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落雷だ!【Dr. 中島の 新・徒然草】(502)

五百二の段 落雷だ!文化の日から始まる三連休。天気に恵まれたというか、暑過ぎるというか。各地で気温25度を超える夏日になったのだそうです。一方、11月6日から7日にかけての夜間、大阪では激しい雷雨に見舞われました。夜勤明けの看護師さんが言うには、近くで落雷があったとのこと。看護師「病院の横のタワマンに雷が落ちましてね」病院の建物まで揺れたそうです。看護師「前の交差点の信号も故障してしまったんですよ」中島「ええっ?」看護師「それで信号の復旧まで、警察官の手旗信号でやってたみたいですけど」雷の鳴る中、外で手旗信号って、恐ろし過ぎます。実際、直撃される確率は極めて低いとはわかっていても、雷の音と光は実際以上の恐怖ですね。中島「手旗信号……って、雷が怖くないのかな」看護師「雷も怖いけど、あの交差点って事故がよく起こっていますからね」中島「確かにいつも事故が起こってパトカーが来ているし」看護師「普段の信号でも守らない車が多いくらいだから、手旗信号なんか無視して突っ込んでこられるかもしれませんよ」こうなると雷より車のほうが怖いかも。で、家に帰ってから女房に言ったわけですよ、「大阪市内では雷が大変やったらしいで」と。そうしたら、えらく怒られました。女房「何言ってんのよ、こっちでも雷が怖くて眠れなかったんだから」中島「ホンマか、それ。知らんかった」女房「あんたは雷なんか関係なしに寝てたから知らないでしょう!」女房によれば雷の音と私のイビキがシンクロしていたそうです。女房「雷がドカーンと落ちるたびに、イビキが『グガガガガー!』って余計に大きくなるのよ」中島「きっと働きすぎて疲れていたんやろう」実は前の日に連続2件の手術があって疲労困憊していたのです。帰りに車を運転していても眠くて眠くて。思わずコンビニの駐車場に停めて、車の中で20分ほど寝たりしました。駐車だけするのも申し訳ないので、お茶の1本くらいは買いましたけど。ようやく家に辿り着いて夕食を取ったら、そのまま寝てしまったわけです。夜中に雨が降ったとか雷が鳴ったとか、知る由もありませんでした。翌日のニュースを見ても、大阪史上最強の雷雨のことはほとんど出ていませんでした。一方、YouTubeのほうは一般人の撮った映像で溢れています。雷「ビカビカビカーッ!!」一般人「わわわわわ!」雷「ドカーン!!」一般人「ぎゃあ~!」光と音の間の数秒間のタイムラグが妙にリアルですね。雷雨明けから、寒さと風がさらに厳しくなりました。読者の皆さま、くれぐれも身体にお気を付けください。最後に1句立冬が 雷率いて やって来た

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ピカソ「泣く女」【なんでこれがすごいの?だから子供は絵を描くんだ!(アートセラピー)】Part 1

今回のキーワード器用さ(協調運動)発達性協調運動症イメージ力(概念化)アート・サヴァン(サヴァン症候群)自分語り(社会性)自閉症のこだわり(反復性)創造性自己治癒皆さんは、子供の描く絵を見て、おもしろいと思ったことはありませんか? 大人の常識にとらわれない視点や発想にびっくりさせられることがありますよね。子供はどうやって絵を描くようになるのでしょうか? そもそも私たちヒトはなぜ絵を描くようになったのでしょうか? そして、私たちは絵を見てなぜ心を動かされることがあるのでしょうか?今回は、ピカソの傑作の1つである「泣く女」を取り上げます。シネマセラピーのスピンオフバージョン、「アートセラピー」としてお送りします。この絵を通して、描く能力、描く起源、そしてアートの本質に、発達心理学、進化心理学、比較認知科学、神経美学の視点から迫ります。それらを踏まえて、医療の現場で行われるアートセラピーの効果を一緒に考えてみましょう。子供はどうやって絵を描くようになるの?ピカソの「泣く女」は、まさに子供が描くようなおもしろい絵です。彼は、もともと絵がとてもうまかったわけですが、途中からこのような絵をあえて描くようになりました。それでは、ピカソが注目したように、子供はどうやって絵を描くようになるのでしょうか? ピカソと子供の絵の共通点から、描くために必要な能力(機能)を主に3つ挙げてみましょう。(1)器用さ―協調運動ピカソの「泣く女」の絵は、輪郭がくっきりと描かれています。その太さはまばらで途切れているところもあり、滑らかではないです。よく言えば大胆不敵、悪く言えば不器用です。発達心理学的には、子供は1歳以降にペンで殴りがきができるようになり、2歳半以降に横線、縦線、円の模倣ができるようになります1)。1つ目の能力は、ペンなどで描く線の位置をコントロールする器用さ、つまり協調運動です。子供は自由に線を描くという運動遊びを通して、器用になっていきます。やがて、それが字を書く器用さにつながっていきます。逆に、いつまでも線がうまく描けず、手先が不器用なままの場合は、発達性協調運動症と呼ばれます。比較認知科学の視点では、チンパンジーをはじめ大型類人猿も絵筆で殴りがきができます1)。とくにチンパンジーは、模倣はできませんが、お手本の線に印づけをしたり、塗りつぶすことはできます。このことから、チンパンジーは1、2歳の子供と同じくらいの器用さがあることがわかります。ちなみに、ピカソは、あるチンパンジーの殴りがきの絵をオークションで買い取ってアトリエに飾っていたという逸話があり、インスピレーションのもとにしていたようです。(2)イメージ力-概念化ピカソの「泣く女」の絵は、泣いてくしゃくしゃになった表情と涙にぬれてくしゃくしゃになったハンカチがあえて連続的に描かれています。女性の顔の上半分は正面顔で下半分は横顔で、複数の視点からみたイメージを重ね合わせています(キュビズム)。よく言えば立体的で斬新、悪く言えば視点やイメージが定まっていないです。発達心理学的には、幼児の絵は、顔は真正面を向いているのに横から見た椅子に座っていたり、物が展開図のよう描かれていることがよくあります。人を描こうとすると、胴体がなく、頭からいきなり手足が生えているような絵(頭足人)になります。4歳まで、顔など上下の向きがあるものを逆さまや横向き(回転画)にして描いてしまうこともあります1)。2つ目の能力は、あるものをざっくりとした形で思い描くイメージ力、つまり概念化です。子供は、見たものではなく、知っているものを描くわけですが、絵本などからの模倣学習によって、より特徴や構図を細かく捉えることができるようになっていきます。こうして、子供の絵が、より多くの人が理解できる「普通」の絵になっていくのです。比較認知科学の視点では、ヒトの子供は2歳半以降に目がないチンパンジーの顔の絵に目を描き入れることができるようになります。しかし、チンパンジーはまったくできず、顔の絵の輪郭線をなぞるだけでした1)。このことから、チンパンジーは「ない」ものを認識できない、つまり目や口などの形のざっくりとしたイメージ(概念)がもともと頭の中になく、見たものを丸ごと捉えていることが示唆されます。だからこそ、目の前に他のチンパンジーが何頭いるかの瞬間記憶(映像記憶)において、チンパンジーはヒトよりも長けていることもわかります。逆に言えば、ヒトはチンパンジーよりも瞬間記憶が劣っているわけですが、これは、イメージ力(概念化)を進化させた代償と言えるでしょう。実際に、秀でた瞬間記憶によって写実的な絵を描く「アート・サヴァン」(サヴァン症候群)と呼ばれる人がまれにいます。しかし、彼らのほとんどは、もともと自閉症で、抽象的な話(概念化)ができません。彼らは、概念化の能力と引き換えに、瞬間記憶の能力を手に入れたと捉えることができます。ちなみに、ゾウは鼻で絵筆を持って、花の絵を描くことができます。ただし、これは、ゾウ使いが巧みに耳を引っ張るなどして、そう描くようにトレーニング(連合学習)をしただけであることがわかっています2)。ゾウは、自発的に描いているわけではなく、その絵の形を認識できているわけでもありません。つまり、形のある絵を描くことができるのは、やはりヒトだけであると言えます。(3)自分語り―社会性ピカソの「泣く女」のモデルは、ピカソの愛人の1人です。ピカソは、結婚をして子供がいながら、次々と愛人をつくっていました。この愛人ともう1人の愛人が、ピカソのアトリエで鉢合わせた時の逸話は有名です。ピカソは「どちらがこの場を出ていくかはっきりさせて」とこの2人に迫られるのですが、なんと「君たちが争って決めたらいい」と答えたのです。そして間もなく、彼の目の前で女性同士の取っ組み合いのけんかが始まったのでした。当時ピカソは、戦争を象徴する「ゲルニカ」の制作の真っ最中でした。「ゲルニカ」は、祖国スペインでの戦争だけでなく、自分のアトリエで自分をめぐっての女性同士の戦いも同時に象徴していたとも言えるかもしれません。彼は数年後、また別の愛人にこの時のエピソードを「最高の思い出の1つだったな」と面白がって語っていたのでした。この絵の背景を知れば知るほど、「泣く女」の真実が浮き彫りになってきます。そして、ピカソがいかに自分語りに長けていたのかがわかります。発達心理学的には、4歳以降でエピソード記憶が発達し、たとえば遊園地で家族が手をつないで笑っているワンシーンなど、エピソードの絵を描くようになります。そして、親などに「見て見て」と言うようになります。もちろん、親は「いいねえ」「よく描いたねえ」と褒めます。それは、写真のような正確な事実ではなく、その子が感じたその子にとっての真実です。その絵は親にとって、ピカソの絵と比べることができない宝物になります。3つ目の能力は、自分が見たものを周りに伝えようとする自分語り、つまり社会性です。子供は、ただ描くだけでなく、自分が見たものを絵にして周りと共有しようとするようになります。こうして、ピカソと同じように、絵にストーリー性やメッセージ性という価値が生まれるのです。比較認知科学の視点では、先ほどの目がない顔の絵に目を描き入れる実験において、そもそもチンパンジーは、たとえイメージ力があり目がないことを認識できていたとしても、そもそも「目がないこと(いつもと違うこと)を伝えたい」「足りない目を補って褒められたい」という発想自体がない可能性も考えられます。つまり、絵は、言葉と同じように社会性があることがわかります。逆に言えば、絵は誰かに見てもらうために描くのです。誰かに見てもらうことを想定せずに描く場合は、独り言と同じであり、自閉症のこだわり(反復性)など特殊な精神状態に限られます。次のページへ >>

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ピカソ「泣く女」【なんでこれがすごいの?だから子供は絵を描くんだ!(アートセラピー)】Part 2

ヒトはなんで絵を描くの?絵を描くために必要な能力は、器用さ(協調運動)、イメージ力(概念化)、自分語り(社会性)であることがわかりました。言い換えれば、子供が絵を描くのは、器用になりたいから、イメージしたいから、誰かに伝えたいからです。それでは、そもそもヒトはなぜ絵を描くようになったのでしょうか?ここから、絵を含むアートの起源を3つの段階に分けて迫ってみましょう。(1)きれいに石器をつくる―協調運動約300万年前に、人類は部族の集団をつくって助け合うようになりました。約250万年前には、獲物の肉を切る時に石器を使うようになりました。また、持ちやすさや丈夫さの観点から、石器(握斧)の形は、左右対称の涙型に洗練されていきました。これが、アートの起源です。1つ目の段階は、きれいに石器をつくることです。まず石器を使うためには、切る位置を見定めて指先の力を加減しながら正確に刃を打ち込む必要があります3)。そして、さらに石器をきれいにつくるためにも、同じような能力が必要になります。これは、器用さ(協調運動)の起源です。その形の美しさは、同時にその持ち主(主に男性)の生存能力として異性へのアピールになったでしょう。これは、生殖の適応度を高めます。ちなみに、ニワシドリという鳥のオスは、メスを向かい入れるために、「庭師」のように、花、木の実、貝殻、石などで巣の周りに、立派な「庭」をつくることで知られています4)。この「美的センス」は、人類の石器と同じように、メスに対してオスが適応度の高いことを示すシグナリングであると考えられています。シグナリングの詳細については、関連記事1をご覧ください。(2)ものにイメージを重ね合わせる―概念化約20万年前に、人類は言葉を話すようになり、言葉によって世界を細かく分けることができるようになりました。約9万年前に、貝の首飾りを信頼のシンボルとして見立て、一緒に埋葬するようになりました4)。約8万年前に、人類は石片に格子模様を刻むようになり、オーカ(着色剤)で顔をはじめとするボディペインティングをして、異性へのセックスアピールをするようになりました。これらは、見た目においてのシンボルの起源です。このようにシンボルを用いるようになってから、助け合うための相手の視点に立つ心理(心の理論)は、人間だけでなく、動物をはじめあらゆる自然に向けられ、それらとも協力関係を築こうとしたでしょう。これがアニミズムであり、トーテミズムです。ものに心が宿るという発想から、石片や動物の骨・角・象牙などが、形の似ている動物に見立てられて彫り込まれたでしょう。つまり、最初の彫刻アートは、最初から動物をイメージして作ったのではなく、最初はそう見えたからそれを補うように彫り込んでいったのです。2つ目の段階は、ものにイメージを重ね合わせることです。先ほど紹介したように、目がない顔の絵に目を描き入れる幼児のように、すでに「ある」ものを手がかりに「ない」ものを補ってイメージを膨らませていくことです。これは、イメージ力(概念化)の起源です。やがて、誰かが作ったものを別の誰かが真似して、より洗練されたものになったでしょう。3万数千年前には、動物の頭と人間の体を組み合わせた半人半獣の象牙アート「ライオンマン」が作られました。まさに、模倣から創造です。なお、概念化は、イメージ力(視覚的な認知能力)だけでなく、言語能力(聴覚的な認知能力)もあります。この起源については、関連記事2をご覧ください。(3)集団で共有する―社会性約5万年前に、洞窟の中で壁画が描かれるようになりました。実際の壁画には、岩肌の凸凹や亀裂を利用してウシやシカなどの輪郭がきれいに描かれています。埋まった小石は目として描かれています。このような壁画も、最初から凸凹や亀裂があえて利用されたのではなく、最初はその凸凹や亀裂があるおかげで、やっとウシやシカの形がイメージされるようになったと考えられます。その壁画を目の前にして、部族のメンバーが集まり、狩猟の場所を占ったり、狩猟の仕方などの生活の知恵や部族の掟を次の世代に伝えていったのでしょう。そして、それらの言い伝えは、より洗練された壁画としてまた描き直されていったのでしょう。3つ目の段階は、部族集団で共有することです。言葉に加えて、壁画があることによって、より具体的にイメージすることができて、やり方や仕組みの理解がしやすくなります。私たち現代人も、言葉だけでなく、イラストや図があった方がより頭に入りやすいです。これは、部族集団の適応度を高めます。そして、これが文化という社会性の起源です。実際に、壁画が描かれるようになった約5万年前から、先ほどの「ライオンマン」のようなアートをはじめ、道具、建築、音楽、文学、宗教、政治などの文化が爆発的に発展していきました。これは、「文化のビッグバン」と呼ばれています。なお、文化は、形として残る遺跡(視覚的な文化)と、言葉によって伝わる言い伝え(聴覚的な文化)に分けることもできます。言い伝えの起源の詳細については、言い伝えを噂話と置き換えて、関連記事3をご覧ください。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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ピカソ「泣く女」【なんでこれがすごいの?だから子供は絵を描くんだ!(アートセラピー)】Part 3

なんでピカソの絵はすごいの?絵を含むアートの起源は、きれいに石器をつくる、ものにイメージを重ね合わせる、集団で共有することであることがわかりました。つまり、発達(個体発生)と進化(系統発生)の両方の視点からも、絵を描くために必要な能力(機能)は、協調運動、概念化、社会性であると言えます。それでは、最初の質問に戻ります。なぜピカソの絵はすごいのでしょうか? 神経美学の視点から、2つの要素を挙げてみましょう。(1)美しい要素がある「泣く女」の絵は、正面顔と横顔、顔のしわとハンカチのしわなどが連続的に組み合わされているなど、実は配置のバランスが驚異的にうまいと指摘されています5)。また、赤と緑、青とオレンジ、黄色と紫などお互いの色を強烈に引き立てる補色を効果的に使っており、色使いもうまいと指摘されています5)。1つ目は、美しい要素があることです。美しさは、見た目、聴き心地、道徳的行い、数理方程式などさまざまあります。これらの美の体験に共通して反応を見せる唯一の部位は、脳の眼窩前頭皮質であることがわかっています6)。絵画の美と道徳の美が、同じ脳の部位の反応であることからも、やはり絵画にはそもそも社会性があることがわかります。(2)めちゃくちゃな要素がある「泣く女」の絵は、「何これ!?」と思わせるような、普通にはありえない描線や構図です。さらに、描かれたモデルの気持ちについ思いを馳せて「ピカソは常軌を逸している!」などと私たちを思わせます2つ目は、めちゃくちゃな要素があることです。めちゃくちゃさは、間違いや無秩序などです。このように、合理的で理性的な思考に揺さぶりをかけられた時、脳の背外側前頭前皮質が反応することがわかっています6)。先ほどにご紹介した実験で、目のない顔に違和感を待つことも、まさにこの部位の反応です。つまり、ピカソの絵がすごいわけは、美しさとめちゃくちゃさの絶妙なバランスによって私たちの心を動かすからです。これは、特定の決まりごと(コンテキスト)を守りつつ、あえてそれにフィットする新しい何かを生み出しています。まさに、創造性です。当時に誕生した美術館は、このピカソの感性に目を付け、価値づけしたのでした。ちなみに、即興演奏をしている時のジャズミュージシャンの脳活動は、先ほどの背外側前頭前皮質が抑制されていることが確認されています。つまり、創造性を発揮するためには、あえてその脳の部位が抑制される必要があるわけです。そして、その創造性を理解するためには、その脳の部位が逆に刺激される必要があるというわけです。アートセラピーの効果とは?ピカソの絵のすごさの答えから、アートとは、必ずしも美しくなければならないわけではなく、私たちの心を動かす何かがあるということです。それは、一言で言えば、おもしろさであり、そのおもしろさを見出す、見る側の感性でもあるでしょう。この点で、アートセラピーとは、ただ何かを描いたりつくったりする自己満足でなく、そのできた何かに周りの人がおもしろみを見いだし相互作用する社会性が必要であることがわかります。ピカソの絵であろうと、子供の絵であろうと、そして患者さんの絵であろうと、その作品に何らかのメッセージ性を感じ取り意味づけして共有することが、つくった人の自己治癒となり、さらには見た人の自己成長となると言えるのではないでしょうか?1)「ヒトはなぜ絵を描くのか」P17、P28、P34、P59、P67:齋藤亜矢、岩波書店、20142)「チンパンジーの絵から 芸術の起源を考える」:斎藤亜矢、日本心理学会、20183)「病の起源2 読字障害/糖尿病/アレルギー」P26、NHK出版、20094)「脳は美をどう感じるか」P105、P124:川畑英明、ちくま新書、20125)「ピカソは本当に偉いのか?」P55、P162:西岡文彦、新潮新書、20126)「神経美学」P25、P130、P143:石津智大、共立出版、2019<< 前のページへ■関連記事ドラマ「ドラゴン桜」(後編)【そんなんで結婚相手も決めちゃうの? 教育政策としてどうする?(学歴への選り好み)】Part 1NHKドラマ「フェイクニュース あるいはどこか遠くの戦争の話」(後編)【言葉は噂をするために生まれたの!?(統語機能)】NHKドラマ「フェイクニュース あるいはどこか遠くの戦争の話」(中編)【そもそもなんで私たちは噂好きなの?じゃあこれから情報にどうする?(メディアリテラシー)】Part 1

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11月9日 119番の日【今日は何の日?】

【11月9日 119番の日】〔由来〕消防機関に提供される緊急通報用電話番号「119番」にちなみ、消防発足40年を記念し総務省(当時自治省)が1987年に制定。一般の方に防火・防災の意識を高めてもらうことを目的としている。防火意識の喚起とともに、適正かつ迅速・的確な通報を呼びかける啓発活動が行われている。関連コンテンツ困ったときに慌てない! 救急診療の基礎知識いざというとき役立つ!救急処置おさらい帳熱中症の治療【一目でわかる診療ビフォーアフター】木の実でアナフィラキシー、原因食物を確定する検査は?【乗り切れ!アレルギー症状の初診対応】日本人救急医における不眠症・睡眠薬使用リスク

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第70回 「道頓堀肺」

道頓堀川の溺水Unsplashより使用阪神タイガースが38年ぶりに日本一になったことを受けて、大阪・ミナミの道頓堀川に37人が飛び込んだことが話題となりました。カーネルサンダースのコスプレをした人や、女子のスクール水着で飛び込む人がいたので、テンションが上がって目立ちたい一心で飛び込んだのでしょう。道頓堀川は、水深が3メートル以上あり、石タイルの歩道によじ登るのが至難の業であることから、泳げない人にとっては溺水のリスクが高い川とされています。周囲にたくさん人がいるので、引き上げてくれる人がいるというのは利点ですが、飛び込みによって過去に溺水で何人か死亡している現状があります。かれこれ10年ほど前になりますが、私が年始に大阪市内の医療機関で当直バイトをしていたところ、溺水症例が運ばれてきたことがありました。戎橋で新年を祝っていたところ、盛り上がって思わず飛び込んでしまったというのです。溺水の程度としては軽いもので、すぐに退院となったわけですが、溺水のためかちょっと肺水腫様のすりガラス陰影とCRP上昇がありました。一緒に当直していた医師が、「うーむ、これはいわゆる『道頓堀肺』だな」とウマイことを言っていました。呼吸器内科目線で修正すると、「○○肺」というのは基本的に抗原を吸入して起こる過敏性肺炎のときに使われる用語なので、不適当なのですが。まあ、細かいことはおいといて。道頓堀川は汚いのか?道頓堀川は、高度経済成長期に工場排水や下水が流れ込み、川底には黒いヘドロが溜まっていました。大阪市はヘドロや粗大ごみを何度も撤去したり、水門を操作して上流から比較的きれいな水を流し込んだりしてきました。2002年のサッカーワールドカップでは、2,000人近くが飛び込みました。お腹が痛くなったり目の病気になったりする人が続出したことが報道されたので、当時はまだかなり川は汚かったと思います。しかし、現在は、魚介類が住める環境になっているそうです。生物化学的酸素要求量はアユで3mg/L以下が目安ですが、道頓堀川は2018年時点で、これを下回っているとされています。なので、現在の道頓堀の溺水症例は、通常の都市河川の溺水とそんなに変わらないのかもしれません。

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ざ瘡に期待できる栄養補助食品は?

 ざ瘡(にきび)治療の補助としてビタミン剤やそのほかの栄養補助食品に関心を示す患者は多い。しかし、それらの有効性や安全性は明らかではなく、推奨する十分な根拠は乏しい。そこで、米国・Brigham and Women's HospitalのAli Shields氏らの研究グループは、ざ瘡治療における栄養補助食品のエビデンスを評価することを目的にシステマティックレビューを行った。JAMA Dermatology誌オンライン版2023年10月25日号の報告。 研究グループは、PubMed、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Web of Scienceの各データベースを開設から2023年1月30日まで検索した。ざ瘡患者を対象に栄養補助食品(ビタミンやミネラル、植物抽出物、プレバイオティクス、プロバイオティクスなど)の摂取を評価した無作為化比較試験を解析し、臨床医が報告したアウトカム(全体評価や病変数など)、患者が報告したアウトカム(QOLなど)、有害事象を抽出した。バイアスリスクはCochrane risk of bias toolを用いて、研究の質をGood、Fair、Poorに分類した。 主な結果は以下のとおり。・42件の研究(3,346例)が組み入れ基準を満たした。・GoodまたはFairの分類の研究で栄養補助食品の有用性が示唆されたのは、ビタミンB5およびD、緑茶、プロバイオティクス、オメガ3脂肪酸であった。・これらの有用性評価に最も関連していたのは、病変数の減少または臨床医による全体評価スコアであった。・栄養補助食品の摂取による有害事象の発現はまれであったが、亜鉛摂取による消化管障害が報告された。 これらの結果より、研究グループは「このシステマティックレビューは、ざ瘡治療における栄養補助食品の可能性を示している。医師は、患者に栄養補助食品のエビデンスを提示する準備をしておくべきである」としたうえで、「多くの研究は小規模であり、今後の研究ではより大規模な無作為化比較試験に焦点を当てるべきである」とまとめた。

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抗精神病薬の推奨用量のコンセンサス、最も高い製剤は~ICSAD-2

 専門家のコンセンサスに基づいた臨床的に同等の推定用量や推奨用量は、臨床診療および研究において、精神疾患に対する薬物治療をサポートする貴重な情報となりうる。カナダ・ダルハウジー大学のMatthew Kt McAdam氏らは、精神疾患に対する新規薬剤と過去に報告されているコンセンサスの低い薬剤について、用量の同等性と推奨用量の確立および更新を目的に、第2回となる抗精神病薬投与に関する国際的なコンセンサス確立のための研究「Second International Consensus Study of Antipsychotic Dosing:ICSAD-2」を行った。Journal of Psychopharmacology誌2023年10月号の報告。 2段階のデルファイ調査プロセスを用いて、26製剤に関する臨床専門家および研究専門家の幅広い国際サンプルにおけるコンセンサスの確立および更新を行い、統合失調症治療の推奨用量および臨床的に同等の推定用量を検討した。等価用量推定の参照薬剤は、経口剤15種類および長時間作用型注射剤(LAI)7種類に対してはオランザピン経口剤20mg/日、短時間作用型注射剤(SAI)4種類に対してはハロペリドール筋注5mgとした。精神疾患に対する経口剤44種類、LAI 16種類、SAI 14種類についても、同等の推定用量および推奨用量の最新リストへの更新を行った。 主な結果は以下のとおり。・24ヵ国の調査参加者72人が、経口剤、LAI、SAIの同等の推定用量および推奨用量を提供した。調査の1段階から2段階にかけて、コンセンサスは向上した。・最終的なコンセンサスは、LAIで最も高く、経口剤は中程度、SAIは最も低かった。 著者らは「精神疾患に対する抗精神病薬の投与量を最適化するためのランダム化対照試験(フィックスドーズ、マルチプルドーズ)は依然としてまれであり、専門家によるコンセンサスは、臨床的投与量の同等性を推定するための有効な代替手段である」とし、「本結果は、精神疾患治療薬に関する臨床実践、ガイドラインの開発、研究デザインおよび解釈をサポートする可能性がある」とまとめている。

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11月26日開催、『第3回アンチエイジングセミナーin広島』【ご案内】

 2023年11月26日(日)、『第3回アンチエイジングセミナーin広島』が開催される。参加登録は医師、歯科医師、研究者、メディカルスタッフほか、医療関係者であれば可能で、参加費は無料。なお、申込締切は11月20日(月)で、定員120名に達し次第、締め切りとなる。 “実践のため抗加齢医学の現在地を知るセミナー”と題し、各領域のエキスパートが講演を行う。「男性更年期の診療は実際にどのように行われているか」「女性の健康を左右する因子にどう挑むか」「寿命にかかわる歯の健康と乳酸菌の関係性」「血管の若返り法」など、アンチエイジングにとって重要なテーマを取りそろえており、最新の知識を学び、予防医療への未来へ一歩リードできるようなセミナーを目指している。 主催の日本抗加齢医学会 連携委員会は「広島からアンチエイジング医学の仲間の輪をより広げていくため、知り合いや関係者などアンチエイジングに興味のある方をお誘い合わせの上、参加登録をお願いしたい」と呼び掛ける。 開催概要は以下のとおり。開催日時:11月26日(日)13:00~16:00開催場所:TKPガーデンシティPREMIUM広島駅前 ホール4A     (広島県広島市南区大須賀町13-9 ベルヴュオフィス広島4階)開催形式:会場開催(WEB配信はなし)参加方法:無料(事前参加登録制)申込締切:11月20日(月)または定員120名になり次第終了■参加登録はこちら【プログラム】 座長:井手下 久登氏(いでした内科・神経内科クリニック) 講演1.「男性更年期外来のリアル」     池岡 清光氏(医療法人池岡診療所池岡クリニック 院長) 講演2.「女性は生命長寿!しかし晩年には健康格差は大となる~その実態と対策~」     太田 博明氏(川崎医科大学産婦人科 特任教授/総合医療センター産婦人科 特任部長) 講演3.「L8020乳酸菌とオーラルケア」     二川 浩樹氏(広島大学大学院医系科学研究科 口腔生物工学分野 教授) 講演4.「ヒトは本当に血管から老いる:酸化ストレスの役割」     東 幸仁氏(広島大学 原爆放射線医科学研究所 教授)【主催】 日本抗加齢医学会 連携委員会【お問い合わせ先】 日本抗加齢医学会事務局 〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町6-3 日本橋山大ビル4F TEL:03-5651-7500 FAX:03-5651-7501 E-mail:seminar@anti-aging.gr.jp 学会ホームページはこちら

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オンコマインDx、カプマチニブのMETエクソン14スキッピング非小細胞肺がんに対するコンパニオン診断として追加申請/サーモフィッシャー

 サーモフィッシャーは、オンコマインTM Dx Target Test マルチ CDxシステム(以下、オンコマインDx)について、カプマチニブ塩酸塩水和物(以下、カプマチニブ)のMETエクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対するコンパニオン診断として、2023年11月1日付で厚生労働省に医療機器製造販売承認事項一部変更申請を行ったと発表。 カプマチニブに対するコンパニオン診断システムとしての適応追加の承認が得られれば、オンコマインDxは、非小細胞肺がんの7ドライバー遺伝子(BRAF、EGFR、HER2、ALK、ROS1、RET、MET)、甲状腺がんの1ドライバー遺伝子(RET)、甲状腺髄様がんの1ドライバー遺伝子(RET)を網羅するコンパニオン診断システムとなる。

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RET変異甲状腺髄様がん、セルペルカチニブvs.マルチキナーゼ阻害薬/NEJM

 RET変異甲状腺髄様がん治療において、セルペルカチニブはカボザンチニブまたはバンデタニブに比べて、無増悪生存期間(PFS)および治療成功生存期間(FFS)の延長をもたらすことが、米国・マサチューセッツ総合病院のJulien Hadoux氏らが行った第III相無作為化試験の結果で示された。セルペルカチニブは、選択性が高く強力なRET阻害薬で、第I・II相試験で進行RET変異甲状腺髄様がんに対する有効性が示されていたが、マルチキナーゼ阻害薬と比較した場合の有効性については明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2023年10月21日号掲載の報告。切除不能の局所進行、転移のあるキナーゼ阻害薬未治療の患者を対象に試験 本試験の対象は、病理学的に確認された切除不能の局所進行または転移のあるRET変異甲状腺髄様がんで、キナーゼ阻害薬未治療であり、試験登録前14ヵ月間に病勢進行が認められた12歳以上の患者とした。1次治療として、セルペルカチニブ(160mg、1日2回)と医師の選択によるカボザンチニブ(140mg、1日1回)またはバンデタニブ(300mg、1日1回)を非盲検で比較した。 被験者はセルペルカチニブ群または医師の選択によるカボザンチニブ/バンデタニブ群(対照群)に2対1の割合で無作為に割り付けられた。対照群の患者は、病勢進行後にセルペルカチニブ群へのクロスオーバーが認められた。 プロトコル規定の中間有効性解析での主要評価項目は、盲検下独立中央判定で評価したPFSだった。なお、PFSの有意性が認められた場合にのみ、FFSを副次評価項目として検証した。その他の副次評価項目は、全奏効率および安全性だった。セルペルカチニブ群はPFS、FFSとも未到達 2020年2月~2023年3月に19ヵ国176施設で、合計291例が無作為化された(セルペルカチニブ群193例、対照群98例[うちカボザンチニブ73例])。 追跡期間中央値12ヵ月時点で、PFS中央値は、セルペルカチニブ群は未到達、対照群は16.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:12.2~25.1)だった(病勢進行または死亡に関するハザード比[HR]:0.28、95%CI:0.16~0.48、p<0.001)。12ヵ月時点のPFS率は、セルペルカチニブ群86.8%(95%CI:79.8~91.6)、対照群65.7%(51.9~76.4)だった。 FFS中央値は、セルペルカチニブ群は未到達、対照群は13.9ヵ月だった(病勢進行や治療関連有害事象または死亡による治療中止に関するHR:0.25、95%CI:0.15~0.42、p<0.001)。12ヵ月時点のFFS率は、セルペルカチニブ群86.2%(95%CI:79.1~91.0)、対照群62.1%(48.9~72.8)だった。 全奏効率は、セルペルカチニブ群69.4%(95%CI:62.4~75.8)、対照群38.8%(29.1~49.2)だった。 減量に至った有害事象の発現割合は、対照群77.3%に対してセルペルカチニブ群は38.9%だった。治療中止に至ったのは対照群26.8%に対してセルペルカチニブ群は4.7%だった。

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セルペルカチニブによるRET陽性NSCLC1次治療、PFSを有意に延長/NEJM

 進行RET融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)の患者に対し、セルペルカチニブはプラチナベースの化学療法(ペムブロリズマブの併用を問わず)と比較して、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことが、中国・同済大学のCaicun Zhou氏らが行った第III相無作為化試験で示された。セルペルカチニブは中枢移行性を有する強力な選択的RET阻害薬で、進行RET融合遺伝子陽性NSCLC患者に対する有効性が、第I・II相の非無作為化試験で示されていた。NEJM誌オンライン版2023年10月21日号掲載の報告。切除不能なRET陽性・非扁平上皮NSCLCで全身性治療未実施の患者を対象に試験 1次治療としてのセルペルカチニブの有効性と安全性を検証した本試験は、病理学的に確認された切除不能なStageIIIB、IIIC、IVのRET融合遺伝子陽性・非扁平上皮NSCLCで、転移後に薬物治療を受けていない18歳以上の患者を対象に行われた。研究グループは被験者を、セルペルカチニブ(160mg、1日2回、21日サイクル)の投与を受ける群、プラチナベースの化学療法を受ける群(対照群)に、無作為に割り付けた。対照群には、治験担当医師の裁量でペムブロリズマブ(200mg)を投与した。試験薬の投与期間中、対照群に盲検下独立中央判定(BICR)で評価された病勢進行が認められた場合は、セルペルカチニブ群へのクロスオーバーが認められた。 主要評価項目は、ITTペムブロリズマブ集団(対照群に割り当てられた場合に医師がペムブロリズマブを投与する予定だった患者を含む)と被験者全体のITT集団の両集団における、BICRで評価したPFSだった。PFS中央値、セルペルカチニブ群24.8ヵ月、対照群11.2ヵ月 2020年3月~2022年8月に、23ヵ国103施設から計261例(全ITT集団)が登録された。 ITTペムブロリズマブ集団は計212例だった(セルペルカチニブ群129例、対照群83例)。被験者は65歳未満、女性、非喫煙者が多かった。 事前計画の中間有効性解析時点(死亡または病勢進行が98イベント後と規定)のPFS中央値は、セルペルカチニブ群24.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:16.9~推定不能)、対照群11.2ヵ月(8.8~16.8)だった(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.46、95%CI:0.31~0.70、p<0.001)。 奏効を示した患者の割合は、セルペルカチニブ群84%(95%CI:76~90)、対照群65%(54~75)だった。中枢神経系に影響をもたらした病勢進行までの時間に関する原因特異的HRは0.28(95%CI:0.12~0.68)だった。 有効性に関する全ITT集団(261例)の結果は、ITTペムブロリズマブ集団の結果と類似していた。有害事象は、両群ともに既報のものと変わらなかった。

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ナーシングホーム入所者に対するユニバーサル除菌は感染症による入院を予防できるか?(解説:小金丸博氏)

 ナーシングホームに入居する高齢者では、感染症による入院リスクや薬剤耐性菌(MRSA、ESBL産生菌など)の保菌率が高いことが懸念されている。今回、ナーシングホーム入所者に対して除菌を行うことで感染症による入院を減らすことができるかを検討したランダム化比較試験の結果が、NEJM誌オンライン版2023年10月10日号に報告された。除菌を行った群では感染症による入院が減少し(ベースライン期間と介入期間のリスク比:0.83、95%信頼区間:0.79~0.88)、日常ケア群とのリスク比の差は16.6%だった。ランダムに抽出した入所者に対して行った多剤耐性菌の保菌率は除菌を行った群で減少を認め、日常ケア群と比較した相対リスクは0.70(95%信頼区間:0.58~0.84)だった。感染症による入院を1件防ぐのに必要な治療数(NNT)は9.7件であり、ナーシングホーム入所者に対するユニバーサル除菌は有効性の高い予防法である可能性が示唆された。 過去の研究において、ICUセッティングや種々の医療機器装着患者に対する除菌により感染リスクが低減することが示されていたが、同様の結果が高齢者介護施設入所者においても示された。今後、日本においても介護施設を利用する高齢者の増加が予想されており、除菌という介入を行うことで施設からの病院受診や入院を減らすことができるのであれば、医療経済の観点からも有用な知見と考える。 本研究で実施された除菌では、10%ポビドンヨードの鼻腔内塗布(隔週ごとに1日2回5日間)およびシャワー入浴時に4%クロルヘキシジン含有洗浄剤(ベッドでの清拭にはリンス不要の2%クロスヘキシジン含有クロス)を使用した。除菌による有害事象として発疹が34件、咽頭炎が1件報告されているものの重篤なものは認めておらず、安全性に関しても大きな問題はなさそうである。今後、本試験で行われたような高齢者施設入所者に対する除菌を実効性のある介入方法とするには、使用する消毒薬剤のコストの問題を解決することや、ケアを行う介護者の負担軽減が不可欠になると考える。

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サンフランシスコのTCT2023で6つの発表【臨床留学通信 from NY】第53回

第53回:サンフランシスコのTCT2023で6つの発表TCT(Transcatheter Cardiovascular Therapeutics)2023での発表のため、サンフランシスコに来ております。サンフランシスコには4年前も来ているので観光はとくにせず、学会会場のみ3日弱の滞在です。コロナの影響を受けて街中の多くの店舗が閉まっていて、治安も悪そうな印象です。残念ながらホームレスの方がかなりいました。Abstractとしてグループ内で8つの口頭発表があり、私自身もプレゼンターとして筆頭著者かどうかにかかわらず6つの発表がありました。そのうち幸運にもグループ内で2つ、米国心臓病学会誌(JACC)(impact factor:24)と同時発表をすることができました。1つはintravascular imaging guided vs. functionally guided vs. angio guided PCIを比較したネットワークメタアナリシスです1)。今年3月のACC(米国心臓病学会)で、ニューヨーク大学のSripal Bangalore先生から研究にお誘いいただき、数年前から構想もあったこともあり、すぐに草稿を作成しJACCに提出。TCTとの同時発表も踏まえて、査読プロセスは比較的速く進みました。もう1つは、米国の主に65歳以上の政府保険であるMedicareのデータを使った解析です2)。カリフォルニア大学ロサンゼルス校の津川 友介先生との共同研究でした。こちらは改訂を4日間でできれば同時発表できることになり、筆頭著者の先生が頑張られて提出できたため、1週間以内にアクセプトされ、TCTと同時発表となりました。発表すること自体はある程度慣れ、論文としてほぼ同時に発表しているため内容は把握できているので、スライドを作ってしまえば、英語での質疑応答も問題ありませんでした。ただし、今回は6つの自分の発表があったため、ほかの発表を聴いて知識のアップデートをする余裕はありませんでした。NEJMに載るようなLate breaking clinical trialsセッションは、TCTMDというTCTのニュースサイトによくまとまっているので、それを見て確認することができました。学会では、ほかのセッションを聴く代わりに、私の論文をレビューしてくださるマウントサイナイ医科大学やニューヨーク大学の先生などへの挨拶を欠かさず行います。来年7月からボストンのマサチューセッツ総合病院に在籍することになるため、ボストン界隈の先生方とも以前のインタビューの中で面識がある方々に挨拶いたしました。そのような先生方に会いますと、“Email me when you come to Boston”と言っていただけました。東海岸と西海岸とでは3時間の時差があり、体調もなんとなく良くない気もしますが、西海岸だと日本から参加される先生方も多い印象です。こちらで臨床をしている先生方ともお会いすることができました。常に就職活動が付きまとう米国において、学会はネットワーク作りに有用だと改めて思いました。Column米国最大のカテーテル学会であるTCTですが、ランチョンの弁当のクオリティはかなり低め。しかしながら、今年はAbstract presenterがfacultyと見なされるためfaculty loungeが使えて、おいしい昼食にありつけました。和食弁当も学会でよく出るので、そちらのほうがヘルシーで良いとは思います。参考1)Kuno T, et al. J Am Coll Cardiol. 2023 Oct 23. [Epub ahead of print]2)Ueyama HA, et al. J Am Coll Cardiol. 2023 Oct 16. [Epub ahead of print]

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英文の表現を豊かに!自動書き換えツールが超絶便利【学会発表で伝わる!英語スライド&プレゼン術】第26回

英文の表現を豊かに!自動書き換えツールが超絶便利1)英文書き換えで文章をブラッシュアップする2)「QuillBot」を有効活用する3)書き換えた後の文章を自分で確認する学会発表のプレゼンテーションを準備する際には、多くの英文を書く必要があります。しかし、自分で書いていると、つい単調な表現の繰り返しになってしまうことはないでしょうか。非ネイティブの日本人にとっては、多彩な英語表現を操るのは至難の技です。そんなときに役立つのが「QuillBot(クイルボット)」というウェブツールです。「QuillBot」は英文法のチェックや文章の要約などを行ってくれるツールで、とくに役に立つのが「英文の書き換え(パラフレーズ)」の機能です。このパラフレーズをうまく使いこなすことで、同じ表現の繰り返しを避けたり、他の論文から引用する際の「剽窃」を防いだりすることができます。使い方は非常にシンプルです。まずQuillBotのページにアクセスし、左のページに書き換えたい英文を入力します〈図1〉。「Paraphrase」のボタンをクリックすると、右側に書き換えられた英文が表示され、書き換えられた箇所はオレンジ色や青色になっていることがわかります。〈図1〉画像を拡大する〈図2〉に示すように、上部の左からFluency、Formalなど、場面別のモードを選ぶことができるため、抄録やスライド・ポスターに使用する場合は「Formal」を、伝わりやすい英語で発表用原稿を作成したいという場合は「Fluency」を選ぶ、といった工夫をすることができます。また、書き換えた後の文章が自分の意図にそぐわない場合、単語をクリックすると他の候補単語が表示されるため、好みの表現を選ぶことができます。〈図2〉画像を拡大する注意点としては、医学的な専門用語を入力すると、一般向けにわかりやすいフレーズに書き換えてしまい、本来の意図と異なる文章になってしまう場合があることです。そのため、結果を過信せず、書き換えた後の表現は必ず自分自身で確認することをお勧めします。基本的な機能は無料で利用可能で、課金してアップグレード(年間約100ドル、2023年9月時点)すると、FormalやSimpleといった場面別のモードも選べるようになります。また、「Google Chrome」や「Word」にも機能拡張が可能となっており、用途に応じて追加するとよいでしょう。講師紹介

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第186回 エピペンを打てない、打たない医師たち……愛西市コロナワクチン投与事故で感じた、地域の“かかりつけ医”たちの医学知識、診療レベルに対する不安

新型コロナワクチン接種後に女性が死亡した問題で事故調査委員会が報告書公表こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。MLBのワールドシリーズ、NPBの日本シリーズが終わり、今年の野球シーズンも終幕を迎えました。ワールドシリーズは、テキサス・レンジャーズがアリゾナ・ダイヤモンドバックスを4勝1敗で破り、初優勝を飾りました。総じて地味で大味な戦いでしたが、かつてヤクルト・スワローズに在籍したことがあるという、ダイヤモンドバックスのトーリ・ロブロ監督の、バントや盗塁を駆使した日本の高校野球のような戦い方(「スモール・ベースボール」と呼んでいました)はなかなか興味深かったです(レンジャーズに1勝しかできませんでしたが…)。一方、第7戦までもつれた日本シリーズは、第6戦の山本 由伸投手の目が覚めるような完投劇があったものの、勢い勝った阪神タイガースの38年振りの日本一で幕を閉じました。オリックス第7戦登板の宮城 大弥投手は、立ち上がりはとてもいい出来に見えました。しかし、阪神のシェルドン・ノイジー外野手に投げたチェンジアップが少しだけ甘く入り、先制3ラン。あの失投さえなければ投手戦がそのまま続き、勝敗はどうなっていたかわかりません。いずれにせよ、山本投手はいいお土産を持って米国に渡ることになります。これから1、2ヵ月は大谷 翔平選手、山本投手のFA移籍先報道が熱くなるでしょう。さて今回は、昨年、愛知県愛西市で新型コロナワクチン接種後に女性が死亡した問題で、1ヵ月ほど前に愛西市医療事故調査委員会が公表した調査報告書について書いてみたいと思います。「早期にアドレナリンが投与された場合、救命できた可能性を否定できない」と結論付けた報告書ですが、なぜ、アドレナリンが適切に投与されなかったのか、アナフィラキシーを起こしている患者を前にしてその判断ができなかった医師は、どんなキャリアでどれくらいの診療レベルだったのかについて、報告書には詳細に書かれていません。「かかりつけ医機能」が発揮されるための制度整備が議論されている中、地域の医師会の医師たちの医学知識、診療レベルを疑うような事例だけに、せっかく報告書を公表するならば、そのあたりまで突っ込んでもらいたいと思いました。「早期にアドレナリンが投与された場合、救命できた可能性を否定できない」と結論この事故は、昨年11月、愛西市の集団接種会場で、新型コロナワクチンを接種した女性(当時42)が直後に容体が急変し死亡した、というものです。専門家らで構成された愛西市医療事故調査委員会は9月26日、調査報告書1)を公表、「本事例は、ワクチン接種後極めて短時間に患者が急変し、死亡に至ったものである。非心原性肺水腫による急性呼吸不全及び急性循環不全が直接死因であると考えられ、この両病態の発症にはアナフィラキシーが関与していた可能性が高い。本事例は短時間で進行した重症例であることから、アドレナリンが投与されたとしても救命できなかった可能性はあるが、特に早期にアドレナリンが投与された場合、症状の増悪を緩徐にさせ、高次医療機関での治療につなげ、救命できた可能性を否定できない」と結論付けました。医療者たちの対応はことごとく「標準的ではなかった」さらに、「ワクチン接種後待機中の患者の容体悪化(咳嗽、呼吸苦の訴え)に対し、看護師らがアナフィラキシーを想起できなかったこと、問診者に接種前の患者の状態を確認することなく、患者は接種前から調子が悪かったと解釈したことは標準的ではなかった。また、その情報に影響を受け、ワクチン接種後患者の容体変化に対し、アドレナリンの筋肉内注射が医師によって迅速になされなかったことは標準的ではなかった」と、医療者たちの対応はことごとく「標準的ではなかった」と結論付けました。病態はアナフィラキシーの可能性が低いと医師が判断、アドレナリン筋肉内注射をせず報告書によれば、接種4分後から女性に咳嗽と呼吸苦が発現したにもかかわらず、看護師らは「ワクチン接種前からマスク着用の圧迫感による過呼吸発作状態にあったもの」と勝手に解釈していたとのことです。また、体調不良者が出たことで対応を依頼された医師も「接種前から体調不良、呼吸苦があったようだという看護師からの情報と、粘膜所見、皮膚所見、掻痒感、消化器症状など『アナフィラキシーで典型的な症状』がなかったことから、女性の病態はアナフィラキシーの可能性が低いと判断し、アドレナリンの筋肉内注射を第一治療選択から外し」てしまいました。そんな中、看護師の1人は「アナフィラキシーの可能性を考え、アドレナリン投与を想定し、注射器に22ゲージの針をつけ、医師の指示があればいつでも筋注できるよう準備をし」ていましたが、「医師の判断を尊重するため、アドレナリンの準備ができていることを積極的に伝えようとはしなかった」とのことです。接種14分後に心停止、3次救急病院に搬送されるも到着時にはすでに心肺停止状態さらに対応を依頼された医師は、「アナフィラキシーガイドライン2022」(日本アレルギー学会)の存在は認識していましたが、アナフィラキシーに比較的よくみられる所見や情報が乏しかったことに影響され、ガイドライン等に沿った対応、すなわち「0.1%アドレナリン(ボスミン1/2A)の筋肉内注射、またはアドレナリン自己注射用製剤(エピペン0.3mg製剤)の投与」を行いませんでした。なお、新型コロナウイルスワクチンの接種事業に協力する医師に対して海部医師会(医師たちが所属する医師会)は、医師たちに事前に準備された「アナフィラキシー対応マニュアル」を読んでおくよう指示していたとのことです。結局、この女性にアドレナリンが投与されることはなく、接種14分後に心停止、その後救急隊が呼ばれ、3次救急病院に搬送されるも到着時にはすでに心肺停止状態で、心肺蘇生を試みた後、死亡が確認されています。ハチ毒はアレルギーを獲得した後2回目に刺された時のアナフィラキシーが怖いエピペン(アドレナリン自己注射用製剤)については、私も少々苦い思い出があります。20年ほど前の秋、奥秩父の登山中にハチに刺されたことがあります。ハチ毒は、アレルギーを獲得した後の2回目に刺された時のアナフィラキシーが怖いと言われています。そこで私は近所の内科診療所を訪れ、エピペンの処方を頼みました。実は私の友人がその数年前、ハチに刺された数ヵ月後に蜂の子を食べ、アナフィラキシーで生死をさまよいました。その話を聞いていたので、「今後、山に登る時はエピペン所持が必要だ」と考えたのです。開業医にエピペン処方を断られるエピペンの日本での歴史はそう古くはありません。1995年、国有林で働く林業従事者のハチ毒対策のために米国で製造販売されていた製品を「治験扱い」で使用されたのが始まりです。その後、民有林での使用要望も出され、2003年に厚生労働省の製造販売承認が下りています。つまり、林業従事者のハチ毒対策が日本でのエピペン普及のきっかけだったのです。この時の適応は「蜂毒に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療(アナフィラキシーの既往のある人またはアナフィラキシーを発現する危険性の高い人に限る)」で、該当者は処方を受けて所持・使用することができるようになりました。その後、2005年には食物や薬物等によるアナフィラキシー反応および小児への適応も取得しています(ただし2011年までは保険が効かず自費)。私がハチに刺されたのは2003年の製造販売承認後だったので、内科診療所の医師は処方できたはずだったのですが、医師(60歳代)は「処方したことがない」「自分で打つのは危険だ」「全額自費だよ」などとさまざまな理由を挙げて、結局処方してもらえませんでした。「次、山で刺されたらアナフィラキシーで死ぬかもしれない」という私の切実な訴えも、まったく無視されました(その後、別の医療機関で入手し、数年間は登山時に所持)。ちなみに現在、エピペンの処方には講習受講と登録が必要となっています。アナフィラキシーを除外した医師は「内科医、医師歴5年以上10年未満」そんな経験があったため、愛西市の新型コロナワクチン接種後に女性がアナフィラキシーで死亡した事故を知った時、対応した医師は、私にエピペンを処方しなかった医師同様、比較的年配で、アドレナリン自己注射用製剤を患者に使用させた経験がなかったのではないか、さらにはアナフィラキシーというものを教科書では読んだことがあるが、自身では経験したことがなかったのではないかと思いました。しかし、私の予想は外れました。報告書によれば、最初にこの女性の対応を任され、アナフィラキシーを除外した医師は、海部医師会愛西市班に所属する医師で「内科医、医師歴5年以上10年未満」となっています。むしろ、こちらのほうが驚きです。医師になって10年未満、エピペンの使い方も一般化し、アナフィラキシー時の対応についても十分に学んでいるはずの世代が大きな判断ミスを犯したということになるからです。医学や診療技術は、日々進歩していますが、学ぼうとしない医師も一定数います。この「医師歴5年以上10年未満」の医師は、どういう経歴で、日々の診療はどういうもので、どのように最新の医学情報をアップデートしていたのでしょうか。「かかりつけ医」機能が議論される中、報告書には判断ミスを犯した医師の資質についても言及されるべきだったのではないでしょうか。「医療事故調査制度の制度趣旨に反している」との批判もところで、今回、この事故に関して、愛西市医療事故調査委員会の委員長らが記者会見し、報告書を公表、医学的評価の判断をマスコミ等に説明したことについて、「医療事故調査制度の制度趣旨に反している」との批判が一部にあるようです。公表が医師や看護師個々人への責任追及を促す危険性をはらんでいるからです。それはそれで一理あります。しかし、仮にことの原因が、個々の医療機関の安全管理体制等ではなく、医師の教育体制(卒後教育含む)にもあるとしたらどうでしょう。個々の医療機関に報告するだけで問題は解決するのでしょうか。愛西市のワクチン事故は、今の医療事故調査制度にも一石を投じたようです。参考1)新型コロナウイルスワクチン集団接種会場で発生した死亡事案について/愛西市

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動脈硬化予防のための階段利用、何段が効果的?

 健康のために階段昇降が推奨されるが、いったい何段くらいを目安に上ると何に効果的なのだろうか―。今回、中国・北京大学のZimin Song氏らが検証した結果、階段昇降を毎日5回より多く行う(段数にして約50段)とアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)リスクが20%以上低下する一方で、ベースラインと再調査の間に階段昇降を止めた人では、階段昇降をまったくしなかった人と比較して、ASCVDリスクが高くなることが明らかになった。Atherosclerosis誌オンライン版2023年9月16日号掲載の報告。 研究者らは、階段昇降の強度とASCVDのリスク、およびそれらがASCVDの危険因子の存在によって変化するか否かを評価するため、英国バイオバンクからの45万8,860例の成人データを使用し、前向きコホート研究を行った。ベースラインとベースラインから5年後の再調査で収集した情報は、階段昇降、社会人口学的要因、ライフスタイルに関するものだった。ASCVDとして、冠動脈疾患(CAD)、虚血性脳卒中(IS)、急性合併症が含まれた。また、階段昇降とASCVDとの関連性をCox比例ハザードモデルで解析し、CAD/ISの遺伝的リスクスコア(GRS)に基づく疾患感受性、ASCVDの10年リスク、ASCVDの家族歴で階層化して評価した。 主な結果は以下のとおり。・中央値12.5年の追跡調査中に、ASCVDを発症したのは3万9,043例、CADは3万718例、ISは1万521例だった。・1日あたりの階段昇降を1~5回、6~10回、11~15回、16~20回、21回以上に区分し、対照群(ベースライン時に階段昇降1日0回と報告)と比較したASCVDのHRは、順に0.97(95%信頼区間[CI]:0.93~1.01)、0.84(同:0.82~0.87)、0.78(同:0.75~0.81)、0.77(同:0.73~0.80)、0.81(同:0.77~0.85)だった。この結果はCADとISでも同等であった。・CAD/ISのGRSに基づく疾患感受性、ASCVDの10年リスク、ASCVDの家族歴で層別化した場合、階段昇降によるASCVDのリスク保護の関連性は疾患感受性レベルの上昇によって弱くなった。また、この関連性はASCVDのさまざまな感受性を持つ集団において広く一致していた。・ベースライン時に階段昇降を行い、その後の再調査で階段昇降を行わなくなった人は、階段昇降を行わなかったまたは少なかった(1日あたり5回未満)人と比較して、ASCVDリスクが32%高かった(HR:1.32、95%CI:1.06~1.65)。

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日本の医療従事者による薬物使用者へのスティグマ~依存症専門医療機関での調査

 医療現場のスティグマは、薬物使用者の生活に大きな影響を及ぼす。日本の医療現場での薬物使用者に対するスティグマに関して、定量的なデータは不足しており、その要因もよくわかっていない。横浜市こころの健康相談センターの片山 宗紀氏らは、薬物使用者に対するスティグマの現状とその要因について調査を行った。その結果、依存症専門医療機関の専門家が、薬物使用者に対して強いスティグマを示していることが明らかになったという。著者らは、スティグマへの対処および軽減には、包括的な教育プログラムや大規模な啓発キャンペーンが必要であると述べている。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2023年10月9日号の報告。 神奈川県、東京都、愛知県の5つの依存症専門医療機関で調査を行った。調査内容には、薬物使用者に対するスティグマ的態度、違法薬物使用に関する知識、薬物使用者との個人的および職業的な交流に関する質問を含めた。 主な結果は以下のとおり。・回答者の大部分は、薬物依存症は意志の強さで克服できる、または、単に道徳感の欠如によるものとは考えていなかった。・しかし、回答者の大多数は、薬物使用者を信頼できず、容認できない、理解できないと見なしていた。・臨床現場において薬物使用者による敵対的な行動の発生は限られているにもかかわらず、多くの回答者は薬物使用者を危険であると認識していた。・多くの回答者は、自身や親族の薬物関連問題への支援を模索しておらず、リカバリーした薬物使用者と協同した人は半数未満であった。これはスティグマの軽減を示す潜在的な指標であると考えられる。・依存症専門家は、法執行機関の関与は薬物使用者のリカバリーに寄与しないと認識していたが、依然として多くの専門家が、当局への報告は必要であると考えていた。

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