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言葉の由来梅毒は英語で“syphilis”といい、「スィフィリス」という発音になります。近年、日本では感染者が急増していますが、その歴史や語源はご存じでしょうか?世界で初めて梅毒が確認されたのは15世紀の後半です。梅毒の起源については、コロンブスがアメリカ大陸から欧州に持ち帰ったなど諸説ありますが、15世紀末にフランス軍がイタリアに侵攻した際に、性的接触を介してイタリアで大流行が起こりました。このことからフランスでは「イタリア病」や「ナポリ病」、イタリアでは「フランス病」と呼ばれました。この呼び方は当時の国家間の政治的対立を反映したものであり、一種のプロパガンダとして利用されたともいえます。“syphilis”という名前は、イタリアの詩人、ジローラモ・フラカストロによって1530年に書かれたラテン語の詩「梅毒またはフランスの病」(Syphilis sive morbus gallicus)で初めて登場しました。この詩では、羊飼いの“syphilis”という英雄が、神を冒涜した罰としてこの病気に初めて感染した、と描かれています。このフラカストロは医師でもあり、新しい病気の名前をこの主人公からとって医学論文を発表したことから、“syphilis”という名前が広まったとされています。なお、日本で梅毒が最初に記録されたのは1512年といわれており、欧州での大流行から程なくして日本に伝わったことがわかります。日本語の「梅毒」という病名は症状として見られる赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来しているという説が一般的です。併せて覚えよう! 周辺単語性感染症sexually transmitted diseases下疳chancre扁平コンジロームcondylomata lataゴム腫gumma神経梅毒neurosyphilisこの病気、英語で説明できますか?Syphilis is a sexually transmitted disease that can may lead to severe health complications if left untreated. Infection develops in stages, including primary, secondary, latent, and tertiary, and each stage can have different signs and symptoms.講師紹介