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既治療の転移TN乳がんへのペムブロリズマブ、健康関連QOLへの影響(KEYNOTE-119)

 既治療の転移を有するトリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対してペムブロリズマブを化学療法と比較したKEYNOTE-119試験では、主要評価項目である全生存期間がペムブロリズマブは化学療法と同等であったが、ペムブロリズマブの治療効果はPD-L1発現レベルが高いほど大きかったことが報告されている。今回、本試験における健康関連QOLを解析した結果、臨床アウトカムと一致しており、PD-L1陽性スコア(CPS)10以上の患者の結果に左右されるようであると英国・Barts Cancer Institute, Queen Mary University of LondonのPeter Schmid氏らが報告した。European Journal of Cancer誌2023年12月号に掲載。 本試験は、対象患者をペムブロリズマブ群(3週ごと200mgを静脈内投与、最大35サイクル)と医師選択治療群に1対1で無作為に割り付けた。事前に規定された探索的評価項目は、健康関連QOL(EORTC QLQ-C30、QLQ-BR23)のベースラインからの変化と有用性(EQ-5D-3L)であった。悪化するまでの期間(time to deterioration:TTD)は、治療開始から最初に10点以上悪化するまでの期間とした。 主な結果は以下のとおり。・健康関連QOLはPD-L1 CPSが10以上の187例を解析した。・ベースラインから6週時点(主要解析時)までの変化は、QLQ-C30 GHS/QoL(最小二乗平均スコアの群間差:4.21、95%信頼区間:-1.38~9.80)、QLQ-C30の機能尺度(身体、役割、認知、社会)、QLQ-C30の症状尺度/項目(疲労、悪心/嘔吐、呼吸困難、食欲不振)、QLQ-BR23の症状尺度/項目(全身療法による副作用、脱毛による動揺)において、化学療法よりペムブロリズマブで良好だった。・TTD中央値は、QLQ-C30のQHS/QoL(4.3ヵ月vs.1.7ヵ月)、QLQ-C30の悪心/嘔吐(7.7ヵ月vs.4.8ヵ月)、QLQ-BR23の全身療法による副作用(6.1ヵ月vs.3.4ヵ月)において、化学療法よりペムブロリズマブのほうが長かった。・その他の健康関連QOLの評価項目は、治療による差がほとんど認められなかった。

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アミロイド陽性アルツハイマー病患者の皮質萎縮に対する炭水化物制限の影響

 インスリンレベルを低下させる炭水化物制限は、アルツハイマー病(AD)発症を遅らせる可能性がある。炭水化物の摂取を制限するとインスリン抵抗性が低下し、グルコースの取り込みや神経学的健康が改善すると考えられる。ADの特徴は、広範な皮質の萎縮だが、アミロイドーシスが確認されたAD患者において、正味炭水化物摂取量の低下が皮質萎縮の軽減と関連しているかは、明らかとなっていない。米国・Pacific Neuroscience Institute and FoundationのJennifer E. Bramen氏らは、炭水化物制限を行っているアミロイド陽性アルツハイマー病患者を対象に、中程度~高度の炭水化物摂取の場合と比較し、皮質厚が厚いとの仮説を検証した。Journal of Alzheimer's Disease誌2023年10月号の報告。 アミロイド陽性アルツハイマー病患者31例を、正味炭水化物のカットオフ値130g/日に基づき2群に分類した。皮質厚は、FreeSurferを用いて、MRIのT1強調画像より推定した。皮質表面分析は、クラスタワイズ回帰分析を用いて、多重比較のために補正した。群間差異の評価には、両側独立サンプルt検定を用いた。交絡因子を考慮した連続変数として正味炭水化物を用い、線形回帰分析も行った。 主な結果は以下のとおり。・正味炭水化物摂取量が低い群は、体性運動ネットワークおよび視覚ネットワークの皮質厚が有意に厚かった。・線形回帰では、正味炭水化物摂取レベルの低下は、前頭頭頂葉、帯状鞠膜、視覚ネットワークの皮質厚の厚さとの有意な関連が認められた。 著者らは「炭水化物制限は、AD患者の皮質萎縮を軽減する可能性がある。正味炭水化物摂取を130g/日未満に抑えることは、検証済みのMIND食を順守することにつながり、インスリンレベル低下による恩恵も受けることになるであろう」としている。

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HER2陽性転移乳がん1次治療におけるpyrotinib(解説:下村昭彦氏)

 BMJ誌2023年10月31日号に、HER2陽性転移乳がん1次治療におけるpyrotinibによる無増悪生存期間(progression free survival:PFS)の改善を示したPHILA試験の結果が公表された。pyrotinibは中国で開発されたHER2をターゲットとしたチロシンキナーゼ阻害薬(tyrosine kinase inhibitor:TKI)であり、HER2陽性転移乳がんの2次治療におけるカペシタビンへの上乗せがラパチニブと比較して、PFS(Xu B, et al. Lancet Oncol. 2021;22:351-360.)ならびに全生存期間(overall survival:OS)(SABCS2021)を改善することが示されている。 PHILA試験ではトラスツズマブ+ドセタキセルにpyrotinibまたはプラセボを上乗せし、PFSで24.3ヵ月vs.10.4ヵ月(ハザード比:0.41、95%信頼区間:0.32~0.53、片側p<0.001)と大きな改善を認めた。一方、有害事象はpyrotinib群で14%と増加し、とくに下痢の増加が著しかった。下痢はHER2TKIの一般的な有害事象であり、pyrotinibで特別増加するということではなさそうである。 pyrotinibは中国国内でのみ開発されている薬剤であるが、それ以外にもこの試験を解釈するうえでいくつか注意すべきポイントがある。まず、世界的なHER2陽性転移乳がんの1次治療はペルツズマブ+トラスツズマブ+タキサン療法であるということである(Swain SM, et al. N Engl J Med. 2015;372:724-734.)。ペルツズマブの上乗せはPFSのみならずOSも延長する。一方、PHILA試験では中国国内での承認の関係からペルツズマブは使用されていない。さらに現在、抗体薬物複合体(antibody drug conjugate:ADC)であるトラスツズマブ デルクステカンの1次治療における有用性を検証するDESTINY-Breast09試験(NCT04784715)が実施されており、この結果次第ではHER2陽性転移乳がんの1次治療が変わる。 さらに、TKIについても以前から使用されているラパチニブに加えて、3次治療においてtucatinibのトラスツズマブ+カペシタビンへの上乗せがPFS、OSを延長するのみならず、脳転移に対して有効であることが示されている(Murthy RK, et al. N Engl J Med. 2020;382:597-609.)。さらにアップフロントでのADCとの併用の有効性に関する検証も行われている(NCT03975647、NCT04539938)。pyrotinibも重要な薬剤であるが、ペルツズマブやADCとの併用の有用性について検証されなければ、私たちの実臨床への影響は大きくないといえよう。

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「ゴジラ-1.0」を観た!【Dr. 中島の 新・徒然草】(504)

五百四の段 「ゴジラ-1.0」を観た!ウチのマンションではクリスマスツリーの飾り付けも済み、すっかり年末気分です。そろそろ年賀状の準備もしなくてはなりません。さて、先日のこと。女房とともに話題の映画「ゴジラ-1.0」を観てきました。これは「ゴジラ マイナスワン」と読むそうです。日本で第30作目のゴジラ映画になるとのことでした。数量政策学者の高橋 洋一氏や評論家の岡田 斗司夫氏など、有名人は軒並み絶賛しています。とくに高橋 洋一氏は3回も見て自身のYouTube「高橋洋一 映画の話チャンネル」でゴジラについて熱く語っていました。これまで私自身が劇場で2回見たのは「ボヘミアン・ラプソディ」と「ハドソン川の奇跡」くらいです。「ゴジラ-1.0」の2回目があるかというと……どうかな。それにしても「怪獣映画とヒューマンドラマを高度なレベルで融合した」と言っている人が多いですが、確かにそういう面はあるかと思います。以下、ネタバレに気を付けてちょっとだけ感想を述べましょう。舞台は終戦直後の日本。アメリカにやられて何もかも失った日本はゼロの状態。そこにゴジラが現れて大暴れして、ゼロ以下のマイナスになってしまうわけです。例えて言うと、格闘技か何かでアメリカ代表にコテンパンにやられてダウンしている日本代表に、怒り狂うアフリカ象が襲い掛かってきたみたいなもの。もう無茶苦茶な設定です。で、ヒューマンドラマ部分を語るとすれば「アメリカ代表には敗けたけど、アフリカ象を倒してこの国を守ってやる」という日本男児の心意気になるのでしょうね。でも、素手でアフリカ象に勝てるわけがありません。まさしく恐怖と絶望です。さらにゴジラには放射熱線という必殺技があり、これが発射されると核爆発のような威力があるので、どこからどう見ても対抗することができません。このような状況の中で主人公たちがどう戦い、どのような結末を迎えるのか、それについては黙っておきますので、皆さん、それぞれに劇場で確認してください。一緒に行った女房は「怖い。ゴジラ怖すぎる!」と言っていました。女房による怖さポイントは、ゴジラはいつも怒っている目が合ったら追いかけられる話し合いが通じない破壊と殺戮自体が目的化している知らないうちに距離を詰められるといったところだそうです。この映画、初日から大ヒットしており世界制覇も企んでいるそうです。好き嫌いは分かれると思いますが、話題についていくためにも一度は劇場で観ておくことをお勧めします。ということで最後に1句荒れ狂う ゴジラが去ったら 年末だ

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11月23日 AGAスキンクリニック ふさふさの日【今日は何の日?】

【11月23日 ふさふさの日】〔由来〕毛が元気に立っているイメージの「11」と、多くの髪の毛を連想させる「フサフサ(23)」と読む語呂合わせでAGAスキンクリニックが制定。薄毛は治療できる時代になったということを多くの人に知ってもらうことが目的。関連コンテンツ12歳から使用可能な経口の円形脱毛症治療薬「リットフーロカプセル50mg」【下平博士のDIノート】「AGA(男性型脱毛症)」【診療よろず相談TV】円形脱毛症の母親の出生児が抱えるリスクとは?中等症~重症円形脱毛症、ritlecitinibで改善/Lancet脱毛治療での栄養サプリ使用は、安全・有効か?

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口腔診療ガイドライン 2023年版 第4版

4年ぶりの改訂で総説とCQを徹底的にブラッシュアップ!口腔診療に関わる医療者必携の診療ガイドライン、4年ぶりの改訂版出来。2019年版およびNCCNガイドラインを骨格とした診療アルゴリズムに添う内容に総説をブラッシュアップし、すべての診療指針を詳細に解説します。また、新たなクリニカルクエスチョン(CQ)も、GRADEアプローチをはじめ各種の方法でエビデンスを精密に解析しました。保険診療を基本とした口腔診療全体をカバーする、臨床でさらに使いやすくなった決定的最新版です。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    口腔診療ガイドライン 2023年版 第4版定価4,620円(税込)判型B5判頁数252頁(図数:17枚)発行2023年11月編集口腔診療ガイドライン改訂合同委員会

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第72回 中国依存型から脱して、「ペニシリン危機」を乗り越えろ!

中国への原薬依存Unsplashより使用2018年に突如セフェム系抗菌薬の供給が危ぶまれる状況になったことを覚えているでしょうか。また、呼吸器内科では、とくにカルバペネム系抗菌薬の不足が一部の抗酸菌感染症で「標準治療ができない」という事態を引き起こしました。当時、ほとんどが中国に原薬の製造を依存してしまっており、何らかのトラブルで流通が懸念されると、日本のβラクタム系抗菌薬が壊滅的な事態に陥ってしまうのです。原薬に使われている化学物質は、2000年頃までは国内の供給だったのですが、コスト削減のため安価な中国製にスイッチされています。しかし、中国における原薬価格のダンピングによって、国内の原薬工場はほとんど閉鎖となりました。2015年1月に施行された環境保護法の全面改正により、原薬の値段がこの数年間で2倍以上に高騰しています。さらに、ジェネリック医薬品の台頭や医療費抑制もあって、抗菌薬の薬価は全体的に値下げが進んでいます。そのため、現在抗菌薬は製薬会社にとって儲からない製品になりつつあるわけです。2019年に、関連4学会が政府に要望書を提出し、とくに欠かせない薬剤の安定供給を要請しています。そして、2022年12月に、国民の医療において重要な抗菌薬としてペニシリン系抗菌薬およびセフェム系抗菌薬の原薬が国産化される方向になりました1)。ようやく、といったところです。公益財団法人日本感染症医薬品協会に「βラクタム系抗菌薬原薬国産化委員会」も設置されました。これによって原薬を国内で作っていこうという方向に舵が切られました。製造可能なメーカーは限られているペニシリン系では6-APAという原薬がカギを握っていますが、この生産には、菌株、大型培養設備、大量の水、廃水処理設備が必要になります。これが可能な医薬品メーカーは限られています。また、早くても2025年くらいから6-APAの製造が本格的に稼働することになりますので、原薬が日本で恒常的に流通するのはもっと先になるかもしれません。こういった施策が可能な大きな母体のメーカーは限られていますが、日本の感染症の未来のために、今こそ中国依存型を脱するときです。参考文献・参考サイト1)厚生労働省:経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律に基づく抗菌性物質製剤に係る安定供給確保について

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日本における慢性疼痛・片頭痛患者の医療アクセスへの障壁

 慢性疼痛および片頭痛は、患者のQOLや生産性の低下などの経済的な負担が大きいにもかかわらず、十分に治療されていないケースが少なくない。治療を受けない理由を明らかにすることは、介護を求める行動を改善するための介入を可能にするためにも重要である。しかし、日本において、疾患特有の治療を受けない理由に関する報告は限られている。順天堂大学の唐澤 佑輔氏らは、慢性疼痛および片頭痛を有する未治療の患者における医療アクセスへの障壁を明らかにするため、調査を行った。その結果から、痛みに伴うリスクとその原因、安価な治療選択肢の利用の可能性、適切な治療施設へのアクセスについて患者教育を行うことで、治療率が向上する可能性が示唆された。Frontiers in Pain Research(Lausanne, Switzerland)誌2023年10月3日号の報告。 慢性疼痛および片頭痛患者を対象に、非介入的な横断的インターネット調査を行った。主要評価項目は、慢性疼痛および片頭痛の未治療の理由とした。副次的評価項目は、患者背景、患者報告ベースのアウトカム、ジェネリック医薬品またはオーソライズド・ジェネリック(AG)の認知度、医療アクセスに関する因子を含めた。 主な結果は以下のとおり。・2021年、慢性疼痛患者1,089例(未治療:605例、55.6%)および片頭痛患者932例(未治療:695例、74.6%)を対象に調査を行った。・治療を受けない理由は、慢性疼痛では「痛みを我慢できる」、片頭痛では「市販薬で疼痛管理が可能」であった。・未治療の慢性疼痛と有意な関連が認められた因子は、若年であること、最寄りの医療機関までの移動時間が短い、痛みが少ない、ADLスコアが高い、後発医薬品やオーソライズド・ジェネリック(AG)に対する認識の低さであった。・未治療の片頭痛と有意な関連が認められた因子は、女性であること、最寄りの医療機関までの移動時間が短い、人口5万人未満の自治体に居住、中等度~重度の痛みを経験、ADLスコアが高い、AGに対する認識の低さであった。・AGの認識率は、治療を受けた患者のほうが、未治療の患者よりも2倍高かった。

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DOAC・ワルファリン、重大な副作用に「急性腎障害」追加/厚労省

 経口抗凝固薬の添付文書について、2023年11月21日に厚生労働省が改訂を指示。国内で販売されている直接経口抗凝固薬(DOAC)4剤(アピキサバン、エドキサバン、ダビガトラン、リバーロキサバン)とワルファリンカリウムの添付文書の「副作用」に重大な副作用として急性腎障害が追記された。DOAC4剤とワルファリンに急性腎障害との因果関係が否定できない症例 DOAC4剤とワルファリンカリウムの副作用についての添付文書の改訂は以下のとおり。<重大な副作用>急性腎障害 経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害が現れることがある。本剤投与後の急性腎障害の中には、血尿や治療域を超えるINRを認めるもの、腎生検により尿細管内に赤血球円柱を多数認めるものが報告されている。 改訂理由については、抗凝固薬関連腎症を含む急性腎障害症例を評価した結果、経口抗凝固薬のうち、ワルファリンカリウムおよびDOAC4剤について、抗凝固薬関連腎症を含む急性腎障害との因果関係が否定できない症例が集積したことから、経口抗凝固薬の使用上の注意を改訂することが適切と判断された。なお、アピキサバンについては抗凝固薬関連腎症を含む急性腎障害との因果関係が否定できない症例はなかったものの、文献において1)、抗凝固薬関連腎症との因果関係が否定できない海外症例が報告されている。症例※の国内症例の集積状況 【転帰死亡症例】(1)アピキサバン:7例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例0例)【死亡3例(うち、医薬品と事象による死亡との因果関係が否定できない症例0例)】(2)エドキサバン: 6例(同4例)【死亡1例(同0例)】 (3)ダビガトラン:26例(同7例)【死亡3例(同0例)】 (4)リバーロキサバン:6例(同3例)【死亡1例(同0例)】(5)ワルファリンカリウム:7例(同4例)【死亡0例】※:医薬品医療機器総合機構における副作用等報告データベースに登録された症例から副作用(PT)「抗凝固薬関連腎症」または「急性腎障害」で抽出されたもののうち、以下のすべての条件に該当する症例を評価対象とした。1:「AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016」(AKI(急性腎障害)診療ガイドライン作成委員会編:日本腎臓学会、日本集中治療医学会、日本透析医学会、日本急性血液浄化学会、日本小児腎臓病学会)においてAKI診断に必要とされている腎機能値(ベースラインおよび発現時の血清クレアチニンなど)の情報があり、かつ、AKI診断基準を満たす。2:因果関係評価に必要な副作用発現後の転帰情報(経過欄、検査値欄の情報含む)がある。

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セマグルチド製剤の最適使用推進ガイドラインを公表/厚労省

 社会的に痩身目的での糖尿病治療薬の使用が散見され、本来必要な患者に治療薬が届かないといった事態が起こっている。そのような中でセマグルチド製剤のウゴービ皮下注が肥満症治療薬として承認され、2023年11月22日に薬価収載された。これらの事態を懸念し、厚生労働省は医療機関および薬局に対する周知を目的として、本剤に関する「最適使用推進ガイドライン」を11月21日に公表した。 本ガイドラインには、ウゴービ皮下注を肥満症に対して使用する際の留意事項が記載されており、その使用に際し、ガイドライン内容に留意するよう促している。その中で投与対象となる患者については以下のように記載されている。【患者選択について】投与の要否の判断にあたっては、以下のすべてを満たす肥満症患者であることを確認する。 1)最新の診療ガイドラインの診断基準に基づき、高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のいずれか1つ以上の診断がなされ、かつ以下を満たす患者であること。 ・BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する ・BMIが35kg/m2以上2)高血圧、脂質異常症または2型糖尿病ならびに肥満症に関する最新の診療ガイドラインを参考に、適切な食事療法・運動療法に係る治療計画を作成し、本剤を投与する施設において当該計画に基づく治療を6ヵ月以上実施しても、十分な効果が得られない患者であること。また、食事療法について、この間に2ヵ月に1回以上の頻度で管理栄養士による栄養指導を受けた患者であること。なお、食事療法・運動療法に関しては、患者自身による記録を確認する等により必要な対応が実施できていることを確認し、必要な内容を管理記録等に記録すること。3)本剤を投与する施設において合併している高血圧、脂質異常症または2型糖尿病に対して薬物療法を含む適切な治療が行われている患者であること。本剤で治療を始める前に高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のいずれか1つ以上に対して適切に薬物療法が行われている患者であること。 このほか、使用する施設や医師の要件、投与に際して留意すべき事項などが記載されている。

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難治性ネフローゼ症候群を呈する巣状分節性糸球体硬化症の新たな治療薬sparsentanへの期待(解説:浦信行氏)

 エンドセリン受容体・アンジオテンシン受容体デュアル拮抗薬のsparsentanは慢性腎臓病(CKD)治療薬として、すでにIgA腎症などで臨床試験が先行しており、一部には良好な効果が認められている。また、糖尿病性腎症ではエンドセリン受容体拮抗薬が良好な治療効果を示している。 巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は治療抵抗性であり、治療の主体はステロイドであるが臨床的にはステロイド抵抗性で進行性であり、10年で約半数が腎死に至る。そのようなFSGSに対する治療効果をイルベサルタンと対比した成績が公表された。2年間にわたる二重盲検第III相試験で尿蛋白に関しては顕著な減少効果を認め、完全寛解率も倍以上の18.5%であったが、eGFRのスロープに有意差はないとの残念な結果であった。6週から108週までのeGFRのスロープは有意ではないものの、イルベサルタン群で-5.7であったのに対してsparsentan群で-4.8にとどまっていた。対象の詳細は不明だが、原発性FSGSに限っての検討ではどうなのか。また、両群のeGFRが、sparsentan群で63.3±28.6、イルベサルタン群で64.1±31.7であり、両群ともにeGFR60未満の症例が半数以上である。eGFRが保たれている群同士の比較ではどうであったかが今後の課題といえよう。 先にも述べたが、FSGSは治療抵抗性でステロイドによる治療は効果に乏しく、免疫抑制薬との併用が行われるがそれでも満足な結果は得られていない。あくまでもsparsentanの有効性が確認されてからではあるが、いずれの薬剤とも作用機序は異なるので、ステロイドや免疫抑制薬の副作用低減の面からもsparsentanの併用療法も将来的には考慮されるのではないか。

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AIで英語の発音を鍛えよう【学会発表で伝わる!英語スライド&プレゼン術】第27回

AIで英語の発音を鍛えよう1)日本人が苦手な発音を知っておく2)AIを利用して発音を矯正する3)YouTubeを有効活用する英語での発表に関して、英語の発音にコンプレックスを持っている方は多いかもしれません。ですが、実際に国際学会に出席したことがある方はわかると思いますが、学会の場では世界中から医師が集まっていて、場合によっては非ネイティブスピーカーの参加者のほうが多いこともあります。そのため、英語になまりやアクセントがあるのは当然のこととして認識されており、日本人特有のなまりやアクセントがあっても大きな問題にはならないことが多いのです。英語はあくまで自分の研究内容を伝えるためのコミュニケーションの手段にすぎず、むしろ発音のことはあまり気にせずに堂々と話せる、「メンタルの強さ」が重要ともいえます。その一方で、英語には日本語にはない独特の発音があり、それらをうまく使いこなせなければ、聴衆に意味をまったく理解してもらえない場合もあります。たとえば、「th」を含む単語や、「rとl」、「bとv」、「sとsh」の違いなどが挙げられます。こういった発音をうまくできず、コミュニケーションが成り立たずに面食らう場面を、私も幾度となく経験してきました。対策として有効なのが、英語発音矯正アプリの「ELSA speak」です。このスマホアプリではAIが自分の発音を聞き分け、どこが合っていてどこが間違っているかを一音ずつ指摘してくれます。〈図1〉のように文章が表示され、マイクに向かって発音すると、AIが発音を評価し、発音が間違っている部分を指摘してくれます。そのフィードバックを受けて自己学習を積み重ねていくという仕組みとなっています。〈図1〉画像を拡大するまた、〈図2〉のように定期的にテストを受けることで自分の発音レベルを確認することができ、結果の分析で苦手な発音がわかれば、そこを集中的にトレーニングすることもできます。〈図2〉画像を拡大するこれまでは英会話教室やオンライン英会話など、対面での発音矯正しか方法がなかったので、隙間時間に自分1人で取り組むことができるこのアプリは重宝します。アプリ内で月額または年額の課金がありますが、ある程度の機能は無料で利用できるため、自分に合いそうであれば有料会員登録をお勧めします。それでも、「そもそもどう発音したらいいかわからない」というときには、YouTubeを活用してみるのがよいでしょう。いわゆる「英語系YouTuber」の人たちが発音の違いを丁寧に説明する動画がたくさんあるので、それらを参考にしながら何度も練習すると上達しやすいです。参考までに、発音に関する動画をアップロードしているYouTubeチャンネルをいくつか紹介します。AK in カナダ | AK Englishサマー先生と英会話!だいじろー Daijiro講師紹介

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第188回 診療報酬改定シリーズ本格化(後編) 「財務省による医療界を分断するような動きがある」と日医・松本会長、「私たちは、財務省の奴隷なのでしょうか」と都医・尾崎会長。その財務省は地域別診療報酬を提案

「診療報酬本体マイナス改定が適当」と主張する財務省への反発強まるこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。MLBの今シーズンの最優秀選手(MVP)が11月16日(現地時間)に発表され、アメリカン・リーグではロサンゼルス・エンジェルスの大谷 翔平選手が2021年に続く2回目の受賞となりました。NHKのBSでもMLBネットワークの番組を生で放送していましたが、犬、可愛かったですね。この受賞番組で個人的に興味深かったのは、ナショナル・リーグのほうでした。候補のロナルド・アクーニャJr.選手(アトランタ・ブレーブス)、ムーキー・ベッツ選手(ロサンゼルス・ドジャース)、フレディ・フリーマン選手(ロサンゼルス・ドジャース)の3人がネットで同時に生出演をしていたのですが、なんとベッツ選手は「娘を迎えに行く途中」とのことで、車の運転席からスマホで出演していました。MLBのスター選手が大事なMVPの発表時に子供のお迎え……、そのシュールな状況にドジャース同僚のフリーマン選手も大爆笑で、こうしたチームの雰囲気なら大谷選手も力を発揮しやすいのでは、と思った次第です。なお、MVPは打率.337、41本塁打、106打点、73盗塁を記録したアクーニャJr.選手でした。さて、前回(「第187回 診療報酬改定シリーズ本格化(前編)『コロナで儲かったから診療報酬本体はマイナス改定』と財務省、『剰余金を取り崩せという姿勢は理不尽、医療提供体制の弱体化を招く』と日医・松本会長」)書いた、2023年11月1日に財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会において財務省が主張した、「2024年度改定においては、診療所の極めて良好な経営状況等を踏まえ、診療所の報酬単価を引き下げること等により、現場従事者の処遇改善等の課題に対応しつつ診療報酬本体をマイナス改定とすることが適当」との考えに対する医療関係団体の反発が強まっています。一方、財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会は、反発どこ吹く風と11月20日に2024年度の予算編成に向けた意見書(令和6年度予算の編成等に関する建議、通称「秋の建議」)をとりまとめ、鈴木 俊一財務相に提出しました。その中で診療報酬の改定については、11月1日の主張と同様「本体マイナス改定」が適当だとし、とくに診療所に入る報酬の単価を5.5%程度引き下げるよう求めました。三師会の会長、岸田首相、武見厚労相に適切な財源確保を直訴「秋の建議」に先立って、日本医師会の松本 吉郎会長、日本歯科医師会の高橋 英登会長、日本薬剤師会の山本 信夫会長は11月14日、医療機関や薬局が医療従事者の賃上げや物価高騰などに対応するための適切な財源を2024年度の診療報酬改定に向けて確保するよう求める要望書を、武見 敬三厚生労働相に面会し直接手渡しました。三師会の会長は翌15日には岸田 文雄首相とも面会、同内容の要望書を手渡し、賃上げ原資の確保のために「大幅な(報酬の)引き上げが必要」と直訴したとのことです1)。NHKなどの報道によれば、岸田首相はこれに対し「賃上げは非常に重要だ。要望を重く受け止め、しっかり検討したい」と応じたとのことです。またこの日、日本医師会と四病院団体協議会(四病協)は合同で声明を出し、類を見ない物価高騰の下では「緊急避難的な対応だけではなく、恒常的な対応が必要」だとし、2024年度診療報酬改定での大幅な引き上げを強く求めています2)。四病院団体の幹部とともに合同記者会見に臨んだ松本会長は、「財務省による医療界を分断するような動きがある中で、診療報酬改定の大きな方向性において、医療界が一体・一丸となって声を一つに歩んでいくべきとの強い思いがあったからだ」と述べたとのことです。「皆、とても悲しくなりました。私たちは、財務省の奴隷なのでしょうか」と心情吐露した都医・尾崎会長また、東京都医師会の尾崎 治夫会長は11月14日に定例記者会見を開き、財務省が財政制度等審議会・財政制度分科会で診療所の報酬単価引き下げを主張したことについて「皆、とても悲しくなりました。私たちは、財務省の奴隷なのでしょうか」とその思いを吐露しました。記者会見で尾崎会長は東京都医師会が医師会員に意見を聞いてまとめた「会員や働いているスタッフの気持ち」と題された文書を紹介、「当時、国は、わたしたちの努力に報いたいとの思いがあって、補助金をいただけたものと… 頂いた補助金は、さらなる感染症対策と、必要とされるスタッフの増員などで、増えた収入はすぐなくなり、翌年には税金も上乗せされ、ほぼ収支は元に戻ってしまいました。それなのに、コロナで十分儲けたはずだから、物価高に伴う従業員の給料上乗せはそこから出せる筈、よって診療所の診療報酬はあげる必要なく、むしろ下げるべき。怒りを通り越して、皆、とても悲しくなりました。私たちは、財務省の奴隷なのでしょうか」と語りました。その文書の末尾は、山本 五十六の名言とされる「やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ」で締められていました3)。少々大時代的なパフォーマンスにも見えますが、「医療人も褒めてやらないと動かないのだよ」と尾崎会長は訴えたかったようです。ちなみに、尾崎会長は武見厚労相の後援会会長を務めています。診療所不足地域と診療所過剰地域で異なる1点当たり単価を設定して不足地域への医療資源シフトを促すこのように、次期改定に向けてさまざまな波紋を投げかけている財務省の「本体マイナス改定」の主張ですが、11月1日の財政制度等審議会・財政制度分科会の資料にはもう1点、気になる内容が盛り込まれています。かねてから財務省が主張してきた地域別の診療報酬の導入の検討です。「診療所の偏在是正のための地域別単価の導入について」と題された資料では、「診療報酬の仕組みは、報酬点数×1点当たり単価(10円)となっているが、診療所の偏在は診療コストの違いも影響していると考えられる」として、「診療所不足地域と診療所過剰地域で異なる1点当たり単価を設定し、報酬面からも診療所過剰地域から診療所不足地域への医療資源のシフトを促すことを検討する必要」を提案しています。全国一律となっている1点単価を見直し、診療所不足地域の単価を上げて診療所を呼び込もう、というわけです。「秋の建議」にも、この地域別の診療報酬導入はそのまま盛り込まれました。さらに建議の本文では、「将来的に地域別の報酬体系への移行を視野に入れつつ、当面の措置として、診療所過剰地域における1点当たり単価の引下げを先行させ、それによる公費節減等の効果を活用して医師不足地域における対策を別途強化すべき」と、過剰地域で点数引き下げを先行させる考えも示されています。首相秘書官の一松 旬氏が奈良県出向時代に提案したスキーム財務省が最初に地域別の診療報酬について公の場で提言したのは、5年前、2018年4月の財政制度等審議会・財政制度分科会でした。この時財務省は「医療費適正化に向けた、地域別の診療報酬の具体的な活用可能なメニューを国としても示し、医療費適正化計画の達成に活用できるようにしていくべきだ。活用を検討する都道府県も現れている」として、地域別の診療報酬の導入可能性について言及しました。「活用を検討している」とされたのは奈良県で、そのスキームを考えたのが当時、財務省から出向し奈良県副知事を務めていた一松 旬氏、現在の首相秘書官です(「第179回 驚きの新閣僚人事、武見厚労相は日医には大きな誤算?“ケンカ太郎”の息子が日医とケンカをする日」参照)。地域別の診療報酬は、法律的には今でも実現可能です。「高齢者医療確保法(高齢者の医療の確保に関する法律)」の14条に規定があり、厚生労働大臣が都道府県知事と協議した上で都道府県別の診療報酬の単価を設定することができる、となっているからです。しかし、これまでに活用されたことはありません。2018年に財務省が提案したときは日医の猛反対もあり、議論は広がりませんでした。一松氏が首相秘書官となり、総理のブレーンとなった今年、財務省が「医療費適正化」のためではなく、今度は「診療所の偏在是正」のツールとして地域別の診療報酬を再度持ち出してきた真意はどこにあるのでしょうか。今回も単なる“打ち上げ花火”と見る向きもありますが、5年を経ても地域別の診療報酬を諦めず「秋の建議」に盛り込んできた財務省に、ある種の執念を感じます。武見厚労相は「慎重に考える必要がある」とコメントところで、メディファクス等の報道によれば、武見厚労相は地域別の診療報酬導入について11月7日の閣議決定後にコメント、被保険者間の公平性の観点から、現状診療報酬は全国一律の点数に設定しているとし、「慎重に考える必要がある」と語ったとのことです。日医寄りと見られる武見厚労相らしい発言とも言えますが、就任会見で「医療関係団体の代弁者ではない」と大見得を切った割には、医療関係団体への配慮が滲んでいる点が気になります。岸田内閣の支持率低下に歯止めがかからず、一部には「レームダック状態」「財務省も見限った」という報道もみられます。というわけで、武見厚労相の任期もいつまでかわからない状況です。例年と比べても勘案すべき要素が多過ぎることに加えて、政権が弱体化していることも診療報酬の改定率の予測を難しくしています。残すところあと1ヵ月余り、診療報酬改定シリーズから目が離せません。参考1)令和6年度診療報酬改定に向けて/日本医師会2)令和6年度診療報酬改定に向けた日本医師会・四病院団体協議会合同声明3)会員や働いているスタッフの気持ち/東京都医師会

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回復期リハビリテーション病棟でのせん妄に対する向精神薬の減量

 川崎こころ病院の植松 拓也氏らは、同施設の回復期リハビリテーション病棟に転院してくる患者さんの多くが、急性期病棟入院時にせん妄に対する向精神薬処方が行われている現状を踏まえ、精神科医、薬剤師、リハビリテーション医が協力し、向精神薬減量への取り組みを行った。その結果から、急性期病棟で処方されている向精神薬の種類および用量を回復期リハビリテーション病棟で減量できる可能性があることを報告した。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2023年10月26日号の報告。 対象は、2021年4月~2022年3月に川崎こころ病院の回復期リハビリテーション病棟を退院した患者88例。診療記録より基本的情報および向精神薬処方状況を抽出した。 主な結果は以下のとおり。・入院時に向精神薬が処方されていた患者は55例(62.5%)であり、処方薬は2種類(中央値)であった。・退院時に向精神薬が処方されていた患者は41例、処方薬は1種類(中央値)へと有意な減少が認められた(p<0.05)。・入院時と比較した退院時の向精神薬処方量は、レンボレキサントは有意に高かったものの、抗精神病薬、ベンゾジアゼピン/非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、抗うつ薬、スボレキサント、ラメルテオン、バルプロ酸ナトリウムの処方は有意に低下した(p<0.05)。 著者らは、「この研究では患者数が限られており、患者の特性の違いによる選択バイアスが否定できないため、さらなる検討が必要である」としている。

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温泉地での集中的健康管理で身体の諸指標と睡眠の質が改善

 最近、温泉は、リゾートとしてヨーロッパなどでは健康増進の目的で利用されている。そこで、中国・重慶医科大学公衆衛生学のYu Chen氏らの研究グループは、温泉地での慢性疾患ハイリスク者の身体検査指標と睡眠の質に対する集中的健康管理の効果を検証し、その結果を報告した。International Journal of Biometeorology誌2023年12月号に掲載。健康介入は不眠にも効果ありか 本研究では、慢性疾患のリスクが高いボランティア114例を介入群57例、対照群57例に分けて検証。介入群には4週間(28日間)、重慶の統景温泉で定期的な日課、バランスの取れた食事、適切な運動、的確な健康教育など、包括的な健康管理介入を行った。主なアウトカムは、身体検査指標(身長、体重、ウエスト周囲径、血圧、血中脂質、血糖値)と睡眠の質。両群とも、ベースライン時、2週後、4週後に質問票と身体検査を実施。 主な結果は以下のとおり。・曝露基準で分類したグループ内比較で、介入群では2週後、4週後ともにBMI、ウエスト周囲径、トリグリセライド、総コレステロール、血糖値が低下した(すべてp<0.05)。対照群では4週後にトリグリセライドのみが低下した(p<0.05)。・グループ間比較では、BMIとウエスト周囲径は4週時点で介入群が対照群より有意に低下した(すべてp<0.05)。・不眠症重症度指数(ISI)スコアのグループ内比較では、介入群では2週後と4週後の両方で有意な減少がみられ(すべてp<0.001)、対照群では有意な変化はみられなかった(p>0.05)。・グループ間比較のISIスコアは、ベースラインでは対照群より介入群で有意に高かったが(p=0.006)、は2週後と4週後では対照群より有意に低くなった(すべてp<0.001)。 以上の結果から、慢性疾患ハイリスク者で集中的健康管理を行った介入群においてBMI、ウエスト周囲径、トリグリセライド、睡眠の質を有意に改善した。

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sparsentan、IgA腎症の蛋白尿を長期に低減/Lancet

 免疫グロブリンA(IgA)腎症の治療において、非免疫抑制性・単分子・エンドセリン受容体とアンジオテンシン受容体二重拮抗薬であるsparsentanはイルベサルタンと比較して、36週時に達成された蛋白尿の有意な減少を110週後も持続し、腎機能の維持に有効であることが、米国・オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのBrad H. Rovin氏らが実施した「PROTECT試験」の2年間の追跡調査で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年11月3日号で報告された。国際的な第III相試験、すでにIgA腎症の治療薬として迅速承認 PROTECT試験は、18ヵ国134施設が参加した二重盲検無作為化実薬対照第III相試験であり、2018年12月~2021年5月に患者の登録を行った(Travere Therapeuticsの助成を受けた)。 主要エンドポイントは、36週の時点における治療群間の蛋白尿の変化量の差であった。中間解析により、イルベサルタン群に比べsparsentan群で相対的に41%の蛋白尿の有意な減少を認め、これに基づきsparsentanはIgA腎症の治療薬として迅速承認を受けている。今回は、110週の追跡データを報告した。 本試験では、年齢18歳以上、生検で原発性IgA腎症が確認され、12週間以上レニン・アンジオテンシン系を最大限に抑制しているにもかかわらず、1.0g/日以上の蛋白尿を認める患者を、sparsentan(目標用量400mg、1日1回、経口)またはイルベサルタン(目標用量300mg、1日1回、経口)の投与を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 404例を解析の対象とした。sparsentan群に202例(平均年齢46.6[SD 12.8]歳、男性69%、白人64%)、イルベサルタン群に202例(45.4[12.1]歳、71%、70%)を割り付けた。eGFRの低下速度を有意に抑制 110週時における推算糸球体濾過量(eGFR)の低下速度は、イルベサルタン群に比べsparsentan群で抑制された。2年間のeGFRのchronic slope(勾配)(6~110週)は、イルベサルタン群が-3.8mL/分/1.73m2/年であったのに対し、sparsentan群は-2.7mL/分/1.73m2/年と有意に良好であった(群間差:1.1mL/分/1.73m2/年、95%信頼区間[CI]:0.1~2.1、p=0.037)。 また、2年間のeGFRのtotal slope(1日目~110週)は、イルベサルタン群(-3.9mL/分/1.73 m2/年)に比べsparsentan群(-2.9mL/分/1.73 m2/年)で抑制されていたが、有意差は認めなかった(群間差:1.0mL/分/1.73 m2/年、95%CI:-0.03~1.94、p=0.058)。 一方、36週時に認めたsparsentan群での蛋白尿の有意な減少は、試験期間を通じて維持されており、110週時の蛋白尿(尿蛋白/クレアチニン比のベースラインからの変化量で評価)はイルベサルタン群(-4.4%[95%CI:-15.8~8.7])よりもsparsentan群(-42.8%[-49.8~-35.0])で相対的に40%低かった(幾何最小二乗平均比:0.60、95%CI:0.50~0.72)。 腎不全の複合エンドポイント(eGFRの40%の低下、末期腎不全、全死因死亡)は、sparsentan群の202例中18例(9%)、イルベサルタン群の202例中26例(13%)で発生した(相対リスク:0.7、95%CI:0.4~1.2)。 試験薬投与期間中の有害事象(TEAE)は、sparsentan群が187例(93%)、イルベサルタン群は177例(88%)で発現した。sparsentan群で頻度の高いTEAEとして、めまい(15% vs.6%)と低血圧(13% vs.4%)を認めた。急性腎障害はそれぞれ6%および2%で発生し、重篤なTEAEはsparsentan群が37%、イルベサルタン群は35%、投与中止の原因となったTEAEはそれぞれ10%および9%であった。新たな安全性シグナルは認めなかった。 著者は、「重要な点は、これら2つの薬剤は異なる経路で作用するため、併用することで蛋白尿の減少および腎機能の維持において相加的な作用をもたらす可能性が示唆されることである。また、sparsentanは免疫抑制薬ではないことから、IgA腎症の治療パラダイムにおいては、腎機能を維持するための最大限の蛋白尿の抑制の達成に向け、必要に応じて免疫抑制薬を断続的に使用することが可能な長期的な基礎治療として、本薬を位置付けるよう提案する」としている。

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乳がん死亡率とスタチン使用、コレステロール値の関係

 スタチン使用と乳がん死亡率との関連が報告されているが、コレステロール値が考慮されている研究はほとんどない。フィンランド・Tays Cancer CentreのMika O Murto氏らは、乳がん死亡率と血清コレステロール値およびスタチン使用との関連を調査するコホート研究を実施し、結果をJAMA Network Open誌2023年11月1日号に報告した。 本研究には、フィンランドで1995年1月1日~2013年12月31日に新たに浸潤性乳がんと診断され、ホルモン受容体についての情報と少なくとも1回のコレステロール測定値が記録されていた女性患者が含まれた。主要評価項目は、乳がん診断日から2015年12月31日までの乳がん死亡率と全死亡率であった。 主な結果は以下のとおり。・1万3,378例が参加し、年齢中央値は62歳(四分位範囲[IQR]:54~69)。・乳がん診断後の追跡期間中央値は4.5年(IQR:2.4~9.8)で、その間に患者の16.4%が死亡、7.0%が乳がんによる死亡だった。・乳がん診断前のスタチン使用は、総コレステロール値で調整後も乳がんによる死亡のリスク因子であった(ハザード比[HR]:1.22、95%信頼区間[CI]:1.02~1.46、p=0.03)。・乳がん診断後のスタチン使用は、乳がん死亡リスクを低下させた(HR:0.85、95%CI:0.73~1.00、p=0.05)。・スタチンの使用開始後にコレステロール値が低下した参加者では乳がん死亡リスクが低下したが(HR:0.49、95%CI:0.32~0.75、p=0.001)、コレステロール値が低下しなかった参加者では有意な乳がん死亡リスク低下はみられなかった(HR:0.69、95%CI:0.34~1.40、p=0.30)。・スタチン使用による乳がん死亡リスクの低下は、エストロゲン受容体陽性の腫瘍を有する参加者でみられた(HR:0.82、95%CI:0.68~0.99、p=0.03)。・総コレステロール値で調整後、乳がん診断後のスタチン使用者における全死亡リスクは非使用者と比べて低かった(HR:0.80、95%CI:0.72~0.88、p<0.001)。 著者らは、本研究により乳がん診断後のスタチン使用は乳がん死亡リスクの低下と関連し、乳がん死亡リスクは血清コレステロール値の変化と関連していることが示されたとし、スタチンによるコレステロール低下介入が乳がん患者にとって有益である可能性が示唆されたとしている。

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3日間のアミカシン吸入、長期挿管患者の人工呼吸器関連肺炎発生を軽減(解説:栗原宏氏)

Strong point ・多施設二重盲検ランダム比較試験で結果の信ぴょう性が高い・手技が簡便かつ重篤な副作用の発症が少ない・治療効果が臨床的に有意義研究デザイン上の限界・ICU、入院期間全体を短縮するかの評価は試されていない 人工呼吸器関連肺炎(VAP)は、気管挿管後48~72時間以上経過して発生する肺炎を指す。報告によって幅があるが全挿管患者の5~40%に発生するとされ、ICUでしばしばみられる感染性合併症である。死亡率は約10~30%と院内肺炎の中でもかなり高い。 気管チューブから侵入した細菌が気管チューブ、気管支肺胞系、肺実質で増殖することがVAPの原因となる。抗菌薬吸入療法はこれらの部位に直接高濃度の抗菌薬投与が可能であり、小規模試験のメタ解析によればVAP予防に有効であることが示されている。これを踏まえて、著者らは人工呼吸器導入後3日目以降に、1日1回3日間、理想体重1kg当たり20mgのアミカシン吸入療法を行い、VAPの発生率が減少するかを検討した。 VAPの発症は肺検体の定量的細菌培養で陽性、および白血球増多、白血球減少、発熱、胸部X線撮影で新たな浸潤影を伴う化膿性分泌物のうち、少なくとも2つを満たすと定義され、期間も28日間と実臨床に即した判定法といえる。 主要アウトカムは以下のとおりで、臨床的にも意義があると考えられる。・VAP発症:アミカシン群62例(15%) vsプラセボ群95例(22%)・VAP発症までの境界内平均生存期間(RMST)の群間差:1.5日(95%信頼区間[CI]:0.6~2.5、p=0.004)・侵襲的人工呼吸管理1,000日当たりのVAP初回エピソード発生頻度:アミカシン群16 vsプラセボ群23(発生率比:0.68、95%CI:0.49~0.94) ※RMSTは、「境界時間内のイベント発現までの時間に対する平均値」と定義され、短い観察期間でも生存曲線の要約情報を得ることができる。従来用いられていたCox比例ハザードモデルが厳密には適用できない場合があるため、新たな生存時間解析の指標として広まりつつある。 治療に起因する重篤な副作用(気管チューブの閉塞、気管支痙攣、呼気リンパフィルターの抵抗増加)はみられたが、1.7%(417例中7例)程度かつプラセボ群との有意差もなく、治療自体のリスクは低いと考えらえる。 本調査のアミカシン吸入療法によってVAP発症率を改善することが示されたが、デザイン上、28日間でのVAP発症の有無自体をエンドポイントとしており、ICU、入院期間全体の短縮に寄与するかは不明である。この点に関して今後の調査が期待される。 VAPの高い死亡率、治療の簡便さ、治療自体の危険性を総合的に考えると、長期の挿管が予想される患者に対して予防的なアミカシン吸入療法の実施は検討に値すると思われる。

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脳が萎縮していても、必ずしも認知症ではない?【外来で役立つ!認知症Topics】第11回

当クリニックでは、「『脳が萎縮している、認知症が疑われる』と言われました。本当に私は認知症なんですか?」と泣かんばかりの表情で初診する人が年間に数人はいらっしゃる。前頭葉萎縮と海馬萎縮脳の萎縮は2つに大別できる。まずは大脳半球を左右に分け前後に走る深い溝、すなわち大脳縦裂の前方が開いているので前頭葉萎縮があると言われた人である。「前頭側頭型認知症の疑いと言われました」と告げる人もいる。このタイプはこの画像所見だけで、下角の拡大などの所見がなければ、問題なしが普通である。しかしこのタイプの人には飲酒する人が多い。ざっくり言うと、相当の「吞兵衛」が少なくない。この飲酒と前頭葉萎縮の関係を報告した論文は、欧米でも国内でも出ている。もう1つが有名な海馬萎縮である。「海馬が痩せている、イコール、アルツハイマー病」という簡単な筋書きが世間一般はもとより、認知症を診る医師にもかなり浸透している。実際、海馬を含む側頭葉内側と知的機能との相関を、MRIの容量測定により検討することで、健康高齢者とごく軽度のアルツハイマー病患者の区別が、容量値により可能だとした報告もある。「海馬萎縮=アルツハイマー病」ではないこともあるだが、海馬萎縮が必ずしもアルツハイマー病であるとは言えない。意外なことに、海馬を含む側頭葉内側と認知機能の関連は最近まであまり知られていなかった。軽度認知障害(MCI)で有名なピーターセンらは、側頭葉内側の容積と記憶、言語、一般的な知的機能との相関を、アルツハイマー病患者と健康高齢者コントロールにおいて評価している。全体では、記銘や想起のテスト成績と海馬の容積は比例した。しかし健康高齢者とアルツハイマー病患者に分けてみたところ、こうした相関はアルツハイマー病患者群においてのみ観察されたという1)。一方で記憶に関わる海馬の役割は、PETなど脳画像技術の進歩、また記憶に関する新たな知見により見直されつつある。側頭葉内側の機能は記憶に限らないこと、また記憶のプロセス(記銘、把持、想起)には海馬以外に、側頭葉内側、間脳領域のみならず新皮質から小脳までもが含まれると分かっている。さらに健康高齢者において加齢によって影響を受ける脳構造を調べた研究もある。海馬を含む辺縁系の容積はいかなる認知機能(言語性ワーキングメモリー、言語性の明示的記憶、言語性プライミング)とも無関係という驚きの結果であった。このように海馬萎縮の背景は単純でない。アルツハイマー病とは別の病理学的な影響も受ける。世界最大のアルツハイマー病研究組織であるAlzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative(ADNI)のデータに、海馬萎縮に関与する遺伝子を調べた報告がある2)。ゲノムワイド関連研究(GWAS)から3つの遺伝子多型、すなわちTOMM40-APOC1領域にあるrs4420638、rs56131196、rs157582が関与すると報告されている。アルツハイマー病患者の海馬萎縮速度は3倍以上なおアルツハイマー病患者や健康高齢者において海馬はどの程度の速度で萎縮するのだろうか? アルツハイマー病における年間あたりの海馬萎縮率をメタ解析した報告がある。それによればアルツハイマー病患者での萎縮率は4.66%(95%信頼区間[CI]:3.92~5.40)、また健康コントロールでは1.41%(95%CI:0.52~2.30)であった3)。つまりアルツハイマー病患者では海馬の年間萎縮率は健康高齢者の3倍以上も大きい。以上をまとめると、知的健康でも海馬の萎縮を示す人がいる。1回の海馬萎縮のMRI画像によってアルツハイマー病の診断はできるわけではない。しかしアルツハイマー病になると海馬は規則的に萎縮していくということになる。海馬萎縮はVSRADで評価さてこれに絡めてわが国では、「海馬萎縮といえばMRI画像のVSRAD(Voxel-Based Specific Regional Analysis System for Alzheimer's Disease)」と定着している。確かにこのZスコアを使うことで、多くの場合、海馬萎縮が客観的に評価されてすっきりする。ところがMRI画像の視覚評価で海馬萎縮がはっきりしているのに、Zスコアが低い、つまり数字上はアルツハイマー病を示唆するとは言い難い症例がある。またその逆もある。つまり視覚評価とZスコアが乖離する症例が時にはある。こうしたケースでは、「VSRADの測定が誤っているのではないか?」とも尋ねられる。そうしたご意見には、次のようにお答えしている。「VSRADは絶対値の測定ではない。全脳に対する海馬領域の体積、正確に言えば、全脳の灰白質体積で正規化した海馬領域の灰白質体積を意味します。だから乖離がありえます」。もちろんすべてがそうだと言わないが、アルツハイマー病は海馬領域の選択的萎縮を示すため、視覚評価よりもVSRADのほうがアルツハイマー病の特徴を良く捉える。ちなみに私信(松田 博史先生)では、視覚評価による海馬萎縮からアミロイド沈着の可能性の診断率は60%ぐらいだが、VSRADによると70%を超えるとされる。参考1)Petersen RC, et al. Memory and MRI-based hippocampal volumes in aging and AD. Neurology. 2000;54:581-587.2)Wang WY, et al. Impacts of CD33 Genetic Variations on the Atrophy Rates of Hippocampus and Parahippocampal Gyrus in Normal Aging and Mild Cognitive Impairment. Mol Neurobiol. 2017;54:1111-1118.3)Barnes J, et al. A meta-analysis of hippocampal atrophy rates in Alzheimer's disease. Neurobiol Aging. 2009;30:1711-1723.

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