載ですが、かなり過酷です。事前にネットで調査していましたが、実際に経験した縄文杉トレッキングはまったく別物でした。ネット上にはさまざまな情報が溢れています。これだけ大量の情報があれば、わざわざ現地に行かなくても問題ないのでは? そのように感じるほど、高度な情報化社会に突入して久しいです。「手のひらにすべての情報を」。アップルのジョブズがiPhoneを上市してから情報化が加速します。しかし実際には、ネット上の情報はリアルワールドの断片に過ぎないことを、今回の縄文杉トレッキングで実感しました。リアルの屋久島を経験して、初めて事前にネットで収集した情報が自分の血肉になったからです。このことは、縄文杉トレッキングに限りません。投資や資産形成の成功にも当てはまると思います。私は、ネットや書籍の情報をリアルに体験することで、株式投資、不動産投資、起業などで得た知識を自分の血肉にしてきました。溢れる情報を価値ある知識に結び付ける方法を考えてみましょう。トレッキングに傘が必須?縄文杉とは、約7200年前の縄文時代から自生するといわれている日本最大級の杉です。幹の周囲は16.4mもあり、大人10人が両手を広げないと囲めないほどの巨木です。それほどの巨木ですが、1966年になるまで世間に知られることはありませんでした。人間でいえば何十世代もの年月を生き抜いてきた巨木を間近に見てみたい。しかし、縄文杉を直接見るには、往復22kmの道のりを歩く必要があります。実践した感想は、とにかくしんどかった、の一言です。事前のネット情報では、さまざまなサイトで縄文杉トレッキングの必須物品が紹介されています。必要性を納得できるものが多いのですが、中にはなぜこれが必要なのか、という物品もあります。フツーに考えると、こんなものは要らない。私は“常識的に”取捨選択して、縄文杉トレッキングに参加しました。そして現地でガイドさんと顔合わせして、持ちものを確認します。いきなりチェックされたのが「傘」でした。たしかに傘は必須物品として挙げられていました。しかし、トレッキングに傘っておかしいでしょ? 手がふさがってしまって危ないですよね?素人の“常識”で傘は除外したのですが、コレが大失敗。リアルの縄文杉トレッキングでは、傘は本当に必須アイテムなのです。その理由は、縄文杉トレッキングの全行程11kmのうち8km強は整備されたトロッコ道であるためです。つまり、足元の心配がないのです。屋久島のような湿潤な環境では、一般的な雨具を着て長距離歩行すると、蒸れて熱中症になる危険性があります。しかし傘を差していれば雨具なしでもOKです。この差は極めて大きい。しかし、ネット情報ではそのあたりの理由が説明されていません。現地に行って、実際に体験して、初めて腹落ちする事実でした。後で見直すと、ネットで出ていた記事はこういう意味だったのだ! と思うことばかりです。現地を体験するまではまったく理解できませんでした。多くのことは、ネット情報だけでは限界がある…。自分が実際に経験してみないと、物事の深いところまではわからないのです。この事実は、私たちに大きな課題を投げかけています。事前のネット情報収集にリアルな投資体験を重ねて最強の結果を屋久島の縄文杉トレッキングツアーでの学びは、「ネット情報よりもリアルな経験が優先される…」。私が言いたいのは、決してこのようなことではありません。むしろ、ネットでの情報収集は「基本」だと考えています。ネットで大量の情報を収集する。これは現代社会では常識と言ってよいでしょう。しかし、ほとんどの人はそこで止まってしまうのが残念です。本番はネット情報を仕入れた「先」にあります。つまりリアル体験にこそ、価値があるのです。たとえば、情報をまったく持たない丸腰で株式投資に踏み込むのは、あまりに危険でお勧めできません。どうせ取り組むのであれば、成功率を極限にまで高める必要があります。このためには事前の情報収集が不可欠。ネットや書籍でできる限りの情報を集めることが望ましいのです。しかし、ネットで情報を集めれば集めるほど、自分はすでに物事を知っているかのような錯覚に陥ります。これは非常に危険な状態です。なぜなら、私の屋久島での経験を語るまでもなく、ネットとリアルのギャップが大き過ぎるからです。ネット情報をすべてだと信じた瞬間に、失敗へのカウントダウンが始まります。しかし、成功するためにはネットでの事前情報収集が不可欠です。そしてネットは強力なツールになります。これを利用しない手はありません。それでは、実際に資産形成で成功するにはどうすればよいのでしょうか? 端的に言うと、ネットや書籍で限界まで知識を仕入れたうえで、株式投資や不動産投資に思い切って飛び込むしかありません。つまり事前のネットでのリサーチに、自分の経験を重ね合わせるのです。このステップを踏むことで、断片的かつ表面的であったネット情報が重層化されて、自分の血肉となります。こうして得た知識は、資産形成において最強の役割を果たすでしょう。ネットで調べまくった後は、思い切って少額の株式を買ってみる。このようにして、実際に「使える」技術をマスターしていくのが、資産形成の成功パターンではないでしょうか。いくらネット情報を収集しても、少額でも身銭を切った経験には及ばないからです。基本的な情報をネットや書籍で得たのちには、思い切って投資の現場に飛び込んで、さまざまなトラブルに対応する…。この繰り返しが、知識と経験に厚みを持たせ、資産形成を成功させる秘訣なのです。

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第20回 長野県が「医療非常事態宣言」を発出

オミクロン株の対応の新レベル分類全国的に、じわじわと病床使用率が上昇しています。長野県、群馬県、北海道などでやや逼迫傾向で、換気不良がその一因ではないかと考えられています。ただ、換気との相関性は確認されても、第8波との因果関係まではわからないのが現状です。さて、長野県は4日連続で病床使用率が50%を超えたことから、医療提供体制の逼迫が懸念されるとして、11月14日に「医療非常事態宣言」を発出しました。第8波では、長野県が初めての発出となります。11月11日の新型コロナウイルス感染症対策分科会において、「オミクロン株の対応の新レベル分類」が示されています(図)1)。病床使用率ごとにレベル1~4に分類を設け、レベル3以上になった場合に自治体が自粛等を呼びかける「対策強化宣言」を発出できるようにし、さらに悪化した場合には「医療非常事態宣言」を発出できるようにしました。図. オミクロン株の対応の新レベル分類(筆者作成)ただ、自治体ごとに発出基準には差があり、長野県も定義上はまず「対策強化宣言」があってしかるべきですが、もともと県独自の「医療特別警報」を発出していたため、今回の感染拡大で次の手として「医療非常事態宣言」を発出したものと推察されます。すべての医療機関が入院で診られるようにすべきか?インフルエンザとの同時流行が本当に起こるのか? あるいは、新型コロナ第8波とどのくらい時期を合わせて到来するのか、いろいろな要因で第8波のピークの時期・規模は変わってくるでしょう。病床使用率は、基本的に確保病床に対する使用率を見ているわけですが、「母数が少ないから医療が逼迫する」という批判をよく目にします。つまり、新型コロナを診られる病床を増やせ、ということです。すべての医療機関が新型コロナを新たに入院させるようになれば、万事解決する問題ですが、たとえ「5類感染症」あるいは「新型インフルエンザ等感染症の5類相当」にしたとしても、新型コロナ陽性とわかっている患者さんを入院させる場合、医療従事者は慎重にならざるを得ません。オミクロン株以降、致死率はかなり下がりました。しかし、高齢者の新型コロナには、いまだに亡くなられる方がいます。たとえ、「院内感染した後に亡くなられましたが、原疾患が重篤だったので」と説明があったとしても、家族としては「新型コロナを院内感染させられて死亡した」と解釈する可能性もあるわけですから、医療機関においてはこうしたトラブルも想定しておく必要があるかもしれません。また、「すべての医療機関で診なさい」という強力な要請が出せるのは、「新型インフルエンザ等感染症」のような法に基づく措置が基本です。一気に「5類感染症」にしたら、このような強力な要請は出せなくなるかもしれません。参考文献・参考サイト1)令和4年11月11日 第20回新型コロナウイルス感染症対策分科会 今秋以降の感染拡大で保健医療への負荷が高まった場合に想定される対応

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精神病性うつ病の死亡率~18年フォローアップ調査

 精神病性うつ病に関連する死亡率や併発する精神症状の影響に関するエビデンスは、非常に限られている。英国・オックスフォード大学のTapio Paljarvi氏らは、併発する精神症状を制御した精神病性うつ病の原因別死亡率を推定するため、本研究を実施した。その結果、精神医学的併存疾患を制御した後、重度のうつ病に関連する死亡リスクに対し、精神症状の著しい影響が認められた。著者らは、自殺やその他の外的原因による死亡を減少させるためにも、すべての重度うつ病患者に対し、迅速な治療および精神症状のモニタリング強化が求められると報告している。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2022年10月17日号の報告。精神病性うつ病患者の死亡リスクが最も高かったのは初回診断1年以内 本コホート研究では、フィンランドの全国健康レジスタより得られたデータを分析した。対象は、2000~18年に精神病性うつ病または重度の非精神病性うつ病と診断された18~65歳(診断時)のうち、統合失調症スペクトラム障害または双極性障害ではない患者。精神病性うつ病患者の原因別死亡率を、重度の非精神病性うつ病患者と比較した。死亡原因は、ICD-10で定義した。 精神病性うつ病患者の原因別死亡率を重度の非精神病性うつ病患者と比較した主な結果は以下のとおり。・対象患者数は、精神病性うつ病患者1万9,064例、非精神病性うつ病患者9万877例。・フォローアップ期間は、最大18年であった。・精神病性うつ病患者の死亡の約半数(1,199/2,188例)は、初回診断から5年以内に認められ、相対リスクが最も高かったのは、初回診断1年以内であった。・精神病性うつ病患者は、非精神病性うつ病患者と比較し、初回診断5年以内のすべての原因による死亡(調整HR:1.59、95%信頼区間[CI]:1.48~1.70)、自殺(調整HR:2.36、95%CI:2.11~2.64)、死亡事故(調整HR:1.63、95%CI:1.26~2.10)のリスクが高かった。

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職場へのお土産の予算は?/医師1,000人アンケート

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し始めた頃、出張や旅行は自主的に制限され、また学術集会もオンラインで開催されるなど、外出への機会は失われ、お土産を買ったり、もらったりということは減少した。しかし、最近では、コロナワクチンの普及や治療薬の登場により、COVID-19以前の生活に戻りつつある。 出張や学術集会が再開されて気になるのは、残してきた家族や医局の同僚などへの「お土産」である。実際、医師がどの範囲の集団に、どの程度の予算でお土産を購入しているのか、今回会員医師1,000人にアンケート調査を行った。 アンケートは、10月13日にCareNet.comのWEBアンケートにて全年代、全診療科に対して実施した。職場へのお土産の予算、最も多いのは「2,000~3,000円」 質問1で「お土産を買うか」(単回答)を尋ねたところ「必ず買う」が439人(43.9%)と一番多く、「ときどき買う」なども含めると全体で895人(89.5%)の会員医師がお土産を購入していた。 質問2で「職場用のお土産の全体予算」(単回答)を尋ねたところ「2,000~3,000円」が325人(32.5%)、「3,000~4,000円」が157人(15.7%)、「1,000~2,000円」が154人(15.4%)の順で多かった。 質問3で「お土産を買う範囲」(複数回答)を尋ねたところ、「家族」が763人、「職場の上司・同僚・部下」が686人、「自分」が302人の順で多かった。 質問4で「よく買うお土産」(複数回答)を尋ねたところ、「地元のお菓子」が814人、「地方限定販売のお菓子」が283人、「地元特産の食品」が221人の順で多かった。 質問5で「もらったとき最もうれしいお土産」(単回答)を尋ねたところ、「地元のお菓子」が557人(55.7%)、「地元特産の食品」が151人(15.1%)、「地元のお酒」が117人(11.7%)の順で多かった。以上からおおむね欲しいものと提供されたものが合致していたが、「地元特産の食品」や「地元のお酒」などを所望する声が多かった。人気のお菓子は「博多通りもん」 具体的にもらってうれしかったお土産では「博多通りもん」、「ご当地のお酒」、「萩の月」の順番で多く、有名な銘菓や現地でないと入手できないもの、運搬にかさばるため簡単に入手できないものに人気があった。 また、寄せられたコメントでは、「医局にお土産が置いてあると和みます(20代・麻酔科)」、「地域限定の食品(保存ができるもの)が一番ありがたい(30代・糖尿病・代謝・内分泌内科)」、「有名なお菓子がうれしいです。マイナーなものだと結局おいしくないものが多い(30代・眼科)」、「子供が鉄道好きなので、それを踏まえたローカルなグッズをもらったこと(30代・耳鼻咽喉科)」など人間関係を円滑にする事例のコメントが寄せられていた。

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セマグルチド、12~18歳でも優れた抗肥満効果/NEJM

 グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬セマグルチドは、成人の肥満治療薬として欧米で承認を得ている。オーストリア・Paracelsus医科大学のDaniel Weghuber氏らは「STEP TEENS試験」において、肥満症の青少年(12~18歳未満)に対する本薬の有用性を検討し、セマグルチド+生活様式への介入は生活様式への介入単独と比較して、68週の時点でBMI値の有意な低下をもたらし5%以上の体重減少の達成割合を有意に増加させたが、消化器系の有害事象の頻度が高かったことを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年11月2日号で報告された。12~18歳の肥満、過体重の無作為化試験 STEP TEENSは、8ヵ国37施設が参加した二重盲検無作為化プラセボ対照第IIIa相試験であり、2019年10月~2020年7月の期間に参加者のスクリーニングが行われた(Novo Nordiskの助成を受けた)。 対象は、年齢12~18歳未満で、肥満(BMIが性・年齢別の成長曲線で95パーセンタイル以上)または少なくとも1つの体重関連の併存症を有する過体重(同85パーセンタイル以上)の青少年であった。 被験者は、セマグルチド(2.4mg)またはプラセボを週1回、68週間皮下投与する群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。全例が減量を目的とする生活様式への介入(栄養、運動)を受けた(両親または保護者を含む)。 主要エンドポイントは、ベースラインから68週目までのBMIの変化率とされた。副次エンドポイントは、68週目までの5%以上の体重減少であった。10%、15%、20%以上の体重減少も著明に改善 201例(平均年齢 15.4歳、女性 62%)が無作為化の対象となり、このうち180例(90%)が試験を完遂した。セマグルチド群に134例、プラセボ群に67例が割り付けられた。1例(過体重)を除く全例が肥満だった。ベースラインの平均体重(109.9kg vs.102.6kg)、BMI値(37.7 vs.35.7)、ウエスト周囲長(111.9cm vs.107.3cm)が、セマグルチド群でわずかに高値であった。 ベースラインから68週目までのBMIの平均変化量は、セマグルチド群が-16.1%と、プラセボ群の0.6%に比べ有意に良好であった(推定群間差:-16.7ポイント、95%信頼区間[CI]:-20.3~-13.2、p<0.001)。 68週の時点で、5%以上の体重減少の達成割合は、セマグルチド群が73%(95/131例)であったのに対し、プラセボ群は18%(11/62例)であり、セマグルチド群で有意に優れた(推定オッズ比[OR]:14.0、95%CI:6.3~31.0、p<0.001)。 また、68週時の10%以上の体重減少(62% vs.8%)、15%以上の体重減少(53% vs.5%)、20%以上の体重減少(37% vs.3%)についても、セマグルチド群で達成割合が顕著に高かった。 セマグルチド群で改善された心血管代謝リスク因子として、ウエスト周囲長(-12.7cm vs.-0.6cm、推定群間差:-12.1cm[95%CI:-15.6~-8.7])と糖化ヘモグロビン値(-0.4% vs.-0.1%、-0.3%[-0.3~-0.2])のほか、総コレステロール、LDLコレステロール、VLDLコレステロール、トリグリセライド、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が挙げられた。 最も頻度の高い有害事象は消化器症状(主に吐き気、嘔吐、下痢)で、セマグルチド群のほうが高頻度(62% vs.42%)であったが、重症度は全般に軽症~中等症であり、発症期間中央値は吐き気、嘔吐、下痢とも2~3日と短かった。セマグルチド群の5例(4%)で急性胆嚢疾患が発現し、いずれも胆石症で、1例が胆嚢炎を併発した。重篤な有害事象は、セマグルチド群で11%(15/133例)にみられた。 著者は、「セマグルチド群で観察された体重およびBMIの減少の程度は、先行研究で他のGLP-1受容体作動薬や肥満治療薬を投与された青少年よりも、実質的に大きかった」としている。

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2型糖尿病のCOPD重症化、GLP-1受容体作動薬とSGLT-2阻害薬が有効か/BMJ

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)で2型糖尿病(DM)の患者において、GLP-1受容体作動薬とSGLT-2阻害薬は、スルホニル尿素(SU)薬と比べ、COPD増悪による入院リスクを約30~38%低減することが示された。また、GLP-1受容体作動薬は、中等度増悪リスクを37%低減した。一方でDPP-4阻害薬は、COPD増悪リスクの明らかな低減は認められなかったという。カナダ・マギル大学のRicheek Pradhan氏らが、英国国民保健サービス(NHS)データを基に行った住民ベースの3種実薬比較新規使用者デザインコホート試験の結果で、BMJ誌2022年11月1日号で発表した。3種の新規血糖降下薬vs.SU薬を評価 研究グループは、英国の全NHS病院入院データ「Hospital Episode Statistics Admitted Patient Care and Office for National Statistics」とリンクした、大規模プライマリケアデータ「Clinical Practice Research Datalink」を基に住民ベースコホート試験を行った。 被験者は、試験薬(GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬、SGLT-2阻害薬)のいずれか、またはSU薬を、新たに服用開始したCOPD既往の2型DM患者だった。 第1コホートにはGLP-1受容体作動薬の服用を開始した1,252例とSU薬服用を開始した1万4,259例が、第2コホートにはDPP-4阻害薬服用を開始した8,731例とSU薬服用を開始した1万8,204例が、第3コホートにはSGLT-2阻害薬服用を開始した2,956例とSU薬服用を開始した1万841例がそれぞれ含まれた。 主要アウトカムはCOPDの重症増悪(COPDによる入院と定義)で、GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬、SGLT-2阻害薬それぞれについて、傾向スコア層別化重み付けCox比例ハザードモデルを用いてハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)値を推算して評価した。また、これら3つの試験薬が中等度増悪(同日に、COPD急性増悪の外来診断と、経口コルチコステロイドと抗菌薬の同時処方と定義)のリスク減少と関連するかどうかも検証した。COPD重症増悪リスク、GLP-1受容体作動薬は30%、SGLT-2阻害薬は38%低減 SU薬と比較して、GLP-1受容体作動薬はCOPD重症増悪リスクを30%低減した(100人年当たり3.5 vs.5.0、HR:0.70、95%CI:0.49~0.99)。また中等度増悪リスクも37%低減した(0.63、0.43~0.94)。 同様にSGLT-2阻害薬も、COPD重症増悪リスクを38%低減した(100人年当たり2.4 vs.3.9、HR:0.62、95%CI:0.48~0.81)。一方で、中等度増悪リスクの低減は認められなかった(1.02、0.83~1.27)。 DPP-4阻害薬は、COPD重症増悪リスク、中等度増悪リスクともに低減はわずかだった(それぞれHR:0.91[95%CI:0.82~1.02]、0.93[0.82~1.07])。

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開発中のsiRNA治療薬、リポ蛋白(a)高値ASCVDに有効/NEJM

 リポ蛋白(a)値150nmol/L超のアテローム性心血管疾患(ASCVD)患者に対する、開発中の低分子干渉(si)RNA薬olpasiranの投与はプラセボと比較して、36週後のリポ蛋白(a)値を有意に低下したことが示された。米国・ハーバード大学医学大学院のMichelle L. O' Donoghue氏ら「OCEAN(a)-DOSE試験」研究チームが、281例を対象に行った第II相プラセボ対照無作為化用量設定試験の結果を報告した。36週後のリポ蛋白(a)値は用量に依存して70.5~101.1%低下したという。結果を踏まえて著者は、「今回の短期中規模試験では、olpasiranは安全であると思われた。また基礎的所見は、より大規模な評価を行い、ASCVDにおけるリポ蛋白(a)との因果関係を確認する必要があることを示すものであった」とまとめている。NEJM誌オンライン版2022年11月6日号掲載の報告。4種の用量とプラセボを投与し比較 研究グループは、ASCVDでリポ蛋白(a)値150nmol/L超の18~80歳、281例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に5群に割り付け、olpasiranを12週ごと10mg(10mg/12週群)、同75mg(75mg/12週群)、同225mg(225mg/12週群)、24週ごと225mg(225mg/24週群)、またはプラセボ(マッチングプラセボ群)をそれぞれ皮下投与した。 主要エンドポイントは、ベースラインから36週の、リポ蛋白(a)値のパーセント変化で、プラセボ補正後の平均%変化で報告した。安全性も評価した。36週時のリポ蛋白(a)値、10mg/12週群で-70.5%、225mg/12週群で-101.1% 被験者281例のベースラインでのリポ蛋白(a)中央値は260.3nmol/L、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)中央値は67.5mg/dLだった。ベースライン時に、88%がスタチン療法を受けており、52%がエゼチミブを服用、23%がPCSK9阻害薬を服用していた。 36週時点で、リポ蛋白(a)値はプラセボ群で平均3.6%上昇したのに対し、olpasiran群では用量に依存して有意に大幅に低下した。10mg/12週群で-70.5%、75mg/12週群で-97.4%、225mg/12週群で-101.1%、225mg/24週群で-100.5%だった(ベースラインとの比較でいずれもp<0.001)。 有害イベントの全発生率は、すべての群で同程度であり、最も多く報告されたolpasiran関連有害イベントは、疼痛を主とする注射部位反応だった。

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降圧薬の服薬は朝でも夕でもどちらでもお好きな時間に〜降圧薬の時間薬理学を無視したトライアル(解説:桑島巖氏)

 高血圧合併症を予防するためには、降圧薬の服薬は朝と夕のどちらがよいか? このテーマは高血圧患者を診療する医師にとってぜひ知りたい情報であろう。 本研究はその問題に本格的に取り組んだ大規模臨床試験である。 夕方服用のほうが朝服用よりも心血管合併症効果に、より有効であったとの報告もあるが、いずれも小規模だったり、方法論に問題があったりするなどで本格的大規模臨床試験による決着が望まれていた。その課題にあえて取り組んだ点では評価できる。しかし、プロトコールに大きな欠陥があるのは否めない。 本研究では降圧薬の服用時間によって、朝(6~10時)服用群と夕(20~24時)服用群にランダム化し、主要エンドポイントを心血管死、または非致死的脳卒中、心筋梗塞に設定して平均5.2年間追跡した。 その結果、主要エンドポイントの発生には両群間に差がないという結論を導いている。 しかし本研究の最大の欠陥は、降圧薬の時間薬理学への考慮がまったくなされていない点である。プロトコールによれば、降圧利尿薬の服用に関して、夕方服用が夜間頻尿などの理由でトラブルになる場合には、利尿薬のみ夕方6時、または朝服用も可、というかなりelusiveなプロトコールである。降圧薬の内訳は論文には記載されていないが、そもそもARB、ACE阻害薬などの多くは血中濃度に依存して降圧効果を発揮するが、おそらく被験者のかなりの症例が服用していると思われるアムロジピンなどは、降圧効果の持続(血中濃度持続)が25時間と非常に長いため、朝服用でも夕服用でも降圧効果の持続には影響しない。またこれも多くの症例で服用していると思われる降圧利尿薬の降圧効果も血中濃度に依存せず持続性は長い。したがって、朝の服用でも夕方服用でも降圧効果およびその結果としての心血管イベント発生には影響しない。 本研究のconclusionに述べている「夜間頻尿などの不快な効果がない限り、お好きな時間帯(convenient time)の服用でよい」というのは当然の結果である。

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第135回 大阪急性期・総合医療センターにサイバー攻撃、「身代金受け取った」報道の町立半田病院の二の舞?

約2週間経っても一部の診療が可能になっただけこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。野球シーズンも完全に終わってしまったこの週末は、原稿書きをしながらネットの“ストーブリーグ”のニュースを読んで時間を潰しました。今ホットなのは、福岡ソフトバンクホークスの千賀 滉大投手、オリックス・バファローズの吉田 正尚選手、阪神タイガースの藤浪 晋太郎投手など、MLBへの挑戦を宣言している日本人選手たちがどこのチームと契約するかのニュースです。そんな中、個人的に気になったのはオリックスの吉田選手です。それなりの高評価を受けているとのことですが、本当でしょうか?私は吉田選手を何度か球場で観たことがあるのですが、バッティングはともかく、守備能力はプロ野球選手の平均以下で、とてもMLBで通用するようには見えませんでした。外野手ですが肩は弱く(だから左翼を守っているのでしょう)、走力も今ひとつで守備範囲も広くありません。かといって、DHのポジションを取れるほどの桁外れのパワーがあるわけでもありません。広島に帰って来た秋山 翔吾選手や、未だ来季の所属チームが決まっていない筒香 嘉智選手の二の舞を踏まないことを願うばかりです。さて今回は、10月31日に大阪の災害拠点病院で起きた電子カルテへのサイバー攻撃の事件について書いてみたいと思います。約2週間経った11月15日現在も、やっと一部の診療が可能になっただけで、全面復旧は来年1月頃になるとのことです。昨年起きた徳島県つるぎ町の町立半田病院のサイバー攻撃の事件を上回りそうな被害状況です。全国の医療機関の経営者は、自院のセキュリティ体制や、外部事業者との契約等について改めて調べ、検討し直す必要がありそうです。患者の電子カルテが閲覧できず、診療報酬の計算もできない状態地方独立行政法人 大阪府立病院機構・大阪急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)は10月31日夜に記者会見を開き、ランサムウェア(身代金ウイルス)によるサイバー攻撃を受けたと発表しました。記者会見の席で岩瀬 和裕病院長らが事件の概要を説明しました。それによると、31日午前6時40分ごろ、職員がサーバーの障害に気づき、同8時半ごろ、業者の調査でランサムウェアの攻撃と判明したとのことです。サーバー上の画面には、英語で「全てのファイルは暗号化された。復元したければ、指定のアドレスにメールを送りビットコインで支払え。金額はメールを送る時間で変わる」と、データに対する「身代金」を要求するメッセージが表示されていたそうです。同センターは「金銭を支払う考えはない」として大阪府警に相談、同日夜の記者会見となりました。システム障害によって、患者の電子カルテが閲覧できず、診療報酬の計算もできない状態に陥り、31日は午前9時からの外来診療を中止し、緊急以外の予定手術は延期となりました。この日だけで最大1,000人の患者に影響が出たとのことです。復旧は遅々として進まず、全面復旧は来年1月ころに同センターは地方独立行政法人 大阪府立病院機構が運営する救急医療や災害医療の拠点病院で36診療科865床を有しています。府内の唯一の基幹災害医療センターであり、かつ府内に3ヵ所ある高度救命救急センターの1つでもあります。救急搬入数は府内に16ヵ所ある救命救急センターの中でもトップクラスとのことです。これまでサイバー攻撃を受けた病院と同様、サイバー攻撃からの復旧は2週間たった現在も遅々として進んでいません。各紙報道等によると、同センターは翌日以降も外来診療を含む通常診療を休止、紙のカルテを用いた手術の一部再開は11月4日、新規の手術や予約済みの外来診療が可能となったのは、電子カルテの一部が復旧した11月10日でした。元々カルテなどのデータのバックアップは取っていたとのことですが、閲覧するには攻撃を受けたシステムへの接続が必要で、安全性が確認できるまで閲覧できない状態が続きました。7日までに、攻撃を受ける直前の電子カルテのバックアップが確認でき、参照できる環境が整ったことで、10日から新規の手術や予約済みの外来診療が可能になったとのことです。同センターは一部復旧について、感染を免れた約1,000台(感染したサーバーや端末は約1,300台で全体の6割を占める)の端末のうち20台を使って、サーバーと切り離していたバックアップデータを参照できるようにした、と発表しています。診察内容の書き込みや担当部署への検査の発注などは10日時点でまだできていません。引き続き検査や新規の外来診療は停止しており、CTやMRIなどの画像診断システムも含めた全面復旧は来年1月ころになりそうだとのことです。ウイルスは給食の委託事業者のシステムから侵入そんな中、とても興味深い報道もありました。同センターが7日に開いた記者会見で嶋津 岳士総長が、障害の原因となったコンピューターウイルスは、給食の委託事業者のシステムから侵入した可能性が高い、と発表したのです。各紙報道等によれば、政府から派遣された専門家チームが調査した結果、患者の給食を納入している事業者の調理施設「ベルキッチン」(堺市)から、病院のサーバーに大量の不正なアクセスが確認されました。事業者側のシステムも病院と同様、ランサムウェアの感染が確認されました。脅迫文の内容などから、サイバー犯罪集団「Phobos」による攻撃の可能性があるそうです。事業者のシステムは、配食数や食事内容を管理するもので、病院のネットワークや電子カルテシステムと常時つながっており、病院はこのネットワークを利用し、糖尿病などの患者の食事内容を事業者に伝えていました。ベルキッチンを運営する社会医療法人・生長会の発表では、給食提供のためのシステムに障害が発覚したのは10月31日午前6時頃で、病院の電子カルテシステムの障害が発覚したのはこの約40分後だったそうです。ちなみに、事業者のVPN(仮想プラベートネットワーク)機器は、昨年10月にサイバー攻撃を受けた徳島県つるぎ町立半田病院と同じ製品で、ソフトウェアが更新されていませんでした。一方、病院側は最新のセキュリティ対策ソフトを導入するなどしていました。病院は「事業者のシステムに脆弱性があり、そこからウイルスの侵入を許し、こちらに入ってきた」との見方を示しています。病院自体はセキュリティ対策をしっかりしてきたつもりなのに、ネットワークにつながっていた外部の業者からウイルスが侵入してきたわけで、改めてハッカー対策の難しさが浮き彫りになった形となりました。つるぎ町の町立半田病院のサイバー攻撃から1年目に起きた事件サイバー犯罪集団のランサムウェアを用いた病院攻撃については、本連載でも徳島県つるぎ町の町立半田病院(120床)のケースを昨年のちょうど今頃、「第86回 世界で猛威を振るうランサムウェア、徳島の町立病院を襲う」で書きました。町立半田病院のケースは、2021年10月31日に起きました。病院システムのメインサーバーとバックアップサーバーが、「LockBit2.0」と名乗るロシア拠点の国際的なハッカー集団が仕掛けるランサムウェアに感染。同病院ではこの攻撃で患者約8万5,000人分の電子カルテが閲覧不能となり、急患や新患の受付ができなくなるなど、大きな被害が出ました。最終的にサーバーが復旧し、通常診療に戻ったのは2ヵ月後の2022年1月でした。本連載では、同病院のケースの調査報告書がまとめられた今年6月にも、「第118回 ランサムウェア被害の徳島・半田病院報告書に見る、病院のセキュリティ対策のずさんさ」で、その内容について書き、外部事業者に任せきりになっている医療機関のセキュリティ対策のずさんさを指摘しました。4つの興味深い共通点私はコンピューターウイルスの専門家ではないので細かなことはわかりませんが、素人目線で2つの事件を眺めると、いくつかの興味深い共通点があることがわかります。主な点を列挙してみます。1)どちらも10月31日に感染している。2)一度電子カルテシステムが感染すると紙のカルテに戻り、全面普及には2〜3カ月かかる。3)ソフトウェアの更新を怠っていたVPN経由で攻撃された。4)表向き「身代金は払わない」「身代金は払っていない」としている。1)はまったくの偶然でしょうが、ひょっとしたら何か理由があるかもしれません。皆さん、31日や来年の10月31日は気をつけたほうがいいかもしれません。2)紙のカルテについては、現在、ほとんどの病医院で運用していないと思いますが、こうした事態に備え、紙のカルテの使い方の練習もしておく必要があるかもしれません。東日本大震災の津波の被害の時も、紙のカルテに戻っていました。3)町立半田病院のVPN機器は、過去に認証情報の流出が問題になった米国フォーティネット社のもので、ソフトウェアが更新されていませんでした。報道によれば、大阪のケースでは、患者給食を納入している事業者のVPN機器がその機種で、やはりソフトウェアの更新がされていなかったようです。町立半田病院事件、「身代金受け取った」報道の謎そして、4)はなかなかセンシティブでグレーな問題です。報道等によると、今回の大阪のケースでは、身代金の支払いの「期限」が切れたとみられる1日午後4時過ぎ現在、支払いの指示に関する連絡はなかったそうです。このまま身代金を支払わず、全面復旧が実現すればいいのですが、気になるニュースもあります。10月26日付の共同通信によれば、町立半田病院の事件を巡り、「LockBit2.0」(現在は「LockBit3.0」と名称変更)が「データの『身代金』として3万ドル(約450万円)を受け取った」と主張していることがわかったのです。警察庁などは身代金を払うべきでないとしており、つるぎ町も払わないと表明していましたが、「復元を依頼されたIT業者の関係者が交渉した可能性がある」と共同通信は書いています。ランサムウェアの暗号を解除してデータを復元するのは技術的にほぼ不可能と言われています。だからこそ身代金要求が成立すると言えるでしょう。復元を依頼された IT業者が実際に身代金を払っていたかどうかは不明ですが、一部には、身代金の受け渡しを否定した町立半田病院に代わって、この業者が秘密裏にLockbit側と交渉、同病院(つるぎ町)から支払われた復旧費用(7,000万円だそうです)から身代金を捻出し支払うことで復元プログラムを入手し、電子カルテの復旧を実現したとの情報もあります。「身代金は払わない」と言っていた町立半田病院に内緒でこっそり450万円を支払い、7,000万円の売上を得ていたとしたら、それはそれで「契約違反」なわけでとても大きな問題です。なお、この件については、雑誌『選択』11月号が、「サイバー被害者『救済商法』に要注意 『半田病院事件』驚きの真相」という記事を掲載しています。そう考えると、医療機関のセキュリティ対策は、まず医療機関自身が自発的に取り組むことに加え、信頼に足る(そして暴利を貪らない)IT業者と組むことも重要と言えそうです。なお、厚生労働省は大阪急性期・総合医療センターの事件や、町立半田病院の身代金報道を受け、11月10日に「医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策の強化について(注意喚起)」と題する事務連絡を発出しています1)。事務連絡は「医療機関を攻撃対象とする同種攻撃は近年増加傾向にあり、その脅威は日増しに高まっています」として、リスクを低減するための措置、インシデントの早期検知、インシデント発生時の適切な対処・回復、金銭の支払いへの対応などについて注意喚起しています。金銭の支払いについては、「金銭を支払ったからと言って、不正に抜き取られたデータの公開や販売を止めることができたり、暗号化されたデータが必ず復元されたりする保証がない」、「一度、金銭を支払うと、再度、別の攻撃を受け、支払い要求を受ける可能性が増える」といった理由を挙げ、サイバー攻撃をしてきた者の要求に応じて金銭を支払うことは、犯罪組織に対して支援を行うことと同義であり厳に慎むべきである、としています。大阪急性期・総合医療センターはかつて「某毒院」「大阪駆黴院」と呼ばれ、梅毒の検査・治療施設だったそうです。同センターは果たして、現代の病院の“感染症”を克服し、無事身代金を払わずに全面復旧までこぎつけることができるのでしょうか。幸いバックアップが生きているようで、先行きは明るそうですが、「全面復旧は来年1月」と少々先過ぎる点が、実はダメージは深刻なのではないかと気になります。今後の展開を注視したいと思います。参考1)医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策の強化について(注意喚起)/厚生労働省

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「G-CSF適正使用ガイドライン 2022年版」海外ガイドラインの模倣ではなく、科学的な手法を徹底/日本治療学会

 がん薬物療法はさまざまな有害事象を伴うが、好中球減少は多くの薬剤で頻発する有害事象であり、時に重篤な感染症を引き起こし死に至ることもある。好中球減少と同時に発熱が生じる「発熱性好中球減少症(FN:Febrile Neutropenia)」を防ぐために使用されるのがG-CSF製剤である。 G-CSF製剤の適正使用に関しては、1994年にASCO(米国臨床腫瘍学会)がガイドラインを作成し、以来、改訂を重ねて、世界中で参照されている。2013年に刊行された「G-CSF適正使用ガイドライン第1版」は、ASCOのガイドラインと歩調を合わせる形で作成され、FNのリスクが高い場合には、G-CSFの「予防投与」を行うことが強く推奨された。日本では、G-CSFの予防投与は一部のがんを除いて保険適用となっておらず、FNが起きてから使う「治療投与」が主流であったが、そんな医療現場に一石を投じることになった。 そして2022年10月、大幅に改訂された「G-CSF適正使用ガイドライン 第2版」(日本治療学会・編)が刊行された。Web版としては4年ぶり、書籍版としては7年ぶりの改訂となる。4年に及ぶ改訂作業を率いた、G-CSF適正使用ガイドライン改訂ワーキンググループ(WG)委員長の高野 利実氏(がん研有明病院 院長補佐)に改訂のポイントを聞いた。 「今回の改訂における最大の変更点は、『Minds診療ガイドライン作成の手引き』に準拠し、エビデンスに基づく評価を徹底したことです。世界的な潮流であり当然の決断ではあったのですが、がん種によっては、G-CSFのありなしを比較する研究があまりなく、推奨の決定に苦慮しました。『FN発症率20%を基準にG-CSF使用の是非を判断する』という前提が、ASCOのガイドライン等で採用されているのですが、このカットオフに明確な根拠はないため、私たちは、この前提から離れた上で、G-CSFの有用性を評価するために、がん種別にシステマティックレビューを行いました」 「作業は苦難の連続でしたが、WG委員とシステマティックレビューチームの総勢42名の4年間にわたる努力で、完成させることができました。推奨の強さが1(強い)となったクリニカル・クエスチョン(CQ)は少なく、『弱く推奨する』『有用性は明らかでない』という記述が多くなってしまいましたが、解説文では、G-CSFを使用することの益と害についてのレビュー結果を記載し、現場での判断に役立つように工夫しました」 「刊行前のパブリックコメントでは『ASCOやNCCNのガイドラインに倣うべきでは』『20%のカットオフの方が使いやすい』といった意見も寄せられましたが、『海外の権威』や『使いやすさ』に安易になびくよりも、科学的に妥当であることを重視しました。結果として、世界に類を見ない新しいガイドラインになりました。疾患によってはエビデンスが乏しいことも明らかになりましたので、これからは、新たなエビデンスを創出していく必要があると認識しています」『G-CSF適正使用ガイドライン 2022年10月改訂 第2版』編集/日本治療学会 発行/金原出版B5判 208ページ定価 3,520円(税込)

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抗うつ薬と骨量減少との関連~メタ解析

 うつ病や抗うつ薬の使用は、骨粗鬆症のリスク因子の1つであるといわれている。しかし、抗うつ薬の骨への影響やうつ病患者の年齢と骨の健康状態の自然な低下に関する研究では、一貫した結果が得られていない。イタリア・Magna Graecia UniversityのMichele Mercurio氏らは、抗うつ薬と骨密度(BMD)の関連を調査した。その結果、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の使用がBMD減少と関連している可能性が示唆された。著者らは結果を踏まえ、抗うつ薬の使用と骨の脆弱性との潜在的な関連性に対する医師の意識を高め、骨の健康状態のモニタリング強化を目指すと述べている。Orthopedic Reviews誌2022年10月13日号の報告。 抗うつ薬およびBMDをキーワード(英語のみ)として、2021年6月までに公表された文献をPubMed/Medline、Cochraneデータベース、Scopusライブラリより検索し、PRISMAガイドラインに従ってシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。方法論的質の評価には、ニューカッスル・オタワスケールを用いた。 主な結果は以下のとおり。・定性分析には18件、定量分析には5件の文献を含めた。・さまざまなサブタイプのうつ病患者4万2,656例を対象に分析を行った。・研究の内訳は、SSRIのみを使用した研究が10件、SSRIと三環系抗うつ薬を使用した研究が6件、2種類以上の抗うつ薬を併用した研究が2件であった。・最新カテゴリの抗うつ薬(ボルチオキセチン、esketamineなど)を使用した研究は含まれなかった。・全体として、SSRIによるBMD減少(平均:0.28、95%CI:0.08~0.39)の有意な影響が観察された。

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PD-L1陽性NCSLCに対するペムブロリズマブ単剤1次治療の5年追跡結果(KEYNOTE-042)/JCO

 PD-L1陽性の進行または転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対するペムブロリズマブ単剤の1次治療を評価する第III相試験KEYNOTE−042の5年追跡結果がJournal of Clinical Oncology誌で発表された。ペムブロリズマブ単剤の1次治療は、5年後も化学療法と比較して持続的に臨床的利益を示すことが明らかになった。 試験デザインは関連記事参照 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は 61.1ヵ月であった。・OSのハザード比はTPS≧50%で0.68(95%CI:0.57~0.81)、TPS≧20%で0.75(0.64~0.87)、TPS≧1%で0.79(0.70~0.89)で、PD-L1 レベルに関係なくペムブロリズマブ群で良好であった。 ・ペムブロリズマブ群の5年OS率は、TPS≧50%で21.9%、TPS≧20%で19.4%、TPS≧1%で16.6%であった。・ペムブロリズマブの35サイクル治療を完了した102例の客観的奏効率は84.3%であった。・新たな安全性プロファイルは確認されなかった。 筆者は、ペムブロリズマブ単剤によるPD-L1陽性の進行または転移を有するNSCLC1次治療は5年間の追跡調査後も臨床的利益を示し続けており、従来通り標準治療である、と結んでいる。

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