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乳がん検診、異型検出後の罹患リスクは?/BMJ

 乳がん検診で異型を伴う病変が検出された場合、その後の短期間において、マンモグラフィ検査を毎年行うことは有益ではないことが、英国・ウォーリック大学のKaroline Freeman氏らによる検討で示された。悪性か否かが不明の異型を伴う乳房病変が検出された場合、乳がんの長期リスクが3~4倍増加する可能性が示されている。英国、欧州、米国のガイドラインでは、異型部位を吸引式乳房組織生検(VAB)または手術で切除し、画像サーベイランスを行うことが推奨されている。しかし、画像サーベイランスを5年間にわたり毎年行うことについてはエビデンスがなく、期間、頻度、妥当性が議論の的となっていた。なお、今回の結果について著者は、「長期的リスクについてさらなるエビデンスが必要である」と述べている。BMJ誌2024年2月1日号掲載の報告。上皮異型が診断された女性3,238例のその後の乳がん例数・種類を調査 研究グループは、検診での異型検出後の乳がん発症例数と種類について調べるため、英国で3年に1回の検診での検出が予測される例数(女性1,000人当たり11.3例)と比較した。 イングランドのSloane Atypia Projectの前向きコホートを対象とした観察研究を実施した。同コホートには、英国の国民保健サービス(NHS)乳がん検診プログラムで診断された異型が含まれており、English Cancer RegistryおよびMortality and Birth Information Systemとリンクしていることから、その後の乳がんおよび死亡に関する情報を得ることができる。 解析には、2003年4月1日~2018年6月30日に上皮異型と診断された女性3,238例が含まれた。 主要アウトカムは、異型診断後1年、3年、6年後に検出された浸潤性乳がんの例数と種類で、異型の種類、年齢、診断暦年別に解析した。マンモと生検の技術的変化で、異型のリスク特定が可能に? 異型検出は、2010年の119例から、デジタルマンモグラフィ導入後の2015年には502例と4倍に増加していた。 2018年12月までの追跡期間中(異型診断後の1万9,088人年)に、女性141例が乳がんを発症した。異型が検出された女性1,000人当たりの浸潤性乳がんの累積発症率は、異型検出後1年時点で0.95(95%信頼区間[CI]:0.28~2.69)、3年時点で14.2(10.3~19.1)、6年時点で45.0(36.3~55.1)だった。異型検出がより直近の時期だった女性ほど、その後3年以内にがんが検出された割合は低かった。 浸潤性乳がん検出(女性1,000人当たり)は、2013~18年は6.0(95%CI:3.1~10.9)であったのに対し、2003~07年は24.3(13.7~40.1)、2008~12年は24.6(14.9~38.3)だった。浸潤性乳がんのグレード、大きさ、リンパ節転移は、一般の検診集団で検出されたがんと同等(同側および対側がんの例数も同等)だった。 結果を踏まえて著者は、「多くの異型はリスク因子ではあるが、短期的には、手術が必要となる浸潤性乳がんの前兆ではないと思われた」とし、「異型検出がより直近の女性ほど、その後にがんが検出される割合が低かったのは、過剰診断に相当する可能性が高い異型を検出するマンモグラフィや生検の技術的変化と関連していると思われる」と述べている。

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2023年12月期 決算説明

2023年度実績及び2024年度予想について   :代表取締役社長 COO 藤井勝博中期計画2025の評価及び今後の方向性について:代表取締役会長 CEO 大野元泰※IRページは こちら からお戻りいただけます※タイトルを選ぶとお好きなチャプターからご覧いただけます。※IRページは こちら からお戻りいただけます.banAdGroup{display:none;}

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2月14日 予防接種記念日【今日は何の日?】

【2月14日 予防接種記念日】〔由来〕1790(寛政2)年の今日、秋月藩(福岡県朝倉市)の藩医・緒方春朔が、初めて天然痘の人痘種痘を行い成功させたことから、「予防接種は秋月藩から始まった」キャンペーン推進協議会が制定した。関連コンテンツインフルエンザ【今、知っておきたいワクチンの話】肺炎球菌ワクチン【今、知っておきたいワクチンの話】インフルエンザワクチン(1)鶏卵アレルギー【一目でわかる診療ビフォーアフター】コロナワクチン、2024年度より65歳以上に年1回の定期接種へ/厚労省新型コロナワクチン、午前に打つと効果が高い?

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第199回 脳神経外科の度重なる医療過誤を黙殺してきた京都第一赤十字病院、背後にまたまたあの医大の影(前編)

京都市が京都第一赤十字病院に対して改善を求める行政指導こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この週末は久しぶりに奥多摩に行って来ました。真冬のちょうどこの時期、度々訪れている六ツ石山(1,479m)です。昨年は頂上でも積雪がほとんどなく地球温暖化を嘆いたのですが、今年は、先週月曜日に降った大雪のお陰で、麓から雪がたっぷり残っており、快適な冬山登山を楽しむことができました。今週から一気に暖かくなるそうですが、春が来る前に、もう1回くらい冬型の気圧配置の下、南岸低気圧が通過しないかと期待しています。さて、今回は、患者に対する手術の説明や診療記録の取り扱いが不適切だったとして京都市保健所が京都第一赤十字病院(京都市東山区、池田 栄人院長)に対して改善を求める行政指導を行ったというニュースを取り上げます。患者の死亡例も含む不適切とされた複数の事例は最近のものではなく、3年近く前に起こったものです。なぜ今ごろになって表沙汰になり、京都市が動く事態となったのでしょうか。調べてみると、同病院や日本赤十字社の医療過誤や医療事故を隠蔽しようとする体質が浮かび上がってきました。不適切とされた事例はいずれも同病院の脳神経外科で確認1月19日付の京都新聞、NHK等の報道によれば、患者に対する手術の説明や診療記録の取り扱いが不適切だったとして、京都市(京都市保健所は京都市が設置)が18日までに、京都第一赤十字病院(以下、第一日赤)に対し、改善を求める行政指導をしていたことがわかったとのことです。これらの報道によれば、不適切とされた事例はいずれも同病院の脳神経外科で確認されたものです。2020年に行われた脳腫瘍の手術では、その後、予定外の再手術となった理由について、患者や家族に説明した記録が見つかりませんでした。さらに同年、手術後に死亡した別の患者の死亡診断書には「手術なし」と事実と異なる記載をしていました。また、2021年には、研修医の医療処置を受けた患者が死亡していますが、遺族には処置を施した説明をしていませんでした。こうした事例の中には、病院の医療安全管理委員会に適切に報告されず、事後の検証も十分行われていなかったケースもあるとのことです。以上の3件のほか、2019~21年に手術後などに9人が死亡し、他にも3人の患者で不適切な対応があったとの情報が市には寄せられており、京都市は同病院に対し、3月18日までに再検証した上、改めて報告するよう求めたとのことです。診療録の記載方法、治療法などについての患者への説明方法、患者の遺族に対する診療経過の説明方法などを指導各紙報道から約1週間後の1月24日、第一日赤は同病院のWebサイトに、「京都市保健所による行政指導について」というタイトルのお詫び文を掲載しました1)。それによれば、京都市保健所が同病院に対し指導および再検証を求める通知を行ったのは1月17日でした。指導内容は、診療録の記載方法、治療法などについての患者への説明方法、患者の遺族に対する診療経過の説明方法、死亡診断書の記載方法、医療安全管理委員会の運用方法などに関する指導などで、医療機関としては当然行っているべき基本的な事柄ばかりです。逆に言えば、それらのことがいかに杜撰に行われていたかがうかがい知れます。また、医療安全部門での把握や医療事故対応、管理者報告・院内共有、再発防止等について再検証を求めたのは、再検証し保健所に報告するものが12件、再検証のみ求められたものが49件もありました。「月刊Hanada」が3号連続で第一日赤の医療過誤の実態をスクープ京都市が外部からの情報提供を基に、第一日赤に医療法25条による立ち入り検査に入ったのは昨年10月で、計3回行われました。いったい立ち入り検査のきっかけは何だったのでしょうか。実は、2023年9月26日発売の「月刊Hanada」(飛鳥新社)の11月号に、「告発スクープ!正常脳を切除、禁忌の処置で死亡 医療事故を放置 日本赤十字社の闇」と題する記事が掲載されています。ジャーナリストの長谷川 学氏によるこの記事は、事故当時、第一日赤に在籍していた医師や患者家族等への取材に加え、患者家族が京都地方裁判所を通じて同病院に診療情報の開示請求を行って取得した証拠などを基に執筆されています。同記事には、京都市が「手術の説明や診療記録の取り扱いが不適切だった」と問題視したいくつかの事例について、その詳細が書かれています。脳腫瘍ではない正常脳の一部を摘出、脳圧が高まっている患者では禁忌の腰椎穿刺を研修医が単独で実施同記事によれば、2020年に行われた70代女性に対する脳腫瘍摘出手術では、一度目の手術で執刀医は箇所を間違えて開頭、脳腫瘍ではない正常な脳の一部を摘出していました。しかし医師たちはそのミスを患者、家族には伝えず、「もう一つ怪しいものがある」と再度手術を行い、腫瘍の摘出を行っていました。患者は今も後遺症に悩まされ続けているとのことです。2021年に起きた研修医の医療処置を受けた患者が死亡した事例は、静脈洞血栓症が疑われる20代女性に対し、脳圧が高まっている状態では禁忌とされる腰椎穿刺を行ってしまったというものです。脳圧亢進時は脳ヘルニアを起こす危険性があり禁忌とされていることを知らなかった研修医が、独断かつ単独で腰椎穿刺を行い、患者を死に至らしめていました。しかし、家族には「脳の細胞がやられているので助からない」と伝えられたのみで、腰椎穿刺を行ったことは伏せられていました。院内の安全対策委員会でも事故の調査委員会は設置されなかったとのことです。完全な隠蔽と言えます。「月刊Hanada」は続く12月号で「告発キャンペーン第2弾 京都府立医大の深い闇 正常脳を誤って摘出 第一日赤脳外科部長が謝罪」の記事を、さらに2023年1月号では「告発キャンペーン第3弾 正常脳を引っ掻き回し切除 凄まじい手術ビデオ 第一日赤に立入検査」の記事を掲載しています。同じく長谷川氏による執筆で、1月号に最初の告発記事を掲載してからの第一日赤の動き(正常脳摘出の患者・家族には謝罪するも、腰椎穿刺死亡の家族には報告・謝罪なし)や、その他の腰椎穿刺死亡例の存在、京都市が立ち入り検査に至った経緯、医療事故調査制度の限界などについて報じています。脳神経外科が2つ併存の異常さ、京都府立医大系列の第二脳神経外科で事故多発「月刊Hanada」の一連の記事を読んで驚いたのは、第一日赤で事故が多発していた当時、同病院には脳神経外科が2つあったという事実です(現在は1つ)。第一脳神経外科、第二脳神経外科と名付けられ、それぞれに部長、医局員がおり手術が行われていたとのことです。そして、事故が多発していたのは京都府立医大の脳神経外科からの派遣で構成された第二脳神経外科でした。府立医大系列ではない第一脳神経外科の部長(当時)は、事故が頻発していることに危機感を持ち、同病院の経営陣や日本赤十字社本社、さらには京都府立医大の脳神経外科などに幾度も注意喚起を行い、改善を求めたものの、事態は一向に改善されなかったのだそうです。「月刊Hanada」の記事によれば、今回の京都市の立ち入り検査は、この元部長が、同誌11月号の報道をきっかけとして、10月に市に公益通報を行ったことによるものだそうです。同誌の報道だけでは第一日赤は動こうとせず、京都市に対する公益通報が行われ、立ち入り検査が入って初めて、一部の事故は表沙汰になり、患者にも事実が伝えられたわけです。過誤や事故の原因を究明しようともせず、ただ隠蔽していた第一日赤現行の医療事故調査制度は、すべての医療機関に対して、医療事故で患者が死亡した場合、第三者機関である医療事故調査・支援センターに報告することや、原因を調査することなどを義務付けています。しかし、報告や調査を行うケースに該当するかどうかは医療機関の院長等の判断に任されています。そうした、医師に”甘い”とも言える運用ルールが、過誤や事故の隠蔽につながっていることが最近問題視されています。一連の報道を読むと、過誤や事故の原因を究明しようともせず、ただ隠蔽していた第一日赤の悪質さは度を越しているように感じます。それにしても、一昨年、大津市民病院の医師大量退職事件に関連して京都府立医大のジッツ戦略についてはこの連載でも幾度か取り上げましたが(「第121回 大量退職の市立大津市民病院その後、今まことしやかに噂されるもう一つの“真相”」、ほか)、今回の第一日赤の件でも同大が絡んでいる点が、なかなか興味深いところです(この項続く)。参考1)京都市保健所による行政指導について/京都第一赤十字病院

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日本の大学で医学部長や病院長になる人の特徴は?

 日本の医療機関における重要なリーダーである医学部長と大学病院長について、性別、出身大学、専門領域などの傾向を調べるため、島根大学およびミシガン大学の和足 孝之氏らの研究グループが調査を実施した。その結果、日本の82大学の医学部長と病院長はすべて男性で、日本の医学部を卒業し、博士号を取得していることなどが示された。JAMA Network Open誌2024年1月11日号Research Letterでの報告。 本調査では、2022年6月1日時点で文部科学省に認可されている全国82校の国公私立大学について、医学部長および病院長を特定し、性別、医学部卒業からの年数、出身大学、専門領域、研究分野、博士号の取得歴などについて記述統計による解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・82大学の医学部長82人および病院長82人の計164人はすべて男性で、日本の医学部を卒業していた。・全員が博士号を取得し、そのうち98.8%が基礎医学研究であった。・卒後年数の中央値は38年(IQR 36~40)で、年齢は約63~64歳に相当する。・医学部長および病院長の専門は内科が最も多く(37人[22.6%])、次いで外科(30人[18.3%])、基礎医学(14人[8.5%])、泌尿器科(10人[6.1%])であった。・医学部長では基礎医学・病理学の教員であることが最も多く(22人[26.8%])、病院長では外科の教員であることが最も多かった(51人[62.2%])。・旧帝国大学7校および上位17校と、そのほかの大学を比較すると、医学部長や病院長は、現在の所属校の卒業生であることが多く、かつ旧帝国大学の卒業生であることが多かった。・国公立校と私立校を比較した場合にも、OBや旧帝国大学出身者の割合が高いことが示された。 著者らは本結果について、「日本の大学医学部および大学病院には女性のリーダーが不在であり、リーダーの多様性が欠如していることが明らかになった。これは日本に限ったことではなく、米国では女性の医学部長が11~13%である。本結果は医学学会の会長の年功序列とジェンダーバイアスを示す先行研究と一致している。さらに、社会医学(経営学、公衆衛生学、医学教育、医療の質、患者の安全など)の学位を持つ高位のリーダーが少ないことも反省すべき点である。こうした顕著な傾向は、専門知識や教育法などの社会への普及を制限する可能性があることから、改善に取り組まなければならない」とまとめている。

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グラム陰性菌血症への抗菌薬、早期経口スイッチの効果は?

 抗菌薬は多様な疾患に処方されており、経口投与は点滴投与と比較して医療者・患者負担が少ないが、その効果に違いはあるのか。合併症のないグラム陰性菌血症の患者を対象に、抗菌薬を早期に経口投与に切り替えた場合と静脈内投与を継続した場合の90日死亡リスクを比較した研究結果が発表された。デンマーク・コペンハーゲン大学病院のSandra Tingsgard氏らによる本研究は、JAMA Network Open誌2024年1月23日号に掲載された。 本試験は、対象試験エミュレーションの枠組みを用いて実施されたコホート研究で、2018年~21年、デンマーク・コペンハーゲンの4病院で診療を受けた合併症のないグラム陰性菌血症の成人の観察データを対象とした。追跡期間は90日間で、初回血液培養後4日以内に経口抗菌薬に切り替えた場合と、5日以上静脈内投与を継続した場合の90日全死因死亡率を比較した。絶対リスク、リスク差(RD)、リスク比(RR)推定のため、プールロジスティック回帰を用いてintention-to-treat解析およびper-protocol解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・計914例(年齢中央値74.5歳、男性56.0%)が組み入れられ、433例(47.4%)が早期切り替え群、481例(52.6%)が長期静脈内治療群に割り付けられた。99例(10.8%)が追跡期間中に死亡した。・長期静脈内治療群は、早期切り替え群と比較して年齢が高く、菌血症の進行がより重篤で、合併症の負担が大きかった。ベースライン時にこれらの差を調整し、per-protocol解析ではベースライン時の交絡因子と時間変動交絡因子の両方を調整し、割り当てられた治療戦略からの逸脱例は除外した。・死亡率は、長期静脈内治療群のほうが高かった(69例[14.3%]対30例[6.9%])。intention-to-treat解析では、90日全死因死亡率は早期切り替え群で9.1%(95%信頼区間[CI]:6.7~11.6)、長期静脈内治療群で11.7%(95%CI:9.6~13.8)であり、RDはー2.5%(95%CI:ー5.7~0.7)、RRは0.78(95%CI:0.60~1.10)であった。per-protocol解析では、RDはー0.1%(95%CI:-3.4~3.1)、RRは0.99(95%CI:0.70~1.40)と、両群に差はなかった。 研究者らは「4日以内の早期に経口抗菌薬へ切り替えた場合の90日全死因死亡率は、静脈内治療を継続した場合と同程度であり、早期の経口投与切り替えが効果的な代替手段となる可能性を示唆している」としている。

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肺がんコンパクトパネル、細胞診検体の精度は?

 2023年1月26日に遺伝子パネル検査「肺がん コンパクトパネルDxマルチコンパニオン診断システム」(肺がんコンパクトパネル)の一部変更申請が承認された。従来、4遺伝子(EGFR、ALK、ROS1、MET)のマルチコンパニオン診断検査として用いられていたが、今回の承認により3遺伝子(BRAF、KRAS、RET)が追加され、7遺伝子が対象となった。その肺がんコンパクトパネルについて、細胞診検体(液体検体)を用いた遺伝子検査の精度を検討した結果が、國政 啓氏(大阪国際がんセンター 呼吸器内科)らによって、Lung Cancer誌オンライン版2月3日号で報告された。本研究において、気管支生検鉗子洗浄液の検体では、組織検体で検出された遺伝子変異との一致率が94.9%と高率であった。 本研究は、StageIVの非小細胞肺がん患者を対象とした。液体検体として、気管支生検鉗子洗浄液(鉗子洗浄コホート:79例)、胸水(胸水コホート:8例)、髄液(髄液コホート:9例)を用いて、肺がんコンパクトパネルによる遺伝子検査を実施した。組織検体についても遺伝子検査を実施し(オンコマイン Dx Target Test マルチ CDxシステムまたはAmoyDx肺マルチ遺伝子PCRパネルを使用)、鉗子洗浄コホートの液体検体の結果と比較した。 主な結果は以下のとおり。・鉗子洗浄コホートでは、組織検体で検出された変異との一致率は94.9%(75/79例)であった。・鉗子洗浄コホートの組織検体と液体検体でみられた相違は以下のとおり(下線部は相違点)。症例1:組織(EGFR L861Q、MET exon14スキッピング)、液体(EGFR L861Q)症例2:組織(KRAS Q61H)、液体(検出なし)症例3:組織(EGFR L858R)、液体(EGFR L858R、KRAS G12C)症例4:組織(EGFR L858R)、液体(EGFR L858R、EGFR A859D)・胸水コホートでは、GM管で8週間冷蔵保存した後でもDNA・RNAの質や量は低下しなかった。・髄液コホートでは、9例中8例で組織検体にドライバー遺伝子変異が認められた。髄液中に腫瘍細胞が認められた患者全例で、髄液検体で認められた変異と組織検体で認められた変異が一致していた。 本研究結果について、著者らは「組織検体の採取が困難な場合、治療につながるドライバー遺伝子変異の検索や治療抵抗性の解析に、細胞診検体を用いた肺がんコンパクトパネルによる遺伝子検査が利用可能と考えられる」とまとめた。

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アルコール依存症の治療期間に応じた薬物療法の有用性~ネットワークメタ解析

 アルコール依存症やアルコール使用障害では、再発が多くみられることから、減酒治療をできるだけ長期間にわたり実施する必要がある。しかし、これまでのレビューでは治療期間が考慮されておらず、減酒治療が適切に評価されていない可能性がある。岡山済生会総合病院の小武 和正氏らは、アルコール依存症またはアルコール使用障害の患者における減酒薬物療法の有効性と安全性を治療期間に応じて評価するため、本研究を実施した。Addiction (Abingdon, England)誌オンライン版2024年1月3日号の報告。 15種類の薬剤を評価したランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。2021年5月までに公表された研究をMEDLINE、Embase、PsycINFO、Cochrane Central Register of Controlled Trials、ClinicalTrials.gov、ICTRPより検索した。アウトカムは、多量飲酒日(HDD)、総アルコール摂取量(TAC)、有害事象、禁酒日数とした。 主な結果は以下のとおり。・分析には、55件(8,891例)のRCTを含めた。・ナルメフェンは、長期にわたるHDD(標準化平均差[SMD]:-0.28、95%信頼区間[CI]:-0.37~-0.18)およびTAC(SMD:-0.25、95%CI:-0.35~-0.16)の減少において、プラセボよりも優れていたが、短期間では効果が十分ではなかった。・トピラマートは、短期的にHDD(SMD:-0.35、95%CI:-0.59~-0.12)および禁酒日数(SMD:0.46、95%CI:0.11~0.82)の減少において、プラセボよりも優れていた。・バクロフェンは、短期的にTAC(SMD:-0.70、95%CI:-0.29~-0.11)の減少においてプラセボよりも優れていた。・有害事象の頻度は、プラセボよりもナルメフェン、トピラマートのほうが有意に高かった。 著者らは、「ナルメフェン、トピラマート、バクロフェンは減酒の薬物療法として有効である可能性が示唆されたが、長期的な有効性が実証されている薬剤はナルメフェンのみである」とまとめている。

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遺伝性血管性浮腫、CRISPR-Cas9ベースの生体内遺伝子編集治療が有望/NEJM

 遺伝性血管性浮腫の治療において、NTLA-2002の単回投与は、血漿中の総カリクレイン濃度を強固に、用量依存性で恒久的に減少させ、重度の有害事象は観察されないことが、ニュージーランド・Auckland City HospitalのHilary J. Longhurst氏らによる検討で示された。遺伝性血管性浮腫はまれな遺伝性疾患で、予測不能な重度の浮腫発作を引き起こす。NTLA-2002は、CRISPR-Cas9に基づく生体内遺伝子編集治療で、カリクレインB1をコードする遺伝子(KLKB1)を標的とする。研究の成果は、NEJM誌2024年2月1日号で報告された。3ヵ国3施設の第I相用量漸増試験 本研究は、遺伝性血管性浮腫の治療におけるNTLA-2002の有用性を評価する第I/II相試験の第I相用量漸増試験であり、2021年12月~2022年8月に、ニュージーランド、オランダ、英国の3施設で患者を登録した(Intellia Therapeuticsの助成を受けた)。 年齢18歳以上、1型または2型の遺伝性血管性浮腫と診断され、スクリーニング前の90日間に少なくとも3回の発作を認めた患者10例(年齢中央値51歳[範囲:26~73]、男性6例、1型6例、2型4例)を登録し、NTLA-2002 25mgを単回投与する群に3例、同50mg投与群に4例、同75mg投与群に3例を割り付けた。 主要エンドポイントは、NTLA-2002治療の安全性と副作用のプロファイルであった。用量制限毒性、臨床的に重要な臨床検査所見はみられず 全体で最も頻度の高い有害事象として、注入に伴う反応を7例(70%、NTLA-2002 25mg群2例、同50mg群2例、同75mg群3例)、倦怠感を6例(60%、1例、3例、2例)で認めた。注入に伴う反応の症状の多くはGrade1で、投与日中に消退し、続発症はみられなかった。 また、NTLA-2002投与後に、用量制限毒性、重篤な有害事象、Grade3以上の有害事象、臨床的に重要な臨床検査所見の発現はなかった。 ベースラインと直近の評価では、この間に血漿中の総カリクレイン濃度の用量依存性の低下を認め、平均変化率は、NTLA-2002 25mg群が-67%、同50mg群が-84%、75mg群は-95%であった。1ヵ月当たりの発作数がベースラインから95%減少 ベースラインから1~16週までの、1ヵ月当たりの遺伝性血管性浮腫発作数の平均変化率は、NTLA-2002 25mg群が-91%、同50mg群が-97%、同75mg群は-80%であった。また、全例におけるベースラインから直近の評価までの、1ヵ月当たりの発作数の平均変化率は-95%だった。 著者は、「これらの結果は、遺伝性血管性浮腫に対する新たな治療法として、NTLA-2002によるCRISPR-Cas9ベースの生体内遺伝子編集治療の検討を継続することを支持するものである」としている。

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検診以外で発見の非浸潤性乳管がん、浸潤性病変・乳がん死の長期リスク高い/BMJ

 検診以外で発見された非浸潤性乳管がん(DCIS)の女性は、診断後少なくとも25年間は、一般集団の女性と比較して浸潤性乳がんや乳がん死のリスクが高く、検診でDCISが検出された女性に比べ長期的なリスクも高いことが、英国・オックスフォード大学のGurdeep S. Mannu氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2024年1月24日号に掲載された。長期リスクを評価するイングランドのコホート研究 本研究は、検診以外で検出されたDCISにおける浸潤性乳がんと乳がん死の長期的なリスクの評価を目的に、一般集団の女性と検診でDCISと診断された女性を比較する住民ベースのコホート研究である(Cancer Research UKなどの助成を受けた)。 1990~2018年に、英国国民保健サービス(NHS)の乳房検診プログラム以外でDCISと診断されたイングランドの女性2万7,543例を解析に含めた。浸潤性乳がん、乳がん死の実測値は予測値より高い 2018年12月31日の時点で、検診以外でDCISと診断された女性のうち3,651例が浸潤性乳がんを発症した。これは、全国的ながん罹患率から予測される値の4倍以上であった(実測値/予測値の比:4.21、95%信頼区間[CI]:4.07~4.35)。また、浸潤性乳がん発症の実測値/予測値の比は、追跡期間を通じて高いままであった。DCIS診断時年齢別の、浸潤性乳がんの25年間の累積リスクは、45歳未満で27.3%、45~49歳で25.2%、50~59歳で21.7%、60~70歳で20.8%だった。 乳がんで死亡した女性は全体で908例。これは、一般集団の乳がん死亡率から予測される値のほぼ4倍(実測値/予測値の比:3.83[95%CI:3.59~4.09])であった。また、乳がんに起因する死亡の実測値/予測値の比は、追跡期間を通じて高値を維持していた。DCIS診断時年齢別の、乳がん死の25年間の累積リスクは、45歳未満で7.6%、45~49歳で5.8%、50~59歳で5.9%、60~70歳で6.2%であった。乳房切除術は浸潤性乳がんを低減、乳がん死には影響せず 50~64歳(NHS乳房検診の対象年齢)の女性では、検診でDCISが検出された女性に対する、検診以外でDCISが検出された女性の、浸潤性乳がん発症の実測値/予測値の比は1.26(95%CI:1.17~1.35)、同じく乳がん死亡率の実測値/予測値の比は1.37(1.17~1.60)であった。 手術を受けた片側DCIS女性2万2,753例では、乳房温存術に比べ乳房切除術で、同側浸潤性乳がんの25年累積リスクが低かった(乳房切除術8.2%[95%CI:7.0~9.4]、乳房温存術+放射線治療:19.8%[16.2~23.4]、乳房温存術単独:20.6%[18.7~22.4])。 一方、乳がん死の25年累積リスクは、乳房切除術と乳房温存術(±放射線治療)で同程度であった(乳房切除術:6.5%[95%CI:4.9~10.9]、乳房温存術+放射線治療8.6%[5.9~15.5]、乳房温存術単独7.8%[6.3~11.5])。 著者は、「DCIS女性では、浸潤性乳がんと乳がん死のリスク増加が少なくとも25年間続いたことから、DCIS生存者は少なくとも30年間は、サーベイランスの恩恵を受ける可能性があると示唆された」としている。

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抗肥満薬アライ、内臓脂肪をどのくらい減らす? 【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第125回

要指導医薬品として承認された抗肥満薬「アライ」を覚えていますでしょうか。承認されたのはちょうど1年前の2023年2月で、その審査に4年もかかったこと、また久しぶりのダイレクトOTCであることも話題になりました。公式ブランドサイトには「今春発売予定」とあり、2024年3月4日の世界肥満デーに合わせて、アライの発売を記念した記者発表会を開催するようです。なんだかいよいよという感じがしてきましたね。「アライ」は、大正製薬によって申請された日本初となる内臓脂肪・腹囲減少薬で、成分名はオルリスタットです。「成人(18歳以上)」「腹囲が男性85cm以上/女性90cm以上」「生活習慣改善の取り組みを行っている」人の内臓脂肪および腹囲の減少が期待できるOTC医薬品です。「腹囲が男性85cm以上/女性90cm以上」というのは、いわゆるメタボリックシンドロームの基準と同じなので、本剤の必要のない人が過度なダイエットのために使用することはできません。なお、要指導医薬品ですのでオンラインでは販売できず、再審査期間が8年設定されます。このアライの気になる作用機序は、消化管の中でリパーゼを不活性化し、食事に含まれる脂質の体内吸収を抑制することで、減量効果を得ようとするものです。臨床試験において、投与開始から24週の内臓脂肪面積の変化率はプラセボ群-5.78% vs.アライ群-14.10%、腹囲変化量は-1.63cm vs.-2.49cmで、いずれもプラセボ群に対して有意に減少していました(p<0.05)。副作用としては、作用メカニズムに由来する油の漏れ、便を伴う放屁、脂肪便や下痢などですが、肝障害にも注意が必要です。注目すべきは、長期投与試験で「油の漏れ」が30%超、「便を伴う放屁」が20%超に発生しているという点です。軽微な副作用とはいえ、これらがQOLに及ぼす影響は大きいと考えられ、服薬継続に影響を及ぼしそうな気がします。本剤の販売には、腹囲などの基準や食事・運動習慣の確認だけでなく、1ヵ月間の生活習慣記録の確認も必要です。それらを薬剤師が確認し、アライを適切に服用することで肥満が改善したという報告が1年後に聞かれることを期待したいと思います。なお、この記者発表会では、日本肥満学会の理事長の講演やアライの情報提供だけでなく、購入フローのデモンストレーションや製品の配布(薬剤師の確認のうえ、本剤の対象者のみ)も行われるようです。いよいよ発売が近くなり、患者さんから聞かれる機会も増えると思うので、参考になれば幸いです。

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「進行がんだから仕方がない」は使わない ~外来通院の進行がん患者へのリハビリテーション~【Oncologyインタビュー】第45回

出演:関西医科大学 呼吸器腫瘍内科学講座 勝島 詩恵氏「進行がんだから仕方がない」。がん医療の現場で何げなく使ってしまう言葉ではないだろうか。この言葉を考え直す時期が来ているようだ。外来通院の進行がん患者へのリハビリテーション介入という新たな挑戦が始まっている。関西医科大学の勝島 詩恵氏に聞いた。進行がん患者治療の課題に立ち向かう外来通院がん患者は増加している。その反面、治療に適応するための対策は追いついていないという。外来通院ができるがん患者は、基本的に全身状態(PS)良好で身体機能が維持されているはずだが、実際は問題を抱えているケースが多い。外来通院が可能な状態であっても、進行がん患者である以上、薬物だけで治療は成立しない。患者の栄養状態、身体機能、精神面の安定があってこそ、より良いがん診療ができる。外来通院がん患者に対して、これから始まる、あるいは現在行っている治療に適合させるための介入(リハビリテーション)が必要だと考え、2020年、関西医科大学附属病院は「フレイル外来」を立ち上げた。多職種が連携した介入を実現大学病院などのハイボリュームセンターでは、連日100人を超える外来化学療法患者が受診する施設も珍しくない。そのため、主治医の診察から治療(点滴)開始まで、長い待ち時間が生じ、患者の大きな負担となっている。フレイル外来は、その待ち時間を有効利用する。患者は化学療法外来主治医の診療終了後、フレイル外来を受診する。化学療法レジメンに合わせて、月1~2回の通院が通常である。関西医科大学附属病院のフレイル外来では、腫瘍内科医(勝島氏)が診察を行い、患者の治療内容、副作用や経過などの理解を深める。それ以外にも、食欲不振や体重減少が強い患者には、栄養士への栄養指導の依頼や治療薬に関する主治医への相談を行う。介護保険申請を行っている患者や通院が困難となってきた患者には、デイケアや訪問リハビリテーションの紹介、精神的ケアや症状緩和が必要な患者には緩和ケア科と連携したサポートを行う。フレイル外来には、立ち上げからの3年間で360人の患者が紹介されている。外来の認知度と共に患者は増え、現在は月100人の患者がフレイル外来を受診する。呼吸器、消化器、乳腺などが主体であったが、最近は血液内科から造血幹細胞移植後の患者の紹介も多い。「外来の認知度が上がるにつれ、紹介が増えており、確実なニーズの増加を実感している」と勝島氏は述べる。病勢進行していなくても、半数以上が悪液質を合併していた勝島氏らは、フレイル外来を受診する進行再発肺がん患者の調査を実施した。定期的に外来通院にて化学療法を受ける肺患者は基本的にPS良好で、病勢もコントロールされているはずの外来患者だが、フレイル外来初診時、過半数(55.2%)が悪液質を合併していた1)。また、化学療法を受ける進行再発がん患者の悪液質は、低栄養状態、低身体活動が悪液質の臨床的特徴、もしくは、悪液質の特徴として独立した因子として抽出された。低身体活動については、10分以上続けて行う身体活動を評価する「IPAQ*」で評価できたが、従来のPSでは拾い上げられなかった1)。「医師が判断するPSは実際の活動量と乖離している可能性があるため、PSだけで判断すると危険」と勝島氏は言う。*IPAQ(International Physical Activity Questionnaire、国際標準化身体活動質問票):1週間における高強度および中等度の身体活動を行う日数および時間を質問する。治療成績向上、鍵は治療開始までの期間と悪液質の早期予防また、勝島らは、近年肺診療において、病期診断、病理診断に一定の時間を要し、その間に身体機能が落ちる患者がいることに着目して調査を行った。初診から治療開始までの期間が長いほど悪液質発症が高まる傾向が明らかになった。初診から治療開始までが45日以上の群では、治療開始までに悪液質発症が増加したが(初診時37%→治療開始時87%)、45日未満の群では増加しなかった(61%→61%)。悪液質の存在は化学療法の効果に悪影響を及ぼすことも示されている。悪液がない患者では、初回化学療法の病勢コントロール率(DCR)は100%、初回治療完遂率も100%であった。一方、悪液質がある患者での初回化学療法のDCRは66.7%、初回治療完遂率は58.7%と、有意差はないものの、悪液質がない患者よりも悪い傾向であった。しかし、悪液質の合併については、医療者も患者も危機意識は低い。勝島氏によれば、がんの確定診断を受けながら、治療開始までの待機期間にPSが悪化し、抗がん剤治療が受けられなくなってしまったケースも少なくないという。悪液質は決してがん終末期の病態ではなく、がん治療の早期にも現れ、抗がん剤治療に悪影響を及ぼす。迅速な診断と介入で、いかに悪液質がない状態で化学療法を実施できるかが、がん治療成功の鍵を握るといえる。これらの研究結果について勝島氏は、「多くの医療者が何となく気付いていたこと。少し全貌が明らかになった」と言う。がんリハビリテーションの質的なメリット進行再発がんリハビリテーションの真のエンドポイントは定まっていない。治療を行ったとしても最終的には病勢が進行する。そのため、体重や身体機能などの量的なエンドポイントは、いずれ達成できなくなってしまう。一方、フレイル外来通院患者の中には、病勢が進行しても受診を希望する患者も多い。そのため、進行再発がん患者へのリハビリテーションは、量的な効果だけでなく、質的な効果を持つのではないかという仮説を立てた。そして、フレイル外来通院患者に、リハビリテーションでの経験について、半構造化面接法によるインタビューを行った。その結果、がんリハビリテーションに取り組むことで、フレイル外来通院患者は「身体機能改善に対する期待感」「変化を客観的に把握できる安心感」「自分の存在意義の再確認」といったポジティブな経験をし、根治不能な進行がんとの付き合い方を見いだしていることがわかった2)。現時点でできることとはいえ、すべての施設で関西医科大学のような取り組みができるわけではない。そのような中、医療者ができることは何だろうか。まず、悪液質に対する危機意識を高めるべきだと勝島氏は強調する。また、医療者と共に患者の理解も重要だ。治療医の言葉は患者に大きな影響を与える。治療医から患者への「どれだけ動けて、痩せずに治療を受けられるか、で抗がん剤の効果も変わってくる」などの一言で、患者の理解も深まるという。多職種連携の最初の一石は医師しか投じられない。モチベーションが高い理学療法士や看護師は多いが、医師からの紹介がないと動くことはできないことも多い。勝島氏は「治療医から発信するがん悪液質診療を形作るべき」と述べる。前向き試験の取り組み前述の先行試験から、悪液質は初回治療前からでも存在し得ること、治療に悪影響を及ぼすことが明らかとなった。勝島氏らは、次の段階として前向き試験を実施し、初回治療前からの運動・栄養療法が進行再発がんにおける悪液質の発症を抑制し、がん治療に良い効果を生み出すか否かを検証する予定である。今回の試験は治療前から介入するため、少なくとも化学療法の影響を受けない。交絡因子として化学療法の影響を受けないことから、がんリハビリテーションの効果をより純粋に評価できる可能性があるという。外来がんリハビリテーションの診療報酬獲得に結び付ける現在は、患者も医療者も、治療中の体重減少や身体機能低下の重要性について認識不足で、介入も遅れがちである。実際、フレイル外来には、痩せきって身体機能が落ちてから紹介されるケースも少なくないという。早期からのリハビリテーションの重要性を医療者が認識することで、治療効果が乏しくなる前に介入できる。勝島氏は、「痩せて筋力もない患者が、化学療法という大きな剣を無理やり持たされている状況が悪液質。それに対し、早期から多職種が介入して、身体機能や栄養状態、精神面を維持してもらうことで、大きな剣をしっかり振りかざすことができる」とし、「われわれの研究によって、運動療法・栄養療法という低コストの介入が、進行がん治療に寄与することが証明できれば、最終的には外来がんリハビリテーションの診療報酬獲得に結び付くかもしれない」と述べた。画像を拡大する画像を拡大する(ケアネット 細田 雅之)参考1)Katsushima U, et al. Jpn J Clin Oncol. 2024 Jan 11. [Epub ahead of print]2)勝島 詩恵ほか. Palliative Care Research.2022;17:127-134.

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英語で「慎重かつ前向きに」は?【1分★医療英語】第117回

第117回 英語で「慎重かつ前向きに」は?《例文1》 Let's prepare for the worst and hope for the best.(最悪の事態に備えて準備して、最善を祈りましょう)《例文2》He always has a glass-half-full mentality and never pessimistic.(彼は常に「コップが半分満たされている」という精神でいて、決して悲観的にならない)《解説》“cautiously optimistic”は英語の頻用表現です。“optimistic”は前向き、楽観的という意味で、“pessimistic”(悲観的)の対語です。医療現場では気軽に楽観的な言葉を掛けられない深刻な状況もありますが、「そんな状況でも患者さんを励ましたい」という場面で使うことができます。“cautiously”と前置きすることで、「医師として最大限に慎重に対応はしているが、そのうえで前向きに希望を持って臨みたい」という気持ちを伝えることができます。類似表現として、例文に示した“prepare for the worst and hope for the best”も同じような状況・意図で使われます。英語表現では楽観的・悲観的という性格を、“glass-half-full mentality” or “glass-half-empty mentality”と呼ぶことがあります。これは、水が半分入ったコップを見たときに、楽観的な人は「コップは半分まで満ちている」と言い、悲観的な人は「コップは半分まで空になっている」と言う、という逸話に由来します。講師紹介

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第201回 ペニスも休んでばかりだと錆び付くらしい

ペニスも休んでばかりだと錆び付くらしいあくまでもマウスの話なのですが、勃起すればするほど勃起を助ける線維芽細胞を増やし、勃起機能の維持に貢献するようです1)。マウスでもヒトでも線維芽細胞はペニスを占める最も多い細胞ですが2)、線維芽細胞は均質(homogeneous)でおとなしい(static)細胞とかつてはみなされていたこともあって、これまであまり研究されてきませんでした。しかし実は動きがあって個性豊かなことがわかってきており、今回Science誌に掲載された新たな研究では、これまで蔑ろにされてきた線維芽細胞が担うこれまで知られていなかった勃起での役割がマウス実験で示されました。スウェーデンのカロリンスカ研究所が発見したその役割とは、ペニスの勃起の原動力である血流の調節作用です。研究によると、海綿体の線維芽細胞は血管収縮に携わる神経伝達物質ノルアドレナリンをせっせと回収することでペニスの血管を収縮ではなく拡張へと誘い、ペニスの勃起を支えます。それゆえ線維芽細胞の数が多いペニスほど勃起に必要な血管拡張に長け、勃起すればするほど線維芽細胞は増えるとわかりました。一方、老化は線維芽細胞を減らしてペニスの血流を滞らせます。マウスやヒトを含むどの哺乳類の勃起も形態や細胞の配置などさまざまな点でよく似ています。ただし、ヒトのペニスはほかの哺乳類と違って骨がありません。その特徴を鑑みると血流調節はヒトの勃起にはおそらくなおさら重要かもしれません2)。上述したとおり老化マウスのペニスの線維芽細胞は少なく、血流低下を示しました。そのことから察するに、ヒトのペニスが老化で勃起しにくくなることは線維芽細胞の減少を一因とするかもしれません。そうであるなら、スポーツジムに定期的に通って筋肉を鍛えて体調を整えるのと同じように、性生活などでの定期的な勃起は線維芽細胞を増やして勃起不能を防ぐ効果がありそうです。今回の研究で判明した線維芽細胞の新たな一面は勃起不全の新たな治療の開発にも役立つでしょう。目下の勃起不全治療の主流は、シルデナフィルやタダラフィルなどのホスホジエステラーゼ阻害薬で一酸化窒素の効果を高めて海綿体血管平滑筋細胞の弛緩を促すことですが、多ければ30%の患者はそうしても勃起機能を回復できません。そのような既存の治療が手に負えない患者にはノッチ(Notch)阻害が有効かもしれません。今回の研究によると勃起の繰り返しはノッチ(Notch)伝達を抑制し、ノッチが活性化したままだと逆に線維芽細胞が減ってペニスの血流が減りました。そしてノッチ伝達の阻止こそ線維芽細胞を増やしてペニスの血流を増やす働きを担うとわかりました。よってノッチ阻害薬による勃起不全治療は今後検討の価値がありそうです3)。また、線維芽細胞のノルアドレナリン回収に携わる輸送体SLC6A2の発現を増やすことや、移植や何らかの刺激によって線維芽細胞を増やすことなども勃起不全の治療手段となりえそうです3)。参考1)Guimaraes EL, et al. Science. 2024;383:eade8064.2)Fibroblasts in the penis are more important for erectile function than previously thought / Eurekalert3)Ryu JK, et al. Science. 2024;383:588-589.

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鳥取救急に関する「ニュース批評」で批判的に取り上げた当事者が真相を語る

CareNet.comに2月7日に掲載した記事「救急医を巡るパワハラ疑い、鳥取県立中央病院で起こったこととは」(ニュース批評 ざわつく水曜日)に対して、記事中で、批判的に取り上げた当人、鳥取県立中央病院 院長補佐/救急集中治療部長の小林誠人氏から記事に事実と異なる部分があると編集部に連絡があり、取材を行った。何が事実で何が誤りなのか?ニュースの当事者からの情報をお届けする。まず、パワハラについてです。鳥取県東部広域行政管理組合消防局から当院の医師、看護師の対応が「パワーハラスメントではないか」と調査依頼を受けたのは事実ですが、病院ではホットラインはすべて録音していますし、初療の対応は医療安全の観点から全部動画撮影しています。つまり、指摘されたことが事実か否か事後検証できます。それを検証すると、消防局の指摘は必ずしも事実ではありません。パワハラは疑い事例について専門委員会に判断を仰いでいる段階だからといって、消防局の指摘が間違いだとただす気持ちはありません。人間の記憶はあいまいで、そこにいろいろな感情や2次情報、3次情報が加わって書き換えられてしまうものですから、仕方ないことだと思っています。一方、一連の報道は誤りであるとはっきりと申し上げたい。具体的には、当院の職員の対応が「パワハラであった」と断定している部分です。事実は、パワハラの可能性があると考えられた事例について、裁定を仰ぐため鳥取県病院局のハラスメント防止委員会に上げた段階であるということです。院長はそれを記者会見で説明したのですが、すべての報道で明白なパワハラがあったかのごとく取り上げられています(※記事では訂正済み)。今お話ししている時点(2024年2月8日)で、委員会の裁定は下っていません。動画を見ると、若いスタッフが厳しく言っていたりするところがあり、それを受け取り側が…、というのがあったのでしょうが、それも救急活動をよくしたいという一心からです。私としては、改めて動画を見て、医師も救急隊も看護師も、患者を救うために救命のために協働しながら一生懸命やってるな、と純粋に感じました。しかし、専門委員会がパワハラと認定するのかどうか私にはわかりません。指示要請は受けていた。「応諾」しなかったが「拒否」はしていないもう1つの論点が、救急活動プロトコルと特定行為に関する指示要請についてです。ここでまず理解していただきたいのは、パワハラ問題と本件はまったく別の話だということです。私たちは病院に来る前と病院内と分けて考え業務を行っています。パワハラ問題は病院内の管轄で、責任者は院長です。一方、特定行為に関する指示要請は地域メディカルコントロール協議会の管轄です。救急救命士の活動を医師が担保するというのが救急救命士法の趣旨であり、当県の主管は鳥取県救急搬送高度化推進協議会、私たちは通称「県メディカルコントロール協議会」と言っています。この論点についての記事の大きな誤りは、われわれが「特定行為に関する指示要請を拒否した」と書かれている部分があることです。「特定行為に関する指示要請に応諾しなかった」というのが正しい表現になります(※記事では訂正済み)。「拒否」と「応諾しない」は大きく異なります。「拒否」は何かをお願いされたときに門前払いすることで、「特定行為の指示要請をかけていいですか?」という電話も受けませんということです。それはメディカルコントロール体制下で許されないことであり、私たちは一度も「拒否」はしていません。一方、「応諾しない」というのは、指示要請に対してイエスもノーも言わないということです。しかし、それでは電話をかけてきた救急救命士が困るので、私たちは「特定行為の指示要請」を救急救命士法上の「助言」や「指導」に切り替えて対応していました。「先生、心肺停止の傷病者です。この特定行為をしてもよろしいでしょうか?」という依頼に対して「いや、特定行為は許可できません。その状況であれば、代わりに何々をしてください」ということを伝えていました。これが当方が説明してきた真実、1次情報です。実際に録音も残っています。その前段階で「医学的観点からの責任もあり、当院ホットラインへの指示要請、及び検証医への検証は応諾いたしかねます」というメールを私が消防局に送っています。では、なぜ私がそのような対応をとったのか説明します。傷病者に医学的に不利益があるプロトコルでは医師として応諾できない鳥取県のメディカルコントロール協議会の救急活動プロトコルは何年も改訂されておらず、現在の救急の実態とそぐわない部分があります。プロトコルは、フローチャートと手順書がセットになっていますが、県のプロトコルには、フローチャートしかない部分が多々あります。また、その内容も、現在の医学的な知見に照らし、傷病者にとって不利益になる内容が含まれています。そのことについては関係者の間で異論はなく、現在、県メディカルコントロール協議会のプロトコル改訂作業が進められており、もうすぐ改訂版が出来上がる見込みです。では、改訂されるまでの間、不具合があるとわかっている、立て付けの悪いプロトコルを現場で使うべきかということになるわけですが、傷病者に対して不利益があることが明らかなプロトコルを使うことは医学的にあり得ません。このため、われわれの地域、東部地域メディカルコントロール協議会では、地域に見合った補完したプロトコルを救急救命士法の範囲内で運用していました。これは私たちの地域だけの特殊事例ではなく、全国どこの地域でも普通のことだと思います。ところが、先の県のプロトコル改訂作業と並行して進めていた地域のプロトコルの文書化が一時ストップしてしまって、改めて、どのプロトコルを運用するのかという議論になったのです。責任者である東部地域メディカルコントロール協議会の会長に判断を求めたところ、それまでの改訂・文書化作業は中断して、昔の県のプロトコルで運用するように、という指示が出ました。それでは問題があるので何度も確認しましたが、県のプロトコルでやりなさいという指示は変わりませんでした。なので、傷病者、県民にとって不利益になるので、私たちはそのような指示要請には応諾できません。受けますけれどもイエスとは言えません、とお伝えしたのです。わずか10日後に「応諾しない」方針を撤回した真の理由このような経緯で、あのメールは「応諾いたしかねる」という表現を使い、会長の許可ももらったうえで出しています。病院の許可は必要なく、そもそも病院ではなく地域メディカルコントロール協議会が主体となる事案です。組織構造の理解と事実関係の確認が不十分なままに、病院側への謝罪要求が行われたことで、話がややこしくなっているのです。記事にもありますように、10日後には「ホットラインの運用を通常通り再開する」と連絡し、実際にそうしました。しかし、これは報道されていませんが、私たちが判断を変えたわけではありません。会長の方が判断を変えられたのです。つまり従来から運用してきたプロトコルに戻すことになったので、私たちも応諾しない理由はなく、従来の通常対応に戻したということです。そこで、会長はなぜわずか10日で判断を覆し従来のプロトコルに戻すよう指示したのかという疑問が沸くでしょう。プロトコルの明文化、改訂作業と並行して、救急救命士のプロトコル違反および事故事案の検証を行っていました。その検証作業中に県のプロトコルの不具合が改めて認識され、露呈したことで従来から運用されてきた地域のプロトコルに戻されたのだと理解しています。実事案の情報提供は、患者個人情報の絡みもあり慎重にならざるを得なかったのですが、患者家族への説明、県メディカルコントロール協議会への報告も行われましたので、今回情報提供に至りました。今回は、事実確認が不十分なマスコミの報道で相当振り回されましたが、その間も、当院は変わらず救急応需率100%、ホットライン通話時間1分以内を維持し、例年以上に多くの救急車搬入を受け入れています。救命救急士も救急医も傷病者のため県民のために粛々と救命救急をやり続けています。現場ではとくに大きな問題は起こっていないのです。逆に、この問題が明るみに出たことで、プロトコルの改訂作業を含む当地域の救急体制の課題解決へ向けての動きが一気に進み始めました。その意味では良かったと思っています。しかしながら、一方的かつ出所が不明確な情報だけで県民の不安を煽る報道、メディア・スクラムによる医療への悪影響は誰も幸せにしないことを改めて痛感しました。なお、2月10日付で県病院局が、私が救命救急センター長を外れる人事を発令していますが、これは先を見据え、今回の件で露呈した当県、当地域の救急医療体制、各組織の問題、課題を解決し、整備していくためです。院長補佐、救急集中治療部長の任は変わらず、私の役目、仕事はこれまでとまったく変わるところはありません。ニュース批評 ざわつく水曜日「救急医を巡るパワハラ疑い、鳥取県立中央病院で起こったこととは」(2月7日配信、一部修正済み)

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学会のSNS発信はどうあるべき?JSMO2024でシンポジウム開催

 2024年2月22日(木)~24日(土)、第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)が名古屋国際会議場とオンラインのハイブリッド形式で開催される。新薬開発や臨床課題に関する多くの演題が並ぶ中、一風変わったシンポジウムが企画されている。 テーマは「学会としてSNSをどう活用していくべきか」、昨年4月にJSMO広報渉外委員会の下部組織として「SNSワーキンググループ(SNS-WG)」が発足したことを契機に企画されたシンポジウムだ。SNS-WGは立候補制で、現在専攻医からがん薬物療法専門医まで、幅広い世代のJSMO会員メンバーが参加する。 SNS-WGの活動目的は下記のとおり。1)JSMO会員のSNS利用を活発にするための環境整備2)医学生・研修医や一般市民に向けた腫瘍内科・JSMOの認知度向上3)JSMOの国際化 今回のシンポジウムでは、SNS-WGの活動内容、米国臨床腫瘍学会(ASCO)、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)、国内でSNS活動を最も精力的に行っている学会の1つである日本循環器学会がSNSを活用するために行っている取り組みを共有し、今後のJSMOのSNS-WGが進むべき方向性やSNSの上手な使い方について討論する予定だという。SNS-WGメンバーのほか、X(旧Twitter)で長年医療情報の発信を続ける循環器内科医・岸 拓弥氏が、日本循環器学会と自身の取り組みを紹介する予定だ。JSMO2024では会場内での許可のない撮影は禁止されているが、本シンポジウムに限っては、スライドの撮影およびSNSへの投稿を自由としている。 SNS-WGのメンバーの1人である寺田 満雄氏(名古屋市立大学大学院 医学研究科 乳腺外科学分野/The University of Pittsburgh Medical Center)は、「海外と比べ、日本ではまだ腫瘍内科はマイナーな存在。SNSで医学生や研修医に向けて情報発信し、魅力を伝えて志望者を増やしたい」と語る。さらに「最大のイベントであるJSMO2024会期中にSNSでの発信を増やし、学術集会を盛り上げることも目指したい」と語る。さらに「国内での情報発信の基盤ができたあとは、ASCOやESMOのように発表スライドを撮影して即時にSNSに投稿、その場でディカッションが起きるような環境整備も進めたい」と今後の展望を語る。 学会のSNS活用においては、投稿が炎上する、といったリスクも指摘されるところだが、「海外学会を見ていると、情報公開、拡散は避けられない流れ。投稿規定を定め、リテラシーを高めて経験を重ねれば、不要なリスクは避けられるはず。日本のプレゼンスを高め、患者・市民参画(Patient and Public Involvement)を促進するためにSNSは欠かせない手段だと考えている」(寺田氏)。まずはSNSを使うJSMO会員を増やそうと、シンポジウムでは個人向けにSNSを使った上手な情報収集法、上手なセルフブランディングなどの話題も提供するという。 シンポジウムの詳細は以下のとおり。JSMO2024(名古屋国際会議場)委員会企画2(SNS-WGシンポジウム)2月22日(木)15:40~17:10Room 6(1号館3F 会議室131+132)【司会】後藤 知之氏(滋賀県立総合病院 腫瘍内科)【冒頭挨拶】武藤 学氏(京都大学大学院医学研究科 腫瘍薬物治療学講座)【演者】山口 祐平氏(名古屋医療センター)上原 悠治氏(都立駒込病院 呼吸器内科) 岸 拓弥氏(国際医療福祉大学大学院医学研究科  循環器内科)【ディスカッサント】岸 拓弥氏(国際医療福祉大学大学院医学研究科  循環器内科)上原 悠治氏(都立駒込病院 呼吸器内科) 扇屋 大輔氏(東海大学医学部 内科学系 血液・腫瘍内科学)尾崎 由記範氏(がん研究会有明病院 乳腺内科)高見澤 重賢氏(NTT東日本関東病院 腫瘍内科)山口 祐平氏(名古屋医療センター) 学会はライブ配信のほか、3月1日(金)~29日(金)の期間にオンデマンド配信も行われる。

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ER陽性/HER2陽性乳がん、PR陽性vs.陰性で転帰の差は

 エストロゲン受容体(ER)陽性プロゲステロン受容体(PR)陽性HER2陽性(ER+/PR+/HER2+)乳がんとER+/PR-/HER2+乳がんは、異なる臨床病理学的特徴および生存転帰を示すことが示唆された。中国・Shaoxing Second HospitalのWu Ding氏らによるBreast Cancer誌オンライン版2024年1月17日号掲載の報告より。 本研究では、Shanghai Jiao Tong University Breast Cancer Data Baseと国立がん研究所のSEER(Surveillance、Epidemiology、and End Results)データベースを用いて分析。傾向スコア調整法により両サブタイプ間の患者特性のバランスが調整された。カプランマイヤー生存曲線により両サブタイプの無病生存期間(DFS)、乳がん特異的生存期間(BCSS)、全生存期間(OS)を推定したほか、多変量モデルを使用して閉経状態、病理学的分類(pN)、抗HER2療法および内分泌療法の有無についてサブグループ解析が行われた。 主な結果は以下のとおり。・ER+/PR+/HER2+乳がんは、とくに閉経後およびpN0の患者において、ER+/PR-/HER2+ 乳がんと比較して有意に良好なDFSおよびBCSSを示した。・抗HER2療法および内分泌療法後の生存転帰は両サブタイプで同様であった。・選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)治療を受けたER+/PR-/HER2+乳がん患者では、ER+/PR+/HER2+乳がん患者と比較して予後が有意に悪かった。 著者らは今回の結果を踏まえ、ホルモン受容体の状態と特定のモダリティについて考慮した個別の治療戦略を立てる必要があると結論付けている。

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キノコと認知症リスク~日本での研究

 キノコは、食物繊維やいくつかの抗酸化物質が豊富な食材である。このようなキノコの食事摂取が認知症リスクの低下と関連しているかは、不明である。筑波大学の青木 鐘子氏らは、キノコ摂取と認知機能障害リスクとの関連を調査した。その結果、日本人女性において、キノコの食事摂取が認知機能障害リスクの低下と関連していることが示唆された。The British Journal of Nutrition誌オンライン版2024年1月19日号の報告。 1985~99年に毎年実施されていた心血管リスク調査に参加した3つの地域に在住する40~64歳の地域住民3,750人を対象に、プロスペクティブ研究を実施した。認知症による障害が認められた事例を、1999~2020年に調査した。脳卒中の既往歴の有無にかかわらず、キノコの摂取量に応じた認知症発症数のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・3,739人を平均16.0年フォローアップ調査したところ、障害を伴う認知症を発症した人は670人であった。・女性では、キノコの摂取と認知症リスクの逆相関が認められた。この関連は、脳卒中の既往歴のない認知症に限定されていた。・女性における認知症発症の多変量HRは、キノコを摂取していなかった人と比較し、キノコの摂取量が0.1~14.9g/日で0.81(95%CI:0.62~1.06)、15.0g/日以上で0.56(0.42~0.75)であった(p for trend=0.003)。・脳卒中の既往歴のない認知症におけるハザード比は、キノコの摂取量が0.1~14.9g/日で0.66(95%CI:0.47~0.93)、15.0g/日以上で0.55(0.38~0.79)であった(p for trend=0.01)。・男性では、キノコの摂取と認知症リスクとの関連が認められなかった。

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