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喫煙と乳がんリスク~日本の9研究のプール解析

 喫煙と乳がんリスクは生物学的には相関することが妥当であるにもかかわらず、疫学研究では一貫していない。今回、岐阜大学の和田 恵子氏らが9つの前向き研究のプール解析を実施した結果、現喫煙者は50歳になる前に乳がんを発症するリスクが高く、とくに30歳になる前から喫煙するとリスクが高いことが示唆された。副流煙による受動喫煙との関連はみられなかったという。International Journal of Epidemiology誌2024年6月号に掲載。 本研究は、国立がん研究センターがん対策研究所の「科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」の1つで、1984~94年に開始し8~22年間追跡した9つの前向きコホート研究(計16万6,611人)のプール解析である。喫煙および副流煙に関する情報はベースライン時の自記式質問票から入手した。個々の研究において現在または過去の能動喫煙および受動喫煙の状況別の乳がんの相対リスクを、潜在的交絡因子の調整後にCox回帰を用いて算出し、ランダム効果メタ解析を用いてハザード比(HR)を要約した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時点で閉経前だった6万441人中897人、閉経後だった10万6,170人中1,168人が追跡期間中に乳がんを発症した。・現喫煙者は喫煙未経験者より50歳になる前に乳がんを発症するリスクが高かった。・30歳より前に喫煙を開始した喫煙経験者と初産前に開始した喫煙経験者は、50歳以前に乳がんを発症するリスクが高かった。・成人期または小児期の副流煙曝露と乳がんとの関連はみられなかった。 本研究の結果、喫煙は閉経前の乳がんリスクを上げる可能性があり、人生の早期からの喫煙はとくに有害である可能性が示唆された。副流煙の影響については「さらなる調査が必要」とした。

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早期パーキンソン病へのGLP-1受容体作動薬、進行抑制効果を確認/NEJM

 診断後3年未満のパーキンソン病患者を対象とした糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬リキシセナチド療法について、第II相のプラセボ対照無作為化二重盲検試験で、プラセボと比較して12ヵ月時点での運動障害の進行を抑制したことが示された。ただし、消化器系の副作用を伴った。フランス・トゥールーズ大学病院のWassilios G. Meissner氏らLIXIPARK Study Groupによる検討結果で、NEJM誌2024年4月4日号で発表された。リキシセナチドは、パーキンソン病のマウスモデルで神経保護特性を示すことが報告されていた。今回の結果を踏まえて著者は、「より長期かつ大規模な試験により、パーキンソン病患者に対するリキシセナチドの有効性および安全性を確認することが必要である」とまとめている。リキシセナチドを1日1回皮下投与、1年後のMDS-UPDRSパートIIIスコア変化を評価 試験は、パーキンソン病患者の運動障害進行に対するリキシセナチドの有効性を評価するため、パーキンソン病診断後3年未満で、対症薬の服用量が安定しており、運動合併症のない患者を無作為に2群に割り付け、一方にはリキシセナチドを1日1回皮下投与(当初14日間は10μg/日、その後は20μg/日)、もう一方にはプラセボを、それぞれ12ヵ月投与し、2ヵ月休薬した。 主要エンドポイントは、運動障害疾患学会・改訂版パーキンソン病統一スケール(MDS-UPDRS)のパートIIIスコア(範囲:0~132点、スコアが高いほど運動障害が大きい)のベースラインからの変化量で、12ヵ月時点で試験薬服薬中の患者を対象に評価した。 副次エンドポイントは、6ヵ月、12ヵ月、14ヵ月時点のMDS-UPDRSのその他のサブスコアや、レボドパ換算投与量などだった。スコア変化の群間差は3.08ポイントで有意な差 試験登録のスクリーニングは2018年2月~2020年3月に行われ、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、計156例(各群78例)が登録された時点で組み入れ中止となった。ベースラインの両群の人口統計学的および臨床的特性は類似しており、典型的な早期パーキンソン病の被験者像であった。平均年齢はリキシセナチド群59.5±8.1歳、プラセボ群59.9±8.4歳、男性被験者は同56%、62%、平均診断後期間は1.4±0.8年、1.4±0.7年で、MDS-UPDRSパートIIIスコアは両群とも約15点(14.8±7.3点、15.5±7.8点)だった。 12ヵ月時点で、MDS-UPDRSパートIIIスコアの変化量は、リキシセナチド群では-0.04ポイント(障害の改善を示す)、プラセボ群では3.04ポイント(障害の悪化を示す)だった(群間差:3.08、95%信頼区間[CI]:0.86~5.30、p=0.007)。 2ヵ月の休薬期間後14ヵ月時点で、非服薬状態でのMDS-UPDRSパートIIIスコアの平均値は、リキシセナチド群17.7点(95%CI:15.7~19.7)、プラセボ群20.6(18.5~22.8)だった。 副次エンドポイントに関するその他の結果は、両群で大きな差は認められなかった。 リキシセナチド群の46%で悪心が、13%で嘔吐が報告された。

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脳内出血24時間以内の低侵襲血腫除去術、180日アウトカム良好/NEJM

 急性期脳内出血後24時間以内に手術が可能だった患者において、低侵襲血腫除去術はガイドラインに基づく内科的管理に比べ、180日時点の機能的アウトカムが良好であることが示された。米国・エモリー大学のGustavo Pradilla氏らによる300例を対象とした多施設共同無作為化試験の結果で、著者らは「脳葉出血への介入が手術の効果に寄与しているものと思われる」と述べている。先行研究では、テント上脳内出血の外科的除去の試験は、概して機能への効果がないことが示されている。早期の低侵襲外科的除去により、内科的管理よりも良好なアウトカムが得られるかは明らかになっていなかった。NEJM誌2024年4月11日号掲載の報告。ガイドラインに基づく内科的管理と比較 研究グループは、急性期脳内出血患者を対象に、血腫の外科的除去と内科的管理のアウトカムを比較した。被験者は、脳葉出血または大脳基底核前部出血があり、血腫体積が30~80mL、最終健常確認時刻から24時間以内の患者だった。 被験者を1対1の割合で2群に無作為化し、一方の群には血腫の低侵襲外科的除去+ガイドラインに基づく内科的管理を(手術群)、もう一方の群にはガイドラインに基づく内科的管理のみを(対照群)、それぞれ行った。 有効性の主要エンドポイントは、180日時点の効用値加重修正Rankinスケール(UW-mRS、範囲:0~1、スコアが高いほどアウトカム良好、患者による評価)の平均スコアで、事前に規定した優越性の事後確率閾値は0.975以上だった。安全性の主要エンドポイントは、登録後30日以内の死亡だった。なお、本試験は出血部位に基づく登録基準の変更規則を設定して行われた。手術の優越性の事後確率は0.981、事前規定の閾値を超える 2016年12月1日~2022年8月24日に、計1万1,603例が適格性のスクリーニングを受け、米国内37施設から計300例(両群150例)が登録された(脳葉出血69.3%、大脳基底核前部出血30.7%)。175例の登録後に規則を変更し、以後は脳葉出血患者のみを登録した。両群の特性は類似しており、年齢中央値は手術群64歳、対照群62歳、女性は48%と52%、NIH脳卒中スケールのスコア中央値は16点と18点、無作為化時点のGCSスコア9~14点は83%と81%、血腫量中央値は54mLと55mL、また最終健常確認時刻から無作為化までの時間中央値は12.8時間と12.9時間だった。 180日時点のUW-mRS平均値は、手術群0.458、対照群0.374(群間差:0.084、95%ベイズ信用区間[CrI]:0.005~0.163)で、手術の優越性の事後確率は0.981と事前に規定した閾値を超えていた。群間差の平均値は、脳葉出血患者では0.127(95%ベイズCrI:0.035~0.219)、大脳基底核前部出血患者では-0.013(-0.147~0.116)だった。 30日以内に死亡した患者の割合は、手術群9.3%、対照群18.0%だった。手術群の5例(3.3%)で、術後の再出血と神経症状の悪化が認められた。

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sFlt-1/PlGFの繰り返し検査は妊娠高血圧腎症に伴う新生児合併症率を低下させず(解説:前田裕斗氏)

 Soluble fms-like tyrosine kinase-1(sFlt-1)と血管新生因子、とくに placental growth factor(PlGF)を用いた検査は、妊娠中から後期にかけて妊娠高血圧腎症が疑われる妊婦について1週間以内の発症可能性を予測するための検査であり、日本でも妊娠18週から36週未満の間に、原則一連の妊娠に対して1回のみ算定することができる。今回のPARROT-2試験の前身であるPARROT試験では、PlGFベースの検査結果を診療に利用する群で妊娠高血圧腎症の診断までの期間が有意に早くなり、母体合併症の有意な減少を認めた。PARROT-2試験ではPlGFベースの検査を繰り返し行い、結果を利用しながら管理する群と管理に検査結果を利用しない群で新生児合併症を主要評価項目としてランダム化比較試験が行われた。 結果としては、PlGFベースの検査結果を繰り返し利用した群では新生児合併症・母体の重篤な有害転期は減少せず、分娩時の妊娠期間が短縮し、妊娠34週以前の早産・帝王切開が有意に増加した。 本研究はPlGFベースの検査を繰り返し利用することを支持しない結果であった。手法はランダム化比較試験であり、共変量も十分な項目が考慮されている。研究参加者のアジア人割合が12%と低い点は日本に結果を応用するうえでは気になるが、信頼性の高い研究である。主要評価項目の結果以外に、Figure 3で示された初回から最後までのPlGFベースの検査結果の推移にも注目したい。本研究では2種類の検査が利用されたが、どちらの検査でも初回に異常を検出した場合、その後の検査結果は約95%で異常のままであった。これらの結果を踏まえれば、初回で検査結果が異常であった例についてはそれ以上検査を行う意味はなく、逆に無用な介入を増やす可能性があるといえる。一方、初回検査結果が正常であったがその後異常となる割合は約30~40%であり、これらの症例については今後、PlGFベースの検査を繰り返し行う管理方法を検討する余地があるといえるだろう。 日本ではまだsFlt-1/PlGF比検査は一般的ではなく、まずは本邦での観察研究結果などから単回の検査をアルゴリズムとして取り入れるかどうかの検討から始めることになる。その点、本研究結果からPlGFベースの検査は発症予測のための検査であり、病勢を診る検査ではないこと、単回で十分であると示されたことは重要であり価値の高い論文であるといえる。

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名を変え、実を取りたい「エンディングノート」【外来で役立つ!認知症Topics】第16回

高齢化社会になってから、われわれが若い頃と比べると、テレビ、新聞や書籍のターゲット層の年代はぐっと高まった。NHKの歌謡番組などは、懐メロ一色に見える。私はときに、出版社などマスコミの関係者で、高齢者向けの記事や番組制作の担当者とご一緒させていただく。近年、こうした方々にみられがちな傾向があると思っている。どなたも「高齢者への配慮と敬意」を示す言葉遣いをなさる。ところが、以前から言われてきた「老いの神話」、つまり老いた者への軽視・哀れみという価値観は、現代の彼ら・彼女らにも伝わっているように感じてしまうのである。70歳代の知人から次のようなお手紙をいただいた。「年寄り向けの本がいろいろ出るのはありがたい。しかし70歳にもならない筆者に、われわれ高齢者の気持ちがわかっているとは思えない。まして編集など出版の実務に携わり、売れ行きを考えるのは30~40代の若手だろう。だから現実離れしたことが、堂々と世間に流布している」と。これに似たコメントは結構多い。「エンディングノート」という名称の違和感ところで「エンディングノート」という名を初めて聞いたときの第一印象は、なんと粗雑で気配りのない名前だろうという不快感だった。その意味はわかる、しかし何と当事者への配慮を欠く命名かと感じた。要は「あんた、もうすぐ終わり。相続などで皆を喜ばせ、また迷惑をかけないように」だよね、と。この印象は今でもまったく同じだ。ならばせめて日本語では、「未来への連絡帳」とか、「賢者の一筆」とか当事者の気持ちが少しは明るく前向きになるものに変えてほしいものだ。さて聞くところでは、この種の出版物は、とくに敬老の日の前後に書店では目立つ場所に置かれるようだ。この時期に限らず、全国の書店では、比較的安定した売れ筋の商品だと聞く。そして買う人は、1回きりでなく繰り返し購入するリピーターになる傾向もあると。その最大の理由は、買って、書き始めても書き終えないからだ。あるいは「あの頃はそう思って書いたけど、今は違う考えになった」という声もあった。いずれにせよ完成する確率は低い。そもそもエンディングノートを書く意味はどこにあるのだろうか? ある専門家が簡潔に話してくれた。目的は、「こんな場合はこうしてほしい」と、老い先を託す人にできるだけ負担をかけずに支援を具体的に依頼することだ。立場を変えると、老い先を託された人が困らないようにする予告メッセージとも言える。そこでは課題ごとの要望を述べるのはもとより、できる限りその財源を明示すべきだろう。いずれにしてもこの種のことは、積極的に考えたくない事柄。それだけに明文化されたものを前にして向き合えば、双方の覚悟が多少とも定まると教わった。何を書くべきか? 必要最小限の4項目そこでは何を書くべきか? この種の本を読むと、ものによっては圧倒されるほど多くの項目が並んでいる。しかし筆者は自分事として考えたとき、次の4項目が必要最小限だと思う。まず認知症などになったときの介護・施設。また終末期医療についての希望も不可欠だろう。そして財産・相続の重要性は言うまでもない。最後に葬儀と役所等への各種の届け出も欠かせない。これらの回答に先立つ最大のポイントは子供の数だろう。1人なら簡単だが、2人以上だと難易度が高まる。経験的に考えると、終末期のケアをお子さんたちが平等にシェアするのは例外的で、誰か中心になるお子さんがいるのが普通である。中心役を誰に託すかで、悩む人は多い。託したい人には他の子より遺産分配が多くなるのが当然だろう。となると誰しも自分亡きあとの子孫間の確執を連想する。「難し過ぎる」、「想像がつかない」、「考えたくない」となって、「うまくやってくれるはず」で終わってしまう。さて問題はここからだ。実行が難しくても書き上げなくてはならない。この領域の専門家は次のように述べる。まず遅くとも75歳までには仕上げること、さもないと仕上げへの意欲も合理的な判断力も失われてしまうから。次に、当事者である親子の話し合いが出発点だが、信託銀行など企業を排除することだと言う。なぜなら企業の関与は当事者にとって得でないことが多いからだそうだ。したがって、合法的、合理的な生前贈与を勧める。ちなみに、筆者は最近、『徒然草』において吉田 兼好が生前贈与を勧めていると知った1)。これらが当事者の努力なら、行政や法曹界からも工夫が必要だろう。まず家庭の人間模様に応じた典型例のケーススタディは欲しい。それぞれのポイント解説や法的・制度的なレクチャーは不可欠だ。また個々人の「考えたくない」点を中心に相談し、解決策を探るには、有資格のコンシェルジュの育成や制度も要るだろう。加えて多くの国民に、これは自分事と思っていただかねばならない。過去に自死予防のためにうつ病の初期発見に注目した「お父さん眠れている?」いうキャッチフレーズが広まった。この先例に倣って、ご本人が当事者で国民なら誰でもが知っている著名人に「私はこうやって書き終えました」とやってもらえないかと愚考する。参考1)吉田 兼好. 『徒然草』第百四十段「身死して財残る事は、智者のせざる処なり」.

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第208回 「地域ごとの医師の数の割り当てを、本気で考えなければならない時代に入ってきた」と武見厚労大臣、地域偏在、診療科偏在の解消に向け抜本策の検討スタート

医師の偏在対策はこれからの医療政策の大きな課題にこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。日本のプロ野球では、中日ドラゴンズの好調が続いています。4月15日時点の勝率は8勝4敗2分の6割6分7厘でセ・リーグ1位。2年連続最下位のチームとは思えない快進撃ぶりです。昨年、“令和の米騒動”で話題となった立浪ドラゴンズについては、この連載の第206回で「今年もAクラス入りは厳しいのではと感じた次第です」と書いたばかりで少々戸惑っています。やはり、中田 翔選手の加入(打点増)がプラスに働いているのかもしれません。本来の“ドラゴンズらしさ”が出てくるまで、もう少し様子を見てみたいと思います。さて今回は、先週の日曜日(4月7日)の朝、NHK総合で放送された「日曜討論」での武見 敬三厚生労働大臣の「地域ごとに医師数割当」発言について書いてみたいと思います。2024年の診療報酬改定・介護報酬改定の同時改定も終わり、医療の世界では中長期的な制度改革の議論が始まっています。医師の地域偏在や、診療科での偏在はこれまで幾度も議論が行われてきましたが、決定的な解決策は出ていません。次の“地域医療構想”の議論も始まった中、医師の偏在対策は、これからの医療政策の大きな課題になってくるかもしれません。「医師の偏在を規制によってきちんと管理していくことを我が国もやらなければならない段階に入ってきた」と武見厚労相4月7日放送の「日曜討論」は「医療」がテーマでした。武見厚労相のほか、横倉 義武日本医師会名誉会長ら専門家が議論しました。この中で武見厚労相は、医師の偏在対策について「今まで、入学試験に地域枠を設けるなど色んな試行錯誤をしてきたがまだまだ偏在を解消できない。ここまで来ると、地域において医師の数の割り当てを、本気で考えなければならない時代となった。したがって、医師の偏在を規制によってきちんと管理していくことを我が国もやらなければならない段階に入ってきた」と述べ、地域偏在や診療科偏在の是正を、これまでとは違ったやりかたで検討していくべきだという考えを示しました。「地域において医師の数の割り当てを、本気で考えなければならない時代となった」「医師の偏在を規制によってきちんと管理していくことをやらなければならない」といった発言は、厚労相としては相当踏み込んだ発言と言えます。実際、この発言はNHKの番組内でのものにもかかわらず、4月7日付の朝日新聞デジタルや、4月8日付の日本経済新聞でも報道されました。日本経済新聞の記事のタイトルは、「医師の偏在『規制で管理』」というもので、国が医師数を「規制する」に力点が置かれていました。その後、武見厚労相の発言はさらに勢いを増します。4月15日付の朝日新聞の報道によれば、武見厚労相は、この日開かれた衆院決算行政監視委員会で「単に医師の増員によって医師不足が解消できるかといったら、そうではなかった。規制を含めて、前例にとらわれない方法で問題を解決する政治的リーダーシップが必要」と述べ、医師偏在問題を解消するため規制の導入も視野に入れ、年末までに具体策をまとめる方針を示し、厚労省内に検討チームの設置を指示したとのことです。ちなみに、朝日新聞デジタルは4月15日付で、「『医師偏在を規制で管理』 役人も仰天の武見厚労相発言 本気度は?」というタイトルの記事を配信、「武見氏の発言は省内に波紋を広げた。厚労省幹部は『憲法違反になる。大臣の頭の中はさっぱりわからない』と話す。別の幹部も『医師会からどれだけ反対されると思っているのか。国が強制的に割り当てるなんて無理だ』と驚く」と厚労省内の戸惑いを報じています。朝日新聞報道によれば、武見厚労相は、政府が毎年6月にとりまとめる「骨太の方針」に大きな方向性を盛り込み、年末までに具体的な方向性を提示する考えとのことです。「三位一体改革」の一つ、「実効性のある医師偏在対策の着実な推進」医師の偏在対策については、国も手をこまねいてきたわけではありませんが、実際のところ、実効性に乏しいものばかりでした。コロナ禍の前まで、厚労省は2040年を展望した医療提供体制の改革として、盛んに「三位一体改革」という言葉を使っていました。当時は、2025年を目標年とした地域医療構想の実現に取り組みはじめたところで、政府は少子高齢化の進展、人口減に伴う医療人材の不足などにも対応するため、「地域医療構想の実現」、「医師・医療従事者の働き方改革の推進」、「実効性のある医師偏在対策の着実な推進」の3つを同時に進めることが重要だと考えていました。この方針は基本的に今でも踏襲されています。「医師の働き方改革」は本年度からいよいよスタート、「地域医療構想」も来年に目標年を迎えます。この2つの施策は一応進展を見せている一方で、「医師の偏在対策」だけは、その効果はほとんど出ていないのが現状です。そうした中で期待されているのが、2024年度から各都道府県で始まった「第8次医療計画」です。この中には「医師確保計画」が含まれており、これは2次医療圏を医師多数区域(医師偏在指標に照らして上位3分の1)、中間の区域、医師少数区域(同下位3分の1)に3区分し、地域の区分に応じた「医師確保計画」を作成する、というものです。地域枠の確保や、2次医療圏・3次医療圏間の医師の融通などが計画されている模様です。とは言うものの、全国レベルでの医師偏在が解決されない状況では、都道府県がどれだけ計画を立てても、その地域の医師数が足りていなければ計画の実現は困難です。武見厚労相の発言は、医療計画での医師確保計画の実現を後押しするため、国による規制の導入の必要性を訴えたものだと言えるでしょう。地域偏在と併せて深刻な診療科の偏在医師の地域偏在と併せて深刻なのは、武見厚労相も言及していた「診療科の偏在」です。3月19日、厚生労働省は「医師・歯科医師・薬剤師統計」の最新結果を取りまとめ、公表しました。それによると、全国の医師数は34万3,275人で、前回調査(2020年)に比べ1.1%増加。人口10万対医師数は274.7人で、前回に比べ5.5人増加しました1)。この調査では「従事する主たる診療科」も調べています。それによれば、前回調査時(2020年)と比較して医師数が増えた診療科は、美容外科(対前回比132.4%)、アレルギー科(110.7%)、産科(108.3%)、形成外科(106.8%)など。一方で医師数の減少が大きかったのは気管食道外科(95.4%)、小児外科(95.7%)、外科(96.7%)、心療内科(97.5%)、耳鼻咽喉科(97.7%)などでした。最近話題となっている、高収入で業務も比較的ラクな美容外科への転身が増えているのは、日本の医療提供体制にとって由々しき事態だと言えるでしょう。危機感を募らす医学会、「2023年度の調査で美容領域で医学部2つ分に相当するような多数の新規の医師採用があった」と指摘こうした現状に対し、日本の医学会も危機感を募らせています。2023年12月21日、142の学会で構成する日本医学会連合(門脇 孝会長)は、武見厚労相ら4大臣に「専門医等人材育成に関わる要望書」を手渡しました。要望書は、専門医の取得・維持と学位取得や研究が両立できる専門医制度と、専門医制度の充実と地域偏在・診療科偏在の課題解決について検討する必要性を指摘、その議論に医学会連合の参画を求める内容です。この中で、診療科偏在については、専門医制度におけるシーリング制度や、将来出てくるであろう類似の規制の問題点として、「職業選択の自由を奪うこと」「医学部卒業生や臨床研修医が十分な臨床的修練を経ずに保険診療以外の領域への大量流出に繋がる危険をはらむこと」「医師たちのモチベーションを下げること」などを指摘しつつも、各診療科の適正数の算定等の議論に各学会が積極的に関与していくという姿勢を見せています。なお、この要望書では、「確定的な数値ではありませんが、2023年度の関係諸機関の調査で、美容領域で医学部2つ分に相当するような多数の新規の医師採用がありました」と、自由診療、とくに医師たちの美容外科への“転向”を憂慮する一文もありました。憲法第22条の「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」という条文が最大のハードルか15年ほど前、当時の舛添 要一厚労相にインタビューしたことがあるのですが、診療科偏在の問題を問うた時、「憲法で職業選択の自由が保障されているからなあ。そこはとても難しい」と答えていたのが印象的でした。おそらく憲法第22条の「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」という条文が、医師数に関する規制を導入するにあたっての最大のハードルになっているのでしょう。というわけで、国、医学会、日本医師会などが議論して、医師の地域偏在や診療科偏在の解消に効果的な“規制”のルールをどこまで導入できるかはまだまだ未知数です。個人的には、医師養成には多額の税金が投入されていること、診療報酬にも税金が入っていること、そして、素人考えですが憲法第22条にある「公共の福祉」は地域の医療提供体制も包含した概念と解釈できそうなことを考えると、医師の診療科選択や配置についても、国の権限である程度のコントロールを行っても問題ないと思うのですが、皆さんいかがでしょう。まさか、韓国のように、医学生や医師のストライキが起きたりはしないと思いますが、もし医師偏在や診療科偏在を是正する何らかの“規制”が実現するとしたら、武見厚労相は、父上・武見 太郎元日本医師会長と同様、日本の医療の歴史に名を刻むことになるでしょう。参考1)医師数統計公表、増えた診療科・減った診療科-厚労省調査

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悪性黒色腫、個人情報を共有せずにAI診断は可能か?

 悪性黒色腫の人工知能(AI)診断モデルの開発には通常、大規模かつ集中化されたデータセットが必要であり、各施設による患者データの提供が求められ、これによりプライバシーに関する重大な懸念が生じている。そこで、ドイツがん研究センター(DKFZ)のSarah Haggenmuller氏らは、こうした懸念の払拭が可能とされる新たな機械学習の連合学習(federated learning)アプローチを取り入れた検討を行った。その結果、分散化された状態でのデータセット上で、浸潤性悪性黒色腫と母斑の分類が可能であることが示唆された。結果を踏まえて著者は、「連合学習は、悪性黒色腫のAI診断におけるプライバシー保護を改善すると同時に、機関や国をまたいだコラボレーションの促進が可能である。さらに、デジタルパソロジーやその他の画像分類タスクにも拡張できるだろう」と述べている。JAMA Dermatology誌2024年3月号掲載の報告。 研究グループは、悪性黒色腫のAI診断において、プライバシー保護の向上に寄与する連合学習アプローチが、従来の集中型(すなわち単一モデル)およびアンサンブル型の学習アプローチと同等の診断パフォーマンスを達成できるか検討した。 2021年4月~2023年2月に、ドイツの6つの大学病院で前向きに取得されたwhole-slide image(WSI、バーチャルスライド)を用いて、悪性黒色腫と母斑を病理診断するための連合学習モデルを開発。ホールドアウト検証データセットおよび外部検証データセットを用いて、同モデルのベンチマークを行った。データ分析は後ろ向きに2023年2~4月に実施した。 主要エンドポイントは、受信者動作特性曲線下面積(AUROC)で評価した各モデルの診断能。副次エンドポイントは、平均正解率(balanced accuracy)、感度、特異度などであった。 主な結果は以下のとおり。・本試験には923例から得られた臨床的に悪性黒色腫が疑われる皮膚病変のWSIが1,025件含まれた。内訳は、組織病理学的に確認された浸潤性悪性黒色腫388件と、母斑637件であった。・診断時の年齢中央値(範囲)は、トレーニングセットは58歳(18~95)、ホールドアウト検証データセットは57歳(18~93)、外部検証データセットは61歳(18~95)であった。・Breslow厚の中央値(範囲)は、トレーニングセット0.70mm(0.10~34.00)、ホールドアウト検証データセット0.70mm(0.20~14.40)、外部検証データセット0.80mm(0.30~20.00)。・ホールドアウト検証データセットでは、AUROCで評価した診断能は、連合学習アプローチ(0.8579、95%信頼区間[CI]:0.7693~0.9299)が、従来の集中型アプローチ(0.9024、0.8379~0.9565)と比べて有意に低かった(ペアワイズWilcoxon符号順位検定のp<0.001)。・しかし、外部検証データセットでは、連合学習アプローチ(0.9126、95%CI:0.8810~0.9412)が、従来の集中型アプローチ(0.9045、0.8701~0.9331)よりも有意に診断能が高かった(ペアワイズWilcoxon符号順位検定のp<0.001)。・連合学習アプローチは、ホールドアウト検証データセットおよび外部検証データセットの両者で、アンサンブルアプローチよりも診断能が低かった(それぞれ0.8579 vs.0.8867、0.9126 vs.0.9227)。

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認知機能低下の高齢者における活動時の疼痛の特徴

 神戸学院大学の中田 健太氏らは、アビー痛みスケール(APS)を用いて、認知機能が低下している高齢者の運動および活動に伴う疼痛を評価し、活動時の疼痛を効果的に反映するサブ項目を特定しようと試みた。Journal of Pain Research誌2024年3月5日号の報告。 富山県・池田リハビリテーション病院の筋骨格系疾患および認知機能低下を有する高齢患者225例を対象に横断的研究を実施した。歩行中または移動中の疼痛の評価には、言語式評価スケール(VRS)およびAPSを用いた。疼痛の有無や程度を最も正確に反映するAPSサブ項目を特定するため項目反応理論(IRT)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・運動に伴う疼痛スコアは、VRSで1.3±1.1、APSで2.5±2.6であった。・IRT分析では、疼痛の最も信頼できる指標として、発声、顔の表情、ボディランゲージの変化が抽出された。・これらの抽出された項目は、内部一貫性が良好であり(Cronbach's α=0.72)、VRSの変化と有意な正の相関が認められ(rs=0.370、p<0.001)、主観的な疼痛がある患者とない患者において有意な差が認められた。 著者らは「認知機能が低下している高齢者の運動および活動時の疼痛を最も正確に反映している指標として、APSのサブ項目である発声、顔の表情、ボディランゲージの変化が挙げられた。運動療法中の疼痛の評価やマネジメントの信頼性を高めるためにも、このようなアプローチは重要である」としている。

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「魚と酒」は「肉中心」より高血圧になりやすい!?~日本人男性

 食事パターンと高血圧発症の関連を検討した日本人男性における前向きコホート研究で、「魚介類とアルコール」より「肉類中心」や「乳製品/野菜中心」のほうが高血圧リスクが低かったことを、東北大学/中国・Heze UniversityのLongfei Li氏らが報告した。本研究では食事パターンの特定に、食物摂取頻度・食事行動・調理方法を考慮した「教師なし機械学習法」を用いている。European Journal of Nutrition誌オンライン版2024年2月25日号に掲載。 本研究は、2008年8月~2010年8月に仙台卸商研究に登録された仙台卸商センターに勤務する日本人男性のうち447人の最終データセットを解析に使用した。UMAP(一様多様体近似と投影)による次元の削減とK平均法によるクラスタリングを用いて、食事パターンを導出した。さらに、多変量ロジスティック回帰を用いて、食事パターンと高血圧発症率の関連を評価した。高血圧は、収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上、自己申告による高血圧歴、高血圧治療薬の使用のいずれかに当てはまる場合とした。 主な結果は以下のとおり。・食事パターンは「低タンパク質・低食物繊維・高糖類」「乳製品/野菜中心」「肉類中心」「魚介類とアルコール」の4パターンが特定された。・年齢・BMI・喫煙・学歴・身体活動・脂質異常症・糖尿病などの潜在的交絡因子を調整後、基準とした「魚介類とアルコール」と比較して、「乳製品/野菜中心」(オッズ比[OR]:0.39、95%信頼区間[CI]:0.19~0.80、p=0.013)と「肉類中心」(OR:0.37、95%CI:0.16~0.86、p=0.022)で高血圧リスクが低かった。・年齢を一致させたグループ解析でも同様の結果だった。 著者らは「本研究の方法は、食物摂取頻度・食事行動・調理方法を考慮した複雑な食事パターンに対する知見を提供できることから、従来の統計学的方法や主成分分析法(PCA)では見過ごされがちな隠れたパターンを明らかにするのに有用」としている。

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診療ファシリテーターの介入、CKDや高血圧患者の入院は減少せず/NEJM

 腎機能障害をもたらす3疾患(慢性腎臓病[CKD]、2型糖尿病、高血圧)を有する患者のケアに対し、電子健康記録(electronic health record:EHR)に基づくアルゴリズムと、医療従事者を支援する診療ファシリテーターを導入する介入は、通常ケアと比較して、1年の時点での入院の減少に至らないことが、米国・テキサス大学サウスウェスタン医療センターのMiguel A. Vazquez氏らが実施した「ICD-Pieces試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2024年4月4日号に掲載された。141のプライマリケア施設の実践的クラスター無作為化試験 ICD-Pieces試験は、米国の4つの大規模な保健システムに参加している141のプライマリケア施設で実施した実践的な非盲検クラスター無作為化試験であり、2016年7月~2019年6月に患者を募集した(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成を受けた)。 対象は、年齢18~85歳のCKD、2型糖尿病、高血圧を有する患者であった。試験参加施設を、介入群または通常ケア群に無作為に割り付けた。介入群には、患者を同定するためのEHRに基づく個別のアルゴリズムと、医療従事者がガイドラインに基づく介入を行えるよう支援する診療ファシリテーターを導入した。 主要アウトカムは、1年後のあらゆる入院であった。副次アウトカムは、救急診療部の受診、再入院、心血管イベント、透析、死亡などとした。副次アウトカムの発生率は同程度 介入群に71施設の5,508例(平均年齢68.1[SD 10.4]歳、男性53.7%)、通常ケア群に70施設の5,492例(68.9[10.3]歳、53.7%)を割り付けた。 1年時の入院率は、介入群が20.7%(95%信頼区間[CI]:19.7~21.8、1,139/5,508例)、通常ケア群は21.1%(20.1~22.2、1,160/5,492例)であり、両群間に有意な差を認めなかった(群間差:0.4ポイント、p=0.58)。 また、救急診療部受診(介入群24.3% vs.通常ケア群22.6%)、初回入院治療後の30日以内の再入院(37.7% vs.37.3%)、心血管イベント(18.5% vs.19.4%)、透析(0.7% vs.0.6%)、全死因死亡(2.3% vs.2.7%)のリスクも両群で同程度であった。有害事象も両群で同程度 有害事象の発生率は両群で同程度だった。最も頻度が高い有害事象は急性腎障害(介入群12.7% vs.通常ケア群11.3%)で、これ以外はいずれもまれであった。 著者は、「医療システム全体にエビデンスに基づくガイドラインを適用してアウトカムを改善するには、臨床意思決定支援などの別の技術が必要となる可能性がある」とし、「このようなツールを、現場での実践(boots on the ground)を行うファシリテーターと組み合わせれば、臨床医と患者がガイドラインに基づく治療を順守できるような支援が可能となるだろう。今後、エビデンスに基づくガイドラインの実践状況を改善し、この患者集団におけるガイドラインの有効性を評価するための研究が必要である」としている。

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週どのくらい身体を動かすと良い?[成人編]

週どのくらい身体を動かすことが推奨されている?[成人]⚫ 歩行またはそれと同等以上(3メッツ以上の強度)の身体活動を1日60分以上(=1日約8,000歩以上)⚫ 息が弾み汗をかく程度以上(3メッツ以上の強度)の運動を週60分以上⚫ 週2~3日の筋力トレーニング(週60分以上の運動に含めてもよい)+座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意3メッツ以上の強度の身体活動の例[3]家財道具の片付け、大工仕事、梱包 [3.3]掃き掃除、掃除機がけ[3.5]楽に自転車に乗る、階段を下りる、 軽い荷物運び、モップがけ、風呂掃除、庭の草むしり、車椅子を押す [4]自転車に乗る(通勤など)、階段を上る(ゆっくり)、動物と遊ぶ(歩く/走る、中強度)[5.8]子供と遊ぶ(歩く/走る、活発に)3メッツ以上の強度の運動の例[3]ボウリング、社交ダンス、ピラティス [3.5]自転車エルゴメーター、ゴルフ[3.8]腕立て伏せ、腹筋運動 [4]卓球、パワーヨガ、ラジオ体操第1[4.5]テニス、水中歩行 [5.0]野球、サーフィン、スクワット[5.3]ゆっくりとした平泳ぎ 、スキー [6.0]ゆっくりとしたジョギング筋力トレーニングの例腕立て伏せやスクワット、マシンやダンベルを使用して行うウェイトトレーニング出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」Copyright © 2024 CareNet,Inc. All rights reserved.

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英語で「健診で来院しました」は?【1分★医療英語】第126回

第126回 英語で「健診で来院しました」は?《例文1》I’m here for my annual physical.(年に1度の健康診断で来院しました)《例文2》He is here for a routine follow-up.(彼は定期受診のために来院しています)《解説》“I’m here for a check-up.”は、患者さんが医師に対して、「健康診断のために来院した」ことを伝えるフレーズです。とてもシンプルな表現ですが、主訴を明確に伝えるための重要な表現でもあります。何かを明確に伝えたいとき、表現はシンプルなほうがよく、ミスコミュニケーションを避けたい医療現場ではとくに、このようなシンプルな表現が好まれます。なお、健康診断は“check-up”と言ったり、《例文1》のように“annual physical”と表現したりしますので、これらも併せて覚えておきましょう。医師同士で患者の主訴について伝達する際には、“Mr. X presented with chest pain”のように、“present with”というフレーズもよく使いますが、そんな場面でも“Mr. X is here for chest pain”と表現してもまったく問題ありません。このような「超基本」のフレーズをしっかりマスターすることで、英語圏の医療機関でのコミュニケーションがより円滑になると思います。講師紹介

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C5阻害薬との併用で血管外溶血を抑制する経口PNH治療薬「ボイデヤ錠50mg」【最新!DI情報】第13回

C5阻害薬との併用で血管外溶血を抑制する経口PNH治療薬「ボイデヤ錠50mg」今回は、補体D因子阻害薬「ダニコパン(商品名:ボイデヤ錠50mg、製造販売元:アレクシオンファーマ)」を紹介します。本剤は、補体(C5)阻害薬と併用することで、発作性夜間ヘモグロビン尿症患者の輸血の必要性が軽減し、患者QOLや転帰が改善することが期待されています。<効能・効果>発作性夜間ヘモグロビン尿症の適応で、2024年1月18日に製造販売承認を取得しました。本剤は、補体(C5)阻害薬による適切な治療を行っても十分な効果が得られない場合に、補体(C5)阻害薬と併用して投与します。<用法・用量>通常、成人には、補体(C5)阻害薬との併用において、ダニコパンとして1回150mgを1日3回食後に経口投与します。効果不十分な場合には1回200mgまで増量することができます。なお、本剤を漸減せずに中止した場合は肝機能障害が現れる恐れがあるため、本剤の投与を中止する場合は最低6日間かけて、1回100mgを1日3回3日間、その後1回50mgを1日3回3日間投与してから中止します。<安全性>本剤により、髄膜炎または敗血症を発症し、急速に生命を脅かす、あるいは死亡に至る恐れがあるため、初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血など)の観察を十分に行う必要があります。また、肺炎球菌やインフルエンザ菌などの莢膜形成細菌による重篤な感染症(頻度不明)が現れることがあります。その他の主な副作用として、肝酵素上昇(ALT上昇、トランスアミナーゼ上昇など[5%以上])などがあります。<患者さんへの指導例>1.この薬は、発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療に用いる薬です。補体(C5)阻害薬で効果が不十分な場合に、C5阻害薬と併用して投与されます。2.C5阻害薬の治療中に生じる血管外溶血を防ぎ、輸血の必要性を軽減します。3.投与中に発熱や悪寒、頭痛など感染症を疑う症状が現れた場合は、たとえ軽度であっても主治医に連絡し、直ちに診察を受けてください。4.肝機能検査値異常が起きることがあるので、定期的に肝機能検査を受けてください。<ここがポイント!>発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は血管内溶血およびヘモグロビン尿を特徴とする造血幹細胞疾患です。治療には、補体(C5)阻害薬であるエクリズマブやラブリズマブが用いられ、終末補体経路を持続的に阻害することで血管内溶血を効果的に防ぐことができます。しかし、一部の患者では、終末補体経路の活性化を阻害することで、補体(C3)フラグメントがPNH赤血球の膜上に蓄積して血管外溶血が顕在化し、頻回の輸血が必要になることがあります。そのため、2023年9月よりC3とC3bをターゲットとしたペグセタコプランが臨床使用されていますが、ペグセタコプランで効果が不十分の場合はより重篤なブレイクスルー溶血が懸念されます。ダニコパンは、補体D因子のセリンプロテアーゼ活性を阻害し、補体第二経路の活性化を阻害することでC3フラグメント沈着を阻止します。したがって、血管内溶血を抑制するC5阻害薬とダニコパンを併用することで、血管外溶血も抑制することが期待されます。ダニコパンは生命予後に影響を及ぼす血管内溶血を抑制する、C5阻害薬と併用可能な唯一の経口PNH治療薬です。ラブリズマブまたはエクリズマブが投与されていて血管外溶血が認められるPNH患者を対象とした国際共同第III相試験(ALPHA試験:ALXN2040-PNH-301試験)において、主要評価項目である投与12週時点のヘモグロビン濃度のベースラインからの変化量の最小二乗平均値(標準誤差)は、ダニコパン群で2.940(0.2107)g/dL、プラセボ群で0.496(0.3128)g/dLであり、ダニコパンの優越性が示されました(p<0.0001)。また、副次評価項目である輸血回避できた患者の割合(投与開始から12週間)は、ダニコパン群83.3%、プラセボ群38.1%で、有意な差が認められました(p=0.0004)。

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問診【とことん極める!腎盂腎炎】第1回

問診を極める Teaching point(1)腎盂腎炎は腹痛・嘔吐などの消化器症状を呈することがある(2)高齢者の腎盂腎炎では食思不振・倦怠感など、非特異的な症状で来院することがある(3)腎盂腎炎と診断するにはほかの感染症の可能性についても考慮しなければならないはじめに腎盂腎炎の診断は非常に難しい。とくに典型的な症状が出現しやすい若い女性に比べて、高齢者の腎盂腎炎の診断は細菌尿・膿尿の評価や身体所見の乏しさに加え、非典型的な症状で来院することも多く、診断に難渋することも多いと思われる。今回は腎盂腎炎の診断基準について再度確認し、主に若年女性と高齢者に生じる腎盂腎炎の患者層における問診のポイントについて説明する。そして、腎盂腎炎に間違えられやすい、除外するべき疾患について提示する。1.一般的な診断基準腎盂腎炎に明確な診断基準はない。しかし、一般的に「膿尿もしくは細菌尿」に加え「側腹部の痛みもしくは圧痛」を伴う患者を腎盂腎炎の可能性が高いと判断することについては、コンセンサスが得られていると思われる。一方、実臨床では発熱で来院した患者に側腹部の痛みや圧痛(CVA叩打痛など)がなくても、精査のうえその他の熱源がわからず、尿路感染症として治療している症例も多いのではないだろうか。CVA叩打痛は膀胱炎や尿道炎を含む非閉塞性の尿路感染症の診断において、陽性尤度比1.7、陰性尤度比0.9と報告されている1)。診断の一助になるが、CVA叩打痛がないことで腎盂腎炎の否定はできない。また、「発熱」についてもすべての症例でみられるわけではなく2)、発熱がないからといって腎盂腎炎の除外ができないことは注意が必要である。2.問診のポイント発熱・側腹部痛の典型的な症状を呈している場合に腎盂腎炎を疑うことは簡単であるが、診断に悩むのは側腹部痛がないときである。腎盂腎炎は腹痛・嘔気・嘔吐のような消化器症状を示すことはよく知られており、消化器症状を診察した際に腎盂腎炎を鑑別にあげることは重要である。悪寒・戦慄は一時的に生じ、来院時は収まっていることも多いため、必ずさかのぼって聴取する。女性において、排尿時痛や頻尿、尿意切迫感は腎盂腎炎のうち83%でみられたという報告があり、腎盂腎炎の診断の参考所見になり得る3)。しかし、これのみでは膀胱炎や、腟炎・子宮頸管炎などの女性器感染症と区別ができない。腟のそう痒感や帯下の悪臭は女性器感染症らしさを高める症状であり、こういった症状がない場合には尿路感染症らしさが高くなる4)。膀胱炎のリスクファクターは腎盂腎炎のリスクファクターになり得るため、性活動歴や新しいセックスパートナーの有無、膀胱炎の既往などをクローズドに問診する。高齢患者においては腎盂腎炎に限らず感染症全般にいえることであるが、いつもより元気がない、なんとなくいつもと違う、食欲低下などの非特異的な症状で感染症を生じていることがある。むしろ、救急外来を受診した高齢者においては複雑性尿路感染症の患者ははっきりしない症状がある、尿路症状を欠くといった非典型症状を呈した症例の方が多かったという文献もあり5)、高齢者の体調不良では常に腎盂腎炎を頭に浮かべることが重要である。非特異的な症状で敗血症を疑うポイントとして筆者が重要と考えているのがバイタル、とくに呼吸数である。よくわからない症状で来院した高齢者こそバイタルの変化に敏感になり、少々閾値を低くしても感染症の検索を行うことが重要と筆者は考えている。3.除外すべき疾患腎盂腎炎の診断において重要な点は、ほかの疾患の除外である。高齢者の場合や膀胱留置カテーテルなどの異物がある場合は無症候性細菌尿を示すことも多く、細菌尿もしくは膿尿+発熱で安易に腎盂腎炎と診断してはいけない。発熱・側腹部痛の症状で来院し得る胆嚢炎や胆肝炎、肝膿瘍などの肝胆道系感染症については確実に除外が必要である。そのほかにも虫垂炎、憩室炎や骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory disease:PID)、化膿性脊椎炎などは鑑別診断になり得る6)。また、尿検査で異常があっても側腹部痛の症状がない場合、男性では前立腺炎も重要な鑑別になる。炎症性疾患でなくても尿管結石や大動脈瘤切迫破裂などは側腹部痛をきたすため、病歴や既往などで疑わしい場合は画像検査を行う必要がある。筆者は発熱・側腹部痛で受診し、細菌尿・膿尿を呈していた高齢者が画像検査の結果、感染性大動脈瘤の切迫破裂と判明し、高次医療機関に転院搬送した症例を経験したことがあり、腎盂腎炎の診断の難しさを改めて実感した。1)Bent S, et al. JAMA. 2002;287:2701-2710.2)Herness J, et al. Am Fam Physician. 2020;102:173-180.3)Scholes D, et al. Ann Intern Med. 2005;142:20-27.4)Fihn SD. N Engl J Med. 2003;349:259-266.5)Limpawattana P, et al. Arch Gerontol Geriatr. 2016;62:97-102.6)Johnson JR、Russo TA. N Engl J Med. 2018;378:48-59.

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第210回 リンパ節にミニ肝臓を作る治療の臨床試験開始/抗菌薬で心不全治療?

リンパ節にミニ肝臓を作る治療の臨床試験開始末期肝疾患(ESLD)患者の肝臓機能を担うことを目指してリンパ節を肝臓化する治療が第IIa相試験(Ph2a試験)で初めてヒトに施されました1,2)。初めて投与されたのはLyGenesis社のLYG-LIV-001という名称の開発品です。LYG-LIV-001は寄付された肝臓から段階を追って念入りに単離された肝細胞です。1つの肝臓から多ければ75例に移植できる量を製造できます3)。Ph2a試験はESLD患者12例を募っています。今回、その最初の患者の肝臓近くのリンパ節に超音波と内視鏡を使って肝細胞5千万個を含むLYG-LIV-001が投与されました。肝臓近くのリンパ節に投与するのは肝臓の助けを借りるためです。肝臓は再生能を有する唯一の臓器であり、たとえ損傷しても再生のための増殖因子やその他の分子を放ちます。肝臓の近くでLYG-LIV-001はそれらの信号を受け取って肝臓構造を形成します。そうしてLYG-LIV-001はリンパ節に根付き、増殖して肝臓の役割を担うことを目指します。LYG-LIV-001投与患者は1年間観察され、安全性や治療の許容のほどの検討に加えて、ESLDの症状や状態への効果も調べられます。LyGenesis社の臓器再生技術は肝臓にとどまらず、胸腺、腎臓、膵臓などの他の臓器の再生にも応用できそうです。実際、老齢胸腺、末期腎不全(ESRD)、1型糖尿病(T1D)の臓器再生細胞治療の前臨床開発に同社は取り組んでいます。LYG-LIV-001を含むLyGenesis社の開発品は遺伝的加工を含まないのでより短期間でより安く作ることができます。また、遺伝的加工につきものの害の心配もありません。米国で1万例弱が肝臓移植の待機者リストに名を連ねています。多くは移植までに数ヵ月から長ければ数年待たねばなりません。また、移植に至る前に死んでしまう患者も多く、待機者リストの患者の12%ほどが毎年亡くなっています。LYG-LIV-001が有効なことが裏付けられれば肝疾患治療が一新するかもしれません。LyGenesis社の技術の実用化によってわずか数年のうちに肝臓移植の待機者リストが不要になりうると同社の舵を取る最高経営責任者(CEO)Michael Hufford氏は言っています2)。抗菌薬で心不全治療?薬による臓器再生の研究でも進展があり、承認済みの意外な薬2つの心臓再生作用が、大型動物ブタを含む実験で示されました。Meis1とHoxb13と呼ばれる協調する2つの転写因子を省くことで成体の心筋細胞の細胞周期停止が解除され、心筋梗塞マウスの左心室機能が向上することが、米国のテキサス大学南西医療センター(UTSW)のHesham Sadek氏らの先立つ研究で示されています4)。よってMeis1やHoxb13の転写活性阻害による心筋細胞の増加は心臓再生手段として有望です。Sadek氏らのさらなる研究5,6)で見付かったのが、Meis1とHoxb13の転写活性を阻害してどうやら心臓再生を促す米国FDA承認薬2つです。2つともアミノグリコシド系抗菌薬で、1つはパロモマイシン、もう1つはネオマイシンです。Hoxb13はMeis1を介添えし、Meis1を細胞の核内へと運ぶ役割を担います7)。パロモマイシンとネオマイシンはどちらもMeis1に結合します。結合領域はHoxb13と相互作用する部位の近くです。成体のマウスやブタの心筋梗塞(心虚血/再潅流障害)後にそれら2つとも投与したところ心筋細胞が増え、左心室機能が改善し、瘢痕を減らすことができました。Sadek氏らの今回の成果は臨床試験での検討をより現実的なものにしており6)、心筋梗塞後に高頻度で生じる心不全をパロモマイシンとネオマイシンで治療できる日がもしかしたら来るかもしれません8)。参考1)LyGenesis Announces First Patient Dosed in its Phase 2a Clinical Trial of a First-in-Class Regenerative Cell Therapy for Patients with End-Stage Liver Disease / PRNewswire 2)Therapy that turns lymph nodes into livers gets first human trial / (NewScientist)3)This Bag of Cells Could Grow New Livers Inside of People / WIRED4)Nguyen NUN, et al. Nature. 2020;582:271-276.5)Ahmed MS, et al. Nature Cardiovascular Research. 2024;3:372-388.6)Heart Regeneration Induced by FDA-Approved Antibiotics / Genetic Engineering & Biotechnology News7)Helping the heart heal itself / Eurekalert8)Common antibiotics can regenerate heart cells in animals / NewScientist

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日本のCOPD患者、残存する症状への治療強化の少なさが課題?/AZ

 アストラゼネカは2024年4月8日付のプレスリリースにて、多施設共同前向き観察研究「EBISU study」および後ろ向き観察研究「REMIND study」の2つの結果を2024年4月5~7日に開催された第64回日本呼吸器学会学術講演会で報告したことを発表した。 日本の多施設共同前向き観察研究であるEBISU studyにおいて、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療配合剤であるビレーズトリエアロスフィア(一般名:ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物の3剤配合剤、以下「ビレーズトリ」)が、喘息合併あるいは喘息既往のないCOPD患者の症状やQOLを12週間で改善させたという結果が示された。ビレーズトリ投与開始前(ベースライン)から12週間のCAT※1スコアの平均変化量は-2.9であり、有意な改善が認められた。この値は、臨床的意義のある最小変化量である2を上回っていた。同様に、疾患特異的QOLを評価するSGRQ※2スコアにおいても、ベースラインから12週間の平均変化量は-2.7であり、有意な改善が認められた。また、両スコアは共に4週後および12週後においても有意に改善した。 日本の多施設共同前向き観察研究COPDコホートで取得したデータを二次利用した後ろ向き観察研究REMIND studyでは、COPD患者における吸入薬治療別のCATを用いた患者報告アウトカムと治療変更の実態が日本で初めて示された。コホート組み入れ時に長時間作用性抗コリン薬(LAMA)、LAMA+長時間作用性β2刺激薬(LABA)、吸入ステロイド(ICS)+LABAのいずれかで治療中の患者において、CATスコアが10ポイント以上(CAT≧10)の症状が残存している割合はそれぞれ32.9%、55.0%、50.0%であることが示された。また、コホート組み入れ時にLAMA、LAMA+LABA、ICS+LABAで治療中のCAT≧10の患者において、1年後に治療をステップアップした患者の割合はそれぞれ12.0%、10.5%、5.3%であり、治療を変更していない患者の割合は76.0%、81.8%、84.2%であった。さらに、組み入れ時に症状の残存がCAT≧10であった患者のうち、1年後の時点でも変わらずCAT≧10であった患者の割合はそれぞれ84.2%、73.6%、66.7%であることが明らかとなった。※1 CAT(COPD assessment test):COPDが健康と日常生活にどのような影響を与えているか、COPD患者と主治医が知り共有する質問票であり、CATスコアが10点以上は症状が強く、治療介入あるいは治療強化が必要とされている。※2 SGRQ(St. George’s Respiratory Questionnaire):COPDにおける疾患特異的な健康関連QOL評価尺度であり、症状、活動、影響の3領域、計50項目の質問から構成される。0から100のスケールでスコア化され、100は最も悪い状況を示す。

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糖尿病になりやすい食習慣は?~日本人13万人10年間の調査

 朝食を抜く、早食いをする、間食をするといった食習慣が2型糖尿病の発症と関連することが欧米の研究で示されている。本邦においても食習慣と糖尿病発症の関係が検討されており、朝食を抜く、早食いをするといった食習慣が2型糖尿病の発症と関連するという報告がある1,2)。ただし、これらの研究にはサンプルサイズが小さい、もしくは追跡期間が短いといった限界が存在していた。そこで、京都府立医科大学の豊國 恵麻氏らの研究グループは、日本人約13万例を対象に、追跡期間10年間のコホート研究を実施した。その結果、とくにBMI 25kg/m2未満の集団では、早食いをする、就寝前2時間以内に夕食を食べるといった食習慣が2型糖尿病のリスクとなることが示された。本研究結果は、Journal of Diabetes Investigation誌オンライン版2024年4月2日号で報告された。 研究グループは、2008~18年に健診を受けた糖尿病罹患歴のない12万8,594例を対象としたコホート研究(パナソニックコホート研究)を実施した。対象者を最長10年間追跡し、食習慣(朝食を抜くことが週に3回以上ある、食べる速度が速い/普通/遅い、夕食後の間食が週に3回以上ある、就寝前2時間以内に夕食を食べることが週に3回以上ある)と2型糖尿病の発症の関係を検討した。また、BMI別(25kg/m2未満/超)に同様の検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中(平均追跡期間:6.4年)に6,729例(5.9%)が2型糖尿病を発症した。・朝食を抜く、早食いをする、夕食後に間食をする、就寝前2時間以内に夕食を食べるといった食習慣は2型糖尿病の発症リスクを有意に上昇させた。ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は以下のとおり。 -朝食を抜く:1.33、1.24~1.43 -早食いをする(対照:ゆっくり食べる):1.96、1.73~2.21 -普通の速さで食べる(同上):1.39、1.23~1.57 -夕食後に間食をする:1.07、1.003~1.14 -就寝前2時間以内に夕食を食べる:1.08、1.03~1.14・BMI 25kg/m2未満の集団では、早食いをする(HR:1.61、95%CI:1.37~1.90)、就寝前に夕食を食べる(同:1.09、1.02~1.17)といった食習慣が2型糖尿病の発症リスクを有意に上昇させた。・BMI 25kg/m2以上の集団では、早食いをする(HR:1.08、95%CI:0.89~1.30)、就寝前2時間以内に夕食を食べる(同:0.94、0.88~1.01)といった食習慣は2型糖尿病の発症との関連が認められなかった(それぞれp for interaction=0.0007、0.007)。

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統合失調症治療における抗精神病薬単剤療法と多剤併用療法の有効性

 統合失調症スペクトラム障害患者の抗精神病薬単剤療法と多剤併用療法について、救急での使用状況、興奮や攻撃性を伴う症状、再入院に対する有効性の違いは、いまだ明らかになっていない。トルコ・チャナッカレ・オンセキズ・マルト大学のSukru Alperen Korkmaz氏らは、同患者における抗精神病薬の単剤療法と多剤併用療法のリアルワールドでの有効性を評価するため本研究を実施した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2024年3月5日号の報告。 本研究は、救急受診で入院した統合失調症スペクトラム障害患者669例を対象に、電子健康記録のデータを用いて実施された。対象患者を初回入院時の抗精神病薬使用状況に応じて、(1)抗精神病薬の服薬アドヒアランス不良期間が90日超、(2)同期間が15~90日、(3)抗精神病薬単剤療法、(4)同多剤併用療法の4群に分類した。すべての患者を初回入院後1年以上フォローアップした。主要アウトカムは、初回入院後の抗精神病薬単剤療法群と多剤併用療法群における、すべての原因による精神科入院との関連性とした。 主な結果は以下のとおり。・抗精神病薬の服薬アドヒアランス不良群は、単剤療法群または多剤併用療法群と比較し、救急受診率が高く、入院および、興奮や攻撃性を伴う入院が多かった。これらの結果には、単剤療法群と多剤併用療法群で差が認められなかった。・単剤療法群と多剤併用療法群の入院リスクに差はみられなかった。・フォローアップ期間中、退院後の再入院率は、単剤療法群と多剤併用療法群で差が認められなかった。 結果を踏まえて著者らは、「抗精神病薬の単剤療法より多剤併用療法を推奨する明確なエビデンスはなく、治療抵抗性でない患者では、抗精神病薬の単剤療法が多剤併用療法よりも望ましい可能性が示唆された」としている。

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