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第166回 医師の過重労働、年間残業時間960時間超過は依然2割/厚労省

<先週の動き>1.医師の過重労働、年間残業時間960時間超過は依然2割/厚労省2.ジェネリック薬の供給不安解消へ、企業の貢献度評価を提案/厚労省3.コロナ補助金を除くと公立病院の経営状況、19年度より大幅な悪化/全自病4.医療広告は規制強化へ、違反事例の解説書の新版リリース/厚労省5.医療用大麻解禁へ、不正使用には7年以下の懲役/厚労省6.国立がん研究センターの不正謝礼問題、元医長は再逮捕、病院は対策を強化1.医師の過重労働、年間残業時間960時間超過は依然2割/厚労省厚生労働省は10月12日に「医師の働き方改革の推進に関する検討会」を開き、医師の勤務実態調査の結果を公表した。来年度から本格化する医師の働き方改革では、時間外や休日労働の上限が年間960時間となるが、調査の結果、年間960時間を超える医師は4年前より減少したものの、依然として2割に上ることが判明した。医師の労働時間短縮計画の評価申し込みに関しては、医療機関からの受審申し込みが9日時点で471件に上り、約3割の評価が終了している。参考1)第18回医師の働き方改革の推進に関する検討会 資料(厚労省)2)令和5年版 過労死等防止対策白書(同)3)医師の時間外労働 年間960時間超が2割 去年の勤務実態調査(NHK)4)過労死白書“労働時間が長くなるほど うつ病などの割合増加”(同)2.ジェネリック薬の供給不安解消へ、企業の貢献度評価を提案/厚労省厚生労働省は、2023年10月11日に開催した「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」で、後発医薬品(ジェネリック薬)の安定供給に関する中間報告を公表した。この報告では、各製薬企業の供給体制を可視化するための仕組み作りが強調され、後発薬の供給状況や、安定供給への貢献に関する情報の公開を企業に求めている。具体的には、企業が自社製品の出荷状況や停止・回収事例、緊急時の対応としての生産能力などの情報を公開することが提案されている。さらに、少量多品種生産という後発薬産業の構造的課題を解消するための対策として、製造ラインの増設手続きの簡素化や不要な製品の整理、新規参入を抑制する方針も盛り込まれている。一連の取り組みは、2020年以降、後発薬の供給が不安定になっている現状を受けて進められており、有識者検討会では、企業の貢献度を評価し、その結果を薬価制度などに反映させる方針を明らかにした。参考1)後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会 中間取りまとめ(厚労省)2)後発薬「企業の供給力、評価を」 厚労省検討会(日経新聞)3)ジェネリック医薬品の供給不足解消へ…多数メーカーの「少量多種」生産を集約、厚労省会議が対策案(読売新聞)4)後発薬の安定供給、企業の貢献度を評価へ めりはり付けも、厚労省検討会が中間まとめ(CB news)3.コロナ補助金を除くと公立病院の経営状況、19年度より大幅な悪化/全自病国による新型コロナウイルスに対応する医療機関への支援が見直しの影響が懸念される中、全国自治体病院協議会は、記者会見で新型コロナウイルスの流行前の2019年度と比較して、公立病院の収支状況が悪化していることを明らかした。全自病が、今年7月19日~9月1日に行ったアンケート調査によると、2019年度と比較して、重点・協力医療機関や病床割り当て病院以外の公立病院の収支状況が悪化していた。その一方で、コロナ関連の補助金を支給された重点医療機関の収支状況は補助金により一時的に改善されているものの、補助金を除くと悪化することが判明した。2022年度の医業損益は、3,079億円の赤字で、19年度の2,005億円の赤字を上回っていた。10月以降に行われる「病床確保料」の上限をほぼ2割減らし、重症や中等症IIの患者に支給対象を限定するなどの補助金の大幅な減額や打ち切りが与える影響を危惧する声が高まっている。参考1)10月以降のコロナ対応に懸念表明、全自病会長 病床確保料や診療報酬の特例縮小で(CB news)2)重点・協力医療機関以外の公立病院の収支状況悪化 全自病調査、コロナ補助金打ち切りの影響を危惧(同)4.医療広告は規制強化へ、違反事例の解説書の新版リリース/厚労省厚生労働省は、不適切な医療ウェブ広告に対処するため、10月に「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第3版)」を公開した。新たな解説書には、規制の内容や、実際に問題とされる事例がイラスト付きで紹介されている。厚労省は、2017年に医療に関する広告規制の見直しを行い、ウェブ上の情報提供も規制の対象とした。厚労省は、この解説書を通じて、どのような広告が不適切で、どのように改善すれば良いかを示している。国民生活センターは、広告をきっかけに高額な美容医療サービスに関する相談件数が年々増加しているとして、注意を呼びかけている。参考1)医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書[第3版](厚労省)2)ウェブ上の医療広告、違反事例の解説書を公開 厚労省(womAn‘s LABO)3)「どういった医療WEB広告が不適切で、どう改善すれば良いか」を詳説した解説書をさらに改善・充実-厚労省(Gem Med)4)「今やらなければ」不安あおる美容医療契約の相談増 注意を(NHK)5.医療用大麻解禁へ、不正使用には7年以下の懲役/厚労省10月11日に開かれた自民党厚生労働部会で、厚生労働省は大麻草由来の成分を使用した医薬品の使用を可能とする大麻取締法の改正法案を提示し、了承された。今月20日に臨時国会に法案は提出される予定。今回の法改正により、これまでわが国で禁止されていた大麻草由来の医薬品の使用が解禁されることになる。 欧米では、抗てんかん薬などとしての価値が高まる中で、その使用が認められてきた。政府は乱用の防止策として、大麻取締法の範疇に「テトラヒドロカンナビノール(THC)」など依存性のある成分を位置付け、不正使用・所持に対する罰則として「7年以下の懲役」が設けられることとなった。一方、医薬品以外の目的での大麻草栽培には免許が必要となり、2種類の免許が設けられる見通し。さらに、一部のCBD製品には微量のTHCが含まれるため、残留限度値が設定される予定。参考1)医療用大麻の解禁、改正法案提出へ 大麻使用罪は7年以下の懲役(朝日新聞)2)大麻取締法、改正案を了承 自民、医薬品の使用可能に(東京新聞)3)自民・厚労部会「医療用大麻」使用可能とする法案を部会で了承(TBS NEWS)6.国立がん研究センターの不正謝礼問題、元医長は再逮捕、病院は対策を強化国立がん研究センター東病院の医療機器選定を巡る汚職事件で、元医長が贈賄側との「市販後調査」報告書に関連する不正な契約の疑いで再逮捕された。同医師は、医療機器メーカー「ゼオンメディカル」からの謝礼として約150万円を受け取っていたとされる。調査報告書には多数の誤記載があり、実際の症例や施術内容と異なる記載が確認された。同センターでは、機器の選定や使用に関して、現場の幹部が大きな権限を持っており、外部の専門家によるチェックの強化が求められている。同センターは、医療機器選定のプロセスに問題があったとしており、今後の対策として、業者との直接の連絡を禁止するなどの措置を取ることを公表した。参考1)「今にして思えば不自然」だった…再逮捕された国立がん研元医長が贈賄側と交わした「契約」(東京新聞)2)調査報告書に多数の誤記載 別の収賄容疑で元医長再逮捕-がん研究センター汚職・警視庁(時事通信)3)がんセンター汚職、医療メーカーが製品調査代行…「みなしPMS」で元医長に謝礼支払いか(読売新聞)

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NHKラジオ「小学生の基礎英語」【和製英語教育」から抜け出せる?日本人がバイリンガルになった未来とは?(言語政策)】Part 1

今回のキーワード学習開始年齢学習時間数学習の動機付け工場型一斉授業異年齢レベル分けバイカルチュラル文化の淘汰圧NHKラジオ「小学生の基礎英語」は、小学生向けの英語の教育番組です。1回のレッスンは10分で週3回(再放送を含めると週7回)、さらにNHKのホームページで過去のレッスンをいつでも聴くこともできます。英語を「チャンク」(意味のかたまり)として捉えることが勧められており、これは前回にも説明した生活言語能力を高めることにつながります。小学校の英語教育も、会話重視でより効果的になってきており、内容的には望ましくなりつつあります。しかし、構造的にはまだ問題が残っています。どういうことでしょうか?前回に、日本人がなかなかバイリンガルになれない根本的な原因はモノカルチュラル(日本文化)、モノリンガル(日本語の話し言葉)、そしてモノリテラル(日本語の書き言葉)にとらわれているからであると説明しました。そして、この状態を「語学障害」(文化結合症候群)と名付けました。この詳細については、関連記事1をご覧ください。この日本人ならではの「語学障害」を踏まえると、現在の日本の英語教育は「和製英語教育」と名付けることができます。和製英語が外国人に通じないのと同じように、「和製英語教育」は外国に通用しないからです。今回は、「小学生の基礎英語」をヒントに、この日本の英語教育の構造的な問題点を整理して、より良い英語教育、さらには言語政策を考えてみましょう。そして、文化進化の視点から、日本人の多くがバイリンガルになった時、どんな日本になっているかを一緒に想像してみましょう。日本の英語教育の構造的な問題点は?前々回に、言葉の学習の敏感期(グラフ1)の観点から、英語教育は、中学校からでは遅すぎて、幼児期では早すぎることがわかりました。この詳細については、関連記事2をご覧ください。それでは、小学校から始めれば良いでしょうか? ただ始めればいいというわけではないです。ここから、日本の英語教育の構造的な問題点を主に3つ挙げてみましょう。(1)学習時間数が少なすぎる「小学生の基礎英語」はほぼ毎日放送されており、しかもオンラインで何回も復習できます。一方、小学校の英語の授業時間数は、小学3、4年生で週1時間(年間35時間)、5、6年生で週2時間(年間70時間)、トータル4年間で210時間になります。実際の研究1)において、小学校の低中学年を対象に児童英検でのリスニングで英単語と絵がマッチしているかの判定を脳活動(N400)で測定する検査を行ったところ、英語の学習時間数が800時間を超えると、正答率が大きく伸びていくことが判明しました。その他の多くの研究1)でも、外国語の習得には相当数の学習時間数の確保が必要とされています。1つ目の問題点は、学習時間数が少なすぎることです。文法の敏感期が終わる12歳までの小学校4年間で210時間という授業数は、先ほどの研究結果の800時間を大きく下回っています。もちろん、これは現時点での話で、段階的に授業数を増やしている過渡期であると考えれば、今後に注目する必要があります。(2)学習開始年齢と進度が同じである「小学校の基礎英語」のテキストは、漢字にすべてふりがなが打ってあり、小学1年生からでも聴くことができます。実際に、小学1年生の生徒さんからの投稿アンケートもレッスン中に紹介されています。もちろん、出演者の人たちのやり取りがおもしろくて、小学6年生でも大人でも楽しめる内容です。一方で、小学校の英語教育が始まる学年は一律3年生(8歳)で、一律同じ進度で学習します。言葉の学習の敏感期の観点から、確かに8歳は、母語の基礎的な語彙(生活言語)がある程度固まる時期なので、前々回で説明したダブルリミテッドバイリンガルのような母語である日本語の言語能力への弊害のリスクがなくなりそうです。また、読み書きを通した抽象的な語彙(学習言語)へと脳の機能が移行する時期でもあると考えれば、音声だけでなく文字を併用することで、英語の学習がよりスムーズになるでしょう。ネイティブレベルの発音や語彙力は期待できないにしても、文法の敏感期が終わる12歳まであと4年間あります。よって、たとえば、日本語にない文法の“a”(不定冠詞)か“the”(定冠詞)か、“-s”(複数形)を付けるかどうか、どの前置詞とどの単語がセットかなどの言い回しや、さまざまな基本構文をより感覚的に理解することができるので、英会話でより自然に聞き取って話すことが期待できます。ただし、すべての生徒に期待できるわけではありません。2つ目の問題点は、学習開始年齢と進度が同じであることです。先ほど触れた日本語の言語能力への弊害のリスクがなくなるのは、あくまでもともとの言語理解IQ(VCI)が85以上の子供(約85%)についてです。前々回でも触れましたが、言語理解IQ(VCI)が85以下の子供(約15%)が日本語だけの学習でも問題を抱えている状況は、年齢が上がっても変わりはありません。これは、端的に言うと、国語の成績が低い子供です。つまり、教師が話している日本語でさえちゃんと理解できず、余力がまったくないのに、さらに英語の学習を推し進めるのは意味がないどころか、日本語ももっとおぼつかなくなるということです。なお、現時点では、英語の授業時間数が少ないことで、結果的にこの問題が起きないわけですが、やはり授業時間数を増やしていく場合には避けては通れない問題です。そして、この問題のために結局、授業時間数を増やせなくなってしまうことが最も懸念されます。(3)学習の動機付けに限界がある「小学生の基礎英語」は、レッスンの3回のうち1回は、英語についての質問コーナーがあり、単なる言葉を覚えるだけでなく、文化的な面にも興味を持てる仕組みがつくられています。一方で、小学校3、4年生の英語の授業内容も、「外国語活動」として、英語の文化的な要素も学習指導要領に盛り込まれているようです。ただし、家族も学校の友達も近所の人もほぼ全員日本語を話します。前回でも触れたように、世界的に見て、日本人のように母語しか話さない国民は実は珍しいのですが、日本はそれが成り立ってしまう国です。よって、子供にとっての現実の日常生活において、英語を理解していなければ困るという状況に遭遇することがまずなく、単純に必要性を感じません。今ちゃんと英語の勉強をした方が将来的に役に立つと思うのは、あくまで大人の発想であり、小学3年生にはぴんと来ません。3つ目の問題点は、学習の動機付けに限界があることです。動機があまりないなか、英語教育をただ推し進めても、やはり効果は限定的でしょう。実はこの状況は、英語に限らず、すべての教科にも言えることです。それは、自分の行動は自分で決めるという個人主義化が進むなか、ただ教室に座って言われたとおりに周りと同じことをしさえすれば学習が進んだことにするという日本の従来の横並び(集団主義)的な教育のあり方です。これが時代遅れになってきているのです。ちなみに、この日本独特の授業スタイルは、「工場型一斉授業」として海外の教育学者から指摘されています2)。まさに、商品がベルトコンベヤーに並べられて自動的に作り込まれていくのと同じように、生徒たちが教室に並べられて有無を言わさずに一方的に知識を詰め込まれるイメージです。昭和の時代まではそれが可能だったようですが、令和の時代にはそぐわなくなってきています。次のページへ >>

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NHKラジオ「小学生の基礎英語」【和製英語教育」から抜け出せる?日本人がバイリンガルになった未来とは?(言語政策)】Part 2

日本の英語教育の改善点は?日本の英語教育の問題点は、小学校において、学習時間数が少なすぎる、学習開始年齢と進度が同じである、学習の動機付けに限界があることであるとわかりました。それでは、これらを踏まえて、どうすればいいでしょうか? ここから、英語教育をより効果的にする改善点を3つ挙げてみましょう。(1)学習時間数を増やす1つ目は、小学校での英語の学習時間数を単純に増やすことです。たとえば、授業時間数を小学3、4年生で週3時間(年間105時間)、5、6年生で週5時間(年間175時間)とすると、トータル4年間で560時間を確保できます。あとは、「小学生の基礎英語」をはじめとする語学教材や宿題などの家庭での学習時間数(週3~5で15分~30分を4年間)を組み合わせれば、トータルで800時間に達します。なお、当然ながら、これだけ英語の授業時間数を増やすということは、他の科目の授業数を減らす必要があります。国語と算数は主要科目であるためなかなか減らせませんが、理科や社会など他の科目なら減らすことができます。なぜなら、これらの科目は、知識の要素が大きく、英語、国語、算数と違って敏感期を気にする必要がないからです。中学校以降で本格的に学ぶことが十分に可能です。逆に、中学校以降の英語教育は、すでに小学校で先取りして上達しているわけなので、その分を減らすことができます。また、上達していないとしたら、もともとの言語能力(言語理解IQ)に限界があったことが判明したわけですから、効率性の観点からも英語に多くの時間を割かない方が合理的です。そもそも敏感期を過ぎて「手遅れ」である点からも授業時間数を減らす方が合理的です。(2)授業開始学年と進度をその生徒に合わせる2つ目は、英語の授業開始学年と進度をその生徒の言語能力に合わせることです。逆に言えば、開始学年を一律3年生で一律同じ進度にしないことです。たとえば、基準は3年生としつつも、国語の成績が下位15%(言語理解IQが85以下)は、4年生以降に英語の開始を遅らせて、その分を国語(日本語)の授業時間にして専念できるようにします。逆に、国語の成績が上位15%(言語理解IQが115以上)は、8歳になるまでにすでに余力があるので、2年生から開始を早めて、その分国語の授業時間を減らすようにすることもできます。前々回でも触れましたが、発音の敏感期が遅れて終わる子供はその分、その後の語彙の学習が遅れるのと同じように、逆に語彙の学習が早い子供はその分、語彙の敏感期も早くに終わる可能性も考えられます。この点で、このような子供は、英語の学習を開始する時期をむしろ早める必要があります。また、開始学年を一律にしないことで年齢に縛られなくなるので、英語のクラスをレベル分けすることができます。よくよく考えると、授業時間数が増えるということはそれだけ、レベルアップに個人差が出てきます。また、幼児期からすでに英語教育を受けてきた子供や帰国子女とはレベルの差が最初からあります。年齢はあくまで基準としてその生徒のレベルに見合った授業を受けることができるようにするのは合理的ですし、そもそもそれが世界標準です。なお、言語理解IQは、医療機関で知能検査(WPPSI-IIIやWISC-V)によって測ることができます。また、今後は(すでに?)、AIによってオンラインで手軽に測ることができるようになるでしょう。(3)授業開始年齢と授業時間数を生徒と親に選ばせる3つ目は、英語の授業開始年齢と授業時間数を生徒と親に選ばせることです。これは、国語の成績(言語理解IQ)によって英語の開始学年を早めるか遅らせるか、授業時間数をどれくらいにするかは、あくまで学校側の推奨にとどめて、最終的にはその生徒と親に選ばせることです。なぜなら、国語の成績がどうであっても、あえて英語を開始するか国語に専念するかの選択肢をあえて提示されることで、責任が発生するからです。これは、自分の行動に責任感を持たせ、英語の学習に対する動機付けを高めます。もともと決められたこととしてやらなければならないという心理(外発的動機付け)から、自分で決めてやりたいという心理(内発的動機付け)に変わるからです。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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NHKラジオ「小学生の基礎英語」【和製英語教育」から抜け出せる?日本人がバイリンガルになった未来とは?(言語政策)】Part 3

日本人が本当にバイリンガルになるためには?小学校の英語教育の改善点は、授業時間数を増やす、授業開始学年と進度をその生徒に合わせる、これらの選択肢を生徒と親に選ばせることであることがわかりました。これは、まさに海外で行われている当たり前の外国語教育です。逆に言えば、授業時間数、授業開始学年、進度を学校側(文部科学省)が一方的に決めて選択権を与えないのは、日本ならではのモノカルチュラルなやり方であることに気付かされます。これを冒頭で「和製英語教育」と名付けました。前回にも触れましたが、日本人がなかなかバイリンガルになれない根本的な原因は、モノカルチュラルにとらわれているからです。つまり、日本人が本当にバイリンガルになるためには、まずモノカルチュラルから抜け出すことであると言えます。たとえばそれは、同じことが前提で周りと同じことをすることに居心地の良さを感じるだけでなく、違うことが前提として周りと違うことをすることに好奇心を持つことです。この第1歩が、異年齢で集まる、レベル分けされたクラスを自ら選ぶことです。英語が周りよりも上達すればそれだけクラスがレベルアップ(飛び級)し、逆に上達しないならレベルキープ(留年)することです。もちろん、習いごとではそれが当たり前です。それを主要科目として学校の英語の授業でやることに意味があるのです。これが、週3~5あれば、同じ年齢で同じクラスメートとは違った心理的な相互作用が起きるでしょう。たとえばそれは、必ずしも周りと一緒に同じことをやる必要はないという発想です。そんなクラスは、少なくとも「工場型一斉授業」とは呼ばれないでしょう。日本人がバイリンガルになった時の恩恵は?バイリンガルになるためにはまずモノカルチュラルから抜け出すことであることがわかりました。それでは、もしも日本人の多くがバイリンガルになったとしたら、どうなるでしょうか? その時はじめて、日本人はバイカルチュラルになっているでしょう。バイカルチュラルとは、単に英語と日本語を翻訳することではなく、日本語とは違う英語のバックボーンとなる文化や価値観も身に付けることです。それは、不安を感じにくく受け身にならないという新しい日本人のメンタリティです。そんな日本人たちは、世界に飛び出すことをためらわず、移民の受け入れにオープンでしょう。これは、人口減少、少子高齢化、経済の停滞などの数々の行き詰まりの突破口になるように思われます。これまで、これらの社会問題に散々政策を打ち出してきてどれもうまくいっていないことを考えると、やはり世界の人たちからかけ離れた日本人の独特のメンタリティの問題に行き着きます。なお、この日本人の独特のメンタリティの詳細については、関連記事3をご覧ください。日本人がバイリンガルになった時の代償は?一方で、日本人がバイリンガル(バイカルチュラル)になった時の代償があります。それは、これまでモノカルチュラルにとらわれて必死に守ってきた日本語や日本文化に淘汰圧がかかることです。つまり、言語の淘汰圧であり、文化の淘汰圧です。これは、残念ながら宿命です。私たちの脳の許容限度から、日本語の豊かさを保ちつつ英語も流暢に話すことはなかなか両立しないです。そして、日本的な価値観を守りつつ欧米圏の価値観も身に付けることもなかなか両立しないです。両立して器用に切り替えることができるのは、脳の許容限度が大きい一部の人に限られるでしょう。日本人にバイリンガルが増えれば、自然に難しかったり紛らわしかったりする日本語は使われなくなり、通じなくなっていくでしょう。相手との関係によって語彙表現を複雑に変えていくこともしなくなるでしょう。そして、毎年次々と流行語が生まれることもなくなるでしょう。ただし、それも長い文化進化の歴史から見れば、日本語そして日本文化の進化のプロセスの1つと見ることもできます。この詳細については、関連記事4をご覧ください。もはや今の日本は、何をやっても衰退の一途を辿っています。何かを得るということは何かを失うということ、この一得一失(トレードオフ)の現実に向き合うタイミングに来ています。それは韓国のように漢字を廃止したり、中国のように漢字を簡略化したりすることかもしれません。または、「和製英語教育」から脱却することかもしれません。日本人がバイリンガルになった未来は?日本語そして日本文化の豊かさが減っていくという代償を覚悟しつつ、日本人がバイリンガルそしてバイカルチュラルになることで日本が世界標準となり、結果的に日本社会の活力を新しい形で取り戻すことができる、そんな未来に一筋の希望を見いだすことができます。それがこれからの言語政策のビジョンにかかっているように思えます。それは、もはやモノカルチュラルにとらわれることではありません。また、バイカルチュラルやバイリンガルになるのをすっ飛ばして、いきなりバイリテラル(2言語の読み書きができる人)にさせようとする「和製英語教育」ではありません。これらを脱却して、まずはバイカルチュラルになろうとすることです。そうして初めてバイリンガルになり、そうして初めて真のバイリテラルになっていくと言えるのではないでしょうか?1)英語学習は早いほど良いのかP147、P141:バトラー後藤裕子、岩波新書、20152)日本の教育制度の閉鎖性に衝撃を受けた…「失われた30年」を経ても日本人が内向き志向を続ける根本原因:肥田美佐子、プレジデントオンライン、2023<< 前のページへ■関連記事NHK「やさしい日本語」【英語が話せないのは日本語が難しいから???実は「語学障害」だったの!?(文化結合症候群)】Part 1海外番組「セサミストリート」【子供をバイリンガルにさせようとして落ちる「落とし穴」とは?(言語障害)】Part 1苦情殺到!桃太郎(後編)【なんでバッシングするの?どうすれば?(正義中毒)】Part 1ドラマ「ドラゴン桜」(後編)【そんなんで結婚相手も決めちゃうの? 教育政策としてどうする?(学歴への選り好み)】Part 1

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こむら返りの薬物療法【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q88

こむら返りの薬物療法Q88日直中の外来に、夜間の下腿の熱痙攣(Heat cramp)を主訴として、高血圧、脂質異常症既往の70代男性が受診した。日中の炎天下で農作業に従事しており、発汗過多がある。1日の仕事が終わり、夜寝ようとすると毎日発症しているようだ。予防のための生活指導をしたが、発症時に内服薬も飲みたいとの希望が強い。何を処方しようか。

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初めての喘鳴症状で受診、行うべき治療は?【乗り切れ!アレルギー症状の初診対応】第11回

初めての喘鳴症状で受診、行うべき治療は?講師国立病院機構三重病院 アレルギーセンター 山田 慎吾 氏【今回の症例】2歳の生来健康な男児。これまでに感冒時にも喘鳴の経験はない。受診前日の夜間から38.2度の発熱を認め、咳嗽が増加し、ゼーゼーと呼吸をしたため、翌朝に受診した。兄弟が通う幼稚園ではRSウイルス感染症が流行している。受診時に鼻汁が多く、断続する咳嗽、呼気性喘鳴を認めるが、活気はあり、陥没呼吸はなく、SpO2は98%であった。

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減量目的のGLP-1作動薬、膵炎・腸閉塞・胃不全麻痺のリスク増加か/JAMA

 GLP-1受容体作動薬は糖尿病治療薬として用いられるが、体重減少の目的にも用いられている。糖尿病患者において消化器有害事象のリスクが増加していることが報告されており、2023年9月22日に米国食品医薬品局(FDA)よりセマグルチド(商品名:オゼンピック)について、腸閉塞の注意喚起が追加された1)。しかし、GLP-1受容体作動薬の体重減少効果を検討した臨床試験はサンプル数が少なく、追跡期間が短いため、これらの有害事象を収集する試験デザインにはなっていない。そこで、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のMohit Sodhi氏らの研究グループは、米国の大規模保険請求データベースを用いて、実臨床における体重減少目的でのGLP-1受容体作動薬の使用と消化器有害事象の関連を検討した。その結果、体重減少目的でのGLP-1受容体作動薬の使用は、bupropion・naltrexone配合剤と比較して、膵炎、腸閉塞、胃不全麻痺のリスクを増加させた。本研究結果は、JAMA誌オンライン版2023年10月5日号にResearch Letterとして掲載された。GLP-1作動薬群は膵炎、腸閉塞、胃不全麻痺のリスクが有意に増加 本研究では、米国のPharMetrics Plusデータベースを使用して、GLP-1受容体作動薬(セマグルチド、リラグルチド)使用者(GLP-1群)、bupropion・naltrexone配合剤使用者(対照群)を抽出し、消化器有害事象(胆道系疾患、膵炎、腸閉塞、胃不全麻痺)の発現を検討した。なお、コホートへの登録前90日間または登録後30日間に肥満を有していた患者を対象とし、糖尿病の診断または糖尿病治療薬の使用があった患者を除外した。 体重減少目的でのGLP-1受容体作動薬の使用と膵炎など消化器有害事象の関連を検討した主な結果は以下のとおり。・本研究のコホートにおいて、リラグルチド使用患者は4,144例、セマグルチド使用患者は613例、bupropion・naltrexone配合剤使用患者は654例であった。・GLP-1群は対照群と比較して、胆道系疾患の有意なリスク増加は認められなかったが、膵炎、腸閉塞、胃不全麻痺のリスクが有意に増加した。GLP-1群の対照群に対する調整ハザード比(aHR)、95%信頼区間(CI)は以下のとおり。 -胆道系疾患:1.50、0.89~2.53 -膵炎:9.09、1.25~66.00 -腸閉塞:4.22、1.02~17.40 -胃不全麻痺:3.67、1.15~11.90・感度分析において、解析に非肥満患者のGLP-1受容体作動薬使用例を含めても、結果は同様であった。aHR、95%CIは以下のとおり。 -胆道系疾患:1.20、0.85~1.69 -膵炎:5.94、1.90~18.60 -腸閉塞:2.44、1.00~5.95 -胃不全麻痺:2.35、1.20~4.58・感度分析において、BMIは上記の結果に影響を及ぼさないことが示唆された。  本研究結果について、著者らは「膵炎、腸閉塞、胃不全麻痺はまれな有害事象ではあるが、GLP-1受容体作動薬が広く用いられていることを考えると、体重減少を目的としてGLP-1受容体作動薬を使用する患者は、注意深く観察する必要がある」と考察した。

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高血圧治療補助アプリで8mmHgも降圧、治療効果のある患者とは

 CureApp HT高血圧治療補助アプリ(以下、治療アプリ)が保険収載、処方が開始してから1年が経過した。現在までの治療効果について、株式会社CureAppが「スマート降圧療法RWD発表記者会見」において、全国の医療機関で処方された治療アプリに入力された血圧データの解析結果を説明した。 本データ解析によると、全体集団における12週後の収縮期血圧の変化は起床時では8.8mmHg、就寝前では8.5mmHgの低下がみられた。これについて同社取締役の谷川 朋幸氏は「治験で検証されていなかった65歳以上の患者を含む、幅広い患者集団において薬事承認・保険適用を受けた治療アプリによるスマート降圧療法の効果が示された」とコメント。薬事承認・保険適用を受けた治療アプリによる実臨床での降圧データの公開は世界初である。 本試験の概要ならびに結果は以下のとおり。<試験概要> 高血圧症向け治療アプリへの入力データを用いた後ろ向き研究で、以下の条件で実施された。対象者:2022年9月~2023年4月にアプリを処方された患者家庭血圧を少なくとも1回入力した患者情報の研究利用を拒否する旨の意思表示を行っていない患者主要評価項目:高血圧症向け治療アプリ使用開始(ベースライン)後12週間での降圧量(ベースラインの週およびアプリ使用開始12週後の週においてそれぞれ5日以上血圧を入力した患者が対象)解析方法:年齢、アプリ使用開始時点での服薬の有無、塩分チェックシートスコア、BMIでの層別解析結果:・解析対象者は554例で女性は263例(55.1%)だった。・アプリ使用者の平均年齢は55.1歳(範囲:22~87歳)で、そのうち65歳以上は115例(21%)だった。・薬物治療を行っていたのは248例(45%)であったが、その薬剤の種類や用量は不明であった。・アプリ使用開始後12週間での全体集団における収縮期血圧の降圧変化は、起床時は-8.8mmHg、就寝前は-8.5mmHgだった。・65歳以上での12週後の収縮期血圧変化は、起床時で-11.8mmHg、就寝前で-10.1mmHgだった。・ベースラインでの平均収縮期血圧は起床時が133.6mmHg、就寝前が129.7mmHgで、治験1)時(起床時:149.3mmHg、就寝前:143.3mmHg)より低い傾向にあった。・2023年8月時点で報告対象となる健康被害はみられなかった。―――医師に向き合ってもらえている、この感覚が患者のやる気に 実際に本治療アプリによるスマート降圧療法を行っている野村 和至氏(野村医院)は処方が推奨される患者の特徴や処方経験からみえたことについて語った。同氏は患者13例に処方を行い11例がプログラムを終了(1例中断、1例は導入後一度も使用せず)、そのうち8例が改善を示した。この患者変化について、「医師は患者の入力データをネット接続したPCで確認するわけだが、患者の生活習慣の問題点、配慮すべき心理面などを把握することができる。本治療アプリを通して患者の全体像がみえてくるため、患者の良い所をみつけて褒めることもできた。過去に薬物療法を自己中断していた方でも行動変容に合わせた声かけにより継続することができ、スマート降圧療法で血圧も改善した」と述べ、別の症例では「毎年冬に血圧上昇がみられ降圧薬を増量する患者に対しスマート降圧療法を勧めた結果、2剤服用していた降圧薬のうちCa拮抗薬を中止するに至った。また、それに伴いHbA1cなどの数値にも改善がみられた」といった、驚くべき改善が得られたことを報告した。 一方、治療アプリを処方する際に困った点として、予想以上に血圧低下するケース、スマート降圧療法を求め別の施設から同氏の元へ来院するケースがあったそうで、前者については、「血圧低下時の対処方法を決めておく必要がある」と説明。後者については、かかりつけの医療機関で治療ができないか相談してもらい、難しいようであれば半年間だけスマート降圧療法留学をお願いする」などの工夫を紹介した。 なお、同氏が考える“スマート降圧療法が推奨される”患者像は以下のとおり。 ■推奨される患者像 健康志向の強い人、高血圧症の早期、内服薬に抵抗のある人 ■推奨される併存疾患 メタボリックシンドローム、心不全、腎疾患(運動のみ注意) このほか、減塩、減量、運動が推奨される疾患を有するなど成功モデル・離脱モデルのデータ蓄積に期待 さらに、プログラム終了間近の患者が “終わってしまうのが寂しい”“まだ続けていたい”という感想を漏らしたことに同氏は驚いたそうで、「プログラム上で自身の話を受け止め、病気についてアドバイスしてくれる点が行動変容に効果があるのではないか」と見解を示した。 最後に同氏は、スマート降圧療法は治療効果や治療中断の防止もさることながら、「“やったらできる!”という自己効力感の向上に重要」と強調し、「行動変容モデルを意識した適切なアプローチ、マンネリ化の防止のために、データ蓄積と本治療アプリのアップデートに期待したい」と締めくくった。

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双極性障害のリスク基準を満たす患者の長期的な発症率

 双極性障害の発症を予測することができれば、予防的治療が容易になる可能性がある。リスク評価尺度の中でもBipolar At-Risk(BAR)は、臨床コホートにおいて最初の1年間での双極性障害発症を予測するうえで有用であることが示唆されているが、BARが長期的な発症と関連しているかは、明らかになっていない。オーストラリア・メルボルン大学のAswin Ratheesh氏らは、10~13年間のフォローアップ期間を通じて、BARと双極性障害発症との関連を評価した。その結果、メンタルヘルスに問題を抱えている人のうち、BAR基準を満たす人は、そうでない人と比較し、10年以上にわたり双極性障害の発症リスクが有意に高いことが確認された。JAMA Network Open誌2023年9月5日号の報告。 2008年5月~2010年9月にオーストラリア・ビクトリア州メルボルンにあるTertiary Youth Mental Healthに援助を求めた15~25歳の気分障害、人格障害、薬物使用障害などの非精神病性の主要なメンタルヘルスの問題を抱える人を対象に、プロスペクティブコホート研究を実施した。研究は、2020年5月1日~2022年11月7日の期間に完了した。ベースライン時にBAR基準を満たしたリスク群および援助を求めた人の中で一致した対照群について、検討を行った。BAR基準には、閾値以下の躁状態、気分循環性の特徴、閾値以下のうつ状態、双極性障害の家族歴を含めた。主要アウトカムは、10~13年間のフォローアップ期間中における専門家による精神疾患簡易構造化面接法に基づく双極I型障害または双極II型障害の診断、オンラインで収集した自己申告情報、州内での精神保健サービスの利用状況とした。 主な結果は以下のとおり。・対象となる参加者69例のうち、フォローアップデータが入手可能であった人は60例(88.2%)であった。・フォローアップ終了時の平均年齢は32.9±2.8歳、女性は49例(81.7%)であった。・BAR基準を満たしたリスク群は28例、対照群には32例が含まれた。・リスク群では、平均11.1±0.7年のフォローアップ期間中に8例(28.6%)が双極性障害を発症したが、対照群では1人も発症しなかった。・双極性障害発症リスクは、対照群よりもリスク群で高かった(χ21=70.0、p<0.001)。・双極性障害への発症は、フォローアップ期間の前半および後半で同様であった。 著者らは「BAR基準を満たす人に対する長期的なモニタリングやサポートは、双極性障害の発症予防に寄与する可能性がある」とし、「臨床現場におけるBAR基準の実装によるリスク評価は、長期的な予後の評価に役立つであろう」としている。

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睡眠時無呼吸へのCPAP、MACEイベントの2次予防に有効か/JAMA

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)と心血管疾患の双方を有する患者の治療において、持続陽圧呼吸療法(CPAP)はこれを行わない場合と比較して、主要有害心脳血管イベント(MACCE)の2次予防に全般的には有効ではないものの、CPAPのアドヒアランスが良好な患者ではMACCEのリスクを低減することが、スペイン・リェイダ大学のManuel Sanchez-de-la-Torre氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2023年10月3日号で報告された。MACCE再発リスクへのCPAPの影響をIPDメタ解析で評価 研究グループは、OSAに対するCPAPによる治療がMACCEのリスクに及ぼす影響を評価する目的で、系統的レビューとメタ解析を行った(スペイン・カルロス三世保健研究所などの助成を受けた)。 医学関連データベースを用いて、2023年6月22日までに発表された論文を検索した。対象は、心血管疾患とOSAの双方を有する成人患者において心血管アウトカムおよび死亡に及ぼすCPAPの治療効果を評価した無作為化臨床試験であった。 選択された3つの研究(SAVE[2016年]、ISAACC[2020年]、RICCADSA[2016年])の論文の著者に、個別被験者データ(IPD)の提供を求めた。1段階および2段階のIPDメタ解析により、混合効果のCox回帰モデルを用いてMACCEの再発リスクに及ぼすCPAPの影響を評価した。また、CPAPの良好なアドヒアランス(≧4時間/日)の効果についても検討した。 主要アウトカムは、初発MACCE(心血管死、心筋梗塞、脳卒中、血行再建術、心不全による入院、不安定狭心症による入院、一過性脳虚血発作による入院)であった。1段階と2段階解析の双方で同様の結果 3研究の参加者4,186例を解析に含めた。82.1%が男性、平均BMIは28.9(SD 4.5)、平均年齢は61.2(SD 8.7)歳で、平均無呼吸低呼吸指数は31.2(SD 17)イベント/時であり、71%が高血圧を有し、50.1%がCPAPを受けており(平均アドヒアランス:3.1[SD 2.4]時間/日)、49.9%はCPAPを受けていなかった(通常治療)。平均追跡期間は3.25(SD 1.8)年。 主要アウトカムであるMACCEは691例(16.5%)で発生した(CPAP群349例、非CPAP群342例)。1段階解析によるITT解析では、MACCEの発生に関して両群間に統計学的に有意な差を認めなかった(ハザード比[HR]:1.01、95%信頼区間[CI]:0.87~1.17、p=0.94)。 2段階解析は1段階解析の結果を裏付けるもので、両群間に有意差はみられなかった(HR:0.99、95%CI:0.82~1.19、p=0.32)。 一方、on-treatment解析では、CPAPのアドヒアランスが不良な患者(<4時間/日)と比較して良好な患者(≧4時間/日)では、MACCEのリスクが有意に低下した(HR:0.69、95%CI:0.52~0.92、p=0.01)。 著者は、「OSA患者における心血管疾患の2次予防では、CPAPのアドヒアランスが重要な因子であることが示唆された」とまとめ、「このメタ解析の結果は、OSAと心血管疾患を有する患者のうち、CPAP治療が最も有益である可能性が高い患者を特定するための厳格な根拠を提供し、患者の異質性が治療効果にどのように影響するかに関するより広範な議論に寄与する」と指摘している。

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エフガルチギモド、一次性免疫性血小板減少症に有効/Lancet

 一次性免疫性血小板減少症(特発性血小板減少性紫斑病)は後天性の自己免疫疾患で、血小板抗原を標的とする自己抗体がその一部を媒介しており、ほかの疾患との明確な関連のない孤立性血小板減少症(血小板数<100×109/L)を特徴とする。患者は、出血イベント(まれに生命を脅かす)や疲労を呈し、QOLの低下を招く場合もある。米国・ジョージタウン大学のCatherine M. Broome氏らは「ADVANCE IV試験」において、ファーストインクラスの抗胎児性Fc受容体(FcRn)抗体フラグメント製剤エフガルチギモドが、プラセボと比較して、本症の慢性期の患者における血小板数の持続的臨床効果について有意に優れ、忍容性も良好で有害事象の多くは軽度~中等度であることを示した。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年9月28日号に掲載された。アジア、欧米の71施設の無作為化プラセボ対照第III相試験 ADVANCE IV試験は、日本を含むアジア、欧州、北米の71施設が参加した24週間の二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2019年12月~2022年2月の期間に患者のスクリーニングを行った(argenxの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、平均血小板数が30×109/L未満で、過去に少なくとも1回の免疫性血小板減少症の治療が奏効し、ベースラインで同時併用療法を受けているか、過去に少なくとも2回の免疫性血小板減少症の治療を受けている、慢性(罹患期間>12ヵ月)または持続性(同3~12ヵ月)の一次性免疫性血小板減少症の患者であった。 これらの患者を、エフガルチギモド(10mg/kg)またはプラセボを静脈内投与する群に2対1の割合で無作為に割り付けた。最初の4週間は週1回の投与を行い、その後は担当医の裁量で、週1回投与を継続するか、血小板数≧100×109/Lの場合は2週に1回の投与に変更することが可能であった。 主要エンドポイントは、慢性の免疫性血小板減少症の集団における血小板数の持続的臨床効果(直近6週間のうち少なくとも4週で血小板数が≧50×109/L)とした。 131例(年齢中央値47.0歳[四分位範囲[IQR]:18~85]、女性54%)を登録し、86例をエフガルチギモド群に、45例をプラセボ群に割り付けた。これらの患者は、平均罹患期間が10.6年で、67%(88/131例)が少なくとも3回の免疫性血小板減少症の治療歴のある長期罹患者であった。131例のうち慢性の患者は118例(エフガルチギモド群78例、プラセボ群40例)だった。慢性だけでなく、全体でも有効 主要エンドポイントを達成した慢性期の患者の割合は、プラセボ群が5%(2/40例)であったのに対し、エフガルチギモド群は22%(17/78例)と有意に高かった(補正後群間差:16%、95%信頼区間[CI]:2.6~26.4、p=0.032)。 24週の治療期間のうち病勢コントロール(血小板数≧50×109/L)を達成した週数の中央値は、プラセボ群が0.0週(IQR:0.0~1.0)であったのに比べ、エフガルチギモド群は2.0週(0.0~11.0)であり有意に優れた(p=0.0009)。 全131例における主要エンドポイントを達成した患者の割合も、エフガルチギモド群で優れた(26% vs.7%、補正後群間差:19%、95%CI:5.7~29.6、p=0.011)。 安全性解析は全131例で行った。エフガルチギモド群は忍容性も良好で、試験薬投与中に発現した有害事象(TEAE)の重症度は多くが軽度~中等度であった。重篤なTEAEは、エフガルチギモド群が8%、プラセボ群は16%で、治療関連TEAEはそれぞれ17%、22%で発現した。注目すべきTEAEのうち、両群で最も頻度が高かったのは、頭痛(エフガルチギモド群16%、プラセボ群13%)、血尿(16%、16%)、点状出血(15%、27%)であった。 著者は、「本研究の結果は、一次性免疫性血小板減少症の慢性期の患者であっても、本症の病態生理においてはIgGが重要であることを示しており、とくに治療困難な患者の治療選択肢としてのIgG低下療法の適用可能性についての理解を深めるものである」とし、「このデータは、胎児性FcRnのIgG recyclingの阻害による病原性IgG抗体の減少が、複数の治療によっても病勢がコントロールされていない一次性免疫性血小板減少症の患者の治療において有効なアプローチとなることを示唆する」と指摘している。

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アセトアミノフェンの禁忌解除で添付文書改訂、処方拡大へ/厚労省

 アセトアミノフェン含有製剤の添付文書について、2023年10月12日、厚生労働省が改訂を指示し、「重篤な腎障害のある患者」「重篤な心機能不全のある患者」「消化性潰瘍のある患者」「重篤な血液の異常のある患者」及び「アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者」の5集団に対する禁忌解除を行った。添付文書における禁忌への記載が、成書やガイドラインで推奨される適切な薬物治療の妨げになっていたことから、今年3月に日本運動器疼痛学会が禁忌解除の要望を厚生労働省に提出していた。禁忌解除の対象に含まれていないアセトアミノフェンを含有する配合剤に注意 アセトアミノフェンの禁忌解除対象製剤は以下のとおり。・アセトアミノフェン[経口剤、商品名:カロナール原末ほか]・アセトアミノフェン[坐剤、同:カロナール坐剤小児用50ほか]・アセトアミノフェン[注射剤、同:アセリオ静注液1000mgバッグ]・トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合剤[同:トラムセット配合錠ほか]・ジプロフィリン・アセトアミノフェン等配合剤[同:カフコデN配合錠] 具体的な変更点として、アセトアミノフェン含有製剤の添付文書について、5集団のうち「重篤な心機能不全」「消化性潰瘍」「重篤な血液異常」の3集団を禁忌の項から削除し、『特定の背景を有する患者に関する注意』(慎重投与)の項で注意喚起する。「重篤な腎障害のある患者」は禁忌解除に伴い、投与量・投与間隔の調節を考慮する旨を追記した。「アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者」については、1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして300mg以下とすることが注意喚起として追記された。 また、トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合剤については、添付文書の用法・用量に関連する使用上の注意の項に、慢性疼痛患者で、アスピリン喘息又はその既往歴のある患者に対して本剤を投与する場合は、1回1錠とすることという記載が加わった。鎮咳薬ジプロフィリン・アセトアミノフェン等配合剤については、アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者/アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられ、症状が悪化又は再発を促すおそれがあると記された。 なお、今回の検討はアセトアミノフェン単剤に加え、アセトアミノフェンを含有する配合剤も併せて行われたが、以下の配合剤はNSAIDsを含有することから今般の禁忌解除の対象品目には含まれていないので、注意が必要である。・サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・プロメタジンメチレンジサリチル酸塩配合剤(商品名:PL配合顆粒)・サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・クロルフェニラミンマレイン酸塩配合剤(同:ペレックス配合顆粒)・イソプロピルアンチピリン・アセトアミノフェン・アリルイソプロピルアセチル尿素・無水カフェイン配合剤(同:SG配合顆粒)

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第181回 「3た論法」と思しきエンシトレルビルの最新データ

ちょうど約1ヵ月前、薬剤師の祭典とでも言うべき日本薬剤師会学術大会が和歌山市で開催された。私は毎年、同大会に参加しており、顔見知りの薬剤師も多い。今回、そうした薬剤師に会うたびに、私は半ばあいさつ代わりにあることを尋ねていた。「〇〇って処方出てる?」その質問をすると、クールな表情のまま「ああ、そこそこに出てますよ」と言う人もいれば、ある人はニヤリとしながら「まあ出ていることは出ていますね」と答えてくれた。〇〇とは何か? ずばり国産の新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)治療薬であるエンシトレルビル(商品名:ゾコーバ)のことである。新型コロナのパンデミックで登場した治療薬は、ほとんどが外資系製薬企業からの導入品だが、これだけは薬機法改正で創設された緊急承認制度の第1号の国産治療薬として2022年11月に承認された。あれから間もなく1年が経つので、現場の実感を聞きたいというのが、このことを片っ端から尋ねた意図だった。「それならば医師に聞けばいいだろう」という声も聞こえてきそうだが、私の周囲の医師では、感染症の非専門医を含め、まったくと言って良いほど処方事例を聞かない。ご存じのように緊急承認時のデータは有効性がクリアに証明されたとは言えず、医師の間で評価が二分し、私の周りにはたまたま懐疑的な医師が多い。しかし、一説ではエンシトレルビルは新型コロナ経口薬の市場シェアで過半数を超えるとも伝わる。だからこそ、このギャップが何なのかを知りたかった。エンシトレルビルも含め、新型コロナの経口薬は外来処方が中心となるので、この辺の事情を薬局薬剤師に聞くのはあながち間違いではないだろうと考えたのだ結局、尋ねた薬剤師の答えを総合すると、そこそこ以上に処方はされていることはわかった。そしてこの質問を一番目に尋ねた薬剤師が重要な“ヒント”をくれた。「出ていることは出ているんですが、だいたい特定の医師の処方箋に集中してますね。ああ、もちろん感染症の専門医とかではなく、いわゆる一般内科医ですよ」彼にこの話を聞いてからは、「出てますよ」と答えた薬剤師には「処方元はどんな医師?」と尋ねるようにしたところ、ほぼ全員が処方元は特定の医師に集中しがちと答えてくれた。良いか悪いかは別にして、どうやら私はある種“偏った”環境にいるようだ(「それはあなたが偏っているから」との声も聞こえてきそうだが…)。そして私は無理を承知で、薬剤師の目から見た「処方感」、要は効果のほども尋ねてみた。この質問には「うーん、効いてるんですかね?」「よくわからないです」「目先の評価として3た論法(使った、治った、効いた)で言えば効いたことになるでしょうかね」と、何ともはっきりしない。関西地方のある薬剤師は、「そもそもこの薬を処方された患者さんは若い人が中心で、中には初めてお薬手帳を作ったという人もいるくらい。しかも、5日分の飲み切り終了ですから、処方された患者さんが再来することはないので、効いているかどうか確認のしようがないですよ」と話してくれた。まあ、ごもっとも。これは薬剤師だけでなく処方した医師も同じではないだろうか?そうした中で臨床実感ではないが、関東圏のある薬剤師が話してくれた事例は興味深かった。彼が話してくれたのは、在宅の認知症高齢者へのエンシトレルビルの処方事例。最初に聞いたときは「え?」となった。新型コロナは「高齢」が重症化の最大のリスクファクター。このため経口薬では、重症化予防効果のエビデンスがあり、適応上も重症化リスクがある人向けのモルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)、ニルマトレルビル/リトナビル(商品名:パキロビッド)のいずれかが優先されるはずだ。このうちエビデンス上、重症化予防効果の数字上が高いのはニルマトレルビル/リトナビルのほうだが、併用禁忌薬が多いため使えないケースが少なくないことは良く知られている。しかし、この併用禁忌薬の多さは同じ作用機序であるエンシトレルビルも同じこと。ということは、この薬剤師が話してくれたケースは、ニルマトレルビル/リトナビルも処方できるはずで、医学的にもそのほうが妥当だと思われる。そう問うと、彼は「単純ですよ。分1(1日1回)なので、高齢者ではそのほうがアドヒアランスを確保しやすいですから。とくにこのケースは認知症ですからね」との答え。エビデンスを単純に当てはめられないという意味で、これは妙に納得がいった。もっとも、結果として知りたかった臨床実感は何ともぼんやりしたものしかないまま終わってしまった。そして後日、実際の専門医にも話を聞く機会があったが、そこでも実際の処方は数例で効果を判断できるレベルではないと告げられ、今も「詰んだ」状態である。ちょうど同じころ、塩野義製薬が重症化リスク因子のある患者での治療選択肢になりうる可能性があるとのデータをプレスリリースした。これは重症化リスク因子がある軽~中等症の新型コロナ入院患者で3日間以上レムデシビルを投与し、十分な抗ウイルス効果が確認されなかった21人(平均年齢78.0歳、ワクチン接種率76.2%)に対し、エンシトレビルの5 日間投与を行ったというもの。この結果、エンシトレルビル投与終了翌日までに66.7%の患者でウイルスクリアランス(鼻腔内抗原量

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夢の配当生活で健全な生活を送れる!?医師こそ株式投資を考えよう!【医師のためのお金の話】第73回

人生には夢や目標が数多くありますが、その中でも「ゆとりある生活」は多くの人にとって理想の1つでしょう。医師は高給の人が多いですが、意外なほど日々の生活に余裕を持っていない人が多いのは周知の事実ですね。額面の給料が多くても、税金や社会保険料などを引かれると手残りのお金はかなり減少してしまいます。おまけに住宅ローンや子供の教育費などがかさむと、医師は高給であるはずなのに、なぜか生活に全然余裕がない…。このような悩みを抱える医師を助ける手段の1つに、「配当と株主優待」という魅力的なツールが存在します。一般的には、売却によるキャピタルゲイン目的で株式投資を行っている人がほとんどでしょう。しかし、継続的に利益を得続けるのは難しいです。一方、同じ株式投資でも、配当金と株主優待を目的とする手法なら、キャピタルゲイン目的の投資ほど難しくありません。運用の成果による不安やストレスとは無縁。今回は、配当と株主優待を活用した「ゆとりある生活」の実現方法をご紹介しましょう。ゆとりある生活を配当と株主優待で実現しよう医師という高給を得ている職業にもかかわらず「ゆとりある生活」が難しいのは、多くの人が実感しているところでしょう。高額な給与が手に入っても、税金や生活費、ローン返済によって手元に残るお金が激減する現実はつらいですね。収入を増やすためにアルバイトを増やそうとしても、1日は24時間しかないので物理的な限界があります。しかも、収入が多くなればなるほど、税率が高くなるので効率が悪くなってしまう…。八方ふさがりの状況にも思えますが、配当と株主優待を目的とした株式投資が、このような状況に立ち向かう道を提供してくれるかもしれません。一般的には、株式投資は株価が上昇した株式を売却してキャピタルゲインを得ることを目的とします。しかし、株式売買で継続的に収益を上げ続けるのはとても難しいです。相場が下落すれば、株式投資の上級者といえども損失を被るケースが多いです。臨床や研究で忙しい医師が、株式投資で勝ち続けるのは難しそうですね。一方、配当と株主優待を中心に据える投資法は、生活を安定させる手段として非常に魅力的です。なぜなら、配当は株価ほど変動しないからです。もし暴落が発生して株式の時価評価額が半分になっても、配当は2~3割程度しか減りません。たしかに時価評価額が激減すると気持ち良いものではありません。しかし、株式を売却せずに持ち続けていれば、数年すると株価は回復するケースが多いです。そして配当目的の株式投資であれば、配当が多少減っても十分に目的を達成しているといえます。配当生活を満喫するポートフォリオとはゆとりある生活を実現するためには、どのようなポートフォリオを構築すればよいのでしょうか。ここでは、配当生活を満喫するためのポートフォリオ構築のポイントについて考えてみましょう。まず、配当を目的とする投資家にとっては、高配当株が重要です。通常、高配当株は安定した業績を持つ企業が多いです。具体的には、電力会社、鉄道会社、通信会社などのインフラ系の企業です。これらは配当生活の基盤となる重要な株式銘柄といえるでしょう。次に、株主優待株も配当生活においては価値ある選択肢です。株主優待を目的とした投資は邪道と思われることも少なくありません。しかし、日本では株主優待が定着しており、無料の商品や割引価格でのサービスを受けることができます。株主優待によって生活費を削減できます。また、物質的な面だけでなく、お得感などの精神的な豊かさも提供してくれる点が魅力的です。このように、株主優待目的の株式も配当生活には欠かせない銘柄といえます。さらに、成長株も配当生活のポートフォリオに加えることで、資産の増加も期待できます。成長株は将来的な成長が期待されるので、株価上昇によるキャピタルゲインを狙う投資も可能になります。あくまで私見ですが、高配当株、株主優待株、成長株は、おおむね5:3:2程度で所有することをおすすめします。一般的には成長株に偏重して所有する投資家が多いですが、配当と株主優待目的であれば、この程度のポートフォリオが望ましいと考えます。医師こそ株式投資で仕事に邁進できる礎を築こう医師という職業は、高い専門性と責任を伴い、日々多忙なスケジュールをこなすことが求められます。しかし、医師としての働き方には限界があります。長時間労働やストレスが、仕事に対するモチベーションを削ぎ、心身の健康にも悪影響を及ぼします。必要に迫られて無理してアルバイトをするのではなく、株式投資で配当を得ることで経済的な安定が得られるとすればどうでしょうか。安定的な配当と株主優待を目指す投資法によって経済的なゆとりが生まれると、仕事への負担が軽減されますね。医師の仕事は奥が深くて面白いです。そして患者さんから感謝されてやりがいもあります。これに加えて、配当と株主優待を目的とした株式投資があると、自分の興味のある分野にさらに集中することも可能になります。私自身、毎年1,000万円以上の配当があるので実感できるのですが、何もせずに入ってくる安定的な収入は心の安寧を与えてくれます。心身の健康を保ちつつ、楽しく日々の仕事をできるのは配当と株主優待目的の株式投資のおかげです。配当と株主優待目的の株式投資は、楽しく仕事をする礎を築くことができると思います。忙しい医師こそ、株価上昇によるキャピタルゲイン目的ではなく、配当と株主優待目的の株式投資も考えてみてはいかがでしょうか。

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運動するのも緩和ケア?【非専門医のための緩和ケアTips】第61回

第61回 運動するのも緩和ケア?緩和ケアの専門家として、時々聞かれるのが「運動療法ってどんなことをするのですか?」というトピックです。確かに緩和ケアの教科書を見ると書いてありますからね。今回は緩和ケアにおける運動療法を考えてみましょう。今回の質問外来で診ているがん患者さん。痛みなどの身体症状は抑えられているのですが、不眠があり、気分も晴れないとのことです。こういった方に運動を勧めることをどう思われますか?外来通院されている患者さんに、少しでもできることがないかと考える姿勢が非常に伝わってくる質問ですね。まず、緩和ケア領域における運動療法についての一般論を共有します。がん患者への運動療法は世界的に議論され、研究領域の1つでもあります。その効果としては、倦怠感などの苦痛症状の緩和、身体機能やQOLの向上などが期待されています。運動の内容としては、日本緩和医療学会の編集による『がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)』(金原出版)に、これまでのエビデンスをまとめた推奨事項が記載されています。これによると「一般に成人(18~64歳)に対して、中等度の身体活動を週150分、高強度の有酸素運動を週75分、中~高強度の抵抗運動を週2回以上、行うことが推奨されている」(学会サイトから無料で閲覧可)。このように、緩和ケア領域における運動療法には一定の効果が期待できるわけですが、実践するうえでの注意点は何でしょう?それは、「適応」と「安全」です。「適応」としては、運動療法を検討している患者さんの症状や苦痛に対するアセスメントが重要です。今回の相談のケースでは、患者さんの気分の落ち込みがうつ病の症状かを考慮する必要があるでしょう。また、不眠も運動による改善が期待できますが、そもそもの不眠の原因を取り除くことも必要です。次に「安全」についてです。健康な人も同様ですが、がん患者であればなおさら過度な運動は禁物です。高齢の患者さんには持病のある人も多く、さらに安全に配慮する必要があります。骨転移のあるがん患者さんが転倒して骨折する、というのはよくあるケースですが、運動療法中に骨折すれば管理上の問題にもなります。そのほか、化学療法中の患者さんであれば、発熱や吐き気といった副作用が出ている時期や、骨髄抑制の期間中の運動は避けたほうがよいでしょう。以上、緩和ケア領域における運動療法を検討しました。「適応」と「安全」をしっかり考えながら、ケアに運動を取り込みましょう。今回のTips今回のTips緩和ケア領域の運動療法は、「適応」と「安全」を考えるのがポイント!

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10月13日 麻酔の日【今日は何の日?】

【10月13日 麻酔の日】〔由来〕1804年の今日、江戸時代の医師・華岡青洲が、世界初の「全身麻酔」による乳がん摘出手術に成功。人類が手術の痛みから解放された歴史的な日として日本麻酔科学会が2000年に制定。関連コンテンツエキスパートが教える痛み診療のコツ創部の麻酔【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q20英語で「痛みはどれくらいですか」は?【1分★医療英語】手術中の麻酔ケア引き継ぎ、術後アウトカムに影響なし/JAMA歯の痛み、どのくらいの頻度で“虫歯リスク”なのか

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NSAIDなどを服用している高齢者、運転に注意

 認知機能が正常な高齢者の服用薬と、長期にわたる運転パフォーマンスとの関連を調査した前向きコホート研究の結果、抗うつ薬や睡眠導入薬、NSAIDsなどを服用していた高齢者は、非服用者と比べて時間の経過とともに運転パフォーマンスが有意に低下していたことを、米国・ワシントン大学のDavid B. Carr氏らが明らかにした。JAMA Network Open誌2023年9月29日号掲載の報告。 米国運輸省と米国道路交通安全局は、90種類以上の薬剤が高齢ドライバーの自動車事故と関連していることを報告している。しかし、自動車事故リスクの上昇が薬剤の副作用によるものなのか、治療中の疾患によるものなのか、ほかの薬剤や併存疾患によるものなのかを判断することは難しい。そこで研究グループは、認知機能が正常な高齢者において、特定の薬剤が路上試験における運転パフォーマンスと関連しているかどうかを前向きに調査した。 参加者は、有効な運転免許証を持ち、ベースライン時およびその後の来院時の臨床的認知症尺度のスコアが0(認知機能障害がない)で、臨床検査、神経心理学的検査、路上試験、投薬データが入手可能であった65歳以上の198人(平均年齢72.6[SD 4.6]歳、女性43.9%)であった。データは、2012年8月28日~2023年3月14日に収集され、2023年4月1~25日に分析された。 主要アウトカムは、Washington University Road Testによる路上試験の成績(合格または限界/不合格)であった。多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、運転に支障を来す可能性のある薬剤の服用と、路上試験の成績との関連性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・平均追跡期間5.7(SD 2.45)年で、70人(35%)が路上試験で限界/不合格の評価を受けた。・非服用者と比べて、すべての抗うつ薬(調整ハザード比[aHR]:2.82、95%信頼区間[CI]:1.69~4.71)、SSRI/SNRI(aHR:2.68、95%CI:1.54~4.64)、鎮静薬/睡眠導入薬(aHR:2.72、95%CI:1.41~5.22)、NSAIDs/アセトアミノフェン(aHR:2.72、95%CI:1.31~5.63)の服用は、路上試験で限界/不合格となるリスクの増加と有意に関連していた。・脂質異常症治療薬を服用している参加者は、非服用者に比べて限界/不合格となるリスクが低かった。・抗コリン薬や抗ヒスタミン薬と成績不良との間に統計学的に有意な関連は認められなかった。 これらの結果より、研究グループは「この前向きコホート研究では、特定の薬剤の服用が経時的な路上試験の運転パフォーマンスの低下と関連していた。臨床医はこれらの薬剤を処方する際には、この情報を考慮して患者に適宜カウンセリングを行うべきである」とまとめた。

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クロザピン治療中の治療抵抗性統合失調症の喫煙患者、再発リスクにバルプロ酸併用が影響

 喫煙習慣とバルプロ酸(VPA)併用がクロザピンによる維持療法の臨床アウトカムに及ぼす影響を調査した研究は、これまでなかった。岡山県精神科医療センターの塚原 優氏らは、クロザピンを投与している治療抵抗性統合失調症患者の退院1年後の再発に対する喫煙習慣とVPA併用の影響を調査するため、本研究を実施した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2023年9月8日号の報告。 日本国内の2つの3次精神科病院において入院中にクロザピン投与を開始し、2012年4月~2022年1月に退院した治療抵抗性統合失調症患者を対象に、レトロスペクティブコホート研究を実施した。再発の定義は、退院1年間の精神疾患増悪による再入院とした。喫煙習慣とVPA併用が再発に及ぼす影響の分析には、多変量Cox比例ハザード回帰分析を用いた。喫煙習慣とVPA併用との間の潜在的な相互作用を調査するため、サブグループ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・対象患者192例中、69例(35.9%)が再発基準を満たした。・喫煙習慣は、独立して再発リスクを増加させたが(調整ハザード比[aHR]:2.27、95%信頼区間[CI]:1.28~4.01、p<0.01)、喫煙習慣とVPA併用の有無との間に再発リスクに関する有意な相互作用が認められた(p-interaction=0.015)。・VPAの併用を避けることで、喫煙習慣に関連する再発リスク増加を効果的に修正する可能性が示唆された。・喫煙患者のうち、VPAを併用している患者(aHR:5.32、95%CI:1.68~16.9、p<0.01)では、併用していない患者(aHR:1.41、95%CI:0.73~2.70、p=0.30)と比較し、再発リスクが高かった。 著者らは「この結果により、喫煙習慣とVPA併用により、退院後の再発リスクが高まる可能性が示唆された。クロザピンの血中濃度低下など、これらの所見の根底にあるメカニズムを解明するためにも、さらなる研究が求められる」としている。

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腫瘍径の小さいER+/HER2-乳がんへの術後ホルモン療法は必要か

 マンモグラフィ検査の普及により、腫瘍径の小さな乳がんの検出が増加した。エストロゲン受容体(ER)陽性HER2陰性(ER+/HER2-)のT1a/bN0M0乳がんにおける術後内分泌療法(ET)の必要性は明らかでない。広島大学の笹田 伸介氏らは同患者における術後ETの有効性を評価、Breast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2023年9月9日号に報告した。 本研究では、2008年1月~2012年12月にJCOG乳がん研究グループ42施設で手術を受けたER+/HER2-のT1a/bN0M0乳がん患者のデータを後ろ向きに収集した。術前補助全身療法を受けた患者とBRCA陽性患者は除外された。主要評価項目は遠隔転移の累積発生率で、両側検定が用いられた。 主な結果は以下のとおり。・適格患者4,758例(T1a:1,202例、T1b:3,556例)中3,991例(83%)に標準的な術後ETが実施された。・追跡期間中央値は9.2年。遠隔転移の9年累積発生率はETありで1.5%、ETなしで2.6%だった(部分分布ハザード比[SHR]:0.54、95%信頼区間[CI]:0.32~0.93)。・多変量解析の結果、遠隔転移の独立したリスク因子は、ET歴なし、乳房切除術、高悪性度、およびリンパ管侵襲だった。・9年全生存率はETありで97.0%、ETなしで94.4%だった(調整ハザード比:0.57、95%CI:0.39~0.83)。・術後ETは同側(9年発生率:1.1% vs.6.9%、SHR:0.17)および対側の乳がん発生率を減少させた(9年発生率:1.9% vs.5.2%、SHR:0.33)。 ER+/HER2-のT1a/bN0M0乳がん患者の予後は良好であり、臨床リスクによって層別化されることが確認された。また術後ETは、小さな絶対リスク差で遠隔転移の発生率と全生存率を改善した。著者らは、とくに低悪性度でリンパ管侵襲のない患者において、術後ET省略の検討を支持する結果とまとめている。

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