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進行腎細胞がん1次治療、カボザンチニブ+NIVO+IPIがPFS改善(COSMIC-313)/NEJM

 予後予測分類が中リスクまたは高リスクで未治療の進行腎細胞がん患者において、チロシンキナーゼ阻害薬カボザンチニブとニボルマブ+イピリムマブの併用療法はニボルマブ+イピリムマブと比較して、1年時の無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したが、Grade 3/4の有害事象の頻度は高かったことが、米国・ハーバード大学医学大学院のToni K. Choueiri氏らが実施した「COSMIC-313試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2023年5月11日号で報告された。国際的な無作為化プラセボ対照第III相試験 COSMIC-313試験は、北米、欧州、南米、アジアなどの諸国の施設が参加した二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2019年6月~2021年3月の期間に患者の無作為割り付けが行われた(米国・Exelixisの助成を受けた)。 年齢18歳以上で、未治療の進行淡明細胞型腎細胞がんを有し、予後が国際転移性腎細胞がんデータベースコンソーシアム(IMDC)の分類で中リスクまたは高リスクの患者を、ニボルマブ(3mg/kg体重、静注)+イピリムマブ(1mg/kg体重、静注)との併用で、カボザンチニブ(40mg/日、経口、実験群)またはプラセボ(経口、対照群)を投与する群に無作為に割り付けた。 ニボルマブ+イピリムマブは3週に1回、4サイクル投与され、その後ニボルマブ維持療法(480mg、4週に1回)が最長で2年間施行された。 主要評価項目はPFSであり、無作為化の対象となった最初の550例(PFS集団)について独立の審査委員会が盲検下で評価した。完全奏効率は両群とも3% 855例(intention-to-treat集団)が登録され、実験群に428例(年齢中央値61歳、男性76%)、対照群に427例(60歳、73%)が割り付けられた。PFS集団は、実験群が276例(61歳、77%)、対照群は274例(60歳、74%)だった。全体の約65%が腎摘出術を受けていた。 PFS集団における12ヵ月時のPFS達成見込みは、対照群が0.49であったのに対し、実験群は0.57と有意に優れた(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.57~0.94、p=0.01)。PFS中央値は、実験群が未到達(95%CI:14.0~未到達)、対照群は11.3ヵ月(7.7~18.2)だった。 また、盲検下の独立審査委員会によるPFS集団における奏効率は、実験群が43%、対照群は36%であり、このうち完全奏効率はいずれも3%であった。病勢コントロール率はそれぞれ86%、72%、奏効までの期間中央値は2.4ヵ月、2.3ヵ月、奏効期間中央値はいずれの群も未到達だった。 Grade3/4の有害事象は、実験群が79%、対照群は56%で発現した。対照群に比べ実験群で頻度の高かった有害事象として、ALT値上昇(27% vs.6%)、AST値上昇(20% vs.5%)、高血圧(10% vs.3%)が認められた。投与中止をもたらした試験薬関連の有害事象の割合は、実験群が45%、対照群は24%であった。 著者は、「先行研究と比較して両群とも完全奏効率が低かったが、これは腎摘出術を受けていない患者の割合が他の第III相試験に比べて高く、腎腫瘍の残存病変を有する患者が多かったためと考えられる。今後、長期のフォローアップで完全奏効率が上昇するかはわからない」としている。現在、全生存期間の解析のためのフォローアップが継続中だという。

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砂糖代替品に体重減少効果はなく、むしろ疾病リスク高める/WHOガイドライン

 世界保健機関(WHO)は、2023年5月15日付で、非糖質系甘味料(non-sugar sweeteners:NSS)に関するガイドラインを公開し、体重コントロールや非伝染性疾患(NCD)のリスク低減を目的としてNSSを摂取しないよう勧告する、と発表した。 この勧告は、新たな研究のシステマティックレビューの結果に基づいたもので、NSSの使用は、成人および小児の体脂肪を減らすうえで長期的な利益をもたらさないことを示唆している。さらにシステマティックレビューの結果として、成人の2型糖尿病、心血管疾患、死亡率のリスク増加など、NSSの長期使用による望ましくない影響の可能性が示唆されている。 「砂糖をNSSに置き換えることは、長期的には体重コントロールに役立たない。糖の摂取を減らすためには、果物のような自然に存在する糖分を含む食品や、無糖の食品・飲料を摂取するなど、ほかの方法を検討する必要がある」と、WHO栄養・食品安全担当ディレクターのFrancesco Branca氏は述べた。 この勧告は、糖尿病を持つ人を除くすべての人に適用され、製造された食品や飲料に含まれる糖類に分類されない合成および自然発生または改変された非栄養性甘味料、または消費者が食品や飲料に添加するために単独で販売されているすべての甘味料が含まれる。一般的なNSSにはサッカリン、ステビアなどがある。 この勧告は、歯磨き粉、肌用クリーム、薬品などのNSSを含む衛生用品、またはカロリーを含む糖または糖誘導体でNSSとはみなされない低カロリーの糖および糖アルコール(ポリオール)には適用されない。

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NPhAが24年度改定の要望書を提出、薬局の「不公平」解消へ?【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第110回

日本保険薬局協会(以下、NPhA)から、次回の調剤報酬改定の要望書が提出されました。これによって、薬局が果たしている機能がきちんと評価されるようになるかもしれません。日本保険薬局協会は5月11日、24年度診療報酬改定に対する「要望書」を発表。重点事項として「薬局グループの規模に関わらず薬局が果たしている機能を公正に評価」と「医薬品の安定供給と後発品の継続的な使用促進に対する評価」が必要とした。グループ規模による評価に関しては、協会が「1丁目1番地」に掲げ、従来から要望している項目。調剤基本料1とそれ以外で格差がある地域支援体制加算を、要件・点数ともに「同一」にすることなどを求めた。(2023年5月12日付 RISFAX)NPhAは、比較的店舗数が多い中堅以上の保険薬局チェーンを中心とした団体です。NPhAは過去に実施した調査結果を根拠として24年度改定の要望書を提出しました。例示された根拠は、調剤基本料1を算定する薬局とそれ以外の基本料を算定する薬局の機能を比較すると、かかりつけ薬剤師の届出数や年間10件の在宅実績、無菌調剤、地域連携薬局と専門医療機関連携薬局の取得数などが基本料1以外の薬局のほうが多いというもので、要望書では調剤基本料1とそれ以外で格差がある地域支援体制加算を要件・点数ともに「同一」にすることを求めました。薬局薬剤師はご存じだと思いますが、調剤基本料で最も点数が高いのが調剤基本料1の42点で、調剤基本料2が26点、調剤基本料3が21点または16点と下がっていきます。薬局グループの規模が大きかったり、集中率が高かったりすると調剤基本料1を算定することができません。大規模グループや集中率の高い薬局は効率的な経営が可能なため、小規模な薬局を守るために点数が下げられていますが、薬局の本来の機能自体が評価されていないのは薬剤師としては悲しい状況であると言わざるを得ません。地域体制加算の要件にも調剤基本料が関係NPhAは、地域体制加算の算定要件についても改善を求めています。地域支援体制加算は、2018年度改定で新設された加算で、それ以前の基準調剤加算を踏襲し、より地域医療に貢献する薬局を評価する目的で新設されました。しかしながら、点数が高い地域体制加算1および2を算定する要件として調剤基本料1の算定があり、調剤基本料1を算定できる小規模の薬局が実績や貢献度に深く言及されずに高い地域体制加算を算定できるとして、薬局内外から疑問や不満の声が挙がっていました。実は前回の報酬改定の際にも別のエビデンスで同様の動きがありました。今回採用されるかどうかはわかりませんが、もし採用されなかったとしても当たり前のことをきちんと主張するというのは大事なことだと思います。2024年度は、6年に1度の医療・介護・障がい福祉等のトリプル報酬改定になります。医療と介護に関わる関連制度の一体改革にとって大きな節目であることから、今後の医療および介護サービスの提供体制の確保に向け、さまざまな視点からの検討が重要になるとされています。年度末に向けて、また騒がしい日々が始まりそうです。

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米国医師国家試験に挑戦するなら今が絶好のチャンス!【臨床留学通信 from NY】第48回

第48回:米国医師国家試験に挑戦するなら今が絶好のチャンス!さて今回は米国医師国家試験(USMLE:United States Medical License Examination)についてのお話です。私が試験を受けた2011年ごろはUSMLE Step 1・2CK(clinical knowledge)、2CS(clinical skill)、そしてそれを終えるとECFMG(Educational Commission for Foreign Medical Graduates)certificationが取得できて、その後にUSMLE Step3を受けるという仕組みでした。以前もお話ししましたが、USMLE Step 2CSは英語が不得意な私にとっては最難関。英語で問診し、英語で診察し、英語でカルテを書く、という日本語であったらなんでもないことを英語でするだけなのに、ものすごくハードルが高い試験でした。なんといっても英会話をまるでしたこともなく、ぬくぬくと受験勉強、大学生活をしていた私が、医者になって5年目に臨床業務の傍らひたすら英語の勉強をする羽目になったのです。しかも試験は米国に行って受けなければならず、試験費用(USMLEは1つ受けるのに10万円くらいするはずです)、KAPLANという語学学校のコース(5日で25~30万円くらいでしたでしょうか)での直前講習、滞在費などを含めると、高額な費用を余儀なくされました。情報は当時の記憶のままなので、そこは話半分に聞いていただきたいのですが、なんといっても、当時最もハードルが高かったUSMLE Step 2CSが、今は新型コロナの影響で中止となっているのです(いつまで中止かは不明です)。その代わりにOET(Occupational English Test)という医療英語試験が代用されており、渡米の必要もなく、試験もCSに比べれば楽、という話です。実際にCSに落ちた後、OETに切り替わった仕組みを利用してOET合格し、ECFMGを取得し、すでに渡米している人もいます。さらなる朗報はUSMLE Step1が無点数化になったことです。今までStep 1・2CKの点数が低く合格してしまうと、ECFMGは取れたものの、米国の病院とのマッチには世界中との競争に勝てず、とくに内科レジデント、外科レジデントなどレジデントから入る場合では、マッチできないというケースもありました。フェローから入る場合は診療科によって状況が異なることもあります。ただし人気の高い循環器フェローには、直接入ることは不可能と言ってもいいでしょう。Step 1はかなり曲者の試験で、いわゆる基礎医学の試験のため、国家試験を通った方でもかなり難しく、それが英語かつ高得点を要求されることから、敬遠していた人もいたと思います。Step 1が無点数化されたことで、世界中からこぞって受けているようです。その反面、ギリギリ合格を狙う人も多くなったため、合格率は下がっているようです。Step 2CKはそこまで難しいテストではないので、たとえ合格点すれすれでもStep 1をパスして、Step2CKで高得点を狙い、OETは現地での活動を見据えてしっかり英語の対策をすれば、ECFMG certificateの取得もできなくはない?ところが見えてきそうではないでしょうか。すでに受けようと決めている人には周知の情報ですが、ちょっと興味はあるけれど、くらいの人もぜひトライを考えてもいいのかもしれません。もちろん、お金と時間、労力、そしてECFMG取得後も困難なことは往々にありますが(今回の変更でより競争が激化していると思われますが)、資格がないことには米国で臨床ができないのも事実です。少しでも興味がある方はこのチャンスを活かすのもありかなと思います。Column第43回のコラムで紹介させていただいた、私がサポートしている先生方による、昨年12月に開催された日本循環器学会関東甲信越地方会での2つの発表は、お二方ともco-first authorとして無事に雑誌掲載されるに至りました1,2)。ECFMGは取得済みとのことですが、その後も険しい道は続くことは予想されますので、いろいろな形で後押ししていきたいと思います。 1)Yokoyama Y, et al. Eur J Cardiothorac Surg. 2023;63:ezad043. 2)Miyamoto Y, et al. Eur J Clin Invest. 2023 Feb 16;e13970.

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英語で「もう一度言ってもらえますか?」は?【1分★医療英語】第81回

第81回 英語で「もう一度言ってもらえますか?」は?Could you repeat it for me, please? (もう一度言ってもらえますか?)Sure.(もちろんです)《例文1》Could you say that again for me?(もう一度言ってもらえますか?)《例文2》Could you rephrase it?(別の言い方で言ってもらえますか?)《解説》英語でのやりとりで聞き逃したり、オンライン会議で聞き取りにくかったりという状況はよくあることかと思います。相手にもう一度繰り返してほしいときの表現はたくさんあります。一番使いやすく、シンプルかつ丁寧なのは、“Could you say that again?/Could you repeat it again?”などでしょう。“I’m sorry I didn’t get it/catch it.”(すみません、よくわかりませんでした/よく聞き取れませんでした)、または“I don’t(quite)follow”(よくわかっていません)と付け加えると、より丁寧かもしれません。また、言っていることは聞き取れたものの、単語や表現がわからないときには“Could you rephrase it?”(別の言い方で言ってもらえますか?)と言って言い換えをしてもらうよう頼んでみましょう。患者さんとのやりとりでも、スラングや非医療者特有の表現で意味が理解できない、といったこともしばしばです。聞いたことを正しく理解できているか自信がない場合には、“Do you mean〜?/Does it mean〜?”と言って、自分の理解が合っているかを確認するようにしましょう。講師紹介

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第164回 麻酔下の患者へのケタミン投与試験でプラセボに勝る抗うつ効果示せず

手術を控えた麻酔下の大うつ病患者にケタミンを投与するという一風変わった無作為化試験でプラセボに勝る抗うつ効果は残念ながら認められませんでした1)。試験で麻酔に使われたプロポフォールやイソフルランと同様にケタミンも麻酔薬で、自分の体を抜け出してしまうような感覚を生じさせる解離作用を有することが知られています。また、そばにいないはずの友人や家族の声が聞こえてしまうなどの幻聴や見えないはずのものが見える幻視を同剤はもたらすこともあります。ケタミンはそのようないわば「飛ぶ(trip)」感覚を求める人に不正使用されることがある一方で、精神疾患治療での応用も期待されており、治療抵抗性のうつ病を含む大うつ病患者へのケタミン投与と抗うつ効果の関連がいくつかの試験で示されています。それらの試験結果によるとケタミン静注は治療抵抗性うつ病患者の約5人に2人(41%)に有効で、約5人に1人(19%)は投与24時間で寛解に至っています。1回きりのケタミン静注を調べた無作為化試験での効果は投与後2時間以内に認められ、1週間後も持続していました。しかしケタミンの抗うつ効果がプラセボとどれだけ違うかを無作為化試験で調べることは困難を極めます。投与後にすぐに自覚しうる解離作用や幻覚などの精神作用のせいで被験者はケタミンとプラセボのどちらが投与されたかを知らされておらずともわかってしまい、完全な盲検がおよそ不可能だったからです。盲検が不完全だと被験者の期待に端を発する効果に偏りが生じる恐れがあります。その偏りのせいでケタミンの抗うつ効果が水増しされているかもしれません。そこでスタンフォード大学の研究チームは手術を受ける大うつ病患者を募り、被験者にケタミンをそうとは感づかれないように麻酔中に投与する無作為化試験を実施しました。試験には心臓や頭蓋内以外の手術を予定している40例が参加し、麻酔開始から手術開始までにケタミンかプラセボのいずれかが投与されました。被験者にどちらが投与されたかを後で推測してもらったところ正解率は50%に満たない40%足らずであり、試験のもくろみどおりケタミンはそうとは被験者に気づかれなかったことが示されました。肝心の効果はというとケタミン投与後3日間のうつ症状指標MADRSは改善しましたが、同様に改善したプラセボとの有意差は認められませんでした。寛解(MADRS点数12点以下)を達成した被験者の割合も両群とも40%で差がありませんでした。ではその抗うつ効果は果たして何に由来するのでしょうか? もしかしたら麻酔薬のおかげかもしれません。麻酔薬であるプロポフォールやイソフルランの抗うつ効果が先立つ試験で示されているからです。しかしそれらの試験では脳波を抑制するほどの量が複数回投与されており、脳波抑制が生じない範囲での標準的な麻酔が用いられた今回の試験とはだいぶ趣が異なっています。今回の試験報告の著者の1人Theresa Lii氏はケタミンも麻酔薬もうつ病緩和に大して貢献しなかったと考えています。医師とやり取りを繰り返し、気配りをしてもらいながら試験の手順を踏んでいったことが有益だったのであり、きっと良くなるという期待がケタミン投与群とプラセボ投与群のどちらでも醸成されて実際良くなったのだろうと同氏は述べています2)。ケタミンで「飛ぶ」ことができない環境での今回の試験結果によると大うつ病をすぐに改善する効果はケタミン自体にはないのかもしれません。次の課題としてLii氏は「飛ぶ」経験こそより有意義なのかどうかを調べたいと思っています。参考1)Lii TR, et al. medRxiv. 2023 May 01. [Epub ahead of print]2)Ketamine no better than placebo at alleviating depression, unusual trial finds / Science

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不眠症治療薬の有効性と安全性の比較~メタ解析

 不眠症のマネジメントにおいては、薬理学的治療が最も一般的に用いられる。しかし、不眠症に対する薬剤クラス間および各薬剤間の相対的な有効性および安全性、そのエビデンスの確実性を比較した研究は十分ではなかった。中国・蘭州大学のBei Pan氏らは、不眠症に対する治療薬の相対的な有効性、安全性、忍容性を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、非ベンゾジアゼピンは、総睡眠時間、入眠潜時、中途覚醒に対する改善効果が認められた。他の不眠症に対する薬剤クラスおよび各薬剤においても、不眠症状の改善に対するベネフィットが認められた。著者らは、不眠症治療薬の選択に当たっては、不眠症の病態および各薬剤の安全性、忍容性に基づき治療薬を選択する必要があるとしている。Drugs誌2023年5月号の報告。 2022年1月10日までに公表された研究をPubMed、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials、PsycINFO、ClinicalTrials.govよりシステマティックに検索した。検索対象には、不眠症成人を対象とした不眠症治療薬とプラセボまたは実薬比較対照薬を比較した研究を含めた。分析にはランダム効果を伴う頻度論的ネットワークメタ解析、確実性の評価にはGRADEシステムを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・適格基準を満たした研究は148件(患者数:4万6,412例、薬剤クラス数:8、薬剤数:36、試験数:153)であった。・プラセボと比較し、主観的および客観的に測定された総睡眠時間の有意な改善が認められた薬剤クラスは、非ベンゾジアゼピン、抗うつ薬、オレキシン受容体拮抗薬であった。●非ベンゾジアゼピン【主観的】平均差(MD):25.07、95%信頼区間(CI):15.49~34.64、確実性:低【客観的】MD:22.34、95%CI:7.64~37.05、確実性:高●抗うつ薬【主観的】MD:54.40、95%CI:34.96~75.83、確実性:低【客観的】MD:35.64、95%CI:13.05~58.24、確実性:高●オレキシン受容体拮抗薬【主観的】MD:21.62、95%CI:0.84~42.40、確実性:高【客観的】MD:31.81、95%CI:2.66~60.95、確実性:高・薬剤別では、doxepin、almorexant、スボレキサント、レンボレキサントは、忍容性が良好で、有害事象リスクが低く、有効な薬剤であった。・主観的および客観的に測定された睡眠潜時の有意な短縮が認められた薬剤クラスは、非ベンゾジアゼピン、メラトニン受容体作動薬であった。●非ベンゾジアゼピン【主観的】MD:-10.12、95%CI:-13.84~-6.40、確実性:中【客観的】MD:-12.11、95%CI:-19.31~-4.90、確実性:中●メラトニン受容体作動薬【主観的】MD:-7.73、95%CI:-15.21~-0.26、確実性:高【客観的】MD:-7.04、95%CI:-12.12~-1.95、確実性:中・とくにzopicloneは、最も効果的かつ有害事象リスクが低かったが、忍容性は劣っていた。・非ベンゾジアゼピンは、中途覚醒時間の有意な短縮をもたらす可能性が示唆された。●非ベンゾジアゼピン【主観的】MD:-16.67、95%CI:-21.79~-11.56、確実性:中【客観的】MD:-13.92、95%CI:-22.71~-5.14、確実性:中

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TN乳がんへのHER3-DXd、CelTILスコアが有意に増加(SOLTI TOT-HER3)/ESMO BREAST 2023

 未治療のHER2-早期乳がん患者に対するHER3を標的とした抗体薬物複合体(ADC)patritumab deruxtecan(HER3-DXd)5.6mg/kgを単回投与した第II相SOLTI TOT-HER3試験(part B)の結果、病理学的完全奏効(pCR)の予測スコアとして開発されたCelTILスコアが有意に増加し、ホルモン受容体の発現状況にかかわらず約30%の奏効率(ORR)が得られたことを、スペイン・Vall d'Hebron University HospitalのA.M. Antunes De Melo e Oliveira氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2023、5月11~13日)で報告した。 昨年のESMO Breast Cancer 2022において、SOLTI TOT-HER3試験part Aの最終結果が報告され、未治療のHR+/HER2-早期乳がん患者に対するHER3-DXdの術前単回投与は、CelTILスコアの有意な増加と関連し、ORRは45%であった。今回報告されたpart Bでは、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者も登録され、有効性と安全性が検証された。なお、part AではHER3-DXdは6.4mg/kgが投与されたが、part Bでは5.6mg/kgが投与された。<SOLTI TOT-HER3試験(part B)>・対象:未治療、HER2-、手術可能(超音波検査またはMRIで腫瘍径≧1cm)、Ki67≧10%の閉経前/後女性および男性乳がん患者・試験群:HER3-DXd(5.6mg/kg)を単回投与 37例(HR+/HER2-患者20例、TNBC患者17例)・評価項目:[主要評価項目]治療前と治療後(サイクル1の21日目)のCelTILスコア(-0.8×tumor cellularity[%]+1.3×TILs[%]:pCRと相関)の変動[副次評価項目]治療後の超音波検査によるORR、治療前のERBB3 mRNAレベルおよびIHCでのHER3タンパク質発現状況とCelTILスコアの変化など 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時の患者特性は、年齢中央値:51歳(HR+/HER2-群51歳、TNBC群50歳)、閉経前:54%(60%、47%)、腫瘍径中央値:21mm(21.5mm、26mm)、cN0:76%(85%、65%)、Ki67中央値:30%(20%、70%)であった。・治療前と比較した治療後のCelTILスコアの変化は、全体では平均差+9.4(p=0.046)で、TNBC群(平均差+17.9)のほうがHR+/HER2-群(平均差+2.2)よりも顕著であった。・ORRは、全体32%、HR+/HER2-群30%、TNBC群35%で、part Aと同様にCelTILスコアの変化量はORRと関連していた(AUC=0.693、p=0.049)。・治療前のERBB3 mRNAレベルおよびIHCでのHER3タンパク質発現状況と、CelTILスコアの変化量やORRとの関連はみられなかった。・PAM50サブタイプは、治療前がLuminal A:9例、Luminal B:7例、HER2-Enriched:4例、Basal-like:17例で、治療後はLuminal A:10例、Luminal B:4例、HER2-Enriched:2例、Basal-like:8例、Nomal-like:6例、No residual tumor:7例であった。・Gradeを問わない治療関連有害事象(TRAE)は84%(31例)に生じた。多かったものは、悪心65%(24例、うち1例はGrade3)、疲労46%(17例)、脱毛27%(10例)、下痢22%(8例)、便秘14%(5例)、頭痛14%(5例)、トランスアミナーゼ値上昇14%(5例)などで、以前に報告されたものと一致していた。Part Aと比較して、血液毒性および肝毒性の発現率は低かった。間質性肺疾患は報告されなかった。 現在、HR+/HER2-乳がんを対象に、術前にHER3-DXdを5.6mg/kgを6サイクル投与する第II相SOLTI-VALENTINE試験が実施されている。

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新型コロナの発生状況、「定点把握」の発表開始/厚労省

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、2023年5月8日から感染症法上の5類感染症の位置づけとなり、新規患者数の発生状況等の把握は、定点医療機関(全国約5,000ヵ所のインフルエンザ/COVID-19定点)からの報告に基づくものとなった。厚生労働省は5月19日に、これに基づく発生状況の発表を開始した。今回の発表では、5月8~14日の発生状況が報告された。今後、発生状況等については、毎週金曜日14時を目途に公表される予定。 なお、今回の発表では、5類感染症への位置づけ変更前となる5月7日までの推移も示している。ただし、これはHER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム)を活用してこれまで入力された定点医療機関による報告数を集計(5月17日17時時点)したものであり、各定点医療機関からの報告がHER-SYS上明らかでない場合は含まれないため、すべての定点医療機関による報告数が網羅されていない点に留意が必要となる。 5月19日時点での報告では、5月8~14日の新型コロナの定点医療機関報告数の総数は1万2,922件で、都道府県別で多い順に、東京都(994件)、北海道(964件)、神奈川県(838件)、埼玉県(783件)となっている。定点当たりの全国平均は2.63件であった。前週(1.80件)と比べて微増となっている。都道府県別の定点当たりの報告数は、多い順に、沖縄県(6.07件)、石川県(4.90件)、北海道(4.36件)、新潟県(4.30件)、山梨県(4.22件)、富山県(4.17件)となっている。 G-MIS(医療機関等情報支援システム)における新型コロナの新規入院患者数についても発表された。5月8日以降は、ICU入院中の患者数について独立した項目として報告される。今回の報告では、5月8~14日の新型コロナによるICU入院中の患者(7日間平均)は42例、ECMOまたは人工呼吸器管理中の患者は18例であった。

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SGLT2阻害薬の高齢者への処方の安全性-EMPA-ELDERLY/糖尿病学会

 5月11~13日に鹿児島で第66回日本糖尿病学会年次学術集会(会長:西尾 善彦氏[鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 糖尿病・内分泌内科学 教授])が「糖尿病学維新-つなぐ医療 拓く未来-」をテーマに開催された。 本稿では、近年、心血管疾患への治療適応も拡大しているSGLT2阻害薬について、口演「日本人高齢2型糖尿病患者を対象としたエンパグリフロジンの製販後試験」(矢部 大介氏[岐阜大学医学系研究科糖尿病・内分泌代謝内科学/膠原病・免疫内科学 教授])をお届けする。SGLT2阻害薬の高齢者への有効性・安全性について検討したEMPA-ELDERLY試験 日本糖尿病学会の「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」によれば、SGLT2阻害薬の位置付けは、肥満の有無(インスリンの分泌不全/抵抗性)にかかわらずStep1で選択されることになっている。また、併存疾患として慢性腎臓病、心不全、心血管疾患でも選択が表記されている(Step3)。その一方、SGLT2阻害薬の使用頻度が増す中で、高齢2型糖尿病患者への安全性は十分に確立されていない現状がある。 そこで矢部氏は、高齢糖尿病患者への有効性・安全性について検討されたSGLT2阻害薬エンパグリフロジンの国内第IV相臨床試験であるEMPA-ELDERLY試験の内容を報告した。 EMPA-ELDERLY試験は、わが国の2型糖尿病患者を対象に、SGLT2阻害薬エンパグリフロジンの長期投与と血糖降下への効果、安全性、体組成・筋力などへの影響をプラセボと比較した多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験である。【主たる組み入れ基準】・65歳以上の日本人2型糖尿病患者・食事療法、運動療法のみ、または経口血糖降下薬(ビグアナイド、DPP-4阻害薬など)で血糖コントロール不十分な患者【評価項目】主要評価項目:ベースラインから52週間後までのHbA1c変化量副次評価項目:ベースラインから52週間後までの体組成(筋肉量、体脂肪量、徐脂肪量など)の変化量、握力の変化量など【対象患者の背景】(127例)患者数:プラセボ(63例)、エンパグリフロジン(64例)年齢平均:プラセボ(74.0歳)、エンパグリフロジン(74.2歳)平均ベースラインBMI:プラセボ(25.4)、エンパグリフロジン(25.7)(*BMI22未満の痩身者は非対象として除外)罹病歴平均:プラセボ(11.8年)、エンパグリフロジン(12.4年)HbA1c平均:プラセボ(7.6%)、エンパグリフロジン(7.6%)EMPA-ELDERLY試験で高齢者でもSGLT2阻害薬が血糖コントロールを改善 SGLT2阻害薬の高齢者への有効性・安全性について検討したEMPA-ELDERLY試験の主な結果は以下のとおり。・ベースラインから52週間後までのHbA1c変化量推移は、プラセボ群と比べエンパグリフロジン群はHbA1cの低下が52週目まで続いていた。・HbA1c調整平均変化量では、プラセボ群-0.12%に対し、エンパグリフロジン群では-0.69%(調整平均の差-0.57%)とエンパグリフロジン群が有意に低下していた(p<0.0001)。・52週後のベースラインからの体重変化では、プラセボ群が-0.90kg、エンパグリフロジン群が-3.27kg(調整平均の差-2.37kg)とエンパグリフロジン群で有意に低下していた(p<0.0001)。・体組成では、体脂肪についてプラセボ群で+0.08kg、エンパグリフロジン群で-1.77kg(調整平均の差-1.84kg)と体脂肪で大きく変化がみられた(p<0.0001)。・筋力について、握力ではプラセボ群で-0.6kg、エンパグリフロジン群で-0.9kg(調整平均の差-0.3kg)と大きな差はなかった(p<0.4208)。また、5回椅子立ち上がりテスト(秒数)でもプラセボ群で-0.9秒、エンパグリフロジン群で-0.9秒(調整平均の差0秒)と差はなかった(p<0.9276)。・有害事象としては、重症度の軽い低血糖がプラセボ群、エンパグリフロジン群で各1例ずつ報告があったが、エンパグリフロジン群では死亡などは報告されなかった。 以上のEMPA-ELDERLY試験の結果を踏まえ、矢部氏は「高齢者においても、SGLT2阻害薬エンパグリフロジンは血糖コントロールを有意に改善した。また、脂肪量を減らすことで体重を低下させると同時に筋肉量減少などの変化は、プラセボ群と比較し、変化が認められなかった。エンパグリフロジンは忍容性も良好で、新たな有害事象もなかった」と報告をまとめた。

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膵頭十二指腸切除後の手術部位感染予防、TAZ/PIPCが有用/JAMA

 適応症を問わず、開腹による膵頭十二指腸切除術後の手術部位感染(SSI)の予防において、セフォキシチン(国内販売中止)と比較して、広域スペクトラム抗菌薬ピペラシリン・タゾバクタムは、術後30日の時点でのSSIの発生率を有意に抑制し、術後の敗血症や膵液瘻の発生頻度も低いことが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのMichael I. D'Angelica氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2023年5月9日号に掲載された。北米のレジストリ連携型非盲検多施設無作為化第III相試験 本研究は、レジストリ連携の実践的な非盲検多施設無作為化第III相試験であり、2017年11月~2021年8月の期間に、米国とカナダの26施設(外科医86人)で患者の登録が行われた(米国NIH/NCIがんセンター研究支援助成などの助成を受けた)。 年齢18歳以上で、適応症を問わず待機的な開腹膵頭十二指腸切除術を受けた患者が、ピペラシリン・タゾバクタム(各施設の基準に従い3.375または4.5g、静脈内投与)またはセフォキシチン(2g、静脈内投与、対照)の投与を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。試験薬は、切開開始から60分以内に初回投与が行われ、手術終了まで2~4時間ごとに追加投与され、術後は24時間以内に投与を終えることとされた。 主要アウトカムは、術後30日以内のSSIの発現であった。30日死亡率、臨床的に重要な術後の膵液瘻、敗血症の発生などが、副次アウトカムに含まれた。 本試験は、事前に規定された中止基準に従い、2回目の中間解析により有効中止となった。30日死亡率には差がない 778例が登録され、ピペラシリン・タゾバクタム群に378例(年齢中央値66.8歳、男性61.6%)、セフォキシチン群に400例(68.0歳、55.8%)が割り付けられた。456例(58.6%)が術前に胆管ステントを留置され、273例(35.1%)が術前化学療法もしくは放射線療法を、488例(62.7%)が膵がんの切除術を受けていた。 30日の時点におけるSSIの発生率は、セフォキシチン群が32.8%(131/400例)であったのに対し、ピペラシリン・タゾバクタム群は19.8%(75/378例)と有意に低かった(絶対群間差:-13.0%[95%信頼区間[CI]:-19.1~-6.9]、オッズ比:0.51[95%CI:0.38~0.68]、p<0.001)。 術後の敗血症(4.2% vs.7.5%、群間差:-3.3%[95%CI:-6.6~0.0]、p=0.02)および臨床的に重要な術後の膵液瘻(12.7% vs.19.0%、-6.3%[-11.4~-1.2]、p=0.03)の発生率は、いずれもピペラシリン・タゾバクタム群で有意に低かった。 一方、30日死亡率(1.3% vs.2.5%、群間差:-1.2%[95%CI:-3.1~0.7]、p=0.32)には、両群間に有意な差はみられなかった。 著者は、「術後SSIリスクの低減は、術前の胆道ステント留置の有無にかかわらず認められた。本試験の結果は、開腹膵頭十二指腸切除術後のSSI予防における標準治療としてのピペラシリン・タゾバクタムの使用を支持する」としている。

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第148回 新型コロナ定点感染者数を初公表、緩やかな増加傾向/厚労省

<先週の動き>1.新型コロナ定点感染者数を初公表、緩やかな増加傾向/厚労省2.国内で麻疹患者を複数確認、国内でも流行を懸念/厚労省3.GLP-1ダイエットの健康被害、日本医師会も問題視4.国立健康危機管理研究機構の設立へ、衆議院を通過/国会5.高度急性期偏重の診療報酬改定で、2次救急医療に悪影響か/中医協6.次世代医療基盤法改正案が成立、医療ビッグデータの利用促進へ/内閣府1.新型コロナ定点感染者数を初公表、緩やかな増加傾向/厚労省厚生労働省は、5月19日に定点把握による新型コロナウイルス感染症の感染状況データを初めて公表した。全国の約5,000の医療機関から報告された1週間の感染者数は1万2,922人で、1医療機関当たりの平均患者数は2.63人だった。東京、神奈川、埼玉、千葉の推移をみると、都道府県ごとの感染者数は増加しており、特に沖縄県が最も多い6.07人だった。厚労省はこれまでの感染者数と比較して、緩やかな増加傾向が続いていると分析している。また、新たに始められた「新規入院者数」の発表では、1週間で2,330人の新規入院があり、前週と比べてほぼ横ばい。厚労省では、今後も定点把握を通じて感染状況を把握し、対策を進める方針。(参考)新型コロナウイルス感染症サーベイランス週報:発生動向の状況把握(国立感染症研究所)新型コロナ「緩やかな増加傾向」 厚労省が定点把握で初発表(東京新聞)コロナ定点把握 5類変更後初めて公表 新規患者数 8-14日の1週間分 厚労省(CB news)新型コロナ「定点把握」全国の感染状況データ 初の発表 厚労省(NHK)2.国内で麻疹患者を複数確認、国内でも流行を懸念/厚労省感染力が強い「麻疹」の感染者が国内で複数確認され、厚生労働省が注意喚起を行っている。今月に入って確認された感染者は、インドから帰国した30代男性と、東京都在住の男女2人で、同じ新幹線の車内にいたことで感染経路が特定されている。海外との往来の増加により、国内での感染例が増加する可能性が懸念されており、厚労省は海外渡航者へ注意喚起とワクチン接種を呼びかけている。麻疹は非常に感染力が強く、免疫力のない人が感染するとほぼ100%発症する。感染経路は空気感染のため、手洗いやマスクでは予防できない。麻疹の治療は対症療法であり、ワクチン接種が有効とされている。しかし、国内でのワクチン接種率は目標の95%を下回っており、国内での流行の懸念が高まっている。加藤厚生労働大臣は、5月16日の記者会見で麻疹の症状を有する場合は麻疹を疑い、医療機関を受診のための移動の際は公共交通機関の利用を控えるよう呼び掛けている。厚労省は、自治体や医療機関に対し、麻疹に対する注意喚起を行い、同省のホームページやSNSなどで国民に向けた情報の提供をしている。(参考)加藤大臣会見概要[令和5年5月16日](厚労省)国内での麻しん流行を懸念、発熱や発疹のある者は麻しんを疑った行動・診療を!医療従事者は2回の予防接種歴確認を-厚労省(Gem Med)「麻しん疑われる時は受診前に医療機関に連絡を」相次ぐ感染者の確認を受け 加藤厚労相(CB news)はしか、国内で複数の感染者確認 同じ新幹線車両に乗り合わせ(朝日新聞)はしか相次ぎ、厚労相「症状あれば交通機関の利用控えて」…感染者が不特定多数と接触か(読売新聞)3.GLP-1ダイエットの健康被害、日本医師会も問題視糖尿病治療薬のセマグルチド(商品名:リベルサス)が「飲むだけで痩せられる薬」として処方され、健康被害が相次いでいることが5月18日に一般報道された。ダイエット目的でのGLP-1受容体作動薬の処方は、美容クリニックやオンラインクリニックで行われている。しかし、吐き気やめまいなどの副作用が出現するほか、急性膵炎で入院する人も報告されている。本来、セマグルチドは糖尿病の治療薬であり、ダイエットの薬としての厚生労働省の承認はなく、適応外使用となる。オンライン診療での医師の診察は短時間で行われ、医師とは対面もなく検査もされないまま処方薬が自宅へ配送されており、TwitterなどのSNSでも副作用の訴えが多く寄せられている。現在、美容クリニックやオンライン診療での糖尿病の薬の処方は自由診療で行われているため、現状では規制が難しい状況であり、日本医師会もこれを問題視し、繰り返しこの行為の問題を表明している。同会では今後、処方を正しく行うための法整備が必要と訴えている。(参考)「飲むだけで痩せられる」糖尿病の薬を“痩せる薬”として処方 副作用で吐き気やめまいなど健康被害相次ぐ…入院する人も(TBS)自由診療における糖尿病治療薬の不適切使用に対する見解示す(日医)自由診療におけるオンライン診療の不適切事例について(医薬品の適応外使用)(同)4.国立健康危機管理研究機構の設立へ、衆議院を通過/国会次の感染症に備えるため、アメリカのCDC(疾病対策センター)をモデルとして、内閣感染症危機管理統括庁や厚生労働省に科学的知見を提供するため、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合して新たな専門家組織「国立健康危機管理研究機構」を設立する法案が国会に提出されていた。この5月18日に衆議院本会議で採決が行われ、自民、公明党などの賛成多数で可決された。今後、参議院に送付されて採決で成立すれば、法案に基づいて設立される。設立は令和7年度以降に予定されている。(参考)国立健康危機管理研究機構について(厚労省)国立健康危機管理研究機構(仮称)と地方衛生研究所等の連携強化(同)国立健康危機管理研究機構法案(衆議院)日本版CDC法、衆院通過 司令塔新設案、参院審議へ(東京新聞)5.高度急性期偏重の診療報酬改定で、2次救急医療に悪影響か/中医協厚生労働省は5月17日に中央社会保険医療協議会(中医協)の総会を開催した。来年度から始まる第8次医療計画のうち新興感染症を除く5事業について、診療報酬の在り方の議論を始めた。診療側が問題提起したのは救急医療。去年の診療報酬の改定では、高度急性期医療を評価する「急性期充実体制加算」の新設によって、「総合入院体制加算」(診療科として精神科、小児科、産婦人科の標榜が施設基準)から急性期充実体制加算の算定に移行するため、医療機関側が精神科や産科を廃止するなど地域の2次救急の維持・運営に支障が生じていると指摘があった。本来は100万人に1つの3次救急施設を整備する方針だったが、すでに国内には300施設存在し、さらに増加傾向が続いており、診療側は医療計画がゆがんでいないか、診療報酬以外の財政措置も考慮すべきだと主張した。また、診療報酬の評価方法を見直し、2次救急の評価を充実させる必要があると訴えた。その他、高齢者の救急患者については、急性期以外の医療機関での対応を促す仕組みを強化すべきだと指摘があった。(参考)総合入院体制加算の届け出1年間で35%減 厚労省、周産期医療への影響を注視(CB news)二次救急医療機関への評価充実要望、中医協で診療側 支払側「高齢の救急患者は急性期以外で」(同)総合入院体制加算⇒急性期充実体制加算シフトで産科医療等に悪影響?僻地での訪問看護+オンライン診療を推進!-中医協総会(Gem Med)中央社会保険医療協議会 総会[第545回](厚労省)6.次世代医療基盤法改正案が成立、医療ビッグデータの利用促進へ/内閣府医療ビッグデータの利用を促進するため、今国会に内閣府が提出していた次世代医療基盤法(医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律)の改正法案が、5月17日に開かれた参議院本会議で可決・成立した。この法律は、病院などから提供された医療情報を加工し、研究開発などに活用するために、個人情報保護法の特例法として平成29年に制定されていた。現行法では個人情報の保護のため制限があり、これまでの利用実績は20数件と少なく、新薬の研究開発などに活用しにくいという課題があった。このため経団連や日本製薬工業協会などからは改正を求める声が上がっていた。新たに成立した改正次世代医療基盤法では、匿名化したままでより精緻な医療データを新薬の開発などに利用に活用することが可能となる。具体的には、血圧や体重などの検査値の提供範囲を拡大し、創薬や副作用の早期把握などに活用することが期待されている。また、個人情報保護のため新たな制度が導入され、元の医療情報から患者本人を直接特定できないように、個人情報の保護と情報漏えいの防止強化にも取り組むことになる。(参考)「次世代医療基盤法」とは(内閣府)精緻な医療データを製薬利用へ 法改正、個人情報は配慮(日経新聞)医療データ活用へ 改正次世代医療基盤法 参院本会議で成立(NHK)世代医療基盤法の見直し(経団連)

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事例024 外反母趾の治療装具採寸の査定【斬らレセプト シーズン3】

解説事例では、傷病名に対する「J129-3 治療用装具採寸法」(以下「同法」)を行ったところD事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)にて査定となりました。査定理由を把握するために同法の留意事項をみてみました。「既製品の治療用装具を処方した場合には、原則として算定できない。ただし、医学的な必要性から、既製品の治療用装具を処方するに当たって、既製品の治療用装具を加工するために当該採寸を実施した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に医学的な必要性及び加工の内容を記載すること」とあります。この留意事項に従って医学的な必要性が記入されています。記入がない場合は有無なく査定となりますが、今回は医学的な必要性が記入されています。ところがよくみると、必要性のみであって、「及び」で結ばれる後段の加工の内容が記入されていません。したがって、必要十分な医学的な必要性と加工の内容が記入されていないとして査定となったことが推測できます。医師には、必ず後段の記入を頂けるようお願いして査定対策としました。参考までに、加工内容が既製品の単純な長さ調節などの表現のみでは査定対象となるようですのでご注意ください。

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喘息の症状悪化、次にすべきは?【乗り切れ!アレルギー症状の初診対応】第1回

喘息の症状悪化、次にすべきは?講師富山赤十字病院 小児アレルギーセンター センター長 足立 雄一 氏【今回の症例】7歳の男児。1年ほど前から喘息のため、吸入ステロイド薬(フルチカゾン換算で50μgを1日2回吸入)で治療。半年以上良い状態が続いていたが、ここ2~3ヵ月は風邪をひくと咳込みが長引き、その都度、気管支拡張薬や去痰薬を内服していた。今回は、最近体育の授業で息苦しいことがある、と来院。吸入は朝晩続けている。どのように対応すればよいか?1.吸入ステロイド薬を増量する2.吸入ステロイド薬は増量せず、長時間作用性β2刺激薬との合剤に変更する3.吸入ステロイド薬は増量せず、ロイコトリエン受容体拮抗薬を追加する

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脊椎脊髄領域の画像診断-最新の知識と進歩

外来診療での脊椎脊髄疾患の診断にお役立ち!「整形・災害外科」66巻・第5号(2023年4月臨時増刊号)脊椎脊髄領域の画像診断技術は急速に進歩しています。総論ではEOSやPET/CT、MRI、トモシンセシス、脊磁図、エコー、有限要素解析など最新の画像診断技術を紹介。各論では成人、小児の画像診断の章を設け、整形外科にとどまらず放射線科や脳神経内科などスペシャリストが解説します。また、近年注目の人工知能(AI)の総論や深層学習を用いた自動診断システムについての章も設け、解説しています。外来診療における脊椎脊髄疾患の診断に役立つ最新の技術と知識が満載の1冊。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    脊椎脊髄領域の画像診断-最新の知識と進歩定価8,250円(税込)判型B5判頁数224頁発行2023年4月編集今釜 史郎電子版でご購入の場合はこちら

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コロナ禍のリモートワーク、医師からは「非効率」の声が多数

 新型コロナウイルス感染症の流行により、世界中の医療機関で急速にリモートワークが導入された。それは医療現場の生産性、スタッフの健康、コミュニケーションにどのような影響をもたらしたのか。カナダ・トロント大学医療政策管理評価研究所のChristopher McChesney氏らによる研究結果が、JCO Oncology Practice誌5月号に掲載された。 研究者らは2021年6月~8月、トロントの大規模がんセンターであるPrincess Margaret Cancer Centreにおいて、COVID-19パンデミック時に1回でもリモートワークを行ったスタッフに対してメールで調査票を配布し、匿名で回答を得た。リモートワークは自宅から病院のために行うあらゆる業務(タスク、プロジェクト、医療提供)と定義され、スタッフには医師、看護師、技師、事務スタッフが、設問はリモートワークの経験、生産性、効率性、満足度の指標、回答者の属性が含まれた。 主な結果は以下のとおり。・回答は333件、回答率は33.2%だった。年齢40~69歳(46.2%)、女性(61.3%)が多く、職種は医師(24.6%)が最多で事務スタッフ(19.5%)がそれに続いた。・リモートワーク継続を希望する人が全体の85.6%と大半を占めたが、ほかの職種と比較して医師(オッズ比[OR]:16.6、95%信頼区間[CI]:1.45~190.14)、薬剤師(OR:12.6、95%CI:1.0~158.9)は現場に戻ることを望む傾向が高かった。・医師は事務スタッフと比較して、リモートワークへの不満を報告する傾向が約8倍、リモートワークが効率に悪影響を及ぼすと報告する傾向が約24倍高かった。・看護師は事務スタッフと比較して、リモートワークのための追加リソース(OR:6.5、95%CI:1.71~24.48)やトレーニング(OR:7.02、95%CI:1.78~27.62)の必要性を訴える傾向が高かった。・回答者の7割以上がリモートワーク中に提供される医療の安全性(74.5%、248/333人)と質(70.0%、233/333)について現場での医療と比較して違いを感じない、と回答したが、その比率は従事する医療サービスによって異なっていた。・がんの外科治療に従事する回答者は、安全性(OR:1.21、95%CI:0.33~4.45)と質(OR:1.58:95%CI:0.48~5.20)の両方にリモートワークがマイナスの影響を与えると報告する傾向が最も高かった。一方、放射線治療に従事する回答者で、リモートワークが安全性や質に悪影響を及ぼすと回答した割合は、がんの外科治療従事者の約4分の1だった。・最も多く挙げられたリモートワークへの障壁は、リモートワークの割り当てに関する公正なプロセスの欠如、デジタルアプリケーションとの接続性、および業務上の役割の明確化の不十分さであった。 著者らは「リモートワークに対する医療者の全体的な満足度は高かったものの、医療現場におけるリモートワークの導入の障壁は『職場文化』『リソース』『トレーニングと教育』『コミュニケーション』『スタッフ配置』の5つのテーマに分類され、これらの障壁を克服するための取り組みが必要である」としている。

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EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法が単剤と比べてPFS延長(FLAURA2)/AZ

 アストラゼネカは、2023年5月18日付のプレスリリースにおいて、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)の国際共同第III相無作為化比較試験(FLAURA2試験)の結果を発表した。EGFR遺伝子変異陽性の進行・転移非小細胞肺がん(NSCLC)に対するオシメルチニブと化学療法の併用は、オシメルチニブ単剤と比べて無増悪生存期間(PFS)を有意に改善した。・対象:EGFR遺伝子変異陽性(ex19del/L858R)のStageIIIB~IVの未治療NSCLC患者586例・試験群(オシメルチニブ+化学療法群):オシメルチニブ80mg/日+化学療法(ペメトレキセド500mg/m2+シスプラチン75mg/m2またはカルボプラチンAUC 5[3週ごと4サイクル])→オシメルチニブ80mg/日+ペメトレキセド500mg/m2(3週ごと)・対照群(オシメルチニブ群):オシメルチニブ80mg/日・評価項目:[主要評価項目]RECIST 1.1に基づくPFS[副次評価項目]全生存期間(OS)、奏効率など 主要評価項目であるPFSについて、最終解析が行われた。今回の解析において、オシメルチニブ+化学療法群はオシメルチニブ群と比べて、PFSの統計学的有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。安全性の結果および有害事象により投与中止至った患者の割合は、各薬剤の確立されたプロファイルと一貫していた。なお、今回の解析時点ではOSについてのイベント数が不十分であったため、今後の解析時に評価が行われる予定。

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HER2低発現進行乳がんへのT-DXd、ER低発現でもPFS・OS延長(DESTINY-Breast04)/ESMO BREAST 2023

 第III相DESTINY-Breast04試験のサブグループ解析の結果、HER2低発現(IHC法でER陽性細胞が1~10%)で、エストロゲン受容体(ER)低発現の切除不能または転移のある乳がん患者(MBC)において、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)が医師選択化学療法(TPC)よりも無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を有意に改善し、その結果はER陰性(IHC法でER陽性細胞が0%)患者と同様であったことを、英国・エディンバラ大学のDavid A. Cameron氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2023、5月11~13日)で報告した。 ASCO2022のプレナリーセッションで、HER2低発現のMBC患者に対するDESTINY-Breast04試験の結果が報告されており、ホルモン受容体(HR)の発現状況にかかわらずT-DXd群ではPFSおよびOSが有意に延長したことが示されている。今回のサブグループ解析では、ER低発現の患者における有効性と安全性の探索的解析が行われた(データカットオフ:2022年1月11日)。<DESTINY-Breast04試験 サブグループ解析>・対象:1~2ラインの化学療法歴があり、HER2低発現(IHCスコア1+またはIHCスコア2+かつISH-)のMBC患者110例(ER陰性[0%]58例、ER低発現[1~10%]52例)・試験群(T-DXd群):T-DXdを3週間間隔で5.4mg/kg投与 75例・対照群(TPC群):カペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン、パクリタキセル、nab-パクリタキセルから選択 35例・評価項目:[主要評価項目]HR陽性患者の盲検下独立中央評価委員会(BICR)によるPFS[副次評価項目]全患者のBICRによるPFS、HR陽性患者および全患者のOSなど 主な結果は以下のとおり。●サブグループ解析には110例が組み込まれた(括弧内は順に年齢中央値、化学療法歴が1ラインの割合、CDK4/6阻害薬による治療歴ありの割合)。- ER陰性:T-DXd群40例(58.9歳、40.0%、5.0%)、TPC群18例(55.9歳、27.8%、0%)- ER低発現:T-DXd群35例(57.6歳、60.0%、62.9%)、TPC群17例(47.1%、52.9%)●PFS中央値は、T-DXd群がTPC群よりも良好であった。- ER陰性:T-DXd群8.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:4.3~11.7)vs.TPC群2.9ヵ月(95%CI:1.4~5.1)、ハザード比[HR]:0.46(95%CI:0.24~0.89)- ER低発現:T-DXd群8.4ヵ月(95%CI:5.6~12.2)vs.TPC群2.6ヵ月(95%CI:1.2~4.6)、HR:0.24(95%CI:0.12~0.48)●OS中央値も、T-DXd群ではTPC群よりも良好であった。- ER陰性:T-DXd群18.2ヵ月(95%CI:13.6~NE)vs.TPC群8.3ヵ月(95%CI:5.6~20.6)、HR:0.48(95%CI:0.24~0.95)- ER低発現:T-DXd群20.0ヵ月(95%CI:13.5~NE)vs.TPC群10.2ヵ月(95%CI:7.8~14.5)、HR:0.35(95%CI:0.16~0.75)●確定奏効率も、T-DXd群ではTPC群よりも良好であった。- ER陰性:T-DXd群50.0%(95%CI:33.8~66.2)vs.TPC群16.7%(95%CI:3.6~41.4)- ER低発現:T-DXd群57.1%(95%CI:39.4~73.7)vs.TPC群5.9%(95%CI:0.1~28.7)●T-DXd群においてGradeを問わず多く発現した治療関連有害事象(TRAE)は、悪心(77.3%)、嘔吐(40.0%)、疲労(37.3%)、食欲低下(34.7%)、脱毛(33.3%)、便秘(33.3%)、貧血(30.7%)、下痢(29.3%)、トランスアミナーゼ値上昇(26.7%)などで、これまで得られていた結果と一致していた。Grade3以上のTRAEは、T-DXd群では53.3%(40例)、TPC群では75.0%(24例)に生じた。■関連記事HER2低発現乳がんへのT-DXd、32ヵ月でのOS・PFS・安全性(DESTINY-Breast04)/ESMO2023

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