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閉経後早期乳がんへの術前内分泌療法、フルベストラントvs.フルベストラント+AI vs.AI/JAMA Oncol

 エストロゲン受容体(ER)陽性/ERBB2陰性の閉経後進行乳がん患者において、アナストロゾールへのフルベストラントの追加が生存率を改善させたことが報告されているが、早期乳がんにおける試験は行われていない。米国・Washington University School of MedicineのCynthia X. Ma氏らは、ER-rich/ERBB2陰性の閉経後早期乳がん患者における術前内分泌療法(NET)としてのフルベストラント単剤およびアナストロゾールとの併用療法が、アナストロゾール単剤療法に比べて優れるかどうかについて検討した第III相無作為化試験の結果を、JAMA Oncology誌オンライン版2024年1月18日号で報告した。 本試験はStageII~III、ER-rich(Allred score:6~8または>66%)/ERBB2陰性の閉経後乳がん患者が対象。アナストロゾール群(A群)、フルベストラント群(F群)、アナストロゾール+フルベストラント群(A+F群)に無作為に割り付けられ、それぞれ術前6ヵ月間の投与を受けた。 主要評価項目は内分泌感受性疾病率(ESDR)。副次評価項目は4週間のNET後のKi-67スコアの変化率(4週目のKi-67抑制効果)とされた。Ki-67スコアは4週目、および必要に応じて12週目に評価され、いずれかの時点で10%を超えた場合、術前化学療法または即時手術に切り替えられた。 主な結果は以下のとおり。・2014年2月~2018年11月までに、1,362例の女性患者(平均[SD]年齢:65.0[8.2]歳)が登録された。・評価可能な1,298例において、ESDRはA群18.7%(95%信頼区間[CI]:15.1~22.7)、F群22.8%(95%CI:18.9~27.1)、A+F群20.5%(95%CI:16.8~24.6)であった。・A群と比較して、フルベストラントを含むレジメンはどちらもESDRまたは4週目のKi-67抑制効果を有意に改善しなかった。・4週目または12週目でKi-67スコアが10%を超えた割合は、A群25.1%、F群24.2%、およびA+F群15.7%であった。・4週目または12週目でKi-67スコアが10%を超え、術前化学療法に切り替えた後、病理学的完全奏効(pCR)は167例中8例、residual cancer burden(RCB)-Iは167例中8例で確認された(pCR/RCB-I率:15.0%、95%CI:9.9~21.3)。・ベースラインのPAM50サブタイプについてデータが得られた753例(58%)において、Luminal Aは394例、Luminal Bは304例、non-Luminalは55例であった。・Luminal Bにおいて、A+F群はA群と比較して4週目のKi-67抑制効果が高かった(中央値[IQR]:-90.4%[-95.2~-81.9] vs.-76.7%[-89.0~-55.6]、p<0.001)。この傾向はLuminal Aではみられなかった。・non-Luminalの36例(65.5%)では、4週目または12週目のKi-67スコアが10%を超えていた。 著者らは今回の結果を受けて、ER-rich/ERBB2陰性の閉経後早期乳がん患者におけるNETとしての標準治療はアロマターゼ阻害薬で変更はないとしたうえで、探索的分析で明らかになったPAM50サブタイプによるNETへの反応の違いについてはさらなる検討が必要としている。

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休暇中に働く医師、燃え尽き症候群のリスク高い

 超過勤務が多くなりがちな医師は、燃え尽き症候群(バーンアウト)のリスクが高いという報告は数多い。また、労働者全般を対象とした研究では、休暇中に仕事を完全に切り離すことも重要であり、生産性を向上させ、精神的疲労を軽減させることが報告されている。医師における休暇の取得と休暇中の労働は、燃え尽き症候群や職業的充実感とどのように関連しているのか。米国医師会のChristine A. Sinsky氏らによる研究の結果がJAMA Network Open誌2024年1月2日号に掲載された。 研究者らは米国の医師を対象に、2020年11月20日~2021年3月23日に調査票による横断調査を実施した。データ解析は2023年3~7月に実施した。過去1年間に取得した休暇日数、休暇中に患者ケアおよびその他の専門的業務に費やした時間(1日当たり)、休暇中の電子カルテ(EHR)に来た業務のカバー率、休暇取得の障壁についての情報が収集された。バーンアウトはMaslach Burnout Index、職業的充実感はStanford Professional Fulfillment Indexを用いて測定した。 主な結果は以下のとおり。・休暇に関する調査に回答した米国人医師3,024人(年齢中央値50歳、男性62%)が対象となった。過去1年間に15日以下の休暇を取得した医師は59.6%で、うち6~15日が39.7%、5日以下が19.9%だった。年間15日以上の休暇を取得した医師の割合が高い診療科は麻酔科、放射線科で、最も低いのは救急科だった。・その一方で、70.4%の医師が休暇中に患者ケアに関連した業務を行った、と回答しており、うち休暇日1日当たり30分以下の勤務が37.3%、30~60分が18.3%、60~90 分が7.3%、90分以上が7.4%だった。・休暇中、「電子カルテの業務が完全にカバーされている」と報告した人は半数以下(49.1%)だった。・休暇取得にまつわる懸念として、「臨床をカバーしてくれる人を見付けること」「経済的な懸念」に対して「かなりある」「非常にある」(5段階の選択肢)との回答は、年間15日以上の休暇を取得する可能性の低下と関連していた。・「年間15日以上の休暇取得」「休暇中の電子カルテ業務の完全カバー」との回答は、バーンアウト率の低下と関連していた。・一方、休暇日1日当たり30分以上を患者ケアに関連した業務に費やすことは、バーンアウト率の上昇と関連していた。 著者らは「休暇の取得日数と、休暇中に患者関連の業務を行うことは、医師の燃え尽き症候群と関連していた。医師が適切に休暇を取得し、臨床責任をカバーできるシステムレベルの取り組みを行うことが、医師の業務負担を軽減させる可能性がある」としている。

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肝線維化を伴うNASHへのresmetirom、52週での有用性/NEJM

 肝線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に対し、開発中のresmetiromの80mgおよび100mg投与はプラセボとの比較において、NASH消失および肝線維化ステージの1段階以上の改善に関して、優れていることが示された。米国・Pinnacle Clinical ResearchのStephen A. Harrison氏らが、第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験「MAESTRO-NASH試験」の結果を報告した。NASHは進行性の肝疾患で、現在までに承認された治療薬はない。resmetiromは、肝指向性の経口選択的甲状腺ホルモン受容体β作動薬で、先行する第IIおよび第III相試験で、成人NASHに対する有効性、安全性を支持するデータが示されていた。NEJM誌2024年2月8日号掲載の報告。52週時点の肝線維化の悪化のないNASH消失などを比較 MAESTRO-NASH試験は、肝生検でNASHと診断された肝線維化ステージ(F0:肝線維化なし~F4:肝硬変)F1B、F2、F3の成人患者を対象に、resmetiromの有効性と安全性を評価する第III相試験で現在も進行中である。被験者は、1日1回のresmetirom 80mgまたは同100mgもしくはプラセボを投与されるよう無作為に1対1対1の割合で3群に割り付けられ、追跡評価を受けた。 本報告は52週時点の結果を報告するものである。同時点の主要エンドポイントは2つで、肝線維化の進展を伴わないNASH消失(非アルコール性脂肪性肝疾患[NAFLD]活動性スコア[範囲:0~8、高スコアほど重症であることを示す]が2ポイント以上低下など)と、NAFLD活動性スコアの悪化を伴わない肝線維化ステージの1以上の改善(低下)であった。NASH消失や肝線維化ステージ1以上の改善はresmetirom群で約24~26% 主要解析には、被験者計966例が含まれた(resmetirom 80mg群は322例、100mg群323例、プラセボ群321例)。 肝線維化の進展を伴わないNASH消失を認めた被験者の割合は、プラセボ群9.7%に対して、80mg群25.9%、100mg群29.9%であった(プラセボ群と比較した両resmetirom群のp<0.001)。NAFLD活動性スコアの悪化を伴わない肝線維化ステージ1以上の改善が認められた被験者の割合は、プラセボ群14.2%に対して、80mg群24.2%、100mg群25.9%であった(同比較のp<0.001)。 LDLコレステロール値のベースラインから24週目までの変化量は、プラセボ群+0.1%に対し、80mg群-13.6%、100mg群-16.3%であった(同比較のp<0.001)。 安全性の評価では、プラセボ群と比べてresmetirom群で下痢(プラセボ群15.6%、resmetirom 80mg群27.0%、100mg群33.4%)と悪心(12.5%、22.0%、18.9%)の発現頻度が高かった。重篤な有害事象の発現率は、3群間で同程度であった(11.5%、10.9%、12.7%)。

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心房細動のない心房性疾患患者の潜因性脳卒中、アピキサバンの再発予防効果は?/JAMA

 心房細動を伴わない心房性心疾患の証拠がある、潜因性脳卒中(cryptogenic stroke)を呈した患者において、アピキサバンはアスピリンと比較して脳卒中再発リスクを有意に低下しなかった。米国・Weill Cornell MedicineのHooman Kamel氏らが「ARCADIA試験」の結果を報告した。心房性心疾患は、臨床的に明らかな心房細動を認めない場合において、脳卒中と関連することが示されている。心房細動への有益性が示されている抗凝固療法が、心房性疾患を有するが心房細動は有さない患者の脳卒中を予防するかどうかは不明であった。JAMA誌オンライン版2024年2月7日号掲載の報告。1,015例を対象に有効性(脳卒中再発予防)と安全性を評価 ARCADIA試験は、潜因性脳卒中および心房性心疾患の証拠(PTFV1>5,000μV、NT-ProBNP>250pg/mL、心エコーでの左房直径≧3cm/m2と定義)がある患者において、脳卒中の二次予防のための抗凝固療法と抗血小板療法を比較する第III相の多施設共同二重盲検無作為化試験。試験登録と追跡調査は2018年2月1日~2023年2月28日に行われ、National Institutes of Health StrokeNet and the Canadian Stroke Consortiumに参加する185施設から患者1,100例を登録し、そのうち1,015例が試験に参加した。 被験者は、1対1の割合でアピキサバン群(5mgまたは2.5mgを1日2回投与、507例)またはアスピリン群(81mgを1日1回投与、508例)に無作為化され追跡評価を受けた。無作為化の時点で被験者に心房細動の証拠はなかった。 主要有効性アウトカムは脳卒中の再発で、time-to-event解析にて評価した。無作為化後に心房細動と診断された患者を含む全被験者を対象とし、無作為化した各群に従って解析が行われた。主要安全性アウトカムは、症候性頭蓋内出血およびその他の大出血であった。平均追跡期間1.8年で試験は中止に 平均追跡期間1.8(SD 1.3)年で、事前に計画された中間解析後に試験は無益であるとして中止となった。 被験者1,015例の平均年齢は68.0(SD 11.0)歳、女性が54.3%であり、87.5%が追跡期間の調査を完了した。 脳卒中再発の発生は、アピキサバン群40例(年率4.4%)、アスピリン群40例(年率4.4%)であった(ハザード比[HR]:1.00、95%信頼区間[CI]:0.64~1.55)。 症候性頭蓋内出血はアピキサバン群では発生せず、アスピリン群で7例(年率1.1%)に発生した。その他の大出血の発生は、アピキサバン群5例(年率0.7%)、アスピリン群5例(年率0.8%)であった(HR:1.02、95%CI:0.29~3.52)。

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第198回 被災地・能登半島でのコロナ感染増、その裏側にあった光景の一端

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の報告数が再び増加し始めている。2024年第5週(1月29日~2月4日)の全国定点当たりの報告数は16.15人。前週より1.22人増加し、2023年第46週(11月13日〜11月19日)の1.95人以降は増加の一途をたどっている。2022年11月から2023年2月末ぐらいまでの第8波当時を定点換算するとピーク時が30人前後、同じく2023年7~10月にかけての第9波が20人超なので、それと比べればまだマシとも言えるかもしれない。もっとも第9波以降は完全に定点観測に移行しており、検査を受けていない「隠れコロナ」の存在も考慮しなければならない。都道府県別で見ると、前週比で報告数が減少したのは6県のみ。逆に第9波レベルの定点当たり20人に到達しているのは9県で、最多は石川県の24.52人。いまだ先が見えない大地震被災地の能登半島地域も含めた石川県がこの状況というのは「泣きっ面に蜂」である。まさにこの2024年第5週は、私が輪島市門前町で活動していた日本薬剤師会の災害派遣ボランティアに同行していた時期でもあり、目にしたのはある断面に過ぎないが、確かに新型コロナ流行の兆しがあった。なんせ現地到着直後に飛び込んで来た最初の災害処方箋が新型コロナ治療薬のエンシトレルビル(商品名:ゾコーバ)だったくらいだ。この時は輪島市門前総合支所に据え置かれていたモバイルファーマシー周辺にいた薬剤師たちが、やや緊張を帯びた表情になったことを覚えている。そのうちの1人が「あれ?患者同意書は?」と口にした。緊急承認薬でもあるエンシトレルビルでは、製造販売元の塩野義製薬が用意している患者同意説明文書1)を使用し、患者・代理人の自署が必要で、処方医は同意書原本の保管とともに、患者・代理人への写しの交付が定められている。結局、その場は災害という非常時でもあり、まずは医師の処方箋に従った調剤・配達を優先することで収まった。ちなみに塩野義製薬の広報部によると、「処方に当たって同意文書の取得・保管を必ず求めており、そのことを医療機関にもお伝えしている」とのことである。配達先に指定されたのは避難所となっていた中学校体育館。前回の連載で触れたCO2濃度を測定した場所である。この時は配達直前にここのCO2濃度測定の依頼があったため、配達と測定を兼ねて3班(1班は3人)で向かった。中学校到着後、メンバーの1人が配った個人防護具(PPE)の手袋を装着して体育館に入った。管理者に来訪目的と患者名を告げると、館内の半ガラス張りの教室のようなところに案内された。中に3つほどベッドが設けられ、感染症患者の隔離室として使用されていた。廊下で患者対応する薬剤師1人が決められ、薄いピンクのPPEのエプロンを着用して入室。ガラス越しに眺めると、処方されたのは高齢女性のようで、薬剤師が中腰で話しかけ、女性はベッドから立ち上がって後方のロッカーから取り出した束を薬剤師に差し出した。すぐに服用薬との相互作用チェックだとわかった。エンシトレルビルはご存じのように併用禁忌、併用注意の薬が多い。10分弱で出てきた当該薬剤師に話を聞くと、お薬手帳がなく、保有薬の確認で問題なしと判断したとのこと。同日夕刻、モバイルファーマシーの前に突っ立っていると、今度は目の前の調整本部から2人分のエンシトレルビルの災害処方箋が舞い込んできた。ところがモバイルファーマシー内のエンシトレルビル在庫は1人分のみ。ということで、その場にいた薬剤師の1人が庁舎内に駆け込み、事情を話してまだ6人分の在庫があったモルヌピラビル(同:ラゲブリオ)に切り替えてもらうことになった。ちなみに災害処方箋に記載された患者は女性2人で、うち1人が40代。厳密に言えば、基礎疾患がなければモルヌピラビルは適応とはならない。災害処方箋上はその点は不明だったようだ。これも非常時ではやむなしなのだろう。結局、この2人分のモルヌピラビルの配達にも同行した。薬剤師3人を乗せた車は、外浦と呼ばれる能登半島の日本海沿岸のあちこちがひび割れた道路を10分ほど進み、そこから山間部に入った。ナビに患者宅の住所は登録済みだったが、周囲は山林だらけで人家は見当たらない。運転していた薬剤師が「たぶん次を右折ですがね」と言ったところで、未舗装の道が見えた。目指す患者宅はその突き当りにあった。ナビがなければ到底見つけられないようなポツンと一軒家である。われわれが到着すると、突如、中型犬が駆け寄ってきて吠え始めた。車内で「うわー、放し飼いだよ」と戸惑いのつぶやきが漏れる。さすがにすぐに車から降りることはできない。皆が犬の吠えに気付いて、飼い主であろう患者・家族が出てくることを期待したが、2分ほど経過しても出てくる様子はなかった。1人が車内から携帯で患者宅に電話をかけながら、残る薬剤師2人と私が意を決して降車した。犬は吠えながら3人のうち、もっとも大柄な男性薬剤師のほうに駆けてきた。彼が「この子、多分怖がってますよ。尻尾下がってますもん」と言いながら、中腰で撫で始めると、急に彼の内股に頭をこすりつけ始めた。ほぼ時を同じくして患者宅からマスクをした高齢男性が出てきて、犬はそちらに走って行った。薬剤師2人が薬を渡しながら高齢男性に服薬指導の内容を伝え、一件落着。だが、帰りの車中では「あのお父さん(高齢男性)、家庭内感染してしまうのでは?」との懸念の声が漏れていた。結局、この日3人分の処方が出たこともあり、モバイルファーマシー用に石川県薬剤師会を通じてエンシトレルビル、モルヌピラビルが追加発注となった。翌日は前日のこともあり、薬剤師たちのなかでも新型コロナ治療薬の処方が急増することに対する警戒感が高まっていたが、午後までまったく動きなし。これでこの日は撤収かと思いきや、撤収時間の間際にモバイルファーマシーにモルヌピラビルの災害処方箋1枚が調整本部から手渡しで届けられた。今回同行した薬剤師に声を掛けると、昨日届けたポツンと一軒家の高齢男性への処方だった。悪い予感は不幸にも的中してしまった。再び車を走らせる。その車中で薬剤師3人が1日2回のモルヌピラビルをどのように服用してもらうかをやり取りしていた。感染症である以上、早めの服用開始が望ましいということで、3人とも男性には配達直後にまず1回分を服用することを指導する点で一致した。ただし、すでに時間は夕刻なので、問題は2回目をいつ服用してもらうか。そこで上がったのは2回目を就寝前とするか、夜中にたまたま目を覚ました時とするかだ。1人が「モルヌピラビルの血中半減期は何時間だっけ?」と言い出し、これに呼応してスマホで検索し始めたもう1人が「約2.7時間ですね」と答え、就寝前と指導することに。この時、私はある言葉を思い出した。この災害処方箋を届けに来た看護師がモバイルファーマシー内の薬剤師に「この患者さん、昨日モルヌピラビルが届けられたお宅の人で、朝にご家族に処方されたものを1回分服用したそうです」と伝えていたことだ。バタバタしたやり取りだったため、もしかしてこの情報はモバイルファーマシー内で調剤した薬剤師から配達に向かう薬剤師に伝えられていないかもしれないと思った。非医療従事者の自分が口を出すのは気が引けたが、黙っているのはもっとまずいと思い、口にした。一同、「えっ?」となり、私は「念のため患者さん宅で確認してみては?」とやや逃げを打った。現場での情報伝達の漏れはこうした何気ないところで起こるものなのだと、あらためて思い知った。そして再び前日の患者宅に到着。予定調和のごとく、犬が吠えながらお出ましになった。昨日のこともあるので、誰も怖がることなく降車。犬は後ろ足立ちになりながら、私の腰辺りで前足をガリガリ。それを撫でながら薬剤師の後に続いた。玄関先には高齢女性が姿を現した。昨日薬を渡した男性の奥さんらしい。対する薬剤師も同行チームの紅一点の女性薬剤師。彼女が高齢男性の服用状況を尋ねると、やはり朝に発熱に気付き奥さんの服用薬を1回分飲んでいたことがわかった。高齢女性が配達された薬袋を手にしながら「このお父さんの分から1回分もらわなきゃね」と笑った。その後、軽い身の上話をし始め、「こんな遠い一軒家までわざわざ来てくれてありがとう」と言いながら、女性薬剤師の手を何度も握っていた。目はやや涙ぐんでいた。被災により断水も続き、通常の生活がままならない中、山奥の一軒家で新型コロナ感染が発覚してどれだけ心細かったろう。配達が終わった女性薬剤師は「本当はハグしてあげたかったな」と漏らした。感染防御上、それは叶わない。2024年第5週の石川県定点当たりの新型コロナ報告数24.52人。その数字の裏側にあった光景の一端はこんな感じだった。参考1)SHIONOGI:患者同意説明文書

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女性診療の疾患と薬がよくわかる ウィメンズヘルスケアのための薬の使い方

女性診療の知りたかった知識が満載!「月刊薬事」66巻2号(2024年1月臨時増刊号)女性診療では、女性特有の生理やホルモンの変化と症状に合わせたホルモン剤の使い方や、妊娠中や授乳中の薬の影響など特別な知識が必要なため、「むずかしそう」というイメージが強いのではないでしょうか。本書では、近年注目が高まっているウィメンズヘルスケアの視点から、外来治療を行う婦人科疾患から救急・入院治療が必要な疾患、さらに妊娠・授乳中の薬物療法、不妊治療の薬における注意点などについて、薬物治療とセルフケアを中心に解説します。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する 女性診療の疾患と薬がよくわかる ウィメンズヘルスケアのための薬の使い方定価4,400円(税込)判型B5判頁数316頁発行2024年1月編集柴田 綾子ご購入はこちらご購入はこちら

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中間期乳がん、生殖細胞系列遺伝子変異と関連/JAMA Oncol

 検診と検診の間にみつかる乳がんは中間期乳がんと呼ばれ、検診でみつかる乳がんより臨床病理学的特徴が悪く、予後も不良である。これまで中間期乳がんと生殖細胞系列遺伝子変異との関連は研究されていないことから、今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のJuan Rodriguez氏らが中間期乳がんと検診発見乳がんの識別に生殖細胞系列タンパク質切断型変異体(PTV)を適用できるかどうか検討した。JAMA Oncology誌オンライン版2024年1月25日号に掲載。 この研究は、スウェーデンでマンモグラフィ検査を受けている40~76歳の女性で、2001年1月~2016年1月に乳がんと診断された全女性と、年齢をマッチさせた対照を対象としたもの。乳がん患者については2021年まで生存について追跡し、34の乳がん感受性遺伝子の生殖細胞系列PTVをターゲットシークエンシングにより解析した。 主な結果は以下のとおり。・乳がん患者4,121例(中間期乳がん:1,229例、検診発見乳がん:2,892例)はすべて女性で、平均年齢は55.5歳(SD:7.1歳)であった。対照は5,631人であった。・中間期乳がんの患者は検診発見乳がん患者より、5つの主要遺伝子(ATM、BRCA1、BRCA2、CHEK2、PALB2)にPTVを保有する可能性が高く(オッズ比[OR]:1.48、95%信頼区間[CI]:1.06~2.05)、主にBRCA1/2、PALB2の変異と関連していた。・乳がん家族歴を持つ女性は、これら5つの遺伝子のいずれかにPTVを保有していると、検診発見乳がんと比較して中間期乳がんリスクが相乗的に増加した(OR:3.95、95%CI:1.97~7.92)。・中間期乳がんの診断を受けた場合、これら5つの遺伝子のいずれかにPTVを保有する患者はいずれの遺伝子も持たない患者に比べて生存率が有意に低い(ハザード比:2.04、95%CI:1.06~3.92)ことが、10年乳がん特異的生存率から明らかになった。・これらの関連はすべて、以前の検診で乳腺密度が低かった中間期乳がん患者でより顕著であった。 著者らは「本研究の結果は、乳がんの治療だけでなく、死亡率低下を目的とした将来の検診プログラムの最適化にも有用だろう」としている。

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高齢統合失調症患者の死亡リスクに対する薬物療法の影響

 人口の高齢化に伴い、統合失調症の罹患においても高齢者の有病率が増加しており、これまで以上に薬剤選択の重要性が増している。現在、高齢統合失調症患者に関するエビデンスが不足していることから、台湾・Far Eastern Memorial HospitalのJia-Ru Li氏らは、向精神薬の使用量および累積投与量が高齢統合失調症患者のすべての原因および原因別の死亡リスクに及ぼす影響を調査するため、コホート研究を実施した。Pharmaceuticals (Basel, Switzerland)誌2024年1月8日号の報告。 対象は、統合失調症と診断された高齢者6,433例。5年間のフォローアップ調査を実施した。抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬、鎮痛薬/睡眠薬の用量(低用量群、中用量群、高用量群)に関連する死亡リスクを、各用量群と投与なし群とで比較を行った。各用量群におけるすべての原因による死亡率および特定の原因による死亡率を比較するため、Cox回帰を生存分析に用いた。特定の向精神薬の投与量を変数とし、それに応じて共変量を調整した。 主な結果は以下のとおり。・抗精神病薬の低用量群および中用量群は、抗精神病薬を投与されていない群と比較し、生存率が高かった。・抗精神病薬の中用量群は、心血管疾患による死亡リスクの低下が認められた。・同様に、抗うつ薬の低用量群および中用量群は、生存率が高かった。・鎮痛薬/睡眠薬では、低用量群で死亡リスクが低下していた。 著者らは「高齢統合失調症患者における抗精神病薬の低/中用量での使用は、すべての原因による死亡リスク低下と関連しており、適切な薬剤選択と抗精神病薬投与の重要性が示唆された。高齢統合失調症患者における治療の複雑さに対処するため、多剤併用の慎重な管理や患者ごとの薬物治療戦略が求められる」としている。

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コロナ感染拡大への祝日の影響、東京と大阪で大きな差

 祝日は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の伝播に影響を及ぼしたのだろうか。京都大学のJiaying Qiao氏らが2020~21年の4都道府県のデータを数理モデルで検討したところ、祝日にCOVID-19伝播が増強したこと、またその影響は都道府県によって異なり、大阪で最も大きく東京で最も小さかったことが示唆された。Epidemiology and Health誌オンライン版2024年1月22日号に掲載。 本研究では、2020年2月15日~2021年9月30日における北海道、東京、愛知、大阪の4都道府県におけるCOVID-19発症と流動性のデータを収集し、祝日の感染頻度の増加を評価した。推定された実効再生産数と、調整前後の流動性、祝日、非常事態宣言を関連付けるモデルを作成した。必須の入力変数として祝日を含めた最も適合性の高いモデルを、祝日がない場合の有効再生産数の反事実を計算するために使用した。 主な結果は以下のとおり。・祝日における実効再生産数の増加率(平均)は、北海道5.71%、東京3.19%、愛知4.84%、大阪24.82%だった。・祝日の影響で増加した感染者数の合計は、北海道580例(95%信頼区間:213~954)、東京2,209例(同:1,230~3,201)、愛知1,086例(同:478~1,686)、大阪5,211例(同:4,554~5,867)だった。 著者らは「今後、適切な公衆衛生および社会対策を立案するうえで、祝日を考慮することが重要であることが明らかとなった」と結論している。

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ニボルマブ、切除不能な進行・再発上皮系皮膚悪性腫瘍の効能追加承認/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル マイヤーズ スクイブは2024年2月9日、小野薬品が、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)について、根治切除不能な進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍に対する効能又は効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。 今回の承認は、慶應義塾大学病院主導の下、根治切除不能な進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍患者を対象に、ニボルマブの有効性および安全性を検討した医師主導治験(NMSC-PD1試験:KCTR-D014)の結果に基づいたもの。 同試験における中央判定奏効率は19.4%(6/31例、95%信頼区間:7.5〜37.5)を示し、主要評価項目を達成した。同試験におけるニボルマブの安全性プロファイルは、既報と同様であった。

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ジャディアンス、慢性腎臓病で国内製造販売承認(一部変更)取得/ベーリンガーインゲルハイム

 日本ベーリンガーインゲルハイムおよび日本イーライリリーは2024年2月9日付のプレスリリースで、SGLT2阻害薬ジャディアンス錠10mg(一般名:エンパグリフロジン)について、日本ベーリンガーインゲルハイムが、慢性腎臓病に対する効能・効果*および用法・用量に係る医薬品製造販売承認事項一部変更承認を、厚生労働省より取得したことを発表した。 慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、腎障害を示す所見や腎機能の低下が慢性的に持続する疾患である。死亡や心筋梗塞、脳卒中、心不全などの心血管疾患のリスクファクターであり、進行すると末期腎不全に至り、透析療法や腎移植術が必要となることもある。慢性腎臓病の治療目的は、腎機能の低下を抑え末期腎不全への進行を遅らせること、および心血管疾患の発症を予防することである。 今回の製造販売承認(一部変更)は、慢性腎臓病患者におけるSGLT2阻害薬の臨床試験としては大規模・広範囲の臨床試験であり、糖尿病の有無やアルブミン尿の有無を問わず、日常診療でよくみられる6,609例(うち日本人612例)の慢性腎臓病患者を対象としたEMPA-KIDNEY第III相臨床試験のデータから得られた結果に基づく。同試験では、エンパグリフロジンの投与により、主要評価項目である慢性腎臓病の進行または心血管死のリスクがプラセボ投与群に比べて28%低下し、統計学的有意差が認められた(ハザード比[HR]:0.72、95%信頼区間[CI]:0.64~0.82、p<0.000001)。また、慢性腎臓病患者を対象としたSGLT2阻害薬の臨床試験としては初めて、試験計画書で事前規定された主な検証的副次評価項目の1つであるすべての入院を有意に減少(14%)した試験となった (HR:0.86、95%CI:0.78~0.95、p=0.0025)。同試験における重篤な有害事象の発現割合は、プラセボ投与群で35.3%、エンパグリフロジン群で32.9%であった。 今回の承認により、ジャディアンス錠10mgは、2型糖尿病、慢性心不全*、慢性腎臓病*の3つの適応症を有することになった。両社は、慢性腎臓病患者の新たな治療選択肢を提供し、より幅広い治療に貢献できるものと考えている、としている。*慢性腎臓病もしくは慢性心不全に対する効能・効果は、それぞれ「慢性腎臓病(ただし、末期腎不全または透析施行中の患者を除く)」および「慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)」。

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院内心停止、心肺蘇生時間1分ごとの患者転帰との関連/BMJ

 米国・ピッツバーグ大学の大久保 雅史氏らは、院内心停止に関する大規模レジストリの後ろ向きコホート研究において、心肺蘇生時間1分ごとの患者アウトカムの時間依存確率を定量化し、生存および良好な神経学的アウトカムの確率は心肺蘇生時間とともに低下し、それぞれ心肺蘇生時間39分および32分時点で1%未満であることを明らかにした。心肺蘇生時間と患者転帰との関連性は、院内心停止患者については十分に調査されていなかった。著者は、「今回の結果は、蘇生チーム、患者、およびその代理人に、最初の自己心拍再開を待っている患者が、さらなる心肺蘇生を受けた場合に、良好なアウトカムが得られる客観的確率を提供するものである」とまとめている。BMJ誌2024年2月7日号掲載の報告。院内心停止し心肺蘇生を受けた成人患者34万8,996例について解析 研究グループは、米国心臓協会(AHA)のGet With The Guidelines-Resuscitation (GWTG-R)レジストリにおいて、2000~21年に参加施設で院内心停止を来した患者で、蘇生処置拒否指示がなく心肺蘇生を受けたすべての成人患者(18歳以上)を特定し、解析した。 主要アウトカムは、退院までの生存および退院時の良好な神経学的アウトカム(脳機能カテゴリー[CPC]スコア1または2と定義、スコアの範囲は1~5、スコアが高いほど障害が重度、5は脳死)とした。 蘇生中止に関するすべての決定が正確であったと仮定し(蘇生が中止されたすべての患者は、たとえ心肺蘇生を長時間継続しても助かることはできなかった)、各時点で最初の自己心拍再開を待っている患者が、その時点を超えてさらに心肺蘇生を受けた場合の、その後退院まで生存する、あるいは良好な神経学的アウトカムが得られる時間依存確率を推定した。 院内心停止により心肺蘇生を受けた成人患者は40万1,697例特定され、このうち除外基準を満たした患者を除く34万8,996例が解析対象となった。さらに、退院時の神経学的アウトカムが不明であった1万5,645例は、同アウトカムの解析から除外した。心肺蘇生時間1分時点で自己心拍再開が得られていない患者の生存確率は22% 34万8,996例中23万3,551例(66.9%)で自己心肺再開が得られ、胸骨圧迫開始から最初の自己心拍再開までの時間の中央値は7分(四分位範囲[IQR]:3~13)であった。7万8,799例(22.6%)が生存退院した。一方、自己心拍再開が得られなかった11万5,445例(33.1%)では、胸骨圧迫開始から蘇生中止までの時間の中央値は20分(IQR:14~30)であった。 退院時の神経学的アウトカムを評価できた33万3,351例のうち、良好な神経学的アウトカムを達成したのは5万2,104例(15.6%)であった。 心肺蘇生時間1分時点で、自己心拍再開未達成患者の生存および良好な神経学的アウトカムの確率は、それぞれ22.0%(7万5,645/34万3,866例)および15.1%(4万9,769/32万8,771例)であった。同確率は心肺蘇生時間が長くなるとともに減少し、心肺蘇生時間39分時点で生存の確率は1%未満、心肺蘇生時間32分時点で良好な神経学的アウトカムの確率は1%未満であった。

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広範囲脳梗塞の血栓除去術、虚血コアの大きさ等で有効性は異なるか?/JAMA

 広範囲脳梗塞患者の治療において、内科的治療のみと比較して血管内血栓除去術の併用は、幅広い虚血コア体積およびペナンブラプロファイルにわたって機能的アウトカムを改善することが示された。米国・ケース・ウエスタン・リザーブ大学のAmrou Sarraj氏らが、非盲検無作為化第III相試験「SELECT2試験」の探索的解析の結果を報告した。急性期脳梗塞で大きな虚血コアを有する患者に対する血管内血栓除去術の有効性が、虚血傷害の程度によって異なるかどうかは不明であった。JAMA誌オンライン版2024年2月7日号掲載の報告。血管内血栓除去術+内科的治療併用群、内科的治療単独群に無作為化 研究グループは、2019年10月~2022年9月に、米国、カナダ、欧州、オーストラリア、ニュージーランドの31施設で、内頸動脈または中大脳動脈M1セグメントの閉塞による急性期脳梗塞を呈し、非造影CTでASPECTSスコア3~5、またはCT灌流画像あるいはMRI拡散強調画像で虚血コア50mL以上の成人(18~85歳)患者352例を、血管内血栓除去術+内科的治療併用群または内科的治療単独群に、1対1の割合に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、90日時点の機能的アウトカム(修正Rankin尺度[mRS]スコア:0[無症状]~6[死亡])で、補正後一般化オッズ比(aGenOR、>1でより良好なアウトカムを表す)で評価した。 探索的解析では、血管内血栓除去術と内科的治療の有用性の比較を、異なる画像モダリティを用いて推定された虚血範囲との関連で検討した。機能的アウトカム、虚血コア体積増に伴い悪化するも併用群のほうが良好 無作為化された患者352例のうち探索的解析対象集団は336例(年齢中央値:67歳、女性:139例[41.4%])で、このうち168例(50%)が血管内血栓除去術併用群に割り付けられ、さらに内科的治療群の2例がクロスオーバーにより血管内血栓除去術を受けた。 ASPECTSスコア3~5と判定された277例において、90日時点の機能的アウトカムは、血管内血栓除去術併用群が内科的治療群より有意に良好であった。内科的治療に対する血栓除去術併用のaGenORは、ASPECTSスコア3の患者で1.71(95%信頼区間[CI]:1.04~2.81)、4の患者で2.01(1.19~3.40)、5の患者で1.85(1.22~2.79)であり、ASPECTSスコアで有意な不均一性はなかった(交互作用のp=0.80)。 CT灌流/MRIによる虚血コア体積別では、aGenORは70mL以上で1.63(95%CI:1.23~2.16)、100mL以上で1.41(0.99~2.02)、150mL以上で1.47(0.84~2.56)であった。 ミスマッチのない患者はほとんど登録されていなかったが、ミスマッチの有無による血管内血栓除去術の治療効果の不均一性は確認されなかった。

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ChatGPTの研修会【Dr. 中島の 新・徒然草】(516)

五百十六の段 ChatGPTの研修会寒い日々が続きますね。健康のために歩かなくては、と思っても外に出る気がしません。なので、もっぱら家の中での散歩。以前にも述べたように、台所↔リビング↔部屋で1周100歩ほどになるので、YouTubeを聴きながら歩いております。さて、先日は医師会で「生成AIの最新情報 及び 働き方改革に向けた活用方法」という研修会があったので出席してきました。第438話でも述べたように、すでにAIは医療現場に入り込んでいます。大阪医療センターでは胸部レントゲンの読影に使っており、皆に重宝されてきました。診断をつけるというよりも、私は「結節影や浸潤影を見逃さない」という形で使っています。今回の医師会の研修会ではもっぱら「ChatGPTをどう活用しているか」という話に終始しました。基調講演が終わると、初期研修医や大学病院助教ら3名がそれぞれの活用法を発表しました。最新の話題だけあって質疑応答が途切れることがありません。今回は講演内容と質疑応答について、私の理解できた範囲で軽く触れたいと思います。有料版であるChatGPT-4は、無料版であるChatGPT-3.5より賢い米国の司法試験を解かせてみると、前者は上位10%で合格点を取りましたが、後者は下位10%で不合格の点数しか取れなかったそうです。講演では、司法試験のほかに20以上の分野の試験での得点の比較がグラフ化されていましたが、3.5と4でほとんど差のないものから大きく差のついたものまでいろいろでした。ちなみにほとんど差のないものはAP Environmental Scienceで、これは環境科学になるのでしょうか。APというのはAdvanced Placementで「上級科目」という意味だそうです。逆に大きく差のついたものはAP Calculus BCで、微積分のようです。われわれに関係ありそうなAP Biologyつまり生物学は中間程度の差でした。ChatGPT-4に「AIのイメージ作って!」と入力すると画像生成もしてくれる発表で紹介されたのは写実的な擬人化されたAIの画像です。続けて「もっとかわいいの!」と入力するとキャラクター的なイラストになり、それも紹介されていました。ChatGPTの出力結果は専門家のほうが正誤の推測をしやすい何を尋ねてもChatGPTは何らかの答えを返してきますが、それが正しいのか否かを質問者が見極めることは困難そのもの。が、自分がまったく知らない分野よりは、ある程度知っている分野のほうが、その回答の整合性から正誤を推測することができます。ということは、まったくの素人がChatGPTを使って知らない分野の知識を得ようとするよりは、専門家が自分のアシスタントみたいな形でChatGPTを使うほうが現実的なのかもしれません。そのほか、いろいろな活用法が紹介されていましたが省略して、次は質疑応答の内容を紹介します。プロンプトと呼ばれる入力を日本語で行った時と英語で行った時に、出てくる結果の精度にどのくらいの違いがあるのか?そもそもChatGPTを開発したOpenAIが米国の会社なので、英語入力のほうが日本語入力より精度が高いのではないかという気がします。しかし、基調講演の講師によると、ほとんど差がないのではないかということでした。日本語入力でも結果が大きく変わらないのであれば、かなり楽に使えます。指導医はChatGPTの使い方をどのように研修医に教えるべきか?論文作成に生成AIを使う場合が要注意で、まったく受け付けないジャーナルから、どこにどのように使ったかを明記すれば使ってよい、というジャーナルまでいろいろあるのだそうです。また投稿論文の査読を頼まれた時に、生成AIにやらせるのはやめておいたほうが無難だとか。まだオープンになっていないデータが、どこにどのように拡散するかはわかりませんから。そのような潜在的な地雷を踏まないような指導が必要だと思います。私見ですが、皆が手探りで使い方の試行錯誤をしているところなので、研修医だろうが指導医だろうが、先行したユーザーが後から使い始めた人に手ほどきするというのが正しいのではないかと思います。というわけで、休日にもかかわらず盛り上がった研修会、出席した甲斐がありました。最後に1句AIを 学んで試す 如月にChatGPTを使ってこの句をイラストにしてみました。条件として、外の風景と人物は和風、室内は洋風としています。なんか不思議な画像が出来てしまいましたが、いかにも生成AIといった画像ですね。

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50年返済の住宅ローンが「アリ」となる条件とは【医師のためのお金の話】第77回

50年返済の住宅ローンが話題です。口火を切ったのは、住信SBIネット銀行が2023年8月から販売を開始した借入期間50年の住宅ローン。これまでも、住宅金融支援機構が民間機関と提携して実施しているフラット50や、一部の地方銀行で取り扱いがありました。しかし、フラット50の対象は長期優良住宅のみで、地方銀行は管轄エリア内の住宅にしか利用できませんでした。ところが、住信SBIネット銀行が取り扱いを始めたため、全国の住宅で借入期間50年の住宅ローンを利用できるようになったのです。折しも、2023年1~6月の東京23区内の新築分譲マンションの平均価格は1億2,962万円でした。ここまで物件価格が高騰してくると、医師といえども手を出しにくいでしょう。都内在住の医師にとって、マイホームは高嶺の花なのか…。毎月の支払い金額が高額過ぎて諦めていた物件であっても、50年返済なら何とか手の届く範囲になりそう。はたして、借入期間50年の住宅ローンは、高騰したマイホームを購入する救世主となるのでしょうか。住信SBIネット銀行の参入で50年住宅ローンの利用が可能に2023年8月4日、住信SBIネット銀行は借入期間50年の住宅ローンの取り扱いを開始しました。住信SBIネット銀行以外にも、全国各地の地方銀行や信用金庫が続々と50年の住宅ローンを投入しています。借入期間が50年に延長された住宅ローンには、従来の期間(35年)と比べていくつかの相違点があります。主なものは、完済時年齢が80歳未満にまで延長、金利は若干高めという点です。それ以外は、従来の住宅ローンと同じと考えてよいでしょう。地方銀行や信用金庫は取り扱い可能なエリアが限られているため、住信SBIネット銀行や住宅金融支援機構のフラット50が便利です。しかし、もし取り扱いエリア内であれば、融通が利きやすい地方銀行や信用金庫も選択肢に入るでしょう。50年の住宅ローンは危険という意見が多い鳴り物入りで登場した借入期間50年の住宅ローンですが、ネット上では否定的な意見が多いです。主な理由は、通常の住宅ローンよりも金利負担が大きいことと、建物の劣化による残債割れのリスクです。残債割れとは、途中でマイホームを売却した際に、売買金額よりも住宅ローンの残債金額のほうが多くなる状態です。50年もすると、建物は相当劣化してしまいます。このため、とくに建物部分の大きいマンションでは、残債割れリスクが顕在化してしまう傾向にあります。この2点以外にも、定年退職後も返済を続けなければいけない可能性があります。医師は一般の人よりも長く働ける可能性が高いです。それでも、70代後半になっても現役並みに働ける人は一握りではないでしょうか。50年の住宅ローンが「アリ」になる条件借入期間50年の住宅ローンはデメリットが大きいため、あまり利用する価値がないと思いがちです。しかし冒頭で述べたように、これほど不動産価格が高騰している状況では、やり方次第で有用なツールになる可能性があります。あくまでも私見ですが、50年の住宅ローンが「アリ」になる条件は、不動産価格が高騰し続ける状況だと思います。1990年代のバブル崩壊のような暴落が発生したとしても、50年という超長期でみると不動産価格は上昇する可能性が高いです。その理由は、不動産価格とはあくまでも現金に対する相対的な価値だからです。これだけ財政赤字が大きいと、日本円に対する信認が50年間も維持できるとは思えません。日本円の価値が落ちると、相対的に不動産価格が上昇するというロジックです。もちろん、日本円の価値が下落するスピードよりも、物件の資産価値が下落するスピードが速いと、残債割れが発生します。このため、借入期間50年の住宅ローンでは、従来の35年ローンよりもシビアに価値の落ちにくい物件を選ぶ必要があります。そして、住宅ローン控除が終了した時点で、返済額軽減型の繰り上げ返済を検討してもよいかもしれません。ここで返済期間短縮型ではなく返済額軽減型を選ぶ理由は、超長期で借り入れているメリットを享受するためです。不動産投資の観点では、50年の住宅ローンとは、日本円とマイホームの価値下落スピードの速さを競う賭けです。私は、超長期では日本円に弱気なので、借入期間が長いほどマイホーム(住宅ローン)の方が有利だと考えています。皆さんの考えはいかがでしょうか?

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第84回 SNSで流行する病「インプレゾンビ」

収益を求めてさまようインプレゾンビ現在SNSには、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、TikTok、Threadsなどいろいろな種類が登場しています。最近Xで感染症のように流行している現象があります。それが「インプレゾンビ」です。皆さんはXの「インプレッション」というものをご存じでしょうか。要は、自分の投稿をどれくらいの人が見てくれたかを表しているものですが、2023年夏から自分の投稿に表示される広告から収益の一部を受け取れる「クリエイター広告収益化プログラム」が始まりました。つまり、インプレッションの数が多いほど、収益が多くなります。全員が収益化できるわけではなく、条件はいくつかあります。①Xのアカウントで「X Premium(旧Twitter Blue)」に課金する必要があること(1ヵ月最低980円/8米ドル)②フォロワー500人以上③直近3ヶ月のインプレッションが500万以上をクリアしなければいけません。つまり、インプレッションをたくさん稼いで、月980円以上の利益が出なければ、課金した意味がなくなるということです。「インプレゾンビ」というのは、このインプレッションを稼ぐために集まるゴーストアカウントのことです。ミュートやブロックをしても、別の投稿にゾンビのように群がることから、このような名前がついています。有料アカウントのインフルエンサーにリプライを送ることで、まったく内容のない投稿でもインプレッションが集まる仕組みを利用しているわけです。インプレゾンビが問題視されたのは、能登半島地震がきっかけです。「生き埋めになっています、助けてください、拡散希望」という投稿が、大量に投下されたのです。文章をコピーされて複数のアカウントから投稿されました。これもあってか、インプレゾンビは許されないという論調に火がつきました。Bluesky開放イーロン・マスクがこの現象を放置していることや、インプレゾンビ問題を好機とみたのか、これまで招待制だった「Bluesky」というSNSが2月6日に一般ユーザーへ大々的に開放されました。見た目はほとんど旧Twitterと同じですが、これはBlueskyの開発を始めたジャック・ドーシーが、旧Twitterの共同創業者だったからです。Blueskyは1つの企業が独占的に管理するSNSではなく、多数の個人やグループがサーバーを運営する分散型SNSという特徴があります。使い勝手としては、昔のTwitterそのまま、といったところです。現状、Threadsは思うようにアクティブユーザーを獲得できていないように思われます。そのため、現在Xはまだ一強の状態です。Bluesky自体は現時点では、広告もなく収益を生む仕組みもまだありません。その分、企業にとっての旨味が少ないことから、すぐに下火になってしまう可能性もあります。今後、Blueskyがどう食い込んでくるか注目です。

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新型コロナワクチンの国内での有効性評価、VERSUS研究の成果と意義

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンの有効性を評価するため、VERSUSグループは国内の13都府県の医療機関24施設で2021年7月から継続的に「VERSUS研究」1)を行っている。本研究は、新型コロナワクチンの国内での有効性を評価し、リアルタイムにそのデータを社会に還元することを目的としている。今後はCOVID-19のみならず、新たな病原体やワクチンを見据えたネットワークを整備・維持していく方針だ。VERSUS研究のこれまでの成果と意義について、2024年1月20日にウェブセミナーが開催された。長崎大学熱帯医学研究所呼吸器ワクチン疫学分野の森本 浩之輔氏と前田 遥氏らが発表した。なお、BA.5流行期のワクチン有効性の結果は、Expert Review of Vaccines誌2024年1~12月号に論文掲載された2)。 VERSUS研究では、COVID-19を疑う症状があり病院を受診した16歳以上の患者、または呼吸器感染症を疑う症状で入院した16歳以上の患者において、新型コロナウイルス検査陽性者を症例群、検査陰性者を対照群とした検査陰性デザイン(test-negative design)を用いた症例対照研究を行い、ワクチン効果(vaccine effectiveness)を推定している。研究におけるアウトカムは、COVID-19の発症予防および入院予防とした。今回の発表では、2021年7月~9月のデルタ株流行期、2022年1月~6月のオミクロン株BA.1/BA.2流行期、2022年7月~11月のオミクロン株BA.5流行期、2022年後半~2023年前半BA.5/BQ.1流行期(オミクロン株対応2価ワクチン開始)、2023年オミクロン株XBB/EG.5.1流行期を通して、ワクチンの未接種者と比較した新型コロナワクチンの有効性が、前田氏によりまとめられた。 主な結果は以下のとおり。・デルタ株流行期では、2回接種により発症予防に対してワクチンの高い有効性が認められた。・オミクロン株BA.1/BA.2流行期では、2回接種による有効性は十分ではなく、3回接種が必要であった。16~64歳において、2回接種から180日以上の人での発症予防に対してワクチンの有効性が33.6%に対し、3回接種から90日以内の人では68.7%だった。65歳以上でも同様の傾向で、2回接種の有効性は31.2%に対し、3回接種では76.5%だった。・オミクロン株BA.5流行期では、ブースター接種(3回目または4回目)により、発症予防におけるワクチンの有効性は上昇したが、時間経過により有効性の低下が認められた。16~59歳において、2回接種から181日以上の人での発症予防に対してワクチンの有効性が26.1%に対し、3回目接種から90日以内の人では58.5%と再度上昇した。60歳以上でも、3回目接種181日以上の人では16.5%まで低下したが、4回目接種から90日以内では44.0%まで上昇した。・BA.5流行期の60歳以上におけるワクチンの入院予防効果について、ブースター接種の高い有効性が認められた。呼吸状態の悪い患者など、重症な患者に限定した解析でも同様に高い有効性が認められた。・BA.5/BQ.1流行期では、オミクロン株対応2価ワクチンは、発症予防に中程度の有効性が認められたが、XBB/EG.5.1流行期以降は効果が十分ではなかった。16~64歳において、BA.5/BQ.1流行期では、接種から90日以内で発症予防における2価ワクチンの有効性は56.1%だったが、XBB/EG.5.1流行期では、接種から90日以内では12.3%だった。・BA.5/BQ.1流行期およびXBB/EG.5.1流行期では、65歳以上でも、発症予防については16~64歳と同様の傾向が認められたが、入院予防ではいずれの期間でも高い有効性が認められた。2価ワクチン接種90日以内の入院予防の有効性は、BA.5/BQ.1流行期で72.6%に対し、XBB/EG.5.1流行期では69.1%だった。・いずれの期間においても、ファイザー製とモデルナ製の両mRNAワクチンで有効性の差はみられなかった。・今後XBB.1.5対応ワクチンの評価も行われる予定。 本セミナーの後半では、横浜市立大学データサイエンス研究科/東京大学大学院薬学系研究科の五十嵐 中氏が、国内でのワクチンの定期接種化に向けた費用対効果の評価を行う際、日本とは医療環境の異なる海外でのデータに依拠するだけでは不十分で、国内でのデータを評価することの重要性を強調した。VERSUS研究によって、国内の有効性データの迅速推計の基盤が整備され、費用対効果やQOL評価に役立つデータの創出に貢献し、さらに、今回築かれた基盤は、今後、他のワクチンの政策決定においても継続的な情報提供が可能になるとまとめた。

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日本のプライマリケアにおけるベンゾジアゼピン適切処方化への取り組み

 日本において、プライマリケアにおける質の向上(QI)に対する取り組みは、まだまだ十分とはいえない。QIにおいて重要な領域の1つとして、ベンゾジアゼピンの適切な処方が挙げられており、高齢化人口の増加が顕著なわが国においてとくに重要である。地域医療振興協会の西村 正大氏らは、日本のプライマリケアクリニックにおけるベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZRAs)の処方中止に対する医療提供者へのQIイニシアチブの実現可能性について検討を行った。BMC Primary Care誌2024年1月24日号の報告。 調査対象は、2020~21年にBZRAs処方中止イニシアチブに参加した日本の準公立クリニック11施設および医療提供者13人。クリニック規模に応じて層別化し、参加施設を診療監査のみまたは診療監査とコーチングの実施の2群にランダムに割り付けた。診療監査のため、2つのBZRAs関連指標を参加施設に提示した。QIの活動をサポートするため、毎月コーチングミーティングをWebベースで実施した。9ヵ月間の実施後、半構造化インタビューにより、内容分析を用いてテーマを特定した。特定されたテーマを整理し、実装研究のための統合フレームワーク-CFIR-を用いて、主要な要素を評価した。 主な結果は以下のとおり。・診療監査とコーチングの組み合わせは、診療監査のみの場合よりも価値があると認識されていた。・参加者は、施設外のリソースとしてQIイニシアチブについての知的好奇心を示した。・しかし、小規模クリニックにおいてチームによるQIアプローチを採用することは困難であると認識されており、効果的なQIを達成するためには、指標の選択が重要であることが示唆された。 著者らは「クリニックの規模が潜在的な障壁のなる可能性があるものの、学術的な好奇心を高めることにより、日本のプライマリケアにおけるQIへの取り組みを促進できる可能性が示唆された」とし「長期的なQIの可能性を評価するためには、より多様な指標を用いたさらなる実証試験が必要である」としている。

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「医学部等における労働法教育を考えるシンポジウム」開催/厚労省

 2024年3月8日(金)、「医学部等における労働法教育を考えるシンポジウム」が会場+オンライン(Zoom ウェビナー)のハイブリット方式で開催される。2024年4月より医師に対する時間外労働の上限規制が適用開始となり、医学生や若手医師に、医師の働き方の実情、医師の働き方改革の内容と趣旨・目的、関係する法令などを周知することが重要となっている。本シンポジウムでは、実際に医学部設置大学において講義を行った医師による講義実例の紹介や、弁護士・大学教員・医学生とのパネルディスカッションが行われ、医師の働き方改革の趣旨などを医学生や若手医師に伝える意義、その効果的な方法について考える。 開催概要は以下のとおり。開催日時:2024年3月8日(金)16:00~18:00開催:ハイブリッド方式(会場+オンライン)会場:KFC Hall&Rooms Room101・102(東京都墨田区横網一丁目6番1号国際ファッションセンタービル)定員:会場100名、オンライン500名(※事前申し込み制)参加費:無料申し込み締切:2024年3月1日(金)■参加申し込みはこちら【プログラム】◎ モデル・コア・カリキュラム改定と教育・研究時間の確保について堀岡 伸彦氏(文部科学省高等教育局医学教育課 企画官)◎ 講義実例木戸 道子氏(日本赤十字社医療センター第一産婦人科部長)前川 宙貴氏(弁護士法人天満法律事務所 弁護士)◎ パネルディスカッション神村 裕子氏(日本医師会常任理事)木戸 道子氏(同上)河野 恵美子氏(大阪医科薬科大学一般・消化器外科助教)前川 宙貴氏(同上)亀田 義人氏(順天堂大学)種村 文孝氏(京都大学医学教育・国際化推進センター)石橋 蓮氏(順天堂大学医学部学生)松本 彩絵氏(順天堂大学医学部学生)【お問い合わせ先】厚生労働省委託事業事務局 ランゲート株式会社〒604-8141 京都市中京区泉正寺町328西川ビル4階TEL:075-741-7862(平日9:00~17:00)

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小児・思春期の2価コロナワクチン、有効性は?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する2価mRNAワクチンについて、小児・思春期(5~17歳)へのSARS-CoV-2感染および症候性COVID-19に対する保護効果が認められることが示された。米国疾病予防管理センター(CDC)のLeora R. Feldstein氏らが、3つの前向きコホート試験に参加した約3,000例のデータを解析し報告した。米国では12歳以上については2022年9月1日から、5~11歳児については同年10月12日から、COVID-19に対する2価mRNAワクチンの接種を推奨しているが、その有効性を示す試験結果は限られていた。著者は、「今回示されたデータは、小児・思春期へのCOVID-19ワクチンの有益性を示すものである。対象となるすべての小児・思春期は、推奨される最新のCOVID-19ワクチン接種状況を維持する必要がある」と述べている。JAMA誌2024年2月6日号掲載の報告。米国計6ヵ所で集めたデータを統合し解析 研究グループは、米国で行った3つの前向きコホート試験(計6ヵ所で実施)の2022年9月4日~2023年1月31日のデータを統合し、5~17歳の小児・思春期におけるCOVID-19に対する2価mRNAワクチンの有効性を推定した。被験者総数は2,959例で、定期的サーベイ(人口統計学的・世帯特性、慢性疾患、COVID-19症状を調査)を行った。サーベイでは、症状の有無にかかわらず自己採取した鼻腔ぬぐい液スワブを毎週提出してもらい、また症状がある場合には追加の同スワブを提出してもらった。 ワクチン接種の状況は定期的サーベイで集め、州の予防接種情報システムや電子カルテで補完した。 採取したスワブを用いてRT-PCR検査でSARS-CoV-2ウイルスの有無を調べ、症状の有無にかかわらず陽性はSARS-CoV-2感染と定義した。検体採取から7日以内に2つ以上のCOVID-19症状がある検査陽性例を、症候性COVID-19と定義した。 COVID-19 2価mRNAワクチン接種者と、非接種者または単価ワクチンのみ接種者について、Cox比例ハザードモデルを用いてSARS-CoV-2感染や症候性COVID-19のハザード比を算出。年齢や性別、人種、民族、健康状態、SARS-CoV-2感染歴、試験地別の流行型の割合、地域ウイルス感染率などで補正を行い評価した。感染率は2価ワクチン群0.84/1,000人日、非2価ワクチン群1.38/1,000人日 被験者2,959例のうち、女子は47.8%、年齢中央値は10.6歳(四分位範囲[IQR]:8.0~13.2)、非ヒスパニック系白人は64.6%だった。COVID-19 2価mRNAワクチンを1回以上接種したのは、25.4%だった。 試験期間中、SARS-CoV-2感染が確認されたのは426例(14.4%)だった。このうち184例(43.2%)が症候性COVID-19を有した。426例の感染者のうち、383例(89.9%)はワクチン未接種または単価ワクチンのみ接種者で(SARS-CoV-2感染率1.38/1,000人日)、43例(10.1%)が2価mRNAワクチン接種者だった(同感染率0.84/1,000人日)。 SARS-CoV-2感染に対する2価mRNAワクチンの有効性は、54.0%(95%信頼区間:36.6~69.1)で、症候性COVID-19に対する同有効性は49.4%(22.2~70.7)だった。 ワクチン接種後の観察期間中央値は、単価ワクチンのみ接種者は276日(IQR:142~350)だったのに対し、2価mRNAワクチン接種者は50日(27~74)であった。

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